JPH0817243A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH0817243A
JPH0817243A JP6171600A JP17160094A JPH0817243A JP H0817243 A JPH0817243 A JP H0817243A JP 6171600 A JP6171600 A JP 6171600A JP 17160094 A JP17160094 A JP 17160094A JP H0817243 A JPH0817243 A JP H0817243A
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JP
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mol
oxide
dielectric
composition
bao
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JP6171600A
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English (en)
Inventor
Akihiro Isomura
明宏 磯村
Makoto Marui
誠 丸井
Okikuni Takahata
興邦 高畑
Kazuya Akiyama
和也 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】優れた特性τf を有し,且つεr とQ×fのバ
ランスのとれた誘電体磁器組成物と,同等の特性を有
し、安価に得られる誘電体磁器組成物の提供。 【構成】誘電体磁器組成物は,酸化バリウム(Ba
O),Ndを必須成分として含む希土類酸化物(R2
3 ),酸化ビスマス(Bi2 3 ),及び酸化チタン
(TiO2 )を主成分とし,一般式,aBaO−bR2
3 −cBi2 3 −dTiO2 ,で表わされ,a+b
+c+d=100で,cが0.8≦c≦6.3で,a,
(b+c),dが次のP,Q,R,Sの4点を結んでで
きる範囲内にあり,かつ,体積分率にして少なくとも8
5%以上が斜方晶である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,誘電体磁器組成物に関
するもので,特に通信,及び放送機器に用いられるマイ
クロ波濾波器用の誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の通信技術の進歩は,特に自動車電
話・携帯電話に代表される移動体通信,GPS(Global Pos
itioning System)等を飛躍的に普及させつつある。しか
し,これらの通信システムは同時に使用周波数領域の拡
大をもたらし,マイクロ波帯域での周波数利用を促進さ
せつつある。
【0003】古くは,このマイクロ波周波数帯で用いら
れる回路には,空洞共振器,導波管などが用いられてい
た。しかし,これらはマイクロ波の波長と同程度の大き
さになるため,自動車用電話機・携帯電話機・GPS装
置などに適するような装置の小型化は不可能であった。
これに対し,近年,誘電体共振器を用いたマイクロ波フ
ィルター,発信器の周波数安定化を図るための小型誘電
体共振器,あるいは誘電体磁器を用いて回路の小型化を
図ること等が盛んに試みられ,民生用機器においても実
用化段階に達しつつある。
【0004】このような誘電体機器に要求される特性
は,使用周波数帯域における誘電率(以下,εr と呼
ぶ)が大きいこと,共振周波数の温度係数(以下,τf
と呼ぶ)ができるだけ零に近いこと,及びマイクロ波帯
域での誘電損失{以下,tanδ(=1/Q)と呼ぶ}
が小さいことである。なお,マイクロ波帯域で用いられ
る誘電体材料の誘電損失tanδの大小はQ×fの形で
表現されるのが普通であるので,以下の説明ではこれを
用いる。従って,Q×fの値が大きいことが誘電材料と
して優秀であることの一つの指標となる。なお,fはそ
のときの材料の共振周波数である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来,マイクロ波用誘
電体磁器材料としては,Ba(Zn1/3 ,Ta2/3 )O
3 系,BaO−TiO2 系,ZrO2 −SnO2 −Ti
2 系,BaO−TiO2 −希土類酸化物系,(Pb,
Ca)ZrO3 などが知られている。しかし,マイクロ
波帯ではεr が大きい材料ほどQが小さいという傾向が
あり,既存の材料のεr −Qの関係は図1に示すような
ものとなっている。すなわち,材料開発の狙いは図1に
示すようにできるだけ右上の部分に位置するものを見出
すことにあるといってよい。勿論,このときτf の絶対
値は実用上,十分な程度に小さいことは言うまでもな
い。
【0006】このτf はセラミックスの線膨張率(以
下,αl )と誘電率の温度係数(以下,τε)で決めら
れる。すなわち,これらの間には,下記数1式で示され
る関係がある。
【0007】
【数1】 一般的には誘電体材料として用いられるセラミックスの
αl は10ppm/℃程度以下であるので,τf の値に
対して大きな影響を有するのはτεの値である。τε
小さい誘電体材料は温度補償用コンデンサーとして用い
られ,その開発研究の歴史は1930年代に遡ることが
でき,初期においてはTiO2 に希土類酸化物を添加す
る試みがなされている{例えば,Ehlers and Roup;U.
S. Pat. 2, 398, 088, Apr. 9, 1946(filed in 1938)
}。また,1950年代以降になるとBaO−TiO
2 に希土類酸化物を添加する試みが行なわれている。例
えば,J. KainzはBaTiO3 にLa2 3 ・3TiO
2 を添加すると,添加量に伴ってBaTiO3 のキュリ
ー温度が低下し,さらには測定可能な温度範囲で強誘電
相が消失するとともに室温付近での誘電率の温度係数の
絶対値が小さくなることを示した{J. Kainz;Ber. Deu
t. Keram. Ges., 35 [3]69-77(1958)}。またR.L.
