JPH08171922A - 燃料電池の電解質膜回収方法およびその装置 - Google Patents

燃料電池の電解質膜回収方法およびその装置

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JPH08171922A
JPH08171922A JP33435594A JP33435594A JPH08171922A JP H08171922 A JPH08171922 A JP H08171922A JP 33435594 A JP33435594 A JP 33435594A JP 33435594 A JP33435594 A JP 33435594A JP H08171922 A JPH08171922 A JP H08171922A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料電池の構成を複雑にしないで、電解質膜
の回収を容易化する。 【構成】 まず、固体高分子型燃料電池10から取り外
した接合体(電解質膜−電極接合体)20をメタノール
で満たされた浸漬槽51に浸漬して、10分ほど放置す
る(図中、A)。この結果、接合体20の電解質膜11
内の水がメタノールに置換され、電解質膜11が膨張し
て変形し、更には、電解質膜11と電極12,13とを
接合するプロトン導電性固体高分子溶液の硬化物が溶解
される。このため、電解質膜11と電極12,13との
界面の接着力が弱くなり、電解質膜11が電極12,1
3から分離し易くなる。その後、電解質膜11と電極1
2,13とを分離し(B)、続いて、分離工程で分離し
た電解質膜11を水で満たした置換槽55に浸し、電解
質膜11中のメタノールを水に置換する。その後、過酸
化水素水で満たされた洗浄槽57に電解質膜11を移し
て洗浄を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、燃料電池に設けられ
た電解質膜と電極との接合体から電解質膜を回収する燃
料電池の電解質膜回収方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料の有しているエネルギを
直接電気的エネルギに変換する装置として燃料電池が知
られている。燃料電池は、通常、電解質膜を挟んで一対
の電極を配置するとともに、一方の電極の表面に水素等
の燃料ガスを接触させ、また他方の電極の表面に酸素を
含有する酸素含有ガスを接触させ、このとき起こる電気
化学反応を利用して、電極間から電気エネルギを取り出
すようにしている。燃料電池は、燃料ガスと酸素含有ガ
スが供給されている限り高い効率で電気エネルギを取り
出すことができる。
【0003】ところで、こうした燃料電池を省資源に低
価格で商業化するためには、燃料電池を構成する一部ま
たは全部の材料をリサイクルつまり、再利用することが
肝要である。しかし、燃料電池は各構成部品が固着し易
いことから、解体して各部品を回収することが困難であ
った。各構成部品が固着し易いのは、燃料電池では、電
解質膜と一対の電極とを含む単位電池を複数積層し、こ
れを締め付け固定することにより、積層型のスタックを
構成しているためである。
【0004】そこで、電解質膜と電極との境や、電極と
その外側部品(セパレータ)との境に離型性層を介在さ
せて、燃料電池の解体を容易なものとした燃料電池が提
案されている(特開昭60−20472号公報)。燃料
電池の解体を容易とすることで、白金などの有価金属
や、その他の部品の回収を実現することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来の技術では、離型性層といった新たな部品を付加
する必要があり、燃料電池自身の構成が複雑になる問題
を発生した。また、構成が複雑となることで、燃料電池
の解体に要する手数が増える問題を招致した。さらに、
省資源を目的とするリサイクルのために、新たな材料を
設けることは、省資源といった本来の考えからは違反し
ているといった問題もあった。
【0006】さらに、前述した従来の技術では、主に白
金などの有価金属を回収することを本来の目的としてお
り、電解質膜を回収することについては触れられていな
い。固体高分子型の燃料電池では、電解質膜が白金以上
に高価なこと、電解質膜の廃棄処分が困難なことから、
電解質膜を回収することは有意義である。しかし、固体
高分子型燃料電池は現在開発途中の技術であり、現時点
では商用規模(工場規模)での量産は行なわれておら
ず、現に運転に供されている台数もごく僅かであり、か
つ、また燃料電池が廃却されるほどの年数も、運転時間
も経過していないために、電解質膜の廃棄に関する問題
も表面化していない。このため、電解質膜を回収する技
術については未だ研究もされていないのが実状であっ
た。
【0007】この発明の燃料電池の電解質膜回収方法
は、こうした問題点に鑑みてなされたもので、燃料電池
の構成を複雑化することなしに、電解質膜の回収を容易
化することを目的としている。また、この発明の燃料電
池の電解質膜回収装置は、同様に、燃料電池の構成を複
雑化することなしに、電解質膜の回収を容易化すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
べく、前記課題を解決するための手段として、以下に示
す構成をとった。
【0009】即ち、本発明の請求項1記載の燃料電池の
電解質膜回収方法は、燃料電池に設けられた電解質膜と
電極との接合体から電解質膜を回収する燃料電池の電解
質膜回収方法であって、前記電解質膜を所定の大きさ以
上の膨張率でもって膨潤させる性質を有する液体中に、
前記接合体を浸漬する浸漬工程と、該浸漬工程の後に、
前記電解質膜と電極とを分離する分離工程とを備えたこ
とを、要旨としている。
【0010】請求項2記載の燃料電池の電解質膜回収方
法は、プロトン導電性溶液を用いて接合した電解質膜と
電極との接合体から電解質膜を回収する燃料電池の電解
質膜回収方法であって、前記プロトン導電性溶液の硬化
物を溶解させる性質を有する液体中に、前記接合体を浸
漬する浸漬工程と、該浸漬工程の後に、前記電解質膜と
電極とを分離する分離工程とを備えたことを、要旨とし
ている。
【0011】前記請求項2記載の燃料電池の電解質膜回
収方法において、前記液体は、前記プロトン導電性溶液
の硬化物を溶解させる性質に加えて、前記電解質膜を所
定の大きさ以上の膨張率でもって膨潤させる性質を兼ね
備える液体とすることが、好ましい(請求項3記載のも
の)。
【0012】これらの燃料電池の電解質膜回収方法にお
いて、さらに、前記分離工程の後に、前記電解質膜中に
含まれる前記液体を水に置換する置換工程と、前記置換
工程の後に、前記電解質膜を洗浄する洗浄工程とを備え
た構成としてもよい(請求項4記載のもの)。
【0013】さらに、前記分離工程は、前記電極を前記
電解質膜に対して、ねじる、反らす、ずらす、または回
す作業を施す工程を有した構成としてもよい(請求項5
記載のもの)。
【0014】前記浸漬工程は、前記接合体、または該接
合体が浸漬された液体に振動力を付与する振動工程を有
した構成としてもよい(請求項6記載のもの)。
【0015】これら燃料電池の電解質膜回収方法におい
て、さらに、前記浸漬工程に先だって、前記接合体を乾
燥させる乾燥工程を備えた構成としてもよい(請求項7
記載のもの)。
【0016】さらに、前記洗浄工程の後に、前記電解質
膜に所定の波長域の光線を照射し、前記電解質膜を透過
した光線の強度を測定し、その測定結果に基づき前記置
換工程による置換および洗浄工程による洗浄の良否を確
認する確認工程を備えた構成としてもよい(請求項8記
載のもの)。
【0017】前記浸漬工程の後に、該浸漬工程で使用し
た液体をろ過することにより、前記電極に担持した触媒
の白金成分を回収する白金回収工程を備えた構成として
もよい(請求項9記載のもの)。
【0018】本発明の請求項10記載に燃料電池の電解
質膜回収方法は、所定の締め付け圧力を加えた状態で電
解質膜と電極との接合体を複数収容する燃料電池スタッ
クから電解質膜を回収する燃料電池の電解質膜回収方法
であって、前記燃料電池スタック内でガスシールを確保
できる範囲で前記締め付け圧力を弱める工程と、前記電
極に反応ガスを送るガス流路の出口を閉鎖する工程と、
前記ガス流路の入口に、プロトン導電性溶液の硬化物を
溶解させる性質と前記電解質膜を所定の大きさ以上の膨
張率でもって膨潤させる性質とを兼ね備える液体を注入
する工程と、前記ガス流路の出口を開放する工程とを備
えたことを、要旨としている。
【0019】本発明の請求項11記載の燃料電池の電解
質膜回収装置は、燃料電池に設けられた電解質膜と電極
との接合体から電解質膜を回収する燃料電池の電解質膜
回収装置であって、前記プロトン導電性溶液の硬化物を
溶解させる性質と前記電解質膜を所定の大きさ以上の膨
張率でもって膨潤させる性質とを兼ね備える液体を貯
え、該液体中に前記接合体を浸漬させる浸漬槽と、前記
浸漬槽に浸漬させた後の前記接合体から前記電解質膜と
電極とを分離させる分離手段とを備えたことを、要旨と
している。
【0020】こうした燃料電池の電解質膜回収装置にお
いて、さらに、水を貯え、前記分離手段で分離した前記
電解質膜を前記水中に浸漬させる水槽と、洗浄液を貯
え、前記水槽に浸漬された後の前記電解質膜を前記洗浄
液中に浸漬させる洗浄槽とを備えた構成とすることが好
ましい(請求項12記載のもの)。
【0021】請求項13記載の燃料電池の電解質膜回収
装置は、所定の性質を有する液体を収容する液槽を備
え、燃料電池に設けられた電解質膜と電極との接合体を
前記液槽に浸漬して、前記接合体から電解質膜を回収す
る燃料電池の電解質膜回収装置において、前記液槽は、
配管を介して直列に接続された複数の槽から構成され、
かつ、前記接合体を浸漬する順が最後になる槽に対し
て、前記液体の供給源が接続され、前記最後の槽で溢れ
た液体が前記浸漬する順が低い前の槽に順に流れ込むよ
