JPH08163407A - リンギング低減装置 - Google Patents

リンギング低減装置

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JPH08163407A
JPH08163407A JP6323632A JP32363294A JPH08163407A JP H08163407 A JPH08163407 A JP H08163407A JP 6323632 A JP6323632 A JP 6323632A JP 32363294 A JP32363294 A JP 32363294A JP H08163407 A JPH08163407 A JP H08163407A
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Japan
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signal
frequency component
component
envelope
ringing
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JP6323632A
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Shigehiro Ito
茂広 伊藤
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 テレビジョン等の映像信号のリンギングを低
減する装置に係り、特に、VTR等の映像信号を扱う各
種ビデオ機器にも応用出来るリンギング低減装置に関す
る。 【構成】 入力信号を低域成分と高域成分とに分離する
信号分離手段11,12と、前記の高域成分からその包
絡線成分を求める包絡線抽出手段15,16と、前記の
包絡線成分と所定の基準値とに基づき窓関数を形成する
窓関数形成手段17と、前記の窓関数を用いて前記の高
域成分を第2の高域成分に変換する高域変換手段14
と、前記の第2の高域成分を前記の低域成分に加算合成
する信号合成手段13とより構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】テレビジョン等の映像信号のリン
ギングを低減する装置に係り、特に、VTR等の映像信
号を扱う各種ビデオ機器にも応用出来るリンギング低減
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3(a)及び(b)に従来のリンギン
グ低減装置の構成例を示す。ここでリンギング低減を行
う対象とする信号例として、NTSC方式の輝度信号を
取り上げる。本発明は輝度信号のみならず色信号にも適
用出来るが、動作説明の為の一例として輝度信号により
説明する。この輝度信号は図4(a)に示す様に、周波
数帯域fmが約4MHzの信号である。(次式参照)
【0003】
【数1】
【0004】信号処理は次式の標本化周波数fsで動作
するディジタル回路で行われている。
【0005】
【数2】
【0006】まず、第1の従来のリンギング低減装置の
構成例について、図3(a)と共に説明する。この装置
は、低域濾波器(LPF)31、減算器(SUB)3
2、加算器(ADD)33及び非線形変換器34から構
成される。ラインLaからの入力信号は、図4(a)の
様な周波数fm迄平坦な特性のインパルス信号とする。
この信号は周波数上限のスペクトルが急峻に零になるリ
ンギングの多い信号である。
【0007】図5に入力信号の各特性図を示す。図5
(a)は振幅線形表示の時間波形図、図5(b)は振幅
dB表示の時間波形図、図5(c)は振幅線形表示のス
ペクトル図、そして図5(d)は振幅dB表示のスペク
トル図である。後述する図6、図7、図15〜図23に
おいても、同様な表示法を用いている。この入力信号
は、低域濾波器31、及び減算器32に夫々供給され
る。低域濾波器31の特性は、次式に示されるG1
(f)の様な4MHz迄余弦波状に減衰する100%ロ
ールオッフ特性である。
【0008】
【数3】
【0009】次段の減算器(SUB)32には、入力信
号と低域濾波器31からの信号が夫々供給され、減算に
よって高域成分を出力する。この高域成分は次段の非線
形変換器34に供給される。この非線形変換器34の入
出力特性は、図4(c)に示される様に、入力信号レベ
ルが小さい時に出力信号が出難くなる次式に示す様な非
線形特性である。
【0010】
【数4】
