JPH08157378A - 癒着防止剤 - Google Patents

癒着防止剤

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JPH08157378A
JPH08157378A JP34115794A JP34115794A JPH08157378A JP H08157378 A JPH08157378 A JP H08157378A JP 34115794 A JP34115794 A JP 34115794A JP 34115794 A JP34115794 A JP 34115794A JP H08157378 A JPH08157378 A JP H08157378A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒアルロン酸を構成するグルクロン酸残基の
カルボキシル基が両末端エポキシ化合物系架橋剤により
架橋された、下記一般式化1で示される癒着防止剤。 【化1】 【効果】 組織局所において所望する期間滞留させ、効
果を持続させることができ、術後の癒着発生を顕著に減
少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は癒着防止剤、特にヒアル
ロン酸を架橋して構成した癒着防止剤の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】外科手術において、手術中における組織
表面の損傷や乾燥、出血等に起因する術後の組織の癒着
は、外科手術後の合併症のなかでも最も重大なものの一
つである。癒着は腱鞘、腹腔、胸腔、頭蓋内、神経周囲
組織、眼結膜、卵管等で問題となることが多いが、中で
も、腱の手術における癒着は運動障害を来し、また開腹
手術における腸壁や腸管の癒着はイレウス(腸閉塞)の
原因ともなるため、特にこれらを予防するために様々な
試みがなされている。しかしながら、幾多の努力にもか
かわらず、臨床的にはいまだ末解決の問題である。一般
的には、外科手術に際して術後の癒着を防止するために
は、出血を抑え、創面の不要な乾燥、擦過を避け、術
中、術後の感染、炎症を極力防止する等の努力が行われ
ている。しかしながら、これらの処置努力のみでは癒着
は極めて防止しにくく、効果の確実な癒着防止剤の開発
が切望されている。
【0003】コンドロイチン硫酸は結合組織の基質を構
成する代表的な多類類の一つで、その構造はへパリンに
類似し、血液凝固阻止作用がある。脇坂らにより、19
59年に腹膜癒着防止作用が初めて報告され(脇坂順一
ほか、久留米医学誌、22、800、1959)、その
後の研究でその効果が確認された。以来、我が国では主
要な腹膜癒着防止剤として臨床で用いられている。ま
た、代用血漿や子宮内灌流液として使用されている高分
子デキストランも術後の癒着防止剤として用いられ、今
日でもよく研究されている(立崎達夫、最新医学、
、645、1989,五味淵秀人、産科と婦人科、
、2225、1991)。ヒアルロン酸も、コンドロ
イチン硫酸と同様な結合組織の基質を構成する重要な多
類類の一つであり、腱の外科手術においてその癒着防止
効果が示されている(Onge R.S. et a
l.,Clin.Orthop.Rel.Res.,
46,269,1980.,後藤幸子ほか、応用薬理、
35、359、1988)。
【0004】しかしながら、上記したこれらの薬剤はあ
る程度の癒着防止効果は有しているものの、何れも水溶
液として用いられることから、生体内局所での滞留性は
低く、効果の持続性を期待できるものではない。
【0005】一方、癒着防止剤の作用をできるだけ長く
保持させる目的で、液状物ではなく膜状物を損傷部の接
触防止物として試用した例は数多くある。たとえば、ポ
リエチレン膜(Stark,H.H.,J.Bone
& Joint Surg.,59A,908,197
7)、シリコン膜(Helal,B.,Hand,
85,1973)、セルロース膜(Ashley,F.
L.et al.,Plast.Reconst.Su
rg.,23,526,1959)、ゼラチン膜(麻生
弘、日外宝函、22、310、1958)、コラーゲ
ン膜(奥井光敏、日手会誌、、1138、198
9)、へパリンを含有させたコラーゲン膜(川井忠智ほ
か、生体材料、10、193、1992)等がそれであ
る。試みられた材料のうち、ポリエチレン、シリコン、
セルロース等は、生体に存在しない高分子物質であるた
め生体内で分解されず、最終的には再手術による摘出の
必要性がある。また、損傷部位の治癒を遅延させる場合
もある。コラーゲンは天然に存在する物質であって、医
療用成形物としても用いられているが、血小板が接着し
て血小板凝集を引き起こしたり(Muggli,R.e
t a1.,Throm.Res.,,715,19
73)、ハーゲマン因子(血液凝固第XII因子)を活性
化し、血液凝固を促進したり(Wilner,G.D.
