JP4075631B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両のパワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パワーステアリング装置の一態様として、運転者により車両のステアリングホイールに加えられる操舵力をアシストし、そのアシスト力を操舵力のみならず他のパラメータによっても変化させるものが既に知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、車両がオーバーステア状態又はアンダーステア状態を示したときは、操舵力を決定するゲインを下げることにより車両の挙動が不安定になることを防止することのできるパワーステアリング装置(車両用操舵装置)が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−78951号公報(第2―6頁、第10図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のパワーステアリング装置では、車両がオーバーステア状態又はアンダーステア状態からニュートラルステア状態に戻ったときに、操舵力を決定するゲインが上げられ、実際の操舵アシスト量が直ちに通常の操舵アシスト量に戻されるため、操舵アシスト力が急激に変化して操舵フィーリングが悪化するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、車両がオーバーステア状態又はアンダーステア状態からニュートラルステア状態に戻ったときに、操舵アシスト力が急激に変化することを防止することができ、操舵フィーリングの悪化を抑制することが可能なパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパワーステアリング装置は、車両の運転状態に基づいて目標ヨーレートを演算する目標ヨーレート演算手段と、車両の実際のヨーレートである実ヨーレートを検出する実ヨーレイト検出手段と、目標ヨーレートと実ヨーレートとの比較に基づいて車両のステア状態を判定するステア状態判定手段と、ステアリングホイールの操舵状態に基づいて定められる基本操舵アシスト量をステア状態に基づいて補正して目標操舵アシスト量を求めるアシスト量制御手段とを備え、アシスト量制御手段は、ステア状態がアンダーステア又はオーバーステアからニュートラルステアに変化したときに、目標操舵アシスト量を基本操舵アシスト量に徐々に収束させるように制御し、基本操舵アシスト量と目標操舵アシスト量との偏差が小さい程、目標操舵アシスト量を基本操舵アシスト量に収束させる操舵アシスト量を小さくすることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るパワートレインの制御装置によれば、目標ヨーレートと実ヨーレートとの比較に基づいて判定される車両のステア状態に応じて基本操舵アシスト量が補正されて目標操舵アシスト量が求められる。また、車両のステア状態がアンダーステア又はオーバーステアからニュートラルステアに変化したときには、目標操舵アシスト量が基本操舵アシスト量に徐々に収束するように制御されるため、操舵アシスト力が急激に変化することを防止することが可能となる。また、基本操舵アシスト量と目標操舵アシスト量との偏差が小さくなるにしたがって、基本操舵アシスト量に近づける操舵アシスト量が小さくされるため、操舵アシスト力が急激に変化することを防止することが可能となる。
【0011】
また、本発明に係るパワーステアリング装置は、車両の速度を検出する車速検出手段をさらに備え、操舵アシスト量制御手段が、車両の速度が遅い程、目標操舵アシスト量を基本操舵アシスト量に収束させる収束時間が短くなるように制御することが好適である。
【0012】
この場合、車両の取り回しが困難で且つ操舵アシスト量を早く戻したとしても危険度の小さい低速域においては操舵アシスト量の収束時間が短くなるように制御され、低速域に比べて車両の取り回しが比較的容易で且つ操舵アシスト量を早く戻すと危険度の大きい高速域においては操舵アシスト量の収束時間が長くなるように制御される。よって、安全性を考慮しつつ操舵フィーリングの悪化を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
まず、図1を用いて、本実施形態に係るパワーステアリング装置1の全体構成について説明する。
【0015】
図1において、W1,W2は操舵車輪としての左車輪,右車輪であり、これら左右車輪W1,W2はタイロッド10を介してステアリングギヤボックス20によって連結されている。ステアリングギヤボックス20は、ラック22及びピニオン24などを備えており、ラック22がステアリングギヤボックス20に対して摺動可能に設けられている。ラック22の両端にはタイロッド10が連結され、ピニオン24にはステアリングシャフト30を介してステアリングホイール32が取り付けられている。
【0016】