BoltonはLa,Pr,Nd,ジジムの酸化物,あ
るいは,それらの炭酸塩をBaO−TiO2 系に添加す
る試みを系統的に行ない,それらの温度補償用コンデン
サー材料としての可能性を示唆した{R. L. Bolton;Dr.
Thesis, Ceramic Engineering, Univ. of Illinois, U
rbana Ill. (1968) }。Boltonは結晶構造についても調
査を行ない,τεの小さい領域に二つの未知の3元系化
合物相が存在することを指摘している。このうちの一つ
は約21%BaO−64%TiO2 −15%希土類酸化
物(mol)の組成であるとしたが,それら二つ化合物
の同定には至らなかった。1981年になると,D.Kola
r らがBaO−Nd2 3 −TiO2 系でBaNd2
3 10相,BaNd2 Ti5 14相の存在を指摘して
いる{D. Kolar et al;J. Solid State Chem., 38 (198
1)158 }。一方,Ba3.75Pr9.5 Ti1854相の存在
を指摘しているグループ{R. G. Matveevaet al;Russia
n J. Inorganic Chemisty, 29(1984)17}や,BaNd
2 Ti5 14相は存在せず,Ba3.75Nd9.5 Ti18
54相が存在することを示したグループもある{T. Jaako
la et al;J. Am. Ceram. Soc., 69 (1986)C234}。この
ようにBaO−TiO2 −希土類酸化物系化合物の組成
比については諸説が乱れ飛んでいたが,最近になってB
aO:R2 3 :TiO2 =1:1:4(モル)の組成
比の化合物の存在を裏付けるような報告{J. Takahashi
et al;J. Am. Ceram.Soc., 74(1991)1868,1873}や,
上記の組成比を中心としてBa6-3x8+2xTi18
54(0≦x≦1)の形で表現される固溶体が存在するこ
とを指摘する報告がなされている(H. Ohsato et al;Jp
n. J. Appl. Phys., 32 (1993)4323}。組成的に見て,
x=0としたこの固溶体の端成分は,Boltonが指
摘した約21%BaO−64%TiO2 −15%希土類
酸化物(mol)の組成の化合物と同一であるとみてよ
い。
【0008】しかし,この固溶体そのもののマイクロ波
での誘電特性は必ずしも十分満足すべきものではない。
例えば,Boltonの論文で固溶体組成の21%Ba
O−64%TiO2 −15%希土類酸化物(mol)に
最も近い19.9%BaO−63.8%TiO2 −1
6.3%ジジム酸化物(mol)ではεr =83.4,
τε=−662ppm/℃であることが述べられている
が,この特性値では,τf が662ppm/℃以上にな
るので,マイクロ波帯での使用に耐えない。また,H.
OhsatoらはBa3.759.5 Ti1854(R=N
d,Pr,Sm)のマイクロ波誘電特性を示している
{Jpn. J. Appl. Phys., 31(1992)3136 }が,これらも
十分なものではない。
【0009】一方,BaO−TiO2 −希土類酸化物系
の温度補償用コンデンサー材料の誘電特性については,
前述のR.L.Bolton以外に例えば特公昭45−
46501号で示されているが,そこに示される組成で
は|τε|≦30ppm/℃の条件下ではεr ≦63で
ある。また,特公昭55−20602号,アメリカ合衆
国特許3,775,142号(1971年1月26日登
録),ドイツ連邦共和国特許公開公報2,848,69
3号(1978年11月9日出願)などではBaO−N
2 3 −TiO2 組成にBi2 3 を加えた温度補償
用コンデンサー用材料が提案されている。しかしなが
ら,特公昭55−20602号では|τε|≦30pp
m/℃となる組成ではεr が143に達する組成も示さ
れているが,マイクロ波帯での誘電特性についてはなん
ら示唆されていない。また,アメリカ合衆国特許3,7
75,142号,ドイツ連合共和国特許公開公報2,8
48,693号では|τε|≦30ppm/℃となる組
成も指摘されてはいるが,εr の最大値は87である。
【0010】一方,マイクロ波における特性に着目した
Nd2 3 を必須とする誘電体材料についても数多く提
案されている。例えば,特公昭59−51091号では
BaO−Nd2 3 −Bi2 3 −TiO2 を主成分と
する誘電体磁器の組成が提案されているが,|τr |の
最大値は17ppm/℃で,そのときのεr は91であ
り,十分でない。また,特開昭62−187163号に
も同様の組成磁器が提案されており,τf =−3ppm
/℃,εr =91,Q=1100(4GHzにて)とな
る組成が示されているが,εr とQのバランスは低い。
特開昭61−215255号にも同様の組成が提案れて