et al,J.Clin.Invest.,47,2
608,1968)するなどの欠点がある。ほかにも膜
状物を癒着防止剤として用いた例は多くみうけられるが
何れも満足のいくものではない。
【0006】ヒアルロン酸は生体適合性に極めて優れた
素材であり、前述のように癒着防止作用を有することか
ら、効果の持続を目的として液状物ではなく膜状に成形
したもので試みられた例がある(伊藤和生はか、日手会
誌、、438、1991)。この場合、創部局所での
滞留時間は、溶液よりも膜状で用いた場合のほうが長く
なる。しかしながら、膜状に成形されていてもヒアルロ
ン酸は水に溶解しやすいことから、より長い滞留時間、
すなわち優れた効果の持続は期待できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ヒアルロン酸は結合組
織をはじめとする組織中に豊富に存在する高分子量の生
体内成分であり、生体適合性が高いことは勿論、医薬品
として眼科用手術時の補助剤や変形性膝関節症等の治療
薬として利用されているほか、創傷治癒促進作用等の幅
広い作用も有している(Goa,K.L.& Benf
ield,P.,Drugs,47,536,199
4)。さらに、ドラッグデリバリーシステムの担体等と
してもその応用が期待されている。この生体適合性に極
めて優れた素材であるヒアルロン酸を癒着防止の目的で
有効に利用するために、生体内局所における良好な滞留
性を得る工夫、即ち水不溶性で、且つ生体内分解性を有
する物質とすることが以前より望まれていた。
【0008】このような課題を解決するものとして、光
架橋性ムコ多糖を用いた癒着防止技術がある(特開平6
−71302,三輪裕通ほか、人工臓器、22、37
6、1993,Matuda,T.et al.,AS
AIO Journa1,39,M327,199
3)。この技術は、ムコ多類(ヒアルロン酸またはコン
ドロイチン硫酸)の水酸基に光二量化性基であるケイ皮
酸あるいはチミンを導入し、紫外線照射により光二量化
性基を重合させてムコ多類を架橋するものであり、光架
橋性ヒアルロン酸フイルムが得られている。また、光二
量化性基の導入率を上げることにより水に不溶化させる
ことに成功し、低膨潤性が示されている。しかしなが
ら、ムコ多糖の水酸基間の架橋であり、カルボキシル基
が遊離で残存しているため、水不溶性で、且つ低膨潤性
の性質を得るために、ケイ皮酸あるいはチミンという分
子が数多く導入されており、ヒアルロン酸本来の性質が
失われている。また、製造工程にも複数のステップを要
する等課題を残している。
【0009】課題を解決する別のものとして、例えば特
開昭60−130601、特開昭61−138601等
に記載されている架橋ヒアルロン酸の利用が考えられ
る。この場合、架橋に用いられる物質は一般に生体内成
分ではないため、その架橋物質の生体内での安全性は重
要で、この点でエポキシ化合物を用いたものが安全性の
面からは好ましい(Polymer Preprint
s Japan 142,938,1993)。エポキ
シ化合物を架橋剤として用いた架橋ヒアルロン酸として
は、特開昭60−233101或いは特開昭61−16
4558に記載されたものなどが知られているが、これ
らは水溶性或いは水膨潤性が極めて大きいという課題が
あった。
【0010】本発明はこれらの前記従来技術の課題に鑑
みてなされたものであり、その目的はヒアルロン酸の架
橋状態に検討を加え、水溶性及び水膨潤性を調整した架
橋ヒアルロン酸をシート状或いはフイルム状にして用い
る良好な癒着防止剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討を行った結果、ヒアルロン酸の
カルボキシル基同士をエポキシ化合物により架橋すれ
ば、ヒアルロン酸の水に対する溶解性及び膨潤性を調整
しえることで生体内分解性を調節し、組織局所での滞留
性の良好な安全性の高い癒着防止剤が得られることを見
出だし、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本出願の請求項l記載の癒着防
止剤は、ヒアルロン酸残基のカルボキシル基が両末端エ
ポキシ化合物系架橋剤により架橋され、下記一般式化2
で示されることを特徴とする。
【化2】 さらに、ヒアルロン酸の全カルボキシル基に対し、架橋
されたカルボキシル基が0.15%以上であり、水不溶
性で且つ低膨潤性であることが好適である。なお、架橋
されたカルボキシル基の割合は、好ましくは0.5〜5
%である。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
