JPH08159733A - 車両用視線方向計測装置 - Google Patents

車両用視線方向計測装置

Info

Publication number
JPH08159733A
JPH08159733A JP6323547A JP32354794A JPH08159733A JP H08159733 A JPH08159733 A JP H08159733A JP 6323547 A JP6323547 A JP 6323547A JP 32354794 A JP32354794 A JP 32354794A JP H08159733 A JPH08159733 A JP H08159733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
illumination
line
shutter
reflection image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6323547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3296119B2 (ja
Inventor
Hiroshi Saito
浩 斎藤
Takuo Ishiwaka
卓夫 石若
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP32354794A priority Critical patent/JP3296119B2/ja
Publication of JPH08159733A publication Critical patent/JPH08159733A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3296119B2 publication Critical patent/JP3296119B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 視線方向計測装置において、強い外来光下に
おいても、眼球の安全性を確保しつつ、迅速正確に視線
方向を計測する。 【構成】 画像入力部5の中には高速動作するシャッタ
5aが設けられている。画像入力部5と共軸系の照明1
と非共軸系の照明2により、照射エネルギー密度が安全
基準値以下で、かつピークパワーがシャッタ5aの動作
速度と逆比例する赤外光線を運転者の眼球に照射し、そ
の反射像を画像入力部5で撮像する。撮像出力はA/D
変換器6でA/D変換され、画像メモリ7に格納され
る。瞳孔抽出部8では網膜反射像を抽出し、角膜反射像
抽出部9で角膜反射像を抽出する。視線方向算出部10
において、抽出された反射像位置から運転者の視線方向
が算出される。シャッタ速度を高速化し、照明光のピー
クパワーを増加させることにより、外来光によるノイズ
の影響が低減され、精度よく反射像が抽出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両運転者の視線方向
を遠隔から非接触で計測する車両用視線方向計測装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】このような視線方向計測装置は、車両用
の非接触ヒューマンマシンインターフェイスとして、例
えば車両運転者の注目している方向に視覚情報を表示す
るとか、視線方向を計測し、視線方向に表示された内容
に応じてラジオやエアコン等の車載機器のスイッチを動
作させる視線スイッチなど、種々の目的への利用が期待
されている。従来、遠隔から非接触で計測する視線方向
計測装置として、眼球に赤外LED等の不可視光を照射
し、眼球の網膜反射像および角膜反射像の位置を画像情
報として取入れて、視線方向を演算算出する装置が提案
されている。このような従来の視線方向計測装置で、車
両運転者の眼球からの反射像を計測する場合、太陽光な
どの強い外来光下では、瞳孔が縮小する(縮瞳)ため、
瞳孔を通過して網膜に達する光量が減少し、網膜からの
反射像が得にくくなり、視線方向の計測精度が悪化す
る。
【0003】このような問題の対策として、例えば特開
平4−157435号公報には、反射像が得られない時
には照明光量を増やす視線方向計測装置が開示されてい
る。また、特開平2−65836号公報には、顔面照度
から瞳孔径を推定し、S/Nの悪い画像から網膜反射像
抽出を可能にする視線計測装置が開示されている。さら
に、テレビやオーディオ装置の制御に用いられている赤
外線リモコンでは、赤外LEDの発光に変調をかけ、受
