JP2777809B2 - 線材のインライン熱処理装置 - Google Patents

線材のインライン熱処理装置

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JP2777809B2 JP63287635A JP28763588A JP2777809B2 JP 2777809 B2 JP2777809 B2 JP 2777809B2 JP 63287635 A JP63287635 A JP 63287635A JP 28763588 A JP28763588 A JP 28763588A JP 2777809 B2 JP2777809 B2 JP 2777809B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、線材をインラインで例えば焼入れ,焼戻,
球状化焼なまし,あるいは焼きならし等の熱処理に付す
場合、当該線材を所定時間にわたり所定の等温度に保持
するに好適なコンパクトな熱処理装置に関する。
(従来の技術) プレーンカーボン鋼や合金鋼等からなる線材は、所望
の金属組織とするため,当該金属組織の均一化を図るた
め,あるいは硬さを後工程の加工が容易な硬さに軟化さ
せるため等の目的から、所定時間にわたり所定等温度に
保持する熱処理に付す必要がある。
線材をこの種の熱処理に付す場合の従来等温度保持方
法は、線材を例えば500kg,1000kg分リング状に積層巻回
したコイル材をそのままの状態でベル型炉に装入し、完
全に外気と遮断した炉内で加熱,均熱,冷却を行う。ま
た、コイル材をそのまま長尺の連続炉へ順次装入し、コ
イル材が炉内を所定の速さで搬送される間に所期の加熱
や熱処理を行う場合もある。これら従来法では、線材が
積層・多巻回されており、かつ質量も上記の如く大であ
るがため、コイル材全体の均一加熱には長時間を要す
る。
上記に対し、線材をインラインで熱処理する場合もあ
る。即ち、素材線材を走行せしめつつ、誘導加熱ないし
直接通電加熱の如き電気的手段で加熱し,冷却する工程
により高強度化する方法であり、例えば特公昭41−1336
号(特許第493490号)が該当する。これを第7図の
(a)および(b)に従つて概説する。図の(a)は熱
処理ライン構成であり、(b)は上記ラインに対応する
線材表面および芯部それぞれの温度をAおよびBとして
示す温度特性線図である。素材線材Wは矢印方向へ例え
ば250mm/secの速度で走行し、誘導加熱手段C1で表面が
所定焼入れ温度よりやや高温となるまで急速加熱され、
所定均熱時間を経て全断面が均一所定焼入れ温度となつ
た時点で冷却手段Q1により急冷・焼入れされる。続いて
誘導加熱手段C2で線材全断面を所定焼戻温度まで急速加
熱のうえ,冷却手段Q2により急冷し、線材Wの全断面か
つ全長を引張り強さ1100〜1500N/mm2となる如く高強度
化する。尚、当該熱処理中線材Wには所定の張力が負荷
される構成である。
当該特許発明におけるが如き,電気エネルギーを熱エ
ネルギーに変換する技術は、あたかも機械システムにお
ける位置エネルギーの運動エネルギーへの変換と類似性
があり、ゲインに優れていると言える。何故ならば、コ
イル状線材をそのまま加熱処理する場合とインラインで
加熱処理する場合とを比較すれば、例えば線材を引張り
強さ1450N/mm2に仕上げるとして、全長かつ全断面にわ
たる引張り強さのばらつきは前者が100N/mm2範囲である
のに対し、後者が10N/mm2範囲内であり、仕上がりの均
一性は後者が顕著に優れている。または、インラインで
加熱される線材の各部については、短時間加熱であるの
で脱炭の虞も皆無である。
然し乍ら、上記技術は硬さ範囲を自由に設定するには
限界があるため、特定の鋼種と特定の機械的性質を必要
とする用途の高強度線材,例えばプレストレスト・コン
クリート用鋼線等を製造する場合にしか適用できない。
他方、線材をインラインで焼戻する従来技術をS.L.Se
miatin,D.E.Stutz共著〔米国金属学会から1986年に発
行〕Induction Heat Treatment of Steelにおける145頁
から引用すれば、φ12.7mmの鋼棒を温度50℃から565℃