出発原料に使用されるヒアルロン酸は通常ナトリウム塩
となっているが、塩の種類は特に制約されない。また、
ヒアルロン酸の起原としては、鶏冠、臍帯、微生物、皮
膚等があげられるが、特に制約を受けない。分子量も同
様に制限されない。ただし、あまり低分子量だと、以下
の架橋反応がうまく進行しないため分子量20万以上が
好ましい。
【0014】架橋反応は、ヒアルロン酸、架橋剤である
両末端エポキシ化合物及び中性〜弱酸性溶媒を純水中に
溶解したのち、加熱により水分を蒸発乾固させることで
反応を終了させる。架橋機構を図lに示す。同図より明
らかなように、弱酸性下ではヒアルロン酸のカルボキシ
ル基同士が両末端エポキシ化合物により架橋される。こ
のときのヒアルロン酸濃度は、濃度が高すぎると均一な
架橋ができにくいため、通常0.5〜3%で行われる。
架橋剤の量は、所望の架橋率となるように加えればよ
く、この架橋率の制御により生体内での分解速度が決定
される。即ち、高架橋率であるほど生体内での酵素分解
が遅くなり、組織局所での滞留性が増す。ただし、あま
り高架橋率であると、後述するように、手術時の操作性
が悪くなったり、組織の治癒を妨げることから適切な範
囲内の架橋率が好ましい。
【0015】本反応はヒアルロン酸のカルボキシル基と
架橋剤のエポキシ基が架橋反応するが、反応は水分の蒸
発乾固に伴い進むため、分子問距離が極めて短い状態で
効率よく架橋反応が進行する。更に、静電的反発能を有
するカルボキシル基が架橋点に参加することで、反発能
が封鎖され、水膨潤性をほとんど失い、水不溶性とな
る。例えば、全てのカルボキシル基が架橋点となったと
きを架橋率100%とすると、架橋率0.15%以上で
水不溶性となる。
【0016】これに対し、従来のヒアルロン酸架橋法
(特開昭60−233101、特開昭61−13860
1)の場合、この程度の架橋率では水溶性を示す。従来
法では塩基性の水溶液下でヒドロキシル基間を架橋反応
させるため、架橋に参加する高分子鎖間の距離が長い状
態で架橋され、更に、静電的反発を引き起こすカルボキ
シル基も無傷で残る。従って、水溶性または水膨関性と
なってしまう。
【0017】本架橋法に用いられる両末端エポキシ化合
物としては、ジグリシジルエーテル、ジグリシジルエス
テル、ジグリシジルアミン、ジグリシジルアンモニウム
塩等のグリシジル化合物が望ましい。無論、ジグリシジ
ル基が3個以上でもよい。これらの中で、グリシジルエ
ーテル化合物は最も入手しやすく、安価であるが、具体
例としてはエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ブロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレンジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジル
エーテル等が挙げられる。また、前述したように、これ
らのエポキシ系架橋剤は、他の架橋剤と比べて生体内に
おける安全性の高いことが報告されている(Polym
er Preprints Japan 142,93
8,1993)。
【0018】ヒアルロン酸のカルボキシル基と両末端エ
ポキシ化合物との反応における適当な触媒として、第4
級アンモニウム塩類、第3アミン類、リン酸塩類、イミ
ダゾール化合物類等を挙げることができる。しかし、触
媒そのものの毒性及び塩基性下ではヒアルロン酸塩が分
解されやすいことから考えて、中性〜弱酸性の安全な無
機触媒を用いることが好ましい。例えば、リン酸一アン
モニウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム等、
水溶液のpHが4〜7のリン酸塩が好適である。触媒と
しての濃度は、溶媒である純水100mlに対し、2m
g以上あればよく、通常20mg程度で充分である。
【0019】加熱により水分を蒸発乾固させながら架橋
反応を進行させ、フイルム状の架橋ヒアルロン酸が得ら
れる。得られた架橋ヒアルロン酸は、後述する実施例に
示すように睾丸ヒアルロニダーゼにより酵素分解を受け
ることから、生体内分解性を有することがわかる。ま
た、架橋率が高いほど酵素分解されにくいことから、架
橋率を調節することで組織局所における滞留期間を制御
できる。得られた架橋ヒアルロン酸の投与場所は腹腔内
の各種臓器、腱、結膜下等、癒着の生じ得る組織の表面
であればどこであってもよく、抗生物質や殺菌剤等の水
溶性薬剤を架橋ヒアルロン酸に合有させることも可能で
ある。また、組織に密着させにくい場合には、アロンア
