JPH0816986A - 車両用ナビゲーションシステム - Google Patents

車両用ナビゲーションシステム

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Publication number
JPH0816986A
JPH0816986A JP17350094A JP17350094A JPH0816986A JP H0816986 A JPH0816986 A JP H0816986A JP 17350094 A JP17350094 A JP 17350094A JP 17350094 A JP17350094 A JP 17350094A JP H0816986 A JPH0816986 A JP H0816986A
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JP
Japan
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vehicle
information
oncoming vehicle
oncoming
navigation system
Prior art date
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Withdrawn
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JP17350094A
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English (en)
Inventor
Akira Shiratori
朗 白鳥
Hiroshi Sato
宏 佐藤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 対向車とのすれちがい可能な退避場所を精度
よく推定して提示する。 【構成】 フロントウィンド部に設けたタッチパネル式
入力装置21の前景対向車と重なる部位を指で触れるこ
とにより対向車の位置が入力される。自車位置推定装置
24で得た自車位置の近傍の地図情報が地図情報記憶装
置25から読み出され、その後の対向車の位置がその実
速度、経過時間に基づいて対向車位置推定装置31で逐
次推定される。そして自車と対向車との遭遇位置が遭遇
位置推定装置32で推定され、退避可能場所選択装置3
3が遭遇位置付近の退避可能場所を地図情報から選択す
る。自車姿勢検出装置22、頭部位置推定装置23の出
力をパラメータとして、地図平面上の道路の経路や対向
車の推定位置および退避可能場所が、第2座標変換装置
27により視野座標に座標変換されてヘッドアップディ
スプレープロジェクタにより前景に重畳してタッチパネ
ル上に投影される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用ナビゲーション
システムに関し、とくに隘路における対向車とのすれち
がい場所を提示する車両用ナビゲーションシステムに関
する。
【0002】
【従来の技術】すれちがい場所が限られている隘路にお
いて、対向車との遭遇を心配しながら車を運転すること
や、実際に遭遇した時に、すれちがい可能な避難場所ま
で車を後退させることは、運転者に負担をかける作業で
ある。従来、例えば特開平4−44087号公報に開示
されているように、運転者に報知すべき情報を地図上の
地点とともに記録しておき、自車の接近を判断して報知
する車両用ナビゲーションシステムが提案されており、
この技術を用いて、報知すべき情報としてすれちがい可
能な退避場所を記録しておき、自車の接近を判断して報
知することが考えられる。
【0003】また、例えば特開平4−290200号公
報に開示されているように、対向車の位置を通信により
知ることにより、交差点での車両同志の出会い頭の衝突
を防ぐ車両用衝突警告装置が提案されており、この技術
を用いて、対向車の位置を知ることにより、相互の接近
程度を判断し、遭遇地点近辺のすれちがい可能な退避場
所を地図情報から検索して報知する装置が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用ナビゲーションシステムのうち、特開
平4−44087号公報に開示された技術を用いる装置
では、対向車の存在や位置が不明のため、自車の目前の
退避場所で待機すべきか、先に進むべきか運転者は判断
に困るという問題がある。また、特開平4−29020
0号公報に開示された技術を用いる装置では、自車、対
向車とも通信手段を含む装置を備えていなければ、相手
の位置を判断できないので、当該装置を備えていない対
向車に対しては役に立たないという問題がある。
【0005】またこのほか、道路側の設備として、時々
刻々の各車両の位置を計測して車外から報知する装置
や、車両側に送信して車両の表示器で報知する装置を設
置することが考えられる。しかし、このような装置を隘
路全区間に設置することは、コスト上から実施が困難で
あるという問題がある。本発明は、このような従来の問
題点に着目してなされたものであり、対向車とのすれち
がい可能な退避場所を、精度よく推定することのできる
車両用ナビゲーションシテスムを提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、図1
に示すように、対向車の位置、実速度および検出した時
刻を含む対向車の情報を入力するデータ入力手段1と、
道路情報およびすれちがいのための退避可能場所を含む
地図情報を記憶する地図情報記憶手段2と、自車の現在
位置を推定する自車位置推定手段3と、該自車位置推定
手段の出力信号に応じて地図上における自車位置近辺の
地図情報を読み出す地図情報読出し手段4と、対向車の
現在位置を、検知時の対向車の実車速および対向車を検
知した時刻から現在までの経過時間から推定する対向車
位置推定手段5と、前記自車位置推定手段3および対向
車位置推定手段5の出力信号に基づいて、対向車との遭
遇地点の位置を推定する遭遇位置推定手段6と、該遭遇
位置推定手段6で推定された遭遇位置に基づいて、前記
地図情報読出し手段4で読み出された地図情報から、遭
遇位置付近の退避可能場所を選択する退避可能場所選択
手段7と、該退避可能場所選択手段7で選択された退避
可能場所を報知する報知手段8とを有するものとした。
【0007】上記データ入力手段で入力される対向車情
報として大きさなどの車種が入力されるときは、退避可
能場所選択手段は対向車の上記車種に対応して、遭遇位
置付近の複数の場所から、退避可能場所を選択する。
【0008】上記データ入力手段としては、フロントウ
インドウガラスに設置されたタッチパネルを備えるタッ
チパネル式入力装置と、その入力結果を地図と照合可能
な平面座標に変換する第1の座標変換手段とを有して、
