JPH08173754A - 脱臭剤 - Google Patents

脱臭剤

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JPH08173754A
JPH08173754A JP6335919A JP33591994A JPH08173754A JP H08173754 A JPH08173754 A JP H08173754A JP 6335919 A JP6335919 A JP 6335919A JP 33591994 A JP33591994 A JP 33591994A JP H08173754 A JPH08173754 A JP H08173754A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の悪臭ガスに対して高度の吸着脱臭能を
発揮し、高温酸化雰囲気下でも安定に使用できる白色シ
リカ系の脱臭剤を提供する。 【構成】 メソポーラスシリカを有効成分とする脱臭
剤。メソポーラスシリカが粉体または成形体であり、平
均細孔径10〜500 オングストローム、BET比表面積80
0m2/g 以上の粒子性状を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、悪臭、異臭などの各種
の不快臭気を効率的に除去することができるシリカ系の
脱臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不快臭気を脱臭除去する手段とし
ては種々の方法が知られている。例えば、アンモニアな
どの水溶性ガス成分を水に溶解させる水洗浄法、酸、ア
ルカリまたは酸化剤などで吸収分解させる薬液吸収法、
活性炭やイオン交換樹脂などの吸着剤による物理的ある
いは化学的吸着法、650℃以上の温度で燃焼分解酸化
させる直接燃焼法、白金触媒などを用いて約300〜4
00℃で酸化分解させる触媒酸化法、オゾンによる酸化
分解とマスキングを併用するオゾン酸化法、芳香性成分
などを用いて悪臭成分を隠蔽させるマスキング法などで
ある。
【0003】このうち、最も一般的に普及してい脱臭方
法は活性炭による物理的吸着法である。通常、活性炭は
単独で使用されることが多いが、活性炭に酸、アルカ
リ、触媒成分などの反応性成分を添着保持させた添着炭
も実用されている。特に活性炭は低濃度の混合臭気を除
去するために有効とされており、例えばビルや病院の換
気用空気、食品加工工程からの発生臭気、し尿、下水の
各処理工程からの発生臭気に対する除去用として広い分
野で汎用されている。
【0004】また、吸着型の脱臭剤としては活性炭のほ
かに、ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、あるい
は無機質担体に過マンガン酸カリ、活性二酸化マンガ
ン、塩素酸カリ等の酸化剤やアスコルビン酸ソーダ、低
次リン酸化合物等の還元剤を担持させたものが知られて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、活性炭
は材質的に黒色の炭素質で構成されているため、他の色
調に変えることができないうえ、加熱された酸化雰囲気
下では酸化消耗が進行する関係で使用範囲が限定される
欠点がある。また、ゼオライトは特定の汚染ガスに対す
る選択吸着性には優れるものの、組織の開孔が3〜20
オングストローム程度のミクロポアであるため多種類の
悪臭成分を吸着除去する機能に欠ける難点がある。
【0006】活性アルミナやシリカゲルは、微細な一次
粒子のランダム集合体であり、組織内にミクロポアから
マクロポアまで幅広い細孔が分布しているが、それ自体
の脱臭機能は十分ではなく、成形手段によってポアサイ
ズを一定の範囲に制御することも極めて困難である。し
たがって、担体として用いられることはあっても、脱臭
剤としての使用分野は限定される。
【0007】近時、産業上の環境は勿論のこと、健康で
快適な生活追求の指向に伴って生活環境を改善する各種
のアメニティー商品が求められる中で、脱臭・防臭関連
のニーズが高まっており、より機能的な脱臭剤の開発が
要望されている。
【0008】本発明者らは、このような背景に鑑み、活
性炭のもつ高吸着能を有しながら活性炭固有の欠点がな
い脱臭材質について多角的に研究を進めた結果、従来脱
臭機能に関しては全く注目されていなかったメソポーラ
スシリカが前記の要求性能を満たすことを知見して本発
明の開発に至った。
【0009】なお、特開平6−24867号公報にはカ
ネマイトのような層状ケイ酸塩を原料成分とするシリカ
多孔体が開示され、オクタンや燃焼等の有機物に対する
