JPH08154564A - シロアリ食害防止方法およびそれを用いた木質建築物 - Google Patents

シロアリ食害防止方法およびそれを用いた木質建築物

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JPH08154564A
JPH08154564A JP32946594A JP32946594A JPH08154564A JP H08154564 A JPH08154564 A JP H08154564A JP 32946594 A JP32946594 A JP 32946594A JP 32946594 A JP32946594 A JP 32946594A JP H08154564 A JPH08154564 A JP H08154564A
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soil
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floor
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勝 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木質建築物のシロアリ被害を防止するシロア
リ侵入防止方法を提供し、シロアリが床下土中に営巣せ
ずまた床下空間に侵入しないようにしてシロアリ食害を
防止した建築物を得る。 【構成】 床下の土壌部分に土間コンクリートを施し、
その土間コンクリート上面に亜鉛引鋼板を敷設し、その
亜鉛引鋼板の目地および外周を亜鉛溶射被膜で被覆す
る。さらに床下空間に露出する木材部分の表面に亜鉛溶
射により亜鉛膜を形成する。木質建築物は、床下土壌面
に土間コンクリートと、該土間コンクリート上面に亜鉛
引鋼板と、該亜鉛引鋼板の目地および外周を被覆した亜
鉛溶射被膜を有する。また、床下土中に還元性物質を埋
設して土壌を酸欠状態に維持してシロアリの営巣を防止
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木質建築物のシロアリ
食害を防止するための床下施工方法およびシロアリ食害
防止処理を施した木質建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】シロアリは生物学上の分類では、通常の
アリよりむしろゴキブリに近い虫であり、その多くは食
材性で材木中のセルロースとヘミセルロースを摂取して
栄養源とし、また蟻道や営巣場所にあるビニル管、ケー
ブル、ゴム製品、コンクリート、鉛管等にも容易に穴を
開けることが出来る。日本においては、全国に生息する
ヤマトシロアリと関東地方南部太平洋岸から西の各地に
生息するイエシロアリが、建物に被害を及ぼすシロアリ
として知られている。ヤマトシロアリは、活動が最も盛
んな最適気温が摂氏28度で、湿潤な木材中に巣を作
り、1万から5万の集団を形成するとされる。建物の外
部から飛来して湿度が高い床下の土台や柱に営巣して繁
殖し、土台や柱さらに周辺の木質物を侵食して建物に被
害を与える。一方、イエシロアリは、最適気温が摂氏3
0度で地中に巣を作り3万から50万の集団を形成する
とされる。イエシロアリは、主に床下の地中に営巣して
木質物を侵食するが乾燥した木材をも食害し、集団の規
模が大きいため被害も大きい。
【0003】シロアリの被害は年々増大しており、特に
イエシロアリの被害が問題となっているが、従来真に有
効な対策はなかった。一般には、シロアリが腐食木材を
食物とすることから、建物床下部分の土台および柱根元
部分の腐食を防止するため以下の方策が採られていた。 (1)床下に換気口を設け基礎土台を高くし、湿潤にな
り易い床下空間を乾燥しやすくする。 (2)土台や柱の根元に防腐剤を塗布し、頻繁に塗替え
る。また、予め防腐処理を施した防腐木材を使用する。 (3)腐りにくいひのき、ひばなどで土台を作る。柱と
同じ寸法にして端面が土台からはみ出ないようにして柱
に侵入しにくくするとより効果がある。 (4)床下土面にポリエチレン等でできた土間シートを
敷いて、床下の土壌に含まれる水分が床下空間に侵入す
るのを防ぐ。最近は土間シートの上にさらにモルタルや
コンクリートを打つ場合も多くなっている(以下モルタ
ルによる場合も土間コンクリートと呼ぶ)。 (5)床下に木片等が残留しないように注意して除去す
る。これらはやがて腐食してシロアリを誘引する原因と
なる。
【0004】一方、侵入したシロアリを殺虫防除するた
め、床下に薬剤を散布する方法が採用されてきたが、こ
れらの薬剤はシロアリのみならず施工者や居住者に対し
ても毒性があり、安全性に問題がある。例えば、長年大
量に使用されてきた有機塩素系のクロルデン類はその毒
性のため1986年に全面的に使用が禁止された。現在
は毒性と残留性がより低く、それに伴って薬効も低い有
機リン系、ナフタリン系、トリアジン系などの薬剤が使
用されている。このため、床下に換気扇を設置したり乾
