JPH08156871A - 自転車用変速操作装置 - Google Patents

自転車用変速操作装置

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JPH08156871A
JPH08156871A JP29811794A JP29811794A JPH08156871A JP H08156871 A JPH08156871 A JP H08156871A JP 29811794 A JP29811794 A JP 29811794A JP 29811794 A JP29811794 A JP 29811794A JP H08156871 A JPH08156871 A JP H08156871A
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shift
shifter
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Toru Takeda
徹 竹田
Kazuaki Miyata
和明 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 速度が低下してシフトダウンを必要とするブ
レーキ作動時のシフトダウン操作を安全かつ快適で容易
に行えるようにした自転車用変速操作装置を提供するも
のである。 【構成】 変速ワイヤ7の巻取リール4と一体的に同芯
でシフター1の操作により回動するラチェット5と、該
ラチェット5の多数の凹部5Bに選択係止される位置保
持爪6Aによって前記巻取リール4の位置を保持する変
速位置保持機構6’とからなる変速操作部3を備えた自
転車用変速操作装置において、前記位置保持爪6Aを前
記ラチェット5の凹部5Bから外す位置保持解除機構6
を備えるとともに、該位置保持解除機構6を操作する解
除レバー2をブレーキレバー12と同時に握れる位置
で、かつこれら両レバー2,12の操作方向がほぼ同方
向となるように配置したことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変速ワイヤの巻取り、
巻戻し操作によって変速される変速装置を備える自転車
に係り、特にハンドルに取り付けられるて変速ワイヤの
操作を行う自転車用変速操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の変速装置、多段あるいは
無段式の変速装置を変速するものとして以下に示すよう
な変速操作装置が使用されている。図7は実開昭60−
72796号公報に開示されたもので、変速操作部にお
ける変速位置の保持が摩擦機構によって構成される摩擦
式シフター31を備える変速操作装置30がフレーム3
6の適宜位置に取り付けられており、シフター31を矢
印Uの方向にシフトすることにより変速ワイヤ37を牽
引してシフトアップし、矢印Dの方向に戻すことにより
シフトダウンするものである。
【0003】図8は実開平5−58590号公報に開示
されたもので、変速操作部における変速位置の保持がラ
チェットと位置保持爪との係止によってなされる型式の
シフター31を備える変速操作装置30が取付金具34
によってハンドルバー35に取り付けられており、シフ
ター31のシフトアップ操作部31Uを矢印Uの方向に
シフトすることにより変速ワイヤ37を牽引してシフト
アップし、シフトダウン操作部31Dを矢印Dの方向に
戻すことによりシフトダウンするものである。本従来例
では、シフター31の操作によって前記変速操作部が一
段毎にシフトアップおよびシフトダウンする型式であ
る。なお、33は変速段位を表示する表示窓を示す。
【0004】図9は実開平6−53392号公報に開示
されたもので、前記図8に開示の従来例と同様に、変速
操作部における変速位置の保持がラチェットと位置保持
爪との係止によってなされる型式のシフター31を備え
る変速操作装置30が取付金具34によってハンドルバ
ー35に取り付けられ、シフター31のシフトアップ操
作部31Uを矢印Uの方向にシフトすることにより変速
ワイヤ37を牽引して1段ずつシフトアップし、シフト
ダウン操作部31Dを矢印Dの方向に戻すことにより1
段ずつシフトダウンするものである。本従来例ではシフ
ター31に加えて解除レバー35を設置し、詳しい説明
は前記公報の記載に譲り図示は省略するが、該解除レバ
ー35の操作ストロークに応じて揺動する一対の位置保
持爪が互いに高さの異にする爪群を有する一対のラチェ
