JPH081647A - 遠心力成形コンクリート製品およびその製造方法 - Google Patents

遠心力成形コンクリート製品およびその製造方法

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JPH081647A
JPH081647A JP13909994A JP13909994A JPH081647A JP H081647 A JPH081647 A JP H081647A JP 13909994 A JP13909994 A JP 13909994A JP 13909994 A JP13909994 A JP 13909994A JP H081647 A JPH081647 A JP H081647A
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JP
Japan
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concrete
centrifugal force
concrete product
mesh
hollow
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Application number
JP13909994A
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English (en)
Inventor
Takehiko Maruyama
武彦 丸山
Yoshihiro Toyoda
能博 豊田
Shinji Tsuchida
伸治 土田
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Nippon Concrete Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Concrete Industries Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠心力成形コンクリート製品の中空部に現場
での配筋作業を妨げる鉄筋等の突起物を出すことなく、
そのコンクリート製品と後打ちコンクリートとの付着性
状を改善する。 【構成】 鋼製の遠心力成形用型枠1のコンクリート製
品壁厚内に主筋2および螺旋筋3からなる鉄筋篭を配置
する。この鉄筋篭を中心としてコンクリート製品本体4
を円筒形に遠心力成形し、このコンクリート製品本体4
の中空部5に臨む内径側に粗骨材6を一体に設ける。中
空部5に露出した粗骨材6は、コンクリート製品本体4
と一体の粗面を形成し、現場で中空部5へ打設された後
打ちコンクリートとの付着性状を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートの打ち継
ぎを考慮した柱体または梁等に用いられる遠心力成形コ
ンクリート製品およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、建設現場の合理化を目的に遠
心力成形したプレキャストコンクリートを柱および梁等
に建て込み、必要に応じてその遠心力成形製品の中空部
に現場打設で後打ちコンクリートを充填する工法が広く
行われている。
【0003】その現場打設する場合は、遠心力成形した
プレキャストコンクリートと後打ちコンクリートとの一
体化が重要視されており、その場合には遠心力成形した
プレキャストコンクリートの中空部内周面に鉄筋を出し
ておき、この鉄筋を介して後打ちコンクリートとの一体
化が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、遠心力
成形製品と後打ちコンクリートとの一体化には、遠心力
成形製品の中空部内周面に鉄筋を出し、後打ちコンクリ
ートとの一体化を図る方法が一般的に用いられている。
【0005】しかし、遠心力成形製品の中空部内周面に
鉄筋を出す方法は、現場での配筋作業がやり難いこと、
および遠心力成形製品自体の製作工程および鉄筋の費用
が高価となることが考えられる。
【0006】また、遠心力成形製品の中空部内周面に何
も施さずにその中空部内に後打ちコンクリートを打設す
ると、遠心力成形製品と後打ちコンクリートとの間で一
体物としての挙動を示さずに剥離等の現象を起こすが、
これを防ぐ工法および手法は現在のところ存在しない。
【0007】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、遠心力成形製品の中空部内周面に現場での配筋作
業を妨げる鉄筋等の突起物を出すことなく、遠心力成形
