JPH08155421A - 固体状廃棄物の処理方法 - Google Patents

固体状廃棄物の処理方法

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JPH08155421A
JPH08155421A JP6330630A JP33063094A JPH08155421A JP H08155421 A JPH08155421 A JP H08155421A JP 6330630 A JP6330630 A JP 6330630A JP 33063094 A JP33063094 A JP 33063094A JP H08155421 A JPH08155421 A JP H08155421A
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metal
solid waste
compound
waste
calcium
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JP6330630A
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English (en)
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Masafumi Moriya
雅文 守屋
Kazuo Hosoda
和夫 細田
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Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体状廃棄物中の金属を金属捕集剤で固定化
して処理する方法において、処理後の廃棄物をセメント
で固める手間や、それにかかる費用を削減でき、しかも
厳しい自然環境下に晒された場合でも、処理物が脆くな
って崩壊し、金属が溶出し易くなる等の問題のない固体
状廃棄物の処理方法を提供する。 【構成】 本発明方法は、ポリアミノ化合物の窒素原子
に結合した置換基として、下記化1で示す官能基を少な
くとも有する金属捕集剤を、カルシウム化合物の存在下
に固体状廃棄物に添加して固体状廃棄物中の金属を固定
化する処理方法である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼却灰、煤塵、鉱滓、
汚泥、土壌等の固体状廃棄物中に存在する金属を固定化
し、固体状物質中からの金属溶出を防止できる固体状廃
棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴミ焼却場等で生じる焼却灰や煤塵、鉱
山から排出される鉱滓、廃水処理の際に用いられる活性
汚泥、汚染された土壌等の固体状廃棄物中には種々の金
属が含有されており、水銀、カドミウム、鉛、亜鉛、
銅、クロム等の人体に有害な重金属も多く含有されてい
る。これら固体状廃棄物中に含まれる金属が流出する
と、地下水、河川、海水等を汚染する虞れがある。
【0003】このため、従来固体状廃棄物をセメントで
固めた後、埋め立てたり、海洋投棄したりする方法が採
られていたが、セメント壁を通して金属が流出する虞れ
があり、この方法は必ずしも安全な処理方法とは言えな
かった。このような問題を解決するため、重金属等を含
有する廃水の処理に従来から用いられていた金属捕集剤
を、これら固体状廃棄物に添加して固体状廃棄物中の金
属を金属捕集剤によって固定化する方法が提案された。
金属捕集剤としては、例えば本出願人が先に提案したよ
うに、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン等の
ポリアルキレンポリアミンやポリエチレンイミン等のポ
リアミン類の窒素原子にジチオ酸基やジチオ酸塩基が結
合した構造の金属捕集剤(特公平5−7079号、特公
平5−7080号等)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固体状
廃棄物中の金属を金属捕集剤によって固定化したとして
も、雨に晒された場合等に金属捕集剤と反応しにくいカ
ルシウム化合物、マグネシウム化合物、ナトリウム化合
物、カリウム化合物等が徐々に溶離してくるという問題
