JPH08168291A - 移動体の移動位置検出装置 - Google Patents

移動体の移動位置検出装置

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JPH08168291A
JPH08168291A JP6330501A JP33050194A JPH08168291A JP H08168291 A JPH08168291 A JP H08168291A JP 6330501 A JP6330501 A JP 6330501A JP 33050194 A JP33050194 A JP 33050194A JP H08168291 A JPH08168291 A JP H08168291A
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motor
pulses
pulse
current
moving
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JP6330501A
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English (en)
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Kazunobu Haishi
一信 羽石
Yoshio Hiraga
義雄 平賀
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】直流モータにより移動体が往復動を繰り返す
時、実際の移動位置とのずれが累積されず正確な検出移
動位置を求められる移動位置検出装置を提供する。 【構成】直流モータ6の電流検出手段と、検出電流の脈
動分をパルス波形に変換するパルス変換手段55と、パル
ス計数手段と、パルス数記憶手段と、パルス数で記憶す
る現在位置記憶手段と、電圧印加停止後の直流モータの
逆起電力に伴うモータ電流の所定脈動分のパルス数に基
づき補正値を予め作成してあるテーブルから検索する補
正値検索手段と、電圧印加時のモータ電流の脈動分のパ
ルス数,電圧印加停止後の逆起電力に伴うモータ電流の
所定脈動分のパルス数および補正値を前記現在位置のパ
ルス数に加算して算出する移動位置演算手段21と、演算
した移動位置による現在位置更新手段とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流モータの駆動によ
り移動体が移動する機構における移動位置の検出装置に
関する。
【0002】
【従来技術】モータ駆動により移動体を決まった位置で
なく任意の位置に移動する移動制御の場合など移動位置
を正確に検出することが要求されるが、通常はモータの
回転数が移動体の移動距離に対応することから回転数を
計数して移動位置を検出する方法が多く用いられてい
る。
【0003】例えば基準位置からの距離をモータの回転
数に換算した値をもって移動体の位置とする場合、移動
体の現在位置を記憶しておき、現在位置から移動に伴う
モータの回転数を計数し、記憶しておいた現在位置に計
数した回転数を加算または減算して移動位置を算出す
る。
【0004】このモータの回転数を計数する方法として
モータの回転軸またはこれと同期して回転する軸等にロ
ータリエンコーダを設け、このロータリエンコーダの出
力パルスを計数する一般的例があるが、エンコーダ等の
センサーを特別設ける必要があり、その分コスト高とな
るとともにスペース上不利となる。そこで直流モータの
場合ブラシと整流子の接触により駆動電流に脈動が生じ
るのを利用して、この脈動分をパルスに変換してこのパ
ルス数を計数する例(特開昭61−128789号公
報)が提案されている。
【0005】
【解決しようとする課題】前記公報記載の例では、直流
モータの電圧の印加を制御するオンオフスイッチの下流
側に駆動電流を検出する装置を備え、電圧が印加され通
電状態にある時の直流モータの駆動電流を検出してパル
ス変換しパルス数を計数しており、非通電状態において
はモータを駆動する電流は流れないのでパルス数を計数
することはできない。
【0006】したがってパルス数計数手段が計数するの
は直流モータに電圧が印加されている間だけであり、実
際の直流モータは移動体の慣性により電圧の印加が停止