光側で同期検波することにより、外来光による直流成分
を除去し、強い外来光下でも安定に動作させている。こ
の同期検波機能を視線方向計測装置に付加することが検
討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−157435公報に開示されている視線方向計測装
置においては、カメラのファインダを覗いた状態を想定
しているため、光量は僅かであり、眼球の安全性に対す
る考慮はなされていない。しかし、車両運転者の顔面照
度は、太陽光下では数万ルクスにも達するため、小さく
縮小した瞳孔に対応するために、大きな光量が必要とさ
れ、この場合は、眼球の安全性に対する十分な配慮が必
要である。現在、光線に対する眼球の安全性を確保する
ための基準として、米国労働衛生専門官会議では、波長
0.77μm以上の赤外線は、眼球への照射エネルギー
密度を10mW/cm2 以下に制限すべきであると定め
ていることが人間の許容限界ハンドブックに報告されて
いる。
【0005】従来の視線方向計測装置では、この安全基
準の範囲内の照射エネルギー密度を有する連続赤外線を
眼球に照射したときに、外来光が強いと、必要な反射像
の信号が埋もれてしまい、視線方向計測の精度が悪化す
るという問題がある。また、特開平2−65836号公
報に開示されている視線方向計測装置においては、質の
悪い画像から反射像を抽出するために、計測精度の悪化
や画像処理時間の増大を招くという問題がある。さら
に、リモコン装置のような同期検波機能を付加すると、
画像入力に必要な時間が増大するという問題がある。し
たがって、本発明は上記従来の問題点に鑑み、車両運転
者の視線方向を非接触で計測する車両用視線方向計測装
置において、強い外来光下においても、安全にかつ迅速
正確に視線方向を計測することができる車両用視線方向
計測装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の本発明は、運転者の眼球に不可視
光を照射し該眼球からの反射像を含む画像を撮像して、
該画像から反射像を抽出し、該反射像を基に運転者の視
線方向を計測する視線方向計測装置において、撮像時間
を高速化可能なシャッタを備えた画像入力手段と、該シ
ャッタと同期してパルス発光し、かつピークパワーが撮
像時間と逆比例する照明手段とを有するものとした。ま
た、請求項2に記載の本発明は、運転者の眼球に不可視
光を照射し該眼球からの反射像を含む画像を撮像して、
該画像から反射像を抽出し、該反射像を基に運転者の視
線方向を計測する視線方向計測装置において、撮像時間
を高速化可能なシャッタを備えた画像入力手段と、該シ
ャッタと同期してパルス発光する照明手段と、車両運転
者の顔面照度を計測する顔面照度計測手段と、該顔面照
度に応じて前記照明手段のピークパワーを制御する照明
ピークパワー制御手段を有するものとした。
【0007】
【作用】請求項1のものは、シャッタ速度を高速化し、
照明光のピークパワーを増加させることにより、外来光
によるノイズが低減され、計測時間の増大を招くことな
く、精度よく、反射像を抽出できる。また照明光をパル
ス発光させ、照射エネルギー密度を10mW/cm2
下に制限することにより、眼球の安全性が確保できる。
請求項2のものは、眼球の安全性を確保したうえで、外
来光によるノイズを低減し、計測時間の増大を招くこと
なく、精度よく、反射像を抽出でき、さらに、顔面照度
を計測し、計測した顔面照度に応じて照明手段のピーク
パワーを制御することにより、顔面照度が低い場合に
は、無駄な高出力照射を防止できる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例を示すブロック
図である。運転者13の眼球を撮像するよう計器盤上に
CCD等を用いた画像入力部5が設置される。画像入力
部5の中には、1/500〜1/1000秒で高速動作
するシャッタ5aが設けられている。画像入力部5の中
心に画像入力部5の光軸と照射方向が一致する様に取り
付けらた共軸系の照明1が設けられる。また照明1との
相対関係が既知の位置に照明1と同一仕様を有する非共
軸系の照明2が設けられている。照明1および照明2
は、人間に不可視な赤外光を発し、かつパルス発光可能
である赤外LED等から構成され、その照射エネルギー
密度が、運転者13の顔面上で、10mW/cm2 以下
になるように設定されている。またそのピークパワーは
シャッタ5aの動作速度と逆比例し、その発光はシャッ
タ5aの動作と同期している。また画像入力部5の前面