があった。また固体状廃棄物は、焼却灰や煤塵のように
微粉末状であったり、金属捕集剤と固体状廃棄物の接触
性を高めるために固体状廃棄物を粉砕したりして処理す
るため、金属捕集剤で処理した後の固体状廃棄物は粉末
状であったり、粉末が弱い力で固まっただけの塊状であ
ることが多く、このような状態のまま固体状廃棄物を埋
め立てたり海洋投棄しようとすると、運搬途中等におい
て有害金属を含む粉塵が飛散する虞れがある。このた
め、金属捕集剤で処理した固体状廃棄物を、更にセメン
トで固めてから処理する方法が提案されている。
【0005】固体状廃棄物を金属捕集剤で処理してから
セメントで固める方法では、固体状廃棄物中の金属は金
属捕集剤によって不溶化されており、さらに固体状廃棄
物の周りがセメント壁で覆われているため、固体状廃棄
物中の金属は容易には溶出することがない。しかしなが
ら、セメント壁中や固体状廃棄物中の水溶性成分は水中
に溶出し易く、雨等に晒されて水溶性成分が流出する
と、場合によっては半年〜1年程度でセメント壁が脆く
なって崩壊し易くなり、固体状廃棄物がセメントで固め
る以前と同様になってしまうという問題があった。しか
もセメント中の水溶性成分が流出すると、金属捕集剤で
固定化されていた金属も溶出し易くなるという問題があ
った。
【0006】本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研
究した結果、特定の官能基を有する金属捕集剤を、カル
シウム化合物の存在下で固体状廃棄物に添加して固体状
廃棄物を処理すると、更にセメントで固めた場合に近い
硬さの固体塊が生成するためにセメントによる固定化処
理を省略でき、しかもこの固体塊は雨等に晒された場合
でも、セメントのように脆くなる虞れがないため、上記
した従来の問題を解決できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の固体状廃棄
物の処理方法は、ポリアミノ化合物の窒素原子に結合し
た置換基として、下記化2で示す官能基を有する金属捕
集剤を、カルシウム化合物の存在下に固体状廃棄物に添
加し、固体状廃棄物中の金属を固定化することを特徴と
するものである。
【0008】
【化2】
【0009】本発明で用いる金属捕集剤は、1級アミノ
基や2級アミノ基を少なくとも1個有するポリアミノ化
合物の窒素原子に結合した活性水素原子と置換した置換
基として、上記化2で示される官能基(以下、この官能
基をアルキレンリン酸誘導基と呼ぶ)を導入することに
より得られる。化2において、nは正の整数を示すが、
nが1〜4のものが好ましく、特に1〜2のものが好ま
しい。また官能基は酸型(化2におけるMが水素の場
合)、アルカリ金属塩型(Mがアルカリ金属の場合)、
アルカリ土類金属塩型(Mがアルカリ土類金属の場
合)、アンモニウム塩型(MがNH4 の場合)のいずれ
であっても良いが、特にアルカリ金属塩型が好ましい。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム等が、アルカリ土類金属としてはベリリウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙
げられるが、通常、アルカリ金属としてはナトリウム、
カリウムが、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、
カルシウムが用いられる。
【0010】上記1級アミノ基や2級アミノ基を少なく
とも1個有するポリアミノ化合物としては、ポリアミン
類や、これらポリアミン類とエピハロヒドリンとが重縮
合した重縮合ポリアミン、ポリアミン類と下記化3で示
される化合物との共重合体、或いは下記化4や化5で示
される単位を1分子中に2以上含有する化合物等が挙げ
られるが、1分子中に1級アミノ基や2級アミノ基を2
個以上有する化合物であればこれらに限定されることな
く使用可能である。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】上記ポリアミン類としては、例えばエチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプ
ロピレンジアミン、ジブチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、トリブチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロ
ピレンペンタミン、テトラブチレンペンタミン、ペンタ
エチレンヘキサミン、、イミノビスプロピルアミン、モ
ノメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロ
ピルアミン等の脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミ
ン、o-,m-,p-キシリレンジアミン、3,5-ジアミノクロロ
ベンゼン等の芳香族ポリアミン;1,3-ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン等のシクロアルカン系ポリアミン;
1-アミノエチルピペラジン、ピペラジン等のピペラジン
類;ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリ
−3−メチルプロピルイミン、ポリ−2−エチルプロピ
ルイミン等の環状イミンの重合体;ポリビニルアミン、
ポリアリルアミン等の不飽和アミンの重合体;ビニルア
ミン、アリルアミン等の不飽和アミンと、ジメチルアク
リルアミド、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホ
ン酸等及びその塩類等の、共重合可能な不飽和結合を有
する他のモノマーとの共重合体が挙げられる。環状イミ
ンの重合体、不飽和アミンの重合体及びその共重合体の
場合、平均分子量300〜200万のものが好ましく、
1000〜50万のものがより好ましい。
【0015】重縮合ポリアミンとしては、上記ポリアミ
ン類と、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エ
ピヨードヒドリン、ブロモメチルオキシラン、クロロメ
チルオキシラン、ヨードメチルオキシラン等のエピハロ
ヒドリンとの重縮合体が挙げられる。但し重縮合ポリア
ミンは、1分子中に1級アミノ基、2級アミノ基が2個
以上残存していることが必要である。
【0016】上記化3で示される化合物としては、エポ
キシ化合物、環状スルフィド化合物、環状エーテル類、
環状ホルマール類、N−置換アルキレンイミン類等の如
き、酸素、硫黄、窒素を含有する環状化合物の単独重合
体又は共重合体と、エピハロヒドリン、ホルムアルデヒ
ドとを反応させて得られ、一端にエポキシ基又はアルデ
ヒド基を有する化合物であるか、両末端にエポキシ基及
び/又はアルデヒド基を有する化合物である。この化合
物は平均分子量が50万程度以下、特に500〜20万
のものが好ましい。尚、前記化3で示す一般式中におけ
る添字“m”は、化3の化合物の分子量が上記の範囲と
なる正の整数である。
【0017】上記化3で示される化合物を構成するエポ
キシ化合物は、下記化6で示される化合物であり、例え
ばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-エポキ
シアルカン等が例示される。
【0018】
【化6】
【0019】また上記化3で示される化合物を構成する
環状スルフィド化合物としては、上記エポキシ化合物の
エポキシ基の酸素と硫黄が置換した構造の下記化7で示
される化合物が挙げられ、例えばエチレンスルフィド、
プロピレンスルフィド等が例示され、環状エーテル類と
してはオキセタン、モノ又はビスアルキル(アルキル基
の炭素数1〜5)オキセタン、モノ又はビスクロロメチ
ルオキセタン、テトラヒドロフラン、モノ又はビスアル
キル(アルキル基の炭素数1〜5)テトラヒドロフラン
等が挙げられる。
【0020】
【化7】
【0021】更に上記化3の化合物を構成する環状ホル
マール類としては、下記化8で示される1,3-ジオキソフ
ラン等の化合物やトリオキサン等が挙げられ、N−置換
アルキレンイミン類としては、下記化9で示される化合
物が挙げられる。
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】上記化4で示される単位を1分子中に2以
上有する化合物は、以下の方法で製造することができ
る。まず第1の方法は、ポリアクリロニトリル又はポリ
アクリルアミドを還元する方法である。ポリアクリロニ
