JPH08169758A - 誘電体磁器材料 - Google Patents

誘電体磁器材料

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JPH08169758A
JPH08169758A JP6310544A JP31054494A JPH08169758A JP H08169758 A JPH08169758 A JP H08169758A JP 6310544 A JP6310544 A JP 6310544A JP 31054494 A JP31054494 A JP 31054494A JP H08169758 A JPH08169758 A JP H08169758A
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JP
Japan
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oxide
dielectric
bao
dielectric ceramic
ceramic material
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JP6310544A
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English (en)
Inventor
Akihiro Isomura
明宏 磯村
Ryuzo Abe
隆三 阿部
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロ波用誘電体磁器材料において,誘電
率εr が高く,共振周波数の温度係数τf が優れた誘電
体磁器材料を提供することにある。 【構成】 誘電体磁器材料は,酸化バリウム(Ba
O),Ndを必須成分として含む希土類酸化物(R2
3 ),酸化ビスマス(Bi2 3 ),及び酸化チタン
(TiO2 )を主成分する一般式aBaO−bR2 3
−cBi2 3 −dTiO2 で表わされ,a+b+c+
d=100mol%で,cが0.8≦c≦6.3の範囲
にあり,a,(b+c),dが,図1に示すようにP,
Q,R,Sの4点を結んでできる範囲内にある主成分磁
器組成物を100重量部とし,これに対し,0.01〜
0.50重量部のPbOが添加されている。そしてこの
誘電体磁器材料は,体積分率にして少くとも85%が斜
方晶である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,誘電体磁器材料に関す
るもので,特に通信,及び放送機器に用いられるマイク
ロ波濾波器用の誘電体材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の通信技術の進歩は,特に自動車電
話・携帯電話に代表される移動体通信,GPS(Global
Positioning System)等を飛躍的に普及させつつある。
しかし,これらの通信システムは同時に使用周波数領域
の拡大をもたらし,マイクロ波帯域での周波数利用を促
進させつつある。
【0003】自動車用電話機・携帯電話機・民生用GP
S装置などに適するような装置の小型化を目的とし,誘
電体共振器を用いたマイクロ波フィルター,発信器の周
波数安定化を図るための小型誘電体共振器,あるいは誘
電体磁器を用いて回路の小型化を図ること等が盛んに試
みられ,実用化段階に達しつつある。
【0004】このような誘電体磁器に要求される特性
は,使用周波数帯域における誘電率(以下,εr と呼
ぶ)が大きいこと,共振周波数の温度系数(以下,τf
と呼ぶ)ができるだけ零に近いこと,及びマイクロ波帯
域での誘電損失{以下,tanδ(=1/Q)}が小さ
いことである。なお,マイクロ波帯域で用いられる誘電
体材料の誘電体材料の誘電損失tanδの大小はQ×f
の形で表現されるのが普通であるので,以下これを用い
る。従って,Q×fの値が大きいことが誘電材料として