に誘導加熱する例として、 電源出力 ……11KW 電力密度 ……0.064KW/cm2 誘導子の長さ……434mm 加熱時間 ……17sec 線材送り速度……25.5mm/sec を挙げている。これはGrange Baughmanの唱える焼戻相
互関係論に依拠した金属学的背景から設定されたもので
あり、上掲特許発明と比較すれば、処理スピードが極め
て遅いと言わざるを得ない。即ち,上記線材1m当たりの
単位重量は0.994Kgであり、かつ線材は通常500Kg,ない
し1000Kg単位でコイル状とされているので、例えば500K
gの1コイルを熱処理するには,線材の長さが であり、その処理時間が と計算され、19726sec,即ちほぼ5時間30分を要するこ
ととなり、経済的生産性があるとは言えない。
上記文献が示すように、焼戻には時間がかかるので、
線材をインラインで連続的に焼入れおよび焼戻の2つの
熱処理を付さんとする場合には、前掲特許発明の如く線
材を高強度化する特殊な場合を除いて、例えば焼入れに
おける線材の送り速度を基準として焼戻誘導子の長さを
長くすることにより焼戻時間を得る設定とするか、或い
は焼入れと焼戻とでの線材送り速度を異ならしめる特殊
なライン設備としなければならない。然し、何れの場合
いでも実現化するには極めて困難を伴う。
従つて、文献が意図するところは,焼戻は独立したラ
インで行い、第8図の温度特性線図に示す如く,17secの
加熱時間および565℃からの放熱時を含む所定時間t1と
して示す有効焼戻時間を確保することにより処理目的を
達せんとするにある。また、このように独立したライン
で行つたとしても、565℃から室温,少なくとも巻取り
可能な温度までの放熱は長時間となり、極めて生産性に
乏しい。
本発明者は上記現状を打破するため、先に本発明装置
が依拠する基本原理として、インラインで走行する線材
を所定時間にわたり所定等温度に保持する熱処理方法に
関する発明をし、特願昭62−91937号(特開昭63−25902
8号)および特願昭62−106245号(特開昭63−274721
号)をもって出願した。
当該方法の発明の要旨を概説すれば、線材を所定時間
にわたり所定等温度に保持する熱処理に付す場合におい
て、当該熱処理をインラインで行うものとし、連続送り
される線材を急速加熱手段により上記所定温度,もしく
はそれよりやや高温度まで全断面加熱のうえ、線材へ所
定時間にわたり直接抵抗加熱による電圧を印加する温度
保持手段によるようにし、上記印加電圧を当該印加電圧
によつて線材に発生するジユール熱が加熱線材の放冷時
に示す放熱量と見合う如く設定することを特徴とする。
ところで、上記方法の発明を創出した時点では、これ
を実施するに際し、生産性を考慮した送り速度,例えば
前掲文献の少なくとも3〜4倍以上、好ましくは10倍程
度の送り速度で走行する線材を所定等温度に保持する保
持時間,換言すれば保持長さ範囲が比較的短い場合に
は、直線的ライン構成,即ち第9図に示す如き前記先行
出願2発明にも開示した基本的な構成装置として、熱処
理ラインL上に配置した急速加熱手段1および所定間隔
を隔てる2対の通電電極ロール21aと21bからなる温度保
持手段2の構成で足りるが、線材保持長さ範囲がやや長
尺の場合には,必ずしも充分とは言えず、最適な装置を
案出するまでに至らなかつた。
(発明の目的) 本発明の目的は、線材をインラインで所定時間にわた
る所定等温度保持を含む熱処理に付す場合、生産性を満
足する送り速度下で走行する線材の所望長さ範囲を全断
面にわたり精密に所定等温度に保持可能、従つて線材を
全断面かつ全長にわたり均一な所望する金属組織や硬さ
に仕上げることが可能なコンパクトな熱処理装置を提供
することを目的とする。
(発明の構成) 本発明の要旨とするところは、変成器を構成する鉄心
に一次コイルが巻回されるとともに、線材を保持する複
数の溝が並んだセラミックス製のガイドローラが前記鉄
心の一脚の周囲を巡って複数個設けられ、前記ガイドロ
ーラ間の1箇所には線材導入ガイドと前記鉄心の周囲を
複数回旋回した線材を排出するセラミックス製の線材排
出ガイドとが設けられ、かつ線材導入ガイドの上流側と
線材排出ガイドの下流側とにはそれぞれ電極輪が設けら
れ、前記電極輪同士を電気的に接続することにより線材
自体を変成器の二次コイルとして加熱する装置と、これ