トリルは、水素添加触媒の存在下で水素を添加する方法
により還元することができ、具体的にはポリアクリロニ
トリルをDMF、DMSO等の溶媒に溶解し、ラネーニ
ッケルを触媒として用い、高圧下(3.5kg/cm2
程度)で水素を添加する方法が挙げられる。
【0025】ポリアクリロニトリル又はポリアクリルア
ミドの還元には、ポリアクリロニトリル又はポリアクリ
ルアミドをTHF、DMF、DMSO等の溶媒に溶解
し、水素化アルミニウムリチウムやナトリウムメチラー
ト等の金属アルコラートを用いて還元する方法を採用す
ることができる。
【0026】第2の製造方法は、アリルアミンを重合す
る方法である。アリルアミンを重合する方法としては、
例えばアリルアミンを塩酸塩等にした後、レドックス系
開始剤、またはラジカル重合開始剤等を用いて重合す
る。この際、アリルアミンを単独で重合しても、ジメチ
ルアクリルアミド、スチレン、メタクリル酸メチル、ア
クリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン
スルホン酸等及びその塩類等の如き、アリルアミンと共
重合可能な不飽和結合を有する他のモノマーと共重合し
ても良い。共重合する場合、アリルアミン成分が5モル
%以上、特に15モル%以上含まれるようにすることが
好ましい。
【0027】上記化5で示される単位を1分子中に2以
上含有する化合物は、ポリアクリルアミドやアクリルア
ミドと、メタクリルアミド、アクリル酸の低級アルキル
エステル、アクリル酸、メタクリル酸等のα、β−不飽
和化合物との共重合体を、ホフマン転位させる方法や、
N−ビニルフタルイミド、N−ビニルホルムアミド、N
−ビニルアセトアミドを重合させた後、加水分解する等
の方法で得ることができる。
【0028】更に上記ポリアミノ化合物は、ヒドロキシ
アルキル基、アシル基、アルキル基等をN−置換基とし
て有するものでも良い。N−ヒドロキシアルキル置換基
は、上記ポリアミン類とエポキシアルカンとを反応させ
ることにより導入することができ、N−アシル置換基
は、上記ポリアミン類と脂肪酸類を反応させることによ
り導入され、またN−アルキル置換基は上記ポリアミン
類とハロゲン化アルキルを作用させることにより導入さ
れる。N−ヒドロキシアルキル置換基は、アルキル基の
炭素数が2〜28であることが好ましく、N−アシル置
換基は炭素数2〜24であることが好ましい。またN−
アルキル置換基は炭素数2〜18であることが好まし
い。尚、これらN−置換基をポリアミノ化合物に導入し
てから官能基を導入する場合、N−置換基導入後のポリ
アミノ化合物1分子中には、1級アミノ基や2級アミノ
基が少なくとも1個残存している必要がある。
【0029】本発明で用いる金属捕集剤は、上記ポリア
ミノ化合物を酸性雰囲気下にした後、アルデヒド類と亜
リン酸類とを反応して、官能基として上記アルキレンリ
ン酸誘導基を導入することにより得られる。また上記反
応終了後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物や、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウム等のアルカリ土類金属水酸化物、或いはアンモニ
ア等のアルカリで処理するか、ポリアミノ化合物に官能
基を導入する反応をこれらのアルカリの存在下で行うこ
とにより、アルカリ金属塩型、アルカリ土類金属塩型、
アンモニウム塩型とすることができる。
【0030】本発明で用いる金属捕集剤は、上記アルキ
レンリン酸誘導基の他に、ジチオ酸基(あるいはその
塩)、アルキレンカルボン酸基(あるいはその塩)、オ
キシム基、アミドキシム基等の官能基を1種又は2種以
上有していても良い。ジチオ酸基やアルキレンカルボン
酸基の塩としては、上記したと同様のアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
ジチオ酸基やその塩は、ポリアミン類のアミノ基に二硫
化炭素を反応して導入することができ、アルキレンカル
ボン酸基やその塩は、ポリアミン類のアミノ基にモノハ
ロゲンカルボン酸又はその塩、ビニルカルボン酸又はそ
の塩を付加するか、或いはビニルカルボン酸のエステル
を付加した後、加水分解して導入することができる。ま
