JPH08151318A - 毛髪処理剤組成物 - Google Patents

毛髪処理剤組成物

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JPH08151318A
JPH08151318A JP29358094A JP29358094A JPH08151318A JP H08151318 A JPH08151318 A JP H08151318A JP 29358094 A JP29358094 A JP 29358094A JP 29358094 A JP29358094 A JP 29358094A JP H08151318 A JPH08151318 A JP H08151318A
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JP
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hair
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alkyl
formula
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Application number
JP29358094A
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English (en)
Inventor
Jiro Kawase
次朗 川瀬
Masahiro Kondo
征弘 近藤
Akira Kiyomine
章 清峰
Yoshinori Nishizawa
義則 西澤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の一般式(1)で表わされるN−アルキル
−2−アミノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体
又はその塩を含有する毛髪処理剤組成物。 【化1】 〔式中、R1 はC1〜C4のアルキル基〕 【効果】 N−アルキル−2−アミノ−3−メルカプト
プロピオンアミド誘導体又はその塩を配合すれば、ウェ
ーブ効果、ウェーブの持続性、毛髪への低ダメージ性、
低臭性、低フレーキング性、安全性に優れたパーマネン
トウェーブ用剤第1剤や縮毛矯正剤第1剤等をはじめと
する優れた毛髪処理剤組成物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は毛髪処理剤組成物に関
し、具体的には、パーマネントウェーブ用剤第1剤、縮
毛矯正剤第1剤、毛髪染色用前処理剤、加温式毛髪カー
リング用化粧料、毛髪軟化用化粧料、酸化染毛料、除毛
剤等の用途に好適な毛髪処理剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、毛髪のパーマネントウェーブ
は、毛髪に存在するS−S結合(ジスルフィド結合)を
化学的に切断し、ロッドやカーラー等に巻きながらS−
S結合を再形成することにより達成される。毛髪のS−
S結合の切断は、還元剤を含有する組成物を用いること
により行われる。S−S結合の再形成による毛髪の固定
化は、毛髪をロッドやカーラー等に巻いた後、過酸化水
素や臭素酸塩等の酸化剤を含有する組成物を用いること
により達成され、毛髪は所望の形に固定化される。
【0003】S−S結合切断のための還元剤としては、
従来よりメルカプト基を分子内に有する化合物が広く使
用されており、具体的にはチオグリコール酸、メチルチ
オグリコレート、エチルチオグリコレート、グリコール
モノチオグリコレート、グリセロールモノチオグリコレ
ート、チオグリコールアミド、N−メチル−2−メルカ
プトアセトアミド、N−ヒドロキシエチル−2−メルカ
プトアセトアミド、チオグリコール酸ヒドラジド、チオ
乳酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプ
ロピオンアミド、N−ヒドロキシエチル−3−メルカプ
トプロピオンアミド、チオ酒石酸、チオリンゴ酸、ジメ
ルカプトアジピン酸、システイン、システインメチルエ
ステル、システインエチルエステル、システインアミ
ド、N−アセチルシステイン、ホモシステイン、ホモシ
ステインメチルエステル、ホモシステインエチルエステ
ル、2−メルカプトエタノール、チオグリセロール、3
−アルコキシ−1−メルカプト−2−プロパノール、ジ
チオスレイトール、システアミン、N−アセチルシステ
アミン、1−メルカプトエタンスルホン酸及びこれらの
塩等が挙げられる。これらのうち、特に現在通常使用さ
れている還元剤は、チオグリコール酸、その塩、システ
イン、その塩及びN−アセチルシステインである。ま
た、近年では、メルカプト基を分子内に有する化合物の
代わりに、亜硫酸塩等の無機還元剤がパーマネントウェ
ーブに用いられてきている。更に、これらの還元剤は、
パーマネントウェーブ用第1剤や縮毛矯正剤第1剤のみ
ならず、毛髪染色用前処理剤、加温式毛髪カーリング用
化粧料、毛髪軟化用化粧料、酸化染毛料、除毛剤等にも
広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
還元剤は、ウェーブ効果、ウェーブの持続性、毛髪への
低ダメージ性、低臭性、低フレーキング性、安全性にお
いて充分に満足できるものではなかった。すなわち、チ