ットに選択係合することによって、解除レバー35によ
るシフトダウンが中速度段以上では中速度段にシフトダ
ウンし、中速度段以下ではローリターンとなるように構
成されたものである。
【0005】以上説明したものの他に、前記変速操作部
における変速位置の保持が節度機構によって構成される
グリップ式シフターや、前記変速操作部における変速位
置の保持が摩擦機構によって構成される摩擦式シフター
等も使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したような変速操
作装置を備える自転車において、発進時あるいは走行中
に坂道等にさしかかった場合には、変速装置のシフトダ
ウンのために前記変速操作装置のシフターを操作する必
要があり、通常、ハンドルを握った手指を握りから放す
か、親指によって前記シフターを操作していた。ところ
が、このような発進時あるいは坂道等においては何ら問
題はないが、信号や緊急停止のためにブレーキを作動さ
せて自転車の速度が低下した後に再発進する場合には、
シフターあるいは解除レバーを操作して変速装置をシフ
トダウンする必要があった。 このために、また再びハ
ンドルを握った手指を握りから放すか、親指によってシ
フターあるいは解除レバーを操作せねばならず、該操作
が面倒であるために高速度段位そのままで再発進を行
い、ハンドルがふらつき、加速に多くの力と時間を要す
る等の結果を招くことがあった。しかも、ブレーキ動作
という危険な動作に続いてシフターあるいは解除レバー
を手指で操作する必要があり、このためにハンドルの握
りから手を放すか、手指にて操作することは走行が不安
定となり、安全上好ましいことではないし、特に冬期に
は煩わしいものであった。また手指にて変速操作中にブ
レーキ操作をする必要が生じた場合にも的確な操作がし
にくいものであった。その上、変速装置を備えた自転車
に乗り慣れていない者にとっては、その変速時期のタイ
ミングが分かりにくいものであった。したがって、本発
明では上記したような従来の変速操作装置における諸課
題を解決して、速度が低下してシフトダウンを必要とす
るブレーキ作動時のシフトダウン操作を安全かつ快適で
容易に行えるようにした自転車用変速操作装置を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、変速
ワイヤの巻取リールと一体的に同芯でシフターの操作に
より回動するラチェットと、該ラチェットの多数の凹部
に選択係止される位置保持爪によって前記巻取リールの
位置を保持する変速位置保持機構とからなる変速操作部
を備えた自転車用変速操作装置において、前記位置保持
爪を前記ラチェットの凹部から外す位置保持解除機構を
備えるとともに、該位置保持解除機構を操作する解除レ
バーをブレーキレバーと同時に握れる位置で、かつこれ
ら両レバーの操作方向がほぼ同方向となるように配置し
たことを特徴とするので、これを課題解決のための手段
とするものである。また本発明は、前記解除レバーの端
部が前記ブレーキレバーの長さのほぼ中間に位置するよ
うに構成したことを特徴とするものである。さらに本発
明は、前記ブレーキレバーに解除レバーに対して出没す
るピン部材を設置することによって、これら両レバーの
連動およびその解除を可能にしてもよい。そして本発明
は、前記変速操作部が一段毎にシフトアップおよびシフ
トダウンする型式でもよい。また、前記変速操作部が一
段毎にシフトアップおよびシフトダウンする型式であ
り、かつ解除レバーの操作によるシフトダウンが中速度
段以上では中速度段にシフトダウンし、中速度段以下で
はローリターンとなる型式でもよく、前記変速操作部に
おける変速位置の保持が節度機構によって構成されるグ
リップ式シフターでもよいし、前記変速操作部における
変速位置の保持が摩擦機構によって構成される摩擦式シ
フターでもよい。
【0008】
【作用】本発明は、変速ワイヤ7の巻取リール4と一体
的に同芯でシフター1の操作により回動するラチェット
5と、該ラチェット5の多数の凹部5Bに選択係止され
る位置保持爪6Aによって前記巻取リール4の位置を保
持する変速位置保持機構6’とからなる変速操作部3を
備えた自転車用変速操作装置において、前記位置保持爪
6Aを前記ラチェット5の凹部5Bから外す位置保持解
除機構6を備えるとともに、該位置保持解除機構6を操
作する解除レバー2をブレーキレバー12と同時に握れ
る位置で、かつこれら両レバー2、12の操作方向がほ
ぼ同方向となるように配置したことにより、速度が低下
してシフトダウンを必要とするブレーキ作動時のシフト