された後も僅かに移動しその分回転してもこの回転は考
慮されていない。そのため計数したパルス数と実際に移
動体が移動した距離とにずれを生じることになる。
【0007】移動体が往復動するものについては移動体
の往動と復動とで前記ずれの方向が逆なので、往動と復
動が対になって繰り返されるならばずれが相殺されて問
題となることはないが、往動と復動の双方の慣性が互い
に等しいのは稀であり、一方向に常に負荷がかかってい
たり付勢力が働いていたりして慣性の大きさに差がある
のが一般的である。
【0008】例えば自動車のパワーシートにおけるシー
トの前後移動の場合はシートを案内するレールが若干前
上がりに傾斜しており、通常シートの前進時より後退時
の方が慣性が大きい。またシートバックのリクライニン
グ調整の場合乗員の上半身の重さが後方に加わるので、
前方より後方への揺動の方が慣性が大きい。さらにシー
トの高さ調整やパワーウインドの開きの調整などは重力
が加わるので、上昇より下降の方が慣性が大きい。
【0009】このように移動体の往動と復動では慣性に
差があるのが一般的であり、かかる場合に前記計数した
パルス数と実際に移動体が移動した距離とのずれは、往
復動しても相殺されず両者のずれの差が必ず一方向に残
り、往復動を繰り返す毎にこのずれの差が累積されて軽
視できなくなる。
【0010】本発明はかかる点に鑑みなされたもので、
その目的とする処は直流モータの駆動により移動体が往
復動を繰り返しても移動体の実際の移動位置とのずれが
累積されず常に正確な検出移動位置を求めることができ
る移動体の移動位置検出装置を低コストで供する点にあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本発明は、直流モータの正逆転駆動によ
り移動した移動体の位置を検出する移動位置検出装置に
おいて、前記直流モータの回線を流れるモータ電流を検
出するモータ電流検出手段と、前記モータ電流検出手段
が検出したモータ電流の脈動分をパルス波形に変換する
パルス変換手段と、前記パルス変換手段の出力パルスの
パルス数を計数するパルス計数手段と、前記パルス計数
手段が計数したパルス数を記憶するパルス数記憶手段
と、前記移動体の現在位置をパルス数で記憶する現在位
置記憶手段と、前記パルス数記憶手段が記憶した電圧印
加停止後の直流モータの逆起電力に伴うモータ電流の所
定脈動分のパルス数に基づき補正値を予め作成しておい
た所定のテーブルから検索する補正値検索手段と、前記
パルス数記憶手段が記憶した電圧印加時のモータ電流の
脈動分のパルス数,電圧印加停止後の逆起電力に伴うモ
ータ電流の所定脈動分のパルス数および前記補正値検索
手段が検索した補正値を前記現在位置記憶手段が記憶す
る現在位置のパルス数に加算して移動位置を算出する移
動位置演算手段と、前記移動位置演算手段が演算した移
動位置により前記現在位置記憶手段が記憶する現在位置
を更新する現在位置更新手段とを備えた移動体の移動位
置検出装置とした。
【0012】直流モータへの電圧印加を停止した後も移
動体は慣性により移動し、よって直流モータも強制的に
回転させられて逆起電力に基づくモータ電流が流れるの
で、このモータ電流の所定脈動分のパルス数および同パ
ルス数に基づき所定のテーブルから検索した補正値を電
圧印加時のモータ電流の脈動分のパルス数に加算して移
動体の移動距離とし、これを現在位置記憶手段が記憶す
る現在位置のパルス数に加算することで移動体の慣性に
伴うずれを吸収した移動位置を正確に検出することがで
きる。
【0013】なおこの検出した移動位置に現在位置記憶
手段の現在位置の記憶を更新しておくことで常に正確な
移動位置を検出することができる。ロータリエンコーダ
等のセンサーを使用せず低コストでスペース的にも有利
である。
【0014】前記補正値検索手段は直流モータの電圧印
加停止後の逆起電力に伴うモータ電流の所定脈動分のパ
ルス数のほか直流モータの作動電圧および回転方向の3
つの情報に基づき所定のテーブルから補正値を検索する
ことで、より精度の高い補正値を検索でき移動体の実際
の移動位置に益々近い移動位置を検出することができ
る。
【0015】
【実施例】以下図1ないし図7に図示した本発明の一実
施例について説明する。本実施例は自動車のパワーシー
トに係るもので、図1は同パワーシートの駆動機構を示
