JPH08157972A - 線材の連続加熱装置及び連続熱処理装置 - Google Patents

線材の連続加熱装置及び連続熱処理装置

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JPH08157972A
JPH08157972A JP6319451A JP31945194A JPH08157972A JP H08157972 A JPH08157972 A JP H08157972A JP 6319451 A JP6319451 A JP 6319451A JP 31945194 A JP31945194 A JP 31945194A JP H08157972 A JPH08157972 A JP H08157972A
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wire
heated
conducting
wheel
continuous
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JP6319451A
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Hironori Sato
裕紀 佐藤
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Neturen Co Ltd
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Neturen Co Ltd
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Publication date
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    • Y02P10/25Process efficiency

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  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 経済的に線材を連続的に均一加熱、熱処理できる線材の
連続加熱装置及び連続熱処理装置を提供することを目的
とする。 【構成】 被加熱線材を連続的に走行させる走行手段
と、1次巻線を有する有鉄心トランスと、走行する被加
熱線材に前記トランスの2次巻線を構成するようにルー
プを形成させる案内輪と、前記ループの被加熱線材の進
入側と排出側を導通させて電気的閉ループを形成させる
導通手段とを備えた線材の加熱装置において、前記案内
輪は非導電体の円盤体からなり、前記導通手段は、走行
する被加熱線材の進入側と排出側をその外径の対称位置
に接触させて回転する導電体の導通輪と、該導通輪の接
触部の外周部に設けた圧接輪と、該圧接輪を被加熱線材
を導通輪に圧接する方向に付勢する付勢手段とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として小径の線材の
焼入れ、焼戻し又は焼きなましなどの熱処理を連続的に
行うための線材の連続加熱装置及び連続熱処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】線材の熱処理には表面脱炭の防止などの
点で短時間加熱が望ましい。そこで、従来の線材の連続
熱処理などの連続加熱装置として、高周波誘導加熱コイ
ル中を線材を連続的に通過させて加熱する高周波誘導加
熱や、走行する線材の直線部に間隔をおいて設けた電極
輪を電極として被加熱線材に電流を流し、線材中を流れ
る電流のジュール熱により加熱する直接通電方式があっ
た。この直接通電方式は高周波誘導加熱より電力効率は
高いが、被加熱線材の表面が粗いため電極輪と線材の間
に火花が生じやすく線材の表面を損する欠点がある。ま
た、電極輪に電力を供給するための電気ブラシの摩耗が
大きく、かつ電気ブラシと電極輪との摩擦による線材の
連続送りのためのエネルギロスが大きいという欠点があ
った。即ち、線材を連続的に送るためにこの摩擦分だけ
余計な動力が必要であり、とくに小径の線材の場合は線
材送りの動力が小さいので、このロスの比率が大きいと
いう問題点があった。
【0003】また他の加熱方法として、1次巻線を有す
る有鉄心トランスの2次巻線を構成するように被加熱線
