JPH08154581A

JPH08154581A - 茶葉の処理装置

Info

Publication number: JPH08154581A
Application number: JP6330392A
Authority: JP
Inventors: Hidekatsu Kawamoto; 秀勝川本
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1994-12-07
Filing date: 1994-12-07
Publication date: 1996-06-18

Abstract

(57)【要約】【目的】茶葉を撚るように揉みながら蒸し工程或いは
乾燥工程を行うことができるようにした茶葉の処理装置
を提案する。【構成】茶葉が移動してスチームにより蒸されたり、
熱風により乾燥されるドラム２の内部に、複数本のステ
ー３１を放射状に設けた回転軸３をドラム２の長さ方向
に挿着し、前記ステー３１の先端部には、柔軟性があっ
てドラム２の内面に近接し、茶葉をドラム２の内面に押
圧しながら擦り付ける滑動状態になって撚るようにして
揉むことができる揉み手片３２を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、茶葉をスチームで蒸す
蒸し工程や蒸した茶葉を乾燥させる乾燥工程などに適用
することができる茶葉の処理装置に関し、さらに詳しく
は茶葉を撚るように揉みながら蒸し工程或いは乾燥工程
を行うことができるようにした茶葉の処理装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】茶の製造に用いられる蒸し装置や乾燥装
置としては種々の構造のものが提案されている。例え
ば、蒸し装置としては、スチームを供給する略密閉状の
室内に、通気性を有する円筒状のドラムを回転可能に収
容し、このドラムの一端から連続的に茶葉を送入してス
チームにより蒸しながら他端へ移動させる構造のものが
広く知られている。尚、上記ドラムの内部には、長尺な
回転軸から放射状に延在する攪拌ステーがスパイラル状
に設けられた搬送機構が配設されている。そして、例え
ば４０R.P.M.程度で回転させるドラムに対して搬送機構
の回転軸を１５０〜２５０R.P.M.程度で高速回転させ、
茶葉を強制的に攪拌しながら移動させるのである。また
近年では、茶葉の蒸しムラを生じないように種々の改良
や工夫がなされ、本出願人が提案した一例をあげると、
攪拌ステーの先端にドラム内面に当接する掻き上げ片を
設け、ドラム内の底部に位置する茶葉を上記掻き上げ片
で飛散するように掻き上げ、茶葉の表裏をスチームに十
分曝すことにより、蒸しムラを生じないようにしてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような蒸し装置では茶揉みを行うものではないので、得
られる茶葉は比較的硬質であった。また、蒸し工程の後
に粗揉、精揉工程を行っても揉みにくく、充分な効果が
なかった。特に、摘む時期が遅くなった茶葉は、繊維が
硬質となり、香りや味わいが薄いものであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、茶葉が移動してスチームにより蒸された
り、熱風により乾燥されるドラムの内部に、複数本のス
テーを放射状に設けた回転軸をドラムの長さ方向に挿着
し、前記ステーの先端部には、柔軟性があってドラムの
内面に近接し、茶葉をドラムの内面に押圧しながら擦り
付ける滑動状態になって撚るようにして揉むことができ
る揉み手片を設けてなることを特徴とする茶葉の処理装
置に関するものである。

【０００５】

【作用】上記構成の本発明の茶葉の処理装置は、高温多
湿な状態で蒸されている茶葉を撚るように揉むものであ
って、物理的に弱い力が作用しても繊維がほぐれるが、
組織は破壊されないので、香や色合い、味わいに富んだ
飲料用として供されるものとなる。

【０００６】

【実施例】以下に、本発明を図面の実施例に基づいて説
明する。

【０００７】本発明の茶葉の処理装置は、概略すると図
１に示すようにドラム２の内部に、複数本のステー３１
を略放射状に設けた回転軸３を挿着し、上記ステー３１
の先端部には柔軟性があってドラム２の内面に近接する
揉み手片３２を設け、ドラム２の内部一端から供給され
る茶葉を揉み手片３２で撚るように揉みながらドラム２
の他端（送出口５）に移動させるようにした構成であ
る。

