JPH08165466A - 地盤改良用固化材組成物 - Google Patents
地盤改良用固化材組成物Info
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Abstract
間経過後の地盤が硬くなり過ぎるのを防止できる地盤改
良用固化材組成物の提供。 【構成】 急硬性クリンカー組成物(A)粉末10〜6
0重量部に対し、セメント粉末0.1〜40重量部と石
膏粉末10〜60重量部とを混合してなる地盤改良に使
用される固化材であって、上記組成物(A)が、12C
aO・7Al2O3を主成分とするクリンカーに、Fe2
O3を全体の0.1〜9重量%、CaF2を全体の0.1
〜9重量%それぞれ共存させてなるクリンカー組成物
(B)に、鉱物相として2CaO・SiO2系のカルシ
ウムシリケート相及び/又は2CaO・Al2O3・Si
O2系のカルシウムアルミノシリケート相を全体の0.
1〜50重量%共存させ、かつ3CaO・SiO2系の
カルシウムシリケート相は共存させないようにした地盤
改良用固化材組成物。 【効果】 土管等の埋設工期を短縮でき、また、土管等
の補修等のために地盤を再度掘り返す際の作業が容易で
ある。
Description
地盤改良用固化材の改良に関する。
される管路や、土管等を地盤に埋設する工事において
は、埋設したい位置の地盤を掘り返し、土管等を配置し
た後、地盤を埋め戻す作業工程を少なくとも具備してお
り、この地盤の埋め戻しの作業の際には掘り返された土
壌に地盤改良用固化材を添加している。ところで、地盤
の埋め戻しの作業の際に、地盤改良用固化材を添加する
のは、埋め戻し後の地盤を短時間で硬化させて地盤を硬
くするためであり、従来の地盤改良用固化材としては、
アーウィン、ポルトランドセメント、高炉スラグとポル
トランドセメントとの混合物、ジェットセメントなどが
用いられていた。
短縮の需要増加に伴い、急硬性がより優れた地盤改良用
固化材が求められるようになってきているが、従来の地
盤改良用固化材では急硬性が不十分であった。さらに、
従来の地盤改良用固化材組成物にあっては、該地盤改良
用固化材組成物が添加されから長時間経過した地盤を土
管等の補修等のために再度掘り返す場合に、上記地地盤
が硬くなり過ぎていることから、掘り返しの作業が困難
であるという問題があった。
で、埋め戻し後の地盤の急硬性が優れ、かつ長時間経過
後の地盤が硬くなり過ぎるのを防止できる地盤改良用固
化材組成物を提供することにある。
地盤改良用固化材組成物は、急硬性クリンカー組成物
(A)粉末10〜60重量部に対し、セメント粉末0.
1〜40重量部と石膏粉末10〜60重量部とを混合し
てなる地盤改良に使用される固化材であって、上記急硬
性クリンカー組成物(A)が、12CaO・7Al2O3
(以下、C12A7と略記する。)を主成分とするクリン
カーに、Fe2O3を全体の0.1〜9重量%、CaF2
を全体の0.1〜9重量%それぞれ共存させてなるクリ
ンカー組成物(B)に、鉱物相として2CaO・SiO
2(以下、C2Sと略記する。)系のカルシウムシリケー
ト相及び/又は2CaO・Al2O3・SiO2(以下、
C2ASと略記する。)系のカルシウムアルミノシリケ
ート相を全体の0.1〜50重量%共存させ、かつ3C
a・SiO2(以下、C3Sと略記する。)系のカルシウ
ムシリケート相は共存させないようにしたものであるこ
とを特徴とする。
成物は、上記請求項1記載の地盤改良用固化材組成物に
おいて、C12A7を主成分とするクリンカーが、鉱物相
として、C12A7系からなるカルシウムアルミネート相
を50重量%以上含有し、かつカルシウムアルミネート
相に占める3CaO・Al2O3(以下、C3Aと略記す
る。)又はCaO・Al2O3(以下、CAと略記す
る。)の割合が0〜25重量%であることを特徴とす
る。