うに構成したことを、要旨としている。
【0022】
【作用】以上のように構成された請求項1記載の燃料電
池の電解質膜回収方法によれば、浸漬工程により、電解
質膜と電極との接合体が所定の液体中に浸漬される。こ
の所定の液体は、電解質膜を所定の大きさ以上の膨張率
でもって膨潤させる性質を有するものであることから、
電解質膜は膨張して変形する。このため、接合体の電解
質膜と電極との界面の接合力が弱くなり、電解質膜は電
極から分離し易くなる。その分離し易くなった接合体
は、続く分離工程により、電解質膜と電極とに容易に分
離される。
【0023】なお、ここでは、前記膨張率の所定の大き
さは、20[%]〜70[%]、好ましくは、30
[%]であることが望ましい。この膨張率以上の大きさ
で電解質膜を膨張させることで、電解質膜は、電極との
界面の接合力を弱めるのに充分な変形量を得ることが可
能となる。
【0024】請求項2記載の燃料電池の電解質膜回収方
法によれば、プロトン導電性溶液を用いて接合した電解
質膜と電極との接合体が、浸漬工程により所定の液体中
に浸漬される。この所定の液体は、プロトン導電性溶液
の硬化物を溶解させる性質を有するものであることか
ら、接合体の電解質膜と電極との界面の接着力を弱める
働きをする。このため、電解質膜は電極から分離し易く
なる。その分離し易くなった接合体は、続く分離工程に
より、電解質膜と電極とに容易に分離される。
【0025】請求項3記載の燃料電池の電解質膜回収方
法によれば、請求項2記載の燃料電池の電解質膜回収方
法にあって、前記液体が、さらに前記電解質膜を所定の
大きさ以上の膨張率でもって膨潤させる性質を兼ね備え
たものであることから、電解質膜を膨張して変形する作
用と、プロトン導電性溶液の硬化物を溶解させる作用と
共に奏することになる。このため、接合体の電解質膜と
電極との界面の接着力をより一層弱めて、電解質膜が電
極からより一層容易に分離される。
【0026】請求項4記載の燃料電池の電解質膜回収方
法によれば、分離工程で分離された電解質膜中に含まれ
る液体を、置換工程により水に置換し、さらに、洗浄工
程により、電解質膜を洗浄する。従って、浸漬工程によ
り電解質膜中に侵入した液体を電解質膜中から除去、洗
浄することが可能となる。
【0027】請求項5記載の燃料電池の電解質膜回収方
法によれば、電極を電解質膜に対して、ねじる、反ら
す、ずらす、または回すことにより、電解質膜と電極と
を簡単、かつ確実に分離することが可能となる。
【0028】請求項6記載の燃料電池の電解質膜回収方
法によれば、接合体、または接合体が浸漬された液体を
振動させることにより、その液体が、接合体の電解質膜
と電極の間に到達しやすくなる。これにより、電解質膜
と電極との接合力の低下に要する時間を短縮することが
可能となる。
【0029】請求項7記載の燃料電池の電解質膜回収方
法によれば、浸漬工程に先だって、接合体を乾燥工程に
より乾燥させていることから、浸漬工程で液体に浸漬し
たときの電解質膜の膨張量を大きくする。
【0030】請求項8記載の燃料電池の電解質膜回収方
法によれば、電解質膜に所定の波長域の光線を照射し、
その透過した光線の強度を測定することにより、置換お
よび洗浄が完全に完了したか否かを判定する。一般に、
所定の波長域の光線は、液体の種類によりそれを通過し
たときの吸収量が相違することから、電解質膜に前記光
線を照射することで、電解質膜中にどのような液体が含
まれるかを判別することが可能となる。従って、置換お
よび洗浄が完全に完了して、前記浸漬工程による液体は
全く残留していないことを判別することが可能となる。
【0031】請求項9記載の燃料電池の電解質膜回収方
法によれば、浸漬工程で使用した液体をろ過することに
より、電極に担持した触媒の白金成分を、白金回収工程
により回収する。従って、これまでに説明してきた電解
質膜のリサイクルと組み合わせて白金のリサイクルを行
なうことが可能となる。
【0032】請求項10記載の燃料電池の電解質膜回収
方法によれば、ガスシールを確保できる範囲で燃料電池
スタックの締め付け圧力を弱めて、その後、ガス流路の
出口を閉鎖して、そのガス流路の入口に、プロトン導電
性溶液の硬化物を溶解させる性質と前記電解質膜を所定
の大きさ以上の膨張率でもって膨潤させる性質とを兼ね
備える液体を注入し、その後、前記ガス流路の出口を開
放して、その液体をスタックの外部に排出する。こうし
て、燃料電池スタックを分解するに際し、前記液体の作
用により、電解質膜と電極とを分離し易い状態とする。
また、燃料電池スタックの内部に前記液体を注入する前
に、締め付け圧力をガスシールを確保できる範囲で弱め
ていることから、電解質膜と電極とを圧着する力を弱め
て、前記液体の電解質膜と電極との分離を促すととも
に、前記注入した液体が漏れ出るのを防ぐ。
【0033】請求項11記載の燃料電池の電解質膜回収
装置によれば、浸漬槽中の液体に電解質膜と電極との接
合体を浸漬させることで、電解質膜は所定の大きさ以上
の膨張率でもって膨潤し、また、電解質膜と電極とを接
合するプロトン導電性溶液の硬化物は溶解する。このた
め、接合体の電解質膜と電極との界面の接着力が弱くな
り、電解質膜は電極から分離し易くなる。その分離し易
くなった接合体は、分離手段により、電解質膜と電極と
に容易に分離される。
【0034】請求項12記載の燃料電池の電解質膜回収
装置によれば、分離手段により分離した電解質膜を水槽
の水に浸漬させることにより、電解質膜中に含まれる液
体を水に置換し、さらに、その電解質膜を洗浄槽の洗浄
液に浸漬させることにより、電解質膜を洗浄する。従っ
て、浸漬工程により電解質膜中に侵入した前記液体を電
解質膜中から除去、洗浄することが可能となる。
【0035】請求項13記載の燃料電池の電解質膜回収
装置によれば、接合体を浸漬する順が後方の液槽から前
方の液槽に順に液体が移動する。接合体を液槽に浸漬す
ると、接合体の電解質膜に含まれる液体が前記液槽中の
液体と置換されることから、一般に、前記液槽の液体濃
度を低下させることになるが、この電解質膜回収装置に
よれば、液体の下流側の液槽から前記接合体の浸漬がな
されることから、液体の上流側に当たる前記後方の液槽
では、前記電解質膜中の液体との置換がほとんどなく、
接合体の処理量によらず液体濃度をほぼ一定に保つこと
ができる。
【0036】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
【0037】まず、第1実施例の燃料電池の電解質膜回
収方法を適用する固体高分子型燃料電池10の構成につ
いて先に説明する。ここでは、簡単なため固体高分子型
燃料電池10が単電池(セルが一つのもの)から構成さ
れているものとする。図1は、単電池から構成される固
体高分子型燃料電池10の構造図、図2は、その固体高
分子型燃料電池10の分解斜視図である。これら図に示
すように、固体高分子型燃料電池(以下、単に燃料電池
と呼ぶ)10は、電解質膜11と、この電解質膜11を
両側から挟んでサンドイッチ構造とするガス拡散電極と
してのカソード12およびアノード13と、このサンド
イッチ構造(以下、接合体と呼ぶ)を両側から挟みつつ
カソード12およびアノード13とで材料ガスおよび燃
料ガスの流路を形成するセパレータ14,15と、セパ
レータ14,15の外側に配置されカソード12および
アノード13の集電極となる集電板16,17とにより
構成されている。
【0038】電解質膜11は、高分子材料、例えばフッ
素系樹脂により形成されたイオン交換膜であり、湿潤状
態で良好な電気電導性を示す。カソード12およびアノ
ード13は、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンク
ロスにより形成されており、このカーボンクロスの表面
には、触媒としての白金または白金と他の金属からなる
合金等を担持したカーボン粉が塗布されている。
【0039】こうした電解質膜11とカソード12およ
びアノード13とは次のようにして接合されている。カ
ソード12の基材となるカーボンクロスの表面に、白金
または白金の合金を担持したカーボン粉を塗布し、電解
質膜11とこのカーボンクロスの表面とを、プロトン導
電性固体高分子溶液(例えば、米国AldrichCh
emical社から商品名Nafion Soluti
onとして販売されているもの)を用いて接合する。こ
の結果、プロトン導電性固体高分子溶液が固化する過程
で、いわば接着剤のような役目を果たしながら、前記カ
ソード12は電解質膜11表面に固着される。なお、ア
ノード13と電解質膜11との間も同様にして接合され
ている。ところで、このプロトン導電性固体高分子溶液
は水も水素も、酸素も通過させるので、たとえ、電解質
膜11の表面が、プロトン導電性固体高分子溶液の硬化
物で覆われたとしても支障ない。
【0040】白金を担持したカーボン粉は次のような方
法で作成されている。塩化白金酸水溶液とチオ硫酸ナト
リウムを混合して、亜硫酸白金錯体の水溶液を得る。こ
の水溶液を攪拌しながら、過酸化水素水を摘下して、水
溶液中にコロイド状の白金粒子を析出させる。次に担体
となるカーボンブラック(例えばVulcan XC−
72(米国のCABOT社の商標)やデンカブラック
(電気化学工業株式会社の商標)を添加しながら、攪拌
し、カーボンブラックの表面にコロイド状の白金粒子を
付着させる。次に溶液を吸引ろ過または加圧ろ過して白
金粒子が付着したカーボンブラックを分離した後、脱イ
オン水(純水)で繰り返し洗浄した後、室温で完全に乾
燥させる。次に、凝集したカーボンブラックを粉砕器で
粉砕した後、水素還元雰囲気中で、250℃〜350℃
で2時間程度加熱することにより、カーボンブラック上
の白金を還元するとともに、残留していた塩素を完全に
除去して、白金を担持したカーボン粉が完成する。
【0041】セパレータ14,15は、ち密質のカーボ
ンプレートにより形成されている。カソード12側のセ