タッチパネルの前方対向車を視認する運転者の視線が横
切る点を押圧することにより対向車の位置が入力される
ものとすることができる。
【0009】他のデータ入力手段としては、隘路入口の
道路側に設けられ車両の隘路への進入を検知する車両進
入検知装置からの送信を受信する無線受信装置を有する
ものとすることができ、上記車両進入検知装置は、車両
の通過を検知する車両検知手段と、車両通過時の時刻を
計時する時計と、通過車両の実車速を含む車両情報を得
る車両情報取得手段と、車両情報を送信する無線送信手
段とを有する。
【0010】さらに他のデータ入力手段としては、運転
者が操作可能に設置された視認入力スイッチと、地図情
報読出し手段で読み出された地図情報から、視認入力ス
イッチが操作された時点における運転者の視野範囲内で
視認可能な走路範囲を求め、該視認可能な走路範囲より
対向車の位置を設定する対向車位置設定装置とを有して
対向車の位置が求められるものとすることができる。
【0011】
【作用】先にデータ入力手段1から入力された対向車位
置に基づき、対向車位置推定手段5では、検知時の対向
車の実車速および対向車を検知した時刻から現在までの
経過時間から、対向車の現在位置が逐次推定される。そ
して、遭遇位置推定手段6が自車位置推定手段3および
対向車位置推定手段5の出力に基づいて、対向車との遭
遇地点の位置を推定する。遭遇位置に基づいて、退避可
能場所選択手段7が前記地図情報読出し手段4で読み出
された地図情報から、遭遇位置付近の対向車とのすれち
がい可能な退避可能場所を選択し、これが報知手段8に
より運転者へ報知される。
【0012】上記データ入力手段を、フロントウインド
ウガラス部に設置したタッチパネル式入力装置としたと
きには、タッチパネルの前方対向車を視認する運転者の
視線が横切る点を押圧するだけで、座標変換により対向
車の地図上の位置が入力される。
【0013】またデータ入力手段を、隘路入口の道路側
に設けた車両進入検知装置からの無線送信を受信するも
のとしたときには、運転者による入力操作を要せず対向
車の情報が入力される。上記車両進入検知装置が走行路
にそって設置された2個の重量センサからなる車両検知
手段を有するときは、対向車の車種も自動的に入力され
る。
【0014】さらにデータ入力手段を、運転者が対向車
を発見したとき操作する視認入力スイッチと、その操作
された時点における運転者の視野範囲内で視認可能な走
路範囲より対向車の位置を設定する対向車位置設定装置
とを有するものとしたときには、道路設備が不要でしか
も簡単な手元スイッチ等で構成できる視認入力スイッチ
を押すだけで対向車位置が入力される。
【0015】対向車位置推定手段5における推定処理に
際しては、対向車の実車速および経過時間に加えて、実
速度と対向車が走行する走路区間の法定最高速度など代
表速度との比を用いることにより、運転者ごとの運転速
度の違いの影響が低減され、精度が向上する。また報知
手段をフロントウインドウガラス部あるいはタッチパネ
ルに投影するものとしたときには、前景に重畳して退避
可能場所が表示され、視線を移動させることなく確実容
易に退避可能場所を認識することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
2は本発明の第1の実施例の構成を示し、図3および図
4は主要部のレイアウトを示す。まず、フロントウイン
ドウガラス42に設置された透過式のタッチパネル21
aを備えるタッチパネル式入力装置21が設けられ、運
転者が指44で触れることで対向車45に関する情報を
入力するようになっている。 このタッチパネル21a
は、運転者に必要な車外の視野情報を得られる程度の透
過光量を確保してある。タッチパネル21aには対向車
情報として視野内での対向車位置のほか、その車体の色
や車種(大きさ)、あるいはナンバープレート番号を入
力するための選択部位が設定されている。ナンバープレ
ート番号は、多くの場合例えばその下位1または2桁の
数字を選択するだけで、複数の対向車を識別するのに十
分である。
【0017】運転者41前方のフロントウインドウガラ
ス42上方には、フロントウインドウガラスから運転者
頭部までの相対距離を測定する超音波センサ43が設置
されている。さらに、ジャイロなどを用いて、自車のヨ
ー角、ロール角、ピッチ角を検出する自車姿勢検出装置
22と、予め設定した座席の着座面から運転者の眼球ま
での高さと、上記超音波センサ43により測定した運転
者頭部のウインドウ相対距離とより、運転者41の頭部
位置を推定する頭部位置推定装置23が設けられてい
る。
【0018】また、GPSその他の適宜の方式を用いて
自車の現在位置を推定する自車位置推定装置24と、道
路のつながり具合や、道路の区間ごとの代表速度(後述
する)、すれちがいのための退避可能場所などの地図情
報を記憶する地図情報記憶装置25が設けられ、地図情
報読出し装置26が、自車位置推定装置24で推定され
た自車の現在位置に応じて、地図上における自車位置近
辺の地図情報を地図情報記憶装置25から読み出すよう
になっている。例えばすれちがいのための退避可能場所
については、図5に例示するような記録フォーマットで
退避可能車種情報等が付加されて記憶されている。な
お、自車位置推定装置24が、発明の自車位置推定手段
を構成し、地図情報記憶装置25が地図情報記憶手段を
構成している。
【0019】さらに、自車姿勢検出装置22と頭部位置
推定装置23の出力に応じて、タッチパネル式入力装置
21からの入力結果を地図と照合可能な平面座標に変換
する第1座標変換装置27が設けられ、また同じく自車
姿勢検出装置22と頭部位置推定装置23の出力に応じ
て、地図情報読出し装置26の読出し結果を、視野風景
に重畳するように視野座標に変換する第2座標変換装置
28が設けられている。
【0020】上記地図情報読出装置26により読み出さ
れ、第1座標変換装置で座標変換された地図情報はヘッ
ドアップディスプレイプロジェクタ46によってタッチ
パネル21aに投影される。これにより、運転者41は
前景50中の道路47に重畳して道路情報としての経路
48の虚像を見るようになっている。なお、図4におい
て、51はヘッドアップディスプレイプロジェクタ46
からの光線、52は運転者41が前景として見ている対
向車45および道路47を含む前景50を目視している
視線方向である。
【0021】タッチパネル式入力装置21によって入力
され第1座標変換装置27で座標変換された対向車45
に関する情報は、対向車情報登録更新装置29において
過去の入力で登録済みの対向車情報と照合して登録更新
される。そして、対向車位置推定装置31が、対向車4
5を視認した検知時刻から現在までの経過時間、道路の
区間ごとの代表車速および検知時の対向車45の実車速
とから対向車45の地図上の現在位置を推定するように
なっている。
【0022】同様に、遭遇位置推定装置32が、自車位