いるが,結晶構造,焼結体組織等についてはなんら考慮
されていない。
【0011】また,特開昭62−100906号には,
BaO−TiO2 −Nd2 3 −Sm2 3 −Bi2
3 を主成分とする誘電体磁器の製法が提案されている
が,εr は81で部品の小型化のためには不十分であ
る。特開昭63−237306号にはBaO−TiO2
−Nd2 3 −Sm2 3 −CeO2 −Bi2 3 を主
成分とする誘電体磁器が示されているが,εr の最大値
は93であって上記と同様不十分である。特開平4−1
04946号,特開平4−295049〜295050
号にはBaO−TiO2 −Nd2 3 −Sm2 3 −B
2 3 の組成,BaOのSrOによる置換,及びAl
2 3 添加が提案されているが,さきほどの|τr |≦
15ppm/℃という目安を設ければεr の最大値は1
05であり,なかにはεr =116に達するものもある
が,τf =25ppm/℃と劣化する。さらにεr に対
してQの値は概して小さい。要するにこれまでに提案さ
れている技術では|τr |≦10ppm/℃の条件を考
慮したときにεr ,Q×fのバランスをみると図1の曲
線の上方に位置する組成域が示されていない。
【0012】そこで,本発明の第1技術的課題は,優れ
た特性τf を有し,且つεr とQ×fのバランスのとれ
た誘電体磁器組成物を提供することにある。
【0013】また,本発明の第2の技術的課題は,この
誘電体磁器組成物と同等の特性を有するとともに安価な
得られる誘電体磁器組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する誘
電体磁器組成物として本発明者は,酸化バリウム(Ba
O),Ndを必須成分として含む希土類酸化物(R2
3 ),酸化ビスマス(Bi2 3 ),及び酸化チタン
(TiO2 )を主成分とし,一般式aBaO−bR2
3 −cBi2 3 −dTiO2 ,で表わされ,a+b+
c+d=100で,cが0.8≦c≦6.3で,a,
(b+c),dが下記の表1に示されるP,Q,R,S
の4点を結んでできる範囲内にあり,かつ,体積分率に
して少なくとも80%以上が斜方晶である誘電体磁器組
成物を見い出し本発明を成すに至ったものである。
【0015】
【表1】 また,本発明の誘電体磁器組成物において,前記希土類
酸化物(R2 3 )は,酸化ネオジウム(Nd2 3
からなり,体積分率にして90%以上が斜方晶であるこ
とが好ましい。
【0016】また,本発明の誘電体磁器組成物におい
て,前記希土類酸化物(R2 3 )は,酸化ジジム
((Nd+Pr)2 3 )からなり,a,(b+c),
dが下記の表2P,Q,R,Sの4点を結んでできる範
囲内にあり,かつ,体積分率にして85%以上が斜方晶
であることが好ましい。
【0017】
【表2】 また,本発明の誘電体磁器材料において,酸化バリウム
(BaO)の一部を酸化ストロンチウム(SrO)で置
換した,一般式,aBaO−eSrO−bR23 −c
Bi2 3 −dTiO2 ,(但し,a+eは,12.6
≦a+e≦18.0(mol%)の範囲内にあり,か
つ,eが0.1≦e≦3.5(mol%)の範囲内にあ
る)で表わされることが好ましい。
【0018】上記本発明の誘電体磁器組成物のεr とQ
×fの関係は,図1に示す曲線の上方に位置する。即
ち,マイクロ波における誘電体材料では|τr |がある
一定の値よりも小さい(例えば,|τr |≦10ppm
/℃)という制約下においてQ×f値はεr に対して図
1に示す曲線を越えられなかったが,本発明によれば組
成の最適化がなされることによって均一な結晶構造の磁
器が得られ,従来のεrvsQ×fの関係を上回る誘電
特性とすることができる。
【0019】尚,本発明において,酸化ジジムは,不純
物以外の成分が,Nd2 3 とPr6 11とからなり,
かつ,Nd2 3 /(Nd2 3 +Pr6 11)が72
重量%以上のものである。しかし,明細書の表16に後
述するように,その原料とする鉱石の産地によって異な
り,Nd2 3 /(Nd2 3 +Pr6 11)としたと
き,概ね75〜85重量%程度である。また,Pr酸化
物は,Pr6 11の形で存在するが,本発明に誘電体磁
器組成物中では,価数が3と考えられているので,便宜
上,本明細書中では,酸化ジジムを(Nd+Pr)2
3 として表している。
【0020】
【作用】従来,BaO−TiO2 −希土類酸化物系の誘
電材料では|τf |を0ppm/℃に近づけるにはτf
が正の化合物相と負の化合物を混在させることによって
なされてきた{K. Wakino, K. Minai, and H. Tamura:
J. Am. Ceram. Soc., 67(1984)278 }。しかし,このよ
うに複数の化合物相が同時に存在することはQ×fの劣
化を引き起こすことも知られている{J. Takahashi, K.