吸着性があることが記載されているが、悪臭ガスの除去
や分解を目的とする脱臭剤については解明されていな
い。
【0010】本発明の目的は、各種の悪臭ガス成分に対
し高度の吸着脱臭能を有し、高温酸化雰囲気下において
も安定に使用し得る白色シリカ系の脱臭剤を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による脱臭剤は、メソポーラスシリカを有効
成分とすることを構成上の特徴とするものである。
【0012】一般に、メソポアとはミクロポアとマクロ
ポアの中間的なポアサイズを有する多孔組織構造を意味
するが、本発明に係るメソポーラスシリカは白色で、平
均細孔径が10〜500オングストローム、好ましくは
20〜200オングストロームのミクロポア乃至メソポ
アサイズの細孔分布を備え、BET比表面積(窒素吸着
比表面積)として800m2/g以上の多孔質組織構造を有
するものである。なお、本発明のメソポーラスシリカ組
織は均一な細孔セルにより構成されているが、その細孔
単位セルの平均直径は粉末法X線回折パターンの六方構
造(100) 面の間隔d100 を測定し、この値から〔2d
100 /√3〕式により算出することができ、その平均細
孔径は窒素吸着法により求めることができる。
【0013】また、本発明に係るメソポーラスシリカは
結晶化度は低いが、X線回折では明らかに結晶性が認め
られる。したがって、組織を構成するメソポアの細孔径
は均一性に優れている。更に、本発明のメソポーラスシ
リカは活性シリカまたは結晶性層状珪酸を起源としてい
るため、従来のシリカ多孔質体に比べてNa含有量が著
しく少なく、熱安定性が優れていることも大きな特徴の
1つである。
【0014】メソポーラスシリカの細孔径および分布
は、製造段階で任意に調整することができる。見掛けの
粉末度は所望の粉砕機で粉砕処理することにより容易に
調整できるが、過粉砕はメソポアの構造組織を破壊する
恐れがあるので注意が肝要である。なお、本発明に係る
脱臭剤は粉体のメソーラスシリカをそのまま用いること
もできるが、この粉体を適宜な成形体として使用に供す
ることもできる。またこれら粉体もしくは成形体に使用
目的に応じ所望の薬剤を担持させて悪臭物質に対する脱
臭能を増大させることも可能である。
【0015】本発明に係る脱臭剤が吸着対象とする悪臭
物質としては、例えば硫化水素、硫化メチル、メチルメ
ルカプタン、エチルメルカプタン等の各種硫黄化合物、
アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリ
メチルアミン等の塩基性窒素化合物、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアル
デヒド類、酪酸、イソ吉草酸等のカルボン酸および誘導
体、インドール、スカトール等のインドール類、フェノ
ール類、エチレン類等の不飽和炭化水素類、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール類、下水臭、動物臭、屎尿
等を挙げることができる。
【0016】本発明の脱臭剤の有効成分となるポーラス
シリカの製造手段は、上述した物性を付与し得る限り限
定されるものではないが、工業的にはシリカ源の種類に
応じた次の2つの方法が有効である。まず、第1の方法
は,活性シリカを出発シリカ源とするもので、珪酸ソー
ダ水溶液をカチオン交換樹脂と接触させて活性シリカを
調製する第1工程と、ついで活性シリカとカチオン系界
面活性剤をアルカリ性領域で混合反応させてシリカとカ
チオン系界面活性剤の複合体を生成させる第2工程と、
前記複合体を焼成処理する第3工程を順次に施すプロセ
スである。
【0017】第2の方法は、結晶性層状珪酸塩を出発シ
リカ源とするもので、カネマイトのような結晶性層状珪
酸塩中のアルカリ金属イオンをカチオン系界面活性剤と
イオン交換させてカチオン系界面活性剤を層間に導入す
る第1工程と、前記イオン交換により遊離したアルカリ
金属イオンを洗浄除去する第2工程と、前記複合体を焼
成する第3工程を順次に施すプロセスである。該方法の
出発原料として選択使用する結晶性層状珪酸塩として
は、例えばカネマイト (NaHSi2O5・3H2O) 、ジ珪酸ナト
リウム(Na2Si2O3)、マカタイト (Na2Si4O9・5H2O) 、ア
イラアイト(Na2Si8O17・XH2O) 、マガディアイト (Na2S
i1 4O29・XH2O) 、ケニヤアイト (Na2Si2 0O41・XH2O) 等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】また、上記の方法で使用されるカチオン系
