JPH08156184A - フィルムラミネート溶接缶体 - Google Patents

フィルムラミネート溶接缶体

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JPH08156184A
JPH08156184A JP6329521A JP32952194A JPH08156184A JP H08156184 A JPH08156184 A JP H08156184A JP 6329521 A JP6329521 A JP 6329521A JP 32952194 A JP32952194 A JP 32952194A JP H08156184 A JPH08156184 A JP H08156184A
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film
tin
steel sheet
granular tin
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JP6329521A
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Hideyuki Yoshizawa
英幸 吉沢
Yasuo Honma
靖雄 本間
Shunzo Miyazaki
俊三 宮崎
Koji Matsushima
浩二 松島
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Hokkaican Co Ltd
Original Assignee
Hokkaican Co Ltd
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Publication date
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造する際の溶接性とラミネート密着性に優
れ、且つ後工程での加工性及び耐内容物適性にも優れて
いるフィルムラミネート溶接缶体を提供すること 【構成】 缶胴部を構成する表面処理鋼板の表面に、5
0%分離平均粒径が0.3μm以上、2.0μm未満で
ある粒状錫が、片面当り300mg/m2以上、800
mg/m2未満の付着量で且つ鋼板面の被覆率が5〜5
0%となるように分散状に形成され、この粒状錫の上層
及び粒状錫に被覆されていない鋼板面上にクロメート層
が形成され、粒状錫上のクロメート層の付着量が金属ク
ロム換算で4〜30mg/m2であり、前記保護被覆層
は少なくとも、厚さ5〜50μmのポリエステルフィル
ムとこれを表面処理鋼板面に接着する接着剤層とを有し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品や飲料等の充填保存
に適した缶詰用のフィルムラミネート溶接缶体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から缶の胴部には内面の耐食性を高
めるための塗装や外面の印刷、保護塗装等の塗装が行わ
れてきたが、近年、この塗装に代えて樹脂フィルムを張
り付けることで耐食性をより一層高め且つ内容物の香り
の保存性を高めたラミネート缶が登場し、急速に普及し
つつある。このラミネート缶は塗装工程で発生する溶媒
臭気がなくなるなど環境汚染の面でも有利であり、また
缶外面についてはグラビア印刷を施した美麗なフィルム
をラミネートすることも可能である。
【0003】従来、食缶や飲料缶等の溶接缶用の素材と
しては、高速溶接性に優れた薄錫めっき鋼板が最も多く
用いられているが、この薄錫めっき鋼板をラミネート溶
接缶の素材とした場合、樹脂フィルムと下地の密着性が
十分に得られないという欠点がある。これに対して、テ
インフリー鋼板は薄錫めっき鋼板に較べてラミネート密
着性が格段に優れており、加工や加熱に際しても良好な
密着性を維持し、ラミネート後の耐食性も非常に優れて
いる。しかし、このテインフリー鋼板は溶接性に劣ると
いう非常に大きな欠点があり、高速溶接はおろか、通常
速度の溶接すら困難である。
【0004】従来、テインフリー鋼板の溶接性向上を図
るために、(1)クロムめっき層の下層に錫めっき層を設
けることで溶接性を改善した表面処理鋼板(特開昭62
−124296号、特公昭61−1518号、特開昭5
6−127776号、特開昭56−44797号等)、
(2)クロムめっき層の下層にニッケルめっき層を設ける
ことで溶接性を改善した表面処理鋼板(特開昭60−4
0396号、特開昭62−107097号、特開昭61
−91393号、特開昭62−205297号等)、
(3)クロムめっき層自体を特別な構成(多くは溶接時の
抵抗を減少させるためにクロムめっきを突起状としたり
或いは不連続化した構成)とすることで、クロムめっき
層およびクロム水和酸化物層の絶縁性を改善し、溶接性
を改善した表面処理鋼板(特開昭62−20529号、
特開昭62−99497号、特開昭63−35797
号、特開昭62−63678号、特開昭61−2818
99号、特開昭61−213399号)、(4)クロムめ
っき層の下層に、錫−鉄合金層または錫−鉄−ニッケル
合金層とその上層に不連続状若しくは島状に分布する純
錫層とからなるめっき層を設けることで溶接性を改善し
た表面処理鋼板(特公昭61−36595号、特公昭6
2−54399号、特公平1−54437号)等が提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのうち
(1)の表面処理鋼板は、接触抵抗を低下させるために錫
めっきを施しているため、薄錫めっき鋼板と同様溶接性
は改善されるものの、テインフリー鋼板本来の特性であ
る優れたラミネート密着性が得られない欠点がある。ま
た(2)及び(3)の表面処理鋼板は、優れたラミネート密着
性は得られるものの高速溶接性が不十分であり、近時の
生産性の高い高速製缶には適さない。さらに、(4)の表
面処理鋼板は不連続状若しくは島状に分布した錫層を有
しているため優れた溶接性は得られるものの、その下層
