JPH08159821A - 白黒反転メータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メータの文字や目盛の色と地の色の対比関係
を昼夜で白黒反転させ、しかも文字や目盛の太さが昼夜
で変わらないようにする。 【構成】 盤面基板１１の表面に、文字や目盛を白色に
蛍光発光する蛍光透明インク１２で印刷し、背景の地の
部分を白色の蛍光発光しない非蛍光性不透明インク１３
で印刷し、盤面を表面側から照明する紫外線ランプ２を
設ける。紫外線ランプを昼間は消灯し夜間は点灯するこ
とにより、文字や目盛と地との色の対比関係が白黒反転
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、文字、目盛、図形な
どの表示記号と背景を成す地部分の明色と暗色の対比関
係を反転できるいわゆる白黒反転タイプのメータに関
し、特に自動車のコンビネーションメータに適した構成
のものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車のコンビネーションメータにおい
て、近年、昼間時と夜間時で表示記号の色と地部分の色
が白黒反転するものが使われ始めている。一般的に多い
ものでは、昼間時に地部分が白色になり、目盛、数字な
どが黒色で現れ、夜間時には地部分が黒色になり、目
盛、数字などが白色で現れるようになっている。その仕
組みは、図５に正面図（Ｆ）および側断面図（Ｓ）で示
すように、透光性の盤面基板１１の表面に不透明の黒色
印刷で文字（以下、目盛や図形のことも併せて意味す
る）Ａの部分を抜き文字とした層１７を載せ、さらにそ
の上に地色となる白色で同じ文字を抜き文字として層１
３を印刷する。この場合、通常両者の印刷のずれを考慮
して層１３の抜き文字の方を大きめにする。したがっ
て、Ｃの部分に黒色の層１７が縁取った形で現れてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このため、昼間は、室
内の自然光による外側からの照明により、地色としてＢ
の部分が白色に見え、Ｃの部分が黒色層１７による黒色
とＡの部分が透過して見える内部の暗いことによる黒色
とでＡ＋Ｃの面積（太さ）の黒い文字として目に映る。
これに対して、夜間は、内部の照明用ランプにより層１
７の抜けているＡの部分のみが白色に輝いて見え、残り
のＢおよびＣの部分は室内照明がないことにより黒色に
なり、白い文字として目に映る。すなわち、文字の太さ
が昼間と夜間とで異なることになる。なお、層１８は、
夜間の内部照明時における文字の色を決めるために必要
に応じて設ける着色透明層である。また、この構造に代
えて、導光式の発光ポインタを使用すると、ポインタか
ら漏れる光により白地の盤面にハレーションが発生する
という問題が生じる。

【０００４】したがって、この発明は、単純な層構造で
昼間と夜間とで文字の太さが変わらない白黒反転式のメ
ータを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明による白黒反転
メータは、盤面基板の表面に、表示記号部を成す明色に
蛍光発光する蛍光性透明インク層を設け、残りの地部分
には明色系の蛍光発光しない非蛍光性不透明インク層を
設け、盤面を表面側から照明する紫外線ランプを設けて
成り、紫外線ランプの点灯消灯により表示記号部と地部
分の色の明暗対比関係を反転できるように構成するもの
である。

【０００６】

【実施例】以下、図面を参照しながら、この発明の実施
例を説明する。図１は、この発明のメータの要部を示
し、図２は、このメータを採用したインパネの部分を示
す。ポリカシート材などの透光性の盤面基材１１の表側
に、紫外線により明色の一例として白色に蛍光発光する
ように調合した蛍光体を透明インクに混入した蛍光イン
ク印刷層１２を表示記号の形状に載せて設けるととも
に、非蛍光性の明色の一例として白色不透明インクによ
る層１３を表示記号の形状に抜いた地部分として載せて
設ける。以上のメータ盤面の手前下方には、図２に示す
ように、ブラックライトランプ（紫外線ランプ）２を設
け、紫外線をメータ盤面１に照射できるようにする。

【０００７】このような構成としたので、昼間時は、室
内の自然光により地部分の白色不透明層１３が白色に見
え、表示記号部の透明層１２は計器内部の暗いところが
透けて見えるため黒色に見える。したがって、白色の背
景に黒色の表示記号として読みとれる。夜間時は、室内
が暗くなるので、本来白色の地部分１３も暗くて黒色に
見える。これに対して、表示記号部１２は、ブラックラ
イトランプ２からの紫外線照射により、白色に蛍光発光
し白く見える。つまり、黒色の背景に白色の表示記号と
して読みとれる。このようにして、昼夜間で白黒が反転
する。また、昼間透けて内部が見える表示記号部１２
と、夜間蛍光により白色に発色する表示記号部１２と
は、同一の面積の部分であるので、昼夜で文字や目盛の
太さが変化するようなことはない。