優秀であることの一つの指標となる。なお,fはそのと
きの材料の共振周波数である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来,高い誘電率をも
つマイクロ波用誘電体磁器材料としては,BaO−Ti
2 −希土類酸化物系の材料が知られているが,これま
でに開示されている組成の材料ではεr ,Q×fのバラ
ンスが悪かった。その欠点を解決するために本発明者は
BaO,SrO,Nd2 3 ,ジジム酸化物,Bi2
3 ,TiO2 の組成を限定し,かつ,体積分率にして8
5%以上が斜方晶であるような誘電体磁器を提案した
(特願平6−171600号参照)。
【0006】しかし,この材料では共振周波数の温度係
数τf はεr とのバランスが若干劣るという欠点があっ
た。すなわち,ある程度以上のεr を得ようとするとτ
f が次第に劣ってくるという欠点があった。
【0007】そこで,本発明の技術的課題は,マイクロ
波用誘電体磁器材料において,誘電率εr が高く,共振
周波数の温度係数τf が優れた誘電体磁器材料を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する誘電
体磁器材料として,本発明者は,酸化バリウム(Ba
O),Ndを必須成分として含む希土類酸化物(R2
3 ),酸化ビスマス(Bi2 3 ),及び酸化チタン
(TiO2 )を主成分とし,一般式aBaO−bR2
3 −cBi2 3 −dTiO2 で表わされ,a+b+c
+d=100で,cが0.8≦c≦6.3で,かつa,
(b+c),dが図1に示されるように,下記の表2に
示されるP,Q,R,Sの4点を結んでできる範囲内に
ある誘電体磁器組成物を100重量部とし,これに対
し,0.01重量部以上,0.5重量部未満のPbOが
添加され,かつ,体積分率にして85%以上が斜方晶で
あることを特徴とする誘電体磁器材料を見出し本発明を
成すに至ったものである。
【0009】
【表2】
【0010】また,本発明の誘電体磁器材料において,
前記希土類酸化物(R2 3 )は,実質的に酸化ネオジ
ウム(Nd2 3 )からなり,前記主成分は図2に示さ
れる前記P,Q,R,Sの4点を結んでできる範囲内に
あることを特徴としている。
【0011】また,本発明の誘電体磁器材料において,
前記希土類化合物(R2 3 )は酸化ジジム{(Nd+
Pr)2 3 }からなり,前記主成分は図3に示される
ように,前記P,Q,R,Sの4点を結んでできる範囲
内にあることを特徴としている。
【0012】また,本発明の誘電体磁器材料において,
酸化バリウム(BaO)の一部を酸化ストロンチウム
(SrO)で置換した一般式,a′BaO−eSrO−
bR23 −cNd2 3 −dTiO2 で表わされ,
a′+b+c+d+e=100mol%で,a=a′+
e,でeが0.1≦e≦3.5mol%の範囲内にあ
り,前記主成分は図4に示されるように,前記P,Q,
R,Sの4点を結んでできる範囲内にあることを特徴と
している。
【0013】
【作用】本発明においては,マイクロ波誘電体材料で,
体積分率にして85%以上が斜方晶であるBaO−R2
3 −Bi2 3 −TiO2 ,あるいはBaO−SrO
−Nd2 3 −Bi2 3 −TiO2 に所定量のPbO
を添加することによってεr を減少させることなくτf
をより零に近い値にすることができる。
【0014】
【実施例】以下,実施例に基づいて本発明の詳細を説明
する。
【0015】図1は,本発明の誘電体磁器材料の第1の
例の主成分の組成範囲を示す三成分系状態図である。図
1を参照すると,本発明の誘電体磁器材料の一例は,酸
化バリウム(BaO),Ndを必須成分として含む希土
類酸化物(R2 3 ),酸化ビスマス(Bi2 3 ),
及び酸化チタン(TiO2 )を主成分とし,一般式aB
aO−bR2 3 −cBi2 3 −dTiO2 で表わさ
れ,a+b+c+d=100で,cが0.8≦c≦6.