に錫合金層を有するため上記(1)の表面処理鋼板と同様
優れたラミネート密着性が得られない欠点がある。
【0006】また、特開昭60−67677号では、塗
装焼き付け時の錫の合金化を抑制して溶接性を向上させ
るため、鋼板表面に粗大粒錫めっきを形成し、その上層
にクロメート層を形成した表面処理鋼板が提案されてい
る。しかし、この提案では鋼板面上の錫めっきの皮膜構
造が具体性に欠け、これをラミネート溶接缶用途に適用
しても優れたラミネート密着性を得ることができない。
すなわち、後述するように樹脂フィルムのラミネートは
本来的に塗膜に較べて密着性が著しく劣っており、した
がって、優れたラミネート密着性を得るためには、錫め
っきの鋼板面での被覆率等をはじめとする錫めっき自体
の皮膜構造を厳密に規定する必要がある。これに対して
特開昭60−67677号の表面処理鋼板は塗膜の形成
を前提としたものであり、優れたラミネート密着性が得
られるような錫めっきの特別な皮膜構造については何ら
開示されていない。
【0007】以上のように、現状ではラミネート密着性
と高速溶接性の両方を十分に満足させるような溶接缶用
表面処理鋼板は知られていない。また、ラミネートフィ
ルムに関しても、二軸延伸ポリエステルフィルム、特に
所謂PETフィルムは鋼板に対する密着性が極めて低
く、このようなラミネートフィルムを用いた場合の密着
性、さらには得られた缶体の後工程での加工性、缶詰と
した場合の耐内容物適性等の面で優れた特性を有するラ
ミネート構造が求められている。したがって、本発明の
目的は、製造する際の溶接性が優れ且つラミネート密着
性にも優れたフィルムラミネート溶接缶体を提供するこ
とにある。また、本発明の他の目的は、上記の特性に加
えて、保護被覆が缶体の後工程での加工性、缶詰とした
場合の耐内容物適性にも優れているフィルムラミネート
溶接缶体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明のフィルムラミネート溶接缶体は、以下
のような構成を有する。 (1) 表面処理鋼板の少なくとも缶胴内面側に対して、そ
の両端縁部を除いた部分に保護被覆層を形成し、該表面
処理鋼板の両端縁部を重ね合わせて溶接接合することに
より缶胴部を形成した溶接缶体において、前記表面処理
鋼板は、鋼板表面に、50%分離平均粒径が0.3μm
以上、2.0μm未満である粒状錫が、片面当り300
mg/m2以上、800mg/m2未満の付着量で且つ鋼
板面の被覆率が5〜50%となるように分散状に形成さ
れ、この粒状錫の上層及び粒状錫に被覆されていない鋼
板面上にクロメート層が形成され、粒状錫上のクロメー
ト層の付着量が金属クロム換算で4〜30mg/m2
あり、前記保護被覆層は少なくとも、厚さ5〜50μm
のポリエステルフィルムとこれを表面処理鋼板面に接着
する接着剤層とを有していることを特徴とするフィルム
ラミネート溶接缶体。 但し、50%分離平均粒径:各
粒状錫の径を当該粒状錫と面積が等しい円形の直径と定
義した場合、粒状錫の粒径分布をとり、特定の粒径以上
の粒状錫による鋼板面の累積被覆面積が粒状錫全ての被
覆面積の50%となる際の前記特定の粒径粒状錫上のク
ロメート層の付着量:粒状錫の上層に存在する付着量の
クロメート層が鋼板全面に形成されたと仮定したときの
1m2当たりの付着量
【0009】(2) 上記(1)のフィルムラミネート溶接缶
体において、接着剤層が、数平均分子量5000〜20
000のビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物系
硬化剤とを含む熱硬化型接着剤を主体とする接着剤から
なっているフィルムラミネート溶接缶体。 (3) 上記(1)のフィルムラミネート溶接缶体において、
接着剤層が、熱硬化型ポリエステル樹脂系接着剤を主体
とする接着剤からなっているフィルムラミネート溶接缶
体。 (4) 上記(1)、(2)または(3)のフィルムラミネート溶接
缶体において、缶胴外面側に印刷フィルム被覆層を有
し、該印刷フィルム被覆層は、少なくとも上層側から順
にポリエステルフィルム、印刷インキ層及び接着剤層を
有し、該接着剤層を介して表面処理鋼板面に接着されて
いるフィルムラミネート溶接缶体。 (5) 上記(4)のフィルムラミネート溶接缶体において、
印刷フィルム被覆層が上層側から順にオーバーコート
層、ポリエステルフィルム、印刷インキ層及び接着剤層
を有し、該接着剤層を介して表面処理鋼板に接着されて
いるフィルムラミネート溶接缶体。
【0010】
【作用】以下、本発明のフィルムラミネート溶接缶体の
構成の詳細とその限定理由を説明する。 (1)缶材 本発明の溶接缶体を構成する表面処理鋼板は、鋼板面に
錫(粒状錫)を有する部分とクロメート皮膜のみの部分
とがミクロに交互配置された複合被覆構造を有する。こ
のような被覆構造では、粒状錫の存在によって優れた高
速溶接性が得られるとともに、錫の存在しない部分、す
なわち、鋼板面に網目状に存在するクロメート皮膜によ
って、優れたラミネート密着性が得られる。
【0011】溶接缶用の素材は、塗装する場合であろう
とフィルムをラミネートする場合であろうと、製缶時に
おける溶接性が十分に確保される必要があることは言う
までもなく、したがって、ぶりきや薄めっきぶりきと同
様、低融点金属である金属錫の存在が高速溶接性を確保
するための必要条件となる。しかし、このような金属錫
を有する表面処理鋼板をラミネート用の素材として使用
する場合、通常行われる樹脂フィルムの熱圧着もしくは
接着工程で受ける加熱によって、錫が素地鉄と合金化し
て高融点のFeSn2を形成してしまい、これが溶接性
に悪影響を与えてしまう。特に、錫を単純に薄めっきし
た場合には錫のほとんどが合金化し、溶接性を著しく劣
化させる。
【0012】加熱後の状態でも必要量の金属錫を確保す
るという課題に対しては、金属錫と素地鉄との合金化反
応は錫と鉄との拡散反応であるため、錫めっき量が同じ
であれば鉄と錫の接触面積すなわち錫の被覆面積が少な
ければ少ないほど拡散量も少なくなり、金属錫を確保し