オグリコール酸やそのアンモニウム塩、及びチオ乳酸
は、ウェーブ効果は比較的高いもののメルカプト臭が強
く、また若干の感作性がある。更に、メルカプト基のp
Kaが10.2と高いため、pHが9以下になるとそのウ
ェーブ効果は大きく低下する。従って、アルカリ性領域
で使用しなければならないため、アルカリによる毛髪の
ダメージも問題となる。
【0005】システインは、チオグリコール酸のような
感作性の問題はないが、メルカプト臭が若干あり、また
チオグリコール酸と同様にpKaが10.3と高く、中
性付近ではウェーブ効果が低下する。また、システイン
が酸化されて生成するシスチンの溶解性が低いため、フ
レーキングといった問題も生じている。
【0006】N−アセチルシステインは、低感作性、低
臭性といった性能は非常に優れているが、毛髪への浸透
性が悪く、アルカリ性において使用した場合でもウェー
ブ効果が低いという問題点がある。近年、特許出願(特
開平5−213724号公報)されたシステインアミド
はpKaが9.3であり、中性付近でもチオグリコール
酸やシステインに比べて比較的ウェーブ効果は高いが、
まだ充分に満足できるものではなく、また、メルカプト
臭はシステインやチオグリコール酸に比べて強いという
問題点がある。
【0007】また、亜硫酸塩等の無機還元剤は、低臭性
や毛髪への低ダメージ性、安全性といった点ではメルカ
プト基を分子内に有する化合物に比べて優れているが、
ウェーブ効果、ウェーブの持続性が本質的に劣るという
問題点がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは多くの化合物を合成し、その還元剤としての
特性を検討したところ、後記一般式(1)で表わされる
N−アルキル−2−アミノ−3−メルカプトプロピオン
アミド誘導体又はその塩が優れたウェーブ効果、ウェー
ブの持続性、毛髪への低ダメージ性、低臭性、低フレー
キング性を有し、安全性も高いことを見出し、本発明を
完成した。
【0009】すなわち、本発明は、次の一般式(1):
【0010】
【化2】
【0011】〔式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基
を示す。〕で表わされるN−アルキル−2−アミノ−3
−メルカプトプロピオンアミド誘導体又はその塩を含有
する毛髪処理剤組成物を提供するものである。上記のN
−アルキル−2−アミノ−3−メルカプトプロピオンア
ミド誘導体は(R)−体、ラセミ体、(S)−体のいず
れでもよく、(R)−体又はラセミ体、特に(R)−体
が製造コストの点から好ましい。
【0012】上記一般式(1)において、R1 で示され
る炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチ
ル基、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル
基が挙げられる。本発明においてはこのうちメチル基及
びエチル基が特に好ましい。
【0013】本発明に係る化合物(1)は、例えば次の
反応式に従って製造される。
【0014】
【化3】
【0015】〔式中、R2 は低級アルキル基を示し、R
1 は前記と同じ。〕
【0016】すなわち、システインアルキルエステル
(2)又はその塩にアミン(3)を反応させることによ
り、化合物(1)が得られる。システインアルキルエス
テルの塩としては、塩酸塩、硫酸塩等の無機塩等が挙げ
られる。
【0017】システインアルキルエステル(2)又はそ
の塩とアミン(3)との反応は、水、メタノール、エタ
ノール等の溶媒を用いて行うことができる。反応温度は
−20℃〜200℃、特に−5〜100℃の範囲で行う
のが好ましい。アミン(3)はシステインアルキルエス
テル(2)と同モル量から20当量の範囲の量を用いる
のが好ましい。システインアルキルエステル(2)の塩
を用いる場合、中和のため反応開始時又は反応終了時に
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン等の塩基を加えることもでき
る。
【0018】本発明に係る化合物(1)は、反応終了
後、溶媒や過剰のアミン(3)を留去した後、再結晶又
はカラムクロマトグラフィーにより容易に精製すること
ができる。また、このような精製を行わずに、そのまま
還元剤として用いることもできる。化合物(1)は、公
知の方法により、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオ
ン酸、乳酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸
等の無機若しくは有機酸塩、又はナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属塩とすることができる。
【0019】このようにして得られた化合物(1)又は
その塩を還元剤として配合すれば、優れたウェーブ効
果、ウェーブの持続性、毛髪への低ダメージ性、低臭
性、低フレーキング性、高い安全性を有するパーマネン
トウェーブ用剤第1剤、縮毛矯正剤第1剤として好適な
毛髪処理剤組成物が得られる。
【0020】本発明の毛髪処理剤組成物における化合物
(1)又はその塩の配合量は、この組成物の用途により
適宜選定されるが、パーマネントウェーブ用剤第1剤又
は縮毛矯正剤第1剤として用いる場合の配合量は、0.