パレータ14は、カソード12の表面とで材料ガスであ
る酸素含有ガスの流路をなすと共にカソード12で生成
する水の集水路をなす酸素含有ガス流路14Pを形成す
る。また、アノード13側のセパレータ15は、アノー
ド13の表面とで燃料ガスである水素ガスと水蒸気との
混合ガスの流路をなす水素ガス流路15Pを形成する。
集電板16,17は、銅(Cu)により形成されてい
る。
【0042】以上説明したのが固体高分子型燃料電池1
0の基本的な構成である。次に、実際に用いられる固体
高分子型燃料電池10について説明する。図3は、固体
高分子型燃料電池10の実際の概略構造を示した構造図
である。なお、図3中、図1,図2と同じ構成の部品に
対しては図1,図2と同一の符号を付した。
【0043】図3に示すように、固体高分子型燃料電池
10は、図1,図2で示した電解質膜11、カソード1
2およびアノード13からなる接合体20をセパレータ
21で挟んで複数積層したものである。このセパレータ
21は、図1,図2で示した単電池のセパレータ14,
15と同じ材料からなり、一方側の接合体20のカソー
ド12の表面とで酸素含有ガス流路14Pを形成し、他
方側の接合体20のアノード13側の表面とで水素ガス
流路15Pを形成する。なお、図中、最も右側に位置す
る接合体20Rの外側には、酸素含有ガス流路14Pだ
けを形成するセパレータ14が配置され、最も左側に位
置する接合体20Lの外側には、水素ガス流路15Pだ
けを形成するセパレータ15が配置されている。
【0044】さらに、固体高分子型燃料電池10は、こ
れらセパレータ14,15の外側に配置される冷却水流
路22,23と、冷却水流路22,23のさらに外側に
配置される集電板16,17と、これら全体を両側から
絶縁板24,25を介して挟むエンドプレート26,2
7とを備え、さらにエンドプレート26,27を外側か
ら締め付ける締め付けボルト28とを備える。
【0045】以上のように構成された固体高分子型燃料
電池10から電解質膜11を回収する電解質膜回収方法
について、以下詳述する。なお、ここで説明するのは、
固体高分子型燃料電池10から、締め付けボルト28を
引き抜いて、セパレータ14,15,21、冷却水流路
22,23、集電板16,17、絶縁板24,25、お
よびエンドプレート26,27を取り外した後の、残っ
た電解質膜11、カソード12およびアノード13から
なる接合体20から電解質膜11を回収する方法であ
る。
【0046】図4は、その電解質膜回収方法の工程を示
すフローチャートであり、図5は、その電解質膜回収方
法の工程に従う電解質膜11の状態の変遷を模式的に示
す説明図である。図4のフローチャートに示すように、
まず、固体高分子型燃料電池10の接合体20をメタノ
ールの溶液に浸漬する浸漬工程を実行する(ステップS
1)。具体的には、図5の(A)に示すように、メタノ
ールで満たされた槽(浸漬槽)51を用意し、この浸漬
槽51に接合体20を投入する。そして、接合体20を
浸漬槽51の中に1分から10分ほど放置する。この結
果、接合体20を充分にメタノールに浸漬させることが
でき、電解質膜11内の水(水分子)はメタノールに完
全に置換される。
【0047】電解質膜11内の水がメタノールに置換さ
れると、電解質膜11が膨張し、電解質膜11が変形
し、さらには、電解質膜11とカソード12とを接合す
るプロトン導電性固体高分子溶液の硬化物が溶解され
る。このため、接合体20の電解質膜11とカソード1
2との界面、および電解質膜11とアノード13との界
面の接着力が弱くなり、電解質膜11がカソード12お
よびアノード13から分離し易くなる。なお、この浸漬
工程においては、攪拌器52で浸漬槽51内のメタノー
ルを攪拌する構成とすることが望ましい。浸漬槽51内
を攪拌することで、より短時間で浸漬工程を完了させる
ことができる。
【0048】次いで、分解し易い状態にある接合体20
を、電解質膜11、カソード12およびアノード13の
各部に分離する分離工程を実行する(ステップS2)。
具体的には、図5の(B)に示すように、浸漬槽51と
同様にメタノールで満たされた次の槽(分離槽)53を
用意し、接合体20を浸漬槽51からこの分離槽53に
移して、その分離槽53内で電解質膜11、カソード1
2およびアノード13を互いに分離する作業を行なう。
この分離の作業は、この実施例では次のようにして行な
う。
【0049】図6に示すように、まず、接合体20を用
意して(図6の(a))、その接合体20のカソード1
2を、その一辺側から反らすような状態で引き剥がす
(図6の(b))。続いて、アノード13を、その一辺
側から反らすような状態で引き剥がす(図6の
(c))。こうして、電解質膜11は、カソード12お
よびアノード13と分離された状態となる。この例で
は、カソード12、アノード13の順に引き剥しを行な
っていたが、これに換えて、アノード13、カソード1
2の順に引き剥しを行なうようにしてもよい。
【0050】なお、この分離の作業では、前述したよう
にカソード12およびアノード13を電解質膜11から
引き剥がす作業を行なっているのではあるが、その引き
剥しに大きな力を必要とするものではない。ステップS
1の浸漬工程により、電解質膜11、カソード12およ
びアノード13は充分に分離し易くなっており、実際
は、ヘラ状の部品をカソード12およびアノード13の
一辺に押し当てる等を行なうだけで簡単に剥がれてく
る。
【0051】図4に戻り、ステップS2の分離工程を終
えると、続いて、分離工程で分離した電解質膜11中に
含まれるメタノールを水に置換する置換工程を実行する
(ステップS3)。具体的には、図5の(C)に示すよ
うに、脱イオン水で満たされた槽(置換)55を用意
し、分離した電解質膜11を分離槽53から置換槽55
に移す。そして、その電解質膜11を置換槽55の中に
1分から10分ほど放置する。この結果、電解質膜11
を充分に脱イオン水に浸漬させることができ、電解質膜
11内のメタノールは水に完全に置換される。なお、こ
の置換工程においては、攪拌器56で置換槽55内の脱
イオン水を攪拌する構成とすることが望ましい。置換槽
55内を攪拌することで、電解質膜11内のメタノール
の水への置換をより短時間で完了させることができる。
【0052】図4に戻り、ステップS3の置換工程を終
えると、続いて、置換工程を終えた電解質膜11を洗浄
する洗浄工程を実行する(ステップS4)。具体的に
は、図5の(D)に示すように、過酸化水素水で満たさ
れた次の槽(洗浄槽)57を用意し、電解質膜11を置
換槽55からこの洗浄槽57に移す。洗浄槽57の中で
は、電解質膜11は過酸化水素水で沸騰洗浄される。過
酸化水素水での沸騰洗浄が終わったら、図示はしない
が、電解質膜11を繰り返し脱イオン水で洗浄する。そ
の後、洗浄の終わった電解質膜11は、室温で飽和水蒸
気中の雰囲気の容器内で保管される。こうして、固体高
分子型燃料電池10のスタックから電解質膜11を回収
することができる。なお、洗浄槽57内では、攪拌器5
8により過酸化水素水を攪拌する構成とすることが望ま
しい。洗浄槽57内を攪拌することで、より短時間で過
酸化水素水による沸騰洗浄を完了させることができる。
【0053】以上詳述した、この第1実施例の電解質膜
回収方法に従って実際に回収した電解質膜11につい
て、様々な試験を行なって、電解質膜11が劣化してい
ないかを調べてみた。その調査結果は次のようなもので
ある。
【0054】まず、回収した電解質膜11の表面を倍率
10倍〜100倍の実体顕微鏡で観察する試験を行なっ
た。この観察結果によれば、電解質膜11の表面、裏面
とも、この実施例の浸漬、分離、置換、洗浄のいずれか
の工程に起因するような、傷やピンホールの発生は見ら
れなかった。このことは、浸漬、分離、置換、洗浄の一
連の工程において、電解質膜11に物理的な影響を与え
ることがないことを示しており、電解質膜11を良好な
状態で回収することができることが確認できた。
【0055】次に、この回収した電解質膜11を用い
て、再度、電解質膜11、カソード12およびアノード
13からなる接合体20を作成した。この作成は、新品
の電解質膜11を使う場合とまったく同じ条件で実施し
た。完成した接合体20は、電解質膜11とカソード1
2およびアノード13が充分な強度で接合されていて、
セル抵抗も新品の電解質膜を用いて作成した場合と同レ
ベルであることが確認できた。また接合作業では、新品
の電解質膜とまったく同じように接合作業を行なうこと
ができた。
【0056】さらに、前記回収した電解質膜11を用い
て作成した接合体20を実際の燃料電池として組み立て
て、アノード、カソードにそれぞれ材料ガスを流して、
電池特性を測定した。この測定した電池特性は、新品の
電解質膜11を使用した場合と同じ電池特性が得られ
た。
【0057】これらのことから、この実施例に基づいて
固体高分子型燃料電池の電解質膜とアノードおよびカソ
ードとの接合体より電解質膜を回収し、この回収した電
解質膜が再度、上記接合体の作成に使用できること、つ
まり、電解質膜のリサイクルが可能であることが確認で
きた。
【0058】以上詳述したように、この第1実施例の燃
料電池の電解質膜回収方法によれば、ステップS1の浸
漬工程により、電解質膜11が膨張して変形し、さらに
は、電解質膜11とカソード12とを接合するプロトン
導電性固体高分子溶液の硬化物が溶解される。このた
め、接合体20の電解質膜11とカソード12との界
面、および電解質膜11とアノード13との界面の接着
力が弱くなり、電解質膜11がカソード12およびアノ
ード13から分離し易くなる。したがって、固体高分子
型燃料電池10に特別な構成手段を付加することなし
に、固体高分子型燃料電池10から電解質膜11を容易
に回収することができるといった優れた効果を奏する。
【0059】この実施例では、浸漬工程で接合体20を
浸漬する溶液としてメタノールを用いていたが、メタノ