【0011】この回路で高域の振幅の小さいリンギング
等の成分は、基準値poとの比率の4乗倍で圧縮される
ことになる。この非線形変換器34の出力は次段の加算
器(ADD)33において、低域成分と加算されて、ラ
インLbを介して図6の様な信号を出力する。図6
(a)の時間波形図を見ると、確かにリンギングは減
り、一見良さそうな波形に見えるが、これを周波数領域
に変換した線形表示の図6(c)を見ると、周波数がf
m以下の信号帯域内でのスペクトルのうねりが大きいこ
と、そしてdB表示の図6(d)で見ると周波数がfm
以上の信号帯域外に付加された意味不明のスペクトル成
分が、かなりの大きさで付加されていること等が分か
る。この帯域外のスペクトルは、信号との相関が弱いた
め、雑音と同じ振る舞いをすることになるので、一般に
はこれを除去する低域濾波器を付けることが多い。
【0012】この帯域外雑音除去の為の低域濾波器は信
号成分に影響を与えないようにするのに、周波数fm迄
平坦でそれ以上の周波数で急峻にゲインが落ちるような
特性にする必要がある。しかし、そのような特性を得る
ための濾波器はかなり複雑な回路になり、コスト的にか
なり高くなることが多い。この様な高価な低域濾波器に
よって、信号の帯域外の不要な成分を除去しても、信号
帯域内のスペクトルの乱れを除去することは出来ないの
で、そのまま信号の歪として残ることになる。この様な
信号歪は一般には後処理で取り切ることは不可能なの
で、非線形変換器の図4(c)の特性を工夫するように
しているが、なかなか期待通りの良い特性が得られなか
った。
【0013】次に、第2の従来のリンギング低減装置の
構成例について、図3(b)と共に説明する。これは入
力信号に低域濾波器35を通して、図4(b)の様に信
号の高域成分を落とすことで、高域成分に主たるエネル
ギーを有するリンギング成分を抑圧出来るとの考えに基
づくものである。しかし、図5の様な特性の入力信号を
加えて、実際に動作させてみると、図7の様な特性の出
力信号が得られる。図7(a)及び(b)の時間波形図
を図5(a)及び(b)と比較すると、高域成分が低下
した分だけ、リンギングのレベルは小さくなるものの、
波形全体に広がる信号成分は減ったとは言いにくい状況
であることが分かる。しかも、高域成分を単純に落とす
だけの特性であるから、映像信号としては解像度感が落
ちて、全体的にボケた感じにならざるを得なかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この課題は、急峻な信
号の縁に縞模様になって見えるリンギング成分が画質を
損なう要因であり、また符号化復号化により背景が平坦
な領域でよく目立つ符号化歪が画質劣化要因となってい
るが、これもスペクトルの急峻化に伴うリンギングが原
因と考えられるものがあるが、これらに対して、従来例
の様なリンギング低減処理を行うことによる諸々の弊
害、即ち、信号帯域内の歪み、信号帯域外の雑音状の高
調波の付加、信号高域成分の低下等を出来るだけ少なく
し、解像度感を維持したままで歪みの少ない自然な感じ
のリンギング低減を行うにはどの様な方策を取れば良い
かという点にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は下記の
手段によるリンギング低減装置を構成し、上記課題を解
決している。 (1)入力信号を低域成分と高域成分とに分離する信号
分離手段と、前記の高域成分からその包絡線成分を求め
る包絡線抽出手段と、前記包絡線成分と所定基準値とに
基づき窓関数を形成する窓関数形成手段と、前記窓関数
を用いて前記高域成分を第2の高域成分に変換する高域
変換手段と、前記第2の高域成分を前記低域成分に加算
合成する信号合成手段とより構成したリンギング低減装
置。 (2)前記(1)において、前記包絡線抽出手段は、前
記の高域成分を標準偏差値の演算を行なう標準偏差回路
に供給し、前記標準偏差回路の出力から包絡線成分を求
めるよう構成したリンギング低減装置。 (3)前記(1)において、前記包絡線抽出手段は、前
記高域成分を標準偏差値の演算を行なう標準偏差回路に
供給し、更にその出力を低域濾波器に供給し、前記低域
濾波器の出力から包絡線成分を求めるよう構成したリン
ギング低減装置。 (4)前記(1)乃至(3)において、前記窓関数形成
手段は、前記包絡線成分と所定基準値とから位相角を求
め、前記位相角の変域を0乃至π/2の間とし、これを
正弦関数または余弦関数等の三角関数に適用し、前記三
角関数を所定乗倍して変域が0乃至1の範囲の窓関数を