たオキシム基やアミドキシム基は、エステル又はシアノ
基を有するポリアミン類にヒドロキシアミンを反応して
導入することができる。
【0031】本発明において用いる金属捕集剤は、1分
子中に2以上の官能基を有する場合(その官能基の少な
くとも1つは前記アルキレンリン酸誘導基であるが、他
の官能基は同じものでも異なるものでも良い。)、異な
る型の官能基(酸型、アルカリ金属塩型、アルカリ土類
金属塩型、アンモニウム塩型等)が混在していても良
い。また異なる官能基(官能基自体が異なる場合も、官
能基型が異なる場合も)を有する金属捕集剤を混合して
用いることもできる。金属捕集剤の添加量は、固体状廃
棄物に対して0.001〜20重量%が好ましい。
【0032】本発明方法は、上記アルキレンリン酸誘導
基を少なくとも有する金属捕集剤を、カルシウム化合物
の存在下で固体状廃棄物に添加することを特徴とするも
のであるが、必要に応じ更にトリメルカプトトリアジン
又はその塩類、一硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウ
ム、二硫化ナトリウム、三硫化ナトリウム、四硫化ナト
リウム、五硫化ナトリウム等のポリ硫化ナトリウム等、
アルキルジチオカルバミン酸塩等を併用することができ
る。これらを併用すると金属捕集効率が高められるが、
中でも硫化水素ナトリウム、ポリ硫化ナトリウムとの併
用が好ましい。
【0033】上記カルシウム化合物としては、塩化カル
シウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硝酸カル
シウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、珪酸カルシ
ウム、有機酸のカルシウム塩等が挙げられる。有機酸の
カルシウム塩としては、酢酸カルシウム、シュウ酸カル
シウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム等が
挙げられる。固体廃棄物中のカルシウム化合物の含有量
としては0.01〜40重量%が好ましい。カルシウム
化合物は、金属捕集剤を添加前に固体状廃棄物中に含有
されていても、金属捕集剤と同時に添加して含有せしめ
ても、金属捕集剤に混合して同時に添加して含有せしめ
ても、金属捕集剤添加後に添加して含有せしめても良い
が、金属捕集剤添加後に添加する場合には、金属捕集剤
添加後のできるだけ短い時間内に添加することが好まし
い。
【0034】金属捕集剤は一般に水溶液として用いら
れ、金属捕集剤の水溶液を固体状廃棄物に噴霧したり添
加する等によって、固体状廃棄物と金属捕集剤とを接触
せしめた後、必要に応じて混練する。金属捕集剤は固体
状廃棄物中の金属と接触して金属を捕集し、固体状廃棄
物中の金属を不溶化するが、更にカルシウム化合物が固
体状廃棄物中に存在していると、固体状廃棄物が固化
し、1〜15時間程度で、セメントで固めた場合と略同
程度の硬さにまで固化する。硬度が1500g・f以上
に固化した固体状廃棄物塊は、そのまま埋め立てたり海
洋投棄したりして処理することができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。尚、以下の実施例、比較例において使用した金
属捕集剤は以下の通りである。
【0036】金属捕集剤a 平均分子量23,000のポリアリルアミンの窒素原子
に結合した水素原子と置換して導入された置換基とし
て、メチレンリン酸二ナトリウム塩基を有する化合物
(ポリアミノ化合物中の窒素原子に結合した置換可能な
水素原子に対する置換基の置換率20%)
【0037】金属捕集剤b 平均分子量78,000のビニルアミン−スチレン
(8:2)共重合体の窒素原子に結合した水素原子と置
換して導入された置換基として、エチレンリン酸二カリ
ウム塩基を有する化合物(ポリアミノ化合物中の窒素原
子に結合した置換可能な水素原子に対する置換基の置換
率40%)
【0038】金属捕集剤c 平均分子量12,000のポリエチレンイミンの窒素原
子に結合した水素原子と置換して導入された置換基とし
て、メチレンリン酸アンモニウム塩基と、ジチオ酸アン
モニウム塩基とを、8:2の比率で含有する化合物(ポ
リアミノ化合物中の窒素原子に結合した置換可能な水素
原子に対する置換基の置換率90%)
