JPH08160910A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの駆動方法

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JPH08160910A
JPH08160910A JP30758894A JP30758894A JPH08160910A JP H08160910 A JPH08160910 A JP H08160910A JP 30758894 A JP30758894 A JP 30758894A JP 30758894 A JP30758894 A JP 30758894A JP H08160910 A JPH08160910 A JP H08160910A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 平行に配置された維持電極対と、この維持電
極対に直交する方向に配置された書き込み電極とを有す
るメモリ方式AC型プラズマディスプレイパネルを書き
込み放電の前に予備放電及び消去放電を行う駆動方法に
おいて、維持電極対の一方の電位を維持電圧とすると共
に、書き込み電極に書き込みパルスを印加する予備放電
を行い、続いて維持電極対の一方に立ち上がりの鈍い波
形の高電圧パルスを印加する。 【効果】 コントラストを悪化させることなく全てのセ
ルで予備放電を起こすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、メモリ機能を有する
表示素子であるセルの集合によって構成された表示パネ
ルを駆動する方法に関するもので、特に3電極・面放電
型のAC型プラズマディスプレイパネル(PDP)の駆
動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は、例えば特開平6−18692
7号公報に示された従来のPDPの概略的平面図であ
り、図14は図13のセルの基本構造を示す概略的断端
面図、図15はその駆動方法を示す波形図である。図1
3において、101はパネル本体、102はX電極、1
03K(Kは、1〜1000の中の任意の数)はY電
極、104Kはアドレス電極、105は一対のX電極、
Y電極と1本のアドレス電極との交差部分にM×100
0個構成されたセル、106はセル105を仕切る壁、
107Kは表示ラインである。
【0003】図14において、108は前面ガラス基
板、109は背面ガラス基板、110はX電極102及
びY電極103Kを被覆する誘電体層、111は誘電体
層110を放電から保護するMgO膜等からなる保護
膜、112は放電ガスとして放射された紫外線で励起さ
れて色を発光する蛍光体、113は放電空間である。
【0004】図15は、従来のPDPの駆動方法を示す
波形図であり、1駆動サイクルを示している。まず、選
択ラインのY電極がGNDレベルとされ、非選択ライン
のY電極の電位はVsレベルに保持され、X電極102
に電位Vwからなる書き込みパルス136が印加され、
選択ラインの全セルの放電が行われる。続いて、選択ラ
インのY電極の電位が電圧Vsに戻されると共に、維持
放電パルス137が印加され、維持放電が行なわれた
後、選択ラインのY電極に細幅消去パルス138が印加
され、選択ラインの全セルで消去放電が行なわれる。
【0005】次に、選択ラインのY電極にGNDレベル
のアドレスパルス(書込みパルス)139が印加され、
非選択ラインのY電極の電位はVsレベルに保持され、
点灯を行うべきセルに対応するアドレス電極に電圧Va
のアドレスパルス(書込みパルス)140が印加され、
点灯させるべきセルとして選択されたセルの放電が行わ
れる。
【0006】次に、X電極102と、選択ラインのY電
極とに交互に維持放電パルス141、142が印加さ
れ、これにより維持放電が繰り返される。このようにし
て、選択ラインに対する表示データの書込みが行なわれ
る。なお、143は非選択ラインのY電極に印加される
維持放電パルスである。この従来のPDPを駆動する方
法では、選択ラインに対して表示データの書込みを行う
前に、選択ラインの全セルにおいて書込み放電を行った
後、選択ラインの全セルにおいて消去放電を行うように
しているので、選択ラインの全セルの状態を均一化を図
ることができ、線順次駆動法法において、書込みミスを
回避し、良好な画像表示を行うことができるものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のPDPの駆動方
法は、以上のようにして書込みミスを回避しているが、
全セルの放電を維持電極対間(X電極とY電極との間)
で行っているので、電極間に高い電圧が必要であり、放
電が強くなるためコントラストを悪化させるという問題
点があった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、コントラストの悪化を極力抑制
し、安定した書込み放電がなされるプラズマディスプレ
イパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のプラズマディ