の上流側に設けた急速加熱装置とによって構成されるこ
とを特徴とする線材のインライン熱処理装置である。
(実施例) 本発明を第1図〜第4図に示す実施例装置に従つて説
明する。
第1図は本発明実施例装置が組み込まれた熱処理ライ
ンLを平面視したもので、線材Wは矢印方向へ所定速度
で走行する。実施例装置は熱処理ラインL上に配置され
た急速加熱装置〔I〕と二次電流通電型直接抵抗加熱手
段を含む温度保持装置〔II〕とで構成される。
上記急速加熱装置〔I〕は急速加熱が可能な直接抵抗
加熱手段ないし誘導加熱手段からなり、直接抵抗加熱手
段を用いる場合は走行する線材Wを保持予定温度まで昇
温・加熱し、また誘導加熱手段を用いる場合は線材Wの
表面を保持予定温度よりもやや高温度まで加熱のうえ,
線材Wが温度保持装置2に至るまでの間に全断面を保持
予定温度に均熱化する設定とされている。
上記温度保持装置〔II〕における3は電源Eと電磁結
合する変成器、4は保熱炉、5a,5bは電極輪、6は例え
ば摺動子7等を介して上記電極輪5a・5b間をそれぞれ電
気的に接続する導体である。
上記変成器3は第2図および第3図に示す如く、例え
ば環状を呈する鉄心31と当該鉄心31の所定位置に電源E
と接続する一次コイル32が巻回された外鉄型であり、端
面を熱処理ラインLに直角方向として図示しない架台で
支承されて所定位置に配置される。
上記保熱炉4は端面を熱処理ラインLに平行させた中
空環状体であり、上記変成器3の鉄心31の一脚に貫かれ
る状態で基台B上に固定配置される。当該保熱炉4の中
空環内は断熱材41で内張りされ、当該断熱材41に囲まれ
た空間には、42として示す複数のガイドローラが周方向
所定角度ごとに配置されている。当該ガイドローラ42そ
れぞれは熱処理ラインLに直角方向として炉壁に支承さ
れた軸部材43の外周を自由回転可能である。ガイドロー
ラ42は線材の熱処理温度に対応する耐熱性が要求される
のでセラミックスを用いて製作され、周面は断面視が櫛
歯状ないし波状、すなわち溝を有する形状であり、それ
ぞれの溝に線材Wを収容可能である。
保熱炉4は下方部分,即ち基台Bに接する部分に膨大
部40を具えているが、当該膨大部40は線材Wの走行平面
を含み、第1図に見られるように、入口Iおよび出口O
が形成され、かつ上記各ガイドローラ42の外周を連ねて
描かれる円,即ち炉内線材通路Lfの最下位置が走行平面
と外接する如く、保熱炉4および変成器3の鉄心31の配
置関係が設定されている。また、入口Iから炉内に進入
した線材Wは炉内線材通路Lfを1周回ごとに入口側から
出口側へ順次移行可能に設定されている。
上記膨大部40内に位置する45および46は線材Wの出口
O側の炉壁に近接して設けられた線材排出ガイドを構成
するローラ群であり、耐熱性の点から前記ガイドローラ
と同様にセラミックスからなる。上記ローラ45はその外
周下方側線を炉内線材通路Lfの最下位置に内接する如く
配置され、またローラ46は上記ローラ45よりも出口O近
くの線材Wの走行平面に外周上方側線を接する如く配置
され、それぞれに炉壁に支持された軸部材451および461
の周面を自由回転可能である。両ローラ45,46の所定長
さからなる周面は櫛歯状ないし波状に形成され、それぞ
れの谷部は線材Wを収容可能である。
出口Oは上記ローラ46の長さに対応した横長に形成さ
れており、熱処理に先立つて行われる保熱炉4内へ線材
Wのセツトにあたり、線材Wが炉内線材通路Lfを介して
所望の巻回数となつたときに、爾後の炉内線材通路Lfへ
は進ませず、ローラ46方向へ導いて出口Oから排出可能
である。尚、熱処時には出口Oは上記線材W排出位置に
対応して当該位置以外の開口部をボルト442を介して蓋4
41で閉鎖する。
上述したところは装置の基本構成であるが、本実施例
装置には、さらに8として示す線材導入ガイド装置が付
設されている。当該線材導入ガイド装置8は81a〜81cか
らなるローラ群と、各ローラ81a〜81cそれぞれに所定の
機能を付与する機構とからなり、これらは例えば図示し
ない台車に積載されていて矢印a−b方向へ移動可能で
あり、熱処理開始に先立つて行われる保熱炉5内への線
材Wのセツトにあたり、a方向へ移動させてローラ群81
a〜81cを保熱炉4における膨大部40の入口側炉壁に設け