ルファ(商標)等の外科用接着剤を小量使用してもよ
い。
【0020】癒着防止剤の組織局所における滞留期間
は、外科手術後の組織の損傷治癒がある程度進み、近傍
に位置する組織と癒着が生じなくなるまで滞留すればよ
く、その後は速やかに生体内分解を受けるのが望まし
く、一般的にはそれに見合った架橋率のものを用いれば
よい。適用する外科手術の種類や組織の違い、更には投
与されている他材の影響や炎症の程度等により必要とさ
れる滞留期間は異なってくるが、例えば、腹腔内組織間
の癒着防止及び腱の癒着防止に用いた後述する実施例に
あるように、l〜2週間程度の滞留期間があればよく、
その意味から0.5〜5%の架橋率が好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を詳細に説明
する。なお、以下の実施例は、本発明を説明するための
ものであって、本発明をこれに限定するものではない。実施例l 純水200mlにりん酸−アンモニウム40mg、分子
量80万のヒアルロン酸ナトリウム2gを加えて溶解し
た液6個を用意し、それぞれに4%エチレングリコール
ジグリシジルエーテル水溶液を0.06、0.12、
0.3、0.6、l.2及び2.4m1加えて均一な溶
液とした。各溶液の一定量を平板シャーレに流し込み、
80℃の空気循環式恒温槽に14時間放置して架橋反応
を行わせた。60%エタノール溶液で洗浄、乾燥した
後、それぞれのフイルムを剥離し、厚さ0.06〜0.
008mmの架橋ヒアルロン酸フイルムを調製した。こ
れらはいずれも水不溶性で、水中での膨潤も殆ど観察さ
れなかった。なお、架橋ヒアルロン酸の架橋率は、添加
した架橋剤の全量がヒアルロン酸のカルボキシル基と反
応すると仮定して算出した。架橋率100%とは、全て
のカルボキシル基が架橋点になっていることを意味す
る。上記の添加量の場合、架橋率はそれぞれ0.5、
l、2.5、5、10、及び20%に相当する。
【0022】実施例2 純水430mlにりん酸−アンモニウム水溶液86m
g、分子量95万のヒアルロン酸4.3gを加えて溶解
した液8個を用意し、それぞれに4%エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル水溶液を0.03、0.13、
0.26、0.64、l.27、2.55及び5.09
ml加えて均一な溶液とした。各溶液の一定量を平板シ
ャーレに流し込み、80℃の空気循環式恒温槽に14時
間放置して架橋反応を行わせた。60%エタノール溶液
で洗浄後、乾燥し、架橋ヒアルロン酸フイルムを調製し
た。上記の添加量の場合、架橋率はそれぞれO.13、
0.5、1、25、5、10、及び20%となった。架
橋率0.13%のフイルムを除いて、ほかのフィルムは
何れも水不溶性であった。そこで、得られたフィルムの
純水中での膨潤率を測定した。各フィルムからl.5×
l.5cmを切り出し、重量を測定したのち、25℃の
生理食塩液に膨潤平衛に達するまで浸漬した。フィルム
を液から取り出し、表面の水滴を除いたのち再び重量を
測定した。この結果をもとに、浸漬前後の膨潤倍比を算
出し、図2に示した。図から明かなように架橋率の増加
とともに膨潤倍率が低下している。しかし、何れの架橋
率のフイルムでも膨潤倍率は4を越えず、膨潤性は際だ
って低いことが理解される。
【0023】このように、本発明にかかる架橋ヒアルロ
ン酸は、水不溶性であるばかりでなく、水膨潤性も極め
て低いため、腱の手術のときのように狭い組織空間に癒
着防止剤として用いられる場合においても、周囲の組織
を必要以上に圧迫するようなことはない。
【0024】実施例3 本実施例は、架橋ヒアルロン酸フィルムのウシ睾丸ヒア
ルロニターゼによる酵素分解性をみたもので、架橋ヒア
ルロン酸フイルムの生体内分解性を示すものである。実
験には実施例lで得た架橋率0.5、1、2.5、1
0、及び20%の架橋ヒアルロン酸フイルムを用いた。
上記の架橋ヒアルロン酸フィルム約10mgを0.1M
リン酸緩衝液(pH7.0)3.96ml中に入れたの
ち、10400U/mlのウシ睾丸ヒアルロニダーゼ
(タイプVI−S,シグマ)0.04mlを加え、37℃
の恒温水浴中で反応させた。反応後24時間まで経時的
に小量の反応液を採取してカルバゾール硫酸法(Bit
ter,T.& Muir,H.,Anal.Bioc
hem.,,330,1962)によりヒアルロン酸
量を測定し、架橋ヒアルロン酸フイルムの分解率を求め
た。
【0025】結果を図3に示した。図から明らかなよう
に、架橋ヒアルロン酸フイルムはその架橋率の違いによ