成物は、上記請求項1又は2記載の地盤改良用固化材組
成物において、C12A7系のカルシウムアルミネート相
が、11CaO・7Al2O3・CaF2(以下、C11A7
・CaF2と略記する。)単独、あるいはC11A7・Ca
F2とC12A7との混合物であることを特徴とする。
成物は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の地盤改良
用固化材組成物において、急硬性クリンカー組成物
(A)粉末のブレーン比表面積が2500〜10000
cm2/gであり、セメント粉末のブレーン比表面積が
2500〜7000cm2/gであり、かつ石膏粉末の
ブレーン比表面積が2500〜15000cm2/gで
あることを特徴とする。
硬性クリンカー組成物(A)にあっては、C12A7を主
成分とするクリンカーに、Fe2O3を全体の0.1〜9
重量%、CaF2を全体の0.1〜9重量%それぞれ共
存させてなるクリンカー組成物(B)が用いられたこと
により、これを焼結すると、CaF2がCaO及びAl2
O3と反応して高温融液相となるC11A7・CaF2を生
成し、Fe2O3が同様にCaO及びAl2O3と反応して
低温融液相となるCaO−Al2O3−Fe2O3系物質を
生成する。従って、これら高温融液相と低温融液相とが
生成されることにより、これらの融液生成温度差が大と
なり、よって高温融液相を固相とし、共存する低温融液
相を融液相とする温度範囲、すなわちC11A7・CaF2
が溶解せず、しかもCaO−Al2O3−Fe2O3系物質
が溶融する、上記融液生成温度差に相当する温度範囲を
焼結温度とすることにより、ロータリーキルン等による
焼結法によってクリンカーを焼成することが可能となる
のである。
相としてC2S系のカルシウムシリケート相及び/又は
C2AS系のカルシウムアルミノシリケート相を全体の
0.1〜50重量%共存させ、かつC3S系のカルシウ
ムシリケート相は共存させないようにしてなる急硬性ク
リンカー組成物(A)が用いられたことにより、石灰飽
和度が低下するので、遊離CaOが残るのを防止でき
る。
ついて詳細に説明する。本発明の地盤改良用固化材組成
物は、急硬性クリンカー組成物(A)粉末10〜60重
量部に対し、セメント粉末0.1〜40重量部と石膏粉
末10〜60重量部とを混合してなる地盤改良に使用さ
れる固化材である。
物(A)は、C12A7を主成分とするクリンカーに、F
e2O3を全体の0.1〜9重量%、CaF2を全体の
0.1〜9重量%それぞれ共存させてなるクリンカー組
成物(B)に、鉱物相としてC 2S系のカルシウムシリ
ケート相及び/又はC2AS系のカルシウムアルミノシ
リケート相を全体の0.1〜50重量%共存させ、かつ
C3S系のカルシウムシリケート相は共存させないよう
にしたものである。
は、鉱物相として、C12A7系とC3AとCA等のC12A
7系からなるカルシウムアルミネート相を50重量%以
上、好ましくは70重量%含有し、かつカルシウムアル
ミネート相に占めるC3A又はCAの割合が0〜25重
量%であるものであり、C12A7系鉱物の大半を結晶相
として存在させたものである。上記C12A7系のカルシ
ウムアルミネート相は、C11A7・CaF2単独、あるい
はC11A7・CaF2とC12A7との混合物である。
%未満の場合には、急硬性成分であるC12A7の含有量
が少なく、急硬性が優れた地盤改良用固化材組成物に用
いられるクリンカーとしては不十分なものとなってしま
うので好ましくない。従って、本発明に用いられる急硬
性クリンカー組成物(A)におけるC12A7を主成分と
するクリンカーでは、上記カルシウムアルミネート相量
を50重量%以上とすることは勿論のこと、急硬性の確
保という観点からC12A7系鉱物量を可能な限り高める
ため、カルシウムアルミネート相量を70重量%以上確
保することが好ましい。また、カルシウムアルミネート
