JPH08171224A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH08171224A
JPH08171224A JP31376194A JP31376194A JPH08171224A JP H08171224 A JPH08171224 A JP H08171224A JP 31376194 A JP31376194 A JP 31376194A JP 31376194 A JP31376194 A JP 31376194A JP H08171224 A JPH08171224 A JP H08171224A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な厚さの感光体層を得る。 【構成】 アルミニウム又はその合金からなる導電性支
持体の表面に、陽極酸化処理及び封孔処理を施した後、
感光体層を被膜形成する電子写真感光体の製造方法にお
いて、陽極酸化処理液中のアルミニウム濃度を10g/
L以下、且つ濃度の振れ幅が±0.5g/L以内に調整
することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、靜電複写機やレーザ
ービームプリンタの感光ドラム等に用いられる電子写真
感光体の製造方法に関する。なおこの明細書において、
アルミニウムの語はその合金を含む意味で用いる。
【0002】
【従来の技術とその課題】一般に、電子写真感光体は、
アルミニウムからなる導電性支持体に感光体層が被覆さ
れたものに構成されるが、かかる感光体層として有機物
系材料を用いた有機感光体(OPC)が製膜性、低価格
性等の面で優れているところから、広く用いられてい
る。そして、OPC感光体の機能、特性をさらに向上さ
せるために、近年、感光体を電荷発生層(CGL)と電
荷移動層(CTL)を有するものに構成した積層型のO
PC感光体が提供されている。
【0003】従来、アルミニウムからなる導電性支持体
を用いる場合、上記感光体層、特に電荷発生層との密着
性等の向上を目的として、該支持体に予め下地処理とし
て硫酸法等による陽極酸化処理更に熱水等による封孔処
理を施し、支持体表面に陽極酸化皮膜を形成することが
一般的であった。ところが、冬場の空気が乾燥している
時期に多く見られる現象として、該封孔処理後直ちに感
光体層を塗布形成した場合、該陽極酸化皮膜表面の活性
度の不均一さが緩和されにくいために、該感光体層の厚
さが不均一となり、画像欠陥が多発するという問題点が
あった。特に、前記のような電荷発生層は通常1μm以
下の厚さに形成されるため、該陽極酸化皮膜表面の影響
を受けやすい。
【0004】本発明者らは、かかる問題点を解消すべく
鋭意検討した結果、陽極酸化処理液中のアルミニウム濃
度を適当な振れ幅に収めることで、感光体層を均一に形
成し得ることを見出し、本発明に到達した。本発明は、
感光体層特に電荷発生層を均一な厚さに形成するための
製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】アルミニウム又はその合
金からなる導電性支持体の表面に陽極酸化処理及び封孔
処理を施した後、感光体層を被膜形成する電子写真感光
体の製造方法において陽極酸化処理液中のアルミニウム
濃度を10g/L以下で、且つ濃度の振れ幅が0.5g
/L以内に調整することを特徴とする電子写真感光体の
製造方法。
【0006】
【手段】以下本発明を詳細に説明する。電子写真感光体
用のアルミニウム支持体は、アルミニウム又はアルミニ
ウム合金の成分、形状、製法等に種類があるが、本発明
においては、アルミニウムを主成分とし、表面に陽極酸
化皮膜を形成し得るものなら、いかなるアルミニウム支
持体でも用い得る。
【0007】上記アルミニウム支持体に陽極酸化処理を
施すに際し、前処理として、脱脂、中和、水洗等を行っ
ても構わない。これら前処理の方法は公知の方法でよ
く、特に限定されない。陽極酸化処理法としては、公知
の硫酸法、しゅう酸法、リン酸法等いずれでもかまわな
いが、硫酸法を用いることが特に望ましい。
【0008】硫酸法の場合は、硫酸濃度を150〜25
0g/L(Lはリットルを示す。)(望ましくは170
〜190g/L)、溶存アルミニウム濃度を10g/L
以下、望ましくは4〜6g/Lとし、且つ濃度の振れ幅
を±0.5g/L以内、より望ましくは±0.25g/
L以内に管理する。通常、陽極酸化処理を行うとアルミ
ニウム支持体から処理液中へアルミニウムが溶解し、処
理液中のアルミニウム濃度は常に増加する傾向にある。
よってアルミニウム濃度の管理は主に濃度を希釈するこ
とで達成される。
【0009】アルミニウム濃度の希釈方法としてはアル
ミニウムを含んだ処理液を所定量パージして、適切な濃
度に調整したアルミニウムを含まない硫酸水溶液を上記