Kageyama, and K. Kodama: Jpn. J. Appl. Phys., 32
(1993)4327 }。
【0021】しかしながら,本発明によれば,焼結体中
に生成される化合物相がほぼ均一にできることから小さ
い|τf |,大きいεr ,高いQ×fを同時に有する誘
電体磁器を得ることができる。
【0022】また,図9は新金属早わかりシリーズN
o.2,レア・アース新版第67頁,新金属協会編発
行,平成元年12月1日改訂4版の第3−2−3図から
引用したもので,この図に示すように混合希土の分離精
製においては,分離の第1段階で(La,Ce,Pr,
Nd)のグループと(Sm,Eu,Gd,Tb,Y,D
y,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)のグループに分け
られる。最初のグループからはまずCeが分別され,次
いでLaが分別される。NdとPrは化学的性質が酷似
しており,分別が行なわれるのは一番最後の工程にな
る。ここではNd2 3 ,Pr6 11の混合物をジジム
酸化物と称することとしているが,ジジム酸化物を得る
ためには,Nd2 3 を得るための最終の精製工程を省
略すればよいのでジジム酸化物はNd2 3 よりも安価
である。しかしながら,例えばR.L.Boltonが
指摘しているように,BaO−TiO2 −希土類酸化物
系の誘電体磁器では希土類酸化物のイオン半径が大きい
ほどτf (誘電率の温度係数)の絶対値が大きくなるこ
とが知られている(Dr. Thesis, Ceramic Engineering.
Univ. Illinois, Urbana, USA) 。
【0023】一方,τf =−αl −(1/2)tεの関
係があることから,Nd2 3 に代えてジジム酸化物を
使用することは|τf |を小さくする目的からはむしろ
マイナスである。しかし,本発明によれば組成の最適
化,及び置換元素の種類と量の最適化によってNd2
3 に代えてジジム酸化物を使用してもεr ,Q×fを高
い値に保ったまま|τf |を小さくすることが可能であ
る。従って,本発明に基づけば,Nd2 3 に換えてジ
ジム酸化物を使用することが可能となり,原料コストの
削減がなされ,工業的価値が大きいのみならず,ジジム
酸化物からNd23 を得る工程で必要とされる電力な
ども節約できるため地球環境保護の見地からみても寄与
は大きい。
【0024】
【実施例】以下,実施例に基づいて本発明の詳細を説明
する。
【0025】(実施例1)まず,BaCO3 ,Nd2
3 ,Bi2 3 ,TiO2 の出発原料を各組成に応じて
秤量し,ジルコニアボールにより樹脂製のボールミルで
湿式混合した。この混合物を乾燥させた後,大気中にお
いて1150℃で仮焼した。さらに前記ボールミルでこ
の仮焼物を湿式粉砕した後,直径15mm,厚さ約6m
mの円盤状に成形,大気中において1300〜1400
℃の温度で焼結し,下記表3及び表4に示す組成の磁器
を得た。ここで組成は,一般式aBaO−bNd2 3
−cBi2 3 −dTiO2 (モル%,a+b+c+d
=100)のように表わした。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】 次いで,これらの磁器について誘電体共振器法により,
誘電率εr ,誘電損失Q×f,及び共振周波数の温度依
存性τf を測定した。共振周波数の温度係数は+25〜
80℃の範囲の温度における共振周波数の値から求め
た。なお,共振周波数は2.5〜3.0GHzであっ
た。
【0028】(実施例2)BaCO3 ,SrCO3 ,N
2 3 ,Bi2 3 ,TiO2 の出発原料を各組成に
応じて秤量し,実施例1に示したのと同様の方法で表3
に示す組成の磁器を得た。ここで組成は,一般式,aB
aO−eLa2 3 −bNd2 3 −cBi2 3 −d
TiO2 (モル%,a+b+c+d+e=100)のよ
うに表わした。
【0029】次いで,これらの磁器について実施例1に
示したものと同様の測定を行なったところ,下記表5に
示す結果を得た。また,比較例として,下記表6,表7
に本発明の実施例の範囲外の特性及び組成を示した。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】 ここで本発明において組成の限定理由について説明す
る。
【0033】図2に示すように,2点P,Qの中点を
M,2点R,Sの中点をNとしたときに,(BaO+S
rO),(Nd2 3 +Bi2 3 ),TiO2 量につ
いて最も望ましいのは2点M,Nを結ぶ線上の組成であ
る。
【0034】図3乃至図6の写真で黒っぽく見えるのは
Nd4 Ti9 24にわずかにBiが固溶した(Nd,B
i)4 Ti9 24相である。また,下記表8に,これら
の図に示した焼結体の主相,及び異相の分析結果(エネ
ルギー分散型X線分析装置による)を示した。
【0035】
【表8】 図3に示すように,線分MN上の組成では焼結体はほぼ
Ba6-3x(Nd,Bi)8+2xTi1854単相である。図
5,図6に示すようにこの線上から外れた組成では,逸
脱の度合いが大きいほど多量の(Nd,Bi)4 Ti9
24相が生成される。比較例(試料番号65)に示すよ
うに,このNd4 Ti9 24のτf は62ppm/℃で
主相のτf に比べかなり大きく,逆にεr は小さい。ま
た,Nd4 Ti9 24にBiがわずかに固溶するとτf
はさらに一層劣化する。τf の異なる複数の相が一つの
磁器中に存在する場合,その磁器のτf はそれぞれの相
のτf に体積分率を乗じたものの和にほぼ等しいことが
報告されており{例えば,S. Nishigaki et al, J. Am.