ダウン操作を、ハンドルから手を放すことなく安全かつ
容易に行えるので、比較的危険なブレーキ作動時に、重
い荷物や子供を乗せている場合であってもこれらに何ら
頓着することなく、軽快かつ安全に再発進を行うことが
できる。また、前記解除レバー2の端部が前記ブレーキ
レバー12の長さのほぼ中間に位置するように構成すれ
ば、ブレーキ作動によって、自転車が停止またはそれに
近い低速状態になることが予想される場合には、ブレー
キレバー12を根元の方まで深く握ることで、解除レバ
ー2とブレーキレバー12とを同時に操作して、制動と
同時に変速装置を一気にローあるいは中速度段にシフト
ダウンすることができる。また、スピードコントロール
のために制動をかける場合には、ブレーキレバー12の
外側端の半分を握れば、変速装置のシフトダウンを伴う
ことなく制動装置のみの操作を行うことができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1〜図3は本発明の自転車用変速操作装置の第1
実施例を示すもので、図1は本発明による変速操作装置
をブレーキレバー12が取り付けられたハンドルバー1
1の握り13の近傍に取り付けた状態の平面図であり、
カバーを取り外して変速操作部3が露呈して示されてい
る。変速操作部3は、図示外の内装式あるいは外装式の
変速装置に連結された変速ワイヤ7の巻取リール4と一
体的に同芯でシフター1の操作により回動するラチェッ
ト5と、該ラチェット5の多数の凹部5Bに選択係止さ
れる位置保持爪6Aによって前記巻取リール4の位置を
保持する変速位置保持機構6’とからなる。本発明の変
速操作装置は、この変速操作部3に加えて前記位置保持
爪6Aを前記ラチェット5の凹部5Bから外す位置保持
解除機構6を備えるとともに、該位置保持解除機構6を
操作する解除レバー2をブレーキレバー12と同時に握
れる位置で、かつこれら両レバー2、12の操作方向が
ほぼ同方向となるように配置したものである。本実施例
では、前記解除レバー2の端部が前記ブレーキレバー1
2の長さのほぼ中間に位置するように構成されている。
また、前記変速操作部3は一段毎にシフトアップおよび
シフトダウンする型式である。
【0010】以下、第1実施例の作用を図2および図3
によって説明する。図2(A)は変速操作部3が2段〜
トップの変速位置にある場合を示しており、図2(B)
は変速操作部3の各部品の分解図を示し、図2(C)は
ラチェット5と変速位置保持機構6’および後述する変
速位置制御機構8との関係を拡大して示す図である。シ
フター1は図示しないセレクトリターンばねにより常時
は図示の中立位置に付勢され、この時、シフター1の回
転板1A上に反時計方向に付勢、軸支されている送り爪
9はガイド部10上に待機している。今、シフター1の
シフトアップ操作部1Uを矢印Uの方向に押圧操作する
ことによって、送り爪9は前記ガイド部10から下りて
ラチェット5の周面を回転移動してラチェット5の爪5
A部に至り、該爪5Aを押圧してラチェット5を矢印の
ごとく回動させる。ラチェット5の各爪5Aがシフター
1のシフトダウン回動方向側に倒れているので、この
時、前記ラチェット5の爪5A間の凹部5Bに係止され
ている位置保持爪6Aは変速位置保持機構6’のラチェ
ット5側へのリターンばね6Sの付勢に抗して揺動し、
前記ラチェット5の回転を許容する。なお、変速位置制
御機構8は中立時にはラチェット5の爪5Aから離れて
おり、後述する解除体14の戻しアーム14Bが変速位
置制御機構8のアーム8Bに当接することによって、そ
の他端側の位置制御爪8Aがラチェット5の爪5A間の
凹部5Bに係止されるように構成されている。かくし
て、シフター1のシフトアップ動作によって前記送り爪
9はラチェット5の爪5A1個分を回動させて1段のシ
フトアップを終了してガイド部10上再び待機し、変速
位置保持機構6’の位置保持爪6Aはラチェット5にお
ける隣の凹部5Bに係止される。
【0011】次に、シフター1のシフトダウン操作部1
Dを矢印Dの方向に押圧操作することによって、シフタ
ー1の回転板1A上の送り爪9の支軸が解除体14のア
ーム14Aを時計方向に押圧し、該解除体14の反対側
に突設された戻しアーム14Bが位置保持解除機構6で
ある解除レバー2のアーム2Aをリターンばね6Sの付
勢力に抗して時計方向に揺動させてラチェット5の凹部
5Bとの係止を解く。これに先立って、前記戻しアーム
14Bは前記変速位置制御機構8のアーム8Bに当接し
てその他端側の位置制御爪8Aがラチェット5の爪5A
