JPH08155424A - 溶融飛灰の処理方法 - Google Patents

溶融飛灰の処理方法

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JPH08155424A
JPH08155424A JP33163194A JP33163194A JPH08155424A JP H08155424 A JPH08155424 A JP H08155424A JP 33163194 A JP33163194 A JP 33163194A JP 33163194 A JP33163194 A JP 33163194A JP H08155424 A JPH08155424 A JP H08155424A
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fly ash
melting
molten fly
oxide
aqueous solution
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Application number
JP33163194A
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English (en)
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Yasuo Azuma
康夫 東
Yoshiaki Shimizu
由章 清水
Tomio Suzuki
富雄 鈴木
Motoo Yamada
基夫 山田
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Kansai Electric Power Co Inc
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融飛灰の体積の増大や、溶融飛灰の廃棄に
伴う各種の公害防止設備が不要として処理コストを低減
させる。 【構成】 焼却対象物を所定の溶融温度で溶融処理する
プラズマ溶融炉6を有し、プラズマ溶融炉6から排出さ
れる排ガス中に含有される溶融飛灰を捕集して水溶液中
に溶解させ、酸化物の融点が上記溶融温度以上となる有
価金属を陽極材料として上記水溶液を電気分解し、該陽
極材料よりもイオン化傾向の小さな有価金属を析出させ
て回収する。この後、上記電気分解後の水溶液にアルカ
リを投入し、残留する有価金属を水酸化物として沈殿さ
せて回収し、該水酸化物を乾燥させて酸化させ、該酸化
物を焼却対象物として上記プラズマ溶融炉6に送出する
ようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有価金属類を含有した
焼却灰や飛灰を溶融処理してスラグ化する際に発生する
溶融飛灰の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみの焼却灰は、そのままの形態で
処分場に投棄されてきたが、近年においては、都市ごみ
量の増加に伴って焼却灰の排出量が増大し、最終処分場
の残余年数と処理場の確保が新たな社会問題になってき
たため、焼却灰を1/3〜1/5に減容化することがで
きると共に処分場を延命化することができる溶融処理が
有力な焼却灰の処理手法として注目されている。
【0003】また、焼却灰には、重金属やダイオキシン
等の有害物質が含有されており、今日では、これらの有
害物質を投棄する前段階で無害化処理および安定化処理
することが法律で義務づけられている。これに対し、溶
融処理は、重金属をスラグから溶出させずにダイオキシ
ンを高温で分解して無害化できるため、このような法律
に対しても有効な処理手法として注目されている。
【0004】上記の溶融処理とは、焼却灰を融点(13
00〜1400℃)以上に加熱した後、冷却し、塊状の
スラグとする処理方法であり、焼却灰は、溶融処理が施
されることによって、焼却灰量に対して80〜90%が
スラグとされることになる。また、焼却灰中に10〜2
0%含まれる低沸点の揮散物は、排ガス中へ移行するこ
とになり、溶融飛灰として溶融炉以後の排ガス処理装置
で捕集されることになる。
【0005】ところで、焼却灰中の揮散物は、主に、金