ステアリングシャフト30の中間部には減速機40が取り付けられ、この減速機40には電動モータ50が連結されている。電動モータ50には、電子制御ユニット(以下、EPS ECUという)60が接続され、EPS ECU60によって制御された電流が供給されるようになっている。
【0017】
また、ステアリングシャフト30の中間部にはロータリーエンコーダなどからなる操舵角センサ61が設けられ、運転者が入力した操舵角度θの方向と大きさに応じた信号を出力する。この操舵角センサ61から出力された信号は、EPSECU60に入力される。
【0018】
ステアリングホイール32に操舵力が加えられると、ステアリングシャフト30に操舵トルクが与えられる。この操舵トルクによりピニオン24が回転させられ、それによって、ラック22がステアリングギヤボックス20に対して摺動させられ、タイロッド10を介して左右前輪W1,W2が転舵される。また、電動モータ50に電流が供給されると、減速機40を介してステアリングシャフト30にモータトルクが与えられる。つまり、ステアリングシャフト30には、ステアリングホイール32に加えられた操舵力による操舵トルクと、電動モータ50により与えられたモータトルクとの両方が与えられる。
【0019】
このパワーステアリング装置1を搭載した車両には、トランスミッション等を介して伝達されるエンジンからの駆動力を前輪側と後輪側とに伝達する図示しないセンタデフが設けられている。このセンタデフには、前後の差動を適当に制限しうるセンタデフ差動制限機構が設けられている。この差動制限機構は、例えば油圧式の多板クラッチにより構成され、供給油圧に応じて前後輪の差動を制限しながら、前後輪への駆動力配分を制御できるようになっている。なお、差動制限機構には多板クラッチに供給される油圧を計測する油圧サンサ65が取り付けられており、この油圧センサ65は、EPS ECU60に接続されている。
【0020】
EPS ECU60の入力部には、上記の操舵角センサ61及び油圧センサ65以外に、車両の速度を検出する車速センサ(車速検出手段)62、車両の左右方向の加速度を検出する横加速度センサ63及び車両の実ヨーレートを検出するヨーレートセンサ(実ヨーレート検出手段)64等が接続されている。一方、EPS ECU60の出力部には、モータ50を駆動するための駆動回路等が接続されている。
【0021】
EPS ECU60は、その内部に、演算を行うマイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムを記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM及び12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM等を有している。
【0022】
そして、上記構成によって、EPS ECU60の内部には、上記各種センサにより検出される車両の運転状態に基づいて目標ヨーレートを演算する目標ヨーレート演算部60a、目標ヨーレートと実ヨーレートとの比較に基づいて車両のステア状態を判定するステア状態判定部60b及び基本操舵アシスト量とステア状態とに基づいて目標操舵アシスト量を求めるアシスト量制御部60c等が構築されている。即ち、EPS ECU60は、目標ヨーレート演算手段、ステア状態判定手段及びアシスト量制御手段として機能する。
【0023】
次に、図2及び図3を併せて参照して本実施形態に係るパワーステアリング装置1の動作について説明する。図2は、パワーステアリング装置1おける操舵力のアシスト制御を示すフローチャートであり、図3は、操舵力のアシスト制御における目標操舵アシスト量の収束処理を示すフローチャートである。図2に示す操舵力のアシスト制御は、車両のイグニションスイッチがON状態にされてEPS ECU60の電源が投入されることにより起動され、所定の時間(例えば、6ms)毎に繰り返して実行される。
【0024】
ステップS100では、操舵角センサ61からステアリングホイールの操舵角θ、車速センサ62から車速v、横加速度センサ63から横加速度Gy、ヨーレートサンサ64から実ヨーレートyr及び油圧センサ65から差動制限機構の多板クラッチに供給される油圧がそれぞれEPS ECU60に読み込まれる。
【0025】
続く、ステップS102では、ステップS100で読み込まれた車速v、操舵角θから、以下の式で示されるヨーレート規範モデルを用いて目標ヨーレートytが演算される。
【0026】
yt=θ×v/((1+A×v2)×L) ・・・(1)
【0027】
上記式(1)において、Lは車両のホイールベース長であり、予め求めておく。また、Aは車両に固有のスタビリティファクタであり、予め求められ、データとしてROMに記憶されている。
【0028】
なお、目標ヨーレートytは、動的なヨーレートを考慮すべく車両の横加速度Gyを加味して求めてもよい。
【0029】
次のステップS104では、ステップS102で求められた目標ヨーレートytとステップS100で読み込まれた実ヨーレートyrとの偏差Δyを演算し、偏差Δyに基づき車両のステア状態(オーバーステア、アンダーステア又はニュートラルステア)を求める。ここで、目標ヨーレートytよりも実ヨーレートyrが小さい場合にはアンダーステア状態と判定され、目標ヨーレートytよりも実ヨーレートyrが大きい場合にはオーバーステア状態と判定される。ただし、目標ヨーレートytと実ヨーレートyrとの偏差Δyが所定値以下のときには、ニュートラルステア状態と判定される。