材にループを形成させて走行させ、該ループに発生する
2次誘起電流により線材を連続加熱するリングトランス
方式に線材の加熱方法がある。発明者は、これを改良し
たものとして、先に特開平2−139890公報記載の
装置を開示した。即ち、2条の線材を所定平面上で所定
間隔を維持して同方向又は逆方向に同速度で走行させつ
つ、走行する線材のそれぞれと接触可能な1輪又は2輪
以上の導通輪を設け、走行する線材と導通輪とでトラン
スの2次コイルの閉ループの回路を構成させて、トラン
スの1次コイルに供給される電力により2次コイルの線
材に誘起される電流のジュール熱により線材を加熱する
ものである。この装置によれば、前記の電極輪に電力を
供給するための電気ブラシを必要としないので、ブラシ
の摩耗もなくブラシの摩擦によるエネルギロスもない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では多数の導通輪と圧接輪を必要とするので、導通
輪や圧接輪の摩耗による費用が大きい欠点があった。と
くに単位長さ当たりの重量が小さい小径線材の加熱の場
合は、線材トン当たりの導通輪などの費用を低減した加
熱方法が要求された。
【0005】そこで本発明は、被加熱線材と導通輪の間
の火花発生を防止し、かつ前記発明の導通輪の数を減ら
し、かつその1つをセラミック等の摩耗の少ない非導電
性案内輪にしてロール費を低減し、ランニングコストの
安い線材の連続加熱装置及び連続熱処理装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の線材の連続加熱装置は、被加熱線材を連続的
に走行させる走行手段と、1次巻線を有する有鉄心トラ
ンスと、該トランスの1次巻線に電力を供給する電源
と、走行する被加熱線材に前記トランスの2次巻線を構
成するようにループを形成させる案内輪と、前記ループ
の被加熱線材の進入側と排出側を導通させて電気的閉ル
ープを形成させる導通手段とを備え、前記ループに2次
誘起電流が流れて線材が連続加熱されるリングトランス
方式による線材の加熱装置において、前記案内輪は非導
電体の円盤体からなり、前記導通手段は、走行する被加
熱線材の進入側と排出側をその外径の対称位置に接触さ
せて回転する導電体の導通輪と、該導通輪の接触部の外
周部に設けた圧接輪と、該圧接輪を被加熱線材を導通輪
に圧接する方向に付勢する付勢手段とを備えたものであ
る。
【0007】また、上記目的を達成するために前記導通
輪は、同軸に独立に回転自在に枢支された2つの導通輪
から形成され、2つの導通輪は電気的に導通し、走行す
る被加熱線材の進入側が第1導通輪の外周に圧接され、
排出側が第2導通輪の外周に圧接されるものであるか、
または、前記導通輪は、被加熱線材の排出側の接する第
2導通輪の径(D)が進入側の接する第1導通輪の径
(d)より大きい同軸の2つの導通輪から形成され、2
つの導通輪は電気的に導通して一体に回転し、第2導通
輪の径(D)と第1導通輪の径(d)が、D=(1+α
ΔT)d、ただし、α=被加熱線材の線膨脹係数、ΔT
=線材の温度上昇値であることが被加熱線材の円滑な走
行のために望ましい。
【0008】また、上記目的を達成するために前記圧接
輪の直径(a)mmφと被加熱線材直径(b)mmφと
の関係は、a≧b×10であって、前記圧接輪の圧接付
勢力t(kg)は、t≧σ×b×1/100、ただし、
σ=被加熱線材の常温引張り強さ(kg/mm2 ),b
=被加熱線材直径(mm)であることが導通輪の火花発
生の防止のため望ましい。
【0009】上記目的を達成するために本発明の線材の
連続連続焼入装置は、前記記載の線材の連続加熱装置の
被加熱線材の進入側の前に高周波誘導加熱又は通電加熱
による急速加熱手段と、排出側の後に急冷手段のいずれ
か又はこれらの組み合わせ手段を備えたものである。
【0010】上記目的を達成するために本発明の線材の
連続焼戻し又は焼なまし装置は、前記記載の線材の連続
加熱装置の被加熱線材の進入側の前に高周波誘導加熱又
は通電加熱による急速加熱手段と、排出側の後に冷却速
度制御手段のいずれか又はこれらの組合わせ手段を備え
たものであり、前記排出側の冷却速度制御手段として
は、その外周に被加熱線材を巻回して走行させる常温以
上の定温に保持された1又は2以上の回転するドラムか
らなるものであることが温度の連続制御が容易な点で望
ましい。
【0011】