相中のC3A又はCAの含有量は25重量%以下である
ことが好ましい。
カー組成物(A)では、上述のようなC12A7を主成分
とするクリンカーに、融液形成成分としてFe2O3を全
体の0.1重量%以上9重量%以下の範囲内で添加し共
存させ、かつCaF2を全体の0.1重量%以上9重量
%以下の範囲内で添加し共存させることによってクリン
カー組成物(B)を得る。このようにFe2O3とCaF
2とを添加共存させたことにより、低温融液相(CaO
−Al2O3−Fe2O3系)と高温融液相(C11A7・C
aF2系)とをそれぞれ生成させ、これによって融液生
成温度差を拡大し、この温度範囲内でのクリンカーの焼
成を可能にしたのである。
たのは、添加量が0.1重量%未満では、低温融液相の
生成量が不足し、ロータリーキルンなどによるような融
液を媒体とする焼結法での製造が困難となるからであ
り、一方、添加量が9重量%を超えると、低温融液相が
増加し過ぎてしまい、上述の少ない場合と同様に融液を
媒体とする焼結法での製造が困難となり、しかも急硬性
成分であるC12A7系鉱物の含有量が少なくなってしま
い、急硬性が低下するからである。また、CaF2の添
加量を上記範囲としたのは、添加量が0.1重量%未満
では、低温融液相と高温融液相との融液生成温度の拡大
が不十分となり、やはりロータリーキルンなどによるよ
うな融液を媒体とする焼結法での製造が困難となるから
であり、一方、添加量が9重量%を超えると、高温融液
相が増加し過ぎてしまい、上述の少ない場合と同様に融
液を媒体とする焼結法での製造が困難となり、しかも急
硬性成分であるC12A7系鉱物の含有量が少なくなって
しまい、急硬性が低下するからである。
(B)は、これを焼結すると、CaF2がCaO及びA
l2O3と反応して高温融液相となるC11A7・CaF2を
生成し、Fe2O3がCaO及びAl2O3と反応して低温
融液相となるCaO−Al2O3−Fe2O3系物質を生成
する。従って、高温融液相を固相とし、共存する低温融
液相を融液相とする温度範囲、すなわちC11A7・Ca
F2が溶解せず、しかもCaO−Al2O3−Fe2O3系
物質が溶融する温度範囲を焼結温度とすることにより、
ロータリーキルン等による焼結法によってクリンカーを
焼成することが可能となるのである。
カー組成物(A)では、上述のようなクリンカー組成物
(B)に、鉱物相としてC2S系のカルシウムシリケー
ト相及び/又はC2AS系のカルシウムアルミノシリケ
ート相を全体の0.1〜50重量%、好ましくは0.1
〜30重量%共存させ、かつC3S系のカルシウムシリ
ケート相は共存させないものである。ここで、C2S系
のカルシウムシリケート相及び/又はC2AS系のカル
シウムアルミノシリケート相の共存量を上記範囲とした
のは、共存量が0.1重量%未満では、天然原料を使用
した場合には、事実上、組成設計が困難となるからであ
り、一方、共存量が50重量%を超えると、急硬性成分
であるC12A7系のカルシウムアルミネート相の含有量
が低下するからである。また、C3S系のカルシウムシ
リケート相が含有されていると、石灰飽和度が増加し、
遊離CaOが残り易くなるという問題が発生する。
カー組成物(A)を粉砕した急硬性クリンカー組成物
(A)粉末が用いられ、粉末度としてはブレーン比表面
積が2500〜10000cm2/g、好ましくは40
00〜9000cm2/gのものが用いられる。ここ
で、急硬性クリンカー組成物(A)粉末のブレーン比表
面積を2500〜10000cm2/gとしたのは、2
500cm2/g未満であると、クリンカー粉末の急硬
性が十分に発現されにくいからであり、一方10000
cm2/gを超えると、粉砕効率の低下や凝集による混
合不良が生じ易くなるからである。
は、市販の普通、早強、超早強、耐硫酸塩などの各種ポ
ルトランドセメントや高炉セメントなどを挙げることが