Ceram. Soc. 71 (1988) C-11,及びJ. Takahashi et a
l, Jpn. J. Appl. Soc., 32 (1993)4327 など},(N
d,Bi)4 Ti9 24相が焼結体中に存在することは
特性上好ましくない。しかし,試料番号31{図5}の
程度の組成のズレであれば誘電特性上,ダメージはさほ
どではない。しかし,試料番号32{図6}の程度の組
成ズレは誘電特性上,ダメージが大きくなる。主相であ
るBa6-3x(Nd,Bi)8+2XTi1854,あるいは
(Ba,Sr)6-3x(Nd,Bi)8+2xTi1854相の
Bi量に比べ,(Nd,Bi)4 Ti9 24中のBi量
は概ね80%程度であることが組成分析によりわかって
いる。(表8)。本発明のうちでも特に優れたゆう誘電
特性の磁器が得られるBi:(Nd+Bi)の比が0.
1〜0.2のときに,(Nd,Bi)4 Ti9 24相の
Bi:(Nd+Bi)の比は,0.08〜0.16程度
であると,期待し得る。このとき,(Nd,Bi)4
9 24相のτf は概ね80〜100ppm/℃である
から,主相のτf が0ppm/℃程度であったとすれ
ば,(Nd,Bi)4 Ti9 24相の体積分率が15%
以下であれば,焼結体全体のτf の絶対値を15ppm
/℃程度以下に押さえることができる。また,本発明中
で最大許されるBi:(Nd+Bi)比の値は0.42
であるから,(Nd,Bi)4 Ti9 24中のBi:
(Nd+Bi)比は最大でも0.336程度である。
【0036】図7より,Bi:(Nd+Bi)=0.3
36のときのτf は約150ppm/℃である。仮に,
Ba6-3x(Nd,Bi)8+2XTi1854,あるいは(B
a,Sr)6-3x(Nd,Bi)8+2xTi1854相のτf
が概ね0ppm/℃であったとすれば,焼結体中に生成
される(Nd,Bi)4 Ti9 24の体積分率が10%
以下であれば,焼結体全体のτf は15ppm/℃以下
程度になる。(Nd,Bi)4 Ti9 24相の体積分率
が5%以下であれば,主相のτf が3ppm/℃程度で
ある場合でもほぼ確実にτf は10ppm/℃以下程度
となり,さらに有利である。誘電特性の劣化の度合い,
工業的に見た場合の組成のバラツキ等を考慮して,図2
の4点P,Q,R,Sに囲まれた領域であれば(Nd,
Bi)4Ti9 24の体積分率が15%以下にすること
ができる。
【0037】個々の組成を限定した理由を以下に述べ
る。まず(BaO+SrO)が少ないと,Ba6-3x
8+2xTi1854相が安定ではなくなり,13.7mol
%を下回ると焼結体中にわずかずつ(Nd,Bi)4
9 24相が生成されるようになる{図4}。しかし,
13.1mol%程度では生成量はごくわずかで誘電特
性上の問題点は極めて小さい。しかし,12.6mol
%を下回ると焼結体中に固溶体Ba6-3x8+2xTi18
54相以外に(Nd,Bi)4 Ti9 24相の存在量が無
視できない程度に大きくなる。この(Nd,Bi)4
9 24相の誘電特性は表3に示すようなものであり,
主相の誘電特性を下回るので,焼結体の誘電特性劣化を
招き,好ましくない。それ故,(BaO+SrO)の下
限量を12.6mol%とした。また,(BaO+Sr
O)が18.0mol%を上回るとεr は大きくなる
が,τf が正で大きくなる。τf の値はこの固溶体では
BaとRの平均のイオン半径で決に依存するが,(Ba
O+SrO)量が多くなれば平均イオン半径はτf を小
さくするための理想的な値から遠ざかるために好ましく
なく,BaO量の上限を18.0mol%とした。
【0038】BaOの一部を置換する形でSrOを加え
ると焼結性,及びτf が改善されるが,SrOを増すに
つれ,τf が逆に劣化し,3.5mol%を上回るとτ
f の劣化は無視しがたくなるので,3.5mol%を上
限とした。
【0039】Bi2 3 はNd2 3 の一部を置換する
形で添加する。この置換によればBi2 3 置換量に伴
ってεr の増大とτf の改善がなされる。しかし,Bi
2 3 のNd2 3 に対する置換量が4mol%以下,
全体から見てBi2 3 量が0.8mol%以下では上
記の置換効果が乏しい。特にNd2 3 に対する置換量
が8mol%以上,すなわち全体に対して1.2mol
%以上のBi2 3 量であれば特に置換効果が大きい。
しかし,Bi2 3 量を増すと,Nd2 3 に対するB
2 3 置換量が10〜20mol%,すなわち全体に
対しては1.5〜3.9mol%程度のときが最小値を
取り,それ以上のBi2 3 量では置換量に伴ってτf
が劣化し始め,さらにはQの劣化も大きくなり始める。
全体に対するBi2 3 量が6.3mol%を越える程
度ではこのτf ,Qの劣化はもはや容認しがたい程度に
大きくなる。特にBi2 3 量が全体に対して5.4m
ol%以下であればεr ,τf ,Qのバランスがよいの
で好ましい。
【0040】TiO2 ,(Nd2 3 +Bi2 3 )量