スプレイパネルの駆動方法は、平行に配置された維持電
極対と、この維持電極対に直交する方向に配置された書
き込み電極とを有するメモリ方式AC型プラズマディス
プレイパネルを書き込み放電の前に予備放電及び消去放
電を行う駆動方法において、予備放電は、維持電極対の
一方の電位を維持電圧とすると共に、書き込み電極に書
き込みパルスを印加することにより行う。
【0010】請求項2のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項1記載のものにおいて、維持電極対
の一方の電位を維持電圧(200V)とし、書き込み電
極に維持電圧の約40%の書き込みパルスを印加するこ
とにより予備放電を行う。
【0011】請求項3のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項1記載のものにおいて、前フィール
ド又は前サブフィールドで維持放電を行わなかったセル
に対して予備放電を行う。
【0012】請求項4のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項3記載のものにおいて、予備放電時
の維持電極対の一方の電位を維持電圧より高めにする。
【0013】請求項5のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項4記載のものにおいて、予備放電時
の維持電極対の一方の電位を維持電圧の1〜1.5倍に
する。
【0014】請求項6のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項1記載のものにおいて、予備放電に
続いて、維持電極対の一方に高電圧パルスを印加する。
【0015】請求項7のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項6記載のものにおいて、高電圧パル
スを立ち上がりの鈍い波形とする。
【0016】請求項8のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項7記載のものにおいて、高電圧パル
スを立ち上がり時間が数μs〜数百μsの鈍い波形とす
る。
【0017】請求項9のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項6記載のものにおいて、予備放電の
効果が持続する範囲で、予備放電の回数を間引く。
【0018】請求項10のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項9記載のものにおいて、高電圧パ
ルスを数フィールドに一回の頻度で印加する。
【0019】請求項11のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項9記載のものにおいて、高電圧パ
ルスを一フィールド置きに印加する。
【0020】請求項12のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項9記載のものにおいて、サブフィ
ールド法により階調表示を行い、高電圧パルスを数サブ
フィールドに一回の頻度で印加する。
【0021】請求項13のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項9記載のものにおいて、サブフィ
ールド法により階調表示を行い、高電圧パルスを一サブ
フィールド置きに印加する。
【0022】請求項14のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項6又は請求項7記載のものにおい
て、高電圧パルスの印加は、維持時間の長いサブフィー
ルドに対しては高い頻度で、維持時間の短いサブフィー
ルドに対しては低い頻度で行う。
【0023】請求項15のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項1記載の予備放電と、請求項6記
載の予備放電とを交互に繰り返す。
【0024】請求項16のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項6又は請求項7記載のものにおい
て、サブフィールド法により階調表示を行い、短いサブ
フィールドと長いサブフィールドが交互になるようにし
た。
【0025】
【作用】請求項1のプラズマディスプレイパネルの駆動
方法は、書き込み電極に書き込みパルスを印加し、維持
電極対間に維持電圧を印加することにより予備放電が発
生する。
【0026】請求項2のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、書き込み電極に維持電圧の約20%の書き
込みパルスを印加し、維持電極対の一方の電位を維持電
圧(200V)とすることにより予備放電を行う。
【0027】請求項3のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、前フィールド又は前サブフィールドで維持
放電を行わなかったセルに予備放電が発生する。