易くなる。したがって、錫めっきの被覆を鋼板面に不連
続に形成させれば、ラミネート時の加熱による錫の無用
な拡散を防止し、錫めっき量に対して合金化する錫量の
割合を低減させることができる。また、このように錫が
鋼板面に対して不連続に分散した状態で存在していて
も、所定の付着量が確保されるならば、溶接性に何らの
問題も生じない。したがって、このような錫の不連続被
覆によって高速溶接性の劣化という問題を生じることな
く錫の節減も可能となる。
【0013】一方、錫の鋼板面に対する不連続被覆は、
言い換えれば鋼板表面の露出を意味する。鋼板表面に生
じている薄い酸化皮膜は強いラミネート密着力を有して
おり、ラミネートされる樹脂フィルムは塗装と比較して
格段にイオンが透過しにくく、また加工による欠陥も生
じにくいため、錫が不連続被覆されただけの鋼板に樹脂
フィルムをラミネートしても短期間の使用は可能であ
る。また、網目状に露出した鋼板表面の鉄酸化物の密着
力によって樹脂フィルムが保持されるため、製缶時のネ
ックイン加工やフランジ加工によって樹脂フィルムに大
きな応力が残留しても剥離を生じにくく、一応の密着性
を有する。
【0014】しかし、樹脂フィルムはイオンの透過を完
全に遮蔽するものではなく、また、微小欠陥等の全くな
い完全無欠の樹脂フィルムもあり得ない。したがって、
レトルト処理や長期保存によって、加工部において樹脂
フィルム下の鉄酸化物がわずかに溶解して缶内容物中に
鉄イオンが混入し、缶内容物の味や香りを変えることが
ある。また、この鉄酸化物の溶解で樹脂フィルムの密着
性が劣化することもある。そこで本発明では、鋼板表面
を粒状の金属錫で不連続状に被覆することで、少ない錫
めっき量によって高速溶接性を確保し、また、露出した
鋼板表面をクロメート皮膜で被覆することで、ラミネー
ト後の高度の耐食性を付与するとともに、内容物を長期
保存した際のラミネート密着性の劣化を防ぐことができ
るような皮膜構造とした。
【0015】まず、缶材のめっき原板として用いられる
鋼板に特別な制約はなく、一般に容器用の材料として使
用されている鋼板を用いることができる。めっき原板の
製造方法、材質等にも特段の制約はなく、通常の鋼製造
工程から熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、調質圧延等
の各工程を経て製造される鋼板でよい。また、めっき原
板は、必要とされる缶体強度および板厚に応じて調質圧
延に代えて二次冷間圧延を実施することにより製造され
た鋼板であってもよい。
【0016】溶接缶の素材は、溶接時に散りの発生がな
く、十分な溶接強度が得られる適正溶接範囲が広ければ
広いほど溶接性は良好と評価される。シーム溶接性を向
上させるには、電極と材料表面との界面及び材料間の界
面での接触抵抗を低減させることが最も効果がある。そ
の理由は、それらの界面での接触抵抗が高いと溶接時に
電流が集中するため局部的な発熱が起こり、散りが発生
するからである。つまり、溶接強度を確保するために溶
接電流を増加させていった場合、十分な溶接強度が得ら
れる前に局部発熱が起こった場所で散りが発生するた
め、適正溶接電流範囲が存在しなくなり、溶接性は不良
と評価される。これに対して、電極と材料表面との界面
及び材料間の界面での接触抵抗が低いと、電流が集中す
るために起こる局部的な発熱が生じにくく、したがって
散りの発生がないため適正溶接電流範囲が確保され、溶
接性は良好と評価される。
【0017】上記のようなシーム溶接性の劣化は、特に
溶接速度が高い高速溶接の場合に顕著である。すなわ
ち、溶接速度が70m/分以上になると単位時間当たり
の熱の流入量が多くなって散りが発生し易くなり、適正
溶接範囲は狭くなる。したがって高速溶接においては、
広い適正溶接電流範囲を確保するために接触抵抗のより
一層の低減が必要になる。少ない錫の使用量で良好な高
速溶接性を得るための皮膜構造としては、本発明のよう
に鋼板表面に粒状の不連続な金属錫を被覆させ、その上
にクロメート層を設けるという皮膜構造が最適である。
【0018】錫によって良好な溶接性が確保できる理由
は、以下のように考えられる。 (1) 軟質な金属が鋼板表面に存在した場合、溶接時に電
極から加えられる加圧によって電極と材料表面との界面
及び材料表面との界面での接触面積が広がる結果、接触
抵抗が大幅に低減され、電流の局部集中が抑えられる。 (2) 金属錫は低融点金属であるため溶接初期の発熱によ
って容易に融解し、電極と材料表面との界面及び材料間
の界面での接触面積が広がる結果、接触抵抗が大幅に低
減され、電流の局部集中が抑えられる。
【0019】このような作用効果を少ない錫使用量の下
で得るためには、通常の鋼板面全体を覆う均一な錫めっ
きでは困難であり、錫を不連続にめっきして鋼板表面の
一部のみを被覆させるようにすることが重要である。こ
れは、鋼板面全体を覆う薄い錫めっきでは、高温短時間
で行われる樹脂フィルムの接着ラミネート時に錫めっき
層が全て合金化するため、軟質低融点の金属錫が残留し
なくなり、上述した溶接時の接触抵抗の低減効果が得ら
れなくなるからである。錫の合金化は鋼板と錫の界面に
おいて高さ方向に進行するため、粒状錫を鋼板面に不連
続状に形成させれば、合金化する金属錫量を低減させて
粒状の金属錫を残留させることができる。
【0020】一方、樹脂フィルムとめっき鋼板表面との
間には、ネックイン加工などに耐え得る密着力が存在し
なければならない。樹脂フィルムをラミネートした場
合、加工によって変形した樹脂フィルムが元の形に戻ろ
うとする残留応力は、塗装塗膜に比較して格段に大きい
ため、従来必要とされた塗料密着性よりはるかに大きな
密着力でないと、加工部分で剥離を生じる。
【0021】また、溶接や補修塗装後の加熱処理の際に
熱が作用した場合、樹脂フィルムは収縮しようとする。
この時に樹脂フィルムとめっき鋼板表面との間に空気や
水が閉じ込められていると、その部分の樹脂フィルムの
密着力が低下してしまう。そして、このように密着力が
低下した部分ができると、ネックイン加工やフランジ出