1〜20重量%(以下単に%で示す)、特に0.5〜1
5%がウェーブ効果、低臭性、安全性の点から好まし
い。このパーマネントウェーブ用剤第1剤又は縮毛矯正
剤第1剤組成物の全体のpHは、酸、アルカリ及び緩衝剤
により3〜11、特に6〜9に調整されるのが好まし
い。
【0021】本発明の毛髪処理剤組成物には、特にパー
マネントウェーブ用剤第1剤又は縮毛矯正剤第1剤とし
て使用する場合、本発明の効果を妨げない範囲におい
て、公知の還元剤、緩衝剤などを配合することができ
る。還元剤としては、具体的には、チオグリコール酸、
メチルチオグリコレート、エチルチオグリコレート、グ
リコールモノチオグリコレート、グリセロールモノチオ
グリコレート、チオグリコールアミド、N−メチル−2
−メルカプトアセトアミド、N−ヒドロキシエチル−2
−メルカプトアセトアミド、チオグリコール酸ヒドラジ
ド、チオ乳酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メル
カプトプロピオンアミド、N−ヒドロキシエチル−3−
メルカプトプロピオンアミド、チオ酒石酸、チオリンゴ
酸、ジメルカプトアジピン酸、システイン、システイン
メチルエステル、システインエチルエステル、システイ
ンアミド、N−アセチルシステイン、ホモシステイン、
ホモシステインメチルエステル、ホモシステインエチル
エステル、2−メルカプトエタノール、チオグリセロー
ル、3−アルコキシ−1−メルカプト−2−プロパノー
ル、ジチオスレイトール、システアミン、N−アセチル
システアミン、1−メルカプトエタンスルホン酸及びこ
れらの塩などが挙げられる。特に好ましい還元剤として
は、チオグリコール酸及びその塩、システイン及びその
塩、N−アセチルシステインが挙げられる。
【0022】これら公知の還元剤の配合量は、本発明毛
髪処理剤組成物中に0.1〜5%、特に0.5〜3%と
することがウェーブ効果、低臭性、安全性の点から好ま
しい。
【0023】緩衝剤としては、例えば特開昭61−72
11号公報第3頁右上欄1行〜左下欄10行に記載の緩
衝剤の他、毛髪、皮膚等にアルカリ剤が残留しにくいも
のとして水溶性アンモニウム塩/アルギニン、リジン等
の塩基性アミノ酸の組み合わせも使用できる。これらの
緩衝剤は本発明毛髪処理剤組成物中に総量で好ましくは
0.05〜10%、特に好ましくは0.1〜5%配合す
ることがの点から好ましい。
【0024】本発明の毛髪処理剤組成物には、ウェーブ
形成効果の向上、毛髪損傷防止等の目的で次に挙げる
(1)ペプチド又はその誘導体、(2)2価金属塩、
(3)カチオン性ポリマー又は両性ポリマー等の1種又
は2種以上を配合するのが好ましい。
【0025】(1)ペプチド又はその誘導体: 1)塩基性アミノ酸(例えばリジン、アルギニン)の1
種又は2種から合成された2量体以上のペプチド又は酸
性アミノ酸(例えばグルタミン酸、アスパラギン酸)の
1種又は2種から合成された2量体以上のペプチド;
2)羊毛、羽毛、ひずめ、角などのケラチン蛋白質、特
開昭57−88111号公報に記載のケラチン加水分解
物、カチオン化物、アルブミン、グロブリン、コングリ
シニン、カゼインの蛋白質あるいは大豆蛋白質等の分解
誘導体として特開昭57−85308号公報に記載され
ている方法により製造された加水分解物;3)天然に存
在するホルモン、又は生理活性ペプチド、例えばインス
リン、酸化型グルタチオン等が挙げられる。これらのう
ち分子量10,000以下、好ましくは5,000以下