求めるよう構成したリンギング低減装置。 (5)前記(4)において、前記位相角は、包絡線成分
と所定基準値との和に対する、前記包絡線成分、または
前記基準値との比率から求めるように構成したリンギン
グ低減装置。
【0016】
【実施例】本発明のリンギング低減装置の実施例につい
て、図1〜2と共に説明する。図4〜図23は、動作説
明図であり、動作の説明にあたっては、便宜上、簡略化
した模擬的な表現法も採用してある。また、各回路自体
の処理時間による信号の遅れ、及びその遅れを単に補正
するためだけに用いられる遅延回路等は、説明上必要な
場合を除いて省略する。
【0017】図1は、本発明によるリンギング低減装置
の構成例である。この図は従来例の図3(a)及び
(b)の特性の良い点を取り込み、更に新たな特徴を盛
り込んだ構成にしている。図2(a)は、図1の標準偏
差回路の具体的構成例、図2(b)は、図1の低域濾波
器11の具体的構成例である。図1において、ブロック
11は第1の低域濾波器、ブロック12は減算器、ブロ
ック13は加算器、ブロック14は乗算器、ブロック1
5は標準偏差回路、ブロック16は第2の低域濾波器、
そしてブロック17は非線形変換器である。
【0018】図1の入力ラインLaからは図4(a)の
様に信号帯域がfmの輝度信号が入力される。実際の波
形例としては、リンギングが最も多い図5の様なインパ
ルス波形、即ち、sinx/xパルス波形を取り上げる
ことにする。この入力信号は、第1の低域濾波器11と
減算器12の夫々の入力端子に供給される。この第1の
低域濾波器11の特性G1(f)は、数3の様な帯域4
MHzの100%ロールオッフ特性の低域濾波器であ
る。この第1の低域濾波器11の出力波形図及びスペク
トル図を図8(a)及び(b)に示すが、高域成分が抑
圧され、リンギング成分がほとんど除去された波形とな
る。
【0019】図2(b)はこの第1の低域濾波器11の
回路構成例であるが、遅延回路群と増幅器群(重み付け
回路群)と合成器とから成るディジタル構成のトランス
バーサルフィルタである。Lb−a1は入力ライン、L
b−a2が出力ラインである。ブロックb−a1〜b−
a8は各々遅延時間がTsの直列接続された遅延回路群
である。遅延時間Tsの逆数4fscは輝度信号の標本
化周波数である。この遅延回路群からTs間隔の9個の
信号が出力される。この遅延信号群は、次段の増幅器群
b−b1〜b−b9に供給されるが、この増幅器群で入
力される信号に、各々所定の倍率の重み付けが行われ
る。この増幅器群からの出力される9個の信号は、次の
合成器b−c1で加算合成され出力される。
【0020】この第1の低域濾波器11の出力信号は、
次段の減算器(SUB)12と加算器(ADD)13に
夫々供給される。減算器12はラインLaの入力信号
と、第1の低域濾波器11からの信号の差を求める回路
である。図8(c)及び(d)に出力波形図及びスペク
トル図を示すが、これは入力信号の高域成分である。こ
の減算器12の出力信号は次段の乗算器(MULT)1
4と標準偏差回路15に夫々供給される。標準偏差回路
15は、時間的に前後する複数個の標本点の値の自乗和
平均、そしてその平方根を求める回路であり、次式の様
な演算を行っている。
【0021】
【数5】
【0022】この標準偏差回路の具体的な構成例を図2
(a)に示す。図2(a)において、ラインLa-a1は入
力端子、ラインLa-a2は出力端子を表している。ブロッ
クa−a1〜a−a4は各々遅延時間がTs(標本化間
隔)の遅延回路であり、直列に接続されており、時間T
s間隔の5つの標本値が取り出せる構成になっている。
この遅延回路群からの5つの信号は、次の乗算器群a−
b1〜a−b5に供給される。これらのブロックは、入
力される信号の自乗値を求める回路であり、入力される
信号同士の掛け算を行う回路である。この乗算器群から
の5つの信号は、次の合成器a−c1で加算合成され
る。この加算合成された信号は、次の変換器a−c2で
平方根が求められラインLa-a2から出力される。
【0023】この変換器a−c2は入力される値と平方
根との関係を予め計算して求めておき、ROM等にその
デ−タを予め書き込んでおいて、必要な時に読み出して
出力するテーブル・ルックアップ方式の回路で実現出来
る。この標準偏差回路15の出力波形図及びスペクトル
図を図9(e)及び(f)に示すが、これは数5におい
て、N=2とした5個の標本点から求めたデータであ
る。この標準偏差回路15の働きにより入力される高域
成分の包絡線成分が取り出される。隣接する複数標本点
からの自乗和の平方根を求めているため、低域濾波器の