【作用】本発明の線材の連続加熱装置は、走行する被加
熱線材に1次巻線を有する有鉄心トランスの2次巻線を
構成するように案内輪を設けてループを形成させ、線材
の進入側と排出側のループ両端を導通手段によって電気
的に導通して電気的閉ループを形成させたリングトラン
ス方式による線材の加熱装置において、前記案内輪を非
導電体の円盤体とし、前記導通手段を導電体の導通輪と
することにより、被加熱線材は進入側で導通輪に接触部
し、非導電体の案内輪を回り再び排出側で導通輪に接触
部して導電体の導通輪を介して進入側と導通して閉ルー
プを形成するので、この閉ループに2次電流が流れて、
電流のジュール熱により被加熱線材が連続加熱される。
この際に、該導通輪の線材の接触部の外周部に導通輪の
方向に圧接する付勢手段を備えた圧接輪を設けて、被加
熱線材を導通輪に圧接することにより、接触部の電流に
よる火花が防止される。また、被加熱線材は急速加熱さ
れるので脱炭が少なく高品質の線材が得られる。
【0012】被加熱線材は加熱膨脹により直線方向に伸
張し、進入側の線材速度より排出側の速度が大になるた
め、進入側と排出側の接する導通輪の周速度が同じでは
線材が円滑に走行しない。そこで、本発明の線材の連続
加熱装置は、前記導通輪を同軸の独立に回転自在に枢支
され電気的に導通した2つの導通輪にすることにより、
被加熱線材の進入側と排出側の線材の走行速度が異なっ
ても、それぞれの接する導通輪が自由に回転できるので
線材は円滑に走行できる。また、前記導通輪を電気的に
導通して一体に回転する同軸の2つの導通輪とし、被加
熱線材の排出側の接する第2導通輪の径を進入側の接す
る第1導通輪の径より大きくして、第2導通輪の径
(D)と第1導通輪の径(d)の関係をD=(1+αΔ
T)d、ただしα=被加熱線材の線膨脹係数、ΔT=線
材の温度上昇値とすることにより、排出側の走行速度が
進入側の速度より熱膨張分だけ大きくなり被加熱線材の
円滑な走行ができる。
【0013】通常、被加熱線材の表面は引抜き、または
圧延のままであるため、表面には微細な凹凸があり、被
加熱線材と導通輪を接触させただけでは凸部のみが導通
輪の表面に接触するだけのため通電による火花が生じて
線材の表面が損傷される。そこで、前記圧接輪の直径
(a)mmφを被加熱線材直径(b)mmφ×10以上
にし、また、前記圧接輪の付勢手段の付勢力t(kg)
を、被加熱線材の常温引張り強さσ(kg/mm2 )×
被加熱線材直径b(mmφ)×1/100以上にするこ
とにより、線材表面の凸部を押し潰して接触し、線材と
導通輪の接触面積を十分にとることができ火花発生を防
止できる。
【0014】本発明の線材の連続焼入装置は、前記線材
の連続加熱装置を使用することにより、線材が急速加熱
されるので表面脱炭が少なく、品質の良い熱処理線材が
得られる。また、前記線材の連続加熱装置の被加熱線材
の進入側の前に高周波誘導加熱又は通電加熱による急速
加熱手段を設けることにより線材の予備加熱ができ、排
出側の後に水噴霧などの急冷手段を備えることにより、
連続的に焼入れ熱処理を行うことができ、排出側の後に
急冷手段と冷却速度制御手段を備えることにより、加熱
後の線材の定温保持又は冷却速度の調節ができ、連続焼
戻し、又は連続焼なましが可能となる。この冷却速度制
御手段として、常温以上の定温に保持された1又は2以
上の回転ドラムを設け、そのドラム外周に被加熱線材を
巻回して走行させることにより、このドラムの温度を任
意に設定すれば温度保持、冷却速度の調整などが容易に
なり適切な連続焼戻し、焼なましが可能になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図示の一実施例について具体
的に説明する。図1は本発明の線材の誘導加熱装置の概
念を示す図、図2は進入側と排出側の導通輪の径が異な
る場合の図、図3は本発明の線材の誘導加熱装置と、そ
れを使用した線材の連続熱処理装置の図、図4は保温ロ
ールの図である。
【0016】図1及び図3において被加熱線材Wは繰出
しコイラ5から図3のピンチローラ31などにより繰り
出され、加熱された後巻取コイラ6に図示しないピンチ
ローラなどの走行手段により巻き取られる。この走行す
る被加熱線材Wの進入側W1は、回転自在に枢支されて
いる導電性金属材料からなる第1導通輪11の外周に接
触して矢印Y1の方向に走行し、回転自在に枢支されて
いるセラミック等の非導電性材料からなる案内輪15の