には照明1および照明2の波長域の光のみを透過するバ
ンドパスフィルタ3が装着されている。なお画像入力部
5の感度は照明1および照明2の波長域に一致してい
る。
【0009】画像入力部5からの撮像出力はA/D変換
器6で画像データとしてA/D変換され、画像メモリ7
に格納される。画像メモリ7には、瞳孔抽出部8が接続
され、これに順次、角膜反射像抽出部9、視線方向算出
部10が接続されている。瞳孔抽出部8では画像メモリ
7に格納された各画像データの差分演算により照明1お
よび照明2による網膜反射像を抽出する。角膜反射像抽
出部9では照明1、照明2による角膜反射像を抽出す
る。そして視線方向算出部10において、抽出された反
射像位置から運転者の視線方向が演算算出される。照明
1、照明2にはその発光を制御する照明パルス発光制御
部11が接続されている。また画像入力部5には、画像
入力部5内のシャッタ5aを制御するシャッタ制御部4
が接続されている。この照明パルス発光制御部11,シ
ャッタ制御部4、A/D変換器6を含み装置全体の動作
を制御する全体制御部12が設けられている。
【0010】画像入力部5と共軸系をなすように配置さ
れた照明1を用いて撮像された画像には、眼球の網膜か
らの反射光により、瞳孔部が明るく撮像される。また、
画像入力部5と非共軸系をなすように配置された照明2
を用いて撮像された画像には、眼球の網膜からの反射光
は写らないので、眼球の瞳孔部は暗く撮像される。この
2枚の画像の差分から網膜反射像を抽出する。画像上の
瞳孔に着目すると、共軸系照明1点灯時の瞳孔像には、
網膜反射光とともに外来光の角膜反射成分が含まれてい
る。単位時間当りの共軸系照明強度をW、単位時間当り
の外来光強度をI、画像入力部の受光面に到達する網膜
反射光の減衰率(角膜、水晶体、硝子体の透過率、網膜
反射率、レンズ透過率を含む)をr1、画像入力部の受
光面に到達する外来光の角膜反射光の減衰率をr2(角
膜反射率、レンズ透過率を含む)とすると、単位時間シ
ャッタ5aを開いた時、網膜反射成分はr1・W、外来
光の角膜表面反射成分はr2・Iとなる。すなわち、共
軸系照明1点灯時に計測される瞳孔部の輝度は、おおよ
そ、r1・W+r2・Iとなる。非共軸系照明2点灯時
の瞳孔部の輝度は、外来光の角膜反射成分のみで、おお
よそr2・Iとなる。したがって、この2枚の画像の差
分はr1・Wとなり、r1・Wが大きいほど瞳孔が強調
される。一方、外来光の角膜反射成分r2・Iは計測に
不要であり、画像入力部5の受光素子のオーバーフロー
を防止するために、r2・Iは小さいことが望ましい。
【0011】いま、基準のシャッタ速度を1とし、短縮
したシャッタ速度をk(k<1)とする。単位時間当り
強度Wの照明を照射するものとする。この時の、2枚の
画像の差分はk・r1・Wとなり、外来光の角膜反射成
分はk・r2・Iとなる。すなわち、シャッタ速度を速
くすると、外来光の角膜反射成分は減少するが、同時に
網膜反射成分k・r1・Wも小さくなってしまうので、
その分、照明光のピークパワーを上げて、1/k倍にす
る。このとき、眼球に照射する光の安全基準を考慮し
て、照明光をパルス点灯させ、照射時間をシャッタ速度
と同じくkまで短縮することにより、眼球に照射される
光量はピークパワーを1/k倍する前と同じになる。し
たがって、シャッタ速度を高速化し、照明光のピークパ
ワーを増加させることにより、外来光によるノイズが低
減され、計測時間の増大を招くことなく、精度よく、反
射像を抽出できる。
【0012】図2は上述した視線方向計測装置を用いた
車両の視線スイッチシステムの全体構成図を示し、図3
はその車載レイアウトを示す。図2において、図1に示
した視線方向計測装置が参照番号20で示されている。
視線方向算出部10には視線停留判断部23を介してH
UD(ヘッドアップディスプレイ)表示制御部24が接
続されている。HUD表示制御部24には、コントロー
ラ切り替え部27が接続されている。コントローラ切り
替え部27には、エアコンコントローラ28、CDコン
トローラ29、ラジオコントローラ30、ヘッドライト
コントローラ31およびワイパコントローラ32が接続
されている。スイッチ表示エリア26には、エアコン、
ワイパ等の各操作対象項目(エリア)が表示される。H
UD表示エリア25には操作対象のエリア内容が表示さ
れる。メインスイッチ21は全体制御部12に、ステア
リングスイッチ22はHUD表示制御部24に接続され
ている。
【0013】いま、メインスイッチ21が押されるとシ
ステムがONして、視線方向計測装置20の視線方向算
