JPH08157448A - 2−アミノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体又はその塩、及びこれを含有する毛髪処理剤組成物 - Google Patents

2−アミノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体又はその塩、及びこれを含有する毛髪処理剤組成物

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JPH08157448A
JPH08157448A JP30056694A JP30056694A JPH08157448A JP H08157448 A JPH08157448 A JP H08157448A JP 30056694 A JP30056694 A JP 30056694A JP 30056694 A JP30056694 A JP 30056694A JP H08157448 A JPH08157448 A JP H08157448A
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JP
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hair
agent
salt
amino
acid
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JP30056694A
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Akira Kiyomine
章 清峰
Yoshinori Nishizawa
義則 西澤
Mikako Ezure
美佳子 江連
Masahiro Kondo
征弘 近藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は1〜4個の水酸基又は1〜4個のC1〜
C4のアルコキシル基が置換したC1〜C12の直鎖又
は分岐鎖のアルキル基を示す〕で表わされる2−アミノ
−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体又はその塩。 【効果】 本発明の2−アミノ−3−メルカプトプロピ
オンアミド誘導体又はその塩を毛髪処理剤組成物の還元
剤として用いた場合、ウェーブ効果、ウェーブの持続
性、毛髪への低ダメージ性、低臭性、低フレーキング
性、安全性に優れたパーマネントウェーブ用剤第1剤や
縮毛矯正剤第1剤等をはじめとする優れた毛髪処理剤組
成物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な2−アミノ−3−
メルカプトプロピオンアミド誘導体又はその塩、及びこ
れを含有する毛髪処理剤組成物に関し、具体的には、パ
ーマネントウェーブ用剤第1剤、縮毛矯正剤第1剤、毛
髪染色用前処理剤、加温式毛髪カーリング用化粧料、毛
髪軟化用化粧料、酸化染毛料、除毛剤等の用途に好適な
毛髪処理剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、毛髪のパーマネントウェーブ
は、毛髪に存在するS−S結合(ジスルフィド結合)を
化学的に切断し、ロッドやカーラー等に巻きながらS−
S結合を再形成することにより達成される。毛髪のS−
S結合の切断は、還元剤を含有する組成物を用いること
により行われる。S−S結合の再形成による毛髪の固定
化は、毛髪をロッドやカーラー等に巻いた後、過酸化水
素や臭素酸塩等の酸化剤を含有する組成物を用いること
により達成され、毛髪は希望の形に固定化される。
【0003】S−S結合切断のための還元剤としては、
従来よりメルカプト基を分子内に有する化合物が広く使
用されており、具体的にはチオグリコール酸、メチルチ
オグリコレート、エチルチオグリコレート、グリコール
モノチオグリコレート、グリセロールモノチオグリコレ
ート、チオグリコールアミド、N−メチル−2−メルカ
プトアセトアミド、N−ヒドロキシエチル−2−メルカ
プトアセトアミド、チオグリコール酸ヒドラジド、チオ
乳酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプ
ロピオンアミド、N−ヒドロキシエチル−3−メルカプ
トプロピオンアミド、チオ酒石酸、チオリンゴ酸、ジメ
ルカプトアジピン酸、システイン、システインメチルエ
ステル、システインエチルエステル、システインアミ
ド、N−アセチルシステイン、ホモシステイン、ホモシ
ステインメチルエステル、ホモシステインエチルエステ
ル、2−メルカプトエタノール、チオグリセロール、3
−アルコキシ−1−メルカプト−2−プロパノール、ジ
チオスレイトール、システアミン、N−アセチルシステ