燥剤を散布するなどの対策を併用せざるを得ず、施工費
用が高騰して経済的にも問題が生じている。シロアリ
は、一般に床下地中に大規模な巣を形成して、地中から
蟻道を構築して、建物の床下の基礎や束石の表面に沿っ
て侵入する。従って、シロアリが地中に侵入しないよう
にして巣を形成させないこと、また建物床下の土面上お
よび土台や根太、柱の根元に亜鉛被膜を形成することが
シロアリの食害を防止する上で極めて効果があることは
明らかである。そこで、薬剤によらない防蟻工法とし
て、シロアリが床下土中に営巣できなくする方法と、シ
ロアリが床下空間に侵入する蟻道を閉塞する方法が注目
される。
【0005】山野勝次が「家屋害虫」Vol.12、No.1、pp.1
-11(1990.5)等で後者に属する防蟻工法の可能性を示唆
している。山野は、金属溶射被膜で建物の木部や隙間を
被覆あるいは閉塞することによってシロアリの侵入を防
ぎ、シロアリの食害を防止することを教示している。山
野によって、シロアリが厚さ30μm以上の亜鉛溶射被
膜を貫通穿孔出来ないことが明らかにされた。さらに詳
しくは、(1)亜鉛、銅、アルミニウムの内で亜鉛のみ
が十分なシロアリ防食性を有している、(2)亜鉛溶射
では膜厚が30μm以下では食害が見られるが、安全を
みても膜厚を50μm以上にすればシロアリが食い破ら
ないと推定できる、(3)亜鉛溶射被膜にはシロアリに
対する忌避的効果はなく、隣接した無処理部分までが耐
蟻性を有するわけではないので、シロアリの侵入を完璧
に防ぐには少しでも溶射漏れがあってはならない、等の
重要な知見が得られている。
【0006】なお、山野の試験に用いた金属溶射装置は
いわゆるメタルスプレー工法によるもので、高周波電流
で溶融した金属をほぼ摂氏35−65度で対象に吹付け
て金属膜を形成することが可能である。この金属溶射装
置により吹付けられた亜鉛溶射被膜は微細な亜鉛粒子が
下地表面に積重なった状態になっており、被膜中には微
細な気孔が存在し、この気孔は被膜表面から下地まで貫
通している場合がある。しかし、亜鉛は溶射後一定の時
間経過することにより空気に接した部分が酸化して体積
が増大し気孔は完全に塞がれるようになる。
【0007】このような金属溶射装置により施工すれ
ば、床下の土台や柱部分、根太あるいは床下土面等の広
い面積にわたって亜鉛溶射被膜を形成することは可能で
ある。しかし、現実にはこのように広い対象に亜鉛溶射
を施すことは施工コスト上実際的でなく、山野が教示し
た方法は実用化されていなかった。
【0008】なお、山野は亜鉛溶射膜を試験中安定に維
持するため土壌の上に石膏を敷いてその上に亜鉛溶射を
施している。しかし、石膏は若干酸性を示すこと、また
水分を吸収して崩れやすいことから、試験期間を越えて
亜鉛溶射膜を長年維持することは困難である。また、モ
ルタルは比較的脆く、シロアリの食害を完全に防止する
には十分でない。コンクリートはモルタルより硬質でシ
ロアリも容易には穴を開けることが出来ないが、ひび割
れがあるとその裂目に沿って蟻道を形成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、亜鉛膜を用いて木質建築物のシロアリ被害を防止す
るシロアリ侵入防止方法を提供し、これにより亜鉛膜を
床下部分に形成してシロアリ食害を防止した建築物を得
るところにある。また本発明の目的は、さらに、シロア
リが床下土中に営巣しないようにして木質建築物のシロ
アリ被害を防止するシロアリ侵入防止方法を提供すると
ころにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の木質建築物のシロアリ食害防止方法は、床下の土壌部
分に土間コンクリートを施し、該土間コンクリート上面
に亜鉛引鋼板を敷設し、該亜鉛引鋼板の目地および外周
を亜鉛溶射被膜で被覆することを特徴とする。また、別
の実施例の木質建築物のシロアリ食害防止方法は、床下
の土壌部分をひび割れ防止処理を施した土間コンクリー
トで覆い、該土間コンクリートと土間コンクリートから
突設される垂直壁との接合部分を亜鉛溶射被膜で被覆す
ることを特徴とする。
【0011】また本発明の木質建築物は、床下土壌面に
土間コンクリートと、該土間コンクリート上面に亜鉛引
鋼板と、該亜鉛引鋼板の目地および外周を被覆した亜鉛
溶射被膜を有することを特徴とする。
【0012】また本発明の第2の木質建築物のシロアリ
食害防止方法は、化学反応により酸素を消費する還元性
物質を床下土中に埋め、床下土面に防湿フィルムを敷
き、その上に土間コンクリートを施すことを特徴とす
る。
【0013】本発明の第1の木質建築物のシロアリ食害
防止方法により、床下面積の大きな部分を覆う亜鉛引鋼
板表面の亜鉛被膜でシロアリが土壌中から床下空間部分
に侵入することを防ぎ、亜鉛引鋼板の継目部分を食い破
って入ろうとするシロアリに対してはその上に形成され
た亜鉛溶射被膜がシロアリの侵入を阻止するので、建築
物のシロアリ食害をほぼ完璧に防止することが出来る。
【0014】このように、本発明のシロアリ食害防止方