製品と後打ちコンクリートとの付着性状を改善すること
ができる遠心力成形コンクリート製品およびその製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、遠心力成形用型枠の内部にコンクリートを投入して
遠心力により成形される中空の遠心力成形コンクリート
製品において、筒形に遠心力成形されたコンクリート製
品本体と、このコンクリート製品本体の中空部に露出さ
れて一体化された粗骨材とを具備した構成の遠心力成形
コンクリート製品である。
【0009】請求項2に記載の発明は、遠心力成形用型
枠の内部にコンクリートを投入して遠心力により中空の
遠心力成形コンクリート製品を成形する製造方法におい
て、遠心力により所要厚さの筒形のコンクリート製品本
体を仮に成形し、このコンクリート製品本体の中空部に
粗骨材を投入し、再度遠心力成形することにより前記粗
骨材を前記中空部に露出させた状態で一体化した構成の
遠心力成形コンクリート製品の製造方法である。
【0010】請求項3に記載の発明は、遠心力成形用型
枠の内部にコンクリートを投入して遠心力により成形さ
れる中空の遠心力成形コンクリート製品において、筒形
に遠心力成形されたコンクリート製品本体と、このコン
クリート製品本体の内径側に配置されたメッシュ筋と、
このメッシュ筋により中空部側に係止されてコンクリー
ト製品本体の中空部に露出された状態で一体化された比
較的大形の粗骨材とを具備した構成の遠心力成形コンク
リート製品である。
【0011】請求項4に記載の発明は、遠心力成形用型
枠の内部にコンクリートを投入して遠心力により中空の
遠心力成形コンクリート製品を成形する製造方法におい
て、型枠の内部に投入したコンクリートを遠心力により
筒形に仮成形し、この筒形コンクリートの中空部に臨む
内周面に沿ってメッシュ筋を配筋するとともに、このメ
ッシュ筋の内径側に粗骨材露出用のコンクリートを投入
し、再度遠心力成形することにより、メッシュ筋より外
径側にコンクリート製品本体を成形するとともに、メッ
シュ筋より内径側に係止された比較的大形の粗骨材をコ
ンクリート製品本体の中空部に露出させた状態で一体化
した構成の遠心力成形コンクリート製品の製造方法であ
る。
【0012】請求項5に記載の発明は、遠心力成形用型
枠の内部にコンクリートを投入して遠心力により中空の
遠心力成形コンクリート製品を成形する製造方法におい
て、遠心力成形用型枠のコンクリート製品壁厚内に鉄筋
篭を配置するとともに、この鉄筋篭の内径側にメッシュ
筋を配置し、このメッシュ筋の内径側にコンクリートを
打設して遠心力成形することにより、コンクリートの大
部分をメッシュ筋を素通りさせてメッシュ筋より外径側
にて筒形のコンクリート製品本体を成形するとともに、
メッシュ筋より内径側に比較的大形の粗骨材を係止して
コンクリート製品本体の中空部に露出させた状態で一体
化した構成の遠心力成形コンクリート製品の製造方法で
ある。
【0013】請求項6に記載の発明は、遠心力成形用型
枠の内部にコンクリートを投入して遠心力により成形さ
れる中空の遠心力成形コンクリート製品において、筒形
に遠心力成形されたコンクリート製品本体と、このコン
クリート製品本体の中空部に露出されて一体化された金
網とを具備した構成の遠心力成形コンクリート製品であ
る。
【0014】請求項7に記載の発明は、遠心力成形用型
枠の内部にコンクリートを投入して遠心力により中空の
遠心力成形コンクリート製品を成形する製造方法におい
て、型枠の内部に投入したコンクリートを遠心力により
筒形に仮成形し、この筒形コンクリートの中空部に臨む
内周面側に未固化状態の薄肉スラッジ層を形成し、この
薄肉スラッジ層内に金網の外径側を埋込んで一体化する
とともに内径側を中空部に露出させた構成の遠心力成形
コンクリート製品の製造方法である。
【0015】
【作用】請求項1に記載の発明は、中空部に露出させた
粗骨材により、中空部への後打ちコンクリートとの付着
性状を確保する。
【0016】請求項2に記載の発明は、仮に遠心力成形
されたコンクリート製品本体の中空部に粗骨材を投入
し、再度の遠心力成形によりこの粗骨材を前記中空部に
臨む内周面に一体化させる。
【0017】請求項3に記載の発明は、メッシュ筋の分
別作用によりコンクリート製品本体の内径側に粗骨材を
一体化し、この粗骨材を介して中空部への後打ちコンク
リートとの一体化を図る。
【0018】請求項4に記載の発明は、遠心力により仮
成形された筒形コンクリートの内周面にてメッシュ筋を
配筋し、このメッシュ筋の分別作用によりコンクリート
製品本体の内径側に粗骨材を一体化する。
【0019】請求項5に記載の発明は、予め鉄筋篭の内