が図2に示す四角形PQRS外になった場合のマイナス
面について述べる。まず,辺PQよりも右側になった場
合,TiO2 が少なく,(Nd2 3 +Bi2 3 )が
多くなることから,焼結体中に低εr のBa(Nd,B
i)2 Ti3 10相が生成されるため,εr の劣化を招
く。また,Nd2 3 の多い場合にはBa(Nd,B
i)2 Ti3 10相の他に(Nd,Bi)4 Ti9 24
相も生成されるため,これも好ましくない。図2で辺P
Sの左側の組成でBaOの少ない領域では相対的にTi
2 が多くなるためにTiO2 が生成されるため,τf
が劣化する。またBaOが多い領域ではBaTi
4 9 ,Ba2 Ti9 20などの低εf 化合物が生成さ
れためεr の劣化を招くため好ましくない。
【0041】(実施例3)まず,BaCO3 ,ジジム酸
化物(Nd+Pr)2 3 ,Bi2 3 ,TiO2 の出
発原料を各組成に応じて秤量し,ジルコニアボールを用
い,樹脂製のボールミルで湿式混合した。この混合物を
乾燥させた後,大気中において1150℃で仮焼した。
さらに前記ボールミルでこの仮焼物を湿式粉砕した後,
直径15mm,厚さ約6mmの円盤状に成形,大気中に
おいて1300〜1400℃の温度で焼結し,下記表9
に示す組成の磁器を得た。ここで組成は,一般式,aB
aO−b(Nd+Pr)2 3 −cBi2 3 −dTi
2 (モル%,a+b+c+d=100)のように表わ
した。また,ジジム酸化物の組成は下記表10に示すよ
うなものであった。なお,ジジム酸化物の秤量はPr2
3 を1molに換算して行なった。
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】 次いで,これらの磁器について誘電体共振器法により,
誘電率,誘電損失,及び共振周波数の温度依存性を測定
した。共振周波数の温度係数は+25〜80℃の範囲の
温度における共振周波数の値から求めた。なお,共振周
波数は2.5〜3.0GHzであった。
【0044】(実施例4)BaCO3 ,SrCO3 ,ジ
ジム酸化物(Nd+Pr)2 3 ,Bi2 3 ,TiO
2 の出発原料を各組成に応じて秤量し,実施例3に示し
たのと同様の方法で表9に示す組成の磁器を得た。ここ
で組成は,一般式,aBaO−eSrO−b(Nd+P
r)2 3 −cBi2 3 −dTiO2 (モル%,a+
b+c+d+e=100)のように表わした。
【0045】次いで,これらの磁器について実施例3に
示したものと同様の測定を行なったところ,下記表11
に示す結果を得た。
【0046】
【表11】 (実施例5)BaCO3 ジジム酸化物(Nd+Pr)2
3 ,Bi2 3 ,TiO2 の出発原料を各組成に応じ
て秤量し,実施例3に示したのと同様の方法で上記表9
に示した組成の磁器を得た。ここで組成は,aBaO−
b(Nd+Pr)2 3 −cBiO3 −dTiO2 (モ
ル%,a+b+c+d=100)のように表わした。
【0047】次いで,これらの磁器について実施例3に
示したものと同様の測定を行なったところ,下記表12
に示す結果を得た。また,ジジム酸化物の組成は下記の
表13に示すようなものであった。なお,ジジム酸化物
の秤量はPr2 3 を1molに換算して行なった。
【0048】
【表12】
【0049】
【表13】 (比較例)BaCO3 ,複合希土酸化物(La2 3
Nd2 3 +Pr2 3 ),Bi2 3 ,TiO2 の出
発原料を各組成に応じて秤量し,実施例3に示したのと
同様の方法で前記表9に示す組成の磁器を得た。ここで
組成は,aBaO−b(La2 3 +Nd2 3 +Pr
2 3 )−cBiO3 −dTiO2 (モル%,a+b+
c+d=100)のように表わした。
【0050】次いで,これらの磁器について実施例3に
示したものと同様の測定を行なったところ,下記表14
に示す結果を得た。また,複合希土酸化物の組成は下記
の表15に示すようなものであった。すなわち,この原
料はCeO2 を取り除いた後,La2 3 の分別はあま
り行なっていないものである。なお,複合希土酸化物の
秤量はPr2 3 を1molに換算して行なった。
【0051】
【表14】
【0052】
【表15】 上記表14に示すようにこの希土類原料を用いた場合に
はQ×f,|τf |が劣化するという欠点がある。
【0053】ここで,本発明の実施例3乃至4における
組成の限定理由について述べる。
【0054】図8で2点P,Qの中点をM,2点R,S
の中点をNとしたときに,(BaO+SrO),(Nd
2 3 +Pr6 11+Bi2 3 ),TiO2 量につい
て最も望ましいのは2点M,Nを結ぶ線上の組成であ
る。この線上から外れた組成では,逸脱の度合いが大き
いほど低εr ,大|τf |の(Nd,Bi)4 Ti9
24相が多量に生成されるので好ましくない。誘電特性の
劣化の度合い,工業的に見た場合の組成のバラツキ等を
考慮して,図8の4点P,Q,R,Sに囲まれた領域で