【0030】
ステップS106では、ステップS104で求めた車両のステア状態を参照し、車両がニュートラルステアであるか否かについて判断される。ここで、ステップS106が肯定されたとき、即ち車両がニュートラルステア状態であるときにはステップS118に処理が移行し、ステップS106が否定されたとき、即ち車両がオーバーステア状態又はアンダーステア状態にあるときにはステップS108に処理が進む。
【0031】
ステップS108では、ステップS104で求めた車両のステア状態に基づいて、EPS ECU60のROMに予め記憶されているステア状態とステア状態補正係数K1との関係を定めた2次元マップ(ステア状態補正係数マップ)を検索することによりステア状態補正係数K1が求められる。
【0032】
ここで、ステア状態補正係数マップは図4に示すように、ニュートラルステア状態において補正係数K1が1に設定されており、オーバーステア状態が強くなるに従い補正係数K1が1より増加して大きくなるように、また、アンダーステア状態が強くなるに従い補正係数K1が1より減少して小さくなるように設定されている。
【0033】
続くステップS110では、ステップS100で読み込んだ差動制限機構の多板クラッチに供給される油圧(センタデフ拘束力に比例する)に基づいて、EPS ECU60のROMに予め記憶されているセンタデフ拘束力とセンタデフ拘束力補正係数K2との関係を定めた2次元マップ(センタデフ拘束力補正係数マップ)を検索することによりセンタデフ拘束力補正係数K2が求められる。
【0034】
ここで、差動制限機構の多板クラッチに供給される油圧を上昇させることによりセンタデフの拘束力を強めていくと、前輪の駆動力が大きくなり、ステアリングホイール32の操舵量に対する回頭性が悪くなるため、車両の特性としてはアンダーステア傾向を示すようになる。一方、油圧を低下させることによりセンタデフの拘束力を弱めていくと、前輪の駆動力が小さくなり、ステアリングホイール32の操舵量に対する回頭性が良くなるため、車両の特性としてはオーバーステア傾向を示すようになる。従って、センタデフ拘束力補正係数マップは、図5に示すようにセンタデフの拘束力が強くなるに伴い補正係数K2が単調減少するように設定されている。
【0035】
ステップS112では、ステップS106で求められたステア状態補正係数K1とセンタデフ拘束力補正係数K2とを乗算することにより操舵アシスト量補正係数Kが算出される。
【0036】
続くステップS114では、基本操舵アシスト量P0とステップS110で求められた操舵アシスト量補正係数Kとを乗算することにより目標操舵アシスト量Pが算出される。ここで、EPS ECU60のROMには、車速vと操舵角θと基本操舵アシスト量P0との関係を定めた3次元マップが予め記憶されており、このマップに基づいて基本操舵アシスト量P0が求められる。なお、この基本操舵アシスト量P0は、ステアリングシャフト30に加えられる操舵トルクに基づいて求めてもよい。
【0037】
さらに、算出された目標操舵アシスト量Pに応じて電動モータ50を駆動するための目標電流値が決定される。そして、この目標電流値と一致するように制御された出力電流が駆動モータ50に供給されることにより電動モータ50が駆動される。
【0038】
次のステップS116では、車両のステア状態及びセンタデフ拘束力に基づく操舵アシスト量の補正が実行されているという状態を示すフラグFがセット(1)され、処理から抜ける。
【0039】
ステップS106が肯定された場合、即ち車両がニュートラルステア状態であるときにはステップS118が実行される。ステップS118では、フラグFがセット(1)されているか否かについて判断される。ここで、フラグFがセットされていない(0)とき、即ち前回の処理では操舵アシスト量の補正が行われていない場合には、ステップS120で目標操舵アシスト量Pとして基本操舵アシスト量P0が設定されて、処理から抜ける。
【0040】
一方、フラグFがセットされているとき、即ち前回の処理で操舵アシスト量の補正が行われている場合には、ステップS122に処理が進み、目標操舵アシスト量Pを基本操舵アシスト量P0に除々に収束させる処理が実行される。
【0041】
図3は、ステップS122における操舵アシスト量の収束処理を示すフローチャートである。次に、図3を参照しながら、ステップS122における目標操舵アシスト量Pの収束処理の詳細について説明する。
【0042】
ステップS200では、車速vが所定値(例えば、30km/h)以上か否かについての判断が行われる。ここで、車速vが所定値以上のときにはステップS202に処理が移行し、車速vが所定値より低いときにはステップS208に処理が移行する。
【0043】