法によれば、広大な床下面積を高価な亜鉛溶射被膜で覆
う代りに、その大きな部分を工業規格品として大量に市
販される安価な亜鉛引鋼板で置換することができ、亜鉛
薄膜によるシロアリ侵入防止方法を実用的、経済的に実
施することが可能になった。
【0015】ところで、床下の土壌は一旦湿めるとなか
なか乾燥しないから、一般に湿気が高く、このため電気
比抵抗が低い。従って、亜鉛引鋼板を床下土面上に直接
敷設する場合は、表面の亜鉛と中の鉄とが局部電池を形
成し、土に接している亜鉛が溶け出して亜鉛被膜が徐々
に薄くなり、最終的には鉄が土に直接接触し、鉄錆を生
じて腐食破損して、シロアリが侵入路を形成できるよう
になる。計算によれば、厚さ100μmの亜鉛被膜を表
面に形成した溶融亜鉛メッキ鋼板の亜鉛は、土中の比抵
抗値に応じて、数年から十数年で全て溶出してしまう。
従って、亜鉛引鋼板を床下土面上に直接敷設する防蟻工
法の実質的な寿命は数年ないし十数年ということにな
る。
【0016】さらに、山野が試験に用いたのにならっ
て、石膏を床下に処理してその上に亜鉛引鋼板を敷設し
亜鉛溶射被膜を形成すると、石膏の透湿性および吸水性
が高く、吸水すると膨張して脆くなり形崩れを起しやす
く、亜鉛引鋼板が変形して亜鉛溶射部分が破損しやす
い。また、ある種の石膏は酸性を示し鋼板を急激に腐食
させる。従って、亜鉛膜の寿命を考えると使用すること
が出来ない。
【0017】本発明のシロアリ食害防止方法では、亜鉛
引鋼板、たとえば溶融亜鉛メッキ鋼板(俗称トタン板)
などを土間コンクリートの上に敷設するから、亜鉛膜の
寿命が長くシロアリ食害防止効果が持続する。すなわ
ち、土間コンクリートとして施工されるセメントモルタ
ルやコンクリートは、水の浸透性が低く吸水率も小さく
て、比抵抗も高くまた吸水による形崩れもない。さら
に、アルカリ性であるから、溶融亜鉛メッキ鋼板からの
亜鉛の溶出速度も遅く、鋼板の腐食は起りにくい。その
上、亜鉛引鋼板の熱膨張率が土間コンクリートのものと
同程度であって、温度変化があっても張合せ部での剥離
が起りにくいからである。
【0018】本発明のシロアリ食害防止方法の1態様で
は、床下に面する木質部分が亜鉛溶射被膜で被覆されて
いるから、床下空間にシロアリが侵入することがあって
もシロアリが木質部を喰って繁殖することができず、シ
ロアリの被害を防止することが出来る。
【0019】本発明のシロアリ食害防止方法の他の態様
では、土間コンクリートにワイヤーメッシュや鉄筋、あ
るいはファイバー補強等によるひび割れ防止を施すた
め、シロアリが蟻道を形成しやすいコンクリートの割れ
目が生ぜず、また割れ目のために亜鉛溶射膜が裂けるこ
とも少ない。また土間コンクリートとそれから立上がっ
ている垂直壁類、すなわち土台を載せるコンクリート壁
や配管壁の間に亜鉛溶射膜を形成するから、シロアリが
これらの壁類に沿って蟻道を形成することができない。
このためシロアリが床下空間に侵入することを防ぐこと
が出来る。
【0020】また本発明の第2の木質建築物のシロアリ
食害防止方法によれば、床下土中に土壌中に含まれる酸
素を消費する還元性物質が存在するから、コンクリート
基礎と土間コンクリートに囲まれた床下土中の空気が酸
欠状態になるため、たとえ外部からシロアリが侵入して
も生存できない。したがって、床下にシロアリが巣を形
成することがないからシロアリの食害を防止することが
出来る。
【0021】上記のシロアリ食害防止方法を実施した本
発明の木質建築物は、床下からシロアリが侵入しないの
で寿命が顕著に伸び、結局経済的な建築物となる。
【0022】
【実施例】本発明のシロアリ食害防止方法および該方法
を施した木質建築物について、図面を参照して実施例に
基づいて説明する。
【0023】図1は、本発明のシロアリ食害防止方法を
適用する建築物の床下の状態を示す図である。図1にお
いて、家屋の外壁の土台に対応して家屋を周回するコン
クリート基礎1と、家の間取に従って中仕切となるコン
クリート基礎2が構築されていて、これら基礎の上に木
質の土台3が固定される。コンクリート基礎1には外気
を床下に取込んで通気を図り湿気を除去するための通気
孔8が随所に開口している。中仕切の基礎にも仕切られ
た床下空間に通気するための開口部17が設けられてい
る。床下土間には根太5を支える束13の基礎となる束
石6が適当な間隔で据えられている。束石6は普通、砕
石を敷いた上にコンクリートで形成される。また土間に
は必要に従ってガス管や水道管、排水管などの配管20
が立上がっている。イエシロアリは、土間部分あるいは
屋外の土壌中に巣を作り、高温多湿の活動期に柔らかい
土中から直接土間表土に向って、あるいは基礎や束石、
配管等の固い物の壁に沿って、蟻道を形成し、これを通
って這い出してきて、土台や束、大引、根太等を餌とし
て食い崩す。ヤマトシロアリは、外から通気孔を通って
侵入し、湿った土台や束の中に営巣し、これら木質部分
を食い尽して、建築物を崩壊に至らしめる。
【0024】図2は本発明の第1のシロアリ食害防止方