アミン、1−メルカプトエタンスルホン酸及びこれらの
塩等が挙げられる。これらのうち、特に現在通常使用さ
れている還元剤は、チオグリコール酸、その塩、システ
イン、その塩及びN−アセチルシステインである。ま
た、近年では、メルカプト基を分子内に有する化合物の
代わりに、亜硫酸塩等の無機還元剤がパーマネントウェ
ーブに用いられてきている。更に、これらの還元剤は、
パーマネントウェーブ用剤第1剤や縮毛矯正剤第1剤の
みならず、毛髪染色用前処理剤、加温式毛髪カーリング
用化粧料、毛髪軟化用化粧料、酸化染毛料、除毛剤等に
も広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
還元剤は、ウェーブ効果、ウェーブの持続性、毛髪への
低ダメージ性、低臭性、低フレーキング性、安全性にお
いて充分に満足できるものではなかった。すなわち、チ
オグリコール酸やそのアンモニウム塩及びチオ乳酸は、
ウェーブ効果は比較的高いもののメルカプト臭が強く、
また若干の感作性がある。更に、メルカプト基のpKa
が10.2と高いため、pHが9以下になるとそのウェー
ブ効果は大きく低下する。従って、アルカリ性領域で使
用しなければならないため、アルカリによる毛髪のダメ
ージも問題となる。
【0005】システインは、チオグリコール酸のような
感作性の問題はないが、メルカプト臭が若干あり、また
チオグリコール酸と同様にpKaが10.3と高く、中
性付近ではウェーブ効果が低下する。また、システイン
が酸化されて生成するシスチンの溶解性が低いため、フ
レーキングといった問題も生じている。
【0006】N−アセチルシステインは、低感作性、低
臭性といった性能は非常に優れているが、毛髪への浸透
性が悪く、アルカリ性において使用した場合でもウェー
ブ効果が低いという問題点がある。近年、特許出願(特
開平5−213724号公報)されたシステインアミド
はpKaが9.3であり、中性付近でもチオグリコール
酸やシステインに比べて比較的ウェーブ効果は高いが、
まだ充分に満足できるものではなく、また、メルカプト
臭はシステインやチオグリコール酸に比べて強いという
問題点がある。
【0007】また、亜硫酸塩等の無機還元剤は、低臭性
や毛髪への低ダメージ性、安全性といった点ではメルカ
プト基を分子内に有する化合物に比べて優れているが、
ウェーブ効果、ウェーブの持続性が本質的に劣るという
問題点がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは多くの化合物を合成し、その還元剤としての
特性を検討したところ、後記一般式(1)で表わされる
N−アルキル−2−アミノ−3−メルカプトプロピオン
アミド誘導体又はその塩が優れたウェーブ効果、ウェー
ブの持続性、毛髪への低ダメージ性、低臭性、低フレー
キング性を有し、安全性も高いことを見出し、本発明を
完成した。
【0009】すなわち、本発明は、次の一般式(1):
【0010】
【化2】
【0011】〔式中、R1 は1〜4個の水酸基又は1〜
4個の炭素数1〜4のアルコキシル基が置換した炭素数
1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す〕で表わ
される2−アミノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘
導体又はその塩を提供するものである。
【0012】また、本発明は当該2−アミノ−3−メル
カプトプロピオンアミド誘導体(1)又はその塩を含有
することを特徴とする毛髪処理剤組成物を提供するもの
である。
【0013】一般式(1)中、R1 で示される1〜4個
の水酸基が置換した炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖の
アルキル基のうち、1個の水酸基が置換したアルキル基
としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル
基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピ
ル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル
基、2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル基等が挙
げられ、2個の水酸基が置換したアルキル基としては、
2,3−ジヒドロキシプロピル基、1,1−ジ(ヒドロ
キシメチル)エチル基等が挙げられ、3個の水酸基が置
換したアルキル基としては、1,1,1−トリ(ヒドロ
キシメチル)メチル基、2,3,4−トリヒドロキシブ
チル基等が挙げられ、4個の水酸基が置換したアルキル
基としては、2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチ
ル基等が挙げられ、このうち1〜3個の水酸基が置換し
た炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が特に好
ましい。また、1〜4個の炭素数1〜4のアルコキシル
基が置換した炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキ
ル基としては、メトキシメチル基、2−メトキシエチル
基、2−プロポキシエチル基、2−ブトキシエチル基、
3−メトキシプロピル基等が挙げられ、このうち1〜3
個の炭素数1〜4のアルコキシル基が置換した炭素数1
〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が特に好ましい。
【0014】また、本発明化合物(1)には、α−位の
不斉炭素原子に基づく立体異性が存在し、本発明にはラ
セミ体、(R)体、及び(S)体のいずれも含まれる。
【0015】本発明化合物(1)は、例えば次の反応式
に従って製造される。
【0016】
【化3】
【0017】〔式中、R2 はメチル基、エチル基等の低
級アルキル基を示し、R1 は前記と同じ〕
【0018】すなわち、システインアルキルエステル
(2)又はその塩にアミン(3)を反応させることによ
り、化合物(1)が得られる。化合物(2)の塩として
は、塩酸塩、硫酸塩等の無機塩等が挙げられる。
【0019】システインアルキルエステル(2)又はそ
の塩とアミン(3)との反応は、無溶媒又は水、メタノ
ール、エタノール等の溶媒を用いて行うことができる。
反応温度は−20〜200℃、特に−5〜100℃の範
囲で行うのが好ましい。アミン(3)はシステインアル
キルエステル(2)と同モル量から20当量の範囲の量
を用いるのが好ましい。システインアルキルエステル
(2)の塩を用いる場合、中和のため反応開始時又は反
応終了時に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエ
チルアミン、トリエタノールアミン等の塩基を加えるこ
ともできる。
【0020】本発明化合物(1)は、反応終了後、溶媒
や過剰のアミン(3)を留去した後、再結晶又はカラム
クロマトグラフィーにより容易に精製することができ
る。また、このような精製を行わずに、そのまま還元剤
として用いることもできる。本発明化合物(1)は、公
知の方法により、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオ
ン酸、乳酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸
等の無機若しくは有機酸塩、又はナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属塩とすることができる。
【0021】このようにして得られた本発明化合物
(1)又はその塩を還元剤として配合すれば、優れたウ
ェーブ効果、ウェーブの持続性、毛髪への低ダメージ
性、低臭性、低フレーキング性、高い安全性を有するパ
ーマネントウェーブ用剤第1剤や縮毛矯正剤第1剤とし
て好適な毛髪処理剤組成物が得られる。
【0022】本発明の毛髪処理剤組成物における化合物
(1)又はその塩の配合量は、この組成物の用途により
適宜選定されるが、パーマネントウェーブ用剤第1剤又
は縮毛矯正剤第1剤として用いる場合の配合量は、0.
1〜20重量%(以下単に%で示す)、特に0.5〜1
5%がウェーブ効果、低臭性、安全性の点から好まし
い。このパーマネントウェーブ用剤第1剤又は縮毛矯正
剤第1剤組成物の全体のpHは、酸、アルカリ及び緩衝剤
により3〜11、特に6〜9に調整されるのが好まし
い。
【0023】コールド及び加温一浴式パーマネントウェ
ーブ用剤における本発明化合物(1)又はその塩の配合
量は、0.1〜10%、特に0.5〜5%が好ましい。
この一浴式パーマネントウェーブ用剤組成物の全体のpH
は、上記と同様の酸、アルカリ及び緩衝剤により4〜1
0、特に6〜9に調整されるのが好ましい。
【0024】本発明の毛髪処理剤組成物には、特にパー
マネントウェーブ用剤第1剤又は縮毛矯正剤第1剤とし
て使用する場合、本発明の効果を妨げない範囲におい
て、公知の還元剤、緩衝剤などを配合することができ
る。還元剤として、具体的には、チオグリコール酸、メ
チルチオグリコレート、エチルチオグリコレート、グリ
コールモノチオグリコレート、グリセロールモノチオグ
リコレート、チオグリコールアミド、N−メチル−2−
メルカプトアセトアミド、N−ヒドロキシエチル−2−
メルカプトアセトアミド、チオグリコール酸ヒドラジ
ド、チオ乳酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メル
カプトプロピオンアミド、N−ヒドロキシエチル−3−