し加工あるいはフランジ部への蓋巻絞め加工時にフィル
ムの剥離が起こる。特に、樹脂フィルムのラミネートで
は、塗装の場合とは異なり、めっき鋼板表面に凹凸があ
るとラミネート時に樹脂フィルムが凹凸による凹みの底
までは入り込みにくいため、この凹部に空気や水分が巻
き込まれ易い。
【0022】このように本来的に密着性が劣化し易い樹
脂フィルムを、溶接性を保持するために錫を使用しため
っき鋼板にラミネートする場合、錫が鋼板表面全体を覆
う皮膜構造としたのでは優れたラミネート密着性を得る
ことは困難である。本発明者らが各種缶用の表面処理鋼
板についてラミネートの剥離界面を光電子分光を使用し
て分析したところ、表面に錫を有するめっき鋼板では、
その錫が金属錫であるか合金錫であるかに拘りなく、ラ
ミネートの剥離が錫酸化物の内部で生じていることが判
明した。そして、錫が鋼板表面全体を覆う構造である限
り、その錫層が金属錫層であっても、また合金錫層であ
っても、或いは金属錫と合金錫との複合層(例えば、鋼
板表面全体を覆う合金錫層の上に不連続な金属錫層が存
在する場合等も含む)であっても、さらにはその上層に
クロメート層が存在していても、強い加工が加えられた
場合には、鋼板全面に極く僅かに存在する錫酸化物によ
ってラミネートの十分な加工密着性が得られないことが
判った。
【0023】そして、溶接性を保持するために錫を使用
しためっき鋼板において優れたラミネート密着性を得る
ためには、本発明のように粒状錫により鋼板面を不連続
状に被覆し、鋼板表面の一部を露出させることが重要で
あり、この露出した鋼板面により優れたラミネート密着
性を確保することができる。これは、鋼板全面に形成さ
れる平滑な錫めっき層では、鋼板全面に錫酸化物が存在
することになり、良好なラミネート密着性が期待できな
くなるからである。しかし、単純に粒状錫で鋼板面を不
連続に被覆しただけでは優れたラミネート密着性を得る
ことができず、以下に述べるような条件が必要である。
【0024】まず、溶接缶体として鋼板面に存在する粒
状錫の付着量は、鋼板片面当り300mg/m2以上、
800mg/m2未満とする。錫付着量が300mg/
2未満では単位時間当たりの入熱量の大きい高速溶接
において良好な溶接性を得ることができない。また、錫
付着量が800mg/m2以上となると、通常の錫めっ
きでは粒状錫の被覆率を50%以下とすることが困難と
なり、優れたラミネート密着性を得ることはできない。
一方、錫めっきによっては、粒状錫の高さを高くするこ
とにより付着量800mg/m2以上でも鋼板面の被覆
率を50%以下にすることは可能であるが、この場合に
は、粒状錫により鋼板表面の凹凸が大きくなるため、上
述した理由によりラミネート密着性が低下する。
【0025】さらに、鋼板面に不連続に存在する粒状錫
の寸法は50%分離平均粒径で0.3μm以上、2.0
μm未満とする。ここで、50%分離平均粒径とは、各
粒状錫の径を当該粒状錫と面積が等しい円形の直径と定
義した場合、粒状錫の粒径分布をとり、特定の粒径以上
の粒状錫による鋼板面の累積被覆面積が粒状錫全ての被
覆面積の50%となる際の前記特定の粒径を指す。各粒
状錫の面積は走査型電子顕微鏡による観察で求め、これ
と面積が等しい円形の直径を各粒状錫の径とする。
【0026】粒状錫の50%分離平均粒径が0.3μm
未満では、上述した所望の付着量を確保しようとした場
合、粒状錫の被覆率が増大し、またラミネート時に合金
化する錫量も増大するため、溶接性能が低下するととも
にラミネート密着性も低下する。一方、50%分離平均
粒径が2.0μm以上では、錫めっき後の鋼板表面の凹
凸が大きくなるため、ラミネート時に軟化した樹脂フィ
ルムが凹凸による凹みの底まで入り込みにくく、このた
めその凹みに空気や水分が巻き込まれ、上述した理由に
よりラミネート密着性が低下する。
【0027】また、錫の被覆率は鋼板表面に対して5〜
50%とする。被覆率が5%未満では、溶接時に電極か
ら加えられる加圧によって電極と材料表面との界面およ
び材料間の界面の接触面積はある程度は拡大されるもの
の、必要な接触面積が確保できないため接触抵抗の低減
が十分でなく、必要量の金属錫が存在していても良好な
高速溶接性が得られない。一方、粒状錫の被覆率が50
%を超えると鋼板表面の露出率が小さくなり過ぎ、ラミ
ネートの十分な密着力を確保することが困難となる。
【0028】先に述べたように、缶体の素材である表面
処理鋼板の粒状錫は樹脂フィルムをラミネートする際の
加熱によってその一部が合金化するものであり、したが
って、素材としての表面処理鋼板の粒状錫の付着量と被
覆率等の構成は、当然のこととして溶接缶体のそれとは
異っている。したがって、本発明の溶接缶体を製造する
ためには、目標とする缶体の粒状錫の付着量や被覆率等
とラミネート時における粒状錫の一部の合金化を考慮し
て、素材としての表面処理鋼板の粒状錫付着量や被覆率
等を確保しておく必要がある。
【0029】素材となる表面処理鋼板の製造において、
上述した粒状錫を鋼板表面に不連続に形成させる方法に
特別な制約はない。簡単で且つ工業的に大量生産可能な
方法としては、電気めっき法、溶射による方法、真空蒸
着による方法があり、特に、電気めっき法はぶりき製造
における電気錫めっきラインがそのまま使用でき、ま
た、錫と鋼板との界面に鉄錫合金をもたない金属錫だけ
からなる被覆が得られるという点で有利である。
【0030】電気錫めっき法で用いるめっき浴として
は、ぶりき製造用の既存のフェノールスルフォン酸(P
SA)を含むフェロスタン浴等がそのまま使用できる
が、既存のめっき液は、錫を極力均一に被覆させるとい
う意図で設計された組成であるため、このめっき液を用
いる場合には、極めて低い電流密度領域でめっきを行う
必要がある。このためブリキ製造に用いられる既存の酸
性錫めっき液については、その組成中の界面活性剤(光
沢剤)を除いた液組成とすることが好ましい。このよう
なめっき液を用いることにより、錫の析出が粒状化して
不連続な被覆となり、通常の電流密度でめっきを実施し
ても本発明の粒状錫による被覆が得られる。また、例え