置推定装置24と対向車位置推定装置31との出力信号
に応じて、道路の区間ごとの代表速度から対向車45と
の遭遇地点の位置を推定し、また、退避可能場所選択装
置33が、遭遇位置推定装置32の出力と、入力された
対向車情報としての対向車車種(大きさ)とに応じて地
図上の遭遇位置付近の退避可能場所を選択する。なお、
退避可能場所選択装置33には、退避可能場所選択に用
いる自車車種(大きさ)があらかじめ設定格納されてい
る。そして、これらの対向車位置、選択された退避場所
などは、第2座標変換装置28で座標変換されて、ヘッ
ドアップディスプレイプロジェクタ46により前述の道
路情報とともにタッチパネル21aに投影される。
【0023】以上の構成により、地図情報読出装置26
によって読出された地図情報は、自車位置、進行方向、
車体の傾き等を考慮して第2座標変換装置28によって
視野座標に変換されヘッドアップディスプレイプロジェ
クタ46によりタッチパネル21aに投影されるから、
とくに先の図4に示すように、運転者41には前景とし
て見ている道路47と重畳して道路情報としての経路4
8が見える。図6の(a)は、フロントウインドウガラ
ス42部におけるヘッドアップディスプレイプロジェク
タ46による道路情報の重畳風景を正面から見たところ
を示し、同図の(b)はそのタッチパネル21a部を拡
大して示しており、山陰における経路の状況が示され
る。
【0024】次に、図7は本実施例における処理動作を
示すメインフローチャートである。まずステップ101
において、初期化処理、例えばステップ104で道路情
報を読み込む地域範囲を自車から所定距離1kmを半径
とする領域とする等、各所定値の設定を行い、続いてス
テップ102で、自車姿勢検出装置22によりヨー、ロ
ール、およびピッチ情報が検出、保持される。ステップ
103では、自車位置推定装置24で推定した自車の現
在位置が地図情報読出し装置26に読み込まれる。
【0025】ステップ104では、地図情報読出し装置
26により地図情報記憶装置25より自車位置近辺の道
路情報が読み込まれる。なお、ここで読み込まれる道路
情報の地域範囲は、半径1kmの領域を例示したが、こ
の所定距離は道路ネットワークの複雑さに対応させて適
宜調整することできる。ステップ105では、対向車位
置推定装置31において、登録済みの各対向車の位置が
推定される。推定手順動作の詳細は図8のサブフローチ
ャートにより後述する。ステップ106では、遭遇位置
推定装置32で、最初に遭遇する登録済み対向車との遭
遇位置の推定が行なわれる。推定手順動作の詳細は図9
のサブフローチャートにより後述する。
【0026】ステップ107では、退避可能場所選択装
置33で、遭遇位置の前後で最も近い退避可能場所が地
図情報記憶装置25に記憶されている地図情報から検索
される。 その際、自車車種と対向車車種から検索され
た退避可能場所が使用可能かを判断し、困難と判断され
たら次の避難場所の検索が行われる。使用可能か否かの
判断は、先の図5に示した記録フォーマットに示すよう
な退避可能車種情報について、自車車種と対向車車種と
を照合して行う。
【0027】ステップ108では、第2座標変換装置2
8により、上に求められた道路情報、対向車情報、退避
可能場所が視野座標に変換される。本実施例では、以下
の変換式を用いて変換が行なわれる。
【数1】 ただし、 {xb,yb,zb}:タッチパネルと運転者頭部が変
動する視野座標系での対象物の位置 L:運転者頭部からタッチパネルまでの進行方向距離 {M,N}:基準点からの運転者頭部の左右方向および
上下方向変動幅 {xs,ys,zs}:座標原点と頭部基準点が進行方
向軸上に固定された視野座標系での対象物の位置 f:運転者の眼球の焦点距離 {xm,ym,zm}:地図座標系での対象物の位置 {xm(h),ym(h),zm(h)}:地図座標系
での頭部基準点の位置 {α,β,γ}:進行方向を基準とする3軸の傾き
【数2】 である。
【0028】このあとステップ109において、視野座
標に変換された上記各情報がヘッドアップディスプレイ
プロジェクタ46へ出力され、フロントウインドウガラ
ス42のタッチパネル21a部に投影される。そして、
ステップ110で、タッチパネル式入力装置21の操作
に基づく入力処理が行なわれたあと、ステップ102に
戻り、上述の各ステップが繰り返される。ステップ11
0が発明のデータ入力手段を構成し、ステップ103、
104が地図情報読出し手段を構成している。また、ス
テップ105が対向車位置推定手段を、ステップ106
が遭遇位置推定手段を、ステップ107が退避可能場所
選択手段を、そしてステップ108、109が報知手段
をそれぞれ構成している。
【0029】図8は、図7のメインフローチャートにお
けるステップ105の対向車位置推定処理の詳細を示す
サブフローチャートである。ここでは、ステップ201
〜212の処理動作が、登録された対向車の数だけ繰り
返される。ステップ201において、まず登録された対
向車の1台が選択される。この対向車について、ステッ
プ202では、前回の位置更新処理から現在までの経過
時間T(b)が求められる。
【0030】ステップ203では、初期化処理として以
下の処理が行なわれる。 (1)選択された対向車の、検知時の実車速と検知場所
における代表速度との比pの算出 (2)微小時間Δtの設定(本実施例ではΔt=10s
ecとする) (3)対向車情報の消去基準となる所定距離Lbの設定
(本実施例ではLb=100mとする) (4)積算時間T(meet)の0クリア
【0031】ステップ204〜207のループ処理で、
同一対向車についての前回の推定処理から現在までの経
過時間の間に、走行区間(パス)に沿って移動した距離
を計算する。すなわち、ステップ204において、対向
車の位置する走行区間の代表速度V(0)が地図情報と
して読み出される。ステップ205では上記代表速度を
用いて対向車の積算走行距離が次式で算出され、更新さ
れる。 L(0)=L(0)+V(0)・p・Δt ステップ206では、積算時間が、次式により更新され
る。 T(meet)=T(meet)+Δt
【0032】上記移動距離計算のループが終了すると、
ステップ207からステップ208へ進み、積算距離L
(0)により、対向車の位置が更新される。次のステッ
プ209では、ステップ208で更新した対向車の位置
が自車の所定距離の後方となったかどうかがチェックさ
れ、未だ後方になっていなければ、ステップ210に進
んで位置更新時刻を記録して、1台の処理が終わる。更
新した対向車の位置が、自車から所定距離Lbだけ後方
に過ぎ去った位置に達していれば、ステップ209から
211へ進み、当該対向車の情報は登録情報から消去さ
れる。このあとステップ212を経て次の対向車につい
ての処理に移り、上述の各ステップが繰り返される。
そして、全ての登録対向車のループ処理が終了したなら