【0028】請求項4のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、予備放電時の維持電極対の一方の電位を維
持電圧より高めにして、全セルで放電が起こる。
【0029】請求項5のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、予備放電時の維持電極対の一方の電位を維
持電圧の1〜1.5倍にすることにより、放電しないセ
ルを無くす。
【0030】請求項6のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、予備放電に続いて、維持電極対の一方に印
加された高電圧パルスにより全セルで放電が発生する。
【0031】請求項7のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、立ち上がりの鈍い波形にして、放電可能な
最小限の高電圧パルスで放電させる。
【0032】請求項8のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、立ち上がり時間が数μs〜数百μsの鈍い
波形により、放電可能な最小限の高電圧パルスで放電さ
せる。
【0033】請求項9のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、予備放電の効果が持続する範囲で、予備放
電の回数が減少する。
【0034】請求項10のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、高電圧パルスが数フィールドに一回印加
される。
【0035】請求項11のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、高電圧パルスが一フィールド置きに印加
される。
【0036】請求項12のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、高電圧パルスがサブフィールドに一回印
加される。
【0037】請求項13のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、高電圧パルスが一サブフィールド置きに
印加される。
【0038】請求項14のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、高電圧パルスが維持時間の長いサブフィ
ールドに対しては高い頻度で、維持時間の短いサブフィ
ールドに対しては低い頻度で印加される。
【0039】請求項15のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、書き込み電極に書き込みパルスを印加
し、維持電極対間に維持電圧を印加する予備放電と、書
き込み電極に書き込みパルスを印加し、維持電極対間に
維持電圧を印加した後維持電極対の一方に高電圧パルス
が印加される予備放電を交互に繰り返す。
【0040】請求項16のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、短いサブフィールドと長いサブフィール
ドが交互になるようにして、予備放電が1フィールドの
中で平均的に起こる。
【0041】
【実施例】
実施例1.コントラストの悪化を抑制するためには、予
備放電の電圧を下げて放電を弱くする必要があるが、こ
の実施例では先ず書込電極と維持電極対の一方の電極の
間で放電を発生させ、次にこの放電をトリガにして低い
電圧で維持電極対間に予備放電を発生させようとするも
のである。
【0042】以下、この発明の実施例を図について説明
する。図1はこの実施例によるPDPの断面図、図2は
この実施例によるPDPの概略構成図、図3はこの実施
例による駆動波形図である。図1において、1は前面基
板、2は背面基板、3は前面基板1の裏面に設けられた
維持電極対の一方を形成するX電極、4はこのX電極3
と平行に設けられた維持電極対の他方を形成するY電
極、5は維持電極対と直交する背面電極2に設けられた
書込電極であるW電極、6はX電極3及びY電極4を被
覆する誘電体層、7は前面基板1と背面基板2との間に
形成された放電空間、18はW電極5を被覆する蛍光体
または誘電体である。図2において、8は維持電極対
3、4とW電極5の交点を含む放電セルである。
【0043】次に動作について図3の駆動波形図により
説明する。先ず、X電極3の電位を維持電圧Vs(20
0V)に立ち上げると同時に全てのW電極5に電位Vw
(80V)の予備放電パルス13が印加される。この時
W電極5とY電極4の間には電位差Vwがあるため放電
が開始される。そしてこのW電極5とY電極4間の放電
をトリガにしてX電極3とY電極4との間で電位差Vs
による予備放電となる放電が発生する。続いてY電極4
の電位をVsとし、X電極3に電位0の細幅消去パルス
を印加することにより全セルの消去を行う。次にY電極
4に電位0の走査パルス10が印加されると同時にW電
極5に画像データに従い電位Vwの書込パルス9が印加
され、書込放電が起きる。そしてX電極3とY電極4に
交互に維持パルス11を印加することにより、維持放電
が行われ画像が表示される。
【0044】このように予備放電時の動作を書込放電と