た開口部47から炉内に挿入状態とし、またセット終了後
にはb方向へ移動させてローラ群81a〜81cを炉内から脱
出可能である。尚、熱処理中は上記開口部47は図示しな
い蓋で閉塞される。
上記ローラ81bは、a方向への移動時には,下方外周
を入口Iから延びる線材通路に外接,かつ最も入口側に
近い炉内線材通路Lfの最下位置に内接する如く,軸部材
811の一方端に固定されている。上記軸部材811の他方端
は回転駆動伝達機構812を介して回転駆動源82に接続さ
れているので、ローラ81bは回転駆動可能である。
上記ローラ81a,81cそれぞれは、a方向への移動時に
は,入口Iから進入する線材Wの通路下方側に位置し、
83として示す昇降台を共通の支持部材とする軸部材831,
831の外周を自由回転可能に設定されている。上記昇降
台83は図示しない規制部材により回動を禁止されるが、
上下方向へは例えば以下に述べる機構により変位可能で
ある。即ち、昇降台83は軸部材833の上端面に支承され
ており、また軸部材833の下部周面にはねじ部が形成さ
れ、支持腕84に軸回転自在に配設された回転要素85のね
じ孔に螺着されている。上記回転要素85は例えば傘歯車
セツト86等を介してハンドル87に接続されているので、
当該ハンドル87を回動すれば回転要素85は回転し、当該
回転に伴つて軸部材833の回転要素85から裸出している
長さが変化する。当該長さ変化は昇降台83を矢印cd
として示す如く上・下方向へ変位せしめるので、昇降台
83に支承された軸部材831,831の外周に装着されている
ローラ81a,81cは同時に矢印c′d′として示す如く
上・下方向へ変位可能である。
上記構成からなる線材導入ガイド装置8は本発明装置
で熱処理される線材Wが,電線メーカ等が取り扱う銅線
やアルミ線と異なり,比較的太径であり、かつ或る場合
には焼入れ済みで高硬度を維持して、柔軟性に乏しいが
ために設けたものであり、その機能を以下に説明する。
熱処理開始に先立つて行われる保熱炉4内への線材W
のセツトにあたり、線材導入ガイド装置8をa方向へ変
位させ、第4図に示す如く,ローラ81bを矢印に従つて
回転駆動とするとともに、ハンドル87の操作によりロー
ラ81a,81cの上方周面が線材進入通路よりもやや上方に
位置する如く設定し、入口Iから進入させた線材Wを先
端をまずローラ81aの上方周面に当接させて上向きに偏
向させ、次いで回転駆動されるローラ81bに当接させて
下向きに偏向させるとともに前進力を付与し、さらに前
進する線材Wをローラ81cの上方周面に当接させて上向
きに偏向させることにより、当該線材Wに炉内線材通路
Lfに従う巻癖と前進力とを付加する。
尚、熱処理開始後は保熱炉4に至る線材Wは急速加熱
装置1を経て昇温して柔軟性があり,かつ図示しない線
材送り機構により線材Wには引張り力が加わつているの
で、線材導入ガイド装置8は不要である。
電極輪5aおよび5bがそれぞれ保熱炉4の入口I外およ
び出口O外に近接して、すなわち前記線材導入ガイドの
上流側と線材排出ガイドの下流側に隣接して配置され
る。当該電極輪5a,5bそれぞれは1対の導電性材質のロ
ールを,その周面が所定間隙を隔てて相対向する如く位
置させ、ロール周面間に走行する線材Wを挾着しつつ矢
印の如く自由回転可能である。もし,ライン構成上必要
ならば電極輪5a,5bのいずれか一方あるいは両方を回転
駆動としてもよい。先に延べたようにガイドローラ42や
線材排出ガイドを構成するローラ群45、46においては耐
熱性の点からセラミックス製のものを使用するが、電極
輪においては保熱炉4の外にあり、また通電加熱帯域の
両端部であるので温度は比較的低くでき導電性のための
金属を使用することができる。前記ガイドローラ等はセ
ラミックス製のため絶縁性であるので、線材を通る閉回
路を構成するために電極輪5aおよび5bとは導線6により
電気的に接続することが必須である。
上記構成からなる実施例等温度保持装置では、線材W
を熱処理するに先立つて、線材Wを急速加熱装置〔I〕
を経由させ、次いで線材導入ガイド装置8を用いて温度
保持装置〔II〕の保熱炉4内に所定巻回数が巻回された
状態とし、さらに図示しない所定処理装置(例えば冷却
装置,矯正機,疵検出器,その他加工装置等)を通過さ