ールを選定したのは次のような理由である。浸漬工程で
用いいる液体は、電解質膜11を膨張させる能力が大き
く(少なくとも、20[%]以上の膨張率で膨張させる
能力が必要)、かつ、プロトン導電性固体高分子溶液の
硬化物を溶解させる能力を有することが求められる。こ
のような液体はメタノール(メチルアルコール)に限ら
ず種々あり、例えば、エタノールやイソプロピルアルコ
ールのようなアルコール系のものやアセトンなどのケト
ン系のものが該当するが、価格や廃棄法、再利用法を考
えれば、液体の種類は自ずと限られてくる。
【0060】特にこの実施例では、置換工程において、
水の中に、この液体が混入して来るため、液体の種類に
よっては、この水を廃棄できなくなるといった新たな問
題が発生することになる。メタノールを用いれば、浸漬
工程のメタノールと置換工程の水を混合することで、固
体高分子型燃料電池10への燃料供給源であるメタノー
ル改質器の反応用原料として使用することができる。こ
のようなことを総合的に考えて、メタノールが好適であ
るとしてこれを用いた。勿論メタノールに必ずしも限る
ものではなく、前述したエタノールやイソプロピルアル
コールのようなアルコール系のものやアセトンなどのケ
トン系のものを用いた構成とすることも可能である。
【0061】さらに、浸漬工程で用いる液体として、メ
タノールと水との混合液体を用いる方法もある。これに
よれば、メタノールと水との混合液体を使うことによ
り、浸漬工程の材料費を低減させることが可能であるこ
と、置換工程でのメタノールから水への置換が容易にな
ることの2点の効果が期待できる。しかしながら、水に
はプロトン導電性固体高分子溶液の硬化物を溶かす能力
はなく、また膜を膨張させる能力もメタノールより弱
い。このため、浸漬工程で電解質膜11とカソード12
との接着力を充分に弱めることができず、その後の分離
工程での分離が難しくなるということも危惧される。メ
タノールと水の比率を変えて、実験したところ、水の比
率が大きくなるほど、分離工程での所要時間が長くな
り、好ましくは、メタノールと水との比率を3:10の
比率以上にメタノールを多くすることがよい。
【0062】また、前記第1実施例では、ステップS2
の分離工程では、電極(カソード12またはアノード1
3)を反らすることによりその分離の作業を行なってい
たが、これに換えて、電極をねじるようにしてもよく、
また、ずらすようにしてもよい。さらには、電極を回す
ようにしてもよい。これら「ねじる」,「ずらす」また
は「回す」ことによる分離の作業について、次に詳しく
説明する。
【0063】「ねじる」作業は次のようなものである。
図7に示すように、まず、接合体20を横方向に配置す
る(図7の(a))。ここでは、カソード12を先に引
き剥がすものとして、カソード12を下側に向けて配置
する。次いで、電解質膜11の四隅の角を順に上側にめ
くり(図7の(b)および(c))、電解質膜11をね
じるようにして接合体20からカソード12を引き剥が
す(図7の(d))。続いて、残りの電解質膜11とア
ノード13との接合体を裏返して、アノード13を下側
に向けて配置する(図7の(e))。次いで、電解質膜
11の四隅の角を順に上側にめくり(図7の(f)およ
び(g))、電解質膜11をねじるようにして電解質膜
11からアノード13を引き剥がす(図7の(h))。
なお、前記(d)と(h)の引き剥しは、電解質膜11
をねじるようにするだけで、下側の電極は自重で剥がれ
落ちる。こうして、接合体20は、電解質膜11とカソ
ード12とアノード13の三つの部品に個別に分離され
る。
【0064】この例では、カソード12、アノード13
の順に引き剥しを行なっていたが、これに換えて、アノ
ード13、カソード12の順に引き剥しを行なうように
してもよい。
【0065】「ずらす」作業は次のようなものである。
図8に示すように、浸漬工程を経た接合体20について
(図8の(a))、その接合体20の片方の電極である
カソード12(またはアノード13)と、もう一方の電
極であるアノード13(またはカソード12)とをそれ
ぞれクランプして、カソード12およびアノード13を
確実に押さえた上で、次にカソード12とアノード13
とが直線方向に互いに逆方向になるようにゆっくりとず
らす(図8の(b),(c))。こうして、接合体20
は、電解質膜11とカソード12とアノード13の三つ
の部品に個別に分離される。
【0066】「回す」作業は次のようなものである。図
9に示すように、浸漬工程を経た接合体20について
(図9の(a))、その接合体20の片方の電極である
カソード12(またはアノード13)と、もう一方の電
極であるアノード13(またはカソード12)とをそれ
ぞれクランプして、カソード12およびアノード13を
確実に押さえた上で、次にカソード12とアノード13
とが円周方向に互いに逆方向になるようにゆっくりと回
す(図9の(b),(c))。こうして、接合体20
は、電解質膜11とカソード12とアノード13の三つ
の部品に個別に分離される。
【0067】分離工程では、前述した「反らす」,「ね
じる」,「ずらす」または「回す」ことの何れかを用い
て分離作業を行なっている。この第1実施例では、カソ
ード12およびアノード13の電極基材としてカーボン
クロスを用いていることから、前記「反らす」,「ねじ
る」,「ずらす」または「回す」ことによる何れでも行
なうことが可能となっている。なぜなら、カーボンクロ
スには柔軟性があることから、「反らす」,「ねじる」
と言った曲げることを行なってもカソード12およびア
ノード13は割れたりしないためである。これに対し
て、カソード12およびアノード13の電極基材として
カーボンペーパを用いた構成の場合には、前述した「反
らす」,「ねじる」ことによる分離作業は避けて、「ず
らす」または「回す」ことにより分離作業を行なう構成
としたほうがよい。カーボンペーパには剛性があり、前
述した「反らす」または「ねじる」といった作業を行な
うと、カーボンペーパが割れることから、これらの作業
は避けている。
【0068】前述した図6で示した「反らす」ことによ
る分離の作業を行なう装置について、次に説明する。図
10はその装置の概略正面図、図11はその装置の概略
平面図である。両図に示すように、この装置は、接合体
20を一方向(図中、x方向)に送る3組の搬送ローラ
71,72,73と、その接合体20の進路に配置さ
れ、搬送ローラ71,72で送られてきた接合体20か
ら電極(例えばアノード13)を剥離するスキージ75
と、その剥離された電極を前記接合体20の進行方向と
は相違する方向に送る1組の搬送ローラ77とを備え
る。なお、上記搬送ローラ71,72,73の各組は、
接合体20の電解質膜11を両側から挟持または支持す
るものであり、図11に示すように、電解質膜11に接
合されたアノード13は電解質膜11よりサイズが小さ
いことから、アノード13を挟持することはない。
【0069】搬送ローラ71,72,73により送られ
る接合体20は、スキージ75に当たる。その当たる接
合体20の位置は電解質膜11とアノード13との界面
であり、その接合体20は浸漬工程により既に分離し易
い状態となっていることから、接合体20の進行ととも
に、スキージ75によりアノード13は電解質膜11か
ら剥がされる。こうして接合体20から電解質膜11を
容易に分離することができる。
【0070】次に、電解質膜11を反らすことにより、
電極を分離する作業を行なう装置について、次に説明す
る。図12はその装置の概略構成図である。両図に示す
ように、この装置は、3組の搬送ローラ81,82,8
3により、接合体20の進行方向を斜め下方向から斜め
上方向に曲げるものである。この構成により、斜め下方
向に進んでいた接合体20は、その曲げの位置から電解
質膜11だけ斜め上方向に進み、アノード13は、その
まま下方向に剥がれ落ちる。こうして接合体20の搬送
方向を曲げるようにするだけで、接合体20から電解質
膜11を容易に分離することができる。
【0071】前記第1実施例の別の態様について、さら
に説明する。前記第1実施例では、電解質膜11と電極
(カソード12およびアノード13)とをプロトン導電
性固体高分子溶液を用いて接合していたが、これに換え
て、次の〜のうちのいずれかの方法で接合する構成
としてもよい。
【0072】電極の基材となるカーボンクロスの表面
に、白金または白金の合金を担持したカーボン粉を塗布
し、電解質膜とこの電極基材をホットプレスで一体化す
るもの。 白金または白金の合金を担持したカーボン粉を適当な
有機溶剤に分散させてペースト化し、電解質膜の表面に
スクリーン印刷法等の手法で塗布し、その後、電極基材
とホットプレスで一体化するもの。 電解質膜の表面に、スパッタ法、蒸着法、CVD法、
PVD法などの薄膜形成法で白金を担持し、その後、電
極基材とホットプレスで一体化するもの。
【0073】前記の方法で作成した接合体から電解質
膜を回収する場合、浸漬工程では、プロトン導電性固体
高分子溶液の硬化物を溶解する能力に優れた液体を用い
る構成としたほうがよい。一方、前記,の方法で作
成した接合体から電解質膜を回収する場合、浸漬工程で
は、電解質膜11を膨張させる能力に優れた液体を用い
る構成としたほうがよい。なお、いずれの場合にも、前
記液体としてメタノールを用いた構成とすることで、要
求される前記液体の能力を充分に満たすことができる。
【0074】本発明の第2実施例について、次に説明す
る。この第2実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の構
成は、第1実施例の燃料電池の電解質膜回収方法と同じ
構成を備えた上で、さらに次のような構成を備えたもの
である。この第2実施例の燃料電池の電解質膜回収方法
における浸漬工程では、第1実施例と同様に、浸漬槽5
1を用意し、この浸漬槽51に接合体20を投入すると
ともに、さらに、図13に示すように、浸漬槽51内に
振動子90を設けている。振動子90は、超音波型の振