メルカプトプロピオンアミド、チオ酒石酸、チオリンゴ
酸、ジメルカプトアジピン酸、システイン、システイン
メチルエステル、システインエチルエステル、システイ
ンアミド、N−アセチルシステイン、ホモシステイン、
ホモシステインメチルエステル、ホモシステインエチル
エステル、2−メルカプトエタノール、チオグリセロー
ル、3−アルコキシ−1−メルカプト−2−プロパノー
ル、ジチオスレイトール、システアミン、N−アセチル
システアミン、1−メルカプトエタンスルホン酸及びこ
れらの塩などが挙げられる。特に好ましい還元剤として
は、チオグリコール酸及びその塩、システイン及びその
塩、N−アセチルシステインが挙げられる。
【0025】これら公知の還元剤の配合量は、本発明毛
髪処理剤組成物中に0.1〜5%、特に0.5〜3%が
ウェーブ効果、低臭性、安全性の点から好ましい。
【0026】緩衝剤としては、例えば特開昭61−72
11号公報第3頁右上欄1行〜左下欄10行に記載の緩
衝剤の他、毛髪、皮膚等にアルカリ剤が残留しにくいも
のとして水溶性アンモニウム塩/アルギニン、リジン等
の塩基性アミノ酸の組み合わせも使用できる。これらの
緩衝剤は本発明毛髪処理剤組成物中に総量で好ましくは
0.05〜10%、特に好ましくは0.1〜5%配合す
ることが好ましい。
【0027】本発明の毛髪処理剤組成物には、ウェーブ
形成効果の向上、毛髪損傷防止等の目的で次に挙げる
(1)ペプチド又はその誘導体、(2)2価金属塩、
(3)カチオン性ポリマー又は両性ポリマー等の1種又
は2種以上を配合するのが好ましい。
【0028】(1)ペプチド又はその誘導体: 1)塩基性アミノ酸(例えばリジン、アルギニン)の1
種又は2種から合成された2量体以上のペプチド又は酸
性アミノ酸(例えばグルタミン酸、アスパラギン酸)の
1種又は2種から合成された2量体以上のペプチド;
2)羊毛、羽毛、ひずめ、角などのケラチン蛋白質、特
開昭57−88111号公報に記載のケラチン加水分解
物カチオン化物、アルブミン、グロブリン、コングリシ
ニン、カゼインの蛋白質あるいは大豆蛋白質等の分解誘
導体として特開昭57−85308号公報に記載されて
いる方法により製造された加水分解物;3)天然に存在
するホルモン、又は生理活性ペプチド、例えばインスリ
ン、酸化型グルタチオン等が挙げられる。これらのうち
分子量10,000以下、好ましくは5,000以下の
ポリリジン;ケラチン蛋白質、大豆蛋白質等の加水分解
物;インスリンが特に好ましい。これらのペプチド又は
その誘導体は、単独又は2種以上組み合わせて、毛髪処
理剤組成物に好ましくは0.01〜50%、特に好まし
くは0.1〜10%配合することが好ましい。
【0029】(2)2価金属塩: 下記式(4):
【0030】
【化4】AB2/c (4)
【0031】〔式中、AはBa2+、Ca2+、Zn2+、N
2+及びMg2+よりなる群から選ばれる陽イオンを示
し、BはF-、Cl-、I-、SO4 2-、PO4 2-、OH及
びCO3 2-よりなる群から選ばれる陰イオンを示し、c
はBの原子価を示す。〕で表わされる水溶性無機化合
物、あるいは上記2価金属(A)の酢酸塩、クエン酸
塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩が挙げ
られ、とりわけ、カルシウム、亜鉛、ニッケル、マグネ
シウム、バリウムの酢酸塩、あるいは塩化物が特に好ま
しい。この2価金属塩は、単独又は2種以上組み合わせ
て、最終使用形態において、金属イオンとして10〜
5,000ppm 、好ましくは100〜1,000ppm に
なるように配合することが好ましい。
【0032】(3)カチオン性ポリマー又は両性ポリマ
ー:カチオン性ポリマーとしては特開昭56−9281
2号公報に記載の水溶性又は無機塩若しくは有機塩の存
在下において水に可溶なカチオン性ポリマーが挙げられ
る。これらのカチオン性ポリマーとしては、具体的に
は、特開昭64−75411号公報第2頁左下欄20行
〜第5頁左上欄12行に記載の、セルロースエーテル四
級化誘導体、水溶性コポリマー類、四級化ポリマー類、
ビニルピロリドンのコポリマー類及びポリリジン等のカ
チオン性ポリマー、特開昭58−150506号公報第
3頁右下欄3〜14行に記載の四級化されたポリビニル
アミンの重合体及び共重合体及び同公報第4頁左上欄7
行〜右上欄1行に記載の四級化されたポリ−4−ビニル
ピリジンの重合体等のカチオン性ポリマー、特開平5−
97800号公報第7頁左欄2行〜第8頁左欄12行に
記載のアミノ変性シリコーン重合体等のカチオン性ポリ
マー等が例示される。
【0033】両性ポリマーの代表例としては、特開平5
−97800号公報第8頁左欄13行〜第9頁左欄31
行に記載の酸性ビニル単量体と塩基性ビニル単量体との
共重合物、両性単量体の重合物等が挙げられる。