外周を周回して矢印Y2の方向に向きを変え、排出側W
2が導電性金属材料からなる第2導通輪12の外周に接
触して巻取コイラ6に排出される。
【0017】第1導通輪11及び第2導通輪12の被加
熱線材Wの進入側W1及び排出側W2の接する外周部に
は、それぞれ回転自在の圧接輪13及び圧接輪14が設
けられ、それぞれ被加熱線材を導通輪の外周に圧接する
ように被加熱線材Wの進行方向と直角の矢印X1、X2
の方向に対向して付勢されている。これにより、被加熱
線材の進入側W1は圧接輪13により第1導通輪11の
外周に圧接され、排出側W2は圧接輪14により第2導
通輪12の外周に圧接されるようになっている。第1導
通輪11と第2導通輪12は同軸に設けられ、それぞれ
独立に回転自在に枢支され互いに電気的に導通してい
る。2つの導通輪をそれぞれ独立に回転自在にするのは
走行する線材が加熱膨脹により伸張して排出側の走行速
度が進入側より大になるため2つの導通輪の回転数が異
なるからである。
【0018】図2には第1導通輪11と第2導通輪12
を径の異なる2段の導通輪にした場合を示す。前記のよ
うに第1導通輪11と第2導通輪12を独立に回転でき
る同径の導通輪としても良いが、図2に示すような径の
異なる段車状の2つの導通輪にして、大径の導通輪の径
(D)と小径の導通輪の径(d)を、 D=(1+αΔT)d ただしα=被加熱線材の線膨脹係数、ΔT=線材の温度
上昇値としても良い。これにより、第1導通輪11と第
2導通輪12の電気的導通が容易にでき、排出側の走行
速度が線膨脹分だけ進入側より大きくなっても第2導通
輪12の外周長さがそれだけ大きいので線材は円滑に走
行する。なお、図2の場合、多少の進入側と排出側の速
度差の変動は後述する案内輪15が矢印Y3方向に前後
移動されることにより調節される。各導通輪11、1
2、及び圧接輪13、14の外周には、走行する被加熱
線材を案内し電気的に導通するように、溝の深さが被加
熱線材の半径よりやや浅く、溝のRが線材の半径よりや
や大きい円周溝が設けられている。本実施例では、被加
熱線材として2.5〜3.5mmφの18−8ステンレ
ス鋼の線材を用い、図2の2段導通輪とし、第1導通輪
11有効径(d)及び案内輪15の有効径を350mm
φとし、18−8ステンレスの膨脹係数を20×10-
6 /℃、1000℃の加熱として、第2導通輪12の有
効径(D)を357mmφとした。
【0019】圧接輪13、14は、線材が進入側と排出
側の接する部分の導通輪の外周部に設けられ、導通輪に
被加熱線材を圧接するように図示しないばねなどの付勢
手段により付勢されている。その付勢力t(kg)は、
被加熱線材の常温引張り強さσ(kg/mm2 )×被加
熱線材直径(b)(mm)×1/100以上にされてい
る。これは線材表面の粗さによる部分的な凸部を押し潰
して導通輪との接触面積を増加させるためである。圧接
輪13、14の径は通常、導通輪11、12より小さく
線材径の10〜30倍ぐらいが線材と導通輪の導通面積
を確保するために望ましい。本実施例では、18−8ス
テンレス鋼の常温引張り強さを60kg/mm2 、被加
熱線材の直径を3.5mmφとして、付勢力を60×
3.5×1/80=2.6kgに設定し、圧接輪13、
14の径を3.5×30=105mmφとした。
【0020】案内輪15は、セラミック等の耐熱性被導
電性材料の円盤体からなり、その外周に被加熱線材を走
行案内する溝を有して回転自在に枢支され、その溝に巻
架した被加熱線材を伸張するように線材の走行線に平行
の矢印Y3の方向に図示しないコイルバネなどの付勢手
段により付勢されている。これにより、線材の加熱膨脹
による線材長さの多少の変動を吸収するようになってい
る。
【0021】外鉄型トランス21の鉄心22の軸鉄心2
2aには1次コイル23、23が前記走行する被加熱線
材Wを挟むように分割して巻かれ、図示しない電源から
電力が供給されるようになっている。被加熱線材の進入
側から案内輪までの線材と案内輪から排出側までの線材
は、それぞれ軸鉄心22aと外鉄心との空間を軸鉄心2
2aを挟んで通過し、分割して巻かれた1次コイル2
3、23と等間隔になる位置で通過するように配設され
ている。これにより、被加熱線材Wの進入側W1から案
内輪15を周回して排出側W2に至る線材は導通輪11
及び12により導通されて電気的閉ループを形成し、こ
の閉ループがトランス21の2次巻線を構成するように
なっている。