【０００８】図１に示す第一実施例は本発明を蒸し装置
に適用したものであり、スチームが供給される蒸し機本
体１の内部に、ドラム２が回転可能に収容され、ドラム
２の内部一端に設けられた給葉機４から供給される茶葉
を、スチームで蒸しながらドラム２の他端に設けられた
送出口５に移動させる構成である。

【０００９】上記蒸し機本体１は、長尺な枠体であり、
蒸気を通入させる蒸釜室１１と茶葉を送出させる蒸胴室
１２とをその内部に有し、前端にはホッパー状の枠体に
スパイラル圧送機が臨む構成の給葉機４が設けられてい
る。上記蒸釜室１１は蒸し機本体１の長さ方向の前方に
位置し、蒸気発生機（図示せず）から一定温度、一定湿
度の蒸気を蒸気導入口１１１より導入させ、さらにこの
蒸気をドラム２の内部へ通入し、蒸煮雰囲気を形成させ
る。また、蒸胴室１２は上記蒸釜室１１の後方に位置
し、送出口５から茶葉を送出して次の工程に供する。さ
らに、蒸胴室１２の底部には排出部１２１を設け、蒸煮
において発生・落下したアクやヤニ、或いは茶葉の切り
屑や枝部分等を外部へ排出する。

【００１０】上記蒸し装置本体１に配設するドラム２
は、蒸気の通入及び通出が可能な程度の微細空隙を有す
る略円筒状で、例えば図示実施例のようにパンチングメ
タルを円筒状に屈曲したものの内面に金属メッシュ材を
張った構造のものを用いても良いし、特にその構造を限
定するものではない。そして、このドラム２は、適宜な
駆動機構を接続して回転可能とするのであるが、図示実
施例では前端の外周に受歯車３３を設け、この受歯車３
３がモータ（図示せず）の駆動歯車３４より回転力を受
けて回転する構成である。通常、ドラム２は３０〜５０
R.P.M.で回転させる。

【００１１】上記ドラム２の内部に挿着される回転軸３
は、ドラム２の軸心より下方に位置して蒸し機本体１の
長さ方向に貫通するように配される長尺材で、その外周
に外方に向かって略放射状に延在する３〜５ｍｍ幅のス
テー３１を設けてなる構成であり、上記ステー３１の先
端には揉み手片３２が取付けられている。この揉み手片
３２は、図示実施例では、ステー３１の回転方向後方側
に延在するように一体に設けられるものであり、天然若
しくは合成ゴム、シリコンゴム、ステンレスの薄板等の
弾力性と柔軟性とを有する素材からなる。上記ステー３
１は、どのように配設しても良く、図２に示すように一
周につき４枚ずつ設けても良いし、図３に示すように一
周に付き２枚ずつ設けても良い。また、揉み手片３２
は、全部のステー３１に設けるようにしても良いし、図
示実施例のように一部のステー３１のみに設けるように
しても良い。揉み手片３２を設けないステー３１は、ド
ラム２の内周面に当接するので、揉み手片３２がドラム
２の内周面に押圧状に擦り付けることにより付着させた
茶葉を剥離させ、或いは茶葉を掻き上げるように空中に
飛散させ、茶葉の表裏を十分に蒸煮雰囲気に曝す役目を
果たす。尚、回転軸３によるステー３１の回転軌跡の直
径は、ドラム２の内径に対し、５０〜８０％の長さであ
るから、回転軸３はドラム２の中心（回転の中心）より
下側に設けてあり、ステー３１の先端がドラム２の下部
内面に近接する状態に位置する。また、上記回転軸３に
は適宜な駆動機構（図示せず）が接続されて通常１５０
〜２５０R.P.M.で回転される。

