JP3481767B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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Description
器組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、自動車電話、コードレステレホ
ン、パーソナル無線、衛星放送受信器の実用化に伴うマ
イクロ波回路のIC化への発展、ガン発振器の利用範囲
の拡大、ガリウムヒ素電界効果型トランジスタ(GaA
sFET)使用の発振器への応用等、マイクロ波領域で
誘電体磁器が広く使用されている。 【0003】このような高周波用誘電体磁器は主に共振
器に用いられるが、そこに要求される特性として(1)
誘電体中では電磁波の波長が1/√εr (但しεr は誘
電率)に短縮され、同じ共振周波数ならば誘電率が大き
いほど小型化できるため、可能な限り誘電率が大である
こと、(2)高周波での誘電損失が小さいこと、(3)
共振周波数の温度に対する変化率が少ないこと、即ち誘
電率の温度依存性が小さくかつ安定であること、以上の
3特性が挙げられる。 【0004】また、マイクロ波領域でも低周波数帯域と
される1GHz程度に適用する場合は、波長がかなり大
きくなるため、小型化を図るためには誘電率がかなり高
いものを必要とする。 【0005】従来この種の誘電体磁器としては、例えば
BaO−TiO2 系材料、BaO−REO−TiO
2 (但しREOは希土類元素の酸化物、以下同様)KE
I材料、及び(BaSr)(ZrTi)O3 系材料など
が知られている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、BaO
−TiO2 系材料及び(BaSr)(ZrTi)O3 系
材料は、4〜10GHzの高周波帯域では非常に優れた
誘電損失を有するものの、誘電率が29〜40と低く、
特に1GHz程度の周波数帯域では小型化するには実用
上問題が生じる。また、誘電率を上げると共振周波数の
温度特性あるいは誘電損失が極端に劣化する傾向があ
る。 【0007】一方、BaO−REO−TiO2 系材料と
しては、BaO−Nd2 O3 −TiO2 系やBaO−S
m2 O3 −TiO2 系等が知られているが、これらの系
では誘電率が90〜100のレベルあるいは共振周波数
の温度係数τf が0に近い領域を含むもの等が案出され
ているものの、両者を満足するものや誘電損失の小さい
ものは得られていなかった。 【0008】また、BaO−REO−TiO2 系材料に
Bi2 O3 を添加することによって誘電率を高くできる
ことが知られているが、その反面温度係数が+側に大き
くなるという欠点を有していた。 【0009】さらに、BaO−Nd2 O3 −TiO2 系
にBi2 O3 を添加した材料においては、焼成温度の変
化によって磁器密度、誘電率、Q値が大きく変化するた
め、焼成温度の厳密なコントロールが必要であった。そ
のため、焼成炉内での温度ばらつきや焼成バッチによっ
て磁器密度、誘電率、Q値が変化して、量産性に欠ける
という問題があった。また、絶縁破壊電圧が低いという
問題もあった。 【0010】本発明は上記の欠点に鑑みて成されたもの
で、共振器の小型化を可能とするため誘電率が高く(7
0以上)、可能な限り誘電損失を低くし、誘電率の温度
依存性が小さくかつ安定で、誘電体共振器の共振周波数
の温度依存性が小さくかつ安定な高周波用誘電体磁器組
成物を提供することを目的とする。 【0011】また、本発明は、焼成温度に対する誘電
率、Q値等の変化率が小さく量産性に優れるとともに、
高い絶縁性を有する誘電体磁器組成物を提供することを
目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は、Ba,Nd,
Ti,Biを含有し、組成式をaBaO・bNd2 O3
・cTiO2 ・dBi2 O3 と表したとき、前記a,
b,c,dが、 0.110≦a≦0.170 0.150≦b≦0.200 0.640≦c≦0.710 0.010≦d≦0.060 を満足する複合酸化物に対し、金属元素としてNb,
P,Mnを、Nb2 O5 換算で0.02〜0.24重量
%、P2 O5 換算で0.01〜0.20重量%、MnO
2 換算で0.05〜0.40重量%含有する誘電体磁器
組成物を特徴とする。 【0013】ここで、a〜dを上記範囲に限定した理由
は以下の通りである。aを0.110〜0.170とし
たのは、0.110未満では誘電率が低下し、0.17
0を超えるとQ値が低下するためである。bを0.15
0〜0.200としたのは、0.150未満では誘電率
が低下し、0.200を超えるとQ値が低下し、また焼
結が困難となるためである。cを0.640〜0.71
0としたのは、0.640未満または0.710を超え
るとQ値が低下するためである。dを0.010〜0.