り、ヒアルロニダーゼ分解性、すなわち生体内分解性が
異なることがわかる。このことから、架橋ヒアルロン酸
の架橋率を調節することにより、架橋ヒアルロン酸の生
体内分解性、すなわち生体内滞留期間を自由に調節しう
ることがわかる。ただし、架橋率が5%以上になると、
分解率は架橋率に大きくは依存せず、低い分解率を示
す。
【0026】実施例4 本実施例は、実施例3の結果を踏まえて実施したもの
で、架橋ヒアルロン酸フイルムのラット皮下への埋め込
み実験による生体内滞留性の違いを示すものである。実
験には実施例lと同様にして得た架橋率l、3及び5%
の架橋ヒアルロン酸フイルムを用いた。ただし、エンド
トキシンの混入をさけるため、水は局方注射用水を使用
し、ヒアルロン酸溶液は0.45μmのメンブランフィ
ルターにて濾過減菌して平板シャーレに流し込んだ。ま
た、分子最90万のヒアルロン酸ナトリウムのl%水溶
液を実施例1と同様に一定量を平板シャーレに流し込
み、80℃の空気循環式恒温槽に16時間放置して得た
厚さ0.07mmのヒアルロン酸フイルムを対照として
用いた。
【0027】上記の架橋ヒアルロン酸フイルム及びヒア
ルロン酸フイルム5.0mgずつをそれぞれ11〜12
週齢のWistar系雄性ラットの背部皮下に埋め込
み、切開口はナイロン糸で縫合した。埋め込み後、3、
7、14及び2l日目にエーテルの吸入により動物を屠
殺し、埋め込み部位を生理食塩液で洗浄し残存している
ヒアルロン酸を回収した。別のラットの同じ部位に生理
食塩液0.5mlを注入し、同様に処理したものを対照
として、カルバゾール硫酸法(Bitter,T.&
Muir,H.M.,Anal.Biochem,
330,1962)によリウロン酸を定量して残存率を
求めた。結果を表lに示した。同表から明らかなように
架橋ヒアルロン酸フイルムはヒアルロン酸フイルムに比
べて長期間組織中に滞留することがわかる。すなわち、
ヒアルロン酸を架橋して水不溶性で膨潤性を押さえるこ
とにより、その組織中の滞留性を向上させることができ
る。また、架橋ヒアルロン酸の架橋率を調節することに
より、架橋ヒアルロン酸の生体内滞留期間を自由に調節
できることがわかる。なお何れの試料においても炎症性
細胞の浸潤等の反応は観察されなかった。
【0028】
【表1】 ──────────────────────────────────── 試 料 残 存 率(%) 3日 7日 14日 21日 ──────────────────────────────────── ヒアルロン酸フィルム 1.0 0 0 0 ──────────────────────────────────── 架橋ヒアルロン酸フィルム 架橋率1% 80.7 12.2 0 0 架橋率3% 92.1 26.1 8.1 0 架橋率5% 95.2 41.0 24.9 2.1 ────────────────────────────────────
【0029】実施例5 実施例2と同様に調製した架橋率0.5、2.5、5、
10及び20%の架橋ヒアルロン酸フイルム及び実施例
3と同様に調製したヒアルロン酸フイルムについて、水
分含有率及び引っ張り強さを測定した。水分含有率は
l.5×l.5cmの大きさに切り出したフイルムの重
量を測定した後、五酸化りん存在下60℃で4時間減圧
し、再び重量を測定して、その重量変化から算出した。
また、引っ張り強さはフイルムをダンベル型に打ち抜い
た後、レオメーター(モデルNRM−2010J―C
W,不動工業)で測定して求めた。
【0030】測定結果を表2に示した。同表から明らか
なように、水分含有率及び引っ張り強さは架橋ヒアルロ
ン酸フイルムの架橋率に依存せず、何れの架橋率におい
ても同等の強度を有していることを示している。
【表2】 ──────────────────────────────────── 試料 水分含有率(%) 引っ張り強さ(N/cm2) ──────────────────────────────────── ヒアルロン酸フイルム 9.4 5327 ──────────────────────────────────── 架橋ヒアルロン酸フイルム 架橋率0.5% 9.5 5124 架橋率2.5% 8.9 5818 架橋率5% 8.7 5558 架橋率10% 8.4 5835 架橋率20% 8.4 5274 ────────────────────────────────────
【0031】以下、本架橋ヒアルロン酸の癒着防止効果
について記述する。実施別6(腱の癒着防止効果) 生後3カ月の雌の白色レグホンを用いた。動物に塩酸ケ
タミン(動物用ケタラール50,三共)50mg/kg