ば、硫酸換算で10〜100g/1のメタンスルホン酸
(MSA)の酸性水溶液で、2価Snイオン量:10〜
100g/1、電流密度:10〜100A/dm2の条
件で錫めっきを行うことにより粒状錫被覆が適切に得ら
れる。また、この錫めっきでは、Snイオンの酸化防止
の目的でめっき液中に水酸化フェノール等の酸化防止剤
を加えてもよい。
【0031】本発明の溶接缶体では、粒状錫を被覆した
上に鋼板全面に対してクロメート層が形成されるが、粒
状錫の表面と粒状錫に被覆されない鋼板表面とを全く同
じクロメート層で被覆することは、錫と鋼の電気化学的
特性の違いから困難である。本発明では、粒状錫上のク
ロメート量と錫に被覆されない鋼板表面のクロメート量
について、それぞれの品質に対する影響を検討した。
【0032】鋼板表面に形成されたクロメート層は、鉄
酸化物皮膜よりもラミネート密着性に効果がある。これ
は、クロメート層の表面に存在するクロム水和酸化物が
高分子を形成し、有機皮膜との高い密着力を有している
ためである。また、クロメート層は樹脂フィルム下のみ
ならず、外面の溶接補修塗装部においても、内容物の長
時間の保存によって塗膜下で発生する糸状錆の抑止に効
果がある。このような耐食性は、クロム水和酸化物の電
気伝導性が悪く、酸素過電圧が大きいという特性によっ
て、樹脂フィルム下や補修塗膜下で安定な層を形成し、
樹脂フィルムや塗膜を透過した水分やイオンによる腐食
を防止するためである。
【0033】一方、粒状錫上に形成されたクロメート層
はラミネート密着性に有害な錫酸化物の成長を抑止し、
長期間にわたってラミネート密着性を劣化させない特性
がある。しかし、このクロメート層は溶接性に対しては
不利となる。クロメート層は、クロム水和酸化物単一層
の場合とクロム水和酸化物層の下層に金属クロム層を有
する複合皮膜の場合とがあるが、いずれの場合も表層の
クロム水和酸化物層は電気伝導度が極めて悪く、また金
属クロムは融点が高い金属であるため、両者とも溶接性
を劣化させる要因となる。特に、特に粒状錫上に存在す
るクロメート層は高速溶接性に直接影響する。
【0034】したがって、クロメート層は優れたラミネ
ート密着性を維持し且つ高速溶接性を実用上劣化させな
いために、その付着量を適正な範囲に規制する必要があ
る。粒状錫上のクロメート層の付着量はEPMA分析に
よって測定でき、本発明ではこのクロメート層の付着量
を金属クロム換算で4〜30mg/m2とする。この場
合の付着量とは、1m2当たりに存在する粒状錫の上層
のみのクロメート層の合計付着量ではなく、粒状錫の上
層に存在する付着量のクロメート層が鋼板全面に形成さ
れたと仮定したときの1m2当たりの付着量である。
【0035】このクロム付着量が4mg/m2未満で
は、缶内容物の長期間保存によって粒状錫表面の酸化被
膜が成長し、加工部分のレトルト後のラミネート密着性
が十分に得られない。一方、クロム付着量が30mg/
2を超えると溶接時の接触抵抗が増加し、局部的な散
りが発生し易くなるため高速溶接性が劣化する。一方、
粒状錫で被覆されていない鋼板面上に形成されるクロメ
ート層の付着量には特別な制約はなく、クロメート層が
少しでも存在すればラミネート密着性、耐糸錆性ともに
所望の性能が得られる。
【0036】また、通常のクロメート処理を行えば、粒
状錫で被覆されていない鋼板面も粒状錫上のクロメート
層にほぼ近い付着量のクロメート層が形成される。ま
た、錫と鋼の表面電位差等を積極的に利用して、粒状錫
上のクロメート層のクロム付着量を4〜30mg/m2
とし、粒状錫に被覆されていない鋼板面上のクロメート
層のクロム付着量を、テインフリー鋼板並みの30〜1
50mg/m2とすることも可能であり、このような表
面処理鋼板は優れた塗装後耐食性も有するため、ラミネ
ート溶接缶用途のみならず、従来からの塗装溶接缶の材
料としても使用可能である。
【0037】クロメート処理条件に特別な制約はなく、
各種のクロム酸のナトリウム塩、アンモニウム塩等の金
属塩を含む水溶液による浸漬処理、スプレー処理、電解
処理等を実施するこができるが、この中では電解処理、
とりわけクロム酸に硫酸イオン等を添加した水溶液中で
行う陰極電解処理が最も優れている。液の組成にも特別
な制約はなく、例えば、薄錫めっき鋼板表面に金属クロ
ムを有するクロメート層を形成するクロメート処理に用
いられる液組成、或いは電解クロメート処理鋼板を製造
する際に用いられる液組成を使用し、電流密度と電解時
間を適宜制御することによりクロメート層の付着量を調
整することができる。
【0038】(2)保護被覆層 本発明の溶接缶体は、上記缶材(表面処理鋼板)の少な
くとも缶胴内面側に対して、その両端縁部を除いた部分
に保護被覆層を形成し、この缶材の両端縁部を重ね合わ
せて溶接接合することにより缶胴部を形成した溶接缶体
であり、上記缶胴内面側の保護被覆層は少なくとも、ポ
リエステルフィルムとこれを表面処理鋼板面に接着する
接着剤層とから構成されている。また、必要に応じて、
缶胴外面側は印刷フィルム被覆層を有し、この印刷フィ
ルム被覆層は、少なくとも上層側から順に設けられるポ
リエステルフィルム、印刷インキ層及び接着剤層を有
し、また、好ましくは上層側から順に設けられるオーバ
ーコート層、ポリエステルフィルム、印刷インキ層及び
接着剤層から構成される。
【0039】以下、缶胴内面側の保護被覆層について説
明する。保護被覆層を構成するポリエステルフィルムと
しては、強度、透明性及びフレーバーの保持等の缶詰の
耐内容物適性に優れている、ジカルボン酸成分とジオー
ル成分との重縮合により得られるポリエステルであれば
どのようなものであってもよいが、特に、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族
ジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール等のジオール類との重縮合
により得られるポリエステルが好ましく、そのなかでも