法を適用した建築物の外周基礎部分の断面を表す図面で
ある。本発明の第1のシロアリ食害防止方法によれば、
コンクリート基礎工事完了後、シロアリが営巣しうる床
下土間部分に防湿フィルム10を敷設し、その上にセメ
ントモルタル9を厚さ約30mmになるように流して土
間を覆う。セメントモルタルはコンクリートであっても
良いことは言うまでもない。以下、土間を覆ったセメン
トモルタルまたはコンクリートを土間コンクリートと呼
ぶ。防湿フィルムとしては厚さ0.1mm以上のポリエ
チレンフィルムが好ましい。
【0025】セメントの養生後、そのセメント表面に溶
融亜鉛メッキ鋼板(通称トタン)7の張付け作業を行
う。亜鉛溶射被膜の厚さは30μm以上、実用的には5
0μmさらに好ましくは75μm以上あるとシロアリが
食い破って侵入することがない。したがって、溶融亜鉛
メッキ鋼板は鋼板自体の厚さは0.2mm程度の薄いも
ので十分であるが、亜鉛被膜の厚さが30μm以上ある
ことが好ましく、例えば、JIS SGCC RM×Z
60が使用できる。亜鉛メッキ鋼板は床下土面をほぼ埋
め尽すように敷設する。さらにその端部のコンクリート
基礎1の床下内側の側壁と中仕切りのコンクリート基礎
2の側壁に沿った部分を折り曲げて、約100mmから
150mm立ち上げるようにする。シロアリはコンクリ
ートを侵食しながらコンクリートの壁に沿って這い登っ
てくる場合が多いからである。
【0026】シロアリは地中からコンクリートや配管な
ど固い物に沿って蟻道を形成して侵入してくるが、一般
には、コンクリート壁1、2の擁護を地面から100m
m程度まで行えば十分である。コンクリート壁1の外部
と連通する通風孔8や中仕切り壁2の通風孔17は、下
縁の高さが土間コンクリートから100mm以上あれば
亜鉛引鋼板を巻いたり亜鉛金属溶射を施す必要は少な
い。束石の上面が約100mmより低い場合は束石6の
上面を覆うように亜鉛メッキ鋼板7を張付ける。ここで
亜鉛メッキ鋼板を用いるのは亜鉛溶射工法が高価に当り
これを避けるためであるから、鋼板の張付け工作には余
り凝る必要はなく、不足があればそこを亜鉛溶射でカバ
ーして良い。また、水道やガスなどの配管が地中から立
上がっているところでは、通路を確保するため亜鉛メッ
キ鋼板の配管に当る部分を切り欠いておく。シロアリ
は、配管類の壁に沿って蟻道を形成することが多いの
で、亜鉛膜を形成してシロアリの侵入を防止することは
重要である。ここでも、亜鉛メッキ鋼板を配管に筒状に
巻付けて内側にモルタルを充填し外周を亜鉛溶射する
と、その分だけ亜鉛溶射を省略できるので経済的に有利
である。
【0027】さらに、土間の中央部など、壁から離れた
所で鋼板同士が隣接する場合には、隣接する端部が互い
に約20mm重なり合うようにして、ハンダ11で接合
する。なお、ハンダの代りに、例えば合成ゴム系ラテッ
クスタイプの接着剤で貼り合わせてもよい。接着剤はシ
ロアリが容易に喰い破ることが出来るが、接合部分を亜
鉛溶射被膜12で被覆して、接合部分の接着剤をシロア
リが食い破っても亜鉛被膜でシロアリの侵入を防ぐ。鋼
板同士が重ならない側の鋼板端部はコンクリート基礎側
壁あるいは束石上面のコンクリート表面に接着剤で接合
した上、接合された端部を亜鉛溶射被膜12で覆うよう
にする。配管等の立上がり部分も同様に処理する。接着
剤としては、衛生上の観点もあって上記ラテックスタイ
プのものを用いるが、コンクリート面と溶融亜鉛メッキ
鋼板との接着性が良ければこれ以外のもので良いことは
言うまでもない。
【0028】鋼板は固定のため接着剤でコンクリート表
面に貼着するが、接着剤塗布面積比率は土間のセメント
モルタルあるいはコンクリートの表面に当接する水平面
でほぼ50%、コンクリート基礎の表面に当る垂直面で
約90%としている。土間コンクリートに当接する水平
面における比率をほぼ50%とするのは、土間コンクリ
ートは水平であるから接着強度を要求しないためであ
る。また、溶融亜鉛メッキ鋼板同士の接合をハンダ付で
行う場合には、接着剤が熱により劣化するので、ハンダ
付端面から約50mmは接着剤を塗布しない。これに対
して基礎等の垂直面で約90%とするのは、接着面が垂
直であるため鋼板が自重や弾力により剥離しないように
しなくてはならないからである。また最端部に接着剤を
塗布してコンクリート基礎表面に貼付し、鋼板の端部が
コンクリート基礎表面に密着するようにする。ここで
は、土間コンクリートの養生が終ってから亜鉛引鋼板を
接着剤で貼着したが、セメントが乾かない内に亜鉛引鋼
板を被せて鋼板に対するセメントの付着力を活用するよ
うにすることもできる。なお、亜鉛引鋼板を敷設した後
で、さらに鋼板の上にモルタルを流して亜鉛表面が傷つ
いて破損したり、腐食して剥がれたりすることから保護
することができる。
【0029】亜鉛メッキ鋼板の敷設工事後、土台の設
置、軸組みが行われる。軸組み工事後、根太組付け工事
前に、木質部への亜鉛溶射工事を行い、シロアリの被害
を受けやすい床下の木質部分を、亜鉛溶射により保護を
する。ここで、特に被害を受けやすい土台3、柱4、束