あれば(Nd,Bi)4 Ti9 24の体積分率を15%
以下にすることができる。
【0055】個々の組成を限定した理由を以下に述べ
る。まず(BaO+SrO)が少ないと,Ba6-3x
8+2xTi1824相が安定ではなくなり,13.7mol
%を下回ると焼結体中にわずかずつ(Nd,Pr,B
i)4 Ti9 24相が生成されるようになる。しかし,
13.1mol%程度では生成量はごくわずかで誘電特
性上の問題点は極めて小さい。しかし,12.6mol
%を下回ると焼結体中に固溶体Ba6-3x8+2xTi18
24相以外に(Nd,Pr,Bi)4 Ti9 24相の存在
量が無視できない程度に大きくなる。この(Nd,P
r,Bi)4 Ti9 24相の誘電特性は主相の誘電特性
を下回るので,焼結体の誘電特性劣化を招き,好ましく
ない。それ故,(BaO+SrO)の下限量を12.6
molとした。また,(BaO+SrO)が18.0m
ol%を上回るとεr は大きくなるが,τf が正で大き
くなる。τf の値はこの固溶体ではBaとRの平均のイ
オン半径に依存するが,(BaO+SrO)量が多くな
れば平均イオン半径はτf を小さくするために理想的な
値から遠ざかるために好ましくなく,BaO量の上限を
18.0mol%とした。
【0056】BaOの一部を置換する形でSrOを加え
ると焼結性,及びτf が改善されるが,SrOを増すに
つれ,τf が逆に劣化し,3.5mol%を上回るとτ
f の劣化は無視しがたくなるので,3.5mol%を上
限とした。
【0057】Bi2 3 は(Nd2 3 +Pr2 3
の一部を置換する形で添加する。この置換によればBi
2 3 置換量に伴ってεr の増大とτf の改善がなされ
る。しかし,Bi2 3 の(Nd2 3 +Pr2 3
に対する置換量が4mol%以下,全体から見てBi2
3 量が0.8mol%以下では上記の置換効果が乏し
い。特に(Nd2 3 +Pr2 3 )に対する置換量が
8mol%以上,すなわち全体に対して1.2mol%
以上のBi2 3 量があれば特に置換効果が大きい。し
かし,Bi2 3 量を増すと,(Nd2 3 +Pr2
3 )に対するBi2 3 置換量が10〜20mol%,
すなわち全体に対しては1.5〜3.9mol%程度の
ときが最小値を取り,それ以上のBi2 3 量では置換
量に伴ってτf が劣化し始め,さらにはQの劣化も大き
くなり始める。全体に対するBi2 3 量が6.3mo
l%を越える程度ではこのτf ,Qの劣化はもはや確認
しがたい程度に大きくなる。特にBi2 3 量が全体に
対して5.4mol%以下であれば,εr ,τf ,Qの
バランスがよいので好ましい。
【0058】TiO2 ,(Nd2 3 +Pr2 3 +B
2 3 )量が図8に示す四角形PQRS外になった場
合のマイナス面について述べる。まず,辺PQよりも右
側になった場合,TiO2 が少なく,(Nd2 3 +P
2 3 +Bi2 3 )が多くなることから,焼結体中
に低εr のBa(Nd,Pr,Bi)2 Ti3 10相が
生成されるため,εr の劣化を招く。また,Nd2 3
の多い場合にはBa(Nd,Pr,Bi)2 Ti3 10
相の他に(Nd,Pr,Bi)4 Ti9 24相も生成さ
れるため,これも好ましくない。図8で辺PSの左側の
組成でBaOの少ない領域では相対的にTiO2 が多く
なるためにTiO2 が生成されるため,τf が劣化す
る。またBaOが多い領域ではBaTi4 9 ,Ba2
Ti9 20などの低εr 化合物が生成されるためεr
劣化を招き,好ましくない。
【0059】さらに,ジジム酸化物の組成については,
比較例に示すようにLa2 3 を十分に分別したものを
使用しないと|τf |,Q×fの劣化を招き,好ましく
ない。しかし,下記表16に示す希土類元素鉱石のう
ち,バストネサイト,モナザイト,イオン吸着型鉱のう
ちの中国尋島鉱などの,Nd2 3 ,Pr6 11以外の
希土類を取り除いたものを用いても組成の選びかたを適
切に行なえば,純度の高いNd2 3 を用いた場合と比
べ,誘電特性上遜色のない材料が得られる。バストネサ
イト,モナザイト,イオン吸着型鉱のうちの中国尋鳥鉱
では{100×Nd2 3 /(Nd2 3 +Pr
6 11)}が75〜81%であるのでこれらの鉱石から
Sm以上の原子番号の希土類元素とCe,Laを除いた
原料を用いれば本発明による誘電体磁器材料を得ること
ができる。Nd2 3 とPr6 11の比率については,
希土類原料精製の肯定でのバラツキを考慮し,Nd2
3 が(Nd2 3 +Pr6 11)の72重量%以上であ
ればよく,74%以上であればさらに好ましい。
【0060】
【表16】 尚,表16は,新金属早わかりシリーズNo.2,レア
・アース新版P32−33,(新金属協会編発行,平成
元年12月1日改訂4版による)。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
優れた特性τf を有し,且つεr とQ×fのバランスの