ば、メインフローに戻って図7のステップ106へと進
む。
【0033】図9は、ステップ106の遭遇位置推定処
理の詳細を示すサブフローチャートである。ステップ3
01では、自車が、これから到達する予定の交差点まで
の、所定距離内に接近しているか否かがチェックされ
る。これは、次の交差点の間際に接近しているならば、
現在の走行区間については退避場所を心配する必要はな
いため、次の交差点から始まる走行区間上の対向車に早
めに対応できるようにするためである。
【0034】そこで、チェックの結果交差点に接近して
いれば、ステップ302に進み、走行予定のルートに従
って、次の交差点からの走行区間(パス)を調べる。走
行予定のルートは、ナビゲーションシステムのルート探
索機能から、予め設定しておくことができるし、また
は、交差点に接近したときの運転者による方向指示器の
操作から判別することができる。一方、交差点に接近し
ていなければ、ステップ303に進んで、自車が走行中
の区間をそのまま調査対象とする。
【0035】ステップ304では、調査対象の走行区間
上に位置すると推定される対向車が登録されているか否
かがチェックされる。登録された対向車が存在しないな
らば、ステップ312へ進み、対向車がないことから、
「遭遇地点なし」と判断されて、この処理を終わる。
また、登録された対向車が存在していればステップ30
5へ進み、当該走行区間に登録されている対向車の内
で、自車に最も近い先頭の対向車が選択される。そし
て、ステップ306で、初期化処理が行なわれる。すな
わち、自車の積算走行距離L(m)、対向車の積算走行
距離L(0)、遭遇するまでの積算時間T(meet)
がクリアされ、自車と対向車との相対道程L(b)が算
出される。
【0036】次いで、ステップ307〜ステップ310
のループ処理で、最初に遭遇する対向車と自車につい
て、走行区間に沿って移動させたときの走行距離の双方
の和が、上記の相対道程に達することを判断基準として
遭遇点を推定する。ステップ307では、自車および対
向車の位置する走行区間について、各々の代表速度V
(m)、V(0)が地図情報として読み出される。そし
て、ステップ308で、自車および対向車の積算走行距
離が、 L(m)=L(m)+V(m)・Δt・p(m) および L(0)=L(0)+V(0)・Δt・p(0) により更新される。ただし、p(m)、p(0)は自
車、対向車それぞれの実速度と代表速度の比である。
【0037】このあとステップ309で、 T(meet)=T(meet)+Δt により積算時間を更新し、ステップ310を経てステッ
プ307に戻る。L(m)+L(0)<L(b)の間、
ステップ307〜ステップ310のループ処理が繰り返
され、 L(m)+L(0)=L(b) となると、ループ処理が終了する。このあとステップ3
11において、対向車に遭遇するまでの自車の積算走行
距離から、遭遇地点が推定されて、メインフローに戻り
次のステップ107へと進む。
【0038】図10は、図7に示すメインフローチャー
トのステップ110の入力処理の詳細を示すサブフロー
チャートである。ここではまずステップ401におい
て、初期化処理が行なわれる。すなわち、例えば、対向
車情報登録更新装置29での入力された対向車と登録済
み情報の照合に用いる位置の判断基準距離LcをLc=
50mとする等、各制御値が設定される。ステップ40
2では、タッチパネル入力装置21からの入力があるか
否かがチェックされ、入力があればステップ403へ進
み、入力データが無ければ処理を終了する。
【0039】ステップ403では、入力された対向車の
位置が第1座標変換装置27により視野座標から地図座
標に変換される。変換は以下の変換式による。
【数3】 なお、各変数は前述の第2座標変換装置28における変
換式のものと同じである。
【0040】ステップ404では、ステップ403で変
換された入力位置と経路を表わす線分との距離の比較を
行い、対向車の位置が最も近い道路経路上になるように
補正される。そして、ステップ405で、入力された対
向車が現在登録済みの対向車に該当するか否かがチェッ
クされ、該当していればステップ406へ進み、該当し
ていなければステップ409へと進む。この該当するか
否かの判断は、入力位置と登録済み車両の推定位置の
差、車体の色、車種あるいはナンバープレート番号等に
優先順位を設け、これらが一致しているか否かで決定さ
れる。優先順位としては、ナンバープレート番号の一致
を最優先とし、これに続いて、位置の差、車体の色、車
種を適宜組み合わせることが考えられる。
【0041】ステップ406では、対向車の実車速と区
間代表速度の比が計算される。計算は、前回検知された
位置から今回の検知位置までを区間代表速度によって走
破した場合の必要時間と、前回検知時刻から今回の検知
時刻までの経過時間の比を計算することにより行う。ス
テップ407で、該当する登録済みの対向車の位置を入
力値で更新されるとともに、ステップ408では、その
登録済み対向車の更新時間、ステップ406で求めた速
度の比、車種、色、ナンバープレート番号などの情報が
更新される。
【0042】一方、ステップ405のチェックで入力さ
れた対向車が登録済みの対向車に該当していないとき
は、ステップ409において、検知された対向車につい
ての情報が走行区間とともに新規に登録される。登録
は、例えば図11に示す対向車情報の記録フォーマット
にしたがって記憶される。車種や色、ナンバープレート
番号などが不明な場合は、その欄は不明の扱いとされ、
また、区間の代表速度との比が不明の場合は比率=1と
される。こうしてステップ110の入力処理が終了す
る。上記のうちとくにステップ403は、発明の第1の
座標変換手段を構成している。
【0043】上述した処理の状況を地図との関係で示す
と図12のようになる。図12には自車と対向車の位置
関係が地図平面上に表わしてある。まず、自車54が位
置Aに到達したときに運転者41が対向車45を発見し
たとすると、このとき、運転者41には先の図6に示さ
れたようにヘッドアップディスプレイによって前景の道
路47に重畳した経路48が表示されている。そこで、
運転者41はタッチパネル上の対向車45の位置を指で
押さえる。これにより、対向車45の位置が入力され
る。なお、図12中、55はランドマークである。
【0044】次いで、指で押さえられたタッチパネル2
1a上の対向車位置は、第1座標変換装置27によって
図12のC位置に変換されて登録される。さらに、対向
車45の車種、色、ナンバープレート番号などが判別で
きたならば同時に入力して登録される。このように、タ
ッチパネル入力装置21により入力された対向車45の
位置は、自車の位置、進行方向、車体の傾き等を考慮し
て、第1座標変換装置27で座標変換され、平面的な地
図上位置Cへ対応づけた後に、地図情報と比較して、該
入力された対向車45のC位置に最も近い道路48上の