出部10は、運転者の視線方向を算出し、視線停留判断
部23に出力する。視線停留判断部23は視線が停留し
ているエリアを判断しHUD表示制御部24へ出力す
る。HUD表示制御部24はHUD表示エリア25上に
決定されたエリアの内容を表示するとともに、コントロ
ーラ切り替え部27によりエアコンコントローラ28、
CDコントローラ29、ラジオコントローラ30、ヘッ
ドライトコントローラ31あるいはワイパコントローラ
32を選択する項目切り替えを行う。続いて、ステアリ
ングスイッチ22からのユーザ入力判断による所定の制
御対象の制御が行われる。図3の(a)に示されるよう
に、メインスイッチ21とステアリングスイッチ22は
ステアリング42に取り付けられる。また、照明1、画
像入力部5、照明2等が運転席前方の計器盤ボード内パ
ネルに設置され、ウインドシールド41上にHUD表示
エリア25とスイッチ表示エリア26が設定されてい
る。スイッチ表示エリア26はさらに、図3の(b)に
その詳細を示すように、各種コントローラの名称がHU
D表示されているものである。また、同図(c)にはス
テアリングスイッチ22の詳細が示されている。
【0014】続いて、視線方向計測装置20における動
作について説明する。図4は、上記視線方向計測装置2
0における視線方向算出処理の流れを示すフローチャー
トである。まず、ステアリング42に設けられたメイン
スイッチ21を押すと、全体制御部12から制御開始信
号が出力され、制御が開始される。ステップ101にお
いて、照明パルス発光制御部11の制御信号で、照明1
がパルス点灯する。照明2は消灯したままとされる。ス
テップ102で、シャッタ制御部4の制御により、照明
1のパルス点灯と同期してシャッタ5aが開き、画像入
力部5から入力された画像信号は,A/D変換器6でA
/D変換され、画像メモリ7に格納される。この画像を
In1(x,y)とする。ステップ103では、照明パル
ス発光制御部11の制御信号で、照明1が消灯し、照明
2が点灯する。ステップ104において、シャッタ制御
部4の制御により、照明2のパルス点灯と同期してシャ
ッタ5aが開き画像入力部5から入力された画像信号
は,A/D変換器6でA/D変換され画像メモリ7に格
納される。この画像をIn2(x,y)とする。
【0015】ステップ105において、瞳孔抽出部8で
は、網膜反射像を抽出する。まず画像I1 (x,y)か
ら画像I2 (x,y)を差引いて、画像I3 (x,y)
を生成する。画像I3 (x,y)を固定しきい値Th1
で2値化し、2値画像I4 (x,y)を生成する。画像
I4 (x,y)にラベリング処理を施し、領域の番号付
けを行う。ラベリングの結果得られた各領域の面積Ai
を、予め決めておいたしきい値S1 、S2(S1 <S2
)と比較して、S1 <Ai <S2 を満足する領域のみ
抜き出す。すなわち、画像I4 (x,y)の中には、網
膜反射像の他に、例えば、眼鏡レンズ反射像、眼鏡フレ
ーム反射像、外部照明の変動で生じた顔の一部等、様々
なノイズが含まれている可能性がある。これらのノイズ
は、一般に不定形状、かつ面積も不定であるため、あら
かじめ予想される面積の円もしくは楕円として観測され
る網膜反射像とは明確に識別可能である。したがって、
ここでは先ず領域の面積による選別を行うものである。
【0016】上記S1 、S2 は、画像入力部5の撮影倍
率から推定した、予想される瞳孔径(直径2〜8mm)
を有する瞳孔の面積が対応する画素数の上限値と下限値
にセットされる。照明光源からの光による眼鏡レンズ反
射像も円形領域として観測されるが、例えば、画像入力
部5のレンズの絞りを絞ることによって、常に、網膜反
射像の面積より、眼鏡レンズ反射像の面積が小さくなる
ようにしておけば、面積により、両者を識別できる。面
積による選別処理の結果残った領域に対して、領域形状
による選別が行われる。ここでは、領域の外接長方形に
対する領域面積の比率Fを計算する。網膜反射像は円ま
たは楕円形状で観測されるため、比率Fがある一定値以
上であるのに対し、例えば眼鏡フレーム反射は、フレー
ムに沿った細長い領域になるため、仮に網膜反射像と同
等の面積を有していても、Fが小さくなるので識別され
る。領域形状による選別処理の結果残った領域を網膜反
射像に決定し、抽出した網膜反射像の重心位置(xg 、
yg )を求める。
【0017】ステップ106において、角膜反射像抽出
部9において、画像I1 (x,y)と画像I2 (x,
y)から、照明1、照明2による角膜反射像の抽出を行
う。それぞれの画像において、角膜表面での正反射光が