060としたのは、0.010未満ではτf が+側に大
きくなり、0.060を超えるとQ値が低下するためで
ある。 【0014】さらに、添加成分を上記範囲に限定した理
由は以下の通りである。Nb2 O5を0.02〜0.2
4重量%としたのは、0.02重量%未満では絶縁破壊
電圧が低下し、0.24重量%を超えるとQ値が低下す
るためである。P2 O5 を0.01〜0.20重量%と
したのは、0.01重量%未満または0.20重量%を
超えると焼結が困難となるためである。MnO2 を0.
05〜0.40重量%としたのは、0.05重量%未満
または0.40重量%を超えるとQ値が低下するためで
ある。 【0015】また、添加成分として、上記に加えてK2
Oを0.07重量%以下の範囲で含むことが好ましい。
なお、K2 Oを0.07重量%以下としたのは0.07
重量%を超えると焼結が困難となるためである。 【0016】さらに、不純物として、La2 O3 ,Ce
O2 ,Sm2 O3 ,Na2 O,Y2O3 ,Eu2 O3 ,
Fe2 O3 ,Pr6 O11,SiO2 ,CaOの一種以上
を0.005重量%以下の範囲で含んでいても良い。 【0017】また、本発明の誘電体磁器組成物は、密度
を5.4〜6.2g/cm3 の範囲とすることが好まし
い。これは、密度が5.4g/cm3 未満であると誘電
率とQ値が低下するためである。 【0018】なお、本発明の磁器を製造する場合は、磁
器を構成する金属の酸化物あるいは焼成によって酸化物
に変換し得る化合物、例えば炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等
を用いて秤量混合後、所望により900〜1200℃で
仮焼する。この混合物あるいは仮焼粉末を成形後、11
50〜1450℃で酸化性雰囲気で焼成することによっ
て磁器を得ることができる。 【0019】また、Mn化合物としては、MnCO3 ,
MnO,MnC2 O4 ,MnO2 ,Mn(NO3 )2 ,
MnSO4 のいずれも用いることができるが、これらの
中でもMnCO3 が好ましい。 【0020】以下本発明を次の例で説明する。 【0021】 【実施例】出発原料として、高純度の炭酸バリウム(B
aCO3 )、酸化ネオジウム(Nd2 O3 )、酸化チタ
ン(TiO2 )を秤量、混合し、水を加えて20時間ボ
ールミルにて粉砕した。この混合物を乾燥後1150℃
で2時間仮焼した。また、酸化ビスマス(Bi
2 O3 )、酸化チタン(TiO2 )をBiT3/4 O3 に
なるように秤量、混合し水を加えて20時間ボールミル
にて粉砕した。この混合物を900℃で2時間仮焼して
BiT3/4 O3 を得た。 【0022】このようにして得られたBaO−Nd2 O
3 −TiO2 仮焼物とBiT3/4 O3 仮焼物を混合し、
さらにNb2 O5 ,K2 O,P2 O5 及びMnO2 を添
加して水を加えて20時間ボールミルで粉砕した。この
混合物を乾燥し、バインダーを加えて造粒した。 【0023】なお、上記BaO−Nd2 O3 −TiO2
仮焼物とBiT3/4 O3 仮焼物の混合比は、BaO,N
d2 O3 ,TiO2 ,Bi2 O3 のモル比に換算し表1
に示した。またNb2 O5 ,K2 O,P2 O5 ,MnO
2 の添加量も表1に示した通りである。 【0024】このようにして得られた造粒粉を1ton
/cm2 の成形圧にて直径12mm、厚み7mmの成形
体1、直径20mm、厚み2mmの成形体2を作製し
た。これらの成形体1、2を1230〜1430℃で2
時間空気中にて焼成し、焼結体1、2を得た。得られた
焼結体1、2の厚み方向を平面研削し、ゆがみのない磁
器試料1、2を得た。 【0025】このようにして得られた磁器試料1につい
て、密度、周波数3.5〜5GHzにおける比誘電率
(εr )、Q値を誘電体共振器法にて測定し、また25
〜85℃の温度範囲における共振周波数の温度変化を測
定し、共振周波数の温度係数(τf )を計算した。Q値
はマイクロ波誘電体において一般に成立するQ値×測定
周波数f=一定の関係から1GHzでのQ値に換算し
た。 【0026】また、磁器試料2を用いて、絶縁破壊電圧
