JPH08162221A - バッテリー接続用コネクター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で部品点数が少なく、組み立てが
容易でしかもバッテリー着脱作業が誰でも容易に間違え
ることなくでき、低コストで着脱時に火花が発生しない
バッテリー接続用コネクターを提供する。 【構成】 コンデンサー２を有する制御回路３に対しバ
ッテリー１を接続するためのコネクター５であって、上
記バッテリー１の（＋）側および（−）側の少なくとも
一方を２本の並列配線ａ，ｂで構成し、該並列配線の一
方の配線ｂの抵抗値を所定値以上にするとともに、この
抵抗値の大きい方の配線ｂによる回路が先に結線され次
に他方の配線ａによる回路が結線されるように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はバッテリー接続装置に関
し、特に電動車両に搭載されるバッテリーを接続するた
めのコネクターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電気自動車等の電動車両には、駆動源で
あるモーターへ電力を供給するためにバッテリーが搭載
されるとともに、制御回路によるモーターの起動時や起
動停止時に制御波形の乱れを防止し安定した動作を得る
ためにコンデンサーが制御回路に組込まれている。この
ようなバッテリーはコネクターを介して制御回路に接続
され車両に搭載される。

【０００３】一方、上記バッテリーは蓄電量が低下した
ときあるいは寿命に達したときに交換したりあるいは充
電のために一旦取外し充電後に車両本体にセットし直さ
なければならない。このようなバッテリーの交換時等
に、特にバッテリー取付け時において、車両側の配線ラ
インであるハーネスとバッテリー側の端子とを接続する
瞬間に制御回路のコンデンサーに多量の電荷が一時に流
入するため、火花が飛散ることがある。このような火花
は不慣れな取付け作業者に不快感あるいは不安感を与
え、また、場合によっては接続部の表面を荒れさせる原
因ともなる。

【０００４】このような火花放電に対処するための電動
車両用バッテリー着脱装置が特開平５−１１６５４３号
公報に開示されている。この公報記載の従来技術は、バ
ッテリーの正負両端子を覆うように取付けられる本体
と、この本体に装着されて、前記バッテリーの正負各端
子に接触せられる一対の接触子と、前記電動車両に接続
されたハーネスの正または負側の一端部に着脱可能に接
続される補助端子と、この補助端子と前記両正負端子間
に設けられて、前記補助端子を、前記正負両端子の何れ
か一方に接続する位置と正負両端子から切り離した位置
との３位置に切り替えるスイッチとを備えていることを
特徴としている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術に係るバッテリー着脱装置において
は、補助端子や切り替えスイッチ等の部品点数が多く、
構造が複雑になって設置スペースを広く要するととも
に、装置の組み立てに手間を要しコストの上昇を来し、
またバッテリーの着脱作業も面倒なものとなる。

【０００６】一方、前述の火花対策として、本発明者は
さらに（１）リレー方式、および（２）コネクターを２
個使用する方式、等を考え検討してみた。

【０００７】（１）のリレー方式においては、コンデン
サーと直列にリレー回路を接続し、リレーの一方の端子
は抵抗を介してコンデンサーに接続し、他方の端子を直
接コンデンサーに接続した構成であり、リレースイッチ
のＯＦＦ状態でコンデンサーと抵抗とが接続されるよう
に配線接続し、この状態でバッテリーを接続する。これ
により、バッテリー接続時に抵抗が介入されるため火花
放電が回避される。バッテリー接続後はリレースイッチ
をＯＮにして抵抗を切り離しバッテリーとコンデンサー
とを直接接続する。

【０００８】また（２）のコネクターを２個使用する方
式においては、バッテリーとコンデンサー間に、抵抗を
介して接続する配線と抵抗のない直接接続する配線とを
並列して設け、各配線上に別々にコネクターを設ける構
成である。バッテリー取付け時には、抵抗のある配線側
のコネクターを先に接続しその後抵抗のない配線側のコ
ネクターを接続する。これにより、バッテリー接続時に
抵抗が介入されるため火花放電が回避される。その後抵
抗のない配線が結線されるため通常使用時に抵抗は電力
供給機能に影響しない。

【０００９】しかしながら、このようなリレー方式やコ
ンデンサーを２個使用する方式においても、（１）のリ
レー方式においては、リレー回路を用いるため部品サイ
ズが大きくなり、また（２）のコンデンサーを２個使用
する方式においては、接続手順を間違えると火花が発生
するという問題がある。

【００１０】本発明は上記従来技術の欠点および前述の
火花対策検討技術の問題点に鑑みなされたものであっ
て、簡単な構造で部品点数が少なく、組み立てが容易で
しかもバッテリー着脱作業が誰でも容易に間違えること
なくでき、低コストで着脱時に火花が発生しないバッテ
リー接続用コネクターの提供を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明においては、コンデンサーを有する制御回路
に対しバッテリーを接続するためのコネクターであっ
て、上記バッテリーの（＋）側および（−）側の各々と
上記コンデンサーとを結ぶ配線上に設けられ、上記配線
の内少なくとも一方を２本の並列配線で構成し、該並列
配線の一方の配線の抵抗値を所定値以上にするととも
に、この抵抗値の大きい方の配線による回路が先に結線
され次に他方の配線による回路が結線されるように構成
したことを特徴とするバッテリー接続用コネクターを提
供する。