13、根がらみ14、大引15、根太がけ16、根太5
等はその表面ばかりでなく、亜鉛メッキ鋼板との接触部
分や、その木口面、木材の割れ目等から食い付くことを
も防がなければ食害防止の実効が上がらない。
【0030】この亜鉛溶射作業は、金属溶射装置を現場
に持込んで施工するもので、床下の木質部表面に亜鉛金
属溶射により亜鉛溶射膜12を形成する。さらに木質部
の状況を目視しながら、表面を亜鉛溶射膜で被覆した木
材と木材、溶融亜鉛メッキ鋼板との隙間及び木材の割れ
目に亜鉛溶射を行い隙間を完全に閉塞する。亜鉛溶射す
る木材部材は土台3、柱根元4、束13、根がらみ1
4、大引15、根太がけ16等、根太と床板を除いた床
下部の全ての木材部分である。根太については組付け後
では亜鉛溶射作業が困難なので、根太材を所定寸法に切
断後組付け前に全部の根太材について、切口部を含み全
面にわたり75ミクロン厚の亜鉛溶射を行し、他の部分
の亜鉛溶射工事完了後、組付ける。床板はシロアリの害
をあまり受けないので亜鉛溶射の対象にしなくても良
い。ここで、金属溶射装置による亜鉛堆積のばらつきを
考えると、シロアリの侵入を防ぐ亜鉛溶射膜の厚さ30
μmを保証するためには50μm以上あることが好まし
い。さらに亜鉛膜が40年で湿潤状態で最大75μm程
度消耗することを考慮すると、土間空間に面している本
発明の亜鉛溶射膜においても75μm程度の厚さになる
ように施工することが好ましいt考えられる。
【0031】なお、四角の木材の角部が鋭角過ぎるとそ
の部分に十分な厚さの亜鉛溶射被膜が形成されにくく、
シロアリがこの部位より食いつきやすくなる。これを防
止するためにはこの部分を若干丸く半径2−3mm程度
削りとるか、浅く面取りをして、角部にも十分な亜鉛被
膜を形成できるようにするとよい。また、土台及び柱の
根元部分については、建物外部表面にも亜鉛溶射を実施
するのがよい。亜鉛溶射膜は腐食を防ぐため、結局シロ
アリが侵食するのを防止できるからである。さらに、台
所便所風呂場周辺は湿気が高くなりやすいので、この部
位の亜鉛溶射は特に入念に行う必要がある。
【0032】なお、木質部への亜鉛溶射作業は金属溶射
装置を現場に持込んで木質部の状況を目視しながら施工
するため、欠陥が生じにくいが、作業上の困難が多く工
事の能率が悪い。そこで、現場の施工に替えて、木材を
組込む前に使用材木の一部または全部に予め亜鉛溶射を
施しておくことができる。この工法によれば、広い自由
な空間で亜鉛溶射の施工ができるため、作業能率が良く
総合的なコストが低減する効果がある。ただし組込み工
事で亜鉛溶射層が破損する機会が多いので、組込み後に
タッチアップをする必要がある。
【0033】本実施例では、亜鉛金属を溶着するために
低温メタルアーク溶射装置(アークテクノ株式会社製高
速インバータドライブ溶射装置 PC250iDEX)
を用い、線径1.3mmの純亜鉛ワイヤを30平方メー
トル/時間の速度で溶射した。この装置によれば溶射面
における温度が摂氏約45度程度にしかならないので、
溶射により接着剤を劣化させることはない。なお、亜鉛
引鋼板や塩ビ管、鉛管、鋼管など、付着対象の表面が滑
らかで溶射亜鉛膜が付着形成しにくいときには、溶射前
の付着対象表面に粗面形成剤を用いてその付着部分に細
かい凹凸を形成し、付着性を向上させるとよい。このよ
うな粗面形成剤としては、荒い粒子を含有させた本溶射
装置専用のサブナール(商品名)が市販されており、こ
れを吹付けて用いると顕著に付着性が向上する。なお、
コンクリートやモルタルの表面および木材表面は十分に
粗いため、粗面形成剤の吹付けは不要である。
【0034】このように、床下土間に土間コンクリート
や亜鉛引鋼板などで被覆を形成すると、床下空間の空気
と床下土壌との交流が断絶されて床下土壌の呼吸作用が
なくなり、床下土壌も床下空間からの湿気を吸わず乾燥
し、また空気の補給が絶たれるので、イエシロアリが大
量に住みついて巣を作るということが困難となる効果も
派生する。なお、床下土壌中に亜鉛片や鉄くず等を置い
ておくと土壌が酸欠状態になり、さらに効果がある。
【0035】なお、木材表面に亜鉛を溶射しておくと、
空気に接している亜鉛表面が酸化して膨張し溶射亜鉛膜
中の気孔を封口するので、湿気を遮断する。さらに活性
亜鉛は微殺菌性を有するので、木材が腐食するのを防止
する効果がある。ヤマトシロアリは腐食した木材のみを
食するから、木材の防腐はヤマトシロアリの食害防止に
効果がある。また、イエシロアリの場合は乾燥した木材
であっても、自ら水分を運んで木材に供給し湿気を与え
ながら木材を食するが、本発明のシロアリ食害防止方法
によれば床下には水分がないから、シロアリ被害は起ら
ない。
【0036】図3は中仕切のコンクリート壁2の通風孔
17の部分の処理を説明する図面である。本実施例で
は、土間コンクリート面から100mmより低い位置に
下縁がある内部通風孔17について、下縁部を溶融亜鉛
メッキ鋼板7で覆い、その端部および土間コンクリート
面から100mmまでの通風孔側面を厚さ約75μmの