のパージした処理液の容量分投入して混合する。これに
よって、処理液中のアルミニウム濃度は上記の管理幅に
管理することができる。希釈の方法としては、連続でア
ルミニウムを含まない硫酸水溶液を投入しつつ、処理液
を連続でパージする連続方式、または前記のことをバッ
チで行う方式がある。
【0010】処理液温度は8〜23℃(望ましくは10
〜21℃)、給電法を直接給電、間接給電及び両者の併
用給電、電流密度を1.0〜2.0A/dm2 (望まし
くは1.0〜1.5A/dm2 )として処理を行う。な
お、陽極酸化被覆の厚さは3〜10μmが望ましく、目
的により適宜最適厚さを得るために、処理時間を選択す
る。
【0011】陽極酸化処理の後、上水、純水等による水
洗工程を経て熱水封孔処理を行う。熱水封孔処理の後、
上水、純水等による水洗工程を経て熱水封孔処理を行
う。熱水封孔処理は、比抵抗が1〜2MΩ・cmの純水
を用い、液温度を80〜98℃(望ましくは90〜95
℃)、処理時間を10〜25分(望ましくは13〜19
分)として実施するが、陽極酸化膜表面の状態、特に活
性度をできるだけ均一に保つために、液のPH値を5〜
8、望ましくは6〜7にコントロールすることが重要で
ある。
【0012】なお、熱水封孔処理の前に、酢酸ニッケル
封孔処理を行っても構わない。この場合の処理は、酢酸
ニッケル濃度を5〜20g/L(望ましくは10〜15
g/L)、液温度を80〜98℃(望ましくは90〜9
5℃)、PH値を5.0〜6.0(望ましくは5.3〜
5.8)、処理時間を10〜25分(望ましくは13〜
19分)として実施する。
【0013】ここで、酢酸ニッケル封孔処理を行った場
合は、公知の上水、純水等による洗浄を実施した後、前
記の熱水封孔処理を行うことが望ましい。以上のような
下地処理の後、感光体層を塗布形成する。かかる感光体
層としては、単層型の有機感光体層、また電荷発生層と
電荷輸送層が積層された構造の機能分離型感光体層のど
ちらであってもよい。
【0014】本発明における電子写真感光体形成用塗料
としては電荷発生材料及び/または電荷輸送材料を含む
塗布液、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸、アルロース類、ゼラチ
ン、でんぷん、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、ポリカー
ボネート、ポリビニルカルバゾール等のポリマーを含む
塗布液或いはこれらポリマーに導電性の微粉末を分散し
た塗布液などが挙げられる。
【0015】上記電荷発生材料としては、アゾ系顔料、
ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、多環キノン系
顔料、インジゴイド系顔料、フタロシアニン系顔料、カ
ルボニウム系顔料、キノンイミン系顔料、メチン系顔
料、キノリン系顔料、ニトロ系顔料、ニトロソ系顔料、
ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、ナフタルイミド
系顔料、ピスベンズイミダゾール系顔料等公知の電荷発
生剤が挙げられる。
【0016】上記電荷輸送材料としては電子の輸送媒体
或いはホールの輸送媒体を使用することができ、またそ
の混合物も使用できる。電子の輸送媒体としてはニトロ
基、シアノ基、エステル基等の電子吸引性基を有する電
子吸引性化合物、例えば、2,4,7−トリニトロフル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン
等のニトロ化フルオレノン或いはテトラシアノジメタン
が挙げられる。また、ホールの輸送媒体としては電子供
与性の有機光導電性化合物、例えば、カルバゾール、イ
ンドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、
オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジア
ゾール等の複素環化合物、トリフェニルメタンとその誘
導体、トリフェニルアミンとその誘導体、フェニレンジ
アミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチ
ルベン誘導体、ヒドラゾン化合物等が挙げられる。
【0017】上記塗布液を調製するための媒体として
は、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−
メチルペンタノン−2、ジメトキシメタン、ジメトキシ
エタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メタノール、エタ
ノール、2−プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、