動子で、浸漬槽51内のメタノールを振動させるもので
ある。
【0075】第1実施例では、接合体20をメタノール
に浸漬することにより、前述したように、接合体20の
電解質膜11を膨張して変形させる作用と、接合体20
の接合時に使用するプロトン導電性固体高分子溶液の硬
化物を溶解させる作用とによって、接合体20の電解質
膜11とカソード12およびアノード13との間の接合
力を低下させているが、こうした作用を効率よく発生さ
せるには、電解質膜11とカソード12およびアノード
13との間隙にメタノールを効率的に到達させる必要が
ある。
【0076】この第2実施例では、接合体20が浸漬さ
れたメタノールを振動子90で振動させることにより、
メタノールが、接合体20の電解質膜11と電極の間に
到達しやすくする。これにより、電解質膜11とカソー
ド12およびアノード13との接合力の低下に要する時
間を短縮することができるとともに、後段の分離工程で
の電解質膜11の分離を一層容易なものにすることがで
きる。
【0077】この第2実施例と第1実施例とにおいて、
電解質膜11が分離するのに必要な浸漬時間を比較した
ところ、超音波振動を用いると半分以下の時間に短縮で
きることがわかった。また、接合体20の電極面積が大
きいほど、超音波振動を用いる浸漬時間を短縮できる効
果が大きいことがわかった。
【0078】なお、この第2実施例においては、超音波
振動により、メタノールが揮発しやすくなるので、浸漬
槽51の上部を蓋により覆って、メタノールの蒸気が飛
散しないようにしたり、槽の上部に冷却管を配置して、
メタノールの蒸気を凝結させて、メタノールの水滴と
し、再び、浸漬槽51内に戻るようにさせることが好ま
しい。また、一般的には、少量のメタノールで大量の接
合体20を処理しようとすると、高い出力の超音波振動
を加えなければならなくなる。
【0079】さらに、第2実施例では、振動子90を浸
漬槽51内に設けていたが、これに換えて、分離槽53
内に振動子90を設けた構成としてもよい。第1実施例
における分離槽53は、内部に浸漬槽51と同様にメタ
ノールが満たされていることから、分離槽53内のメタ
ノールを振動子90により振動させることで、そのメタ
ノールが、電解質膜11と電極との間に到達し易くす
る。これによっても、電解質膜11とカソード12およ
びアノード13との接合力の低下に要する時間を短縮す
ることができるとともに、後段の分離工程での電解質膜
11の分離をより一層容易なものにすることができる。
【0080】また、前記第2実施例では、接合体20が
浸漬されたメタノールを振動子90で振動させる構成と
したが、これに換えて、接合体20を直接振動させる構
成としてもよい。
【0081】本発明の第3実施例について、次に説明す
る。この第3実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の構
成は、第1実施例のそれと比較して、浸漬工程が2つの
浸漬槽により達成されている点が相違し、その他の構成
については同一である。
【0082】図14は、第3実施例における浸漬工程を
実現する構成の概略構成図である。この図14に示すよ
うに、浸漬工程を実現する構成として2つの浸漬槽10
1,102を備えている。第1の浸漬槽101と第2の
浸漬槽102とは連結パイプ103により接続されてお
り、第2の浸漬槽102にはパイプ104を介して図示
しないメタノール供給源に接続され、第1の浸漬槽10
1にはパイプ105を介してメタノールタンクに接続さ
れている。メタノール供給源から供給されたメタノール
は、パイプ104を介して第2の浸漬槽102に先ず供
給される。その後、その供給が続けられて第2の浸漬槽
102をメタノールがオーバーフローすると、そのメタ
ノールは、連結パイプ103を介して第1の浸漬槽10
1に供給される。その後、さらに第1の浸漬槽101か
らオーバフローしたメタノールは、パイプ105を介し
てメタノールタンクに送られる。
【0083】電解質膜11、カソード12およびアノー
ド13の接合体20は、第1の浸漬槽101、第2の浸
漬槽102の順に浸漬され、その後、図示しない分離槽
に搬送される。
【0084】以上のように構成されたこの第3実施例で
は、第1の浸漬槽101内に接合体20が搬送される
と、その接合体20の電解質膜11中の水がメタノール
に置換される。このために、第1の浸漬槽101内のメ
タノールの濃度が低下する。これに対して、第2の浸漬
槽102内に接合体20が搬送されたときには、電解質
膜11中の水は第1の浸漬槽101で既にメタノールに
置換された後であることから、第2の浸漬槽102内へ
の水の混入はほとんどない。従って、この第3実施例に
よれば、適量のメタノールを第2の浸漬槽102に供給
していれば、第2の浸漬槽102のメタノール濃度を、
接合体20の処理量によらず常に一定とすることができ
る。
【0085】浸漬工程における処理槽を一つとした第1
実施例では、接合体20の処理量が多くなるに従い、浸
漬槽51内のメタノール濃度は低下する。これに対し
て、分離工程での分離のしやすさを考えると、メタノー
ル濃度は高い方が有利である。従って、第1実施例で
は、一定量の接合体20を処理する都度、浸漬槽51内
のメタノールを交換しなければならなかった。これに対
して、この第3実施例では、前述したように、第2の浸
漬槽102のメタノール濃度を、接合体20の処理量に
よらず常に一定とすることができることから、浸漬槽内
のメタノールの交換が不要となり、メンテナンスが容易
になるといった効果を奏し、さらには、次段の分離工程
での分離をより一層容易なものにすることができる。
【0086】なお、この第3実施例では、浸漬工程にお
ける浸漬槽を2つとしたが、これに換えて、浸漬槽を3
つ以上としてもよい。要は、浸漬工程が複数の浸漬槽か
らなり、連続的に接合体20を処理するに当たり、メタ
ノールの追加補給が、複数の槽の内、接合体20の搬送
順の後ろの槽に対して行なわれ、その後ろの槽でオーバ
ーフローしたメタノールが、前の槽に順に流れ込む構成
とすればよい。これにより、複数の槽の内、後ろの槽の
メタノール濃度を一定に保つことができる。
【0087】本発明の第4実施例について、次に説明す
る。この第4実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の構
成は、第1実施例のそれと比較して、置換工程が複数の
置換槽により達成されている点が相違し、その他の構成
については同一である。
【0088】図15は、第4実施例における置換工程を
実現する構成の概略構成図である。この図15に示すよ
うに、置換工程を実現する構成として2つの置換槽20
1,202を備えている。第1の置換槽201と第2の
置換槽202とは連結パイプ203により接続されてお
り、第2の置換槽202にはパイプ204を介して図示
しない水供給源に接続され、第1の置換槽201にはパ
イプ205を介して水タンクに接続されている。水供給
源から供給された脱イオン水は、パイプ204を介して
第2の置換槽202に先ず供給される。その後、その供
給が続けられて第2の置換槽202を脱イオン水がオー
バーフローすると、その脱イオン水は、連結パイプ20
3を介して第1の置換槽201に供給される。その後、
さらに第1の置換槽201からオーバフローした脱イオ
ン水は、パイプ205を介して水タンクに送られる。
【0089】電解質膜11、カソード12およびアノー
ド13の接合体20は、第1の置換槽201、第2の置
換槽202の順に送られ、その後、図示しない分離槽に
搬送される。
【0090】以上のように構成されたこの第4実施例で
は、第1の置換槽201内に接合体20が搬送される
と、その接合体20の電解質膜11中のメタノール(浸
漬工程および分離工程で置換されたもの)が脱イオン水
に置換される。このために、第1の置換槽201内の脱
イオン水の濃度が低下する(つまりメタノールが混入す
る)。これに対して、第2の置換槽202内に接合体2
0が搬送されたときには、電解質膜11中のメタノール
は第1の置換槽201で既に脱イオン水に置換された後
であることから、第2の置換槽202内へのメタノール
の混入はほとんどない。従って、この第4実施例によれ
ば、適量の脱イオン水を第2の置換槽202に供給して
いれば、第2の置換槽202内の脱イオン水を、接合体
20の処理量によらず常にメタノールの混入量の少ない
ものとすることができる。
【0091】置換工程における処理槽を一つとした第1
実施例では、接合体20の処理量が多くなるに従い、置
換槽55内の脱イオン水にはメタノールが多く混入す
る。これに対して、次段の洗浄工程での洗浄のしやすさ
を考えると、脱イオン水濃度は高い方が有利である。従
って、第1実施例では、一定量の接合体20を処理する
都度、置換槽55内の脱イオン水を交換しなければなら
なかった。これに対して、この第4実施例では、前述し
たように、第2の置換槽202内の脱イオン水を、接合
体20の処理量によらず常にメタノールの混入量の少な
いものとすることができることから、置換槽内の脱イオ
ン水の交換が不要となり、メンテナンスが容易になると
いった効果を奏し、さらには、次段の洗浄工程での洗浄
を一層容易なものにすることができる。
【0092】なお、この第4実施例では、置換工程にお
ける置換槽を2つとしたが、これに換えて、置換槽を3
つ以上としてもよい。要は、置換工程が複数の置換槽か
らなり、連続的に接合体20を処理するに当たり、脱イ
オン水の追加補給が、複数の槽の内、接合体20の搬送
順の後ろの槽に対して行なわれ、その後ろの槽でオーバ
ーフローした脱イオン水が、前の槽に順に流れ込む構成
とすればよい。これにより、複数の槽の内、後ろの槽の
脱イオン水をメタノールの混入しないものとすることが
できる。
【0093】なお、第3実施例および第4実施例では、
浸漬槽および置換槽の内のいずれかを複数の槽から構成