間の凹部5Bに係合されるので、前記ラチェット5即ち
該ラチェット5と一体的な変速ワイヤ7の巻取リール4
が回動し過ぎることなくラチェット5の爪5A1個分だ
け巻き戻される。これによって、シフター1のシフトダ
ウン操作部1Dの操作による1段毎のシフトダウンがな
されたことになる。
【0012】図3(A)は本発明による解除レバー2を
操作した状態を示している。図の状態では、シフター1
は中立なので、前記解除体14も中立であり、したがっ
て解除体14の戻しアーム14Bも変速位置制御機構8
のアーム8Bに当接せず、位置制御爪8Aはラチェット
5の爪5A間の凹部5Bから開放されている。ここで、
位置保持解除機構6である解除レバー2を白矢印のごと
く押圧操作すると、リターンばねの付勢力に抗して時計
方向に回動して解除レバー2の他端の位置保持爪6Aが
ラチェット5の爪5A間の凹部5Bとの係止が解かれ
る。これによって、変速位置保持機構6’および変速位
置制御機構8の位置制御爪8Aのいずれの係止からも開
放されたラチェット5即ちこれと一体的な変速ワイヤ7
の巻取リール4が内蔵するリターンばねの力によって一
気にシフトダウンされる。
【0013】図3(B)は変速操作部3が最低速段のロ
ー位置にある状態を示している。前記図3(A)の操作
によって巻き戻された変速ワイヤ7の巻取リール4即ち
これと一体的なラチェット5の爪5Aの中の一番高い爪
(ストッパー)5Cに、変速位置保持機構6’における
位置保持爪6Aが係止されてラチェット5の回動が停止
する。以上のような動作を行う変速操作装置を図1に示
したように、位置保持解除機構6を操作する解除レバー
2をブレーキレバー12と同時に握れる位置で、かつこ
れら両レバー2、12の操作方向がほぼ同方向となるよ
うに配置したことにより、速度が低下してシフトダウン
を必要とするブレーキ作動時のシフトダウン操作を、ハ
ンドルの握り13から手を放すことなく安全かつ容易に
行えるので、比較的危険なブレーキ作動時に、重い荷物
や子供を乗せている場合であってもこれらに何ら頓着す
ることなく、軽快かつ安全に再発進を行うことができ
る。また、前記解除レバー2の端部が前記ブレーキレバ
ー12の長さのほぼ中間に位置するように構成すれば、
ブレーキ作動によって、自転車が停止またはそれに近い
低速状態になることが予想される場合には、ブレーキレ
バー12を根元の方まで深く握ることで、解除レバー2
とブレーキレバー12とを同時に操作して、制動と同時
に変速装置を一気にローあるいは中速度段にシフトダウ
ンすることができる。また、スピードコントロールのた
めに制動をかける場合には、ブレーキレバー12の外側
端の半分を握れば、変速装置のシフトダウンを伴うこと
なく制動装置のみの操作を行うことができる。
【0014】図4および図5は本発明の自転車用変速操
作装置の第2実施例を示すもので、本実施例は、変速操
作部3における変速位置の保持が節度機構によって構成
されるグリップ式シフターであることを特徴とするもの
で、図4(A)によってグリップ式シフター21をブレ
ーキレバー12が取り付けられたハンドルバー11の握
り13の部分に取り付けた状態の平面図を示すものであ
り、図4(B)は図4(A)の下方から見た底面図であ
る。図5は図4(B)のA−A断面図であり、変速操作
部3はブレーキレバー12をハンドルバー11に取り付
けるための取付金具の内部に収納形成されている。グリ
ップ式シフターは変速機側のリターンばねによってロー
側に牽引されているので、シフター内部にリターンばね
を設けなくても、位置保持爪を外せば、変速ワイヤーを
通じてロー側に牽引される。図5(A)は変速操作部3
がトップ位置にある状態を示しており、変速操作部23
は図示外の内装式あるいは外装式の変速装置に連結され
た変速ワイヤ(図示せず)の巻取リール24と一体的な
同芯でグリップ式シフター21の回動操作により回動す
るラチェット25と、該ラチェット25の多数の爪25
A間の凹部25Bに選択係止される位置保持爪28Aに
よって前記巻取リール4即ちラチェット25の位置を保
持する変速位置保持機構28とからなる。変速位置保持
機構28は圧縮ばね27によってその位置保持爪28A
を前記ラチェット25の凹部25Bに付勢されて節度機
構を構成しておリ、前記グリップ式シフター21を比較
的大きな力によって回動すれば、前記圧縮ばね27に抗
してラチェット25即ち変速ワイヤの巻取リール24を
回動させてシフトダウンあるいはシフトアップすること
が可能である。
【0015】本実施例では、この変速操作部23に加え