同じにすることにより、X電極3とY電極4間の電位差
をVs(200V)という比較的小さい値にすることが
でき、予備放電のエネルギーを小さく、コントラストを
あまり悪化させないようにすることができる。例えば従
来の技術で説明したPDPの駆動方法によれば、X電極
3とY電極4との間に約350Vもの電圧を印加しない
と予備放電を開始することができない。
【0045】なお、W電極5とX電極3との間の放電
は、W電極5と放電空間との間の静電容量を小さくする
ことにより、十分に弱い放電とすることができる。な
お、この実施例では全てのセルで同時に予備放電を行っ
たが、必ずしも全てのセルで行わなくても、一つの表示
ライン毎、或は幾つかの表示ライン毎に行っても良い。
【0046】また、PDPのセル構造は、図4に示すよ
うな、X,Y電極対3、4とW電極5が同一平面上にあ
るようなものでも良い。さらに、ここでは消去パルスと
して細幅消去を用いたが、これは太幅消去、または鈍り
波形を利用した消去、または自己消去を利用した消去、
あるいは細幅消去の後に鈍り波形を利用した消去を行う
など複数の消去の複合でもよい。以上のことは、以下の
実施例でも同様である。
【0047】実施例2.実施例1の駆動方法で予備放電
を行う場合、セルの放電特性にバラツキがある場合ある
いは前のフィールドで維持放電を行わなかったセルは予
備放電から時間が経過している場合は放電を起こしにく
いということがあるため、このセルを別個にやや強めの
放電の予備放電を行い予備放電が起こらないセルがない
ようにするものである。
【0048】以下、この発明の実施例2を図について説
明する。図5は実施例2によるPDPの駆動波形図であ
る。図5に示すように、先ず、X電極3に電位Vs(2
00V)のパルスを印加し、前のフィールドで維持放電
を行なっていたセルのみ先に放電させる。次に、X電極
3とW電極5に予備放電パルスを印加する。この時、前
のフィールドで維持放電を行っていたセルでは既にこの
予備放電パルスを打ち消すような壁電荷が形成されてい
るため放電は起こらず、前のフィールドで放電していな
かったセルのみが新たに放電を起す。続いて、実施例1
と同様、消去、書込、維持が行なわれる。
【0049】前のフィールドで維持放電を行わなかった
セルは前の予備放電から時間が経過しているので放電を
起こしにくく、また1回の予備放電で十分な効果を上げ
るためにやや強めの放電にした方が良い場合がある。
【0050】この実施例では、前のフィールドで維持放
電を行わなかったセルについて、別個に予備放電を行う
ため、例えば図5に示したように、予備放電時のX電極
3の電位をやや高くするなど、前のフィールドで放電し
ていたセルと異なる条件で放電を起こすことができる。
なお、この場合のX電極3の電位はあまり高すぎるとコ
ントラストを悪化させることになり、W電極5を利用し
た意味が無くなるので、Vsの1〜1.5倍程度の範囲
が適当と考えられる。なお、図5のX電極3の1つめの
パルスと、2つめのパルスは破線で示したようにつない
でしまっても同様の動作となる。
【0051】この実施例によれば、前のフィールドで維
持放電を行わなかったセルを別個に予備放電を行うよう
にしたので、予備放電が起こらないセルを無くすことが
できる。
【0052】実施例3.実施例1あるいは実施例2に示
したPDPの駆動方法では、セルの放電特性にバラツキ
がある場合あるいは前のフィールドの予備放電から非常
に長い時間が経過した場合など、W電極5への予備放電
パルスのみでは放電しないセルが発生する可能性があ
る。実施例3はこの問題を解決するものであり、W電極
に予備放電パルスを印加した後、さらにX電極3に高電
圧パルスを印加することにより放電しないセルが発生し
ないようにしたものである。
【0053】以下、この発明の実施例3を図について説
明する。図6はこの実施例によるPDPの駆動波形図で
ある。図6に示すように、実施例2と同様に、先ずX電
極3に電位Vs(200V)のパルスを印加し、前のフ
ィールドで維持放電を行っていたセルのみ先に放電させ
る。次に、X電極3とW電極5に予備放電パルスを印加
して、前のフィールドで放電していなかったセルが新た
に放電を起こす。しかしセルの放電特性のバラツキがあ
る場合あるいは前のフィールドの予備放電から非常に長
い時間が経過した場合は、この予備放電パルスの印加だ
けでは放電しないセルが発生する可能性がある。そこで
この予備放電パルスの印加に続いて、X電極3に高電圧
パルス14を印加する。この高電圧パルス14によっ
て、W電極5への予備放電パルス13のみでは放電しな
かったセルを強制的に放電させることにより、全てのセ
ルで確実に予備放電を起こすことができる。また、この
高電圧パルス14では予備放電パルスにより放電しなか
ったセルのみが放電するため、表示コントラストを大き
く悪化させることは無い。高電圧パルスの電圧は、放電
を確実に発生させるのに必要十分な値として例えばVs
の1.5〜2倍の電圧が適当と考えられる。実施例3に
おいても、図6に示すように破線でパルスをつないでも
構わない。
【0054】この実施例によれば、W電極5への予備放
電パルス13を印加した後、X電極3に高電圧パルス1