界面活性剤としては、例えば第4級アンモニウム塩また
はアルキルアミン塩等が好適である。第4級アンモニウ
ム塩は一般式〔Rn (CH3)4-n + 〔X〕- (式中、
Rは炭素数8〜24の長鎖アルキル基、nは1〜3の整
数、XはハロゲンまたはOH基を表す)で示される第4
級アルキルトリメチルアンモニウム塩であり、アルキル
アミン塩は一般式〔RNH3 + 〔X〕- (式中、Rは
上記と同じ長鎖アルキル基、nは1〜3の整数、Xはハ
ロゲンまたはOH基を表す)で示されるアルキルアミン
塩である。これら界面活性剤の選択により、メソポーラ
スシリカ組織のメソポアサイズを適宜に設計することが
可能となる。
【0019】焼成工程における焼成温度は、界面活性剤
成分が消失する温度以上、概ね500℃以上の温度に設
置する。より高い温度での焼成はシリカの構造を安定さ
せて機械的強度を向上させるために有効であるが、12
00℃を越えると構造の安定化に寄与しなくなるうえ、
構造破壊を生じる。焼成時間は処理温度との関係で適宜
に設定されるが、概ね10分から1時間程度である。し
たがって、焼成温度600〜1200℃、焼成時間1時
間以内が好適な焼成条件となる。
【0020】本発明に係る脱臭剤は、メソポーラスシリ
カを単独の粉体、あるいはペレット状、ハニカム状もし
くは球状に成形して調製することができる。成形する場
合には、メソポーラスシリカに所望の無機質または有機
質結合剤を添加混合して成形処理する。無機結合剤とし
ては、例えばアルミナゾル、シリカゾル、シリカーアル
ミナゾルまたは粘土類を使用することがきる。有機系結
合剤としては、例えばポリビニルアルコール、CMC、
MC、シアノエチル化デンプン、カゼイン、アルギン酸
ソーダ、水溶性セルロース誘導体等の水溶性高分子、ポ
リ酢酸ビニルラテックス、SBRラッテクス等の各種合
成樹脂や合成ゴムのラッテクス等が挙げられる。これら
は1種又は2種以上を混合使用してもよい。メソポーラ
スシリカに対するこれらの結合剤の使用量は、使用形態
によって変動し、特に限定されるものではない。
【0021】更に、脱臭能を向上させ、脱臭ガススペク
トルを広くするために、所望により他の無機質微粉末を
併用するか、メソポーラスシリカの粉体または成形体に
Li、Na、K等のアルカリ金属の水酸化物または炭酸
塩などのアルカリ剤、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、酸性リ
ン酸アルミニウム等の酸性化剤、アルカリ金属の過マン
ガン酸塩、塩素酸塩、沃素酸塩、過硫酸塩、鉄酸塩、過
炭酸塩、過硼酸塩などの酸化剤、アルカリ金属の亜燐酸
塩、次亜燐酸塩などの還元剤、このほか着色剤、芳香剤
等の1種以上の薬剤を担持させてもよい。併用する無機
質微粉末としては、例えばアルミナゲル、シリカゲル、
チタン酸ゲル、亜鉛華、酸化鉄、二酸化マンガン、酸化
マグネシウム、酸化銅、亜酸化銅、酸化カルシウム等の
金属酸化物あるいはそれ等の含水物である金属水酸化
物、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等の金属珪酸
塩、ゼオライトの如き結晶質アルミノ珪酸塩、非晶質ア
ルミノ珪酸塩(アルミノ珪酸塩は一般的にナトリウムシ
リケートであるが、ナトリウムが他の金属に置換したも
のであってもよい)、その他微粉末珪酸などが挙げられ
る。このようにして得られた脱臭剤は、通気性の袋、容
器、カラム等に充填または装着して、悪臭物質を含有す
る空気を通過させることにより容易に空気の脱臭を行う
ことができる。
【0022】
【作用】本発明に係る脱臭剤は、メソポーラスシリカを
有効成分とすることに特徴づけられる。このメソポーラ
スシリカは、組織が従来のシリカとは異なる多孔質構造
を有しているが、特に多孔性状として平均細孔径が10
〜500オングストロームのメソポア範囲にあり、BE
T比表面積が800m2/g以上である場合に高水準の脱臭
能を発揮する。該比表面積値は、例えばシリカゲルやゼ
オライトのBET比表面積が概ね200〜600m2/gの
範囲であるのに比べて著しく大きく、高性能活性炭でさ
え800m2/gを越える比表面積をもつものは極く稀であ
るから、表面活性が如何に大きいかが理解できる。この
ような独特の細孔構造が大気中に含まれる種々の悪臭ガ
ス成分に対して幅広く優れた吸着能を発揮し、強力な固
体酸による分解作用により効果的に脱臭されるものと推
測される。
【0023】また、製法的に従来の多孔質シリカより著
しく少ないNa含有量のものが得られ、このものは熱安
定性に優れている。したがって、酸化雰囲気下で加熱さ