溶射亜鉛薄膜12で覆ってある。この程度の施工によ
り、コンクリート壁2の表面に沿って上がってくるシロ
アリを阻止することが出来る。なお、コンクリート壁2
の上に載せた土台3は外にさらされる表面全体にわたっ
て溶射亜鉛薄膜12で覆うようにする。
【0037】図4は束石6の部分の処理を説明する断面
図である。土間の所々に突出している束石6は、土間コ
ンクリート面から100mmより低い場合には、亜鉛引
鋼板7で被覆し、鋼板の継目はハンダ11や接着剤で接
合し、さらに亜鉛金属溶射により形成される厚さ約75
μmの亜鉛溶射膜12で覆う。束石6の上に束13を立
て、束の上に大引き15をわたし、その上に根太5をわ
たしてある。根太5の上には床を形成する床板が張られ
る。束13の側部には根がらみ14がわたされている。
束13と大引き15と根がらみ14の表面は、これらを
組付けた後で表面から亜鉛を溶射して亜鉛溶射膜12を
形成する。
【0038】図5は配管立上がり部分の処理を説明する
断面図である。床下には、水道管、ガス管、下水管等、
屋内に引込む管類が多数あり、これらは土間コンクリー
トを貫いて配管されている。シロアリには、これらの床
下配管立上がり部に沿って蟻道を形成して土中から床下
部へ侵入する習癖があり、これを防止するため亜鉛鋼板
と配管との隙間の土間コンクリート表面に75ミクロン
厚の亜鉛溶射を行う。この場合亜鉛溶射は溶融亜鉛メッ
キ鋼板端部及び配管表面が土間コンクリート表面と接す
る部位周辺にも表面粗面材を吹付けた後行う。コンクリ
ート表面には表面粗面材吹付けがなくても良いが溶融亜
鉛メッキ鋼板及び塩ビ管表面には必須である。塩ビ管と
土間コンクリートの隙間への溶射を入念に行う。
【0039】図6は本発明のシロアリ食害防止方法のよ
り簡便な施工法を説明する断面図である。この簡便工法
は、溶融亜鉛メッキ鋼板の端部に対して重なり部のハン
ダ接合や垂直壁に合わせた折れ曲げ接合などを特別な施
工をする替りに、溶融亜鉛メッキ鋼板7を土間コンクリ
ート18上にほぼ突き合せ状態で敷設してコンクリート
面に貼着し、鋼板の端部同士および鋼板端部と土間コン
クリート18、コンクリート基礎1、2、束石6等の立
上がり壁、内部通風孔17、外部通風孔8、配管立上が
り20等との間に出来る隙間を亜鉛溶射により形成する
溶射膜12で被覆する方法であっても、それなりにシロ
アリ食害防止に効果がある。この方法は、施工費が大幅
に節約できる利点がある。なお、この工法でも溶射亜鉛
膜の厚みは30ミクロン以上75ミクロン程度あること
が望ましい。
【0040】図7は、本発明のシロアリ食害防止方法の
別の施工法を説明する断面図である。土間モルタルは脆
くシロアリによる侵食を完全に防止することができな
い。また土間コンクリートは、経時によりひびが入りや
すい。また、ひびの発生に伴い、亜鉛溶射膜が剥離した
り裂けたりする場合がある。これらの隙間をシロアリが
蟻道として土間空間に侵入して木質部を侵食するのを回
避するためには、コンクリート中にワイヤメッシュを埋
込んだものを用いることによりコンクリートのひび割れ
を防止することが効果がある。
【0041】図7において、コンクリート壁1に囲まれ
た土間の表土上に塩ビシート10を敷いて、その上に土
間コンクリート18を施してある。コンクリートにはワ
イヤメッシュ19が埋込まれている。土間コンクリート
とコンクリート壁1と2、束石6、床下配管等とが接す
る境界部には丁寧に亜鉛を溶射して、コンクリート種類
の違いに起因するひび割れがあっても亜鉛層によってシ
ロアリの侵入を防止できるようにしてある。土間コンク
リートは、50mm以上であることが好ましく、特に約
100mmの厚さとするとシロアリは殆ど喰い破ること
がなく効果が大きい。また、亜鉛溶射層は幅をコンクリ
ートの侵食限界と同じ約100mmとし、厚さを75ミ
クロン程度とすることが好ましい。なお、ワイヤメッシ
ュ19の代りに鉄筋を用いても良く、またセメントに強
化繊維を混入したファイバー強化コンクリートにより施
工しても同様の結果が得られることは言うまでもない。
【0042】上に詳しく説明したようなシロアリ食害防
止方法により、床下土壌面上に打った土間コンクリート
と、その土間コンクリートの上に敷設した亜鉛引鋼板
と、亜鉛引鋼板の継目と端面部分にこれらを覆うように
亜鉛溶射により形成した亜鉛溶射被膜を有する木質建築
物は、シロアリが床下に営巣することが出来ず、シロア
リの害を受けることがないため、このような構造を有し
ない建築物と比較して寿命が長い。また、さらに床下空
間に露出している木質部分に亜鉛溶射により形成した亜
鉛溶射被膜を有する木質建築物の寿命は極めて長く、施
工により若干工費が高く付いても十分採算がとれる。
【0043】また、図8は、本発明の第2のシロアリ食
害防止方法を適用した木質建築物の床下部分の断面を表
す図面である。本発明の第2のシロアリ食害防止方法に
よれば、コンクリート基礎工事完了後、シロアリが営巣
しうる床下土間部分の土中に約30cmの長さの鉄筋を
埋込み、その上から例えば厚さ0.1mm以上のポリエ