していたが、勿論、浸漬槽および置換槽をそれぞれ複数
の槽から構成してもよい。
【0094】本発明の第5実施例について、次に説明す
る。この第5実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の構
成は、第1実施例のそれと比較して、図16に示すよう
に、ステップS1の浸漬工程の前に、接合体20を予め
乾燥する乾燥工程(ステップS0)を備えた点が相違
し、その他の構成については同一である。
【0095】乾燥工程では、浸漬工程に投入する前の接
合体20を乾燥室に搬送して、接合体20を80℃で1
時間ほど加熱する処理を行なう。この結果、接合体20
の内部の水分を完全に蒸発させることができる。このよ
うにして予備乾燥させた接合体20はその後、第1実施
例に従って浸漬工程に投入される。
【0096】この第5実施例では、接合体20を浸漬工
程に投入する以前に予め乾燥させる構成としていること
から、浸漬工程でメタノールに浸漬するときの電解質膜
11の膨張量を大きくすることができる。第1実施例で
は、メタノールに浸したことによる、電解質膜11の変
形と、電解質膜11と電極とを接合しているプロトン導
電性固体高分子溶液の硬化物の溶解といった作用に従っ
て、電解質膜11と電極との接合力を弱めているが、こ
の第5実施例では、電解質膜11の膨張量を大きくして
変形量を大きくしていることから、電解質膜11と電極
との接合力をより一層弱めることができる。従って、次
段の分離工程における電解質膜11と電極との分離の作
業を、より一層容易なものとすることができる。
【0097】この第5実施例では、さらに次のような効
果を奏する。この第5実施例では、浸漬工程に投入され
る段階で、電解質膜11中の水分は既に蒸発してしまっ
ているために、浸漬工程において電解質膜11中の水が
メタノール中に混入して、浸漬槽内のメタノール濃度を
低下するという問題も生じない。従って、浸漬工程にお
けるメタノールの交換頻度を少なくすることができる。
【0098】なお、上記乾燥工程における加熱は、真空
中で加熱すれば、さらに低温で、短時間に乾燥させるこ
とができる。なお、乾燥温度を高くすれば、短時間で乾
燥させることが可能であるが、電解質膜11が熱によっ
て劣化する恐れがあるので、80℃程度、即ち、固体高
分子型燃料電池の運転温度程度の温度で乾燥させること
が好ましい。
【0099】本発明の第6実施例について、次に説明す
る。この第6実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の構
成は、第1実施例のそれと比較して、図17に示すよう
に、ステップS4の洗浄工程の後に、ステップS3の置
換工程での置換およびステップS4の洗浄工程での洗浄
が完全に完了したか否かを確認する確認工程(ステップ
S5)を備えた点が相違し、その他の構成については同
一である。
【0100】確認工程では、電解質膜11に特定波長の
光を照射して、その特定波長における吸収ピークの有無
をもって、置換工程での置換および洗浄工程での洗浄が
完全に完了したか否かを判定している。具体的には、図
18に示すように、光源301からの光を分光器303
により、1050〜1085cm-1の波長の赤外線に分
光して、その赤外線を電解質膜11に照射し、その透過
光の光の強度を分光光度計305により計測する。そし
て、その計測値を、CPU,ROM,RAM等を備えた
いわゆるマイクロコンピュータから構成される制御ユニ
ット307に送り、その制御ユニット307で前記判定
を行なう。
【0101】制御ユニット307における処理の内容
は、詳しくは次のようなものである。図19のフローチ
ャートに示すように、制御ユニット307のCPUは、
まず、分光光度計305から前記透過光の光の強度Iを
読み込んで(ステップS310)、その光の強度Iが予
め定めた所定の強度I0以上であるか否かを判定する
(ステップS320)。その所定の強度I0は、膜中に
メタノールがほとんど存在しない、即ち置換工程で膜中
のメタノールがほぼ完全に水に置換された電解質膜11
を試料とし、図18に示した同様の構成で透過光の光の
強度を測定したときの値である。
【0102】メタノールは前記1050〜1085cm
-1の波長の赤外線を吸収し、水はその波長の赤外線を吸
収しないという性質を備えていることから、分光光度計
305で計測される値は、電解質膜11中のメタノール
濃度が大きくなると吸収分が大きくなり、小さな値とな
る。このため、ステップS320で、計測した光の強度
Iがメタノールが存在しない場合の所定の強度I0以上
であると判定された場合には、電解質膜11中のメタノ
ールは全く存在しないとして、ステップS330に進
む。
【0103】ステップS330では、「OK」、即ち、
置換工程での置換および洗浄工程での洗浄が完全に完了
したと判定する。一方、ステップS320で、計測した
光の強度Iが所定の強度I0より小さいと判定された場
合には、ステップS340に進み、「NG」、即ち、置
換工程での置換および洗浄工程での洗浄は未だ完全に完
了していないと判定する。ステップS330またはS3
40の実行後、処理を終了する。
【0104】なお、ステップS340で置換および洗浄
が完全に完了していないと判定されたときには、電解質
膜11を再び置換槽に戻し、再度メタノールから水への
置換を行なう。このとき、置換槽の攪拌器の回転数を上
げて、脱イオン水が攪拌されるようにしたり、あるいは
置換槽に供給する新しい脱イオン水の水量を増大させた
りするのが好ましい。
【0105】こうして構成された第6実施例では、置換
工程での置換および洗浄工程での洗浄が完全に完了した
か否かを確認することができることから、前記置換およ
び洗浄を確実なものとすることができる。このため、使
用済みの固体高分子型燃料電池10の接合体20から回
収した電解質膜11を何の問題もなく再利用することが
できる。
【0106】なお、図18で示した構成は、制御ユニッ
ト307を除いて、洗浄槽内に配設した構成としてもよ
い。また、洗浄工程を経過後の電解質膜11を搬送ロー
ラで搬送するその途中に配設する構成としてもよい。
【0107】本発明の第7実施例について、次に説明す
る。この第7実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の構
成は、第1実施例のそれと比較して、図20に示すよう
に、ステップS2の分離工程の後に白金回収工程(ステ
ップS2a)を備えた点が相違し、その他の構成につい
ては同一である。
【0108】白金回収工程では、分離槽内のメタノール
から白金担持済みのカーボン粉を回収している。具体的
には、図21に示すように、分離槽53の外側に分離槽
53から出て分離槽53に戻る循環路401を設け、そ
の循環路401の途中にポンプ403とフィルタ405
とを設けるように構成する。ポンプ403により、分離
槽53内のメタノールを循環路401中で循環させて、
フィルタ405により、分離槽53内のメタノール中に
浮遊している上記カーボン粉を捕集することができる。
【0109】分離槽53内のメタノール中に白金担持済
みのカーボン粉が浮遊しているのは次の理由による。分
離工程およびその前の浸漬工程では、接合体20をメタ
ノールに浸漬させて、電解質膜11と電極とを接合する
プロトン導電性固体高分子溶液の硬化物を溶解させてい
るが、このプロトン導電性固体高分子溶液はこの部分だ
けではなく、白金担持済みのカーボン粉を電極に塗布す
る際にも用いられていることから、このカーボン粉の塗
布用のプロトン導電性固体高分子溶液の硬化物も溶解さ
せる。このため、電極から白金担持済みのカーボン粉が
分離して、メタノール中に浮遊することになる。このカ
ーボン粉は、前述したようにしてフィルタ405により
捕集される。
【0110】前記フィルタ405により捕集された白金
担持済みのカーボン粉は、電極と共に、白金のリサイク
ル工程に用いられることになる。従って、これまで説明
してきた本発明に係る電解質膜11のリサイクルと組み
合わせることにより、固体高分子型燃料電池10をさら
に低コストに提供することが可能になった。
【0111】なお、この第7実施例では、分離工程のす
ぐ直後に白金回収工程を設けた構成としたが、これに換
えて、浸漬工程の直後としてもよい。浸漬工程でも接合
体20は充分にメタノールに浸されていることから、メ
タノール中にはかなりの量の白金担持済みのカーボン粉
が浮遊しているはずであることから、浸漬工程の後(分
離工程の前)に白金回収工程を行なうことでも、かなり
の量の白金を回収することできる。
【0112】なお、分離槽53内には、第2実施例で用
いた振動子90を設けた構成としてもよい。振動子90
による超音波振動により、接合体20の電極表面に塗布
されていたカーボン粉を電極から分離し易くすることが
できる。
【0113】本発明の第8実施例について、次に説明す
る。これまで説明してきた第1ないし第7実施例では、
固体高分子型燃料電池10のスタックを予め分解して、
接合体20を取り出し、この接合体20から電解質膜1
1を回収する工程について述べてきた。これに対して、
この第8実施例では、固体高分子型燃料電池10のスタ
ックを分解する前の状態から電解質膜11を回収する工
程について述べる。
【0114】図22は、この第8実施例の燃料電池の電
解質膜回収方法を示すフローチャートである。この図2
2に示すように、まず、固体高分子型燃料電池10のス
タックの締め付けボルト28(図3参照)を、ガスシー
ルを確保できる最小の締め付け圧まで緩める作業を行な
う(ステップS500)。一般に、固体高分子型燃料電
池のスタックは、電池抵抗(端子間抵抗)が最小になる
ように締め付けボルト28の締め付け圧力が定められて
おり、多くの場合、この締め付け圧力は、ガスシールを
確保するための最小の締め付け圧よりも充分に大きい圧
力である。ステップS500では、締め付けボルト28
の締め付け圧力を、前記電池抵抗が最小になるような大