でき、これらのうちでも普通ポルトランドセメントを用
いると、得られる地盤改良用固化材組成物がより安価な
ものとなる。このようなセメント粉末の粉末度として
は、ブレーン比表面積が2500〜7000cm2/
g、好ましくは3000〜5000cm2/gのものが
用いられる。ここで、セメント粉末のブレーン比表面積
を2500〜7000cm2/gとしたのは、2500
cm2/g未満であると、普通ポルトランドセメントの
規格値から外れ、水和反応性も低下するからであり、一
方7000cm2/gを超えると、粉砕効率が低下する
うえに、セメントミルクや処理土の粘性が上昇し、ポン
プ圧送ができにくくなるからである。
水石膏(CaSO4・2H2O)、無水石膏(CaS
O4)などの粉末が用いられる。このような石膏粉末の
粉末度としては、ブレーン比表面積が2500〜150
00cm2/g、好ましくは4000〜10000cm2
/gのものが用いられる。ここで、石膏粉末のブレーン
比表面積を2500〜15000cm2/gとしたの
は、2500cm2/g未満であると、石膏の溶解速度
が低下し、水和反応が遅れるからであり、一方1500
0cm2/gを超えると、石膏の溶解速度が速すぎて、
水和物生成のバランスがくずれ結果として固化性能が低
下するからである。
ンカー組成物(A)粉末10〜60重量部に対し、セメ
ント粉末0.1〜40重量部と石膏粉末10〜60重量
部とを添加混合することにより、本発明の地盤改良用固
化材組成物を得ることができる。ここで、セメント粉末
の添加量を0.1〜40重量部としたのは、0.1重量
部未満であると、急硬性クリンカー組成物(A)粉末量
が多くなり、流動性が低下し、長期の強度増加が著し
く、再掘削等が困難となるからであり、一方40重量部
を超えると、急硬性クリンカー組成物(A)粉末量が少
なくなるため、30分から1時間の初期における強度の
伸びが低下するからである。より好ましいセメント粉末
の添加量は、急硬性クリンカー組成物(A)粉末10〜
60重量部に対し、10〜40重量部である。
たのは、10重量部未満であると、石膏の量が不足する
ため、十分に水和物が生成できず固化できなくなるから
であり、一方60重量部を超えると、石膏の量が多いた
め、水和物生成のバランスがくずれ、かつ急硬性クリン
カー組成物(A)粉末量が少なくなることから固化性能
が低下するからである。より好ましい石膏粉末の添加量
は、急硬性クリンカー組成物(A)粉末10〜60重量
部に対し、20〜50重量部である。
は、急硬性クリンカー組成物(A)10〜60重量部に
対し、セメント0.1〜40重量部と石膏10〜60重
量部とを添加混合した後、粉砕することによっても調製
できる。この場合の、急硬性クリンカー組成物(A)、
セメントならびに石膏の粉末度としては、ブレーン比表
面積が2500〜12000cm2/g、好ましくは3
000〜10000cm2/gのものが用いられる。
固化材組成物は、土管等を地盤に埋設する工事などにお
いて、地盤の埋め戻しの作業の際に掘り返された土壌に
添加される。ここで、本発明の地盤改良用固化材組成物
が添加される土壌としては、砂土、砂壌土、壌土、埴壌
土、埴土、ローム、シルト、砂、シールド泥水、粘性土
などが挙げられる。
の添加量としては、土壌の種類等によっても異なるもの
の、40〜300kg/m3程度、より好ましくは80
〜220kg/m3程度である。40kg/m3未満で
は、短時間における強度発現性が著しく悪劣であるから
であり、一方300kg/m3を超えると、長期間(材
令7日以降)において強度増加が大きく、再堀削が事実
上困難となるからである。なお、本発明の地盤改良用固
化材組成物には、生石灰、消石灰などの他の混和剤など
が添加されていてもよい。
説明する。 (実験例)表1に示す組成のクリンカー組成物をロータ