属類の塩化物からなっているため、排ガス処理装置で捕
集された溶融飛灰中には、鉛や水銀等の重金属類が焼却
灰よりも濃縮されて存在することになる。従って、この
溶融飛灰の処理に対しても、安定化や有価物を回収する
処理を施すことが望まれており、従来は、下記の処理方
法が採用または提案されている。
【0006】即ち、第1の処理方法としては、乾式処理
を基本とし、バグフィルター等の集塵機で溶融飛灰を捕
集した後、セメント固化、キレート剤による重金属
の安定化処理を施した後、廃棄するプロセスがある。ま
た、第2の処理方法としては、特開昭63─31512
9号公報に開示されているように、焼却灰の溶融と電気
分解とを組み合わせたプロセスがある。
【0007】第2の処理方法を具体的に説明すると、都
市ごみ焼却工程の排ガス処理プロセスは、乾式処理であ
り、電気集塵機により焼却ダストの捕集を行っている。
焼却ダストの成分は、KClやNaCl等の水溶性の塩
類、CaO、Al2 3 、SiO2 等の水に不溶性の酸
化物、およびAs、Cr、Zn、Cd、Pb、Hg等の
重金属類であり、塩化物として存在しているものが多
い。
【0008】そこで、焼却ダストを電気溶融処理炉に投
入し、スラグ化させる。溶融炉は、電気抵抗炉であり、
プラズマ炉とは異なり、ジュール発熱で内部より焼却灰
を溶融する。このような内部加熱式の溶融炉であるた
め、溶融浴の下部および上部には、CaO、Al
2 3 、SiO2 を主成分とするスラグ層と、KClや
NaCl等のプラズマ炉でいう溶融飛灰に相当する成分
の層とが比重差によりそれぞれ形成される。下部のスラ
グ層は、水に難溶性であるため、そのまま投棄される。
一方、上部の層は、主成分がKClやNaCl等の水溶
性成分で構成されているため、水と混合して溶解された
後、電気分解装置に供給されて電気分解され、 2NaCl+2H2 O → 2NaOH+Cl2
2 ↑ NaCl + H2 O → NaClO+H2 ↑ のような2つの加水分解反応によって、苛性ソーダ(N
aOH)と塩素(Cl2)または亜塩素酸ソーダ(Na
ClO)として回収される。尚、上記の電気分解は、公
知の陽極と陰極とを有する隔膜型またはイオン交換膜型
により行われている。
【0009】さらに、第2の処理方法によれば、ごみ焼
却工場から発生する高温排ガスを用いて排熱回収ボイラ
から発電エネルギーを発生させ、この発電エネルギーを
電気溶融および電気分解に供給する電力として利用する
ことができるため、エネルギーを効率的に活用すること
も可能になっている。また、得られた苛性ソーダや次亜
塩素酸ソーダは、焼却工場内の各種の処理薬剤として利
用価値が高いため、電気分解により得られた回収物を有
効にプロセス内で利用することも可能になっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の溶融飛灰の処理方法では、第1の処理方法の場合、
溶融飛灰に対するセメント固化やキレート剤の安定化処
理によって、溶融飛灰の体積を増大させるという問題が
あると共に、セメントやキレート剤等によりコスト負担
が増大するという問題がある。
【0011】また、第2の処理方法の場合には、下記の
問題〜がある。即ち、焼却灰の溶融温度は、13
00〜1400℃であり、このような雰囲気では、KC
l+NaClを主成分とする溶融飛灰中に低沸点の重金
属塩化物が揮散して含まれることになる。従って、単に
公知の電極を用いた電気分解では、全ての重金属を除去
することができないという問題がある。そして、除去
されなかった重金属には、PbやHg等の有害な重金属
が多く含まれているため、電気分解後の溶液を下水道に
放液する前に、これらの重金属を公害防止設備により無
害化処理することが必要であるという問題がある。ま
た、塩化物電解液を電気分解すると、通常、アノード
(陽極)側から有害な塩素ガスが発生するため、この塩
素ガスを処理することも必要になるという問題がある。
【0012】以上のように、従来の溶融飛灰の処理方法
では、溶融飛灰の体積が増大したり、特殊な電極および
各種の公害防止設備が必要となって処理コストが増大す
るという問題があった。従って、本発明は、このような
問題を解決することができる溶融飛灰の処理方法を提供