【0039】金属捕集剤d 平均分子量1,300のメタキシレンジアミン−エピク
ロルヒドリン重縮合物の窒素原子に結合した水素原子と
置換して導入された置換基として、メチレンリン酸二ナ
トリウム塩基と、エチレンカルボン酸ナトリウム塩基と
を、7:5の比率で含有する化合物(ポリアミノ化合物
中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対する置
換基の置換率60%)
【0040】金属捕集剤e ポリエチレンオキシド(平均分子量7,000)とエピ
クロルヒドリンとを反応させてポリエチレンオキシドの
両末端にエポキシ基を導入した化合物と、ポリエチレン
イミン(平均分子量10,000)とを、前者を4.5
モル、後者を5.5モルの比率で含む共重合体(平均分
子量250,000)の窒素原子に結合した水素原子と
置換して導入された置換基として、メチレンリン酸二カ
リウム塩基と、エチレンアミドキシム基を、10:3の
比率で含有する化合物(ポリアミノ化合物中の窒素原子
に結合した置換可能な水素原子に対する置換基の置換率
65%)
【0041】金属捕集剤f ペンタエチレンヘキサミンの窒素原子に結合した水素原
子と置換して導入された置換基として、メチレンリン酸
二ナトリウム塩基と、ジチオ酸ナトリウム塩基と、エチ
レンオキシム基とを、2:2:1の比率で含有する化合
物(ポリアミノ化合物中の窒素原子に結合した置換可能
な水素原子に対する置換基の置換率70%)
【0042】金属捕集剤g ペンタエチレンヘキサミンの窒素原子に結合した水素原
子と置換して導入された置換基として、ジチオ酸ナトリ
ウム塩基を有する化合物(ポリアミノ化合物中の窒素原
子に結合した置換可能な水素原子に対する置換基の置換
率28%)
【0043】金属捕集剤h 平均分子量1,800のポリエチレンイミンの窒素原子
に結合した水素原子と置換して導入された置換基とし
て、ジチオ酸ナトリウム塩基と、エチレンカルボン酸ナ
トリウム塩基とを、6:5の割合で含有する化合物(ポ
リアミノ化合物中の窒素原子に結合した置換可能な水素
原子に対する置換基の置換率55%)
【0044】実施例1〜6 水銀23mg/kg、鉛2,654mg/kg、亜鉛7
90mg/kg、カドミウム1,254mg/kg、ニ
ッケル754mg/kg、鉄98,500mg/kg、
クロム11,670mg/kgを含有する鉱滓100g
当たりに、表1に示すカルシウム化合物を添加した。次
いでこの鉱滓100g当たりに対し、表1に示す金属捕
集剤を含む水溶液を、金属捕集剤の添加量が1.3g
(固型分として)となるように鉱滓表面に噴霧して混練
し、更に室外に30日間放置した。放置後の処理物の硬
さを測定した結果を表1に示す。また上記室外に放置し
た処理物50gを、pH=4.5の500ミリリットル
の水中で、常温で60分間振とうし、処理物から水中に
溶出した金属濃度を原子吸光分析法によって測定した。
結果を表1にあわせて示す。
【0045】
【表1】
【0046】※1処理物の硬度測定方法 処理物を4〜5メッシュに粉砕し、木屋式硬度計により
硬度を測定した。各々10点のサンプルの測定値の平均
を求めた。硬度の単位は(gf)。
【0047】比較例1〜4 実施例1〜6で用いたと同様の鉱滓を、カルシウム化合
物を添加することなく表1に示す金属捕集剤を用い実施
例1〜6と同様にして処理し、次いで処理物50gに、
5gの普通ポルトランドセメントを加えて混練した後、
実施例1〜6の処理物と一緒に室外に30日間放置し、
放置後の処理物の硬さ測定及び処理物からの金属溶出試
験を上記実施例と同様にして行った。結果を表1にあわ
せて示す。
【0048】実施例7〜12 水銀34mg/kg、鉛4,500mg/kg、銅39
mg/kg、カドミウム3,450mg/kg、ニッケ
ル59mg/kgを含む、ゴミ焼却場から得た飛灰(E
P灰)100g当たりに対し、表2に示すカルシウム化
合物を添加した。次いでこの飛灰100g当たりに対
し、表2に示す金属捕集剤を含む水溶液を、金属捕集剤
の添加量が0.9g(固型分として)となるように飛灰
表面に噴霧して混練し、更に70日間室外に放置した。
放置後の処理物の硬さを測定した結果を表2に示す。次
いで室外に放置した後の処理物50gを、pH=6に調
整した500ミリリットルの水中で、常温で100分間