を筋肉注射して全身麻酔を施し、駆血下で両側第3趾深
趾屈筋腱の切断実験を施行した。まず、蹠側に波状切開
を加え、深趾屈筋腱及び腱鞘を遠位趾節間関節レベルで
露出して腱を切断した。腱鞘の近位と遠位から切断した
第3趾深趾屈筋腱の近位端と遠位端を引き出し6−0ル
ープナイロンを用いて津下法で縫合した。A群には分子
量190万の1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液0.2ml
を腱縫合部に滴下した。B群、C群、D群及びE群に
は、架橋率0.5,2.5,5及び10%の架橋ヒアル
ロン酸フィルムで腱縫合部を包む処置を施した。F群に
は生理食塩液0.2mlを滴下した。腱縫合後はボクシン
グ・グローブ位で3週間固定した。術後6週目に動物を
屠殺し、腱滑動距離を測定して癒着の程度を評価した。
なお、架橋ヒアルロン酸フィルムは生理食塩液で膨潤さ
せた状態においても、手術時のピンセットによる取り扱
いに十分耐える強度を有していた。しかし、架橋率10
%の架橋ヒアルロン酸フィルムは、架橋率0.5〜5%
のものに比して硬いため、取り扱い時に破損するものが
多く、操作性が悪かった。
【0032】腱滑動距離の測定は、以下の方法で行っ
た。手術趾である第3趾を中手指間関節レベルで切断し
て基節骨部を測定板に固定した。その際、近位指節間関
節、遠位指節間関節の固定は行わずに自由な運動を許し
た。中手指節間関節の切断端から深趾屈筋腱を確認して
近位方向に牽引を加えた。深趾屈筋腱に加える牽引力は
バネはかりで計測し約2Kgとした。その際に引き出され
る深趾屈筋腱の長さを腱滑動距離とした。第4指を非手
術趾として同様の方法で深趾屈筋腱が引き出される距離
を求めた。そして、第3指の深趾屈筋腱の引き出し距離
との比を腱滑動度とし、癒着の程度を腱の滑動性から評
価した。
【0033】結果を表3に示す。腱滑動度は1%ヒアル
ロン酸群81.6±6.2%、対照群68.2±5.1
%で、1%ヒアルロン酸群に有意な(p<0.001)
癒着防止作用が認められた。架橋ヒアルロン酸フィルム
群の腱滑動度は平均値で90.2〜92.2%で1%ヒ
アルロン酸群より有意に(p<0.01〜0.001)
高く、更に優れた癒着防止作用が認められた。
【表3】 ────────────────────────────────── 実験群 腱滑動度(%) ────────────────────────────────── A群(1%ヒアルロン酸) 81.6±6.2 ────────────────────────────────── B群(架橋率0.5%ヒアルロン酸フィルム) 90.9±4.7 C群(架橋率2.5%ヒアルロン酸フィルム) 91.0±4.9 D群(架橋率5%ヒアルロン酸フィルム) 92.2±5.0 E群(架橋率20%ヒアルロン酸フィルム) 90.2±6.0 ────────────────────────────────── F群(生理食塩液) 68.2±5.1 ──────────────────────────────────
【0034】また、術後3週目に腱及び周囲組織を採取
して、病理組織学的検索に供した。すなわち、採取した
組織を10%ホルマリン液で固定した後脱水し、パラフ
ィン包埋した。包埋した組織を薄切し、ヘマトキシリン
・エオジン染色標本を作製し、光学顕微鏡にて観察し
た。腱縫合部は、周囲組織からの肉芽組織の侵入によっ
て癒合していた。腱縫合部のコラーゲン線維は、A群、
B群、C群、D郡及びF群では、何れの群においても長
軸方向に並んでおり、癒合状態に差は認められなかっ
た。このことは、ヒアルロン酸及び架橋ヒアルロン酸は
腱の治癒に対して悪影響を及ぼさないことを示してい
る。しかしながら、E群では、他の群と比べて線維の癒
合状態が疎であった。このことは、架橋率の高い架橋ヒ
アルロン酸フィルムを用いた場合には腱の治癒が遅延す
ることを示している。
【0035】実施例7(腹膜の癒着防止効果) 体重200〜250gのWistar系雄性ラットを用
いた。ラットをペントバルビタールナトリウム麻酔後、
無菌状態で中央線で切開して開腹した。盲腸を創外に引
き出し、乾燥したスポンジで擦過した後乾燥させた。更
に壁側腹膜を1cm四方にわたりメスで擦過して点状の出
血を生じさせた後、A群には分子量190万の1%ヒア
ルロン酸ナトリウム溶液4mlを擦過部に滴下した。ま
た、B群、C群、D群及びE群には架橋率0.13,
0.5,2.5及び20%の架橋ヒアルロン酸フィルム
をそれぞれ擦過部を覆う形で貼り付けた。F群には生理
食塩液2mlを滴下した。閉腹は3−0ナイロン縫合糸