3であり,このa,(b+c),dが図示のように,下
記の表3に示されるP,Q,R,Sの4点を結んででき
る範囲内にある。
【0016】
【表3】
【0017】この主成分の誘電体磁器組成物を100重
量部とし,これに対し,0.01重量部以上,0.5重
量部未満のPbOが添加されている。そして,体積分率
にして85%以上が斜方晶である。
【0018】図2は,本発明の誘電体磁器材料の第2の
例の主成分の組成範囲を示す三成分系状態図である。図
2を参照すると,上記第1の例において,前記希土類酸
化物(R2 3 )は,実質的に酸化ネオジウム(Nd2
3 )からなるように構成されている。そして,前記主
成分は図1と同様に図2に示すように,前記した表3に
示すP,Q,R,Sの4点を結んでできる範囲内にあ
る。
【0019】図3は,本発明の誘電体磁器材料の第3の
例の主成分の組成範囲を示す三成分系状態図である。図
3を参照すると,上記第1の例において,前記希土類化
合物(R2 3 )を酸化ジジム{(Nd+Pr)
2 3 }としている。そして,前記主成分は図1と同様
に,図3に示されるように前記表3のP,Q,R,Sの
4点を結んでできる範囲内にある。
【0020】図4は,本発明の誘電体磁器材料の第4の
例の主成分の組成範囲を示す三成分系状態図である。図
4を参照すると,上記誘電体磁器組成物において,酸化
バリウム(BaO)の一部を酸化ストロンチウム(Sr
O)で置換した一般式,a′BaO−eSrO−bR2
3 −cNd2 3 −dTiO2 で表わされ,a′+b
+c+d+e=100mol%で,a=a′+e,でe
が0.1≦e≦3.5mol%の範囲内にある。そし
て,前記主成分は,図1と同様に,図4に示されるよう
に,前記表3のP,Q,R,Sの4点を結んでできる範
囲内にある。
【0021】ここで,本発明による誘電体磁器組成物の
組成の限定理由を説明する。
【0022】PbOの添加を行なうことによって,Ba
O−R2 3 −Bi2 3 −TiO2 ,あるいはBaO
−SrO−R2 3 −TiO2 を主成分とする誘電体材
料の誘電率εr を維持,ないし増加させつつ共振周波数
の温度係数τf の絶対値を低下させることができる。し
かし,前記主成分を100重量部としたとき,PbO添
加量が0.01重量部未満ではその効果が認められず,
PbO添加量が2.05重量部以上になると,Q×fの
著しい劣化が起こり,適当でないからである。ここで,
PbO添加量に伴うQ×fの劣化は,添加量0.50%
以上から顕著に成り出すので,PbO添加量は,0.5
0重量部未満であれば,更に望ましい。
【0023】次の本発明の誘電体磁器材料の製造の具体
例について述べる。
【0024】(実施例1)まず,BaCO3 ,Nd2
3 ,Bi2 3 ,TiO2 の出発原料を各組成に応じ
て,秤量,樹脂製のボールミルで湿式混合した。この混
合物を乾燥させた後,大気中において1150℃で仮焼
した。さらに前記仮焼物に所定量のPbOを添加し,前
記のボールミルでこの仮焼物とPbOの混合物を湿式粉
砕した後,直径15mm,厚さ約6mmの円盤状に成
形,大気中において1300〜1400℃の温度で焼結
し,下記表4に示す組成の磁器を得た。下記表4で組成
は,一般式aBaO−bNd2 3 −cBi2 3 −d
TiO2 (モル%,a+b+c+d=100)のように
表わした。
【0025】次いで,これらの磁器について誘電体共振
器法により,誘電率,誘電損失,及び共振周波数の温度
依存性を測定した。共振周波数の温度係数はτf は20
〜55℃の温度範囲での共振周波数fの差より次の数1
式によって求めた。
【0026】
【数1】
【0027】なお,共振周波数fは2.5〜3.2GH
zであった。誘電特性の測定結果は下記表4に示すとお
りであった。
【0028】
【表4】
【0029】(実施例2)BaCO3 ,ジジム酸化物
(Nd+Pr)2 3 ,Bi2 3 ,TiO2 の出発原
料を各組成に応じて秤量し,実施例1に示したのと同様
の方法で得た仮焼粉末に対し,各々下記表5に示す量の
PbOを添加した後,実施例1に示したのと同様のボー
ルミルで混合・粉砕した後,成形・焼結した。ここで,
組成は,一般式aBaO−b(Nd+Pr)2 3 −c
Bi2 3 −dTiO2 (モル%,a+b+c+d=1
00)のように表わした。
【0030】次いで,これらの磁器について実施例1に
示したものと同様の測定を行なったところ,下記表5に
示す測定結果を得た。なお,ジシム酸化物の分析値は下
記表6に示す通りで,秤量はPr2 3 を1molに換
算して行なった。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】(実施例3)BaCO3 ,SrCO3 ,N
2 3 ,Bi2 3 ,TiO2 の出発原料を各組成に