【0022】上記構成の線材の加熱装置で、被加熱線材
Wを導通輪11、案内輪15及び導通輪12に巻架して
走行手段により走行させトランス21の1次コイルに図
3に示す電源2から電力を付加すると、トランスの2次
コイルを構成する前記巻架した被加熱線材に2次電流が
誘起され、そのジュール熱により線材が加熱される。被
加熱線材の線径、走行速度に応じて1次コイルに付加す
る電圧、電流、周波数を適切に選ぶことにより、2次コ
イルを構成する被加熱線材に誘起される2次電圧・電流
が変わり発生する熱量が変わるので、進入側から常温又
は予熱されて進入走行する線材を所定の温度に連続的に
加熱して排出側に連続的に送り出すことができる。鋼線
材の加熱のための1次コイルに付加する1次電源として
は装置の小形化のため500Hz以上の周波数が望まし
い。本実施例では、被加熱線材として2.5〜3.5m
mφの18−8ステンレス鋼の線材を用い、線材走行速
度は200〜300m/minに設定して実験した。1
次電源としては1000V,500Hzの中周波を付加
した。3.0mmφの線材を300m/minの速度で
送り、常温の線材を進入走行させ排出側の温度を120
0℃が得られた。これにより、3.0mmφの線材を1
200℃に加熱するのに時間当たり1トン以上の加熱能
力が得られる見通しを得た。
【0023】図3は本発明の実施例の線材の連続熱処理
装置の全体の配置を示す図である。図において、図示し
ないコイラから繰り出された被加熱線材Wは多段のピン
チローラ31により矢印A方向に送り出され、案内ロー
ラ32,33を介して本発明の線材連続加熱装置1に送
られる。被加熱線材Wは導通輪11、案内輪15、導通
輪12を通過してトランス21の2次コイルを構成し、
電源2により付加される電力によって所定温度に加熱さ
れた線材Wは、案内ローラ34を介して温度制御ローラ
(冷却速度制御手段)35に巻き取られる。温度制御ロ
ーラ35は図6に示すようにその胴部に被加熱線材を案
内する複数の溝を有する中空円筒の2つの保温ドラム3
6,36からなり、2つの保温ドラム36,36の間に
たすき掛けに線材Wを巻き付けるようになっている。保
温ドラム36,36は、金属またはセラミックなどによ
り作られ、その内部を電熱またはバーナー等で定温に加
熱されるようになっている。線材加熱装置により所定温
度に加熱された線材は、その放熱量を補償するように保
温ドラム36、36の温度を任意に設定することにより
線材を定温に保持したり、その冷却速度を増減したりす
ることができる。これにより、どの様な材質の線材でも
焼戻し、焼なましなどをすることが可能である。
【0024】本図には図示しないが案内ローラ32,3
3の間に高周波誘導加熱コイルかまたは直接通電装置を
設けることにより、線材を急熱して予備加熱するように
することもできる。また、案内ローラ34の後に水冷等
の急冷装置を設けて18−8ステンレス等の溶体化焼な
ましをしたり、高炭素鋼の焼入れをして、前記温度制御
ローラ35により焼戻しすることにより連続焼入れ・焼
戻しの熱処理をすることもできる。
【0025】上記のように、上記構成の本発明の線材の
連続加熱装置は、火花の発生によって線材表面を傷つけ
ることがなく、かつ急速加熱により線材の連続的な加熱
ができるので、表面脱炭が少なく均一な高品質の熱処理
線材の量産が可能である。また、本発明の線材の連続加
熱装置の後に急冷装置、温度保持装置などを設けること
により、均一な焼きなまし、焼き入れ、焼戻しなどの連
続熱処理が可能になる。また、本連続加熱装置の後に設
けた冷却速度制御装置を定温に保持した温度制御ローラ
にすることにより連続焼戻し等が経済的にできる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明の線材の連続
加熱装置は、均一な高品質の熱処理線材の量産が可能で
ある。また、線材の連続加熱装置の後に冷却速度制御手
段を設けることにより、連続熱処理を経済的に行うこと
ができる。また、冷却速度制御手段を定温に保持した温
度制御ローラにより行うことにより加熱した線材の熱量
が有効に利用でき連続焼戻し等の省エネルギが達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の線材の連続加熱装置の概念を示
す図である。
【図2】本発明実施例の線材の連続加熱装置の異径の導
通輪の例を示す図である。
【図3】本発明実施例の線材の連続熱処理装置の全体の