径側に配置されたメッシュ筋により、このメッシュ筋を
透過して形成された外径側のコンクリート製品本体と、
係止されて内径側に残った粗骨材とを、一度の遠心力成
形により一体化させる。
【0020】請求項6に記載の発明は、コンクリート製
品本体の中空部に露出した金網により、中空部への後打
ちコンクリートとの付着性状を確保する。
【0021】請求項7に記載の発明は、遠心力により仮
成形された筒形コンクリートの中空部に臨む内周面側に
未固化状態の薄肉スラッジ層を形成し、この薄肉スラッ
ジ層内に金網の外径側を埋込んで、スラッジ層が固化し
た際のコンクリート製品本体と金網との一体化を図ると
ともに、金網の内径側を中空部に露出させて後打ちコン
クリートとの一体化を図る。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図面に示された種々の実施例
を参照して説明する。
【0023】図1は、メッシュ筋を使用しないで鋼製の
遠心力成形用型枠(以下、単に型枠ともいう)1の内部
に成形された遠心力成形コンクリート製品を示す。この
図1に示されるように、型枠1のコンクリート製品壁厚
内には主筋2および螺旋筋3からなる鉄筋篭が配置さ
れ、この鉄筋篭を中心として円筒形に遠心力成形された
コンクリート製品本体4に対し、このコンクリート製品
本体4の中空部5に臨む内径側に粗骨材6が一体化さ
れ、中空部5に露出されている。
【0024】図2は、図1に示されたメッシュ筋を使用
しない遠心力成形コンクリート製品の製造方法を示す工
程図であり、図2(A)に示されるように遠心力成形用
型枠1の内部にコンクリートを投入して遠心力により所
要厚さの円筒形のコンクリート製品本体4aを仮に締め固
めて成形し、中空部5に臨む内周面を一応仕上げる。そ
の後で、図2(B)に示されるようにこのコンクリート
製品本体4aの中空部5に比較的大形の粗骨材(石)6を
投入し、図2(C)に示されるように再度遠心力成形す
ることにより、コンクリート製品本体4を締め固めて形
成するとともに前記粗骨材6を前記中空部5に露出させ
た状態でコンクリート製品本体4と一体化する。なお、
前記粗骨材6を投入する方法は、仮に締め固めて成形し
たコンクリート製品本体4aの回転を止めることなく、回
転中の中空部5内に粗骨材6を少しずつ投入してゆくよ
うにしてもよい。
【0025】ここで、図2(B)の中空部5に投入され
た比較的大形の粗骨材6は、セメントペーストと混合し
たものでも良く、その場合はセメントペーストの接着作
用により、コンクリート製品本体4と粗骨材6とをより
強固に一体化できる。
【0026】図3は、遠心力成形用型枠1の内部に成形
されたメッシュ筋入り遠心力成形コンクリート製品を示
し、主筋2および螺旋筋3からなる鉄筋篭がセットされ
た型枠1の内部にコンクリートを投入して円筒形に遠心
力成形されたコンクリート製品本体4に対し、このコン
クリート製品本体4の内径側にメッシュ筋7が配置さ
れ、このメッシュ筋7により中空部側に係止された比較
的大形の粗骨材6が、コンクリート製品本体4の中空部
5に露出された状態で製品本体4と一体化されている。
【0027】図4は、図3に示されたメッシュ筋入り遠
心力成形コンクリート製品の製造方法を示す工程図であ
るが、図4(A)に示されるように当初はメッシュ筋を
使用しないで、遠心力成形用型枠1の内部に投入したコ
ンクリート4bを遠心力により仮に締め固めて円筒形に成
形し、その後で、図4(B)に示されるように円筒形コ
ンクリート4bの中空部5に臨む内周面に沿ってメッシュ
筋7を配筋するとともに、このメッシュ筋7の内径側に
比較的大形の粗骨材6を含む粗骨材露出用のコンクリー
ト4cを投入し、再度遠心力成形することにより、粗骨材
露出用コンクリート4c中の一部はメッシュ筋7を経て外
径側に透過し、仮成形された円筒形コンクリート4bと一
体に締め固められる。これにより、図4(C)に示され
るようにメッシュ筋7より外径側にコンクリート製品本
体4を成形するとともに、メッシュ筋7より内径側に比
較的大形の粗骨材6を係止する。この粗骨材6は中空部
5に露出した状態でコンクリート製品本体4と一体とな
る。
【0028】この図4に示された方法は、遠心力成形さ
れた円筒形コンクリート4bの中空部5にメッシュ筋7を
挿入する点を考慮すると、長尺柱よりも短尺柱の製造に
適用するとよい。
【0029】図5および図6は、それぞれ図3に示され
た遠心力成形コンクリート製品の他の製造方法を示す工
程図であり、図5(A)および図6(A)に示されるよ
うに遠心力成形用型枠1のコンクリート製品壁厚内に主
筋2および螺旋筋3からなる鉄筋篭を配置するととも