す側面図であり、図2はその平面図である。車体側に固
定される前後方向に指向した左右一対のロアレール2に
それぞれアッパーレール3が前後に摺動自在に支持され
ており、ロアレール2とアッパーレール3とは若干前上
がりに傾斜している。
【0016】アッパーレール3に前後方向に指向して回
転自在に支持されたスクリュー4がロアーレール2に固
定されたスライドナット5に螺合貫通しており、同左右
のスクリュー4をアッパーレール3に搭載されたスライ
ド用直流モータ6がそれぞれウオームギア7を介して回
転させるようになっている。したがってスライド用直流
モータ6の正逆転駆動により左右のアッパーレール3を
前後に摺動させてシート1を前後に移動させる。
【0017】この左右のアッパーレール3上に昇降機構
8を介してシート基台9が昇降自在に設けられ、同昇降
機構8をハイト用直流モータ10が駆動してシート1を上
下に昇降させるようになっている。またシート基台9に
はシートバック1aを揺動自在に支持するブラケット11
が枢着され、リクライニング用直流モータ12の駆動でシ
ートバック1aを前後に揺動できるようになっている。
【0018】以上のように該パワーシートはスライド用
直流モータ6,ハイト用直流モータ10,リクライニング
用直流モータ12によって駆動され、これらの直流モータ
6,10,12を制御する制御系のブロック図を図3に示
す。自動車の走行制御を一括して行う電子コントロール
ユニットECU20が上記直流モータ6,10,12も制御し
ており、ECU20の中枢であるマイクロコンピュータが
作動処理回路(演算回路)21を有している。
【0019】作動処理回路(演算回路)21自体は直流1
2Vを5Vに落として入力して作動し、内部にメモリー
を有している。作動処理回路(演算回路)21にはマニュ
アルの3つの操作スイッチ31,32,33からの信号が入力
されるようになっており、それぞれスライド用,ハイト
用,リクライニング用のマニュアル操作スイッチであ
り、ドアのアームレスト等に配設され乗員により操作さ
れるものである。
【0020】いずれの操作スイッチ31,32,33も中立位
置と2位置の接点をもつシーソー式スイッチであり、可
動接点31m,32m,33mは直流電源12Vに接続され、
他の固定接点31f,31r,32u,32d,33f,33rは作
動処理回路21に接続されている。
【0021】例えばスライド用操作スイッチ31について
みると、可動接点31mを固定接点31f側に倒し接続する
とシート1を前進させる指示信号が作動処理回路21に入
力され、逆に可動接点31mを固定接点31r側に倒し接続
するとシート1を後退させる指示信号が作動処理回路21
に入力され、手を離すと可動接点31mは中立位置に自動
復帰し作動処理回路21には信号が入力されない。
【0022】その他作動処理回路21にはパーキングブレ
ーキレバースイッチ34,シフトポジションスイッチ35,
非常停止スイッチ36,イグニッションキースイッチ37,
メモリーセットスイッチ38,メモリースイッチ39等の操
作信号が入力されるようになっている。
【0023】ここにメモリーセットスイッチ38は乗員の
最適シート状態の設定値を記憶させるときに操作するス
イッチであり、一度記憶されるとシートを種々移動させ
た後でもメモリースイッチ39をオンするだけで、記憶さ
れた設定値にシートを自動的に移動して最適シート状態
に復帰させることができる。
【0024】一方前記直流モータ6,10,12にはその上
流側・下流側電力線のそれぞれに切り替えリレー41F,
41R,42U,42D,43F,43Rが設けられ、その可動接
点41Fm,41Rm,42Um,42Dm,43Fm,43Rmが接続され、a
接点側の固定接点41Fa,41Ra,42Ua,42Da,43Fa,43Ra
は直流電源12Vに接続され、b接点側の固定接点41F
b,41Rb,42Ub,42Dbは抵抗44を介して接地され、固定
接点43Fb,43Rbは抵抗45を介して接地されている。
【0025】各リレー41F,41R,42U,42D,43F,
43Rに対応するリレーコイル41Fc,41Rc,42Uc,42Dc,
43Fc,43Rcは一端を直流電源12Vに接続され、他端を
それぞれ前進リレードライバー51F,後退リレードライ
バー51R,上昇リレードライバー52U,下降リレードラ
イバー52D,前進リレードライバー53F,後退リレード