せて巻取機に達するまでの間にセツトしたうえ、線材W
の走行を開始すると同時に電源Eから通電を開始する。
この状態において、線材Wは保持炉4内の複数巻回部
が変成器3の環状鉄心31内を貫通しており、上記通電開
始により線材Wには二次電圧が誘起される。そして保熱
炉4の入口I,出口O外それぞれに配置された電極輪5a、
5bと接触しつつ走行するので、電極輪5a、5b間に位置す
る線材は導体6を帰線とする短絡された二次コイルとな
って二次電流が流れることとなり、線材Wの全断面はジ
ュール熱により発熱する。
しかして線材Wの発熱を促す電力は、当該線材Wが放
冷時に示す放熱量に見合う電力であり、また電圧を印加
される線材Wの長さ範囲ないし通電時間は処理目的によ
り決定されるが、これらの設定方法に関しては前掲先行
出願発明に開示してあり、かつ装置発明である本願にお
いては要部とされるところではないので、説明を省く。
ここで、本発明装置における温度保持装置〔II〕の実
機例(ただし、線径8〜15mm用)を開示する。
○保熱炉4内における 線材通路Lf直径 ……1m(1巻回3.14m) 通路Lfの数 ……16 線材収容長さ限界……50.24m ○線材走行速度と等温度保持時間との関係例 ☆例えば前掲のインラインによる従来高強度線材製
造時と同一であり、また前掲文献の焼戻手法の10倍にあ
たる走行速度250mm/secとした場合、最長等温度保持時
間は3分35秒となる。
☆少なくとも生産性の見地から文献焼戻手法のほぼ
3倍である走行速度80mm/secとした場合、最長等温度保
持時間は10分47秒となる。
かくの如く,本発明装置では生産性の要求を満足する
等温度保持時間が得られ、しかも所望巻回数を自由に選
択し得るので、目的に応じて走行速度と等温度保持時間
の関係を自在に設定可能である。
尚、本実施例では保熱炉4内での発熱であるので、連
続運転するに従つて炉内温度が上昇して放熱損失が減少
することとなり、所定運転時間経過後には印加電圧を小
に切り換え可能であり、従つてランニングコストを低減
可能である。しかし一方、保熱温度が低い場合などでは
保熱炉4を省いて開放状態で二次電流による加熱を行な
ってもよい。このように本発明の二次電流通電型加熱装
置は前記実施例に限定されることなく種々の形態の変更
が可能である。
(発明の作用) 本発明を、例えば前掲文献の焼戻手法と対比すれば、
第5図に破線Mで示す文献の焼戻温度特性曲線に対し、
本発明装置を用いた焼戻では実線Nで示す焼戻温度特性
曲線となり、文献の最高温度565℃を含む長時間にわた
る有効焼戻時間t1は、本発明装置の使用により時間t2で
満足されることが明確に酌み取れる。
即ち,本発明は処理時間の大幅な短縮と、線材全断面
の等温度保持を精密かつ確実に保証し、さらにはその通
温度保持される線材長さないし保持時間を処理目的に応
じて自由に設定することを極めて容易とする作用を発揮
する。
さらに、基本構成装置に線材導入装置を付設すること
により、比較的太径であり、かつ或る場合には焼入れ済
みで高硬度を維持していて、柔軟性に乏しい線材を等温
度保持を含む熱処理に付すことを可能とする作用が齎さ
れる。
(発明装置を組み込んだ熱処理例) ここで、本発明装置を熱処理目的に応じて単数もしく
は複数組み込んだ熱処理ライン構成例を第6図(a)〜
(c)に示す。各図は縦軸に温度,横軸にライン上に設
けた装置位置を記載した経過時間をとり、走行線材の温
度状態を曲線で示す。図中の〔I〕は急速加熱装置,
〔II〕は温度保持装置,またJは冷却装置である。
図(a)は焼入れの場合で、線材を急速加熱装置
〔I〕によりA3変態点以上に加熱したうえ、温度保持装
置〔II〕により所定時間等温度保持した後、冷却装置J
により急冷する。
図(b)は焼戻の場合で、線材を急速加熱装置〔I〕
によりA1変態点以下に加熱したうえ、温度保持装置〔I
I〕により所定時間等温度保持した後、冷却装置Jによ
り冷却する。上記焼入れと焼戻を1ラインで実施するこ
とも、本発明では線材導入装置を付設することで勿論可
能であり、かつ線材走行速度を所定の1速度に維持しつ
つ実施し得る。
図(c)は球状化焼なましの場合で、図示の如く線材
を急速加熱装置〔I〕にA1変態点直上に加熱,温度保
持装置〔II〕によりA1変態点直上を所定時間にわたり