リーキルンを用いる焼結法により合成し、さらに合成し
たクリンカー組成物をブレーン比表面積6800cm2
/gに粉砕して試料No.1のクリンカー組成物粉末を
得た。また、これとは別に粉砕して用意した無水石膏
(CaSO4)粉末を用意した。この無水石膏のブレー
ン比表面積は5500cm2/gであった。さらに、市
販のポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社
製)を用意した。このポルトランドセメントのブレーン
比表面積は3350cm2/gであった。ついで、得ら
れたクリンカー組成物粉末とポルトランドセメントと無
水石膏粉末を表2に示す割合で配合し、試料No.2の
地盤改良用固化材を得た。 また、比較のため従来の地
盤改良用固化材であるタフロックN型(商品名;住友大
阪セメント株式会社製)、タフロック3型(商品名;住
友大阪セメント株式会社製)を用意し、これらをそれぞ
れ試料No.3、No.4の地盤改良用固化材とした。
化材(No.2が実施例、No.3、No.4が比較
例)について、Pロート値、フロー値、一軸圧縮強さ、
ブリージング率の比較試験を20℃の恒温室内で以下に
述べる手順により実施した。ローム(泥水比重1.2
0)、シルト(泥水比重1.26)、砂(泥水比重1.
39)、シールド泥水(泥水比重1.32)、粘性土
(泥水比重1.27)の各種の土壌を用意し、各土壌9
47kg/m3に対して先に用意した地盤改良用固化材
160kg/m3を添加し、試料No.5〜19の流動
化処理土を得、Pロート値、フロー値、一軸圧縮強さ、
ブリージング率の比較試験に供した。
m、下端内径13mm、ロート部の高さ192mmで内
径13mm、長さ38mmの流出管を有する鋳アルミニ
ウム製ロートを該ロートを支える台で鉛直に支持し、つ
いで流動化処理土1725ccを上記ロート内に注ぎ、
流出管から適量の流動化処理土を流出させた後、指で流
出口を押え、流動化処理土をロート側面に設置したポイ
ントゲージに接するまで注ぎ、ついで指を離して流動化
処理土を流出させ連続して流出している流動化処理土が
はじめて途切れるまでの流下時間をストップウォッチで
測定し、この流下時間をPロート値とした。フロー値に
ついては、道路公団のエアモルタル及びエアミルクの試
験方法 IIシリンダー法(KODAN305-1985)
に準じて行った。一軸圧縮強さについては、土の一軸圧
縮試験方法(JIS A 1216)に準じて行った。
ブリージング率については、土木学会のプレパックドコ
ンクリートの注入モルタルのブリージング率及び膨張率
試験方法に準じて行った。これらの結果を表3〜表7に
示す。
について性能を評価した評価結果を表3〜表7に合わせ
て示す。ここでの性能の評価は、流動化処理土に要求さ
れる性能である以下の〜のすべての特性を満たすも
のを○とし、一つの特性でも満たさないものがあればそ
れを×とした。 流動特性 フロー値で180mm以上 均質特性 ブリージング率で1%以下 強度特性 30分後の一軸圧縮強さ 0.1kgf/
cm2以上 4時間後の一軸圧縮強さ 1.5kgf/cm2以上 28日後の一軸圧縮強さ 8.5kgf/cm2以下
(永久的)
を表す。
に、本実施例の地盤改良用固化材組成物(試料No.2
の地盤改良用固化材)が添加された流動化処理土(試料
No.6、9、12、15、18)は、流動化処理土に
要求される性能である上記〜のすべての特性を満た
すものであり、これに比べて従来の地盤改良用固化材
(試料No.3、4)が添加された流動化処理土(試料
No.5、7、8、10、11、13、14、16、1
7、19)は、上記〜の特性を全て満たすことがで
きず、特に、4時間後の一軸圧縮強さが1.5kgf/
cm2以上でかつ28日後の一軸圧縮強さが8.5kg
f/cm2以下(永久的)であるものがほとんどなかっ
た。よって、本実施例の地盤改良用固化材組成物(試料