に、この鉄筋篭の内径側にメッシュ筋7を配置し、この
メッシュ筋7のさらに内径側にコンクリート4dを打設し
て遠心力成形することにより、図5(B)および図6
(B)に示されるようにコンクリート4dの大部分はメッ
シュ筋7を透過し、図5(C)および図6(C)に示さ
れるようにメッシュ筋7より外径側にて遠心力により締
め固められて円筒形のコンクリート製品本体4が成形さ
れる。一方、コンクリート4d中に含まれる比較的大形の
粗骨材6は、メッシュ筋7の内径側に係止されて残留
し、コンクリート製品本体4の中空部5に露出した状態
で製品本体4と一体化する。
【0030】図5に示された実施例は、メッシュ筋7自
体に打設コンクリート4dからの圧に抗し得る強度がある
場合であり、メッシュ筋7と主筋2および螺旋筋3から
なる鉄筋篭との間に十分な間隔を設けることができる。
一方、図6に示された実施例は、メッシュ筋7が打設コ
ンクリートの内圧に抗し得ず変形しやすい場合であり、
主筋2および螺旋筋3からなる鉄筋篭の内径側に近接状
態でまたは重ねてメッシュ筋7を配筋することにより、
鉄筋篭によりメッシュ筋7の変形を防止することができ
る。
【0031】以上のようにメッシュ筋7を使用する場合
は、そのメッシュ筋7の内径側にコンクリートを打設し
た後、型枠1を図示されない遠心力成形機により回転駆
動すると、型枠1とともに主筋2、螺旋筋3およびメッ
シュ筋7が一体に回転し、遠心力成形がなされる。その
際、比較的大形の粗骨材6も遠心力の作用で外径側へ移
動するが、メッシュ筋7の内径側で係止されて残留す
る。一方、メッシュ筋7の目より小さな骨材を含むコン
クリート(モルタルも含む)の大部分はメッシュ筋7を
透過して、メッシュ筋7より外径側にて遠心力により締
め固められ、円筒形のコンクリート製品本体4が成形さ
れる。したがって、メッシュ筋7によりコンクリート製
品本体4と比較的大形の粗骨材6とが分別されるが、両
者の一体性は確保される。
【0032】次に、図3に示された遠心力成形コンクリ
ート製品を例に挙げて、その構造をより具体的に説明す
ると、前記主筋2は、φ7mm程度のプレストレストコン
クリート緊張鋼材(PC鋼線)を使用し、また前記螺旋
筋3は、φ3.2mm 程度の金属線材を使用し、さらに前記
メッシュ筋7は、φ1.6 mm程度の金属線材を縦線材およ
び横線材として使用し、コンクリート中の比較的大形の
粗骨材6より小さなピッチで配筋し、例えば20mm×20mm
程度の網目を構成する。このメッシュ筋7は、コンクリ
ート製品の設計上の中空部内周面となる位置より前記粗
骨材6の半分程度だけ大径側に同心に設置する。
【0033】この図3に示されるように、メッシュ筋7
により遮られてこのメッシュ筋7より遠心力方向(外径
側)に出られずメッシュ筋7の内径側に残留した粗骨材
6は、その一側半分がコンクリートまたはモルタル中に
埋め込まれた状態で一体化されることとなる。一方、コ
ンクリート製品本体4の中空部5に臨む内周面に粗骨材
6の他側半分が露出し粗面を形成するので、この粗骨材
6により形成された露出粗面が後打ちコンクリートとの
付着性状を向上させ、後打ちコンクリートとの一体化を
確実なものとする。なお、メッシュ筋7は、金属線材
(鉄線材、鋼線材等)に限られるものではなく、繊維強
化複合材(FRP)等により構成してもよい。
【0034】図1乃至図6に示された本発明にかかるプ
レキャストコンクリート製品は、いずれも中空部5に面
した粗骨材6により、この中空部5に現場で打設された
後打ちコンクリートとの一体化を図る上で効果があり、
中空部5に露出した粗骨材6は、コンクリート製品本体
4と一体の粗面を形成し、現場で中空部5へ打設された
後打ちコンクリートとの付着性状を向上させるから、後
打ちコンクリートとの合成構造部材としての設計も可能
となる。
【0035】図7は、中空部への後打ちコンクリートと
の付着性状を確保するための別の遠心力成形コンクリー
ト製品を示し、遠心力成形用型枠1の内部にて、主筋2
および螺旋筋3からなる鉄筋篭を中心として円筒形に遠
心力成形されたコンクリート製品本体4に対し、このコ
ンクリート製品本体4の中空部5に臨む内径側にメッシ
ュ状金網8の外径側が一体化され、この金網8の内径側
が中空部5に露出されたものである。
【0036】図8は、図7に示された遠心力成形コンク
リート製品の製造方法を示す工程図であり、図8(A)
に示されるように遠心力成形用型枠1の内部に投入した
コンクリート4eが遠心力による仮締め固めにより円筒形
に仮成形され、この円筒形コンクリート4eの中空部5に
臨む内周面側に未固化状態のスラッジ層4fが形成されて
いる段階で、図8(B)に示されるように未固化状態の