【００１２】好ましい実施例においては、前記制御回路
側およびバッテリー側の各一方に接続された差込み側コ
ネクタエレメントおよび受け側コネクタエレメントから
なり、各コネクタエレメントの接点部材は相互に弾発的
に圧接する構成とし、前記差込み側コネクタエレメント
を受け側コネクタエレメントに挿入する動作に伴い、前
記抵抗値の大きい方の配線の接点部材が他方の配線の接
点部材より先に相手側の接点部材に接触するように各接
点部材を位置ずれさせて形成したことを特徴としてい
る。

【００１３】

【作用】コネクターの挿入接続動作に伴い、抵抗の大き
い配線が先に接続されるように時間差をもってコネクタ
ーの接点が接続される。従って、まず大きな抵抗を介し
てバッテリーとコンデンサーが接続されるため、多大の
電荷が一度にコンデンサーに流入することがなくなり火
花の発生が防止される。

【００１４】

【実施例】図１は本発明の実施例に係るバッテリー接続
用コネクターの配線回路図である。バッテリー１はコン
デンサー２を有する制御回路３に接続される。制御回路
３はモーター等の車両駆動装置（図示しない）に対し必
要に応じ所定の電力を供給するための回路である。バッ
テリー１の（＋）側および（−）側は、それぞれ２本の
並列配線により回路が形成される。即ち、（＋）側には
２本の並列ラインａ，ｂが形成され、（−）側には別の
２本の並列ラインｃ，ｄが形成される。この実施例で
は、（＋）側の並列ラインの内一方のラインｂ上に抵抗
４が設けられる。これらの合計４本のラインａ，ｂ，
ｃ，ｄに対応して制御回路側にも４本のラインａ，ｂ，
ｃ，ｄが形成され、対応するラインａ，ｂ，ｃ，ｄ同士
がコネクター５によりそれぞれ接続される。コネクター
５は、差込み側コネクタエレメント５ａと受け側コネク
タエレメント５ｂからなり、両エレメント５ａ，５ｂを
結合することにより各ラインａ，ｂ，ｃ，ｄ同士を接続
する。このコネクター５による各ラインの接続動作にお
いて、（＋）側の抵抗４を含むラインｂと（−）側の一
方のラインｃとが先に接続されその後ラインａ，ｄが接
続されるように、コネクター５は２メイク式の時間差接
続の構造を有している。

【００１５】図２は、上記時間差接続構造の一例を示す
概略構成図である。差込み側コネクタエレメント５ａの
ラインａ，ｂ，ｃ，ｄには板材あるいは棒材からなる接
点部材６（プラグ）が設けられる。これに対応して受け
側コネクタエレメント５ｂにはバネ材からなる受け側接
点部材（ジャック）７が設けられる。差込み側接点部材
６は、外側の２本のラインａ，ｄが内側の２本のライン
ｂ，ｃより長さｘだけ突出している。一方、受け側接点
部材７は、逆に内側の２本のラインｂ，ｃが外側の２本
のラインａ，ｄより長さｙだけ突出している。この場
合、図１に示すようにラインｂに抵抗４が接続されてい
る構成の本実施例においては、ｙ＞ｘとなるように各接
点部材６、７の位置が定められる。

【００１６】（Ａ）図に示すように、両コネクタエレメ
ント５ａ，５ｂが離れている状態から、（Ｂ）図に示す
ように、両コネクタエレメント５ａ，５ｂ同士の結合動
作を開始すると、中央の２本のラインｂ，ｃの接点部材
６、７同士がまず接続される。さらに差込み側コネクタ
エレメント５ａを受け側コネクタエレメント５ｂに挿入
すると、（Ｃ）図に示すように、中央の２本のライン
ｂ，ｃの接点部材６，７同士が弾発的に接触した状態
で、外側の２本のラインａ，ｄの接点部材６，７同士が
接触開始する。この後さらに差込み側エレメント５ａを
受け側エレメント５ｂに挿入することにより接続操作が
完了する。このように各接点部材６．７の位置をずらせ
ることにより、コネクターの接続動作に伴って、２段階
の時間差をもってラインａ，ｂ，ｃ，ｄが接続される。

【００１７】図３は本発明の別の実施例の構成図であ
る。この例では、（＋）側の並列配線の内、外側のライ
ンａに抵抗４が接続されている。また、差込み側コネク
タエレメント５ａの接点部材６は４個とも同一位置に並
べて設けられている。これに対応して、受け側コネクタ
エレメント５ｂの接点部材７は両外側のラインａ，ｄが
中央のラインｂ，ｃよりも突出した位置に設けられる。
このような構成によって、コネクター接続時に挿入接続
動作に伴って、抵抗４のラインａおよびラインｄが先に
接続され、その後ラインｂ，ｃが接続されるように２段
階の時間差接合が行われる。