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、有価金属類を含有した焼却対象物を溶融処理工程に
おける所定の溶融温度で溶融処理してスラグ化する際に
発生する溶融飛灰の処理方法であり、下記の特徴を有し
ている。
【0014】即ち、請求項1の溶融飛灰の処理方法は、
上記溶融処理工程から排出される排ガス中に含有される
溶融飛灰を捕集して水溶液中に溶解させ、酸化物の融点
が上記溶融温度以上となる有価金属を陽極材料として上
記水溶液を電気分解し、該陽極材料よりもイオン化傾向
の小さな有価金属を析出させて回収し、上記電気分解後
の水溶液にアルカリを投入し、残留する有価金属を水酸
化物として沈殿させて回収し、上記水酸化物を乾燥させ
て酸化させ、該酸化物を焼却対象物として上記溶融処理
工程に送出することを特徴としている。
【0015】また、請求項2の溶融飛灰の処理方法は、
請求項1の電極材料が上記水溶液に対して可溶性である
ことを特徴としている。
【0016】
【作用】請求項1の構成によれば、溶融温度未満の有価
金属が電気分解により回収され、残りの有価金属がスラ
グへの移行率が高い酸化物の状態にされた後、溶融処理
工程において再溶融処理されてスラグに移行されること
になるため、従来のように溶融飛灰の体積の増大や、溶
融飛灰の廃棄に伴う各種の公害防止設備が不要となって
処理コストを低減させることが可能になっている。
【0017】さらに、請求項2の構成によれば、水溶液
に対して可溶性の電極材料を使用しているため、塩素ガ
ス等の有害ガスの発生を防止し、作業環境を安全にする
ことが可能になっている。
【0018】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図4を用いて
説明する。本実施例に係る溶融飛灰の処理方法は、図1
に示すように、都市ごみを焼却する焼却設備から排出さ
れる焼却灰および飛灰を溶融する溶融設備において実施
されるようになっている。上記の焼却設備は、収集され
た都市ごみを粉砕および選別して不燃ごみと可燃ごみと
に分別する分別部1と、分別部1において分別された可
燃ごみを焼却する焼却炉2と、焼却炉2の排ガスから熱
を回収して電気エネルギーに変換する排熱回収部3と、
排ガス中の飛灰を捕集するバグフィルタや電気集塵機か
らなる集塵機4と、排ガスを無害化して大気中に放散す
るガス処理装置5とを有している。
【0019】上記の焼却炉2における焼却により発生し
た焼却灰(ボトム灰)および集塵機4において捕集され
た飛灰は、溶融設備に備えられたプラズマ溶融炉6に投
入されるようになっている。プラズマ溶融炉6には、上
述の排熱回収部3からの電気エネルギーにより作動され
るプラズマ発生装置7が接続されており、プラズマ溶融
炉6は、プラズマ発生装置7により生成された高温のプ
ラズマを用いて焼却灰および飛灰を1300〜1400
℃で溶融処理するようになっている。
【0020】上記のプラズマ溶融炉6は、投入された焼
却灰および飛灰の80〜90%を成分の安定したスラグ
とするようになっており、このスラグは、埋め立てもし
くは骨材等に有効利用されるようになっている。また、
プラズマ溶融炉6は、集塵機8に接続されており、投入
された焼却灰および飛灰の10〜20%の揮散物(溶融
飛灰)を含んだ排ガスを集塵機8に排出するようになっ
ている。尚、上記の揮散物には、図3に示すように、プ
ラズマ溶融炉6の溶融処理温度(1300〜1400
℃)よりも融点の低い金属類(Al、Zn、Cr、F
e、Pb、Cu、Hg)の塩化物も含まれている。
【0021】上記の集塵機8は、図1に示すように、ガ
ス処理装置9および飛灰溶解槽10に接続されており、
溶融飛灰を除去した排ガスをガス処理装置9に排出する
ようになっている一方、捕集した溶融飛灰を飛灰溶解槽
10に送出するようになっている。そして、ガス処理装
置9は、排ガスを無害化した後、大気中に放散するよう
になっており、飛灰溶解槽10は、溶融飛灰を水に溶解
させて塩化物の水溶液とするようになっている。
【0022】上記の飛灰溶解槽10は、図2に示すよう
に、Feからなる陽極11aと、これよりもイオン化傾
向の小さな金属である銅(Cu)や、若しくは酸性液中
で安定な黒鉛(C)等よりなる陰極11bとを備えた電