内面スラッジ層4fの一部を均等に取除いて薄肉スラッジ
層4fとし、図8(C)に示されるようにこの未固化状態
の薄肉スラッジ層4f内にメッシュ状金網8の外径側(金
網線径の1/2 〜2/3 )を埋込んで、スラッジ層4fが固化
した際のコンクリート製品本体4と金網8との一体化を
図るとともに、金網8の内径側(金網線径の1/2 〜1/3
)を中空部5に露出させ、この金網8により中空部5
への後打ちコンクリートとの一体化を図り、付着性状を
確保する。
【0037】図8(A)から(B)に示されるように未
固化状態スラッジ層4fの一部を取除いて薄肉スラッジ層
としたのは、このようなスラッジ層4fは、金網8の接着
剤として必要な最小限の厚みを残すことが好ましいが、
必ずしも取除く必要はない。
【0038】図8(C)にて薄肉の未固化スラッジ層4f
に金網8を埋込む工程は、未固化スラッジ層4fの内周面
に沿って一応円筒形に配置された金網8は金網8自身の
スプリング作用による復元力によって拡径され、未固化
スラッジ層4fに埋込まれる。なお、金網8は必ずしも円
筒形に限定されるものではなく周方向に分割形(2分
割、3分割等)にしてもよい。この場合は金網8を遠心
力により拡径させることにより、未固化スラッジ層4fに
埋込むようにする。
【0039】最後に、図示された実施例では、前記主筋
2としてPC鋼線を用いているが、非緊張鉄筋(RC)
等でもよい。また、図示された実施例ではコンクリート
製品本体4を円筒形に遠心力成形しているが、角筒形に
遠心力成形したコンクリート製品本体においても本発明
の遠心力成形コンクリート製品およびその製造方法を適
用できることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、コンク
リート製品本体の中空部に露出された状態で一体化され
た粗骨材により、この中空部における後打ちコンクリー
トとの付着性状を改善できる粗面を形成でき、確実なコ
ンクリートの打ち継ぎを実現できる。また、従来のよう
な中空部内に突出する鉄筋等の突起物を使用する必要が
ないため、現場での配筋作業を容易に行え、後打ちコン
クリートとの一体化が比較的容易に図れることから、安
価な施工を可能とする遠心力成形コンクリート製品を提
供できる。
【0041】請求項2に記載の発明によれば、最初の遠
心力成形と粗骨材投入後の再度の遠心力成形とにより、
請求項1に記載された遠心力成形コンクリート製品を比
較的簡単に製造でき、製造コストも安価にできる効果が
ある。
【0042】請求項3に記載の発明によれば、メッシュ
筋によりコンクリート製品本体の内径側に粗骨材を確実
に分別して配置できるとともに、メッシュ筋の目に詰っ
ているコンクリートによりコンクリート製品本体と粗骨
材との一体化を確保でき、その粗骨材を介して後打ちコ
ンクリートとの付着性状を改善できる。
【0043】請求項4に記載の発明によれば、遠心力に
より仮成形された筒形コンクリートの内周面にてメッシ
ュ筋にかかる粗骨材露出用コンクリートの圧力を受ける
ので、メッシュ筋に強度がなくとも粗骨材露出用コンク
リートによるメッシュ筋の変形を防止できる。
【0044】請求項5に記載の発明によれば、一度の遠
心力成形によりメッシュ筋の外径側にコンクリート製品
本体を成形できるとともにメッシュ筋の内径側に粗骨材
を一体化できるので、遠心力成形に要する全体時間が短
くてすむ。
【0045】請求項6に記載の発明によれば、中空部に
露出した金網により、中空部への後打ちコンクリートと
の付着性状を確保できる。
【0046】請求項7に記載の発明によれば、筒形コン
クリートが仮成形された段階での未固化状態のスラッジ
層に金網の外径側を埋込んでおき、このスラッジ層の固
化を待ってコンクリート製品本体と金網との一体化を図
ったので、金網の一体化を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメッシュ筋なしの遠心力成形コン
クリート製品の一例を示す断面図である。
【図2】同上コンクリート製品の製造方法を示す工程図
である。
【図3】本発明に係るメッシュ筋入りの遠心力成形コン
クリート製品の一例を示す断面図である。
【図4】同上メッシュ筋入りコンクリート製品の製造方
法の第1実施例を示す工程図である。
【図5】同上製造方法の第2実施例を示す工程図であ
る。
【図6】同上製造方法の第3実施例を示す工程図であ
る。
【図7】本発明に係る金網入りの遠心力成形コンクリー
ト製品の一例を示す断面図である。
【図8】同上金網入りコンクリート製品の製造方法を示
す工程図である。
【符号の説明】
1 遠心力成形用型枠 4 コンクリート製品本体 5 中空部 6 粗骨材 7 メッシュ筋 8 金網