特に、テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮合に
より得られるポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムが最も好ましい。これらのポリエステルは、上記
ジカルボン酸成分またはジオール成分に、必要に応じて
他のジカルボン酸成分またはジオール成分を含んでもよ
い。
【0040】ポリエステルフィルムは接着剤層を介して
缶材に接着されるが、接着剤の接着力を向上させるた
め、接着剤が塗布される前に予めコロナ放電等による表
面酸化処理が施されていることが好ましい。ポリエステ
ルフィルムの厚さは5〜50μmとする。ポリエステル
フィルムの厚さが5μm未満では加工時に傷つきやす
く、ピンホール等が発生して缶体の腐食、金属の溶出を
防止する効果が十分に得られないことがある。また、厚
さが50μmを超えると残留応力が大きくなり、缶胴部
にネックイン加工等の絞り加工を施した際に、ポリエス
テルフィルムの鋼板面に対する密着性が低下する傾向が
ある。
【0041】接着剤としては、熱可塑型接着剤、熱硬化
型接着剤、電子線硬化型接着剤等の使用が可能である
が、ポリエステルフィルムの取扱中の残留応力の除去を
接着剤の加熱処理時に行うことでラミネート後の良好な
特性を得るという観点からすると、熱硬化型接着剤が最
も適している。この熱硬化型接着剤としては、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシポリエステル樹脂等
を主剤とし、これに硬化剤としてアミノプラスト樹脂、
ブロックイソシアネート化合物、酸無水物系化合物等を
用いた熱硬化型樹脂系接着剤であって、ポリエステルフ
ィルムに塗布された硬化前の状態でタックフリーのもの
が適している。
【0042】これらの熱硬化型接着剤の中でも特に、
(a)数平均分子量5000〜20000のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤とを70/3
0〜90/1の重量比で含む接着剤を主体としたもの、
(b)ジカルボン酸成分としてテレフタル酸またはイソ
フタル酸を用い、所望により脂肪族系ジカルボン酸を併
用して得られるコポリエステル樹脂とアミノプラスト樹
脂またはブロックイソシアネート化合物を70/30〜
95/5の重量比で含む接着剤を主体としたものが、特
に好ましい。
【0043】上記接着剤(a)において、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂の数平均分子量が5000未満では
接着強度が不足し、一方、数平均分子量が20000を
超えると接着剤組成物を溶剤に溶かした際に高粘度とな
り、ポリエステルフィルムへの塗装作業性が低下するた
め好ましくない。また、数平均分子量が5000未満で
は塗布乾燥して形成した接着剤層の粘着性が高くなり、
タックフリー性が低下する。また、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂/酸無水物系硬化剤の重量比は、これが9
9/1を超えると高温で加熱してもエポキシ樹脂の硬化
に長時間を要し、一方、重量比が70/30未満では硬
化剤の添加量に見合うエポキシ樹脂の硬化促進効果が得
られない。
【0044】上記酸無水物系硬化剤としては、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸、無水フタル酸、テトラ無水フタル酸等の
酸無水物及びその誘導体を挙げることができるが、その
なかでも硬化性、塗布後の膜の耐ブロッキング性、タッ
クフリー性等に優れている点から、無水トリメリット酸
及びその誘導体からなる無水トリメリット酸系硬化剤が
適している。この硬化剤としては、グリセロールトリス
トリメリテート、無水トリメリット酸の2量体、エチレ
ングリコールビストリメリテート等を挙げることができ
る。
【0045】前記接着剤(b)としては、ジカルボン酸
成分としてテレフタル酸またはイソフタル酸を用い、所
望によりアジピン酸またはセバシン酸のような脂肪族系
ジカルボン酸を併用して得られるコポリエステル樹脂と
アミノプラスト樹脂またはブロックイソシアネート化合
物を用いるが、〔コポリエステル樹脂〕/〔アミノプラ
スト樹脂またはブロックイソシアネート化合物〕の重量
比が95/5を超えると高温で加熱しても接着剤の硬化
が不十分となるため十分な密着性が得られず、一方、重
量比が70/30未満では硬化が進み過ぎて接着剤層の
加工性が低下するので好ましくない。上記コポリエステ
ル樹脂は、所望に応じてエポキシ樹脂と反応させてエポ
キシポリエステル樹脂として使用することもできる。
【0046】ポリエステルフィルムは缶材(表面処理鋼
板)の表面に前記接着剤層を介して加熱接着されるの
で、熱処理に対する寸法安定性を確保するために、材料
物性的には150℃に30分保持したときの長手方向の
熱収縮率が1.2%以下、巾方向の熱収縮率が0%の二
軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
また、前記寸法安定性を確保するために、予め160℃
で6秒程度保持する熱処理を施してもよい。
【0047】次に、缶胴外面側の印刷フィルム被覆層に
ついて説明する。この印刷フィルム被覆層を構成するポ
リエステルフィルム及び接着剤の材質は特に限定しない
が、強度、密着性、透明性等の観点から、先に述べたよ
うなフィルム及び接着剤を用いることが好ましい。な
お、接着剤層は金属素地を隠蔽するために無機顔料また
は有機顔料を含んでいることが好ましく、顔料としては
酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンは〔接着剤の主
剤+硬化剤〕/〔酸化チタン〕の重量比で20/80〜
80/20の範囲とすることが好ましい。
【0048】前記ポリエステルフィルムは印刷等のない
ものでも良いが、缶体に美粧性を付与したり所要の表示
を行うために印刷が施されたものであってもよく、この