配置図である。
【図4】本発明実施例の温度制御ローラのドラムの正面
図である。
【符号の説明】
W 被加熱線材 1 線材連続加熱装置 5 繰出しコイラ 6 巻取コイラ 11 第1導通輪 12 第1導通輪 13 進入側圧接輪 14 排出側圧接輪 15 案内輪 21 トランス 22 鉄心 23 1次コイル 31 ピンチローラ 32 案内ローラ 33 案内ローラ 34 案内ローラ 35 温度制御ローラ 36 保温ドラム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱線材を連続的に走行させる走行手
    段と、1次巻線を有する有鉄心トランスと、該トランス
    の1次巻線に電力を供給する電源と、走行する被加熱線
    材に前記トランスの2次巻線を構成するようにループを
    形成させる案内輪と、前記ループの被加熱線材の進入側
    と排出側を導通させて電気的閉ループを形成させる導通
    手段とを備え、前記ループに2次誘起電流が流れて線材
    が連続加熱されるリングトランス方式による線材の加熱
    装置において、前記案内輪は非導電体の円盤体からな
    り、前記導通手段は、走行する被加熱線材の進入側と排
    出側をその外径の対称位置に接触させて回転する導電体
    の導通輪と、該導通輪の接触部の外周部に設けた圧接輪
    と、該圧接輪を被加熱線材を導通輪に圧接する方向に付
    勢する付勢手段とを備えたことを特徴とする線材の連続
    加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記導通輪は、同軸に独立に回転自在に
    枢支された2つの導通輪から形成され、2つの導通輪は
    電気的に導通し、走行する被加熱線材の進入側が第1導
    通輪の外周に圧接され、排出側が第2導通輪の外周に圧
    接される請求項1に記載の線材の連続加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記導通輪は、被加熱線材の排出側の接
    する第2導通輪の径(D)が進入側の接する第1導通輪
    の径(d)より大きい同軸の2つの導通輪から形成さ
    れ、2つの導通輪は電気的に導通して一体に回転し、第
    2導通輪の径(D)と第1導通輪の径(d)が D=(1+αΔT)d ただし、α=被加熱線材の線膨脹係数、ΔT=線材の温
    度上昇値である請求項1に記載の線材の連続加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記圧接輪の直径(a)mmφと被加熱
    線材直径(b)mmφとの関係は、 a≧b×10で、 前記圧接輪の圧接付勢力t(kg)は、 t≧σ×b×1/100 ただし、σ=被加熱線材の常温引張り強さ(kg/mm
    2 ), b=被加熱線材直径(mm)、 である請求項1乃至3のいずれかに記載の線材の連続加
    熱装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の
    線材の連続加熱装置の被加熱線材の進入側の前に高周波
    誘導加熱又は通電加熱による急速加熱手段と、排出側の
    後に急冷手段のいずれか又はこれらの組み合わせ手段を
    備えた線材の連続焼入装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の
    線材の連続加熱装置の被加熱線材の進入側の前に高周波
    誘導加熱又は通電加熱による急速加熱手段と、排出側の
    後に冷却速度制御手段のいずれか又はこれらの組合わせ
    手段を備えた線材の連続焼戻し又は焼なまし装置。
  7. 【請求項7】 前記排出側の冷却速度制御手段は、その
    外周に被加熱線材を巻回して走行させる常温以上の定温
    に保持された1又は2以上の回転するドラムからなる請
    求項6に記載の線材の連続焼戻し又は焼なまし装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106086384A (zh) * 2016-06-23 2016-11-09 芜湖顺成电子有限公司 铜线包覆前的便捷退火装置

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