チレンフィルム等の防湿フィルム10を敷設し、その上
にセメントモルタル9を厚さ約30mmになるように流
して土間を覆う。セメントモルタルはコンクリートであ
っても良いことは言うまでもない。
【0044】この発明によれば、床下部分の土壌に含ま
れる空気はコンクリート基礎と土間コンクリートにより
帽子状に囲まれた空間に閉じこめられて外気との流通が
制限された上、還元性を有する鉄が土壌に含まれる空気
中の酸素を奪うので、土壌が酸欠状態になる。従って一
旦この部分に侵入したシロアリも生命を維持できず、ま
して大量に集合したり繁殖することは不可能となる。床
下土中にシロアリの巣ができなければ、シロアリが巣か
ら蟻道を作って床下空間に出てきて、床下に面する木質
部分を食い荒すということがない。
【0045】土中に埋める還元性物質としては、気体、
液体、固体の種々のものがあるが、拡散や流失をしない
で長期にわたり効果を持続するものとして還元性金属を
採用している。鉄は土中の水分の存在のため酸化されや
すく、水和酸化鉄Fe23・xH2Oに変化することに
より土中の酸素を奪う。この酸化鉄が触媒の作用をして
さらに鉄の酸化反応を促進してさびが内部まで進行する
ため効果が持続する。銅や亜鉛、アルミニウム等も酸化
しやすいが、いずれも表面に不活性の酸化膜を形成して
内部への酸化が進行しにくく、最終的な酸素消費量は多
くない。鉄材としては屑鉄でも鉄板でも酸化する部分が
残っていれば何でもよいが、本実施例では入手の容易と
経済性を考慮してコンクリート用鉄筋を用いた。ここ
で、鉄の酸化に水分が大きな役割を果すことおよびコン
クリート基礎の埋設深さを考慮すると、一般の建築物で
は鉄材の埋設深さを床下土面から10ー40cmとする
ことが望ましい。なお、鉄の埋込み量を床下土面1m2
につき2kgとすると50年程度還元作用が持続すると
算定される。上に詳しく説明したような本発明の第2の
シロアリ食害防止方法に従って床下土壌面上に打った土
間コンクリートとコンクリート基礎に囲まれた土間土中
が還元性物質の化学作用により酸欠状態に保たれるよう
にした木質建築物は、シロアリが床下に営巣することが
出来ず、シロアリの害を受けることがないため寿命が長
い。
【0046】
【発明の効果】本発明のシロアリ食害防止方法によれ
ば、床下土面上に防湿シートと土間コンクリート(セメ
ントモルタルを含む)を敷設してあるから、床下土中か
ら湿気が床下空間に侵入しにくく、床下の木質部分を常
に乾燥状態に保つことができる。このため床下木材の腐
食が防止され、湿った木材を好むシロアリが食いつくの
を防止できる。また、床下土壌の呼吸作用がなくなり乾
燥し、また空気の補給が絶たれるのでイエシロアリが土
中に巣を作ることが困難となるので、シロアリの食害が
防止できる。
【0047】薄い土間コンクリートはひび割れたりシロ
アリの侵食で穿孔され得るが、溶融亜鉛メッキ鋼板の亜
鉛層に遮られるため、シロアリが床下空間に侵入しにく
い。シロアリはコンクリート壁や配管に沿って蟻道を形
成して侵入するが、亜鉛溶射被膜があるためシロアリが
侵入することが出来ない。床下空間に侵入したシロアリ
がいても、木質部分は亜鉛膜で覆われているので、侵食
することが出来ない。亜鉛溶射膜により木質部分の湿潤
を防ぎ、亜鉛の殺菌性により腐食を防ぐため、シロアリ
が食いつきにくい。土面が遮蔽されているため、床下土
壌から床下空間に水分が上がらず、床下が乾燥して、イ
エシロアリが木材に供給するための水分がなく、イエシ
ロアリの被害が生じにくい。さらに、還元性物質を床下
土壌中に埋設した場合には、土壌が酸欠状態になりシロ
アリの繁殖を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシロアリ食害防止方法を適用する建築
物の床下の状態を示す斜視図。
【図2】本発明の第1のシロアリ食害防止方法を使用し
た建築物の外周基礎部分の断面図。
【図3】本発明の第1のシロアリ食害防止方法における
中仕切のコンクリート壁の通風孔部分の処理を説明する
断面図。
【図4】本発明の第1のシロアリ食害防止方法における
束石の部分の処理を説明する断面図。
【図5】本発明の第1のシロアリ食害防止方法における
配管立上がり部分の処理を説明する断面図。
【図6】本発明の第1のシロアリ食害防止方法のより簡
便な施工法を説明する断面図。
【図7】本発明の第1のシロアリ食害防止方法の別の施
工法を説明する断面図。
【図8】本発明の第2のシロアリ食害防止方法の別の施
工法を説明する断面図。
【符号の説明】
1 コンクリート基礎 2 コンクリート基礎 3 土台 4 柱 5 根太 6 束石 7 亜鉛メッキ鋼板 8 通風孔 9 土間コンクリート 10 シート 11 ハンダ 12 溶射亜鉛被膜 13 束 14 根がらみ 15 大引き 16 根太がけ 17 内部通風口 18 土間コンクリート 19 ワイヤーメッシュ 20 配管 21 鉄筋

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床下の土壌部分に土間セメントモルタル