気分解装置11に接続されている。電気分解装置11
は、溶融飛灰の溶解された水溶液を電気分解するように
なっており、陽極材料のFeよりもイオン化傾向の小さ
な重金属(Pb、Cu、Hg)を陰極11bに析出させ
ることによって、有価物として回収させるようになって
いる。尚、電気分解に使用する電力は、新たな電力を必
要としないように、排熱回収部3の排熱回収ボイラによ
るごみ発電の電気を利用するようになっていても良い
し、小規模な電力量であるため、日中の太陽光発電によ
り得られる電気を利用するようになっていても良い。
【0023】上記の電気分解装置11は、図1に示すよ
うに、アルカリ沈殿槽12に接続されており、重金属を
析出した後の水溶液をアルカリ沈殿槽12に対して送出
するようになっている。アルカリ沈殿槽12は、電気分
解装置11から供給された水溶液にNaOH等のアルカ
リを投入することによって、陽極11aの電極材料であ
るFeよりもイオン化傾向が大きくて陰極11bに析出
しなかった金属類(Al、Zn、Cr、Fe)を水酸化
物として沈殿させるようになっている。そして、アルカ
リ沈殿槽12は、乾燥装置13に接続され、沈殿した水
酸化物を乾燥装置13に送出するようになっており、乾
燥装置13は、水酸化物を乾燥させ、スラグへの移行率
の高い酸化物にしてプラズマ溶融炉6に送出するように
なっている。
【0024】上記の構成において、焼却設備および溶融
設備の動作を通じて溶融飛灰の処理方法について説明す
る。
【0025】焼却設備において、先ず、分別部1で分別
された都市ごみ中の可燃ごみが焼却炉2で焼却される
と、燃えがらである焼却灰(ボトム灰)が発生すること
になる。ボトム灰は、SiO2 、Al2 3 、CaO等
の酸化物を主成分としており、重金属類の溶出もなく安
定しているため、そのままの形態で投棄して埋め立て等
に使用されることになる。尚、ボトム灰は、後段の集塵
機4により捕集される飛灰と混合して溶融設備で溶融処
理されるようになっていても良い。
【0026】焼却炉2の排ガスは、800〜900℃と
高温であり、焼却炉2の後段に位置された排熱回収部3
の排熱回収ボイラにより蒸気として熱回収され、発電気
によって電気エネルギーに変換されることになる。そし
て、発電された電気は、溶融設備の熱源となるプラズマ
発生装置7の電源として系内で有効利用されることにな
る。また、排熱回収部3を通過した排ガスは、集塵機4
に送出されることになり、排ガス中に含まれる飛灰が集
塵機4により捕集されることになる。尚、この飛灰は、
NaClやKCl等のアルカリ金属の塩化物を主成分と
し、他の成分として、As、Zn、Cd、Pb、Hg等
の重金属の塩化物を有している。
【0027】上記の飛灰は、単独で溶融設備のプラズマ
溶融炉6に投入されたり、ボトム灰と混合してプラズマ
溶融炉6に投入されることになる。プラズマ溶融炉6に
投入された飛灰およびボトム灰は、1300〜1400
℃の溶融処理温度で溶融されることになり、投入量の8
0〜90%が安定した成分のスラグとされて埋め立ても
しくは骨材等に有効利用されることになる。一方、投入
量の10〜20%は、揮散物として排ガス中へ以降し、
プラズマ溶融炉6から溶融飛灰として排出された後、集
塵機8により捕集されることになる。尚、溶融飛灰は、
NaClおよびKClを主成分としているが、図3のプ
ラズマ溶融炉6の溶融処理温度(1300〜1400
℃)よりも融点の低い有価金属(Al、Zn、Cr、F
e、Pb、Cu、Hg)の塩化物も濃縮した状態で含有
しており、溶出規制により埋め立てが不可能となってい
る。
【0028】集塵機8に捕集された溶融飛灰は、飛灰溶
解槽10に送出され、水に溶解されて塩化物の水溶液と
された後、電気分解装置11に送出されることになる。
そして、図2に示すように、電気分解装置11のFeか
らなる陽極11aとこれよりもイオン化傾向の小さな金
属である銅(Cu)や、若しくは酸性液中で安定な黒鉛
(C)等よりなる陰極11bとで電気分解されることに
よって、陽極材料のFeよりもイオン化傾向の小さな重
金属(Pb、Cu、Hg)が陰極11bに析出され、有
価金属として回収されることになる。これにより、電気
分解後の水溶液には、陽極11aの電極材料であるFe
よりもイオン化傾向が大きいために陰極11bに析出し