【００１２】さらに、図４に示すようにドラム２の外周
面に当接させてロールブラシ状の外側洗浄具６０を取付
け、ドラム２の微細空隙を閉塞するアクやヤニ、小枝、
葉の屑などを除去するようにした。或いは、同図に示す
ようにドラム２の内周面に当接させてロールブラシ状の
内側洗浄具６１、ブレード状の内側洗浄具６２を設ける
ようにしても良い。本発明では揉み手片３２が茶葉をド
ラム２の内周面に押圧して揉むものであるから、ドラム
２の微細空隙が閉塞されやすいので、特にその構成を限
定するものではないが上記のような各種洗浄具６０，６
１，６２を設けることが望ましい。

【００１３】その他にも、例えば揉み手片３２を設けな
い一部のステー３１の先端に、弾性があってドラム２の
内面に当接する弾性材（図示せず）を設けても良い。こ
の弾性材は、ブレード状或いは刷毛状で、ドラム２の内
周面の最下方部分において接触（当接）するので、揉み
手片３２がドラム２の内周面に押圧状に擦り付けること
により付着させた茶葉を剥離させ、或いは茶葉を掻き上
げるように空中に飛散させ、茶葉の表裏を十分に蒸煮雰
囲気に曝すことができる。

【００１４】第一実施例の蒸し装置はこのような構成を
有するので、給葉機４から送入された茶葉をドラム２の
回転及び回転軸３の回転により蒸煮雰囲気中で均一に蒸
煮させながら前端側から後端側へ略一定速度で搬送させ
ることができる。その際、回転軸３の回転速度は相対的
に速く、図５（ａ）〜（ｃ）に示すようにドラム２の内
部の下方では揉み手片３２が内周面に近接して移動する
状態となる。したがって、揉み手片３２は茶葉をドラム
２の内周面に押圧しながら擦り付ける滑動状態になり、
茶葉を撚るように揉むことができる。こうして得られた
茶葉は、粗揉、精揉工程を経て形状を整えた後、香や色
合、味わいに富んだ飲料用として供されるものとなる。
また、上記のように蒸し工程で揉んだ茶葉は、その後の
粗揉、精揉工程でも揉みやすいものとなり、粗揉、精揉
工程における作業性を向上し、或いは不要とすることが
できる。

【００１５】尚、茶葉の蒸し工程において、蒸し始めて
２０〜３０秒経過すると、茶葉の繊維分が充分に柔らか
くなるので、その状態で揉むと弱い力で繊維を揉み解す
ことができ、組織は破壊されることがない。したがっ
て、図示実施例のような蒸し装置におけるドラム２で
は、給葉機４から投入した茶葉が２０〜３０秒経過して
いる位置以降のステー３１に揉み手片３２を設けること
が揉み効率が高くなって望ましい。

【００１６】図６に示す第二実施例では、第一回転軸
３’については前記第一実施例の回転軸３と同様である
が、第一ドラム２’については前記第一実施例でのドラ
ム２と異なり、先端部分２１のみが蒸気の通入及び通出
が可能な程度の微細空隙を有する略円筒状で、それ以外
は密閉状である。この第一ドラム２’の後端には、回転
しない固定ドラム２２が図示しないベアリング機構等に
より連結され、この固定ドラム２２の下端に、縦方向に
伸縮自在な連絡部７を延設し、さらに該連絡部７の下端
に乾燥装置８を接続してなる構成である。上記連絡部７
は、上方枠部分と下方枠部分とからなる中空枠体であ
り、上方枠部分の外径より下方枠部分の内径が僅かに大
きく、嵌装させた状態で上下にスライドさせることによ
りその長さを調節することができる。また、上記連絡部
７の途中には斜め上向きの蒸気の排出部分が設けられ、
傾斜枠部分７１の内部に閉塞板７２を回転可能に軸支し
たダンパー構造が形成され、閉塞板７２の回転（傾斜角
度）を制御することにより蒸気の開放度を調節すること
ができる。また、上記乾燥装置８は、前記第一実施例と
同様の第二ドラム２”及び第二回転軸３”からなり、第
二ドラム２”と第二回転軸３”とを前述の第一実施例と
同様に挙動させることにより、茶葉の表面に付着する水
分を除去しながら茶葉を揉むことができる。尚、上記以
外の構成は、前記第一実施例と略同一であり、図面中に
同一符号を付してその説明を省略する（便宜上、第一ド
ラム２’及び第一回転軸３’の各部には符号に『’』を
付記し、第二ドラム２”及び第二回転軸３”の各部には
符号に『”』を付記した。）。