位置に補正される。ここで、図12中Rは運転者が対向
車45を発見したときの運転者の視野範囲兼地図上の道
路情報の視野座標への変換範囲であり、自車が対向車4
5との推定遭遇地点Eに接近するとともにR’のように
移動する。
【0045】以降、時間経過とともに記録された対向車
45の位置が推定され、更新されていく。そして、更新
された対向車45の位置も、例えば後述の図13にDで
示すように、順次前景に重畳されて表示される。その後
も対向車がタッチパネル入力装置21により入力される
と、対向車情報登録更新装置29において登録済みの対
向車と照合され、照合の結果、該当車両がないならば新
規に登録される。照合の調査項目には、対向車の位置、
車種、色、ナンバープレート番号等が用いられる。
【0046】自車54が図12における対向車との推定
遭遇地点に近づいたB位置に到達すると、運転者41に
は、図13に示すように、道路47を含む前景に重畳さ
れた経路情報48と、対向車45の推定位置Dが表示さ
れる。また、自車54と対向車45の位置関係から遭遇
地点が推定され、さらに対向車45の車種(大きさ)を
考慮に入れて、遭遇推定地点付近のすれちがい可能な退
避地点Eが選択されて表示される。運転者は、これらの
表示を参考に対向車45をやり過せる退避地点Eまで自
車を前進させることができる。
【0047】本実施例は以上のように構成され、対向車
とのすれちがい可能な退避場所を、対向車の推定位置に
対応させて提示するようにしたので、自車の目前の退避
場所で待機すべきか、先に進むべきかの運転者の判断を
助けることができる。また、対向車を検知した地図上の
位置と、検知時刻からの経過時間と、対向車の推定速度
から、対向車の位置を逐次推定することにより、常に対
向車の位置を検出するようにしているので、大規模な投
資を要する道路設備などを必要とせず、容易に実現する
ことができる。対向車の推定速度は、走行区間ごとに設
定された代表速度に対して、対向車の検知時に測定する
実速度と代表速度の比率を加味するので、運転者ごとの
運転速度の違いの影響を低減し、精度を向上することが
できる。
【0048】さらに、本実施例によれば、隘路が存在し
やすい山岳路では道路構成が蛇行している特徴があるこ
とから、道程では遠くても運転者の目視により対向車を
発見しやすい傾向にあることと、加えて運転者が簡便に
対向車の位置の入力操作を行えるタッチパネル式入力装
置21を使用することにより、カメラや画像処理装置と
いった高価な装置を用いずに、システムを実現すること
ができる。
【0049】また、入力が簡便なため、運転者に要求さ
れる操作の面倒さによる入力機会の低下が少ないので、
対向車情報の収集個数を増やし、対向車との遭遇の推定
精度を向上することができる。さらにまた、再三目撃す
る機会のある対向車については、対向車の位置、車種、
車色等を判別情報として、目撃の都度、その時点でシス
テムに登録されている対向車と照合するので、重複した
登録が避けられる。これらの判別情報も遠方からの目視
により比較的容易に収集可能であるので、カメラや画像
処理装置といった高価な装置を用いなくても、システム
を実現することができる。
【0050】その他の効果として、タッチパネル式入力
装置は、運転者が視野内に発見した未知のランドマーク
が何であるかを調べたい場合にも、現在のナビゲーショ
ン装置のように入力時に車外風景から大きく視線をそら
す必要がない。また対象のランドマーク情報をヘッドア
ップディスプレイと組み合わせて表示することにより、
車外風景からの視線をそらさずに情報を視認することが
でき、これにより運転時の安全性を向上することができ
る。なお、カメラや画像処理装置を用いることができる
場合にはより一層簡便かつ精度よく対向車情報を得られ
ることはもちろんで、例えば対向車のナンバープレート
番号を自動的に読み取ることができれば、入力の手間が
省ける。
【0051】図14は、本発明の第2の実施例の構成を
示す。この実施例は、データ入力手段として前実施例で
はタッチパネル式入力装置を使用したのに対し、入力手
段として無線受信装置を設置し、隘路の入口に設けた車
両進入検知装置からの対向車検知情報を受信するように
したものである。無線受信装置81は、隘路への対向車
の進入を検知するために隘路入口に設置した車両進入検
知装置70よりの対向車情報を受信する。
【0052】図15には、対向車を検出するために、隘
路の入口に設置する車両進入検知装置70の構成を示
す。車両進入検知装置70は車両重量を検知する第1、
第2重量センサ72、73と、これらからの信号が入力
される電子回路74、および電子回路74からの出力を
送信する無線送信装置75とからなる。電子回路74
は、車両が第1、第2重量センサ72、73の出力から
通過車両の車種(大きさ)を推定するとともに、第1、
第2重量センサ間を通過する時間から対向車の実車速を
検知し、区間代表速度と実速度の比を算出する車両情報
検知装置77を備える。
【0053】電子回路74は、さらに現在の時刻を計時
する時計76、車両情報検知装置77で求めた情報を検
知時刻とともに一時記憶する送信情報記憶装置78、お
よび送信情報記憶装置78に記憶されている各通過車両
の検知時刻と現在時刻を定期的に比較して、所定時間を
経過した車両については上記情報を消去する送信情報消
去装置79を内蔵している。無線送信装置75は、送信
情報記憶装置78に記憶されている車両情報を定期的に
通行車両に送信する。
【0054】上記車両進入検知装置70において、第
1、第2重量センサ72、73は、図16に示すよう
に、道路上所定間隔Lをおいて設置され、対向車45が
図中aの位置にきてその前輪が第1重量センサ72に乗
ると、第1重量センサ72には部分荷重F1が掛る。車
両が進行して、第1重量センサ72に後輪が乗るbの位
置になると第1重量センサ72には部分荷重R1が掛
る。対向車45がさらに進んで、第2重量センサ73に
前輪が乗ると部分荷重F2が掛る。これらの部分荷重F
1、R1、F2は電子回路74に送られる。
【0055】電子回路74の車両情報検知装置77で
は、第1重量センサ72および第2重量センサ73の検
知時間差と、重量センサ間隔Lとから対向車の実速度を
求め、車両進入検知装置70の設置されている区間の代
表速度(本実施例では区間の法定最高速度とする)と実
速度と代表速度の比率、ならびに各重量センサの検出重
量から車種(大きさ)を、対向車情報として得る。こう
して求められた対向車情報は、無線送信装置75から送
信され、自車両に設置された無線受信装置81により受
信される。その他の構成は前実施例と同じである。
【0056】車両進入検知装置70における処理動作
を、図17のフローチャートにより説明する。ステップ
501では、道路上に走行方向に並べられた第1、第2
重量センサ72、73の出力が読み込まれる。ステップ
502では、読み込まれた出力を基に車両情報が算出さ