のポリリジン;ケラチン蛋白質、大豆蛋白質等の加水分
解物;インスリンが特に好ましい。これらのペプチド又
はその誘導体は、単独又は2種以上組み合わせて、毛髪
処理剤組成物に好ましくは0.01〜50%、特に好ま
しくは0.1〜10%配合することが好ましい。
【0026】(2)2価金属塩:下記式(4):
【0027】
【化4】AB2/C (4)
【0028】〔式中、AはBa2+、Ca2+、Zn2+、N
2+及びMg2+よりなる群から選ばれる陽イオンを示
し、BはF-、Cl-、I-、SO4 2-、PO4 2-、OH及
びCO3 2-よりなる群から選ばれる陰イオンを示し、c
はBの原子価を示す。〕で表わされる水溶性無機化合
物、あるいは上記2価金属(A)の酢酸塩、クエン酸
塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩が挙げ
られ、とりわけ、カルシウム、亜鉛、ニッケル、マグネ
シウム、バリウムの酢酸塩、あるいは塩化物が特に好ま
しい。
【0029】この2価金属塩は、単独又は2種以上組み
合わせて、最終使用形態において、金属イオンとして1
0〜5,000ppm 、好ましくは100〜1,000pp
m になるように配合することが好ましい。
【0030】(3)カチオン性ポリマー又は両性ポリマ
ー:カチオン性ポリマーとしては特開昭56−9281
2号公報に記載の水溶性又は無機塩若しくは有機塩の存
在下において水に可溶なカチオン性ポリマーが挙げられ
る。これらのカチオン性ポリマーとしては、具体的に
は、特開昭64−75411号公報第2頁左下欄20行
〜第5頁左上欄12行に記載の、セルロースエーテル四
級化誘導体、水溶性コポリマー類、四級化ポリマー類、
ビニルピロリドンのコポリマー類及びポリリジン等のカ
チオン性ポリマー、特開昭58−150506号公報第
3頁右下欄3〜14行に記載の四級化されたポリビニル
アミンの重合体及び共重合体及び同公報第4頁左上欄7
行〜右上欄1行に記載の四級化されたポリ−4−ビニル
ピリジンの重合体等のカチオン性ポリマー、特開平5−
97800号公報第7頁左欄2行〜第8頁左欄12行に
記載のアミノ変性シリコーン重合体等のカチオン性ポリ
マー等が例示される。
【0031】両性ポリマーの代表例としては、特開平5
−97800号公報第8頁左欄13行〜第9頁左欄31
行に記載の酸性ビニル単量体と塩基性ビニル単量体との
共重合物、両性単量体の重合物等が挙げられる。
【0032】これらのカチオン性ポリマー又は両性ポリ
マーは単独又は2種以上組み合わせて毛髪処理剤組成物
に好ましくは0.01〜20%、特に好ましくは0.1
〜10%配合される。
【0033】更に本発明の毛髪処理剤組成物には、本発
明の効果を妨げない範囲において、従来公知の他の成分
を添加配合することができる。このような成分として
は、例えば高級アルコール、カチオン性、アニオン性、
両性の界面活性剤、尿素、カチオン性シリコーン以外の
シリコーン、ステアリン酸アルミニウム、明バン等のア
ルミニウム化合物、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸、塩
酸等の無機酸、エチレンジアミン、モノ−、ジ−又はト
リエタノールアミン、アミノヒドロキシメチルプロパン
ジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノー
ル、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、モルホリン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ
酸、アンモニア、苛性ソーダ等のアルカリ剤、養毛剤、
殺菌料、着色料、香料等が挙げられる。
【0034】本発明の毛髪処理剤組成物は、パーマネン
トウェーブ用剤第1剤や縮毛矯正剤第1剤として使用す
る場合には、第2剤としては通常用いられている酸化剤
を0.5〜20%程度配合した酸化剤溶液を用いる。酸
化剤としては、臭素酸又はその塩、過ホウ酸又はその
塩、過酸化水素及びヨウ素等が挙げられる。
【0035】本発明に係るN−アルキル−2−アミノ−
3−メルカプトプロピオンアミド誘導体(1)又はその
塩は、上述のパーマネントウェーブ用剤第1剤又は縮毛
矯正剤第1剤以外にも、あらゆる毛髪処理剤の酸化防止
剤又は着色防止剤として使用することができる。例え
ば、酸化染毛料の第1剤に配合した場合、顕色物質、及
びカップリング物質の自動酸化を防止し、安定性の優れ
た角質繊維染色剤組成物が得られ、また、シャンプー
剤、リンス剤、トリートメント剤、ブロー剤、毛髪セッ
ト料等に配合した場合にも、自動酸化による剤の着色や
液性の変化を防止し、保存安定性の優れた組成物を得る
ことができる。
【0036】N−アルキル−2−アミノ−3−メルカプ
トプロピオンアミド誘導体(1)又はその塩をパーマネ
ントウェーブ用剤第1剤又は縮毛矯正剤第1剤以外の毛
髪処理剤に配合する場合、その配合料は、毛髪処理剤組
成物全量中に好ましくは0.01〜10%、特に好まし
くは0.05〜5%配合することがの点から好ましい。
【0037】
【発明の効果】N−アルキル−2−アミノ−3−メルカ
プトプロピオンアミド誘導体(1)又はその塩を配合す
れば、ウェーブ効果、ウェーブの持続性、毛髪への低ダ
メージ性、低臭性、低フレーキング性、安全性に優れた
パーマネントウェーブ用剤第1剤や縮毛矯正剤第1剤等
をはじめとする優れた毛髪処理剤組成物を得ることがで
きる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれによって制限されるものではない。
実施例の説明に先立ち、実施例で使用するN−アルキル
−2−アミノ−3−メルカプトプロピオンアミド誘導体
の合成例について説明する。
【0039】合成例1 (R)−N−メチル−2−アミノ−3−メルカプトプロ
ピオンアミド塩酸塩の合成:反応槽にメチルアミンの4
0%水溶液137.0g(メチルアミン;1.76mol
)、L−システインエチルエステル塩酸塩24.0g
(0.129mol )を加え、窒素雰囲気下、5℃で45
時間保存した。反応後、減圧下で過剰のメチルアミン及
び水を留去した。残渣にメタノール100ml、濃塩酸2
0mlを加えて再度減圧下に溶媒留去し、無色個体を得
た。これをメタノールから再結晶して、(R)−N−メ
チル−2−アミノ−3−メルカプトプロピオンアミド塩
酸塩の無色結晶を13.5g(0.079mol 、収率6
1%)得た。(R)−N−メチル−2−アミノ−3−メ
ルカプトプロピオンアミド塩酸塩の物理データは以下の
とおりである。
【0040】
【表1】融点 213℃1 H−NMR(200MHz,DMSO−d6)δpp
m;2.66(3H,d,J=4.6Hz),2.98
(2H,d,J=5.4Hz),3.96(1H,t,
J=5.4Hz),8.49(3H,br),8.71
(1H,brq,J=4.6Hz). IR(KBr)νcm-1;3256,2952,166
0,1580,1540,1412.