(エチコン)を用いて実施した。手術7日後に動物を屠
殺して開腹し、盲腸と壁側腹膜間の癒着の有無を判定し
た。なお、癒着の判定に際しては、膜状のごく軽度の癒
着は癒着と判定せず、線維状〜厚い癒着を生じた場合を
癒着と判定した。
【0036】結果を表4に示した。生理食塩液を使用し
たF群では、94%の高率で癒着を生じた。1%のヒア
ルロン酸溶液を使用したA群ではF群と比較すると癒着
の頻度は低くなるものの、39%に癒着を生じた。架橋
率0.13%の架橋ヒアルロン酸フィルムを用いたB群
では癒着の頻度は33%と低くなるものの、A群と大き
な差を認めなかった。架橋率0.5及び2.5%の架橋
ヒアルロン酸フィルムを用いたC群及びD群において
は、癒着の頻度はそれぞれ6及び0%とごく低率を示し
た。E群においては、癒着の頻度は39%とむしろ高値
を示した。開腹時の肉眼観察では、A群及びB群では残
留物を認めなかった。C群では多くの動物で、形状のま
とまらない架橋ヒアルロン酸フィルムの残留物をごく小
量認めた。D群では、分解されて薄くなった膜状の架橋
ヒアルロン酸フィルムの残留物を小量認めた。E群で
は、多くの動物で、破損したシートの残留物が投与部位
以外に散在していた。また、癒着を認めなかった個体で
は、何れの群においても擦過部位に出血などを認めず、
治癒が進んでいた。
【0037】この結果と実施例4で示した生体内滞留性
の実験結果から、癒着防止作用は架橋ヒアルロン酸の滞
留性、すなわちその架橋率と密接な相関関係にあること
がわかる。
【表4】 ──────────────────────────────────── 群 A B C D E F ──────────────────────────────────── 癒着の程度 7/18 6/18 1/18 0/18 7/18 17/18 % 39% 33% 6% 0% 39% 94% ────────────────────────────────────
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる癒着
防止剤は、カルボキシル基同士を架橋した架橋ヒアルロ
ン酸から構成することにより、水不溶性となることか
ら、組織局所において所望する期間滞留させ、効果を持
続させることができ、術後の癒着発生を顕著に減少させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において特徴的なヒアルロン酸架橋機構
の説明図である。
【図2】本発明にかかる癒着防止剤の架橋率と膨潤倍率
の説明図である。
【図3】本発明にかかる癒着防止剤の架橋率とヒアルロ
ニダーゼによる分解率の説明図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】このような課題を解決するものとして、光
架橋性ムコ多糖を用いた癒着防止技術がある(特開平6
73102,三輪裕通ほか、人工臓器、22、37
6、1993,Matuda,T.et al.,AS
AIO Journal,39,M327,199
3)。この技術は、ムコ多類(ヒアルロン酸またはコン
ドロイチン硫酸)の水酸基に光二量化性基であるケイ皮
酸あるいはチミンを導入し、紫外線照射により光二量化
性基を重合させてムコ多類を架橋するものであり、光架
橋性ヒアルロン酸フイルムが得られている。また、光二
量化性基の導入率を上げることにより水に不溶化させる
ことに成功し、低膨潤性が示されている。しかしなが
ら、ムコ多糖の水酸基間の架橋であり、カルボキシル基
が遊離で残存しているため、水不溶性で、且つ低膨潤性
の性質を得るために、ケイ皮酸あるいはチミンという分
子が数多く導入されており、ヒアルロン酸本来の性質が
失われている。また、製造工程にも複数のステップを要
する等課題を残している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を詳細に説明
する。なお、以下の実施例は、本発明を説明するための
ものであって、本発明をこれに限定するものではない。 実施例1 純水200mlにりん酸−アンモニウム40mg、分子
量80万のヒアルロン酸ナトリウム2gを加えて溶解し
た液6個を用意し、それぞれに4%エチレングリコール
ジグリシジルエーテル水溶液を0.06、0.12、
0.3、0.6、1.2及び2.4ml加えて均一な溶
液とした。各溶液の一定量を平板シャーレに流し込み、
80℃の空気循環式恒温槽に14時間放置して架橋反応
を行わせた。60%エタノール溶液で洗浄、乾燥した
後、それぞれのフイルムを剥離し、厚さ0.06〜0.