輝点として撮像されている。まず画像I1 (x,y)−
I2 (x,y)を演算し、抽出した網膜反射像の重心位
置(xg 、yg )の近傍で最大輝度階調を持つ画素を求
める。求めた画素(xp1,yp1)は、照明1による角膜
反射像である。さらにI2 (x,y)−I1 (x,y)
を演算し、抽出した網膜反射像の重心位置(xg 、yg
)の近傍で最大輝度階調を持つ画素を求める。求めた
画素(xp2 ,yp2 )は、照明2による角膜反射像で
ある。このあとステップ107では、視線方向算出部1
0において、瞳孔抽出部8で抽出した網膜反射像と角膜
反射像抽出部9で抽出した2つの角膜反射像位置から、
運転者13の視線方向を算出する。視線方向の算出は、
3つの反射像の位置関係、2つの照明の設置位置の相対
関係、画像入力部の光学パラメータ(焦点距離、受光素
子サイズ)および、眼球の平均サイズ(角膜球半径7.
8mm、角膜球中心と瞳孔中心の間の距離4.2mm)
を用いて行う。
【0018】具体的には、図5の角膜反射像生成の説明
図に示すように、照明1の角膜反射像R(xp1,yp
1)、レンズの焦点位置T、角膜球中心Oは1直線L上
に存在する。照明2と、その角膜反射像R’(xp2 ,
yp2 )を生じさせる角膜表面上の正反射点Qを結ぶ線
分と、角膜反射像R’とレンズの焦点位置Tを結ぶ線分
のなす角の2等分線は、直線Lと点Oで交わり、点Qと
点Oの距離は7.8mmである。また、この点Oは角膜
球中心である。ここで、図6はモデル化された一般的な
眼球構成を示す図であり、Oを中心とする半径4.2m
mの球面と、画像上の網膜反射像の重心とレンズの焦点
位置Tを結ぶ直線の交点のうち、画像入力部5に近い側
の点は、瞳孔中心Pである。以上の条件を満足する半直
線L1が、運転者の視線方向を与える。上述のように運
転者の視線方向の算出については、共軸系照明1の角膜
反射像と瞳孔中心と、非共軸系照明2の角膜反射像とが
定まれば視線方向が算出できる。
【0019】ここで、本装置により、エアコンの設定温
度を制御するケースを例にあげ、視線方向算出以降の動
作について説明する。以上のステップ101〜ステップ
107において視線方向が算出されたのち、視線停留判
断部23においてスイッチ表示エリア26のどこに視線
が停留しているかが判断される。これは、一定回数連続
して同一エリアを見ているか否かで判定する。視線方向
算出に、1回あたり100msec要するとすれば、例
えば連続して4回、すなわち約0.4secの間視線方
向が停留すれば、同一エリアを見ていると判断する。視
線停留判断部23において、スイッチ表示エリア26の
エアコン部に視線方向が停留していると判断されると、
図7に示すようにHUD表示エリア25には、現在のエ
アコン設定温度が表示される。ここで、HUD表示エリ
ア25にエアコン設定温度が表示されると、ステアリン
グスイッチ22のアップダウンスイッチが、設定温度の
上下調節を行うように機能するので、運転者は、アップ
ダウンボタンを操作して、HUD表示エリア25を見な
がら所定の温度に調節する。一定時間、例えば5秒間ア
ップダウンボタンが操作されないと、操作が終了したも
のと判断して、スイッチ機能は全て停止する。再び、何
らかの操作の必要が生じたら、メインスイッチ21を押
すことによって、動作が開始される。
【0020】これにより、眼球の安全性を確保したうえ
で、外来光によるノイズを低減し、計測時間の増大を招
くことなく、精度よく、反射像を抽出できる。この実施
例は以上のように構成されているから、強い外来光下に
おいても、安全にかつ迅速正確に視線方向を計測するこ
とができる。
【0021】次に図8は本発明の第2の実施例を示す。
本実施例には運転者13の顔面照度を計測する顔面照度
計測部14と計測された顔面照度に応じて照明のピーク
パワーを制御する照明ピークパワー制御部15が設けら
れている。照明ピークパワー制御部15は照明パルス発
光制御部11’へ接続されている。顔面照度計測部14
はオートライト制御用センサと共用されている。図9は
照明ピークパワー制御部15において使用される照明ピ
ークパワー制御テーブルである。顔面照度が低く100
0ルクス以下の時には、瞳孔が大きく開いているため照
射エネルギー密度の低い照明光でも十分に視線方向計測
が可能な網膜反射像および角膜反射像が得られるので、
照明光の照射エネルギー密度は、1mW/cm2 に制御
される。顔面照度が1000ルクスを越えた場合には、
縮瞳の影響を考慮して、照明光の照射エネルギー密度
は、10mW/cm2 に制御される。その他の構成は図