きさから、そのガスシールを確保できる範囲の最小の大
きさに低下させる作業である。
【0115】次いで、固体高分子型燃料電池10のスタ
ックの水素ガス流路15P(図3参照)の出口および酸
素含有ガス流路14P(図3参照)の出口を閉鎖する作
業を行なう(ステップS510)。具体的には、両出口
付近に設けられた開閉バルブを閉める。
【0116】続いて、水素ガス流路15Pの入口および
酸素含有ガス流路14Pの入口からメタノールをスタッ
ク内部に注入し(ステップS520)、その状態で、所
定の時間、放置する(ステップS530)。こうして、
スタック内部で浸漬工程を実現する。なお、ステップS
520でメタノールを注入したときに、スタック内部に
空気が残留しないように、ステップS510で水素ガス
流路15Pの出口および酸素含有ガス流路14Pの出口
を閉鎖する前に、水素ガス流路15Pの入口および酸素
含有ガス流路14Pの入口からメタノールを徐々に注入
し始め、水素ガス流路15Pおよび酸素含有ガス流路1
4Pから残留ガスが完全に放出されたのを見計らって、
水素ガス流路15Pの出口および酸素含有ガス流路14
Pの出口を閉鎖する作業を行なうように構成してもよ
い。
【0117】また、スタックの内部に空気が残留しない
ようにする別の方法として、水素ガス流路15Pの入口
と出口とをホースで接続し、また、酸素含有ガス流路1
4Pの入口と出口とをホースで接続して、これらホース
による循環路にメタノールを循環させるようにしてもよ
い。さらに、水素ガス流路15Pの出口と酸素含有ガス
流路14Pの入口とをホースで接続し、また、酸素含有
ガス流路14Pの出口と水素ガス流路15Pの入口とを
ホースで接続して、これらホースによる循環路にメタノ
ールを循環させるようにしてもよい。
【0118】その後、水素ガス流路15Pの出口および
酸素含有ガス流路14Pの出口を開放する作業を行なう
(ステップS540)。具体的には、両出口付近に設け
られた開閉バルブを開ける。この結果、スタックの内部
に注入されたメタノールを両出口から外部に排出するこ
とができる。なお、このとき、水素ガス流路15Pの入
口および酸素含有ガス流路14Pの入口から空気をそれ
ぞれ吹き込んで、スタック内部に残留していたメタノー
ルを強制的に排出する工程を付け加えるようにしてもよ
い。
【0119】続いて、ステップS510と同様に、水素
ガス流路15Pの出口および酸素含有ガス流路14Pの
出口を閉鎖する作業を行ない(ステップS550)、水
素ガス流路15Pの入口および酸素含有ガス流路14P
の入口から脱イオン水をスタック内部に注入する(ステ
ップS560)。なお、この時にも、メタノールを注入
する際と同じように、脱イオン水を徐々に注入して、水
素ガス流路15Pおよび酸素含有ガス流路14Pから残
留メタノールが完全に放出されたのを見計らって、水素
ガス流路15Pの出口および酸素含有ガス流路14Pの
出口を閉鎖するようにしてもよい。
【0120】その後、ステップS540と同様に、水素
ガス流路15Pの出口および酸素含有ガス流路14Pの
出口を開放する作業を行なう(ステップS570)。こ
の結果、スタックの内部に注入された脱イオン水を両出
口から外部に排出することができる。
【0121】続いて、水素ガス流路15Pの入口および
酸素含有ガス流路14Pの入口から乾燥空気を流す作業
を行なう(ステップS580)。この結果、スタックの
内部を乾燥させることができる。その後、固体高分子型
燃料電池10のスタックの締め付けボルト28を完全に
緩めて、そのスタックを分解する(ステップS59
0)。こうして、スタックから電解質膜11を回収す
る。
【0122】固体高分子型燃料電池10のスタックにお
いては、電池抵抗を低くするために、セパレータ14と
カソード12との間と、セパレータ15とアノード13
との間の接触抵抗を減らすために、組み立て時に充分な
力で締め付けられている。この締め付け圧力は、多くの
場合、ガスシールを確保するための最少締め付け圧より
も大きい圧力となっており、このために、カソード12
およびアノード13がセパレータ14,15に圧着され
て張り付いてしまい、従来、そのスタックを分解すると
きに、一番強度の弱いパーツである電解質膜11が破れ
てしまう恐れがあった。
【0123】これに対して、この実施例では、締め付け
ボルト28を、スタックがガスシールを確保できる最小
の締め付け圧まで一旦緩めて、その後、スタック内部に
メタノールを注入することで、接合体20をスタックに
組み込んだままで浸漬工程を施し、その後、スタックの
締め付けボルト28を完全に緩めて、そのスタックを分
解している。このために、スタックの分解時には、メタ
ノールの作用により電解質膜11と電極とが分離し易い
状態となっていることから、そのスタックの分解によ
り、電解質膜11が損傷するようなことがない。なお、
スタック内部にメタノールを注入する前に、締め付け圧
をガスシールを確保できる最小の締め付け圧まで予め緩
めているのは、メタノールの作用で電解質膜11と電極
との接合力を弱めるにあたり、これらを圧着する締め付
けボルト28による締め付け圧力を弱めることを目的と
し、この弱める圧力は、メタノールを注入したときにメ
タノールが漏れない範囲を確保するものとなっている。
【0124】以上詳述したように、この第8実施例で
は、固体高分子型燃料電池10のスタック内部でそのま
ま浸漬工程を施すことができることから、電解質膜11
の回収を容易に行なうことができる。しかも、前述した
ように、電解質膜11を損傷することがないことから、
電解質膜11を良好な状態で回収することができる。
【0125】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の燃料
電池の電解質膜回収方法では、浸漬工程により、電解質
膜を所定の大きさ以上の膨張率でもって膨潤させること
できることから、接合体から電解質膜を容易に分離して
回収することができるといった効果を奏する。
【0127】請求項2記載の燃料電池の電解質膜回収方
法では、浸漬工程により、電解質膜と電極とを接合する
プロトン導電性溶液の硬化物を溶解させることができる
ことから、請求項1記載の燃料電池の電解質膜回収方法
と同様に、接合体から電解質膜を容易に分離して回収す
ることができるといった効果を奏する。
【0128】請求項3記載の燃料電池の電解質膜回収方
法では、浸漬工程により、電解質膜を所定の大きさ以上
の膨張率でもって膨潤させるとともに、電解質膜と電極
とを接合するプロトン導電性溶液の硬化物を溶解させる
ことができることから、より一層、接合体から電解質膜
を容易に分離して回収することができるといった効果を
奏する。
【0129】請求項4記載の燃料電池の電解質膜回収方
法では、浸漬工程により電解質膜中に侵入した液体を、
置換工程および洗浄工程により電解質膜中から除去す
る。このため、電解質膜を再利用可能な状態で回収する
ことができる。
【0130】請求項5記載の燃料電池の電解質膜回収方
法では、電極を電解質膜に対して、ねじる、反らす、ず
らす、または回すことにより、電解質膜と電極とを簡
単、かつ確実に分離することができる。このため、電解
質膜の回収をさらに容易なものとすることができる。
【0131】請求項6記載の燃料電池の電解質膜回収方
法では、接合体、または接合体が浸漬された液体を振動
させることにより、電解質膜と電極との接合力の低下に
要する時間を短縮することができる。このため、電解質
膜の回収をさらに容易なものとすることができる。
【0132】請求項7記載の燃料電池の電解質膜回収方
法では、浸漬工程に先だって、接合体を乾燥工程により
乾燥させていることから、浸漬工程で液体に浸漬したと
きの電解質膜の膨張量を大きくすることができる。この
ため、浸漬工程による電解質膜と電極との接合力を弱め
る効果を高めて、分離工程における電解質膜と電極との
分離の作業をさらに容易なものとすることができる。さ
らに、浸漬工程に投入される段階で、電解質膜中の水分
は既に蒸発してしまっているために、浸漬工程において
電解質膜中の水が液体中に混入して、浸漬槽内の液体濃
度を低下するという問題も生じない。従って、浸漬工程
における液体の交換頻度を少なくすることができる。
【0133】請求項8記載の燃料電池の電解質膜回収方
法では、電解質膜に所定の波長域の光線を照射し、その
透過した光線の強度を測定することにより、置換および
洗浄が完全に完了したか否かを判定することができる。
このため、置換および洗浄を確実なものとすることがで
きる。
【0134】請求項9記載の燃料電池の電解質膜回収方
法によれば、浸漬工程で使用した液体をろ過することに
より、電極に担持した触媒の白金成分を回収することが
できる。従って、これまでに説明してきた電解質膜のリ
サイクルと組み合わせて白金のリサイクル行なうことが
でき、その結果、固体高分子型燃料電池をさらに低コス
トで提供することができる。
【0135】請求項10記載の燃料電池の電解質膜回収
方法では、燃料電池スタックの内部でそのまま浸漬工程
を施していることから、電解質膜の回収を容易に行なう
ことができる。しかも、燃料電池スタックを分解する前
に電解質膜と電極との接合を弱めていることから、燃料
電池スタックの分解の際に電解質膜11を損傷すること
がなく、電解質膜を良好な状態で回収することができ
る。
【0136】請求項11記載の燃料電池の電解質膜回収
装置では、浸漬槽中の液体に接合体を浸漬することで、
接合体の電解質膜を所定の大きさ以上の膨張率でもって
膨潤させるとともに、電解質膜と電極とを接合するプロ
トン導電性溶液の硬化物を溶解させる。このため、接合
体から電解質膜を容易に分離して回収することができ
る。
【0137】請求項12記載の燃料電池の電解質膜回収
装置では、分離手段により分離した電解質膜を水槽の水
に浸漬させて、その後、その電解質膜を洗浄槽の洗浄液
に浸漬させることにより、浸漬槽で電解質膜中に侵入し
た液体を除去する。このため、電解質膜を再利用可能な