4を印加することにより、表示コントラストを大きく悪
化させることなく全てのセルで確実に予備放電を起こす
ことができる。
【0055】実施例4.実施例3では、予備放電パルス
をW電極へ印加した後、X電極に高電圧パルスを印加し
た全てのセルで放電が発生するようにしたが実施例4で
はその高電圧パルスの波形を鈍らせることによって放電
可能な最小限の電圧で放電させることにより実施例3よ
りもさらにコントラストを高く保つようにしたものであ
る。
【0056】以下、この発明の実施例4を図について説
明する。図7はこの実施例によるPDPの駆動波形図で
ある。図7に示すように、予備放電パルス13をW電極
5に印加した後、X電極3に高電圧パルス14を印加す
るが、この波形は徐々に電圧が上昇する鈍い形をしてい
る。この鈍り波形の立ち上がり時間は数μs〜数百μs
である。このように波形を鈍らせることにより予備放電
パルスで放電しなかったセルは放電可能な最小限の電圧
で放電するため、実施例3よりもさらにコントラストを
高く保つことができる。なお、X電極3には一旦Vsの
電位が印加された後に鈍りパルスが印加されるため、鈍
り波形により消去放電となってしまうことは無い。実施
例4においても図7に示す破線のようにパルスをつない
でもよい。
【0057】この実施例によれば、X電極3に印加する
高電圧パルス14の波形を鈍らせることにより、全セル
で放電可能とすると共に、実施例3よりもコントラスト
を高く保つことができる。
【0058】実施例5.コントラストをより高く保つた
めに、実施例4に示した予備放電を連続して行うのでは
なく、予備放電の効果が続く範囲で予備放電を間引いた
ものである。以下、この発明の実施例5を図について説
明する。図8はこの実施例によるPDPの駆動波形図、
図9はシーケンス図である。図9において、15は書込
・維持期間、16は予備放電・消去期間、17は消去期
間である。図8、9に示すように、これはサブフィール
ド階調法において、実施例4に示した予備放電を1フィ
ールド置きに行うようにしたもので、予備放電の効果が
1サブフィールドの長さよりも長く続く場合は、このよ
うに予備放電を間引くことにより、コントラストをより
高く保つことができる。
【0059】実施例6.なお、上記実施例5では実施例
4に示した予備放電を1フィールド置きに行うものを示
したが、図10の駆動波形図に示すように、実施例1に
示した予備放電と実施例4に示した高電圧パルスを含む
予備放電を交互に行う方法でも所期の目的を達成し得る
ことは言うまでもない。
【0060】実施例7.実施例5では、1サブフィール
ド置きに予備放電を行ったが、図11の駆動シーケンス
に示すように、期間の短いサブフィールドにおいては前
のサブフィールドでの予備放電の効果が強く残っている
ため、予備放電の頻度を下げている。逆に期間の長いサ
ブフィールドの後では前のサブフィールドでの予備放電
の効果が弱いためあまり予備放電を間引かないようにし
ている。このようにすることにより1回の予備放電を効
率的に使うことができ最小の予備放電の頻度で安定な書
込を行うことが可能となる。
【0061】実施例8.さらに図12に示す駆動シーケ
ンスでは、これを改善し、短いサブフィールドと長いサ
ブフィールドが交互になるように順序を変え、予備放電
を1フィールドの中で平均的に起こすようにしている。
このようにすることにより1回の予備放電を効率的に使
うことができ最小の予備放電の頻度でより安定な書込を
行うことが可能となる。
【0062】
【発明の効果】請求項1のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、平行に配置された維持電極対と、この維
持電極対に直交する方向に配置された書き込み電極とを
有するメモリ方式AC型プラズマディスプレイパネルを
書き込み放電の前に予備放電及び消去放電を行う駆動方
法において、予備放電は、維持電極対の一方の電位を維
持電圧とすると共に、書き込み電極に書き込みパルスを
印加することにより行うので、維持電極間に印加する電
圧を低く抑えることができ、予備放電が弱くなることに
よりコントラストを高く保つことができる。
【0063】請求項2のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項1記載のものにおいて、維持電極対
の一方の電位を維持電圧(200V)とし、書き込み電
極に維持電圧の約40%の書き込みパルスを印加するこ
とにより予備放電を行うので、維持電極間に印加する電
圧を従来の約6割に低下することができ、コントラスト
を高く保つことができる。
【0064】請求項3のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項1記載のものにおいて、前フィール
ド又は前サブフィールドで維持放電を行わなかったセル
に対して予備放電を行うので、コントラストを悪化させ
ることなく予備放電が起こらないセルを無くすことがで
きる。
【0065】請求項4のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項3記載のものにおいて、予備放電時