ステップS200が肯定された場合、ステップS202において目標操舵アシスト量Pが基本操舵アシスト量P0よりも大きいか否かについての判断が行われる。ここで、目標操舵アシスト量Pが基本操舵アシスト量P0より大きいときにはステップS204に処理が移行する。一方、目標操舵アシスト量Pが基本操舵アシスト量P0以下のときにはステップS206に処理が移行する。
【0044】
ステップS202が肯定された場合、ステップS204において第1目標操舵アシスト量マップが選択される。第1目標操舵アシスト量マップは、図6(a)に示されるように時間と共に目標操舵アシスト量Pを除々に減少させることにより基本操舵アシスト量P0に近づけるように設定されている。また、第1目標操舵アシスト量マップでは、目標操舵アシスト量Pと基本操舵アシスト量P0との偏差が小さくなるに伴って基本操舵アシスト量P0に近づける操舵アシスト量が小さくなるように設定されている。さらに、後述する低速時に選択される第3、第4目標操舵アシスト量マップに比べて第1目標操舵アシスト量マップでは、収束時間が長く設定されている。このような第1目標操舵アシスト量マップが選択された後、ステップS214に処理が進む。
【0045】
ステップS202が否定された場合、ステップS206において第2目標操舵アシスト量マップが選択される。第2目標操舵アシスト量マップは、図6(b)に示されるように時間と共に目標操舵アシスト量Pを除々に増加させることにより基本操舵アシスト量P0に近づけるように設定されている。それ以外については、上記の第1目標操舵アシスト量マップと同一又は同様の設定とされている。このような第2目標操舵アシスト量マップが選択された後、ステップS214に処理が進む。
【0046】
ステップS200が否定された場合、ステップS208において目標操舵アシスト量Pが基本操舵アシスト量P0よりも大きいか否かについての判断が行われる。ここで、目標操舵アシスト量Pが基本操舵アシスト量P0より大きいときにはステップS210に処理が移行する。一方、目標操舵アシスト量Pが基本操舵アシスト量P0以下のときにはステップS212に処理が移行する。
【0047】
ステップS208が肯定された場合、ステップS210において第3目標操舵アシスト量マップが選択される。第3目標操舵アシスト量マップは、図7(a)に示されるように時間と共に目標操舵アシスト量Pを除々に減少させることにより基本操舵アシスト量P0に近づけるように設定されている。また、第3目標操舵アシスト量マップでは、目標操舵アシスト量Pと基本操舵アシスト量P0との偏差が小さくなるに伴って基本操舵アシスト量P0に近づける操舵アシスト量が小さくなるように設定されている。さらに、上記の高速時に選択される第1、第2目標操舵アシスト量マップに比べて第3目標操舵アシスト量マップでは、収束時間が短く設定されている。このような第3目標操舵アシスト量マップが選択された後、ステップS214に処理が進む。
【0048】
ステップS208が否定された場合、ステップS212において第4目標操舵アシスト量マップが選択される。第4目標操舵アシスト量マップは、図7(b)に示されるように時間と共に目標操舵アシスト量Pを除々に増加させることにより基本操舵アシスト量P0に近づけるように設定されている。それ以外については、上記の第3目標操舵アシスト量マップと同一又は同様の設定とされている。このような第4目標操舵アシスト量マップが選択された後、ステップS214に処理が進む。
【0049】
ステップS214では、ステップS204、S206、S210又はS212において選択された各目標操舵アシスト量マップが所定時間毎に繰り返し検索されて目標操舵アシスト量Pが求められ、求められた目標操舵アシスト量Pに応じて電動モータ50を駆動するための目標電流値が決定される。そして、この目標電流値と一致するように制御された出力電流が駆動モータ50に供給されることにより電動モータ50が駆動される。このようにして、各目標操舵アシスト量マップが所定時間毎に繰り返し検索されて目標操舵アシスト量Pが求められることにより目標操舵アシスト量Pが除々に基本操舵アシスト量P0に収束される。
【0050】
なお、第1,第2目標操舵アシスト量マップ及び第3,第4目標操舵アシスト量マップそれぞれは、所定の車速における目標操舵アシスト量マップであり、この所定の車速以外の車速に対しては、第1と第3目標操舵アシスト量マップ又は第2と第4目標操舵アシスト量マップとを補間することにより目標操舵アシスト量Pが求められる。
【0051】
その後、処理がステップS124に移行される。
【0052】
図2に戻り説明を続けると、ステップS124では、目標操舵アシスト量Pと基本操舵アシスト量P0とが一致したか否かについて判断が行われる。ここで、目標操舵アシスト量Pと基本操舵アシスト量P0とが一致しないときには、目標操舵アシスト量Pの収束が終了していない判断され、フラグFのリセットが行われることなく処理から抜ける。従って、次回この処理が実行されるときには、フラグFがセットされたままの状態であるため、ステップS122に処理が進み、目標操舵アシスト量の収束が終了するまで収束処理が繰り返し実行される。
【0053】