ジメチルスルホキシド、2,4−ベンタンジオン、3−
オキソブタン酸メチル等が挙げられる。
【0018】電荷発生材料及び/または電荷輸送材料は
前記分散溶媒に単独または適切なバインダー樹脂と共に
分散されて塗布液をなすが、その他に該塗布液は分散
剤、別のバインダー樹脂、別の有機溶剤、酸化防止剤、
感度劣化防止剤、レベリング剤、その他公知の各種添加
剤を含有しても良い。塗布液中の固形分の含有量は主と
して形成すべき層の膜厚に応じて形成されるが、積層型
の電荷発生層を形成する場合には固形分濃度15重量%
以下、より好ましくは1〜10重量%とすると良い。
【0019】積層型の電荷発生層の厚さは、通常5μm
以下、好ましくは0.01〜1μmが適当である。電荷
移動層の厚さは、通常10〜40μm、好ましくは10
〜25μmが適当である。前記感光体層の塗布方法とし
ては、従来から知られている方法で良いが、生産性とい
う観点では、ディップ塗布法が最適である。以下、本発
明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施
例に限定されるものではない。
【0020】
【実施例】A3003合金を用いた外径30mm、長さ
250mm、肉厚0.75mmのEI管をアルミニウム
支持体として用い、一般的な前処理(脱脂、中和、水
洗)を行った後、硫酸濃度180g/L、溶存アルミニ
ウム濃度4.5±0.5g/L、浴温度18℃、電流密
度1.3A/dm2 条件下で陽極酸化皮膜5μmを得
た。
【0021】その後、酢酸ニッケル封孔剤(奥野製薬工
業製、DX−500、濃度13g/L)を用いて、液温
度95℃、PH5.5の条件下で14分間酢酸ニッケル
封孔処理を行い、更にPH7の熱水にて、液温度95℃
の条件下で14分間熱水封孔処理を行った。上記の処理
後、直ちに公知の洗浄及び乾燥を行った後に、電荷発生
層のディップ塗布を行った。
【0022】電荷発生層塗布用溶液として、 フタロシアニン系顔料 6部 ポリビニルブチラール樹脂 2部 ジメトキシエタン 150部 4メトキシ−4−メチルペンタノン2 20部 の組成を持ち、固形分濃度3.4wt%のものを用い
た。また、塗布時の引上げ速度は250mm/分で実施
した。以上の条件で形成した電荷発生層の厚さは、最低
が0.350μm、最高が0.363μmであり、厚さ
のバラツキは0.013μmであった。
【0023】
【比較例】陽極酸化工程の硫酸水溶液中の溶存アルミニ
ウム濃度を4.5±1.0g/Lにした以外は(連続式
の場合、処理液のパージ量を実施例に比べて減らす。バ
ッチ式の場合、調整の間隔を実施例に比べて長くす
る。) 実施例と同様の原料、下地処理方法、塗布方法で形成し
た電荷発生層の厚さは、最低が0.323μm、最高が
0.387μmであり、厚さのバラツキは0.064μ
mであった。以上の結果から、本発明によって製造した
実施品は、電荷発生層が安定して均一に形成され得るこ
とを確認した。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、下地処理としてアルミ
ニウムからなる導電性支持体の表面に陽極酸化処理及び
封孔処理を施し、特に陽極酸化工程の処理液中の溶存ア
ルミニウム濃度の振れ幅を±0.5g/L以内に収める
ことで、感光体層を塗布形成することにより、均一な感
光体層を有する電子写真感光体を好適に製造することが
可能になる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はその合金からなる導電
    性支持体の表面に、陽極酸化処理及び封孔処理を施した
    後、感光体層を被膜形成する電子写真感光体の製造方法
    において、陽極酸化処理液中のアルミニウム濃度を10
    g/L以下、且つ濃度の振れ幅が±0.5g/L以内に
    調整することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102677120A (zh) * 2011-03-09 2012-09-19 汉达精密电子(昆山)有限公司 铝及其合金阳极氧化膜的封孔处理方法
JP2021135398A (ja) * 2020-02-27 2021-09-13 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

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CN102677120A (zh) * 2011-03-09 2012-09-19 汉达精密电子(昆山)有限公司 铝及其合金阳极氧化膜的封孔处理方法
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