れる。ここでは、時計76により検知時刻を求め、2つ
の重量センサ72、73の検知時間の差と、重量センサ
間の距離Lによって実車速が求められる。また、車両車
軸の通過ごとに各重量センサ72、73に掛る重量を計
測し、これらを合計して車両重量が求められる。
【0057】その際、1つの車軸の荷重が検知されてか
ら所定時間の間に次の荷重が検知されなければ1台の通
過が終了したと判断して1台ごとの区分を行なう。そし
て、この車両重量を所定のしきい値(例えば2000k
g)と比較して、計測重量の方が軽ければ普通車以下に
区分し、重ければダンプカーのような大型車として区分
して車種情報とする。そしてまた、車両進入検知装置の
設置された区間の代表速度と上に求めた実車速の比がこ
こで算出される。
【0058】ステップ503では、ステップ502で求
めた各車両情報が、その検知時刻とともに送信情報記憶
装置78に記憶される。次いでステップ504では、各
通過車両の検知時刻と現在時刻とを定期的に比較して、
送信情報記憶装置78内の記憶情報の中から所定時間の
経過した車両情報が削除される。この所定時間として
は、進入車両が当該隘路区間を走破すると推定される時
間に設定される。このあとステップ505において、送
信情報記憶装置78に記憶されている車両情報が定期的
に無線送信装置75から送信される。以降、ステップ5
01〜ステップ505が、例えば10秒など所定時間の
周期で繰り返される。この間、第1、第2重量センサ7
2、73からの入力が生じたときには、周期動作に関係
なく、上記ステップ501からの処理動作を開始する。
【0059】以上のようにこの第2の実施例によれば、
簡単な重量センサを用いて進入車両の情報を収集して他
車両に無線送信する車両進入検知装置70を、隘路の入
口付近に設置する構成としたため、前実施例と同様の効
果が得られるとともに、隘路全線に渡って通行車両の位
置を検知する場合のような高価な設備を必要とせず、し
かも確実に隘路に進入した対向車45の情報を得ること
ができるという効果を有する。また車両進入検知装置7
0では、検知した進入車両の情報を記憶し、必要に応じ
て消去しながら定期的にまとめて無線送信する構成とし
たので、山陰などで一時的に無線信号の受信に失敗した
場合でも、進入車両情報を逃す心配を低減することがで
きる。
【0060】さらに、車両進入検知装置70における記
憶情報の消去は、検知時刻からの経過時間と、その区間
の代表速度に基づき、隘路区間の進入車両の走破を推定
して行う構成としたため、送信情報を少なくすることが
でき、処理負荷と運転者が利用する場合の繁雑性を低減
することができる。もちろん、上記記憶情報の消去のた
めの所定時間は、走破推定時間を毎回演算して求めるか
わりに平均的な固定値を使用することもできる。
【0061】図18には、本発明の第3の実施例を示
す。この実施例は、運転者は対向車の発見のみを入力
し、対向車の位置は、運転者から視認可能な走路範囲か
ら設定するようにしたものである。本実施例の構成は、
前述第1の実施例の構成に対して、タッチパネル式入力
装置のかわりに視認入力スイッチ82と対向車位置設定
装置83を設ける一方、第1座標変換装置が省略された
ものである。
【0062】視認入力スイッチ82は、図19に示され
るように、ステアリングハンドル90に設置される。そ
の他の構成は第1の実施例と同じである。同一構成部分
には同一の符号を付してその説明を省略する。運転者が
前方に対向車を発見し視認入力スイッチ82を操作する
と、スイッチ操作信号が入力され、対向車位置設定装置
83は対向車の位置を推定する。
【0063】ここで、対向車位置設定装置83における
対向車位置設定の原理を説明する。まず、図20の
(a)は運転者が車の進行中に対向車を視認した状態を
示し、(b)はそのときのフロントウインドウガラス4
2を通してみえる前方風景を示している。 運転者が運
転中に、このように視野範囲内に対向車の存在を認めた
とき、視認入力スイッチ82を操作して視認の旨を入力
する。視認入力スイッチ82が操作されると、図21に
示されるように、運転者の視野範囲R内で、丘陵などの
視界妨げ物85に妨げられずに視認可能な走路範囲84
を地図情報から推定する。そして、この走路範囲84の
位置と長さから運転者の発見した対向車45の位置を設
定する。
【0064】ここで対向車の設定位置としては、例えば
視認可能な走路範囲84の中点を求める。また、走路範
囲84が複数存在するときには、自車に最も近い走路範
囲を選択して抽出する。なお、図21において、48は
地図情報として記録されている道路情報、86は視界妨
げ物85の高度hの水平面の輪郭、x1、x2は自車5
4の位置を通って前記輪郭86に接する線分、55はラ
ンドマークである。
【0065】次に本実施例における処理動作を説明す
る。図22は入力処理の概要を示すフローチャートであ
る。このフローチャートは第1の実施例における図10
のフローチャートに対して、ステップ602および60
3を異にし、ステップ404が省略されているものであ
る。ここでは、異なる処理ステップについてのみ説明
し、処理動作内容が同じステップには図10と同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0066】ステップ602では、視認入力スイッチ8
2において、運転者のスイッチ操作があるか否かがチェ
ックされて、スイッチ操作があればステップ603へ進
み、なければこの処理を終了する。ステップ603で
は、対向車位置設定装置83において、対向車45の位
置を視認可能の走路、すなわち走路の可視範囲から推定
してステップ405へと進む。 その後の処理の流れは
図10におけると同様である。ただし、ステップ40
7’においては、タッチパネルからの「入力値」にかわ
り、対向車位置設定装置による「設定値」となってい
る。
【0067】図23は、ステップ603における対向車
位置設定の処理の詳細を示す。まずステップ701で、
自車54の走行中の高度hを調査する。調査法として
は、例えば気圧センサによる高度計や、自車の水平面の
地図上の位置をもとに地図情報から高度を読み出す技術
による。ステップ702では、視野範囲R内に存在する
走路が、地図情報記憶装置25に記憶されている道路情
報から読み出して調べられる。
【0068】さらにステップ703で、自車位置と走路
との間の視界妨げ物85が抽出され、ステップ704に
おいて、視界妨げ物85の高度hの水平面での輪郭86
が求められる。この輪郭86は、地図情報に記録される
視界妨げ物85の情報に、高度ごとの水平面での輪郭
(等高線)を併記しておき、ステップ701で得た高度
hを用いて抽出される。
【0069】次にステップ705において、視野範囲R
内での走路の見える範囲(視認可能な走路範囲84)が
求められる。水平面の地図座標系において、自車位置を