ライバー53Rに接続され、各リレードライバー51F,51
R,52U,52D,53F,53Rは作動処理回路21の出力端
子に接続されている。
【0026】またb接点側の固定接点41Fb,41Rb,42U
b,42Dbはモータパルス整形回路55に接続され、固定接
点43Fb,43Rbはモータパルス整形回路56に接続され、両
モータパルス整形回路55,56の出力端子は作動処理回路
21の入力端子に接続されている。なお作動処理回路21は
ブザー57の駆動制御も行っている。
【0027】以上のような駆動制御系においてシートを
前進後退させるスライド用直流モータ6についてそのマ
ニュアル操作による駆動を説明する。スライド用の操作
スイッチ31を操作していないときはリレー41F,41Rは
図3に示すようにb接点をオンする状態にあって直流モ
ータ6には電圧が印加されず停止した状態である。
【0028】ここで操作スイッチ31を前進側に操作する
と作動処理回路21から前進リレードライバー51Fに駆動
指示が出力されリレーコイル41Fcを励磁しリレー41Fの
接続をa接点側に接続し直流モータ6に正電圧が印加さ
れ直流モータ6は正転駆動しシート1は前進する。
【0029】逆に操作スイッチ31を後退側に操作すると
作動処理回路21から後退リレードライバー51Rに駆動指
示が出力されリレーコイル41Rcを励磁しリレー41Rの接
続をa接点側に接続し直流モータ6に逆電圧が印加され
直流モータ6は逆転駆動しシート1は後退する。他の直
流モータ10,12も同様に駆動制御されるものである。
【0030】いま直流モータ6を正転駆動してシート1
を前進させたときのモータ電流の波形すなわちモータパ
ルス整形回路55の入力波形および出力波形である整形後
のパルス波形を図4に示す。直流モータのモータ電流は
ブラシと整流子との接触により脈動しており、脈動電流
はモータの構造により周期的な波形を形成し、本直流モ
ータ6の場合極数が8極のためモータ1回転当たり8つ
の山を形成する脈動波形をなす。
【0031】モータパルス整形回路55は微分回路および
積分回路からなり上記モータ電流の脈動波の脈動部分を
抽出しパルス波に整形する。図4にはa接点側をオンし
ていたリレー41Fがオフとなる直前からのモータ電流の
変化の様子を示しており、図4においてa時点がリレー
41Fがオフとなった時点であり、a時点前の電圧が印加
されているときは2A以上4A以下の間の電流が流れて
おり、a時点後の電圧印加を停止した後はその直後にお
いてモータ電流は急降下し逆方向の電流となり再び上昇
するなどチャタリングを起こしており、その後シートの
慣性により直流モータ6は強制的に回転させられて逆起
電力による逆方向の電流がやはり脈動を伴って流れ徐々
に減衰して0Aに至る。
【0032】a時点前の電圧印加時の脈動はパルス変換
されてそのパルス数Naは計数されるが、リレーオフの
a時点から約13msec後のb時点までのチャタリング部
は脈動を捉えることができずパルス変換しておらず、ま
た電流が減衰して約3Aとなったc時点以後は脈動は小
さくパルス変換が困難で行っていない。したがって電圧
印加を停止したa時点以降はb時点からc時点の間の安
定して脈動分を検出できる部分をパルス変換し、このパ
ルス数Nbを計数できるが、他のa時点からb時点の間
およびc時点以後はパルス変換できず計数不能である。
【0033】従来はリレーをオフし電圧印加を停止した
a時点以降はパルスを計数することができなかったの
で、a時点までのパルス数をもってシートの移動距離に
対応させており、計数したパルス数と実際の移動距離と
に大きなずれがあった。
【0034】本発明の実施例では、電圧印加を停止した
a時点以降もb時点からc時点の間のパルス数Nbを計
数しており、さらにa時点からb時点の間およびc時点
以後のパルスを計数できない部分については予め作成し
ておいたテーブルから検索して補正値Ncで補うように
している。
【0035】該テーブルは繰り返しなされた試験結果か
ら作成されたものであり、直流モータの正転の場合と逆
転の場合の2種類用意される。これは、シート1を摺動
させるロアレール2とアッパーレール3とは若干前上が
りに傾斜しておりシート1の慣性は前進より後退の方が
大きく差があるからである。
【0036】図5にその一方のテーブルを示す。検索の