    又は土間コンクリートを施し、該土間セメントモルタル
    又は土間コンクリート上面に亜鉛引鋼板を敷設し、該亜
    鉛引鋼板の目地および外周を亜鉛溶射被膜で被覆するこ
    とを特徴とする木質建築物のシロアリ食害防止方法。
  2. 【請求項2】 床下表面からの高さ約100mm以下の
    部分を亜鉛引鋼板と亜鉛溶射被膜のいずれかで被覆する
    ことを特徴とする請求項1記載のシロアリ食害防止方
    法。
  3. 【請求項3】 土間セメントモルタル又は土間コンクリ
    ートから突設される垂直壁の部分で亜鉛引鋼板の端部を
    垂直壁に沿って折れ曲げて垂直壁に係止し、係止した亜
    鉛引鋼板の端部を亜鉛溶射被膜で被覆することを特徴と
    する請求項1または2に記載のシロアリ食害防止方法。
  4. 【請求項4】 土間セメントモルタル又は土間コンクリ
    ート上面で隣接する亜鉛引鋼板の端部を重複させて係止
    し、係止した亜鉛引鋼板の端部を亜鉛溶射被膜で被覆す
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    のシロアリ食害防止方法。
  5. 【請求項5】 亜鉛引鋼板を土間セメントモルタル又は
    土間コンクリートもしくはコンクリート基礎の表面に接
    着剤で貼付することを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれかに記載のシロアリ食害防止方法。
  6. 【請求項6】 床下の束石に亜鉛引鋼板を被せ、亜鉛引
    鋼板の間を亜鉛溶射被膜で被覆することを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれかに記載のシロアリ食害防止方
    法。
  7. 【請求項7】 亜鉛引鋼板および亜鉛溶射被膜の上をモ
    ルタルで被覆することを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれかに記載のシロアリ食害防止方法。
  8. 【請求項8】 床下の土壌部分をひび割れ防止処理を施
    した土間セメントモルタル又は土間コンクリートで覆
    い、該土間セメントモルタル又は土間コンクリートとそ
    の表面から突設される垂直壁との接合部分を亜鉛溶射被
    膜で被覆することを特徴とする木質建築物のシロアリ食
    害防止方法。
  9. 【請求項9】 化学反応により酸素を消費する還元性物
    質を床下土中に埋め、床下土面に防湿フィルムを敷き、
    その上に土間コンクリートを施すことを特徴とする木質
    建築物のシロアリ食害防止方法。
  10. 【請求項10】 土間空間に面する木質部材を亜鉛溶射
    被膜で被覆することを特徴とする請求項1ないし9のい
    ずれかに記載のシロアリ食害防止方法。
  11. 【請求項11】 木質部材を組立前に亜鉛溶射被膜で被
    覆しておくことを特徴とする請求項10記載のシロアリ
    食害防止方法。
  12. 【請求項12】 床下の土壌部分に敷かれた土間セメン
    トモルタル又は土間コンクリートと、該土間セメントモ
    ルタル又は土間コンクリート上面に亜鉛引鋼板と、該亜
    鉛引鋼板の目地および外周を被覆した亜鉛溶射被膜を有
    することを特徴とする木質建築物。
  13. 【請求項13】 床下の土壌部分に敷かれたひび割れ防
    止処理を施した土間コンクリートと、該土間コンクリー
    トと土間コンクリートから突設される垂直壁との接合部
    分を被覆した亜鉛溶射被膜を有することを特徴とする木
    質建築物。
  14. 【請求項14】 土間空間に面した部分に亜鉛溶射被膜
    で被覆した木質部材を有することを特徴とする請求項1
    2または13記載の木質建築物。
JP32946594A 1994-12-02 1994-12-02 シロアリ食害防止方法およびそれを用いた木質建築物 Pending JPH08154564A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146874A (ja) * 2000-11-17 2002-05-22 Sekisui Chem Co Ltd 住宅用排水システム
KR100462036B1 (ko) * 1997-12-17 2005-02-28 가부시키가이샤 제이에스피 흰개미로인한건축재료의손상방지방법
US11691109B2 (en) 2017-03-17 2023-07-04 Sumitomo Chemical Company, Limited Gas separation membrane element, gas separation membrane module and gas separation apparatus

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