とれた誘電体磁器組成物を提供することができる。
【0062】さらに,本発明によれば,この誘電体磁器
組成物と同等の特性を有するとともに安価な得られる誘
電体磁器組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明および既存のマイクロ波誘電体材料の特
性を示す図である。
【図2】本発明の実施例1及び2に係る誘電体磁器組成
物の組成を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る誘電体磁器組成物の粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明の実施例に係る誘電体磁器組成物の粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明の実施例に係る誘電体磁器組成物の粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図6】比較例に係る誘電体磁器組成物の粒子構造を示
す電子顕微鏡写真である。
【図7】本発明の実施例に係る誘電体磁器組成物の特性
を示す図である。
【図8】本発明の実施例3乃至5に係る誘電体磁器組成
物の組成を示す図である。
【図9】一般的なレア・アース分離・精製系統図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 和也 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化バリウム(BaO),Ndを必須成
    分として含む希土類酸化物(R2 3 ),酸化ビスマス
    (Bi2 3 ),及び酸化チタン(TiO2)を主成分
    とし,一般式aBaO−bR2 3 −cBi2 3 −d
    TiO2 ,で表わされ,a+b+c+d=100で,c
    が 0.8≦c≦6.3 で,a,(b+c),dが次のP,Q,R,Sの4点を
    結んでできる範囲内にあり,かつ,体積分率にして少な
    くとも85%以上が斜方晶であることを特徴とする誘電
    体磁器組成物。 a b+c d P 18.0mol% 15.0mol% 67.0mol% Q 18.0mol% 17.0mol% 65.0mol% R 12.6mol% 19.7mol% 67.7mol% S 12.6mol% 17.7mol% 69.7mol%
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘電体磁器組成物におい
    て,前記希土類酸化物(R2 3 )は,酸化ネオジウム
    (Nd2 3 )からなり,体積分率にして85%以上が
    斜方晶であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の誘電体磁器組成物におい
    て,前記希土類酸化物(R2 3 )は,酸化ジジム
    ((Nd+Pr)2 3 )からなり,a,(b+c),
    dが次のP,Q,R,Sの4点を結んでできる範囲内に
    あり,かつ,体積分率にして85%以上が斜方晶である
    ことを特徴とする誘電体磁器組成物。 a b+c d P 18.0mol% 15.0mol% 67.0mol% Q 18.0mol% 17.0mol% 65.0mol% R 12.6mol% 19.7mol% 67.7mol% S 12.6mol% 17.7mol% 69.7mol%
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の誘電
    体磁器材料において,酸化バリウム(BaO)の一部を
    酸化ストロンチウム(SrO)で置換した,一般式,a
    BaO−eSrO−bR2 3 −cBi2 3 −dTi
    2 ,(但し,a+eは,12.6≦a+e≦18.0
    (mol%)の範囲内にあり,かつ,eが0.1≦e≦
    3.5(mol%)の範囲内にある)で表わされること
    を特徴とする誘電体磁器組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999062839A1 (fr) * 1998-06-04 1999-12-09 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Composition ceramique dielectrique hyperfrequence
WO1999062840A1 (fr) * 1996-11-07 1999-12-09 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Composition ceramique dielectrique hyperfrequence
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