維持し、その後,例えば放冷により,A1変態点直下に温
度降下した線材を温度保持装置〔II〕が当該温度を所
定時間にわたり維持し、次いで急速加熱装置〔I〕が
線材を再びA1変態点直上に加熱,さらに温度保持装置
〔II〕が当該温度を所定時間にわたり維持することを
複数回繰り返した後、徐冷する。
上記の他、例えばステンレス線材の溶体化焼きなまし
の場合には図(a)が適用されることとなる。
もし、無酸化熱処理を望む場合には、保熱炉4内に不
活性ガスを満たして無酸化雰囲気とすればよい。
尚、各熱処理ラインL上の所定位置,例えば熱処理済
み線材Wが巻き取られるライン終端近傍に,疵検出装置
と当該疵検出装置により検出された疵の位置に印を付け
るマーキング装置とを配置すれば、素材線材にあつた疵
を明確に表示し得ることとなり、当該熱処理済み線材W
を使用した爾後の加工時に疵対処が可能となるので好ま
しい。
(発明の効果) 以上の如く、本発明装置は、生産性を確保可能な送り
速度で走行する線材の全断面を所定時間にわたり所定等
温度に保持することが可能、かつ保持時間ないし保持線
材長さを所望に設定可能であり、しかも従来に比し大幅
な処理時間の短縮を達成するとともに、熱処理ラインの
長大化が回避される。また、太径,かつ柔軟性に乏しい
線材でも取り扱い得る線材導入装置が齎す機能は熱処理
の単一インライン化に多大の貢献をする。その上当該装
置により処理された線材は全周方向,かつ全長にわたり
均一な組織,均一な硬さに仕上げられ、かつ脱炭の虞は
なく、さらには,コイル材をそのまま熱処理した従来法
では不可能であつた素材線材にあつた疵も容易に検出,
かつマーキングし得るので、熱処理線材の品質を飛躍的
に向上させるなど、奏する効果は甚大である。従つて、
本願発明装置は送り速度との関係において所望長さ範囲
を炉内として所定時間にわたる等温度保持を確実にする
機能とを備えているので、この種の熱処理に好適である
として賞用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例装置の平面図、第2図は第1図の
A−A線断面図、第3図は第1図のB−B線断面図、第
4図は実施例装置が備える線材導入ガイド装置の機能を
示す正面図、第5図は本発明の原理を示す温度特性線
図、第6図(a)〜(c)はそれぞれ熱処理目的に応じ
て配置される装置と線材温度との関係を示す線図、第7
図(a)および(b)は線材を高強度化する従来インラ
イン熱処理装置例の正面図および線材温度特性線図、第
8図はインラインによる従来焼戻方法を示す線材温度特
性線図、第9図は本発明の原理的インライン熱処理装置
を示す正面図である。 W……線材 L……線材走行ライン Lf……炉内線材通路 〔I〕……急速加熱装置 〔II〕……温度保持装置 3……変成器 31……鉄心 4……保熱炉 41……断熱材 42……ガイドローラ 40……膨大部 45,46……線材排出用ローラ群 5a,5b……電極輪 81a,〜81c……線材導入用ローラ群 812……回転駆動源

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変成器を構成する鉄心に一次コイルが巻回
    されるとともに、線材を保持する複数の溝が並んだセラ
    ミックス製のガイドローラが前記鉄心の一脚の周囲を巡
    って複数個設けられ、前記ガイドローラ間の1箇所には
    線材導入ガイドと前記鉄心の周囲を複数回旋回した線材
    を排出するセラミックス製の線材排出ガイドとが設けら
    れ、かつ線材導入ガイドの上流側と線材排出ガイドの下
    流側とにはそれぞれ電極輪が設けられ、前記電極輪同士
    を電気的に接続することにより線材自体を変成器の二次
    コイルとして加熱する装置と、これの上流側に設けた急
    速加熱装置とによって構成されることを特徴とする線材
    のインライン熱処理装置。
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JPS6021208B2 (ja) * 1978-09-22 1985-05-25 古河電気工業株式会社 長尺導体連続加熱装置
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