場合には前記接着剤層とポリエステルフィルムとの間に
印刷インキ層が設けられる。これにより印刷インキ層が
ポリエステルフィルムによって外傷から保護されるので
好ましい。印刷インキ層の材質としてはポリエステルフ
ィルム及び接着剤層との密着性が良好なものが好まし
く、その樹脂系としては、例えばエポキシブチラール・
ポリイソシアネート樹脂またはポリウレタン・ポリイソ
シアネート樹脂が適している。
【0049】前記オーバーコート層は熱硬化型樹脂から
構成することが好ましく、この熱硬化型樹脂としては高
温短時間で硬化フィルムを形成する樹脂、例えば、エポ
キシ樹脂とアミノプラスト樹脂とからなり硬化促進触媒
を添加した樹脂等が好ましい。このようなオーバーコー
ト層を設けた場合、ポリエステルフィルムの残留応力が
緩和されるとともにフィルムの伸縮が規制され、この結
果、寸法安定性が確保され、また耐傷性も向上する。ま
た、このオーバーコート層は内容物を充填した後、加熱
殺菌工程が行われる際にポリエステルフィルム中のオリ
ゴマーが表面に析出することを防止し、さらに滑り性を
改善する効果もある。
【0050】次に、上述した各被覆層の形成方法につい
て説明する。まず、缶胴内面側の保護被覆層について
は、ポリエステルフィルムの一方の面に接着剤を有機溶
剤等に溶解或いは分散させて塗布し、硬化反応の進行し
なような温度・時間条件で乾燥させ、接着剤層を形成さ
せる。また、缶胴外面側の保護被覆層については、ポリ
エステルフィルムの一方の面に樹脂を塗布し硬化させて
オーバーコート層を設けた後、他方の面に印刷インキ層
を形成させ、その上に上記と同様の方法で接着剤層を形
成させる。
【0051】このようにして接着剤層が形成されたフィ
ルムを表面処理鋼板にラミネートするに際しては、予め
加熱された鋼板の両面に、溶接接合を行う両端縁部を残
して、缶胴内面側の保護フィルム及び缶胴外面側の美粧
フィルムを、それぞれの接着剤層を鋼板面に向けて重ね
合わせ、圧着ロール等で押圧して仮接着し、次いで、短
時間の加熱により接着剤を硬化させて本接着を行う。こ
れにより溶接缶用フィルムラミネート鋼板が得られる。
このフィルムラミネート鋼板を常温まで冷却し、スリッ
ターを通して缶胴ブランクサイズの短冊状に裁断し、次
いでブランクを丸めて両端縁部を重ね合せて溶接接合
し、円筒状溶接缶胴を得る。次に、この円筒状溶接缶胴
の端部にネックイン加工、フランジ加工を施して別途製
造した缶蓋を二重巻締めすることにより溶接缶体とな
る。
【0052】
【実施例】缶胴外面側用のポリエステルフィルムとし
て、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(以下、PETフィルムという)を用い、そ
の一方の面にエポキシ樹脂とアミノプラスト樹脂からな
る樹脂組成物を有機溶媒に溶解させた有機溶液を塗布し
熱硬化させ、塗布量1.0g/m2の硬化オーバーコー
ト層を形成させた。次いで、PETフィルムの他方の面
にエポキシブチラール・ポリイソシアネート系樹脂また
はポリエステルポリエレタン・ポリイソシアネート樹脂
に顔料を加えた印刷インキを用いて印刷を施し、塗布量
1.0g/m2の印刷インキ層を形成させた。そして、
その上に下記またはの樹脂組成物を有機溶媒に溶解
させた樹脂溶液を塗布し、120℃で乾燥して塗布量1
2.0g/m2の熱硬化型樹脂系接着剤層を形成し、冷
却後巻き取って印刷ポリエステルフィルムを作成した。 数平均分子量10000のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂95重量部と無水トリメリット酸系硬化剤であ
るグリセロールトリストリメリテート5重量部とを含
み、酸化チタン顔料を60重量%含有する樹脂組成物 数平均分子量15000の共重合ポリエステル樹脂
80重量部とメチル化メラミン樹脂20重量部とを含
み、酸化チタン顔料を60重量%含有する樹脂組成物
【0053】また、缶胴内面側用のポリエステルフィル
ムとして、厚さ12μmのPETフィルムを用い、その
一方の面に数平均分子量10000のビスフェノールA
型エポキシ樹脂95重量部と無水トリメリット酸系硬化
剤であるグリセロールトリストリメリテート5重量部と
からなる樹脂組成物を有機溶媒に溶解させた樹脂溶液を
塗布し、120℃で乾燥して塗布量2.5g/m2の熱
硬化型樹脂系接着剤層を形成し、冷却後巻き取って内面
側保護用ポリエステルフィルムを得た。
【0054】缶胴用の表面処理鋼板として、板厚0.2
2mmの鋼帯を脱脂及び酸洗した後、下記(1)に示す条
件で不連続錫めっきし、引き続き下記(2)に示す条件で
クロメート層を形成した。電解時間の変更は、鋼帯の速
度の変更、電極の長さの変更または電解パス数の増減に
よって行った。
【0055】(1) 錫めっき条件 ・条件A 組成 MSA(硫酸換算):30g/1 Snイオン:60g/1 液温 45℃ 電流密度 30〜100A/dm2(電解時間は、付着
量に応じて調整) ・条件B 組成 PSA(硫酸換算):15g/1 Snイオン:30g/1 ENSA:6g/1 液温 45℃ 電流密度 30A/dm2(電解時間は、付着量に応じ
て調整) ・条件C 組成 条件Bと同じ 液温 条件Bと同じ 電流密度 0.1A/dm2(電解時間は、付着量に応
じて調整)
【0056】(2) クロメート処理条件 ・条件a 組成 Na2CrO7:20g/1 液温 45℃ 電流密度 3A/dm2(電解時間は、付着量に応じて
調整) ・条件b 組成 CrO3:15g/1 H2SO4:0.12g/1 液温 45℃ 電流密度 15A/dm2(電解時間は、付着量に応じ
て調整)
【0057】このようにして得られた表面処理鋼板を加
熱し、溶接接合を行う両端縁部を残して、鋼板各面に対
して上記内面側保護用ポリエステルフィルム及び印刷ポ
リエステルフィルムを、それぞれの接着剤層を鋼板面に
向けて重ね合わせ、圧着ロールで押圧して仮接着し、次
いで、215℃で1分間加熱して接着剤を硬化させ、フ
ィルムラミネート鋼板を得た。
【0058】このフィルムラミネート鋼板を常温に冷却