機能も含まれており高調波成分も抑制されることにな
る。この標準偏差値σは次段の第2の低域濾波器16に
供給される。この低域濾波器16の特性G2(f)は次
式で表される様な、ブロック11と同様の帯域4MHz
の100%ロールオッフ特性の低域濾波器である。
【0024】
【数6】
【0025】この第2の低域濾波器16の出力波形図及
びスペクトル図を図9(g)及び(h)に示す。入力さ
れる標準偏差値に残留する不要な高域成分が除去された
なだらかな波形になる。更に、帯域制限を強く掛けるこ
とで、後述するようにリンギング低減範囲を絞り込むこ
とが出来る。この第2の低域濾波器16の出力は、次の
非線形変換器17に供給される。この非線形変換器17
の特性例を次式に示す。
【0026】
【数7】
【0027】ここで、xを入力される信号の絶対値とし
たのは、前段の低域濾波器の働きで、微小ながら負の値
が入力される場合があるためである。この式では、xと
x+xoとの比、即ち、x/(x+xo)を用いている
が、これは図4(d)で、波形のピークにあたる時刻t
=tbにおいては、x>>xoなので比は1に近い値で
あり、ピークから離れたt=ta、またはt=tcにお
いては、x=xoであり比の値は1/2となり、xが十
分小さい時には比は0に近い値になること、及び、この
比の値にπ/2を掛ければ0〜π/2の間の値が得られ
ることから、これを位相角とする正弦関数を用いること
が出来る。また、この正弦関数と90゜位相差の余弦関
数を用いることも出来るが、この時の位相角はxo/
(x+xo)の比率から求められる。
【0028】これらの位相角に基づく正弦関数(si
n)または余弦関数(cos)等の三角関数のr乗倍
と、若干の微調整のための係数Koとから窓関数が形成
される。結果的に得られる窓関数の値は同じである。x
o=0.01、Ko=1で、r=1、2、4、8、16
とした時の窓関数、即ち、変換器出力Kの計算例を図1
2に夫々示す。図12(a)は、横軸x=0〜0.02
に対するK、図12(b)は、横軸x=0〜0.2に対
するKの計算例である。窓関数の特性はパラメータx
o、r、Koの与え方によって変えることが出来るが、
動作波形図を得る為に用いた標準値は、次式のパラメー
タである。
【0029】
【数8】
【0030】この様な非線形特性は、テーブルルックア
ップ方式のROM等で構成出来る。図10(i)及び
(j)に上記の式のパラメータを基に、求めた出力波形
図及びスペクトル図を示す。この波形は入力信号がsi
nx/xの波形の場合であり、他の波形が入力信号の場
合はそれに応じた別の波形となることは言うまでもな
い。このようにして定められる数7の値Kは、窓関数と
してリンギング低減のために使用される。
【0031】リンギング低減、即ち、リンギングの存在
範囲を狭める目的には、時間領域の窓関数が有効である
ことは良く知られたことではあるが、任意の波形に適合
した窓関数を得る方法についての文献はなく、本発明は
この窓関数の形成方法に特徴がある。この非線形変換器
17の出力信号は次の乗算器(MULT)14に供給さ
れ、減算器12からの信号との積を求める際の窓関数と
なる。この乗算器の出力波形例、即ち、リンギングを押
さえ込まれた第2の高域成分の波形図及びスペクトル図
を、図10(k)及び(l)に示す。
【0032】次の加算器13では第1の低域濾波器11
からの低域成分と、乗算器14からの第2の高域成分と
が供給され加算合成される。加算合成の結果は、ライン
Lbを介して処理後の出力信号となる。出力信号の特性
図を図11(m)、(n)、(o)に示す。これらを各
々入力信号の特性を示す図5(a)、(c)、(d)と
比較すると、リンギングの低減状況が良く分かる。
【0033】従来例の出力波形図及びスペクトル図であ
る図6(a)、(c)、(d)や、図7(a)、
(c)、(d)と比較すると、信号帯域内の歪みがほと
んどないこと、また信号帯域外に付加された成分も信号
との相関のある規則的なスペクトルであることが分か
る。この帯域外のスペクトルは、波形のトランジェント
の高調波成分であるから、有効な信号エネルギーとして
活用されていることになる。リンギングの存在幅を狭め
たことにより、信号のスペクトル領域が広がり、本来空
いていて利用価値のない帯域外領域も有効に活用される
ことになる。
【0034】図5(c)の入力信号のスペクトル図と、
図11(n)の出力信号のスペクトル図を比較すると、
図4(e)に模式的に示すように、上限周波数fmの左
側の右上がり斜線部の周波数成分が削られる代わりに、
fmの右側の右下がりの斜線部の周波数成分が形成され