れる苛酷な条件においても安定した脱臭能を持続し、活
性炭のように酸化損耗することがない。そのうえ、本発
明の脱臭剤は対象ガス成分によっては吸着分解する性質
があるため長期間に亘って使用することができるが、吸
着能力が減退した場合には加熱処理することにより容易
に再生することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比しなが
ら具体的に説明する。
【0025】実施例1〜6、比較例1〜5 (1) メソポーラスシリカの製造例−1(試料A);ヘキ
サデシルトリメチルアンモニウムCl塩(以下、「HD
TMA−Cl」という)の7Kgを水120Kgに投入し、
1時間攪拌してHDTMA−Clを溶解した。ついで、
予めOH- 型にしておいたアニオン交換樹脂(“アンバ
ーライトIRA-410 ”)を充填したカラムに溶解スラリー
を通過させ、pH13のHDTMA−OH水溶液150
Kgを回収した。3号珪酸ソーダ(SiO2;29.1% 、Na2O;9.4
5%)12Kgを水で120Kgに希釈して、予めH+ 型にし
ておいたカチオン交換樹脂(“アンバーライトIR-120B
”)を充填したカラム中を通過させて、活性シリカを
含む水性ゾル125Kgを回収した。この活性シリカゾル
は、pH3.1、シリカ中のNa含有量は50ppm であ
った。上記のHDTMA−OH水溶液を攪拌し、そこへ
活性シリカゾルを少しづつ加えて全量を混合した。混合
により液は白濁した。混合スラリーのpHは10.2で
あった。
【0026】ついで、混合スラリーを75℃の温度で3
時間攪拌処理して反応させ、放冷した。この際のpHは
10.2であった。スラリーを濾過し、100リットル
にリパルプしたのち、再度濾過して120℃の温度で乾
燥処理した。得られた乾燥粉末をX線回折したところ、
2θ=2.18度、3.74度および4.20度にパタ
ーンのピークを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であ
ることが確認された。
【0027】上記の乾燥粉末を650℃で30分間焼成
処理して界面活性剤成分を焼失除去した。得られた焼成
物をX線回折した結果、2θ=2.34度と3.92
度、4.12度および4.60度にピークを示し、平均
細孔セル径43.5オングストローム、窒素吸着法では
平均細孔径38.6オングストロームの均一細孔セルか
らなるメソポーラス組織の骨格が残留していることが認
められた。また、焼成物のBET法による比表面積は1
400m2/g、Na含有量は22ppm であった。
【0028】(2) メソポーラスシリカの製造例−2(試
料B);粉末珪酸ソーダにNaOHを加えてSiO2
Na2 O=2の粉末珪酸ソーダを調製し、これを750
℃で1時間焼成結晶化させてδ−Na2 Si2 5 を得
た。このδ−Na2 Si2 5 の50gを希釈酸液に分
散し、pH10.5で加水分解してカネマイト(NaH
Si2 5 ・xH2 O)を得た。カネマイトのスラリー
は濾過水洗して副生塩類を除き、32gのHDTMA−
Clを1リットルの水に溶解したHDTMA−Cl水溶
液に分散させた。この溶液に4gの1%NaOH水溶液
を加えてpHを11.5に調節したのち、攪拌下70℃
で3時間加熱し、放冷して反応を完結させた。反応スラ
リーを濾過水洗し、120℃で乾燥した。乾燥粉末をX
線回折したところ2θ=2.45度、4.46度にピー
クを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であることが確
認された。
【0029】次いで、この粉末を600℃で1時間加熱
して有機物を焼失除去した。この焼成物のX線回折パタ
ーンは2θ=2.56度,4.80度にピークを示し、
面間隔d100=34.5オングストロームであること
から,細孔単位セルの平均径は40.0オングストロー
ムであった。また、窒素吸着法では28オングストロー
ムの平均細孔径であった。また、BET法による比表面
積は1370m2/gであり、Na含有量は1000ppm で
あった。
【0030】(3) 脱臭試験;上記で得られたメソポーラ
スシリカ粉末(試料A、試料B)を脱臭剤とし、代表的
な悪臭ガスである下記のガスを用いて脱臭試験を行っ
た。 NH3 ガスの除去測定 メソポーラスシリカ粉末0.5gを直径8.5cmのシャ
ーレに分散し、10リットルのテドラーバック内に静置
した。次いで、テドラーバック内をガス注入口からNH
3 ガスを流入して汚染し、その汚染空気を経時的にサン
プリングしてガステック検知管で測定し、NH3 ガスの
濃度を求めた。このようにして得られたテドラーバック