なかった有価金属(Al、Zn、Cr、Fe)のみが残
留することになる。
【0029】次に、電気分解後の水溶液は、図1に示す
ように、アルカリ沈殿槽12に送出され、アルカリ沈殿
槽12においてNaOH等のアルカリと混合されること
になる。アルカリは、水溶液中に含まれた有価金属(A
l、Zn、Cr、Fe)を水酸化物として沈殿させるこ
とになり、沈殿した有価金属(Al、Zn、Cr、F
e)は、水溶液から回収されて乾燥装置13に送出され
ることになる。また、有価金属が除去された水溶液は、
飛灰溶解槽10に送出されて再利用されることになる。
そして、乾燥装置13において、有価金属(Al、Z
n、Cr、Fe)が乾燥されて酸化されることによっ
て、図3に示すように、融点が溶融処理温度(1300
〜1400℃)よりも低い水酸化物から、融点が溶融処
理温度(1300〜1400℃)よりも高い酸化物とさ
れ、スラグへの移行率が高い状態とされることになる。
この後、酸化物とされた有価金属(Al、Zn、Cr、
Fe)がプラズマ溶融炉6に送出されて再溶融処理され
ることによって、安定した成分のスラグとされて埋め立
てもしくは骨材等に有効利用されることになる。
【0030】尚、本実施例においては、プラズマ溶融炉
6からの溶融飛灰を集塵機8による乾式処理により捕集
した後、溶融飛灰を飛灰溶解槽10の水溶液に溶解させ
た場合について説明しているが、これに限定されること
はなく、図4に示すように、集塵機8および飛灰溶解槽
10の機能を有した湿式ガス処理装置14による湿式処
理により捕集するようになっていても良い。そして、こ
の場合には、排ガス中に塩素ガス成分が含まれ、湿式ガ
ス処理装置14に使用される溶液のPHが塩素ガス成分
により酸性側となるため、溶融飛灰に含まれる金属類の
溶解度が乾式処理の場合よりも大きくなり、溶融飛灰の
金属類を効率良く捕集および溶解させることが可能にな
っている。
【0031】このように、本実施例の溶融飛灰の処理方
法は、図3に示すように、所定の有価金属(例えばF
e)よりも大きなイオン化傾向を有する有価金属群の酸
化物の融点が、プラズマ溶融炉6の溶融処理温度(13
00〜1400℃)よりも高温であることに着目し、融
点が低い酸化物となる有価金属群をイオン化傾向を利用
して電気分解により除去し、除去後の溶融飛灰の有価金
属群を酸化させて再びプラズマ溶融炉6で再溶融処理す
るものである。
【0032】即ち、溶融飛灰の処理方法は、図1に示す
ように、有価金属類を含有した焼却対象物(焼却灰およ
び/または飛灰)を所定の溶融温度で溶融処理する溶融
処理工程(プラズマ溶融炉6)を有している。そして、
溶融飛灰溶解工程(集塵機8および飛灰溶解槽10、ま
たは湿式ガス処理装置14)において、上記溶融処理工
程から排出される排ガス中に含有される溶融飛灰を捕集
して水溶液中に溶解させる。次に、電気分解工程(電気
分解装置11)において、酸化物の融点が上記溶融温度
以上となる有価金属を陽極材料として上記水溶液を電気
分解し、該陽極材料よりもイオン化傾向の小さな有価金
属を析出させて回収する。次に、アルカリ沈殿工程(ア
ルカリ沈殿槽12)において、上記電気分解後の水溶液
にアルカリを投入し、残留する有価金属を水酸化物とし
て沈殿させて回収する。次に、乾燥工程(乾燥装置1
3)において、上記水酸化物を乾燥させて酸化させ、該
酸化物を焼却対象物として上記溶融処理工程に送出する
ようになっていることを特徴としている。
【0033】これにより、溶融飛灰の溶解された水溶液
が電気分解工程において電気分解され、陽極材料よりも
イオン化傾向の小さな有価金属が析出されて回収される
ことによって、陽極材料よりもイオン化傾向の大きな有
価金属のみが電気分解後の水溶液に残留することにな
る。そして、電気分解後の水溶液にアルカリが投入さ
れ、残留する有価金属が水酸化物として沈殿された後、
乾燥により酸化されることによって、溶融処理工程にお
ける溶融温度以上の融点を有した有価金属の酸化物が得
られることになる。この後、この有価金属の酸化物を溶
融処理工程に送出して再溶融処理すると、酸化物として
回収された有価金属は、スラグへの移行率が高い状態と
なっているため、溶融飛灰として排出されることなくス
ラグに移行することになる。これにより、従来のように