付加された様な変化が見られる。fmの右側の成分は非
線形処理によって新たに形成された成分であるが、帯域
拡大の効果と捉えることが出来る。この帯域拡大の効果
によって、波形の傾斜部はリンギングを押さえても急峻
さは保持されている。
【0035】この波形傾斜部の状態をみる為の入力信号
として、図13(a)(時間波形図)、(b)(拡大時
間波形図)、(c)(スペクトル図)の様なバー波形
(パルス幅=約36μs、振幅=1のエッジが急峻な波
形)を用い、これに一対一に対応する出力信号の波形図
及びスペクトル図を求めると、図14(a)、(b)、
(c)の様になる。図14(a)及び拡大図(b)を図
13(a)及び(b)と比較してみると、波形傾斜部の
前後に付いていたリンギングの存在範囲が大幅に少なく
なっていることが分かる。
【0036】この様なリンギング低減処理を行っても、
時間拡大波形図13(b)と図14(b)との比較で
は、波形傾斜部はほとんど変化していないことが分か
る。これは前述の如く、そして図13(c)と図14
(c)のスペクトル図の比較でも分かるように、窓関数
の非線形処理によって高域スペクトルが減少すると同時
に、帯域外成分が形成され付加される、帯域拡大の効果
によるものと考えられる。
【0037】次に、幾つかのパラメータを変えたときの
本発明装置の動作上の変化を見てみることにする。比較
の基準とするのは図15の波形図及びスペクトル図であ
る。図15(a)、(c)、(d)は各々図11
(m)、(n)、(o)と同一の本発明装置の処理出力
信号の波形図及びスペクトル図であるが、図15(b)
は図15(a)と同じ波形であるが縦軸をdB表示の振
幅値にして、リンギング等の微小信号レベルの状態を分
かり易くした波形図である。入力信号のレベルが変化し
た時の、動作の変化を見たものが図16と図17であ
る。
【0038】図16は入力信号のレベルを半分にした時
の出力信号の波形図及びスペクトル図であり、図17は
入力信号のレベルを2倍にした時の出力信号の波形図及
びスペクトル図である。これらの図から信号振幅が大き
くなると、リンギングの低減効果が弱くなり、逆に信号
振幅が小さくなるとリンギング低減効果が強く働き信号
の高域成分が減衰していくことが分かる。しかし、信号
帯域内及び帯域外には不必要な雑音性の歪み等の発生は
認められない。非線形変換器のパラメータを変えること
によって、リンギング低減効果を変えることが出来る
が、その数例を次に示す。
【0039】図18と図19はパラメータrの値を変え
た時の出力波形図である。図18はr=2、図19はr
=8の時の出力信号の波形図及びスペクトル図である。
rの値を小さくするとリンギング低減効果は弱まり、r
の値を大きくするとリンギングの存在範囲が狭くなり低
減効果は強くなる。
【0040】図20と図21は標準偏差値σを求めた後
に掛ける低域濾波器の特性を変えたときの出力信号の波
形図及びスペクトル図である。図20は2MHz迄の1
00%ロールオッフ特性、図21は1MHz迄の100
%ロールオッフ特性の場合である。低域濾波器の上限周
波数の値が小さくなるにつれて、リンギングの存在範囲
が狭まってくることがわかる。
【0041】波形図は載せていないが、基準値xoの値
を小さくすればリンギング低減効果は弱まり、xoの値
を大きくすれば低減効果が強くなる。これらのパラメー
タ依存性は適応的にリンギング低減処理を行う必要があ
る場合に有効に活用出来るが、応用目的に応じて最適な
値を選定する必要がある。本発明装置はリンギング低減
処理だけではなく、リンギングとある意味では共通性の
ある雑音低減機能も合わせ持っている。
【0042】図22は入力信号に20数dBのSNの雑
音が供給されたときの波形図及びスペクトル図であり、
図23はそれに対する出力信号の波形図及びスペクトル
図である。これらの波形図の比較では信号帯域内外の雑
音が大幅に減ることが分かる。若干残っている雑音は、
本発明では処理対象外となる低域の雑音成分である。
【0043】
【発明の効果】以上の通り本発明のリンギング低減装置
は、以下の効果を有する。 (イ)信号帯域内及び信号帯域外を含めて、信号に対す
る歪みの少ないリンギング低減効果を得ることが出来
る。 (ロ)リンギング存在領域を狭めても、波形変化部の急
峻度を維持出来、解像度感が損なわれない。 (ハ)雑音低減機能もあるので、微小な雑音や符号化復
号化に伴う符号化歪等の低減処理に効果があり、総合的
な画質向上に効果がある。 (ニ)回路的にもそれ程複雑な回路構成にはならず、通