て前記位置保持爪28Aを前記ラチェット25の凹部2
5Bから外す位置保持解除機構26を備えるとともに、
前記第1実施例と同様に、図4に示したように該位置保
持解除機構26を操作する解除レバー22をブレーキレ
バー12と同時に握れる位置で、かつこれら両レバー2
2、12の操作方向がほぼ同方向となるように配置した
ものである。前記解除レバー22の操作部22Aの押圧
による揺動操作を前記変速位置保持機構28に伝えるに
は、該変速位置保持機構28のロッド28Aの端部を折
り曲げて形成した戻しアーム28Bに当接する解除レバ
ー22のアーム端部22Bが図4(B)および図5
(B)白矢印のように戻しばね27に抗して前記変速位
置保持機構28のロッド28Aを牽引するものである。
図5(B)は今まさにロッド28Aが牽引されて変速位
置保持機構28の位置保持爪28Aがラチェット25の
トップ用の凹部25Bから開放されたところを示すもの
で、ラチェット25即ち変速ワイヤの巻取リール24が
内蔵のリターンばねによって一気にローリターンを行う
ところである。図5(C)は、図5(B)による解除レ
バー22の操作によって変速操作部23がローリターン
後のロー位置にあるところを示すものである。
【0016】図6は本発明の自転車用変速操作装置の第
3実施例を示すもので、図6(A)に示すように、ブレ
ーキレバー12に解除レバー2に対して出没するピン部
材15を設置したものである。 ブレーキレバー12に
上下に貫通する孔12Aを穿設し、該孔12Aに対応し
て下方に位置する解除レバー2にも孔2Bを穿設する。
図6(A)のB−B断面である図6(B)に示すよう
に、ブレーキレバー12の孔12A内にピン部材15を
下方から挿入し、該ピン部材15の頭部にノブ15Aを
螺合する。ピン部材15の側面には球面状の凹部17が
上下に2個刻設され、該凹部17とブレーキレバー12
の側面から挿入して設けられたばね19およびボール1
8とによって節度機構が構成される。これら両レバーの
連動が必要な時は、前記ノブ15Aを下方へ押圧するこ
とによりピン部材15の下端を解除レバー2の孔2Bに
係止すればよい。そして両レバーの連動を解除する時
は、前記ノブ15Aを上方へ引いてピン部材15の下端
を解除レバー2の孔2Bから開放すればよい。本実施例
では、解除レバー2の長さを短く形成し、通常のブレー
キレバー12の手の操作位置の範囲外にあってもよい。
これによって、制動時にシフトダウンすることが多い場
合を優先し、常時はピン部材15を下方位置に置いてブ
レーキレバー12と解除レバー2とを連動状態にしてお
き、単なるブレーキングのときのみピン部材15を上方
へ引いて使用することが可能になる。なお、前記ブレー
キレバー12と解除レバー2の操作中心は同じでないの
で、解除レバー2の孔2Bは長さ方向に長く形成され
る。
【0017】以上3つの実施例について説明したが、本
発明では、前記図9で説明したような変速操作部が一段
毎にシフトアップおよびシフトダウンする型式であり、
かつ解除レバーの操作によるシフトダウンが中速度段以
上では中速度段にシフトダウンし、中速度段以下ではロ
ーリターンとなる型式のものに採用してもよい。さら
に、本発明は前記変速操作部における変速位置の保持が
摩擦機構によって構成される摩擦式シフターである形式
のものにも採用が可能である。
【0018】以上本発明の実施例について説明してきた
が、本発明の趣旨の範囲内で、解除レバーの形状、位置
保持爪との関連形状、シフターの形状、解除レバーとシ
フターとの位置関係、シフターとハンドル握りとの位置
関係等については適宜選択できることは言うまでもない
ことである。
【0019】
【発明の効果】以上詳細に説明してきたように、本発明
によれば、変速ワイヤの巻取リールと一体的に同芯でシ
フターの操作により回動するラチェットと、該ラチェッ
トの多数の凹部に選択係止される位置保持爪によって前
記巻取リールの位置を保持する変速位置保持機構とから
なる変速操作部を備えた自転車用変速操作装置におい
て、前記位置保持爪を前記ラチェットの凹部から外す位
置保持解除機構を備えるとともに、該位置保持解除機構
を操作する解除レバーをブレーキレバーと同時に握れる
位置で、かつこれら両レバーの操作方向がほぼ同方向と
なるように配置したことにより、速度が低下してシフト
ダウンを必要とするブレーキ作動時のシフトダウン操作
を、ハンドルから手を放すことなく安全かつ容易に行え
るので、比較的危険なブレーキ作動時に、重い荷物や子
供を乗せている場合であってもこれらに何ら頓着するこ