1に示された第1の実施例と同様である。
【0022】上記の様に構成された本実施例の動作につ
いて説明する。まず、ステアリング42に設けられたメ
インスイッチ21を押すと、全体制御部12から制御開
始信号が出力され、制御が開始される。顔面照度計測部
14は運転者の顔面照度の計測を行い照明ピークパワー
制御部15へ計測結果を送る。照明ピークパワー制御部
15ではピークパワー制御テーブルから顔面照度計測結
果に基づき照明光のピークパワーを決定する。そして、
照明パルス発光制御部11’はこのピークパワー値を参
照して照明1および照明2の駆動電流値を制御する。以
後の動作は第1の実施例と同様に行われる。
【0023】これにより、眼球の安全性を確保したうえ
で、外来光によるノイズを低減し、計測時間の増大を招
くことなく、精度よく、反射像を抽出できる。また、顔
面照度が低い場合には、照明のピークパワーを小さく制
御し、無駄な高出力照射を防止できる。この実施例は以
上のように構成されているから、強い外来光下において
も、安全にかつ迅速正確に視線方向を計測することがで
きる。さら顔面照度が低い場合には照明の寿命を長くで
きる。
【0024】
【発明の効果】以上のとうり、本発明によれば、画像入
力手段のシャッタと同期してパルス発光し、かつピーク
パワーが撮像時間と逆比例する照明手段とを用いて、運
転者の眼球に不可視光を照射し、撮像時間を高速化可能
なシャッタを備えた画像入力手段で、眼球からの反射像
を含む画像を撮像して、撮像した画像から反射像を抽出
し、その反射像を基に運転者の視線方向を計測するもの
としたので、外来光によるノイズが低減され、計測時間
の増大を招くことなく、精度よく、反射像を抽出でき
る。また照明光をパルス発光させ、照射エネルギー密度
を10mW/cm2 以下に制限することにより、眼球の
安全性が確保できる。したがって、強い外来光下におい
ても、安全にかつ迅速正確に視線方向を計測することが
できるさらに、車両運転者の顔面照度を計測する顔面照
度計測手段と、該顔面照度に応じて該照明手段のピーク
パワーを制御する照明ピークパワー制御手段を有するも
のとしたときには、顔面照度が低い場合には、むだな高
出力照射を防止でき、照明の寿命を長くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】視線方向計測装置を用いた車両の視線スイッチ
システムの全体構成を示す図である。
【図3】視線スイッチシステムの車載レイアウト及び車
載レイアウト主要部の詳細を示す図である。
【図4】視線方向計測装置における処理の流れを示す図
である。
【図5】角膜反射像生成の説明図である
【図6】モデル化された眼球構成を示す図である。
【図7】HUD表示エリアにおける表示状態の説明図で
ある。
【図8】第2の実施例の構成を示す図である。
【図9】照明ピークパワーの制御テーブルである。
【符号の説明】
1 照明 2 照明 3 バンドパスフィルタ 4 シャッタ制御部 5 画像入力部(画像入力手段) 5a シャッタ 6 A/D変換部 7 画像メモリ 8 瞳孔抽出部 9 角膜反射像抽出部 10 視線方向算出部 11、11’ 照明パルス発光制御部 12 全体制御部 13 運転者 14 顔面照度計測部(顔面照度計測手段) 15 照明ピークパワー制御部(照明ピークパワー
制御手段) 20 視線方向計測装置 21 メインスイッチ 22 ステアリングスイッチ 23 視線停留判断部 24 HUD表示制御部 25 HUD表示エリア 26 スイッチ表示エリア 27 コントローラ切り替え部 28 エアコンコントローラ 29 CDコントローラ 30 ラジオコントローラ 31 ヘッドライトコントローラ 32 ワイパコントローラ 41 ウインドシールド 42 ステアリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者の眼球に不可視光を照射し該眼球
    からの反射像を含む画像を撮像して、該画像から反射像
    を抽出し、該反射像を基に運転者の視線方向を計測する
    視線方向計測装置において、撮像時間を高速化可能なシ
    ャッタを備えた画像入力手段と、該シャッタと同期して
    パルス発光し、かつピークパワーが撮像時間と逆比例す
    る照明手段とを有することを特徴とする車両用視線方向
    計測装置。
  2. 【請求項2】 運転者の眼球に不可視光を照射し該眼球
    からの反射像を含む画像を撮像して、該画像から反射像
    を抽出し、該反射像を基に運転者の視線方向を計測する