【0034】これらのカチオン性ポリマー又は両性ポリ
マーは単独又は2種以上組み合わせて毛髪処理剤組成物
に好ましくは0.01〜20%、特に好ましくは0.1
〜10%配合される。
【0035】更に本発明の毛髪処理剤組成物には、本発
明の効果を妨げない範囲において、従来公知の他の成分
を添加配合することができる。このような成分として
は、例えば、高級アルコール、カチオン性、アニオン
性、両性の界面活性剤、尿素、カチオン性シリコーン以
外のシリコーン、ステアリン酸アルミニウム、明バン等
のアルミニウム化合物、クエン酸、リンゴ酸等の有機
酸、塩酸等の無機酸、エチレンジアミン、モノ−、ジ−
又はトリエタノールアミン、アミノヒドロキシメチルプ
ロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパ
ノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、モルホリン、アルギニン、リジン等の塩基性ア
ミノ酸、アンモニア、苛性ソーダ等のアルカリ剤、養毛
剤、殺菌料、着色料、香料等が挙げられる。
【0036】本発明の毛髪処理剤組成物は、パーマネン
トウェーブ用剤第1剤や縮毛矯正剤第1剤として使用す
る場合には、第2剤としては通常用いられている酸化剤
を0.5〜20%程度配合した酸化剤溶液を用いる。酸
化剤としては、臭素酸又はその塩、過ホウ酸又はその
塩、過酸化水素及びヨウ素等が挙げられる。
【0037】本発明の2−アミノ−3−メルカプトプロ
ピオンアミド誘導体(1)又はその塩は、上述のパーマ
ネントウェーブ用剤第1剤又は縮毛矯正剤第1剤以外に
も、あらゆる毛髪処理剤の酸化防止剤又は着色防止剤と
して使用することができる。例えば、酸化染毛料の第1
剤に配合した場合、顕色物質、及びカップリング物質の
自動酸化を防止し、安定性の優れた角質繊維染色剤組成
物が得られ、また、シャンプー剤、リンス剤、トリート
メント剤、ブロー剤、毛髪セット料等に配合した場合に
も、自動酸化による剤の着色や液性の変化を防止し、保
存安定性の優れた組成物を得ることができる。
【0038】本発明の2−アミノ−3−メルカプトプロ
ピオンアミド誘導体(1)又はその塩をパーマネントウ
ェーブ用剤第1剤又は縮毛矯正剤第1剤以外の毛髪処理
剤に配合する場合、その配合量は毛髪処理剤組成物全量
中に好ましくは0.01〜10%、特に好ましくは0.
05〜5%とすることが好ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明の2−アミノ−3−メルカプトプ
ロピオンアミド誘導体(1)又はその塩を毛髪処理剤組
成物の還元剤として用いた場合、ウェーブ効果、ウェー
ブの持続性、毛髪への低ダメージ性、低臭性、低フレー
キング性、安全性に優れたパーマネントウェーブ用剤第
1剤や縮毛矯正剤第1剤等をはじめとする優れた毛髪処
理剤組成物を得ることができる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれによって制限されるものではない。
【0041】実施例1 (R)−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノ−
3−メルカプトプロピオンアミドの合成:反応槽にモノ
エタノールアミン82.5g(1.35mol )、L−シ
ステインエチルエステル塩酸塩25.0g(0.135
mol )を加え、窒素雰囲気下、7〜5mmHgの減圧下に室
温で1時間攪拌した。反応後、水酸化ナトリウム5.4
g(0.135mol )を水20mlに溶かした溶液を反応
液を冷却しながら加え、次いで窒素下、7〜5mmHgの減
圧下で過剰のエタノールアミンを58〜71℃で留去し
た。残った油状物にエタノール200mlを加えて加熱還
流し、不溶の塩化ナトリウムを熱時濾過で除いた後、濾
液を氷冷した。析出した結晶を濾過、エタノールで洗浄
後、減圧下に乾燥して、(R)−N−(2−ヒドロキシ
エチル)−2−アミノ−3−メルカプトプロピオンアミ
ドの無色結晶を9.9g(0.60mol 、収率45%)
得た。(R)−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ア
ミノ−3−メルカプトプロピオンアミドの物理データは
以下のとおりである。
【0042】
【表1】融点 102℃1 H−NMR(200MHz,DMSO−d6)δpp
m;2.60(1H,dd,J=13.3,6.7H
z),2.69(1H,dd,J=13.3,5.1H
z),3.15(2H,td,J=6.0,5.3H
z),3.27(1H,dd,J=6.7,5.1H
z),3.41(2H,t,J=6.0Hz),7.9
5(1H,brt,J=5.3Hz). IR(KBr)νcm-1;3296,3180,166
0,1576,1270,1046.