の維持電極対の一方の電位を維持電圧より高めにするこ
とにより、コントラストを悪化させることなく確実に予
備放電が起こらないセルを無くすことができる。
【0066】請求項5のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項4記載のものにおいて、予備放電時
の維持電極対の一方の電位を維持電圧の1〜1.5倍に
するので、コントラストを悪化させることなく確実に予
備放電が起こらないセルを無くすことができる。
【0067】請求項6のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項1記載のものにおいて、予備放電に
続いて、維持電極対の一方に高電圧パルスを印加するの
で、コントラストを悪化させることなく全てのセルで予
備放電を起こすことができる。
【0068】請求項7のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項6記載のものにおいて、高電圧パル
スを立ち上がりの鈍い波形とすることにより、よりコン
トラストを高く保つことができる。
【0069】請求項8のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項7記載のものにおいて、高電圧パル
スを立ち上がり時間が数μs〜数百μsの鈍い波形とす
ることにより、放電可能な最小限の電圧で放電させるの
で、よりコントラストを高く保つことができる。
【0070】請求項9のプラズマディスプレイパネルの
駆動方法は、請求項6記載のものにおいて、予備放電の
効果が持続する範囲で、予備放電の回数を間引くので、
コントラストをより高く保つことができる。
【0071】請求項10のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項9記載のものにおいて、高電圧パ
ルスを数フィールドに一回の頻度で印加するので、コン
トラストをより高く保つことができる。
【0072】請求項11のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項9記載のものにおいて、高電圧パ
ルスを一フィールド置きに印加するので、コントラスト
をより高く保つことができる。
【0073】請求項12のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項9記載のものにおいて、サブフィ
ールド法により階調表示を行い、高電圧パルスを数サブ
フィールドに一回の頻度で印加するので、コントラスト
をより高く保つことができる。
【0074】請求項13のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項9記載のものにおいて、サブフィ
ールド法により階調表示を行い、高電圧パルスは一サブ
フィールド置きに印加するので、コントラストをより高
く保つことができる。
【0075】請求項14のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項6又は請求項7記載のものにおい
て、高電圧パルスの印加は、維持時間の長いサブフィー
ルドに対しては高い頻度で、維持時間の短いサブフィー
ルドに対しては低い頻度で行うので、最小の予備放電の
頻度で安定な書き込みを行うことができる。
【0076】請求項15のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項1記載の予備放電と、請求項6記
載の予備放電とを交互に繰り返すので、コントラストを
より高く保つことができる。
【0077】請求項16のプラズマディスプレイパネル
の駆動方法は、請求項6又は請求項7記載のものにおい
て、サブフィールド法により階調表示を行い、短いサブ
フィールドと長いサブフィールドが交互になるようにし
たので、最小の予備放電の頻度であんた得異な書き込み
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1によるプラズマディスプ
レイパネルのセル断面図である。
【図2】 この発明の実施例1によるプラズマディスプ
レイパネルの構成図である。
【図3】 この発明の実施例1によるプラズマディスプ
レイパネルの駆動波形図である。
【図4】 この発明の実施例1によるプラズマディスプ
レイパネルのセル断面図である。
【図5】 この発明の実施例2によるプラズマディスプ
レイパネルの駆動波形図である。
【図6】 この発明の実施例3によるプラズマディスプ
レイパネルの駆動波形図である。
【図7】 この発明の実施例4によるプラズマディスプ
レイパネルの駆動波形図である。
【図8】 この発明の実施例5によるプラズマディスプ
レイパネルの駆動波形図である。
【図9】 この発明の実施例5によるプラズマディスプ
レイパネルのシーケンス図である。
【図10】 この発明の実施例6によるプラズマディス
プレイパネルの駆動波形図である。
【図11】 この発明の実施例7によるプラズマディス
プレイパネルのシーケンス図である。
【図12】 この発明の実施例8によるプラズマディス
プレイパネルのシーケンス図である。