を測定した。これらの結果を表2に示す。 【0027】表1、2の結果より、組成が本発明の範囲
外であるNo.21〜35の試料は、比誘電率εr やQ
値が低くなったり、共振周波数の温度係数τf が大きく
なったり、絶縁破壊電圧が低くなるなどの不都合があっ
た。 【0028】これらに対し、本発明の範囲内であるN
o.1〜20の試料は、比誘電率εrが75〜114、
Q値が4500〜10000、共振周波数の温度係数τ
f が2〜35ppm/℃、絶縁破壊電圧が12〜15.
4kV/mmといずれも優れた特性を示した。 【0029】また、表1の組成は全て出発原料の配合組
成であるが、最終的な磁器試料1の組成は表1の配合組
成と同じであることを確認した。 【0030】 【表1】【0031】 【表2】【0032】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、Ba,N
d,Ti,Biを含有し、組成式をaBaO・bNd2
O3 ・cTiO2 ・dBi2 O3 と表したとき、前記
a,b,c,dが、 0.110≦a≦0.170 0.150≦b≦0.200 0.640≦c≦0.710 0.010≦d≦0.060 を満足する複合酸化物に対し、金属元素としてNb,
P,Mnを、Nb2 O5 換算で0.02〜0.24重量
%、P2 O5 換算で0.01〜0.20重量%、MnO
2 換算で0.05〜0.40重量%含有する誘電体磁器
組成物によって、誘電率が高く、誘電損失が低く、共振
周波数の温度依存性が小さく、かつ絶縁性の高い誘電体
磁器組成物を得ることができる。したがって、本発明の
誘電体磁器組成物を用いれば小型で高性能の共振器を得
ることができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】Ba,Nd,Ti,Biを含有し、組成式
をaBaO・bNd2 O3 ・cTiO2 ・dBi2 O3
と表したとき、前記a,b,c,dが、 0.110≦a≦0.170 0.150≦b≦0.200 0.640≦c≦0.710 0.010≦d≦0.060 を満足する複合酸化物に対し、金属元素としてNb,
P,Mnを、Nb2 O5 換算で0.02〜0.24重量
%、P2 O5 換算で0.01〜0.20重量%、MnO
2 換算で0.05〜0.40重量%含有することを特徴
とする誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07790696A JP3481767B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07790696A JP3481767B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09268054A JPH09268054A (ja) | 1997-10-14 |
JP3481767B2 true JP3481767B2 (ja) | 2003-12-22 |
Family
ID=13647124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07790696A Expired - Fee Related JP3481767B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3481767B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1256735C (zh) | 2000-04-26 | 2006-05-17 | 古河电气工业株式会社 | 介电陶瓷、树脂-陶瓷复合材料、电气部件和天线及其制造方法 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP07790696A patent/JP3481767B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09268054A (ja) | 1997-10-14 |
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