No.2の地盤改良用固化材)が添加された流動化処理
土(試料No.6、9、12、15、18)は、流動化
処理土の急硬性が優れ、かつ長時間経過後の流動化処理
土が硬くなり過ぎるのを防止できることが判る。
固化材組成物は、急硬性クリンカー組成物(A)粉末1
0〜60重量部に対し、セメント粉末0.1〜40重量
部と石膏粉末10〜60重量部とを混合してなる地盤改
良に使用される固化材であって、上記急硬性クリンカー
組成物(A)が、C12A7を主成分とするクリンカー
に、Fe2O3を全体の0.1〜9重量%、CaF2を全
体の0.1〜9重量%それぞれ共存させてなるクリンカ
ー組成物(B)に、鉱物相としてC2S系のカルシウム
シリケート相及び/又はC2AS系のカルシウムアルミ
ノシリケート相を全体の0.1〜50重量%共存させ、
かつC3S系のカルシウムシリケート相は共存させない
ようにしたものであるので、上記急硬性クリンカー組成
物(A)が融液を媒体として焼結させるロータリキルン
などを用いての製造が容易であり、また、遊離CaOも
残りにくいという利点を有している。
あっては、速硬性成分の含有量が多い急硬性クリンカー
組成物(A)粉末を含有するので、地盤の埋め戻しの作
業の際に掘り返された土壌に添加することによって、従
来の地盤改良用固化材組成物を用いる場合と比べて、埋
め戻し後の地盤が短時間で硬化するので、急硬性が優
れ、土管等の埋設工期を短縮できるという利点がある。
さらに、本発明の地盤改良用固化材組成物にあっては、
上述の構成としたものであるので、地盤の埋め戻しの作
業の際に掘り返された土壌に添加することによって、長
時間経過後の地盤が硬くなり過ぎるのを防止でき、土管
等の補修等のために地盤を再度掘り返す際の作業が容易
であるという利点がある。
Claims (4)
- 【請求項1】 急硬性クリンカー組成物(A)粉末10
〜60重量部に対し、セメント粉末0.1〜40重量部
と石膏粉末10〜60重量部とを混合してなる地盤改良
に使用される固化材であって、上記急硬性クリンカー組
成物(A)が、12CaO・7Al2O3を主成分とする
クリンカーに、Fe2O3を全体の0.1〜9重量%、C
aF2を全体の0.1〜9重量%それぞれ共存させてな
るクリンカー組成物(B)に、鉱物相として2CaO・
SiO2系のカルシウムシリケート相及び/又は2Ca
O・Al2O3・SiO2系のカルシウムアルミノシリケ
ート相を全体の0.1〜50重量%共存させ、かつ3C
aO・SiO2系のカルシウムシリケート相は共存させ
ないようにしたものであることを特徴とする地盤改良用
固化材組成物。 - 【請求項2】 12CaO・7Al2O3 を主成分とす
るクリンカーが、鉱物相として、12CaO・7Al2
O3系からなるカルシウムアルミネート相を50重量%
以上含有し、かつカルシウムアルミネート相に占める3
CaO・Al2O3又はCaO・Al2O3の割合が0〜2
5重量%であることを特徴とする請求項1記載の地盤改
良用固化材組成物。 - 【請求項3】 12CaO・7Al2O3系のカルシウム
アルミネート相が、11CaO・7Al2O3・CaF2
単独、あるいは11CaO・7Al2O3・CaF2と1
2CaO・7Al2O3との混合物であることを特徴とす
る請求項1又は2記載の地盤改良用固化材組成物。 - 【請求項4】 急硬性クリンカー組成物(A)粉末のブ
レーン比表面積が2500〜10000cm2/gであ
り、セメント粉末のブレーン比表面積が2500〜70
00cm2/gであり、かつ石膏粉末のブレーン比表面
積が2500〜15000cm2/gであることを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載の地盤改良用固化
材組成物。
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