【0041】合成例2 (R)−N−エチル−2−アミノ−3−メルカプトプロ
ピオンアミド塩酸塩の合成:反応槽にエチルアミンの7
0%水溶液114.5g(エチルアミン;1.78mol
)、L−システインエチルエステル塩酸塩25.0g
(0.135mol )を加え、窒素雰囲気下、5℃で24
時間保存した。反応後、減圧下で過剰のエチルアミン及
び水を留去した。残渣にメタノール100ml、濃塩酸2
0mlを加えて再度減圧下に溶媒留去し、赤色油状物を得
た。これをエタノール−ジエチルエーテルから再結晶し
て、(R)−N−エチル−2−アミノ−3−メルカプト
プロピオンアミド塩酸塩の無色結晶を7.5g(0.0
41mol 、収率30%)得た。(R)−N−エチル−2
−アミノ−3−メルカプトプロピオンアミド塩酸塩の物
理データは以下のとおりである。
【0042】
【表2】融点 158℃1 H−NMR(200MHz,DMSO−d6)δpp
m;1.05(3H,t,J=7.1Hz),2.96
(2H,d,J=5.4Hz),3.14(2H,q
d,J=7.1,5.1Hz),3.93(1H,t,
J=5.4Hz),8.42(br),8.72(1
H,t,J=5.1Hz). IR(KBr)νcm-1;3288,2984,166
8,1558,1496,1386,1274.
【0043】実施例1〜2及び比較例1〜4 表3に示す還元剤をそれぞれ同モル量(0.062mol
)とり、表4に示す組成のpHを7.6に調製したコー
ルドパーマネントウェーブ用剤第1剤組成物を調製し
た。また、表5に示す組成のコールドパーマネントウェ
ーブ用剤第2剤組成物を調製した。この組成物を用いて
順毛ウィッグにコールドパーマ処理を行い(1剤;室
温、10分間、2剤;室温、10分間)、ウェーブ形成
能と施術過程での臭いを表6に示す基準に従って専門の
美容師に評価させた。結果を表7に示す。
【0044】
【表3】還元剤 N1 :(R)−N−メチル−2−アミノ−3−メルカプ
トプロピオンアミド N2 :(R)−N−エチル−2−アミノ−3−メルカプ
トプロピオンアミド N3 :チオグリコール酸 N4 :システイン N5 :N−アセチルシステイン N6 :システインアミド塩酸塩
【0045】
【表4】 パーマネントウェーブ用剤第1剤組成物 還元剤 0.062mol フロストDS*1 0.5g 重炭酸アンモニウム 2.0g アンモニア水(28%) pH7.6にするのに必要な量 水 バランス 計 100.0g *1:エデト酸二ナトリウム(第一化学薬品(株)製)
【0046】
【表5】 パーマネントウェーブ用剤第2剤組成物 臭素酸ナトリウム 8.0g 水 92.0g 計 100.0g
【0047】
【表6】評価基準 (1)ウェーブ形成能 ○;強い △;やや強い ×;弱い (2)施術時の臭い ○;強い臭いはない △;強い臭いはほとんどない ×;やや強い臭いがある
【0048】
【表7】
【0049】実施例3〜4及び比較例5〜8 上記表3に示す還元剤をそれぞれ同モル量(0.062
mol )とり、表8に示す組成のpHを8.8に調製したコ
ールドパーマネントウェーブ用剤第1剤組成物を調製し
た。また、上記表5に示す組成のコールドパーマネント
ウェーブ用剤第2剤組成物を調製した。この組成物を用
いて順毛ウィッグにコールドパーマ処理を行い(1剤;
室温、10分間、2剤;室温、10分間)、ウェーブ形
成能と施術過程での臭いを上記表6に示す基準に従って
専門の美容師に評価させた。結果を表9に示す。
【0050】
【表8】 パーマネントウェーブ用剤第1剤組成物 還元剤 0.062mol フロストDS 0.5g 重炭酸アンモニウム 2.0g アンモニア水(28%) pH8.8にするのに必要な量 水 バランス 計 100.0g
【0051】
【表9】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】緩衝剤としては、例えば特開昭61−72
11号公報第3頁右上欄1行〜左下欄10行に記載の緩
衝剤の他、毛髪、皮膚等にアルカリ剤が残留しにくいも
のとして水溶性アンモニウム塩/アルギニン、リジン等