振とうし、処理物から水中に溶出した金属濃度を原子吸
光分析法によって測定した。結果を表2にあわせて示
す。
【0049】
【表2】
【0050】比較例5〜8 実施例7〜12で用いたと同様の飛灰を、カルシウム化
合物を添加することなく表2に示す金属捕集剤を用い実
施例7〜12と同様にして処理し、次いで処理物50g
に、4gの普通ポルトランドセメントを加えて混練した
後、実施例7〜12の処理物と一緒に室外に70日間放
置し、放置後の処理物の硬さ測定及び処理物からの金属
溶出試験を上記実施例と同様にして行った。結果を表2
にあわせて示す。
【0051】実施例13〜18 鉛74mg/kg、水銀320mg/kg、クロム56
0mg/kg、鉄790mg/kg、亜鉛934mg/
kg、カドミウム624mg/kgを含有する汚泥(含
水率32%)100g当たりに、表3に示すカルシウム
化合物を添加した。次いでこの汚泥70gの表面に、表
3に示す金属捕集剤水溶液を固型分の添加量が0.3g
となるように吹き付け混練後、更に100日間室外に放
置した。放置後の処理物の硬さを測定した結果を表3に
示す。放置後の汚泥50gを、pH=4に調整した50
0ミリリットルの水中で、常温で100分間振とうし、
処理物から水中に溶出した金属濃度を原子吸光分析法に
よって測定した。結果を表3にあわせて示す。
【0052】
【表3】
【0053】比較例9〜12 実施例13〜18で用いたと同様の汚泥を、カルシウム
化合物を添加することなく表3に示す金属捕集剤を用い
実施例13〜18と同様にして処理し、次いで処理物5
0gに、7gの早強ポルトランドセメントを加えて混練
した後、実施例13〜18の処理物と一緒に室外に10
0日間放置し、放置後の処理物の硬さ測定及び処理物か
らの金属溶出試験を上記実施例と同様にして行った。結
果を表3にあわせて示す。
【0054】実施例19〜24 カドミウム124mg/kg、水銀73mg/kg、鉛
54mg/kg、クロム340mg/kg、銅274m
g/kgを含有する土壌100g当たりに、表4に示す
カルシウム化合物を添加した。次いでこの土壌100g
の表面に、表4に示す金属捕集剤水溶液を固型分の添加
量が0.5gとなるように吹き付け混練した後、更に2
0日間室外に放置した。放置後の処理物の硬さを測定し
た結果を表4に示す。放置後の土壌50gを、pH=4
に調整した500ミリリットルの水中で、常温で100
分間振とうし、処理物から水中に溶出した金属濃度を原
子吸光分析法によって測定した。結果を表4にあわせて
示す。
【0055】
【表4】
【0056】比較例13〜16 実施例19〜24で用いたと同様の土壌を、カルシウム
化合物を添加することなく表4に示す金属捕集剤を用い
実施例19〜24と同様にして処理し、次いで処理物5
0gに、10gの普通ポルトランドセメントを加えて混
練した後、実施例19〜24の処理物と一緒に室外に2
0日間放置し、放置後の処理物の硬さ測定及び処理物か
らの金属溶出試験を上記実施例と同様にして行った。結
果を表4にあわせて示す。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法は、金属
を含む固体状廃棄物を処理する際に、特定の官能基を有
する金属捕集剤を、カルシウム化合物の存在下に固体状
廃棄物に添加して処理するようにしたことにより、処理
物はそのまま埋め立てたり海洋投棄することができる程
の硬さに硬化し、従来のようにセメントで固める手間
や、そのための費用等を必要としないため、効率的かつ
経済的な処理を行うことができる。また本発明方法で処
理した廃棄物は、厳しい自然環境下に晒された場合でも
セメントのように脆くなって崩壊する虞れがなく、長期
間に亘って高い硬度の塊状形状を維持でき、安全かつ確
実に固体状廃棄物を処理できる優れた方法である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミノ化合物の窒素原子に結合した
    置換基として、下記化1で示す官能基を有する金属捕集
    剤を、カルシウム化合物の存在下に固体状廃棄物に添加
    し、固体状廃棄物中の金属を固定化することを特徴とす
    る固体状廃棄物の処理方法。 【化1】
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