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心力成形用型枠の内部にコンクリート
    を投入して遠心力により成形される中空の遠心力成形コ
    ンクリート製品において、 筒形に遠心力成形されたコンクリート製品本体と、 このコンクリート製品本体の中空部に露出されて一体化
    された粗骨材とを具備したことを特徴とする遠心力成形
    コンクリート製品。
  2. 【請求項2】 遠心力成形用型枠の内部にコンクリート
    を投入して遠心力により中空の遠心力成形コンクリート
    製品を成形する製造方法において、 遠心力により所要厚さの筒形のコンクリート製品本体を
    仮に成形し、 このコンクリート製品本体の中空部に粗骨材を投入し、 再度遠心力成形することにより前記粗骨材を前記中空部
    に露出させた状態で一体化したことを特徴とする遠心力
    成形コンクリート製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 遠心力成形用型枠の内部にコンクリート
    を投入して遠心力により成形される中空の遠心力成形コ
    ンクリート製品において、 筒形に遠心力成形されたコンクリート製品本体と、 このコンクリート製品本体の内径側に配置されたメッシ
    ュ筋と、 このメッシュ筋により中空部側に係止されてコンクリー
    ト製品本体の中空部に露出された状態で一体化された比
    較的大形の粗骨材とを具備したことを特徴とする遠心力
    成形コンクリート製品。
  4. 【請求項4】 遠心力成形用型枠の内部にコンクリート
    を投入して遠心力により中空の遠心力成形コンクリート
    製品を成形する製造方法において、 型枠の内部に投入したコンクリートを遠心力により筒形
    に仮成形し、 この筒形コンクリートの中空部に臨む内周面に沿ってメ
    ッシュ筋を配筋するとともに、このメッシュ筋の内径側
    に粗骨材露出用のコンクリートを投入し、 再度遠心力成形することにより、メッシュ筋より外径側
    にコンクリート製品本体を成形するとともに、メッシュ
    筋より内径側に係止された比較的大形の粗骨材をコンク
    リート製品本体の中空部に露出させた状態で一体化した
    ことを特徴とする遠心力成形コンクリート製品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 遠心力成形用型枠の内部にコンクリート
    を投入して遠心力により中空の遠心力成形コンクリート
    製品を成形する製造方法において、 遠心力成形用型枠のコンクリート製品壁厚内に鉄筋篭を
    配置するとともに、この鉄筋篭の内径側にメッシュ筋を
    配置し、 このメッシュ筋の内径側にコンクリートを打設して遠心
    力成形することにより、コンクリートの大部分をメッシ
    ュ筋を素通りさせてメッシュ筋より外径側にて筒形のコ
    ンクリート製品本体を成形するとともに、 メッシュ筋より内径側に比較的大形の粗骨材を係止して
    コンクリート製品本体の中空部に露出させた状態で一体
    化したことを特徴とする遠心力成形コンクリート製品の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 遠心力成形用型枠の内部にコンクリート
    を投入して遠心力により成形される中空の遠心力成形コ
    ンクリート製品において、 筒形に遠心力成形されたコンクリート製品本体と、 このコンクリート製品本体の中空部に露出されて一体化
    された金網と を具備したことを特徴とする遠心力成形コンクリート製
    品。
  7. 【請求項7】 遠心力成形用型枠の内部にコンクリート
    を投入して遠心力により中空の遠心力成形コンクリート
    製品を成形する製造方法において、 型枠の内部に投入したコンクリートを遠心力により筒形
    に仮成形し、 この筒形コンクリートの中空部に臨む内周面側に未固化
    状態の薄肉スラッジ層を形成し、 この薄肉スラッジ層内に金網の外径側を埋込んで一体化
    するとともに内径側を中空部に露出させたことを特徴と
    する遠心力成形コンクリート製品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013170386A (ja) * 2012-02-21 2013-09-02 Fujita Corp 複合梁を備える建物

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