【0043】実施例2及び比較例1〜4 表2に示す還元剤をそれぞれ同モル量(0.062mol
)とり、表3に示す組成のpHを7.6に調製したコー
ルドパーマネントウェーブ用剤第1剤を調製した。ま
た、表4に示す組成のコールドパーマネントウェーブ用
剤第2剤組成物を調製した。この組成物を用いて順毛ウ
ィッグにコールドパーマ処理を行い(1剤;室温、10
分間、2剤;室温、10分間)、ウェーブ形成能と施術
過程での臭いを表5に示す基準に従って専門の美容師に
評価させた。結果を表6に示す。
【0044】
【表2】還元剤 N1 :N−(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノ−3
−メルカプトプロピオンアミド N2 :チオグリコール酸 N3 :システイン N4 :N−アセチルシステイン N5 :システインアミド塩酸塩
【0045】
【表3】 パーマネントウェーブ用剤第1剤組成物 還元剤 0.062mol フロストDS*1 0.5g 重炭酸アンモニウム 2.0g アンモニア水(28%) pH7.6にするのに必要な量 水 バランス 計 100.0g *1:エデト酸二ナトリウム(第一化学薬品(株)製)
【0046】
【表4】 パーマネントウェーブ用剤第2剤組成物 臭素酸ナトリウム 8.0g 水 92.0g 計 100.0g
【0047】
【表5】評価基準 (1)ウェーブ形成能 ○;強い △;やや強い ×;弱い (2)施術時の臭い ○;強い臭いはない △;強い臭いはほとんどない ×;やや強い臭いがある
【0048】
【表6】
【0049】実施例3及び比較例5〜8 上記表2に示す還元剤をそれぞれ同モル量(0.062
mol )とり、表7に示す組成のpHを8.8に調製したコ
ールドパーマネントウェーブ用剤第1剤組成物を調製し
た。また、上記表4に示す組成のコールドパーマネント
ウェーブ用剤第2剤組成物を調製した。この組成物を用
いて順毛ウィッグにコールドパーマ処理を行い(1剤;
室温、10分間、2剤;室温、10分間)、ウェーブ形
成能と施術過程での臭いを上記表5に示す基準に従って
専門の美容師に評価させた。結果を表8に示す。
【0050】
【表7】 パーマネントウェーブ用剤第1剤組成物 還元剤 0.062mol フロストDS 0.5g 重炭酸アンモニウム 2.0g アンモニア水(28%) pH8.8にするのに必要な量 水 バランス 計 100.0g
【0051】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 征弘 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社東京研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は1〜4個の水酸基又は1〜4個の炭素数
    1〜4のアルコキシル基が置換した炭素数1〜12の直
    鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す〕で表わされる2−ア
    ミノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体又はその
    塩。
  2. 【請求項2】 (R)−体である請求項1記載の2−ア
    ミノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体又はその
    塩。
  3. 【請求項3】 ラセミ体である請求項1記載の2−アミ
    ノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体又はその
    塩。
  4. 【請求項4】 (S)−体である請求項1記載の2−ア
    ミノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体又はその
    塩。
  5. 【請求項5】 請求項1〜5のいずれかの項記載の2−
    アミノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体又はそ
    の塩を含有することを特徴とする毛髪処理剤組成物。
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