方法は、電圧印加を停止する直前の作動電圧Vと前記b
時点からc時点の間のパルス数Nbとから補正値Ncを
求めるものである。このように補正値Ncは直流モータ
の回転方向,作動電圧Vおよびパルス数Nbの3つの情
報から検索される。
【0037】かかるテーブルは作動処理回路21内のRO
M内に書き込まれており、作動処理回路21が補正値Nc
の検索を行う。また作動処理回路21は、RAM内にシー
ト1の現在位置Npを記憶するとともにモータパルス整
形回路55,56から入力されるパルス波の前記パルス数N
a,Nbを計数して記憶し、さらにシート1の移動位置
を演算する。
【0038】パルス数とシートの移動距離は対応してい
るので、シート1が最も後退しているときの位置を基準
位置(パルス数0)としてそれより前に離れた距離をパ
ルス数に換算した値をもってその位置を示すものとす
る。RAM内に記憶されるシート1の現在位置Npや補
正値Ncもパルス数換算された値である。
【0039】したがってシート1の移動距離nはNa+
Nb+Ncの演算で算出することができ、移動位置は従
前の現在位置Npにこの移動距離nを加算した値(Np
+n)で示すことができる。なおシートが後退した場合
の移動位置は従前の現在位置Npからこの移動距離nを
減算した値(Np−n)となる。
【0040】以上のようにシート1の移動位置を直流モ
ータへの電圧印加停止後の慣性による動きも考慮して検
出するので、検出移動位置と実際の移動位置とにずれは
殆どなく正確な移動位置を示している。したがって前進
より後退の方が慣性が大きくてもシート1の前進・後退
の繰り返しによりずれの差が累積されるようなことはな
く、常に正確な移動位置を検出することができる。
【0041】このようにシートの正確な移動位置を検出
できるので、メモリーセットして予め記憶した設定位置
にシート1を移動させるメモリー再生時にも正確に位置
決めすることができる。このメモリー再生における制御
手順を図6および図7のフローチャートに基づいて説明
する。
【0042】まず図6のメインルーチンにおいてメモリ
ースイッチ39がオンされると(ステップ1)、シート作
動条件が満足されているか否かを判断し(ステップ
2)、パーキングブレーキレバースイッチ34,シフトポ
ジションスイッチ35等の信号をもとにシート1を移動し
てもよいかの判断をして条件が満たされない場合は本メ
モリー再生制御は行わず、作動条件が満足された場合に
ステップ3に進み本メモリー再生制御を行う。
【0043】ステップ3ではシート1の前後動(スライ
ド)による前後位置決めを行い、次のステップ4ではシ
ートバック1aの揺動(リクライニング)による前後位
置決めを行い、さらに次のステップ5ではシート1の昇
降(ハイト)による上下位置決めを行う。このようにス
ライド,リクライニング,ハイトの順に位置決めを行い
全て終了するとステップ6でブザー57を2回鳴らしてメ
モリー再生制御が終わったことを知らせる。なおリクラ
イニングの位置決め制御はそのモータパルス整形回路56
を別回路で独立して設けている(図3参照)ので、他の
スライド,ハイトの位置決め制御と同時に行うことがで
きる。
【0044】上記3つの位置決め制御は同じ手順により
制御がなされるので、ステップ3のシート1の前後動
(スライド)による前後位置決め制御について図7に基
づき説明する。まずシート1の現在位置Npのメモリー
内容の更新が済んでいるか否かを確認し(ステップ1
0)、済んでいればステップ12に進み、済んでいなけれ
ばステップ11に進んで更新を行いステップ12に進む。
【0045】ステップ12では現在位置Npと目標位置N
oとを比較する。目標位置Noは乗員が予めシート1の
最適前後位置を探してメモリーに記憶させておいた位置
であり、同位置の基準位置(シート1が最も後退した位
置)からの距離をパルス数に換算した値である。現在位
置Npが目標位置Noより大きい場合はシート1を後退
させることになりステップ21に進み、逆に現在位置Np
が目標位置Noより小さい場合はシート1を前進させる
ことになりステップ41に進む。
【0046】ステップ21に進んだときは、逆転リレー41
Rをオンして直流モータ6を逆転駆動する。そして直流
モータ6を流れる電圧印加時のモータ電流を検出してそ
の脈動分をパルス整形し(ステップ22)、そのパルス数
Naを計数する(ステップ23)。ステップ24では直流モ