【００１７】上記構成の装置では、第一ドラム２’内で
蒸すことによりその繊維分を充分に柔らかくした茶葉
を、連絡部７を経由させて乾燥装置８へ導き、第二ドラ
ム２”内を通過させて茶葉の表面に付着する水分を除去
しながら茶葉を揉むことができる。即ち、揉み手片３
２”で茶葉を第二ドラム２”の内面に押圧しながら擦り
付けて撚るように揉むことができる。そして、この装置
では第一ドラム２’内でも前述の第一実施例と同様に茶
葉を蒸しながら揉むことができる。勿論、揉み手片３
２’で茶葉を第一ドラム２’の内面に押圧しながら擦り
付けて撚るように揉むことができる。その際、第一ドラ
ム２’内で充分に揉んでいれば、第二ドラム２”では物
理的圧力が弱くても充分に揉み上げることができ、しか
も揉みやすくなって味が良好な茶葉となる。特に摘む時
期が遅くなって茶葉の繊維が硬質になっている場合に効
果が高い。

【００１８】尚、この第二実施例においては、蒸気が連
絡部７の排出部分及び第二ドラム２”の微細空隙から自
然に外気中に抜け出るので、蒸気濃度が低い蒸煮雰囲気
で蒸煮させることもできるし、或いは送風機からの送風
（熱風）に曝して積極的に茶葉を乾燥させることもでき
る。そして、連絡部７に設けた排出部分より、茶葉の悪
臭を蒸気と共に自然に排出することができ、過剰な蒸気
もこの排出部分から排出される。さらに、連絡部７の長
さを調節することができるので、蒸煮雰囲気の容積を拡
大或いは縮小させて蒸煮条件を調整することがでる。し
たがって、茶葉の悪臭を除きながら良い香りを残すこと
ができる。

【００１９】以上、本発明の実施例に基づいて説明した
が、本発明は前記した実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りど
のようにでも実施することができる。例えば、前記第一
実施例においては、前述のようにドラム２を低速（３０
〜５０R.P.M.）で、回転軸３を高速（１５０〜２５０R.
P.M.）で同一方向に回転するようにしても良いし、或い
はドラム２の回転方向に対し、回転軸３を逆方向に回転
するようにした場合には回転軸３も低速で回転させれば
良い。このことは、第二実施例における第一ドラム２’
と第一回転軸３’、及び第二ドラム２”と第二回転軸
３”についても同様である。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の茶葉の処
理装置は、茶葉の蒸し工程や乾燥工程において、単にス
テーで均一に攪拌するだけでなく、ステーの先端部に設
けた揉み手片で茶葉をドラムの内面に押圧しながら擦り
付け、撚るように揉むことができるものである。したが
って、得られる茶葉は、軟質であり、粗揉、精揉工程を
容易に行うことができ、香や色合い、味わいに富んだ飲
料用として供されるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一実施例である蒸し装置を示す一部を欠截し
た側面図である。

【図２】ステーの配設例を示す斜視図である。

【図３】ステーの他の配設例を示す斜視図である。

【図４】ドラムに外接或いは内接する洗浄具を示す断面
図である。

【図５】揉み手片の滑動状態を示す断面図である。

【図６】第二実施例である蒸し装置及び乾燥装置を示す
一部を欠截した斜視図である。

【符号の説明】

１蒸し機本体２ドラム３回転軸３１ステー３２揉み手片

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】茶葉が移動してスチームにより蒸された
り、熱風により乾燥されるドラムの内部に、複数本のス
テーを放射状に設けた回転軸をドラムの長さ方向に挿着
し、前記ステーの先端部には、柔軟性があってドラムの内面
に近接し、茶葉をドラムの内面に押圧しながら擦り付け
る滑動状態になって撚るようにして揉むことができる揉
み手片を設けてなることを特徴とする茶葉の処理装置。