となく、軽快かつ安全に再発進を行うことができる。ま
た、前記解除レバーの端部が前記ブレーキレバーの長さ
のほぼ中間に位置するように構成すれば、ブレーキ作動
によって、自転車が停止またはそれに近い低速状態にな
ることが予想される場合には、ブレーキレバーを根元の
方まで深く握ることで、解除レバーとブレーキレバーと
を同時に操作して、制動と同時に変速装置を一気にロー
あるいは中速度段にシフトダウンすることができる。そ
して、スピードコントロールのために制動をかける場合
には、ブレーキレバーの外側端の半分を握れば、変速装
置のシフトダウンを伴うことなく制動装置のみの操作を
行うことができる。しかも、本発明の機能を各種の変速
操作装置に容易に採用することが可能であり、きわめて
その効力が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自転車用変速操作装置の第1実施例を
示す図である。
【図2】図1の第1実施例の自転車用変速操作装置の変
速操作部の分解図および作用を示す図である。
【図3】図1の第1実施例の自転車用変速操作装置の作
用を示す図である。
【図4】本発明の自転車用変速操作装置の第2実施例を
示す図である。
【図5】図3の第2実施例の自転車用変速操作装置の作
用を示す図である。
【図6】本発明の自転車用変速操作装置の第3実施例を
示す図である。
【図7】自転車用変速操作装置の第1の従来例を示す図
である。
【図8】自転車用変速操作装置の第2の従来例を示す図
である。
【図9】自転車用変速操作装置の第3の従来例を示す図
である。
【符号の説明】
1 シフター 2 解除レバー 3 変速操作部 4 巻取リール 5 ラチェット 5A 凹部 6 変速保持解除機構 6’ 変速位置保持機構 6A 位置保持爪 7 変速ワイヤ 8 変速位置制御機構 8A 位置制御爪 9 送り爪 11 ハンドルバー 12 ブレーキレバー 13 握り

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速ワイヤの巻取リールと一体的に同芯
    でシフターの操作により回動するラチェットと、該ラチ
    ェットの多数の凹部に選択係止される位置保持爪によっ
    て前記巻取リールの位置を保持する変速位置保持機構と
    からなる変速操作部を備えた自転車用変速操作装置にお
    いて、前記位置保持爪を前記ラチェットの凹部から外す
    位置保持解除機構を備えるとともに、該位置保持解除機
    構を操作する解除レバーをブレーキレバーと同時に握れ
    る位置で、かつこれら両レバーの操作方向がほぼ同方向
    となるように配置したことを特徴とする自転車用変速操
    作装置。
  2. 【請求項2】 前記解除レバーの端部が前記ブレーキレ
    バーの長さのほぼ中間に位置するように構成したことを
    特徴とする請求項1に記載の自転車用変速操作装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキレバーに解除レバーに対し
    て出没するピン部材を設置することによって、これら両
    レバーの連動およびその解除を可能にしたことを特徴と
    する請求項1に記載の自転車用変速操作装置。
  4. 【請求項4】 前記変速操作部が一段毎にシフトアップ
    およびシフトダウンする型式であることを特徴とする請
    求項1に記載の自転車用変速操作装置。
  5. 【請求項5】 前記変速操作部が一段毎にシフトアップ
    およびシフトダウンする型式であり、かつ解除レバーの
    操作によるシフトダウンが中速度段以上では中速度段に
    シフトダウンし、中速度段以下ではローリターンとなる
    型式であることを特徴とする請求項1に記載の自転車用
    変速操作装置。
  6. 【請求項6】 前記変速操作部における変速位置の保持
    が節度機構によって構成されるグリップ式シフターであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の自転車用変速操作
    装置。
  7. 【請求項7】 前記変速操作部における変速位置の保持
    が摩擦機構によって構成される摩擦式シフターであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の自転車用変速操作装
    置。
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