通って輪郭86に接する線分x1、x2が視野範囲R内
に存在する走路を切り取る範囲を求めることによって、
この見える範囲が求められる。ステップ706では、視
認可能な走路範囲84を用いて運転者が視認した対向車
45の位置を推定する。ここでは、前述のように、見え
る範囲の中点を求めてこの位置を対向車設定位置とす
る。
【0070】本実施例は以上のように構成され、運転者
が対向車を視認したとの情報のみを入力するだけで、運
転者の視野範囲内の視認可能な走行区間から対向車の位
置を設定するようにしたので、第1の実施例と同様の効
果が得られるとともに、運転者の操作を一層簡単にする
ことができる。
【0071】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、入力された対
向車の時間経過による位置を逐次推定しつつ、対向車と
のすれちがい可能な退避場所を、対向車の推定位置に対
応させて報知するようにしたので、自車の目前の退避場
所で待機すべきか先に進むべきかの運転者の判断を助け
ることができる。また対向車情報として大きさなどの車
種を入力することにより、対向車の車種に対応して、遭
遇位置付近の複数の場所から、退避可能場所が選択さ
れ、対向車が大型車の場合にもすれちがいに適切な場所
が提示される。
【0072】とくに、フロントウインドウガラス部に設
置したタッチパネル式入力装置を用いて、タッチパネル
の前方対向車を視認する運転者の視線が横切る点を押圧
するようにすることにより、簡単な操作で対向車情報と
しての対向車の位置を入力することができる。このた
め、カメラや画像処理装置といった高価な装置を用いず
に、また道路設備などを必要とせずに、システムを容易
に実現することができる。
【0073】さらに、データ入力を、隘路入口の道路側
に設けた車両進入検知装置からの無線送信を受信して行
なうものとすることにより、運転者による入力操作を要
せず、大規模な道路設備なども必要とせず対向車の情報
が入力される。この際、上記車両進入検知装置が走行路
にそって設置された2個の重量センサを備えることによ
り対向車情報ろして対向車の車種も自動的に入力される
という効果が得られる。さらにまた、データ入力を、運
転者が対向車を発見したとき視認入力スイッチを操作
し、その時点の運転者の視野範囲内で視認可能な走路範
囲から対向車の位置を設定するようにすることにより、
道路設備が不要でしかも手元のスイッチを押すだけで対
向車位置が入力されるから、運転者の操作が一層簡単に
なるという効果が得られる。
【0074】また、時間経過による対向車位置の逐次推
定にあたって、対向車の実車速および経過時間に加え
て、実速度と対向車が走行する走路区間の法定最高速度
など代表速度との比を加味することにより、運転者ごと
の運転速度の違いの影響が低減され、高い精度で対向車
の位置と退避場所情報を得ることができる。また、報知
手段をフロントウインドウガラス部あるいはタッチパネ
ルに投影することにより、前景に重畳して退避可能場所
が表示され、視線を移動させることなく確実容易に退避
可能場所を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図3】第1の実施例のレイアウトを示す図である。
【図4】第1の実施例のレイアウトと対向車視認の状況
を示す図である。
【図5】退避可能車種情報の記録フォーマット例を示す
図である。
【図6】ヘッドアップディスプレイによる道路情報の重
畳風景を示す図である。
【図7】実施例における処理の流れを示すメインフロー
チャートである。
【図8】対向車位置推定処理の詳細を示すフローチャー
トである。
【図9】遭遇位置推定処理の詳細を示すフローチャート
である。
【図10】入力処理の詳細を示すフローチャートであ
る。
【図11】対向車情報の記録フォーマット例を示す図で
ある。
【図12】入力処理の要領を地図平面上で示す説明図で
ある。
【図13】対向車との推定遭遇地点に近づいたときの道
路情報と前景の重畳風景を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック
図である。
【図15】車両進入検知装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図16】車両進入検知装置における重量センサのレイ
アウトを示す図である。
【図17】車両進入検知装置における処理の流れを示す
フローチャートである。
【図18】第3の実施例を示すブロック図である。
【図19】視認入力スイッチのレイアウトを示す図であ
る。
【図20】対向車を視認したときの道路情報が重畳され
た前方風景を示す図である。
【図21】第3の実施例における入力処理の要領を地図
平面上で示す説明図である。
【図22】第3の実施例における入力処理の概要を示す
フローチャートである。
【図23】対向車位置設定の処理の詳細を示すフローチ
ャート。
【符号の説明】
1 データ入力手段 2 地図情報記憶手段 3 自車位置推定手段 4 地図情報読出し手段 5 対向車位置推定手段 6 遭遇位置推定手段 7 退避可能場所選択手段 8 報知手段 21 タッチパネル式入力装置 21a タッチパネル 22 自車姿勢検出装置 23 頭部位置推定装置 24 自車位置推定装置 25 地図情報記憶装置 26 地図情報読出し装置 27 第1座標変換装置 28 第2座標変換装置 29 対向車情報登録更新装置 31 対向車位置推定装置 32 遭遇位置推定装置 33 退避可能場所選択装置 41 運転者 42 フロントウインドウガラス 43 超音波センサ 45 対向車 46 ヘッドアップディスプレイプロジェクタ 47 道路 48 経路 50 前景 54 自車 55 ランドマーク 70 車両進入検知装置 72、73 重量センサ 74 電子回路 75 無線送信装置 76 時計 77 車両情報検知装置 78 送信情報記憶装置 79 送信情報消去装置 81 無線受信装置 82 視認入力スイッチ 83 対向車位置設定装置 84 視認可能な走路範囲 85 視界妨げ物 86 視界妨げ物の輪郭 90 ステアリングハンドル

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向車の位置、実速度および検出した時
    刻を含む対向車の情報を入力するデータ入力手段と、道
    路情報およびすれちがいのための退避可能場所を含む地
    図情報を記憶する地図情報記憶手段と、自車の現在位置
    を推定する自車位置推定手段と、該自車位置推定手段の
    出力信号に応じて地図上における自車位置近辺の地図情
    報を読み出す地図情報読出し手段と、対向車の現在位置
    を、検知時の対向車の実車速および対向車を検知した時
    刻から現在までの経過時間から推定する対向車位置推定
    手段と、前記自車位置推定手段および対向車位置推定手