状態で回収することができる。
【0138】請求項13記載の燃料電池の電解質膜回収
装置では、接合体を浸漬する順が後方の液槽から前方の
液槽に順に液体が移動することから、その後方の液槽で
は、前記電解質膜中の液体との置換がほとんどなく、接
合体の処理量によらず液体濃度をほぼ一定に保つことが
できる。このため、液槽への浸漬の効果を確実なものと
することができるとともに、液槽内の液体の交換が不要
となり、メンテナンスが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての燃料電池の電解質
膜回収方法を適用する固体高分子型燃料電池10の単一
セルの構造図である。
【図2】その固体高分子型燃料電池10の単一セルの分
解斜視図である。
【図3】固体高分子型燃料電池10の実際の概略構造を
示した構造図である。
【図4】その燃料電池の電解質膜回収方法の工程を示す
フローチャートである。
【図5】その電解質膜回収方法の工程に従う電解質膜1
1の状態の変遷を模式的に示す説明図である。
【図6】分離工程における分離の作業(「反らす」作
業)を模式的に示す説明図である。
【図7】分離の作業の一種である「ねじる」作業を模式
的に示す説明図である。
【図8】分離の作業の一種である「ずらす」作業を模式
的に示す説明図である。
【図9】分離の作業の一種である「回す」作業を模式的
に示す説明図である。
【図10】分離の作業を行なう装置の概略正面図であ
る。
【図11】その装置の概略平面図である。
【図12】分離の作業を行なう他の装置の概略構成図で
ある。
【図13】第2実施例における浸漬工程を実現する浸漬
槽の概略構成図である。
【図14】第3実施例における浸漬工程を実現する構成
の概略構成図である。
【図15】第4実施例における置換工程を実現する構成
の概略構成図である。
【図16】第5実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の
工程を示すフローチャートである。
【図17】第6実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の
工程を示すフローチャートである。
【図18】その電解質膜回収方法における確認工程を実
現する装置の概略構成図である。
【図19】その装置の制御ユニットで実行される処理を
示すフローチャートである。
【図20】第7実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の
工程を示すフローチャートである。
【図21】その電解質膜回収方法における白金回収工程
を実現する装置の概略構成図である。
【図22】第8実施例の燃料電池の電解質膜回収方法の
工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…固体高分子型燃料電池 11…電解質膜 12…カソード 13…アノード 14,15…セパレータ 14P…酸素含有ガス流路 15P…水素ガス流路 16,17…集電板 20…接合体 21…セパレータ 22,23…冷却水流路 24,25…絶縁板 26,27…エンドプレート 28…締め付けボルト 51…浸漬槽 52…攪拌器 53…分離槽 55…置換槽 56…攪拌器 57…洗浄槽 58…攪拌器 71,72,73,77…搬送ローラ 75…スキージ 81,82,83…搬送ローラ 90…振動子 101…第1の浸漬槽 102…第2の浸漬槽 103…連結パイプ 104,105…パイプ 201…第1の置換槽 202…第2の置換槽 203…連結パイプ 204,205…パイプ 301…光源 303…分光器 305…分光光度計 307…制御ユニット 401…循環路 403…ポンプ 405…フィルタ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池に設けられた電解質膜と電極と
    の接合体から電解質膜を回収する燃料電池の電解質膜回
    収方法であって、 前記電解質膜を所定の大きさ以上の膨張率でもって膨潤
    させる性質を有する液体中に、前記接合体を浸漬する浸
    漬工程と、 該浸漬工程の後に、前記電解質膜と電極とを分離する分
    離工程とを備えた燃料電池の電解質膜回収方法。
  2. 【請求項2】 プロトン導電性溶液を用いて接合した電
    解質膜と電極との接合体から電解質膜を回収する燃料電
    池の電解質膜回収方法であって、 前記プロトン導電性溶液の硬化物を溶解させる性質を有
    する液体中に、前記接合体を浸漬する浸漬工程と、 該浸漬工程の後に、前記電解質膜と電極とを分離する分
    離工程とを備えた燃料電池の電解質膜回収方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の燃料電池の電解質膜回収
    方法であって、 前記液体は、 前記プロトン導電性溶液の硬化物を溶解させる性質に加
    えて、前記電解質膜を所定の大きさ以上の膨張率でもっ
    て膨潤させる性質を兼ね備える液体である燃料電池の電
    解質膜回収方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の内のいずれか記載の
    燃料電池の電解質膜回収方法であって、 さらに、 前記分離工程の後に、前記電解質膜中に含まれる前記液
    体を水に置換する置換工程と、 前記置換工程の後に、前記電解質膜を洗浄する洗浄工程
    とを備えた燃料電池の電解質膜回収方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の内のいずれか記載の
    燃料電池の電解質膜回収方法であって、 前記分離工程は、 前記電極を前記電解質膜に対して、ねじる、反らす、ず
    らす、または回す作業を施す工程を有した燃料電池の電
    解質膜回収方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5の内のいずれか記載の
    燃料電池の電解質膜回収方法であって、 前記浸漬工程は、 前記接合体、または該接合体が浸漬された液体に振動力
    を付与する振動工程を有した燃料電池の電解質膜回収方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6の内のいずれか記載の
    燃料電池の電解質膜回収方法であって、 さらに、 前記浸漬工程に先だって、前記接合体を乾燥させる乾燥
    工程を備えた燃料電池の電解質膜回収方法。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の燃料電池の電解質膜回収
    方法であって、 さらに、 前記洗浄工程の後に、前記電解質膜に所定の波長域の光
    線を照射し、前記電解質膜を透過した光線の強度を測定
    し、その測定結果に基づき前記置換工程による置換およ
    び洗浄工程による洗浄の良否を確認する確認工程を備え
    た燃料電池の電解質膜回収方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8の内のいずれか記載の
    燃料電池の電解質膜回収方法であって、 さらに、 前記浸漬工程の後に、該浸漬工程で使用した液体をろ過
    することにより、前記電極に担持した触媒の白金成分を
    回収する白金回収工程を備えた燃料電池の電解質膜回収
    方法。
  10. 【請求項10】 所定の締め付け圧力を加えた状態で電
    解質膜と電極との接合体を複数収容する燃料電池スタッ
    クから電解質膜を回収する燃料電池の電解質膜回収方法
    であって、 前記燃料電池スタック内でガスシールを確保できる範囲
    で前記締め付け圧力を弱める工程と、 前記電極に反応ガスを送るガス流路の出口を閉鎖する工
    程と、 前記ガス流路の入口に、プロトン導電性溶液の硬化物を
    溶解させる性質と前記電解質膜を所定の大きさ以上の膨
    張率でもって膨潤させる性質とを兼ね備える液体を注入
    する工程と、 前記ガス流路の出口を開放する工程とを備えた燃料電池
    の電解質膜回収方法。
  11. 【請求項11】 燃料電池に設けられた電解質膜と電極
    との接合体から電解質膜を回収する燃料電池の電解質膜
    回収装置であって、 前記プロトン導電性溶液の硬化物を溶解させる性質と前
    記電解質膜を所定の大きさ以上の膨張率でもって膨潤さ
    せる性質とを兼ね備える液体を貯え、該液体中に前記接
    合体を浸漬させる浸漬槽と、 前記浸漬槽に浸漬させた後の前記接合体から前記電解質
    膜と電極とを分離させる分離手段とを備えた燃料電池の
    電解質膜回収装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の燃料電池の電解質膜
    回収装置であって、 さらに、 水を貯え、前記分離手段で分離した前記電解質膜を前記
    水中に浸漬させる水槽と、 洗浄液を貯え、前記水槽に浸漬された後の前記電解質膜
    を前記洗浄液中に浸漬させる洗浄槽とを備えた燃料電池
    の電解質膜回収装置。
  13. 【請求項13】 所定の性質を有する液体を収容する液
    槽を備え、燃料電池に設けられた電解質膜と電極との接
    合体を前記液槽に浸漬して、前記接合体から電解質膜を
    回収する燃料電池の電解質膜回収装置において、 前記液槽は、配管を介して直列に接続された複数の槽か
    ら構成され、 かつ、 前記接合体を浸漬する順が最後になる槽に対して、前記
    液体の供給源が接続され、前記最後の槽で溢れた液体が
    前記浸漬する順が低い前の槽に順に流れ込むように構成
    した燃料電池の電解質膜回収装置。
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