    視線方向計測装置において、撮像時間を高速化可能なシ
    ャッタを備えた画像入力手段と、該シャッタと同期して
    パルス発光する照明手段と、車両運転者の顔面照度を計
    測する顔面照度計測手段と、該顔面照度に応じて前記照
    明手段のピークパワーを制御する照明ピークパワー制御
    手段を有することを特徴とする車両用視線方向計測装
    置。
  3. 【請求項3】 前記照明手段は前記画像入力手段の光軸
    と照射方向が一致する共軸系照明および前記画像入力手
    段と非共軸な位置に設けた非共軸系照明から構成され、
    順次前記シャッタと同期してパルス発光することを特徴
    とする請求項1または2記載の車両用視線方向計測装
    置。
JP32354794A 1994-12-01 1994-12-01 車両用視線方向計測装置 Expired - Fee Related JP3296119B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32354794A JP3296119B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 車両用視線方向計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32354794A JP3296119B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 車両用視線方向計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08159733A true JPH08159733A (ja) 1996-06-21
JP3296119B2 JP3296119B2 (ja) 2002-06-24

Family

ID=18155923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32354794A Expired - Fee Related JP3296119B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 車両用視線方向計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3296119B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6392539B1 (en) 1998-07-13 2002-05-21 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Object detection apparatus
JP2004261598A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Agilent Technol Inc 瞳孔検知装置及び方法
JP2007259931A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Honda Motor Co Ltd 視線検出装置
JP2007536064A (ja) * 2004-05-10 2007-12-13 アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド 瞳孔検出方法及びシステム
DE102012106286A1 (de) 2011-08-25 2013-02-28 Denso Corporation Gesichtsbilderfassungsvorrichtung
KR20160061690A (ko) * 2014-11-24 2016-06-01 현대자동차주식회사 눈 검출장치 및 방법
CN113589533A (zh) * 2018-06-01 2021-11-02 脸谱科技有限责任公司 头戴式显示器及用于确定佩戴其的用户的视线的方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6392539B1 (en) 1998-07-13 2002-05-21 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Object detection apparatus
JP2004261598A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Agilent Technol Inc 瞳孔検知装置及び方法