【図13】 従来のプラズマディスプレイパネルの構成
図である。
【図14】 従来のプラズマディスプレイパネルの断面
図である。
【図15】 従来のプラズマディスプレイパネルの駆動
波形図である。
【符号の説明】
3 X電極、4 Y電極、5 W電極、8 セル、13
予備放電パルス、14 高電圧予備放電パルス。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行に配置された維持電極対と、この維
    持電極対に直交する方向に配置された書き込み電極とを
    有するメモリ方式AC型プラズマディスプレイパネルを
    書き込み放電の前に予備放電及び消去放電を行う駆動方
    法において、前記予備放電は、前記維持電極対の一方の
    電位を維持電圧とすると共に、前記書き込み電極に書き
    込みパルスを印加することにより行うことを特徴とする
    プラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. 【請求項2】 予備放電は、維持電極対の一方の電位を
    維持電圧(200V)とし、書き込み電極に前記維持電
    圧の約40%の書き込みパルスを印加することを特徴と
    する請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動
    方法。
  3. 【請求項3】 前フィールド又は前サブフィールドで維
    持放電を行わなかったセルに対して予備放電を行うこと
    を特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネ
    ルの駆動方法。
  4. 【請求項4】 予備放電時の維持電極対の一方の電位を
    維持電圧より高めにすることを特徴とする請求項3記載
    のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  5. 【請求項5】 予備放電時の維持電極対の一方の電位を
    維持電圧の1〜1.5倍にすることを特徴とする請求項
    4記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  6. 【請求項6】 予備放電に続いて、維持電極対の一方に
    高電圧パルスを印加することを特徴とする請求項1記載
    のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  7. 【請求項7】 高電圧パルスは、立ち上がりの鈍い波形
    であることを特徴とする請求項6記載のプラズマディス
    プレイパネルの駆動方法。
  8. 【請求項8】 高電圧パルスは、立ち上がり時間が数μ
    s〜数百μsの鈍い波形であることを特徴とする請求項
    7記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  9. 【請求項9】 予備放電の効果が持続する範囲で、該予
    備放電の回数を間引くことを特徴とする請求項6記載の
    プラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  10. 【請求項10】 高電圧パルスは、数フィールドに一回
    の頻度で印加することを特徴とする請求項9記載のプラ
    ズマディスプレイパネルの駆動方法。
  11. 【請求項11】 高電圧パルスは、一フィールド置きに
    印加することを特徴とする請求項9記載のプラズマディ
    スプレイパネルの駆動方法。
  12. 【請求項12】 サブフィールド法により階調表示を行
    い、高電圧パルスは、数サブフィールドに一回の頻度で
    印加することを特徴とする請求項9記載のプラズマディ
    スプレイパネルの駆動方法。
  13. 【請求項13】 サブフィールド法により階調表示を行
    い、高電圧パルスは、一サブフィールド置きに印加する
    ことを特徴とする請求項9記載のプラズマディスプレイ
    パネルの駆動方法。
  14. 【請求項14】 高電圧パルスの印加は、維持時間の長
    いサブフィールドに対しては高い頻度で、維持時間の短
    いサブフィールドに対しては低い頻度で行うことを特徴
    とする請求項6又は請求項7記載のプラズマディスプレ
    イパネルの駆動方法。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の予備放電と、請求項6
    記載の予備放電とを交互に繰り返すことを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  16. 【請求項16】 サブフィールド法により階調表示を行
    い、短いサブフィールドと長いサブフィールドが交互に
    なるようにしたことを特徴とする請求項6又は請求項7
    記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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