溶融飛灰の体積の増大や、溶融飛灰の廃棄に伴う各種の
公害防止設備が不要となって処理コストを低減させるこ
とが可能になっている。
【0034】さらに、本実施例の溶融飛灰の処理方法
は、電気分解工程が、上記水溶液に対して可溶性の電極
材料(例えばFe)を使用していることを特徴とするこ
とによって、電気分解に伴う塩素ガス等の有害ガスの発
生を防止し、作業環境を安全にすることが可能になって
いる。また、電極材料にFeを使用することによって、
電極を安価に調達することが可能になっている。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明は、以上のように、溶融
処理工程から排出される排ガス中に含有される溶融飛灰
を捕集して水溶液中に溶解させ、酸化物の融点が上記溶
融温度以上となる有価金属を陽極材料として上記水溶液
を電気分解し、該陽極材料よりもイオン化傾向の小さな
有価金属を析出させて回収し、上記電気分解後の水溶液
にアルカリを投入し、残留する有価金属を水酸化物とし
て沈殿させて回収し、上記水酸化物を乾燥させて酸化さ
せ、該酸化物を焼却対象物として上記溶融処理工程に送
出する構成である。
【0036】これにより、溶融温度未満の有価金属が電
気分解により回収され、残りの有価金属がスラグへの移
行率が高い酸化物の状態にされた後、溶融処理工程にお
いて再溶融処理されてスラグに移行されることになるた
め、従来のように溶融飛灰の体積の増大や、溶融飛灰の
廃棄に伴う各種の公害防止設備が不要となって処理コス
トを低減させることが可能であるという効果を奏する。
【0037】請求項2の発明は、以上のように、請求項
1の電極材料が上記水溶液に対して可溶性である構成で
ある。これにより、請求項1の効果に加えて、水溶液に
対して可溶性の電極材料を使用しているため、塩素ガス
等の有害ガスの発生を防止し、作業環境を安全にするこ
とが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼却設備および溶融整備のブロック図である。
【図2】電気分解の状態を示す説明図である。
【図3】有価金属の塩化物と酸化物との融点の相違を示
す説明図である。
【図4】焼却設備および溶融整備のブロック図である。
【符号の説明】
1 分別部 2 焼却炉 3 排熱回収部 4 集塵機 5 ガス処理装置 6 プラズマ溶融炉 7 プラズマ発生装置 8 集塵機 9 ガス処理装置 10 飛灰溶解槽 11 電気分解装置 11a 陽極 11b 陰極 12 アルカリ沈殿槽 13 乾燥装置 14 湿式ガス処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 富雄 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 山田 基夫 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有価金属類を含有した焼却対象物を溶融
    処理工程における所定の溶融温度で溶融処理してスラグ
    化する際に発生する溶融飛灰の処理方法において、 上記溶融処理工程から排出される排ガス中に含有される
    溶融飛灰を捕集して水溶液中に溶解させ、 酸化物の融点が上記溶融温度以上となる有価金属を陽極
    材料として上記水溶液を電気分解し、該陽極材料よりも
    イオン化傾向の小さな有価金属を析出させて回収し、 上記電気分解後の水溶液にアルカリを投入し、残留する
    有価金属を水酸化物として沈殿させて回収し、 上記水酸化物を乾燥させて酸化させ、該酸化物を溶融対
    象物として上記溶融処理工程に送出することを特徴とす
    る溶融飛灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 上記電極材料が上記水溶液に対して可溶
    性であることを特徴とする請求項1記載の溶融飛灰の処
    理方法。
JP33163194A 1994-12-08 1994-12-08 溶融飛灰の処理方法 Pending JPH08155424A (ja)

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