常のディジタル回路で実現出来る。 (ホ)パラメータを変えることで特性を変えることが出
来るので、適応制御にも応用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリンギング低減装置の具体例のブロッ
ク構成図である。
【図2】本発明の具体例の細部構成図である。
【図3】従来例の構成図である。
【図4】動作説明図である。
【図5】入力信号特性図である。
【図6】第1の従来例の出力信号特性図である。
【図7】第2の従来例の出力信号特性図である。
【図8】本発明のリンギング低減装置の各ブロックの動
作説明図である。
【図9】本発明装置の各ブロックの動作説明図である。
【図10】本発明装置の各ブロックの動作説明図であ
る。
【図11】本発明装置の各ブロックの動作説明図であ
る。
【図12】窓関数の特性例である。
【図13】バー波形の入力信号波形図である。
【図14】バー波形の出力信号波形図である。
【図15】入力信号の振幅が基準値1の時の出力信号特
性図である。
【図16】入力信号の振幅が1/2 の時の出力信号特性図
である。
【図17】入力信号の振幅が2倍の時の出力信号特性図
である。
【図18】乗数rが2の時の出力信号特性図である。
【図19】乗数rが8の時の出力信号特性図である。
【図20】標準偏差値の低域濾波器の帯域が2MHzの
時の出力信号特性図である。
【図21】標準偏差値の低域濾波器の帯域が1MHzの
時の出力信号特性図である。
【図22】雑音付加時の入力信号特性図である。
【図23】雑音付加時の出力信号特性図である。
【符号の説明】
11 第1の低域濾波器(LPF)(信号分離手段) 12,32 減算器(SUB)(信号分離手段) 13,33 加算器(ADD)(信号合成手段) 14 乗算器(MULT)(高域変換手段) 15 標準偏差回路(包絡線抽出手段) 16 第2の低域濾波器(LPF)(包絡線抽出手段) 17,34 非線形変換器(窓関数形成手段) K 非線形変換出力(窓関数) σ 標準偏差値

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を低域成分と高域成分とに分離す
    る信号分離手段と、前記の高域成分からその包絡線成分
    を求める包絡線抽出手段と、前記包絡線成分と所定基準
    値とに基づき窓関数を形成する窓関数形成手段と、前記
    窓関数を用いて前記高域成分を第2の高域成分に変換す
    る高域変換手段と、前記第2の高域成分を前記低域成分
    に加算合成する信号合成手段とより構成したことを特徴
    とするリンギング低減装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記包絡線抽出手段
    は、前記の高域成分を標準偏差値の演算を行なう標準偏
    差回路に供給し、前記標準偏差回路の出力から包絡線成
    分を求めるよう構成したことを特徴とするリンギング低
    減装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記包絡線抽出手段
    は、前記高域成分を標準偏差値の演算を行なう標準偏差
    回路に供給し、更にその出力を低域濾波器に供給し、前
    記低域濾波器の出力から包絡線成分を求めるよう構成し
    たことを特徴とするリンギング低減装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3において、前記窓関数形成
    手段は、前記包絡線成分と所定基準値とから位相角を求
    め、前記位相角の変域を0乃至π/2の間とし、これを
    正弦関数または余弦関数等の三角関数に適用し、前記三
    角関数を所定乗倍して変域が0乃至1の範囲の窓関数を
    求めるよう構成したことを特徴とするリンギング低減装
    置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記位相角は、包絡線
    成分と所定基準値との和に対する、前記包絡線成分、ま
    たは前記基準値との比率から求めるように構成したこと
    を特徴とするリンギング低減装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002525724A (ja) * 1998-09-16 2002-08-13 インテル・コーポレーション 汎用画像強調フレームワーク
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