ータ6の作動電圧Vを検出し、次のステップ25では再度
作動条件を確認し、条件が満足されていればステップ26
に進み、現在位置Npから計数したパルス数Naを減算
した値が目標位置Noに達したか否かを判断し、目標位
置Noに達しないときはステップ21に戻り、モータの逆
転駆動を続けステップ21からステップ26までを繰り返
す。
【0047】その間に何らかの原因で作動条件の1つで
も欠けることがあるとステップ25からステップ27に抜け
モータの駆動を停止させるが、作動条件を満足していれ
ばモータの逆転駆動でシート1は目標位置Noに至り、
Np−Naの値がNoに達してステップ26からステップ
27に進み、逆転リレー41Rをオフして直流モータ6の駆
動を停止する。
【0048】そしてタイマーを駆動し(ステップ28)、
その計時時間tが13msecに達するのを待って(ステッ
プ29)、ステップ30に進む。すなわちこの13msecは前
記a時点からb時点の間に相当しモータ電流はチャタリ
ングを起こしているので、パルス数の計数はしない。
【0049】電圧印加を停止しこの13msecを経過した
後ステップ30で逆起電力によるモータ電流の検出を行い
パルス整形し、ステップ31でパルス数Nbを計数する。
そしてモータ電流が3Aまで減衰するまで(ステップ3
2)、ステップ30,31,32を繰り返しその間パルス数N
bを計数する。すなわち前記b時点からc時点にかけて
のパルス数Nbが計数される。
【0050】モータ電流が3Aまで減衰するとステップ
32からステップ33に進み、前記電圧印加が停止される直
前の作動電圧Vと前記パルス数Nbに基づいて逆転駆動
の場合のテーブルを検索し、補正値Ncを選択する。ス
テップ34では以上の計数したパルス数Na,Nbおよび
補正値Ncを加えて移動距離nを演算し、次のステップ
35では現在位置Npから移動距離nを減算した値をもっ
て現在位置Npを更新する。
【0051】以上のステップ21からステップ35まではス
テップ12でNp>Noと判断され直流モータ6が逆転駆
動するときの制御手順であったが、Np<Noと判断さ
れ直流モータ6が正転駆動するときはステップ41からス
テップ55までのステップが実行される。かかる直流モー
タ6が正転駆動するときのステップ41からステップ55ま
での制御手順は前記ステップ21からステップ35までの制
御手順と殆ど同じであり、それぞれのステップが互いに
対応するので、以下に述べる相違するステップのみを説
明することにする。
【0052】すなわちステップ41では正転リレー41Fが
オンして直流モータ6は正転駆動し、ステップ46では現
在位置Npにパルス数Naを加算した値と目標位置No
とが比較され、ステップ47では正転リレー41Fがオフし
て直流モータ6は駆動停止し、ステップ53では作動電圧
Vとパルス数Nbに基づいて正転駆動の場合のテーブル
を検索して補正値Ncを選択し、ステップ55では現在位
置Npに移動距離nを加算した値をもって現在位置Np
を更新する。
【0053】以上のようにしてメモリー再生制御がなさ
れ、シート1は予め設定しておいた位置にメモリースイ
ッチ39をオンするだけで自動的に移動することができ
る。メモリーが記憶する現在位置Npはシートの慣性を
考慮して正確に演算されるので、実際のシート位置に略
等しくずれが極めて小さいため、メモリー再生において
常に予め設定しておいた目標位置に正確にシート1を移
動することができる。
【0054】なおシート1の前後位置の位置決めばかり
でなくシートバック1aの揺動位置の位置決め、シート
1の昇降位置の位置決めも同様の制御がなされる。また
パワーシートのほかにパワーウインド、サンルーフの移
動等に、さらにその他の移動制御に適用することができ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明は、直流モータへの電圧印加を停
止した後のモータ電流の所定脈動分のパルス数および同
パルス数に基づき所定のテーブルから検索した補正値を
電圧印加時のモータ電流の脈動分のパルス数に加算して
移動体の移動距離とし、これを現在位置記憶手段が記憶
する現在位置のパルス数に加算することで移動体の慣性
に伴うずれを吸収した移動位置を正確に検出することが
できる。
【0056】この検出した移動位置に現在位置記憶手段