内のNH3 の経時的な濃度変化をの結果を表1に示し
た。 (CH3)3 Nガスの除去測定 NH3 ガスの代わりに (CH3)3 Nガスを用い、その他
はNH3 ガスの除去測定と全く同様の条件で測定した。
その結果を表1に併載した。 酪酸の除去測定 NH3 ガスの代わりに酪酸(C3 7 COOH)を用
い、その他はNH3 ガスの除去測定と全く同様の条件で
測定した。その結果を表1に併載した。 イソ吉草酸の除去測定 NH3 ガスの代わりにイソ吉草酸[ (CH3)2 CHCH
2 COOH]を用い、その他はNH3 ガスの除去測定と
全く同様の条件で測定した。その結果を表1に併載し
た。
【0031】なお、比較例として市販の銅置換型A型ゼ
オライト、活性二酸化マンガン、シリカゲル、活性炭を
脱臭剤として同様に測定し、結果を表1に併せて示し
た。
【0032】
【表1】 〔表注〕比較例のA型ゼオライトは平均細孔径5オングストロームでBET比表 面積650m2/g、シリカゲルはBET比表面積650m2/g、活性炭はBET比表 面積1100m2/gのものを用いた。
【0033】表1の結果から、メソポーラスシリカを脱
臭剤とした実施例では、市販の各種脱臭剤に比べて悪臭
ガス成分に対する脱臭能が高いことが認められた。
【0034】実施例7 実施例1でNH3 ガスを吸着させた試料Aを、250℃
で30分加熱再生し、同一条件でNH3 ガスの除去測定
を行った。この吸着再生試験を反復した結果を表2に示
した。
【0035】
【表2】
【0036】実施例8 試料Aのメソポーラスシリカ粉体を3重量%KIO3
液に浸漬したのち、乾燥してKIO3 が約0.35重量
%担持された粉体を得た。この試料につき実施例1と同
じ方法でホルムアルデヒドの除去測定を行ったところ、
テドラーバック内の濃度16ppm のホルムアルデヒドは
60分経過後に2ppm に減少し、実質的に脱臭除去され
ていることが確認された。
【0037】実施例9 0.5%濃度のカルボキシメチルセルロース溶液380
重量部を試料A100重量部に加え、十分混練した。混
練物を細棒状に押出し成形し、通風乾燥機を用いて12
0℃で2時間乾燥して、直径3mm、長さ3〜7mmの円柱
状のペレットを調製した。得られた成形ペレット10.
4gを、試験カラム(直径25mm) に充填した。この時の
充填層高は63mmであった。次いで、トリメチルアミン
を大気で希釈して40ppm 濃度としたものを通過させ
た。条件として、空間速度2000/hr、ガス流量10
リットル/min 、面風速0.34m/sec 、温度20℃、
湿度50%に設定し、ガス検知管法により入口および出
口濃度を測定してガス吸着率を求めた。得られた経過時
間と吸着率の関係グラフを、図1に示した。
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、メソポ
ーラスシリカを有効成分とすることにより従来吸着型脱
臭剤として汎用されている活性炭と同等以上の高い脱臭
性能を発揮する脱臭剤を提供することができる。そのう
え、メソポーラスシリカは白色粉末であり、耐熱性およ
び化学的安定性、安全性に優れており、また再生が容易
であるから、活性炭をはじめとする従来の脱臭剤に比べ
て適用する用途分野が著しく広くなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例9によるトリメチルアミンのガス吸着率
を示したグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 番田 知宏 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソポーラスシリカを有効成分とするこ
    とを特徴とする脱臭剤。
  2. 【請求項2】 メソポーラスシリカが、平均細孔径10
    〜500オングストローム、BET比表面積800m2/g
    以上の粒子性状を有するものである請求項1記載の脱臭
    剤。
  3. 【請求項3】 メソポーラスシリカが、活性シリカとカ
    チオン界面活性剤に基づく複合体を焼成して得られたも
    のである請求項1又は2記載の脱臭剤。
  4. 【請求項4】 メソポーラスシリカが、結晶性層状珪酸
    塩とカチオン界面活性剤に基づく複合体を脱塩し、焼成
    して得られたものである請求項1又は2記載の脱臭剤。
  5. 【請求項5】 メソポーラスシリカが、粉体または成形
    体である請求項1、2、3又は4記載の脱臭剤。
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