    段の出力信号に基づいて、対向車との遭遇地点の位置を
    推定する遭遇位置推定手段と、該遭遇位置推定手段で推
    定された遭遇位置に基づいて、前記地図情報読出し手段
    で読み出された地図情報から、遭遇位置付近の退避可能
    場所を選択する退避可能場所選択手段と、該退避可能場
    所選択手段で選択された退避可能場所を報知する報知手
    段とを有することを特徴とする車両用ナビゲーションシ
    ステム。
  2. 【請求項2】 前記データ入力手段によって入力される
    対向車情報が、さらに対向車の車種を含むものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両用ナビゲーションシ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記データ入力手段は、対向車情報の組
    み合わせに基づいて対向車を識別して当該対向車情報を
    更新するものであることを特徴とする請求項1または2
    記載の車両用ナビゲーションシステム。
  4. 【請求項4】 前記データ入力手段によって入力される
    対向車情報が、さらに対向車の色またはナンバープレー
    ト番号を含むものであることを特徴とする請求項3記載
    の車両用ナビゲーションシステム。
  5. 【請求項5】 前記退避可能場所選択手段は、遭遇位置
    付近の複数の退避可能場所から、前記対向車の車種に対
    応して退避可能場所を選択するものであることを特徴と
    する請求項2記載の車両用ナビゲーションシステム。
  6. 【請求項6】 前記データ入力手段が、フロントウイン
    ドウガラスに設置され運転に必要な視野情報を得られる
    程度の透過光量を有するタッチパネルを備えたタッチパ
    ネル式入力装置と、タッチパネル式入力装置の入力結果
    を地図と照合可能な平面座標に変換する第1の座標変換
    手段とを有し、タッチパネルの前方対向車を視認する運
    転者の視線が横切る点を押圧することにより前記対向車
    の位置が入力されることを特徴とする請求項1、2、
    3、4または5記載の車両用ナビゲーションシステム。
  7. 【請求項7】 前記第1の座標変換手段は、自車の姿勢
    を検出する自車姿勢検出装置と運転者のアイポイントを
    定めるための頭部位置推定装置を含み、自車姿勢と頭部
    位置をパラメータとして前記タッチパネルの押圧位置を
    平面座標に変換するものであることを特徴とする請求項
    6記載の車両用ナビゲーションシステム。
  8. 【請求項8】 前記データ入力手段が、隘路入口の道路
    側に設けられ車両の隘路への進入を検知する車両進入検
    知装置からの送信を受信する無線受信装置を有するもの
    であることを特徴とする請求項1または2記載の車両用
    ナビゲーションシステム。
  9. 【請求項9】 前記車両進入検知装置は、車両の通過を
    検知する車両検知手段と、車両通過時の時刻を計時する
    時計と、通過車両の実車速を含む車両情報を得る車両情
    報取得手段と、車両情報を送信する無線送信手段とを有
    することを特徴とする請求項8記載の車両用ナビゲーシ
    ョンシステム。
  10. 【請求項10】 前記車両検知手段は、走行路にそって
    設置された2個の重量センサを有し、前記車両情報が通
    過車両の車種を含むものであることを特徴とする請求項
    9記載の車両用ナビゲーションシステム。
  11. 【請求項11】 前記無線送信手段は前記車両情報取得
    手段で得た車両情報を保持する記憶手段と、所定時間経
    過した車両情報を前記記憶手段から消去する情報消去手
    段を備えていることを特徴とする請求項9または10記
    載の車両用ナビゲーションシステム。
  12. 【請求項12】 前記情報消去手段は、隘路区間の代表
    速度と隘路区間の長さから検知された進入車両が当該区
    間を走破すると推定される時間に基づいて当該車両の検
    知時刻からの経過時間として前記所定時間を設定するも
    のであることを特徴とする請求項9、10または11記
    載の車両用ナビゲーションシステム。
  13. 【請求項13】 前記データ入力手段が、運転者が操作
    可能に設置された視認入力スイッチと、前記地図情報読
    出し手段で読み出された地図情報から、視認入力スイッ
    チが操作された時点における運転者の視野範囲内で視認
    可能な走路範囲を求め、該視認可能な走路範囲より対向
    車の位置を設定する対向車位置設定装置とを有すること
    を特徴とする請求項1記載の車両用ナビゲーションシス
    テム。
  14. 【請求項14】 前記道路情報が走行区間の代表速度を
    含み、前記対向車位置推定手段は、対向車の実車速と代
    表速度の比を用いて対向車の現在位置を推定するもので
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12または13記載の車両用
    ナビゲーションシステム。
  15. 【請求項15】 前記代表速度が、走行区間ごとの法定
    最高速度であることを特徴とする請求項14記載の車両
    用ナビゲーションシステム。
  16. 【請求項16】 前記報知手段は、前記退避可能場所を
    フロントウインドウガラス部に投影するものであること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11、12、13、14または15記載の車
    両用ナビゲーションシステム。
  17. 【請求項17】 前記報知手段は、前記退避可能場所を
    前記タッチパネルに投影するものであることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5、6または7記載の車両用
    ナビゲーションシステム。
  18. 【請求項18】 前記報知手段は、前記地図情報を視野
    座標に変換する第2の座標変換手段を有して、前景視野
    に重畳して道路情報を投影し、前記退避可能場所を表示
    するするものであることを特徴とする請求項16または
    17記載の車両用ナビゲーションシステム。
  19. 【請求項19】 前記第2の座標変換手段は、自車の姿
    勢を検出する自車姿勢検出装置と運転者のアイポイント
    を定めるための頭部位置推定装置とを含み、自車姿勢と
    頭部位置をパラメータとして前記地図情報を視野座標に
    変換するものであることを特徴とする請求項18記載の
    車両用ナビゲーションシステム。
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