08mmの架橋ヒアルロン酸フイルムを調製した。これ
らはいずれも水不溶性で、水中での膨潤も殆ど観察され
なかった。なお、架橋ヒアルロン酸の架橋率は、添加し
た架橋剤の全量がヒアルロン酸のカルボキシル基と反応
すると仮定して算出した。架橋率100%とは、全ての
カルボキシル基が架橋点になっていることを意味する。
上記の添加量の場合、架橋率はそれぞれ0.5、1、
2.5、5、10、及び20%に相当する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】実施例3 本実施例は、架橋ヒアルロン酸フィルムのウシ睾丸ヒア
ルロニターゼによる酵素分解性をみたもので、架橋ヒア
ルロン酸フイルムの生体内分解性を示すものである。実
験には実施例1で得た架橋率0.5、1、2.5、
10、及び20%の架橋ヒアルロン酸フイルムを用い
た。上記の架橋ヒアルロン酸フィルム約10mgを0.
1Mリン酸緩衝液(pH7.0)3.96ml中に入れ
たのち、10400U/mlのウシ睾丸ヒアルロニダー
ゼ(タイプVI−S,シグマ)0.04mlを加え、3
7℃の恒温水浴中で反応させた。反応後24時間まで経
時的に小量の反応液を採取してカルバゾール硫酸法(B
itter,T.& Muir,H.,Anal.Bi
ochem,4,330,1962)によりヒアルロン
酸量を測定し、架橋ヒアルロン酸フイルムの分解率を求
めた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】実施例4 本実施例は、実施例3の結果を踏まえて実施したもの
で、架橋ヒアルロン酸フイルムのラット皮下への埋め込
み実験による生体内滞留性の違いを示すものである。実
験には実施例1と同様にして得た架橋率1、3及び5%
の架橋ヒアルロン酸フイルムを用いた。ただし、エンド
トキシンの混入をさけるため、水は局方注射用水を使用
し、ヒアルロン酸溶液は0.45μmのメンブランフィ
ルターにて濾過菌して平板シャーレに流し込んだ。ま
た、分子最90万のヒアルロン酸ナトリウムの1%水溶
液を実施例1と同様に一定量を平板シャーレに流し込
み、80℃の空気循環式恒温槽に16時間放置して得た
厚さ0.07mmのヒアルロン酸フイルムを対照として
用いた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】結果を表3に示す。腱滑動度は1%ヒアル
ロン酸群81.6±6.2%、対照群68.2±5.1
%で、1%ヒアルロン酸群に有意な(p<0.001)
癒着防止作用が認められた。架橋ヒアルロン酸フィルム
群の腱滑動度は平均値で90.2〜92.2%で1%ヒ
アルロン酸群より有意に(p<0.01〜0.001)
高く、更に優れた癒着防止作用が認められた。
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梁木 利男 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 (72)発明者 山口 道広 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒアルロン酸を構成するグルクロン酸残
    基のカルボキシル基が両末端エポキシ化合物系架橋剤に
    より架橋された、下記一般式化1で示される癒着防止
    剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項lに記載の癒着防止剤において、
    カルボキシル基間の架橋率が、0.5〜5%であること
    を特徴とする癒着防止剤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の癒着防止剤において、シ
    ート状若しくはフイルム状であることを特徴とする癒着
    防止剤。
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