応じて秤量し,実施例1に示したのと同様の方法で得た
仮焼粉末に対し,各々下記表7に示す量のPbOを添加
した後,実施例1に示したのと同様のボールミルで混合
・粉砕した後,成形・焼結した。ここで,組成は,一般
式a′BaO−eSrO−b(Nd+Pr)2 3 −c
Bi2 3 −dTiO2 (モル%,a′+b+c+d+
e=100)のように表わした。
【0034】次いで,これらの磁器について実施例1に
示したものと同様の測定を行ったところ,下記表7に示
す結果を得た。
【0035】
【表7】
【0036】(実施例4)BaCO3 ,SrCO3 ,ジ
ジム酸化物(Nd+Pr)2 3 ,Bi2 3 ,TiO
2 の出発原料を各組成に応じて秤量し,実施例1に示し
たのと同様の方法で得た仮焼粉末に対し,各々下記表8
に示す量のPbOを添加した後,実施例1に示したのと
同様のボールミルで混合・粉砕した後,成形・焼結し
た。ここで,組成は,一般式a′BaO−eSrO−b
(Nd+Pr)2 3 −cBi2 3−dTiO2 (モ
ル%,a′+b+c+d+e=100)のように表わし
た。
【0037】次いで,これらの磁器について実施例1に
示したものと同様の測定を行なったところ,下記表8に
示す測定結果を得た。なお,ジジム酸化物の分析値は前
記した表5に示す通りで,秤量はPr2 3 を1mol
に換算して行なった。
【0038】
【表8】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば,マ
イクロ波用誘電体磁器材料において,率εr が高く,共
振周波数の温度係数τf が優れた誘電体磁器組成物を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体磁器材料の第1の例を示す三成
分系状態図である。
【図2】本発明の誘電体磁器材料の第2の例を示す三成
分系状態図である。
【図3】本発明の誘電体磁器材料の第3の例を示す三成
分系状態図である。
【図4】本発明の誘電体磁器材料の第4の例を示す三成
分系状態図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化バリウム(BaO),Ndを必須成
    分として含む希土類酸化物(R2 3 ),酸化ビスマス
    (Bi2 3 ),及び酸化チタン(TiO2)を主成分
    する一般式aBaO−bR2 3 −cBi2 3 −dT
    iO2 で表わされ,a+b+c+d=100mol%
    で,cが0.8≦c≦6.3の範囲にあり,a,(b+
    c),dが,図1に示すように下記の表1のP,Q,
    R,Sの4点を結んでできる範囲内にある主成分磁器組
    成物を100重量部とし,これに対し,0.01〜0.
    50重量部のPbOが添加され,かつ,体積分率にして
    少くとも85%が斜方晶であることを特徴とする誘電体
    磁器材料。 【表1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘電体磁器材料におい
    て,前記希土類酸化物(R2 3 )は,実質的に酸化ネ
    オジウム(Nd2 3 )からなり前記主成分は,図2に
    示されるように,前記P,Q,R,Sの4点を結んでで
    きる範囲内にあることを特徴とする誘電体磁器材料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の誘電体磁器材料におい
    て,前記希土類酸化物(R2 3 )は,酸化ジジム
    {(Nd+Pr)2 3 }からなり,前記主成分は,図
    3に示されるように前記P,Q,R,Sの4点を結んで
    できる範囲内にあることを特徴とする誘電体磁器材料。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれかに記載の
    誘電体磁器材料において,前記主成分磁器組成物は,前
    記酸化バリウム(BaO)の一部を酸化ストロンチウム
    (SrO)で置換した,一般式a′BaO−eSrO−
    bR2 3 −cBi2 3 −dTiO2 で表わされ,
    a′+b+c+d+e=100mol%,且つa=a′
    +eで,eが0.1≦e≦3.5mol%の範囲内にあ
    り,図4に示されるように,前記P,Q,R,Sの4点
    を結んでできる範囲内にあることを特徴とする誘電体磁
    器材料。
JP6310544A 1994-12-14 1994-12-14 誘電体磁器材料 Withdrawn JPH08169758A (ja)

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