【０００８】図３は、この発明の応用例を示すもので、
警告表示部（ウォーニング部）を同一メータ盤面に共存
させたものである。図２および図３において、３は計器
ハウジング、４は警告ランプである。図３において、層
１４はスモーク印刷、層１５は透光性着色インク印刷、
層１６は黒色印刷である。これにより、通常の警告表示
と昼夜白黒反転の文字や目盛などの表示を同一メータ盤
上で共存させることができる。

【０００９】図４は、この発明の他の実施例を示すもの
で、図１の構成に加えて、赤色の普通インク層１９およ
び表示記号照明用のランプ６を設けてある。この構成に
より、前記の図１について説明したことに加えて、裏面
からの着色照明が加味されることになり、次の表１に示
すように色変わり具合のバリエーションが増加する。

【００１０】

【表１】

【００１１】ここで、夜の蛍光ランプ２点灯および裏面
ランプ６点灯の場合の表示記号部の色の白＋赤の見栄え
は、表面からの直接光の白と裏面からの透過光の赤が重
なった表示色となり、高級感のある表示となる。上記に
おいて、普通インク層１９に赤色インクを用いた例を説
明したが、この色は、緑、青、黄色など他の色にするこ
ともできる。また、インク層１９を設けて着色する代わ
りに、ランプ６自体を着色ランプとしたり、ランプ６の
方に着色フィルタを付けてもよい。

【００１２】なお、図１のように裏面に照明ランプがな
い場合は、盤面基板１１を必ずしも透光性にする必要は
なく、表面黒色の不透明板、例えば黒色塗装した金属板
でも同じ働きをする。また、図４のように裏面に照明ラ
ンプ６がある場合は、蛍光ランプ２と照明ランプ６の両
方を点灯すると約２倍の輝度が得られるので、運転者の
注意を促すのに利用できる。例えば、車の速さが１００
ｋｍ／ｈ以下では、蛍光ランプ２のみを点灯し、１００
ｋｍ／ｈを超えると照明ランプ６を合わせて点灯するな
どに応用できる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、メータの表示記号の色と地色との明暗（白黒）関係
を簡単な構造で切り替えでき、しかも切換によって表示
記号の太さが実質的に変化しないようにすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明による白黒反転メータの正面（Ｆ）
と側断面（Ｓ）を示す図である。

【図２】 この発明による白黒反転メータを取り付けた
インパネの側断面図である。

【図３】 この発明による白黒反転メータを警告灯と組
み合わせて応用したものの正面（Ｆ）と側断面（Ｓ）を
示す図である。

【図４】 この発明による白黒反転メータの他の実施例
の正面（Ｆ）と側断面（Ｓ）を示す図である。

【図５】 従来のタイプの白黒反転メータの正面（Ｆ）
と側断面（Ｓ）を示す図である。

【符号の説明】

Ａ…表示記号部、Ｂ…地部分、２…紫外線ランプ、６…
裏面照明ランプ、１１…盤面基板、１２…蛍光インク
層、１３…白色不透明層、１４…スモーク層、１６…黒
色層、１７…黒色層、１９…着色普通インク層

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 盤面基板の表面に、表示記号部を成す明
   色に蛍光発光する蛍光インク層を設け、残りの地部分に
   は明色系の蛍光発光しない非蛍光性不透明インク層を設
   け、盤面を表面側から照明する紫外線ランプを設けて成
   り、紫外線ランプの点灯消灯により表示記号部と地部分
   の色の明暗対比関係を反転できるメータ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のメータであって、 蛍光インク層を透明蛍光インクまたは半透明蛍光インク
   としたことを特徴とするもの。
3. 【請求項３】 請求項２に記載のメータであって、 盤面基板が透明材料から成り、その裏面側に着色透明
   層、その奥に照明ランプを設けたことを特徴とするも
   の。
4. 【請求項４】 請求項２に記載のメータであって、 盤面基板が透明材料から成り、その裏面奥に着色照明ラ
   ンプを設けたことを特徴とするもの。