の現在位置の記憶を更新しておくことで常に正確な移動
位置を検出することができる。ロータリエンコーダ等の
センサーを使用せず低コストでスペース的にも有利であ
る。
【0057】補正値検索手段が直流モータの電圧印加停
止後の逆起電力に伴うモータ電流の所定脈動分のパルス
数のほか直流モータの作動電圧および回転方向の3つの
情報に基づき所定のテーブルから補正値を検索すること
で、より精度の高い補正値を検索でき移動体の実際の移
動位置に益々近い移動位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るパワーシートの駆動機
構を示す側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同パワーシートの制御系のブロック図である。
【図4】モータ電流および整形されたパルス波の波形を
示す図である。
【図5】同実施例における補正値を検索するテーブルを
示す図である。
【図6】メモリー再生制御の手順を示すメインのフロー
チャートである。
【図7】メモリー再生制御の一部の手順を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1…シート、2…ロアレール、3…アッパーレール、4
…スクリュー、5…スライドナット、6…直流モータ、
7…ウオームギア、8…昇降機構、9…シート基台、10
…直流モータ、11…ブラケット、12…直流モータ、20…
ECU、21…作動演算回路、31,32,33…操作スイッ
チ、34…パーキングブレーキレバースイッチ、35…シフ
トポジションスイッチ、36…非常停止すいっち、37…イ
グニッションキースイッチ、38…メモリーセットスイッ
チ、39…メモリースイッチ、41F,41R,42U,42D,
43F,43R…リレー、44,45…抵抗、51F,51R,52
U,52D,53F,53R…リレードライバー、55,56…モ
ータパルス整形回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流モータの正逆転駆動により移動した
    移動体の位置を検出する移動位置検出装置において、 前記直流モータの回線を流れるモータ電流を検出するモ
    ータ電流検出手段と、 前記モータ電流検出手段が検出したモータ電流の脈動分
    をパルス波形に変換するパルス変換手段と、 前記パルス変換手段の出力パルスのパルス数を計数する
    パルス計数手段と、 前記パルス計数手段が計数したパルス数を記憶するパル
    ス数記憶手段と、 前記移動体の現在位置をパルス数で記憶する現在位置記
    憶手段と、 前記パルス数記憶手段が記憶した電圧印加停止後の直流
    モータの逆起電力に伴うモータ電流の所定脈動分のパル
    ス数に基づき補正値を予め作成しておいた所定のテーブ
    ルから検索する補正値検索手段と、 前記パルス数記憶手段が記憶した電圧印加時のモータ電
    流の脈動分のパルス数,電圧印加停止後の逆起電力に伴
    うモータ電流の所定脈動分のパルス数および前記補正値
    検索手段が検索した補正値を前記現在位置記憶手段が記
    憶する現在位置のパルス数に加算して移動位置を算出す
    る移動位置演算手段と、 前記移動位置演算手段が演算した移動位置により前記現
    在位置記憶手段が記憶する現在位置を更新する現在位置
    更新手段とを備えたことを特徴とする移動体の移動位置
    検出装置。
  2. 【請求項2】 前記補正値検索手段は直流モータの電圧
    印加停止後の逆起電力に伴うモータ電流の所定脈動分の
    パルス数のほか直流モータの作動電圧および回転方向の
    3つの情報に基づき所定のテーブルから検索することを
    特徴とする請求項1記載の移動体の移動位置検出装置。
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Cited By (6)

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WO2022260113A1 (ja) * 2021-06-09 2022-12-15 株式会社デンソー モータ制御装置

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