の塩基性アミノ酸の組み合わせも使用できる。これらの
緩衝剤は本発明毛髪処理剤組成物中に総量で好ましくは
0.05〜10%、特に好ましくは0.1〜5%配合す
ることが好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】(1)ペプチド又はその誘導体: 1)塩基性アミノ酸(例えばリジン、アルギニン)の1
種又は2種から合成された2量体以上のペプチド又は酸
性アミノ酸(例えばグルタミン酸、アスパラギン酸)の
1種又は2種から合成された2量体以上のペプチド;
2)羊毛、羽毛、ひずめ、角などのケラチン蛋白質、特
開昭57−88111号公報に記載のケラチン加水分解
物カチオン化物、アルブミン、グロブリン、コングリシ
ニン、カゼインの蛋白質あるいは大豆蛋白質等の分解誘
導体として特開昭57−85308号公報に記載されて
いる方法により製造された加水分解物;3)天然に存在
するホルモン、又は生理活性ペプチド、例えばインスリ
ン、酸化型グルタチオン等が挙げられる。これらのうち
分子量10,000以下、好ましくは5,000以下の
ポリリジン;ケラチン蛋白質、大豆蛋白質等の加水分解
物;インスリンが特に好ましい。これらのペプチド又は
その誘導体は、単独又は2種以上組み合わせて、毛髪処
理剤組成物に好ましくは0.01〜50%、特に好まし
くは0.1〜10%配合することが好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】N−アルキル−2−アミノ−3−メルカプ
トプロピオンアミド誘導体(1)又はその塩をパーマネ
ントウェーブ用剤第1剤又は縮毛矯正剤第1剤以外の毛
髪処理剤に配合する場合、その配合料は、毛髪処理剤組
成物全量中に好ましくは0.01〜10%、特に好まし
くは0.05〜5%配合することが好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西澤 義則 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社素材研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕で
    表わされるN−アルキル−2−アミノ−3−メルカプト
    プロピオンアミド誘導体又はその塩を含有することを特
    徴とする毛髪処理剤組成物。
  2. 【請求項2】 N−アルキル−2−アミノ−3−メルカ
    プトプロピオンアミド誘導体又はその塩が(R)−体で
    ある請求項1記載の毛髪処理剤組成物。
  3. 【請求項3】 N−アルキル−2−アミノ−3−メルカ
    プトプロピオンアミド誘導体又はその塩がラセミ体であ
    る請求項1記載の毛髪処理剤組成物。
  4. 【請求項4】 N−アルキル−2−アミノ−3−メルカ
    プトプロピオンアミド誘導体又はその塩が(S)−体で
    ある請求項1記載の毛髪処理剤組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10016406A1 (de) * 2000-04-01 2001-10-25 Wella Ag Mittel und Verfahren zur dauerhaften Haarverformung auf Basis von 2-Mercaptopropionsäureamiden sowie Verfahren zu deren Herstellung

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE10016406A1 (de) * 2000-04-01 2001-10-25 Wella Ag Mittel und Verfahren zur dauerhaften Haarverformung auf Basis von 2-Mercaptopropionsäureamiden sowie Verfahren zu deren Herstellung

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