【００１８】図４は本発明のさらに別の実施例の構成図
である。この例は、図３の実施例において、（−）側の
並列配線のうちラインｃを省略して合計３本のラインに
よりバッテリー接続を行う構成を示す。この構成によっ
ても、（＋）側の抵抗４のラインａと（−）側のライン
ｄが先に接続され、その後（＋）側のラインｂと（−）
側のラインｄが時間差をもって接続される。

【００１９】なお上記各実施例では、バッテリー側を差
込み側コネクタエレメント、制御回路側を受け側コネク
タエレメントとしたが、その逆の構成でもよい。また、
上記実施例では接点部材は同じ面上に並列配置されてい
るが、４つの接点部材を正方形や菱形等の四角形断面の
各頂点位置に配置したり、３つの接点部材を三角形断面
の各頂点位置に配置してもよい。また、バネ材からなる
受け側接点部材７の形状は図示した例に限定されず、接
点部材同士が相互に弾発的に圧接するいかなる形状のバ
ネ材を用いてもよい。例えば、長さの異なるコイルスプ
リングを用いて、抵抗４のラインには長いコイルスプリ
ングを用いることにより先に相手側の接点部材に当接す
るように構成してもよい。

【００２０】さらに、上記実施例では、抵抗４をコネク
ターの位置よりもバッテリー側に設けているが、このよ
うな構成に代えて、図５に示すように、制御回路側（コ
ンデンサー側）に設けてもよい。

【００２１】上記実施例における抵抗４の値は、この抵
抗４を介してバッテリー１がコンデンサー２に接続され
たときに、急激なコンデンサーへの充電作用による火花
が飛散らない、またはほとんど無視できるような抵抗値
とする。この場合、抵抗４を用いる代りに、配線ライン
自体を抵抗の大きい線材で構成してもよい。

【００２２】上記構成の時間差接続構造のコネクター
は、一方のコネクタエレメントを例えばバッテリーケー
スの底部に設け、相手側のコネクタエレメントを車両側
のバッテリー搭載位置に設けることにより、バッテリー
をバッテリーケースとともに車両に搭載するだけで自動
的に時間差をもってバッテリーとコンデンサーとが前述
のように２段階で接続される。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、バッテリーの（＋）側または（−）側に接続する配
線の内少なくとも一方を２本の並列ライン配線とし、そ
のうちの１本は所定の抵抗値以上を有する構成とし、こ
の抵抗値の大きい方の配線ラインを他方のラインより先
に接続されるように構成しているため、部品点数を多く
することなく簡単な構造でバッテリー接続時の火花の発
生を防止することができ、組み立ても容易で取付け時の
手順を誤るおそれもなく容易に確実にバッテリーの着脱
作業が達成されるとともにコストの低減が図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例に係るバッテリー接続用コネ
クターの配線回路図である。

【図２】 （Ａ）（Ｂ）（Ｃ）はそれぞれ本発明の実施
例に係るコネクターの結合状態を順番に示す説明図であ
る。

【図３】 本発明の別の実施例に係るコネクターの配線
回路図である。

【図４】 本発明のさらに別の実施例の配線回路図であ
る。

【図５】 本発明のさらに別の実施例の配線回路図であ
る。

【符号の説明】

１：バッテリー ２：コンデンサー ３：制御回路 ４：抵抗 ５：コネクター ５ａ，５ｂ：コネクタエレメント ６：差込み側接点部材 ７：受け側接点部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンデンサーを有する制御回路に対しバ
   ッテリーを接続するためのコネクターであって、上記バ
   ッテリーの（＋）側および（−）側の各々と上記コンデ
   ンサーとを結ぶ配線上に設けられ、これらの配線の内少
   なくとも一方を２本の並列配線で構成し、該並列配線の
   一方の配線の抵抗値を所定値以上にするとともに、この
   抵抗値の大きい方の配線による回路が先に結線され次に
   他方の配線による回路が結線されるように構成したこと
   を特徴とするバッテリー接続用コネクター。
2. 【請求項２】 前記制御回路側およびバッテリー側の各
   一方に接続された差込み側コネクタエレメントおよび受
   け側コネクタエレメントからなり、各コネクタエレメン
   トの接点部材は相互に弾発的に圧接する構成とし、前記
   差込み側コネクタエレメントを受け側コネクタエレメン
   トに挿入する動作に伴い、前記抵抗値の大きい方の配線
   の接点部材が他方の配線の接点部材より先に相手側の接
   点部材に接触するように各接点部材を位置ずれさせて形
   成したことを特徴とする請求項１に記載のバッテリー接
   続用コネクター。