JP2007536064A (ja) * 2004-05-10 2007-12-13 アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド 瞳孔検出方法及びシステム
JP4799550B2 (ja) * 2004-05-10 2011-10-26 アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド 瞳孔検出方法及びシステム
JP2007259931A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Honda Motor Co Ltd 視線検出装置
DE102012106286A1 (de) 2011-08-25 2013-02-28 Denso Corporation Gesichtsbilderfassungsvorrichtung
CN103077370A (zh) * 2011-08-25 2013-05-01 株式会社电装 面部图像检测设备
US8797394B2 (en) 2011-08-25 2014-08-05 Denso Corporation Face image capturing apparatus
DE102012106286B4 (de) 2011-08-25 2020-06-18 Denso Corporation Gesichtsbilderfassungsvorrichtung
KR20160061690A (ko) * 2014-11-24 2016-06-01 현대자동차주식회사 눈 검출장치 및 방법
US10268887B2 (en) 2014-11-24 2019-04-23 Hyundai Motor Company Apparatus and method for detecting eyes
CN113589533A (zh) * 2018-06-01 2021-11-02 脸谱科技有限责任公司 头戴式显示器及用于确定佩戴其的用户的视线的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3296119B2 (ja) 2002-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3324295B2 (ja) 車両用視線方向計測装置
JP2988178B2 (ja) 視線方向計測装置
JP5366028B2 (ja) 顔画像撮像装置
JP2937030B2 (ja) 画像処理装置及び人物状態判定装置
JP5761074B2 (ja) 撮像制御装置及びプログラム
US20090278658A1 (en) Eye image taking device and authentication device using the same
JPH11263145A (ja) 夜間運転視界支援装置
CN107960989B (zh) 脉搏波计测装置以及脉搏波计测方法
TW201416908A (zh) 瞳孔追蹤裝置
JP6601351B2 (ja) 視線計測装置
JP2016049260A (ja) 車載用撮像装置
US20070263908A1 (en) Iris Authentication Device
JP3520618B2 (ja) 車両用視線方向計測装置
JP3296119B2 (ja) 車両用視線方向計測装置
JPH09167049A (ja) コンソール用視線入力装置
JPH105178A (ja) 視線入力装置
JPH089222A (ja) 視線検出機能付き撮像装置
JPH09212082A (ja) 視線入力装置
JP3185522B2 (ja) 車両用視線方向計測装置
JPH06323832A (ja) 車両用インターフェイス
JPH0868630A (ja) 車両用視線方向計測装置およびこれに用いる画像入力装置
JP2018190213A (ja) 顔認識装置及び視線検出装置
JPH08297019A (ja) 車両用視線方向計測装置
JPH09251539A (ja) 視線計測装置
JP3232873B2 (ja) 車両用視線方向検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020312

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090412

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees