JPH08159745A - 部品の表面状態の非破壊特性判定法 - Google Patents

部品の表面状態の非破壊特性判定法

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JPH08159745A
JPH08159745A JP7166275A JP16627595A JPH08159745A JP H08159745 A JPH08159745 A JP H08159745A JP 7166275 A JP7166275 A JP 7166275A JP 16627595 A JP16627595 A JP 16627595A JP H08159745 A JPH08159745 A JP H08159745A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品表面の接近が困難な領域の検査及び評価
に適用可能な部品の表面状態の非破壊特性判定法を提供
する。 【構成】 本発明による方法は、シリコーンをベースと
したペースト形状で高精度のエラストマー製品を使用し
て、検査すべき領域の押し型を実現することから成る。
硬化した後に、得られた押し型を剥ぎ取って検査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部品の表面の粗度を検
査して欠陥を明らかにするための、部品の表面状態の非
破壊特性判定法に関する。この方法は特に粒状表面の検
査に適用可能であり、特に接近の困難な領域が観察でき
る。
【0002】
【従来の技術】ショットブラスト技法は、鋼鉄製、ガラ
ス製、またはセラミック製の球を部品の表面に浴びせる
ことから成る。この種の技法は、部品の使用安定性を改
善する目的で表面圧縮プレストレスを得ることを狙った
応用分野に特に使用される。これは、応力下での疲労耐
性または耐蝕性を向上させるためのものである。処理す
べき部品の形状はますます複雑になるので、部品ショッ
トブラストの望みの適用度を得ることは困難である。し
たがって、部品についてますます要求される良好な品質
の保証を得るためには、ショットブラストの程度が十分
であり、またショットブラストが中断なく処理される表
面の全体に広がるようにする必要がある。
【0003】部品の表面状態の確認を可能にするいろい
ろな方法が存在する。特に、押し型の観察をもとにして
部品表面の状態を検査することが知られている。各押し
型は、検査すべき表面の上に、部品の形状に忠実にぴっ
たり合うように軟化させるためにアセトン中に浸した、
例えば酢酸セルロースの一枚のプラスチック薄膜を置い
て得られる。硬化の後に、押し型を剥ぎ取り、この観察
を双眼顕微鏡、光学顕微鏡、または走査電子顕微鏡を用
いて実施することができる。この技法は、これによって
一度に、部品を有効と認め、押し型を通して表面の状態
を記録保存し、トポグラフィーを査定することができる
ので、粒状表面、研削仕上げ表面、または機械工作表面
の検査によく使用されている。しかし、この技法は、活
用するには難しく、接近の困難な領域には適用不可能で
ある。さらに、これらの押し型が空気封入部のような重
要な欠陥を示すことを避けるよう、注意を払わなければ
ならない。その上、この技法は、高い室温の場合には、
アセトンの急速な蒸発が原因となって適用の困難性を示
す。また、ばらつきの測定値を得ることができるように
する寸法図示を実施して部品の表面状態を検査すること
は周知である。すなわち、特に度量衡学の分野では、ア
クリル樹脂に属する流体樹脂をベースとする自己重合メ
タクリル酸メチルを使用して製作された押し型によっ
て、寸法図示が行われる。この種の樹脂は、過度に流体
状であり、硬化後には粘着性が非常に強くなるので、接
近不能な領域における表面状態を検査する場合には使用
することができない。しかし、この種の樹脂によって得
られた詳細部の精度は不十分であり、一般に多数の空気
封入部を含む。
【0004】また、ショットブラストによって発生した
表面状態を、粒状物の噴射に当てられる部品を表す技術
試験片によって検査することができる。しかし、試験片
の製作は費用によって制限され、部品の実際の表面状態
の正確な指示をもたらすものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、周知
の方法の持つ不具合を緩和し、そして複雑で費用のかか
るツールの使用を必要とせず、正確で忠実な情報を得る
ことができるようにし、接近が困難な領域で使用できる
ようにする、実行が容易な機械部品のショットブラスト
によって生ずる表面状態の検査方法を提唱することであ
る。
【0006】本発明の他の1つの目的は、機械部品の検
査ができるようにし、高精度トポグラフィー査定を行う
ために使用することができ、さらに高い精度で、粗度の
特性寸法図示を実行できるようにする検査方法を実現す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このために、上記の方法
は、例えば歯科の分野で使用されるペーストのような抗
付着性を示すシリコーンをベースとしたペースト形状で
高精度のエラストマー(elastomeres )製品を使用し
て、検査すべき領域の押し型を製作することから成って
いる。硬化した後は、得られた押し型は剥ぎ取られて検
査される。各種の検査が可能である。すなわち、双眼顕
微鏡、または光学顕微鏡か走査電子顕微鏡による写真、
もしくはその両方によって、押し型を観測することがで
きる。また押し型を、例えば得られた粗度をレーザ断面
測定装置を用いて測定するために使用することができ
る。押し型には一般に空気封入部は含まれていない。
【0008】双眼顕微鏡による観察のためには、光学的
なコントラストを増加するように押し型を事前にメッキ
しておくことが好ましい。走査電子顕微鏡または光学顕
微鏡による検査の場合には、メッキは必ず行わなければ
ならない。メッキは表面を導電性にしたり、または光学
顕微鏡による検査の場合に表面を反射性にすることがで
きるからである。
【0009】こうして本発明によってシリコーンをベー
スとしたエラストマー材料から作られた押し型は、非常
に安定しており、しかもすぐれた自然老化耐性を示すの
で、容易に記録保存することができる。この押し型は、
1枚のプラスチック薄膜によって作られた押し型に匹敵
する再生忠実度を提供する。
【0010】この押し型は、塩素の含有量が極めて少な
いので、チタンを含む部品に対して何の有害性も示さな
い。
【0011】本発明によれば、機械部品の表面状態の非
破壊検査法は、下記の段階から成ることを特徴とする。
すなわち、硬化の後に支持型を得るように、ペースト状
の第1エラストマー材料を用いて、検査すべき表面の予
備押し型を作る段階、数分の1ミクロン程度の精度で詳
細な複製を可能にする中程度の堅さのペースト状の第2
エラストマー材料を、得られた支持型の中に流し込むこ
とによってインプレッションエレメントを形成する段
階、このインプレッションエレメントを、検査すべき表
面の押し型を作るように、この表面の上に当てる段階、
硬化させるために必要な所定の時間だけ、このインプレ
ッションエレメントをその場に保持しておく段階、硬化
の後に押し型を取り除く段階。
【0012】本発明のその他の特徴及び利点は、添付の
図面に関して行う非限定的な実施例についての説明によ
って明らかになろう。
【0013】
【実施例】図1に、本発明による方法におけるステップ
の概略図を示す。
【0014】第1ステップ10では、この方法は、硬化
の後に支持型を得るように、ペースト状の第1エラスト
マー材料を用いて、検査すべき表面の予備押し型を作る
ことから成る。この予備押し型は、中程度の精度のエラ
ストマー材料を使用しておおまかに作られる。この材料
は、その硬化に必要な時間だけその場に保持される。
【0015】第2ステップ20では、予備押し型が取り
除かれると、複製すべき表面は純粋なアセトンで入念に
脱脂される。
【0016】ステップ30では、検査すべき表面の精密
な押し型が製作される。この押し型を実現するための方
法は、ステップ10で得られた支持型の中に高精度の第
2エラストマー材料を流し込むことによってインプレッ
ションエレメントを形成する段階と、複製すべき表面に
インプレッションエレメントを当てる段階と、数秒間弱
い圧力を加える段階と、インプレッションエレメントの
硬化に必要な所定の時間だけインプレッションエレメン
トをその場に保持する段階と、押し型を取り除く段階と
から成る。
【0017】したがって、この押し型は、例えばレーザ
収束による表面断面測定装置を用いて表面状態の寸法図
示を実施するためにステップ40で、または双眼顕微鏡
を用いて検査するためにステップ45で、もしくはその
両ステップで使用することができる。
【0018】また押し型を、ステップ50で真空メッキ
した後に、ステップ60で双眼顕微鏡または光学顕微鏡
または走査電子顕微鏡で観察することができる。このメ
ッキは、例えば蒸発器の中または陰極噴霧装置の中で実
施可能である。メッキ付着層の厚さは数100分の1ミ
クロン程度である。
【0019】例として、第1及び第2エラストマー材料
を、可塑剤を装入したシリコーン系から選択することが
できる。この種の製品の堅さは、シリコーンの中に加え
られた可塑剤の量が多いだけ堅くなる。詳細な複製物の
高い精度を得るためには、製品の堅さは堅過ぎてはなら
ない。したがって、予備押し型を作るために選択される
第1エラストマー材料は、高精度の最終押し型を作るた
めに選択される第2エラストマー材料よりも堅い。
【0020】図2aと図2bに、被覆の欠如を示すショ
ットブラスト試験片の写真と、同じショットブラスト試
験片の押し型の写真をそれぞれ示す。
【0021】これら2枚の写真は、倍率50倍で走査電
子顕微鏡によって得られたものである。ショットブラス
ト試験片には、加工痕跡の上に目印の条痕と球衝撃の条
痕が見える。
【0022】試験片の押し型は、可塑剤を装入したシリ
コーン・オイルで構成された2つのエラストマー材料を
連続して使用して製作されるが、これらの材料はPRO
VILの商標で登録され、BAYER社によって供給さ
れている。予備押し型の製作は、ショアA硬さ60と7
0の間の硬度を有する製品PROVIL P SOFT
を使用して行われ、また高精度の押し型の製作は、ショ
アA硬さ50と55の間の硬度を有する製品PROVI
L CD Mを使用して行われた。次に、製作された押
し型は、厚さ0.03ミクロン程度の純粋なアルミニウ
ム蒸着物によって真空メッキされた。
【0023】図2aと図2bに示されている図は互いに
反転している。すなわち、押し型の採取が結果として検
査される表面の情報を逆転させるという事実に起因す
る。図2bでは、電気信号が、図2aのためと同様に試
験された表面のポジティブ・トポグラフィーを得るよう
に、走査電子顕微鏡において反転された。
【0024】試験片の表面の押し型から得られた図2b
の写真は、あらゆる点で押し型から直接図2aに得られ
た写真に匹敵する。
【0025】写真3aは、幅0.5ミクロンの亀裂を有
する標準くさびの一領域の写真を示し、写真3bは、同
領域の押し型の写真を示す。
【0026】これらの写真は、倍率100倍で走査電子
顕微鏡によって得られたものである。標準くさびの上に
示される亀裂は、5%誤差で5ミクロンの厚さのニッケ
ル/クロム付着物で一面の上が覆われたくさびを引くこ
とによって生じたものである。亀裂の深さはニッケル/
クロム付着物の厚さと同じである。くさびの押し型から
図3bの上に得られた写真は、くさびから直接図3aの
上に得られた写真と同じ精度で亀裂を表現している。
【0027】亀裂の幅は0.5ミクロン程度であるか
ら、この方法は、少なくとも0.5ミクロンの精度で機
械部品の表面状態を視覚化することができる。
【0028】同様に、粗度の測定値はガラスの標準くさ
び上で得られており、これは0・86ミクロン程度の平
均粗度を特徴とする表面状態を示す。
【0029】粗度標準ゲージのくさびのエラストマー押
し型上で得られた測定値は、くさび自体上で得られた測
定値に対して4%程度の算術平均偏差を示す。こうして
得られた結果は、例えば、計測の分野で特に寸法記録の
ために使用される登録商標TECHNOVITの液体樹
脂を用いた押し型採取方法など、周知の方法よりも明ら
かにすぐれている。実際に、この種の樹脂によって得ら
れる平均偏差は10%程度である。
【0030】本発明は、明確に説明した実施例に限定さ
れるものではなく、特に押し型の観察は、メッキの前ま
たは後、あるいはその両方において双眼顕微鏡によっ
て、またはメッキの後に望みの性能、倍率、及び領域の
深さの程度に応じて、光学顕微鏡または走査電子顕微鏡
によって実施することができる。
【0031】さらにまた、押し型の検査のために実施さ
れる金属付着層は、必ずしもアルミニウム蒸着層である
必要はなく、例えば金の合金やパラジウムの合金の蒸着
層など、他の種類の金属蒸着層も適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法の各ステップの概略図であ
る。
【図2a】本発明による被覆の欠如を示すショットブラ
スト試験片の写真である。
【図2b】本発明による図2aにおけるものと同じショ
ットブラスト試験片の押し型の写真である。
【図3a】本発明による幅0.5ミクロンの亀裂を含む
標準くさびの一領域の写真である。
【図3b】本発明による図3aにおけるものと同じ領域
の写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品の表面状態の非破壊特性判定方法で
    あって、 硬化の後に支持型を得るように、ペースト状の第1エラ
    ストマー材料を用いて、検査すべき表面の予備押し型を
    製作する段階と、 数分の1ミクロン程度という精度で詳細な複製を可能に
    する中程度の堅さのペースト状の第2エラストマー材料
    を、得られた支持型の中に流し込むことによってインプ
    レッションエレメントを形成する段階と、 前記インプレッションエレメントを、検査すべき表面の
    押し型が出来るように、前記表面の上に当てる段階と、 硬化させるために必要な所定の時間だけ、前記インプレ
    ッションエレメントをその場に保持しておく段階と、 硬化の後に押し型を取り除く段階とを特徴とする前記の
    非破壊特性判定方法。
  2. 【請求項2】 レーザ収束による表面断面測定装置を用
    いて押し型の粗度を測定する段階から成ることを特徴と
    する請求項1に記載の特性判定方法。
  3. 【請求項3】 双眼顕微鏡を用いて押し型を検査する段
    階から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の
    特性判定方法。
  4. 【請求項4】 さらに、製作された押し型を厚さ数10
    0分の1ミクロン程度の金属付着層によってメッキする
    段階と、メッキされた押し型を双眼顕微鏡または光学顕
    微鏡または走査電子顕微鏡を用いて検査する段階とから
    成ることを特徴とする請求項1に記載の特性判定方法。
  5. 【請求項5】 エラストマー材料が可塑剤を装入したシ
    リコーン系から選択されることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれか一項に記載の特性判定方法。
JP7166275A 1994-06-30 1995-06-30 部品の表面状態の非破壊特性判定法 Expired - Fee Related JP2963643B2 (ja)

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