一方、目標操舵アシスト量Pと基本操舵アシスト量P0とが一致したときには、目標操舵アシスト量Pの収束が終了したと判断され、ステップS106でフラグFがリセット(0)されて、処理を終了する。
【0054】
このように、パワーステアリング装置1によれば、車両のステア状態がアンダーステア又はオーバーステアからニュートラルステアに変化したときには、目標操舵アシスト量Pが基本操舵アシスト量P0に徐々に収束するように制御されるため、操舵アシスト力が急激に変化することを防止することが可能となる。
【0055】
また、車速vに応じて操舵アシスト量の収束時間が変化させられるため、安全性を考慮しながら操舵フィーリングの悪化を抑制することができる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態ではステアリングシャフト30に取り付けた減速機40を介して操舵アシスト力を与えているが、ラック&ピニオン式ステアリングギヤ部に電動モータを配置し、ピニオン軸上に取り付けられた減速機を介してピニオンシャフトに操舵アシスト力を与えることもできる(ピニオン軸アシスト式)。また、減速機で直接ラック軸に操舵アシスト力を与える構成(ラック軸アシスト式)としてもよい。
【0057】
さらに、本実施形態のパワーステアリング装置1を油圧式パワーステアリング装置に適用することも可能である。
【0058】
また、第1〜4目標操舵アシスト量マップに代えて演算式を用いることも可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、目標ヨーレートを演算する目標ヨーレート演算手段と、実ヨーレートを検出する実ヨーレート検出手段と、目標ヨーレートと実ヨーレートとに基づいて車両のステア状態を判定するステア状態判定手段と、ステア状態がアンダーステア又はオーバーステアからニュートラルステアに変化したときに、目標操舵アシスト量を基本操舵アシスト量に除々に収束させるように制御するアシスト量制御手段とを備えた構成とすることにより、車両がオーバーステア状態又はアンダーステア状態からニュートラルステア状態に戻ったときに、操舵アシスト力が急激に変化することを防止することができ、操舵フィーリングの悪化を抑制することが可能なパワーステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るパワーステアリング装置の全体構成を示す図である。
【図2】実施形態に係るパワーステアリング装置における操舵力のアシスト制御を示すフローチャートである。
【図3】操舵力のアシスト制御における目標操舵アシスト量の収束処理を示すフローチャートである。
【図4】実施形態に係るパワーステアリング装置のステア状態補正係数マップを示す図である。
【図5】実施形態に係るパワーステアリング装置のセンタデフ拘束力補正係数マップを示す図である。
【図6】高車速時における、(a)P>P0時の目標操舵アシスト量マップ、(b)P<P0時の目標操舵アシスト量マップを示す図である。
【図7】低車速時における、(a)P>P0時の目標操舵アシスト量マップ、(b)P<P0時の目標操舵アシスト量マップを示す図である。
【符号の説明】
1…パワーステアリング装置、10…タイロッド、20…ステアリングギヤボックス、22…ラック、24…ピニオン、30…ステアリングシャフト、32…ステアリングホイール、40…減速機、50…電動モータ、60…EPS ECU、61…操舵角センサ、62…車速センサ、63…横加速度センサ、64…ヨーレートセンサ、65…油圧センサ、W1…左前輪、W2…右前輪。

Claims (2)

  1. 車両の運転状態に基づいて目標ヨーレートを演算する目標ヨーレート演算手段と、
    前記車両の実際のヨーレートである実ヨーレートを検出する実ヨーレイト検出手段と、
    前記目標ヨーレートと前記実ヨーレートとの比較に基づいて前記車両のステア状態を判定するステア状態判定手段と、
    ステアリングホイールの操舵状態に基づいて定められる基本操舵アシスト量を前記ステア状態に基づいて補正して目標操舵アシスト量を求めるアシスト量制御手段と、
    を備え、
    前記アシスト量制御手段は、前記ステア状態がアンダーステア又はオーバーステアからニュートラルステアに変化したときに、前記目標操舵アシスト量を前記基本操舵アシスト量に徐々に収束させるように制御し、
    前記基本操舵アシスト量と前記目標操舵アシスト量との偏差が小さい程、前記目標操舵アシスト量を前記基本操舵アシスト量に収束させる操舵アシスト量を小さくすること、
    を特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記車両の速度を検出する車速検出手段をさらに備え、
    前記操舵アシスト量制御手段は、前記車両の速度が遅い程、前記目標操舵アシスト量を前記基本操舵アシスト量に収束させる収束時間が短くなるように制御すること、
    を特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
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