し、スリッターを通して缶胴ブランクサイズの短冊状に
裁断し、次いで溶接缶製造装置に供給し、両端縁部を重
ね合わせて溶接接合して溶接缶胴とした。次いで、缶胴
内外面のフィルムで被覆されていないサイドシーム部を
エポキシ樹脂系塗料で被覆補正し、更に缶胴の開口部に
ネックイン加工、フランジ加工を行った後、その一端の
フランジ部に内面側がポリエステルフィルムで被覆され
た缶蓋を二重巻締めして空缶を作成した。次いで、その
中に内容物としてコーヒーを充填し、他端開口部を前記
と同様の内面被覆した缶蓋を用いて二重巻締めして密封
し、しかる後、レトルト殺菌処理を行った。
【0059】そして、溶接性を下記の(イ)により、ま
た、得られた缶詰を37℃で6か月保存した後、缶品質
を下記(ロ)及び(ハ)により、それぞれ評価した。そ
の結果を、缶体の皮膜構成及び缶胴板剤の製造条件とと
もに表1〜表3に示す。 (イ)溶接性 スードロニック社製のワイヤーシーム溶接機FBB56
00を使用し、供試材を電極加圧力:45kgf、ワイ
ヤー供給速度:70m/minの条件で溶接電流設定を
変えて溶接して、十分な溶接強度が得られる最小電流設
定目盛りと散り等の溶接欠陥が目立ち始める最大電流目
盛りからなる適正電流設定範囲を調べ、これと溶接欠陥
の発生状況とから高速溶接性の実用性を総合的に判定し
た。その評価基準は以下の通りである。 ◎:全く異常なし ○:実用上問題なし △:適正電流設定範囲が狭く実用上問題あり ×:実用不可
【0060】(ロ)フィルムの接着性 レトルト処理後の缶胴内面側フィルムの接着性を粘着テ
ープ剥離試験により調べた。その評価基準は以下の通り
である。 ◎:異常なく良好 ○:極く僅かに剥離発生(但し、実用上問題なし) △:加工部の一部に剥離発生(実用上問題あり) ×:剥離大で実用不可 (ハ)鉄溶出量 缶詰を37℃で6か月保存した後、内容物中への鉄溶出
量を測定した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】以上述べた本発明のフィルムラミネート
溶接缶体によれば、優れたラミネート密着性を有すると
ともに、製造する際の溶接性が優れ、しかも缶体の後工
程での加工性、缶詰とした場合の耐内容物適性にも優れ
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 8/00 A C23C 28/00 C C25D 3/30 (72)発明者 松島 浩二 埼玉県岩槻市鹿室839−1 北海製罐株式 会社技術本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面処理鋼板の少なくとも缶胴内面側に
    対して、その両端縁部を除いた部分に保護被覆層を形成
    し、該表面処理鋼板の両端縁部を重ね合わせて溶接接合
    することにより缶胴部を形成した溶接缶体において、前
    記表面処理鋼板は、鋼板表面に、50%分離平均粒径が
    0.3μm以上、2.0μm未満である粒状錫が、片面
    当り300mg/m2以上、800mg/m2未満の付着
    量で且つ鋼板面の被覆率が5〜50%となるように分散
    状に形成され、この粒状錫の上層及び粒状錫に被覆され
    ていない鋼板面上にクロメート層が形成され、粒状錫上
    のクロメート層の付着量が金属クロム換算で4〜30m
    g/m2であり、前記保護被覆層は少なくとも、厚さ5
    〜50μmのポリエステルフィルムとこれを表面処理鋼
    板面に接着する接着剤層とを有していることを特徴とす
    るフィルムラミネート溶接缶体。但し、50%分離平均
    粒径:各粒状錫の径を当該粒状錫と面積が等しい円形の
    直径と定義した場合、粒状錫の粒径分布をとり、特定の
    粒径以上の粒状錫による鋼板面の累積被覆面積が粒状錫
    全ての被覆面積の50%となる際の前記特定の粒径粒状
    錫上のクロメート層の付着量:粒状錫の上層に存在する
    付着量のクロメート層が鋼板全面に形成されたと仮定し
    たときの1m2当たりの付着量
  2. 【請求項2】 接着剤層が、数平均分子量5000〜2
    0000のビスフェノールA型エポキシ樹脂と酸無水物
    系硬化剤とを含む熱硬化型接着剤を主体とする接着剤か
    らなっている請求項1に記載のフィルムラミネート溶接
    缶体。
  3. 【請求項3】 接着剤層が、熱硬化型ポリエステル樹脂
    系接着剤を主体とする接着剤からなっている請求項1に
    記載のフィルムラミネート溶接缶体。
  4. 【請求項4】 缶胴外面側に印刷フィルム被覆層を有
    し、該印刷フィルム被覆層は、少なくとも上層側から順
    にポリエステルフィルム、印刷インキ層及び接着剤層を
    有し、該接着剤層を介して表面処理鋼板面に接着されて
    いる請求項1、2または3に記載のフィルムラミネート
    溶接缶体。
  5. 【請求項5】 印刷フィルム被覆層が上層側から順にオ
    ーバーコート層、ポリエステルフィルム、印刷インキ層
    及び接着剤層を有し、該接着剤層を介して表面処理鋼板
    に接着されている請求項4に記載のフィルムラミネート
    溶接缶体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002339081A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Kawasaki Steel Corp ポリエステル樹脂被覆錫合金めっき鋼板

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JP2002339081A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Kawasaki Steel Corp ポリエステル樹脂被覆錫合金めっき鋼板

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