JPH08154548A - 高強度細径テグス - Google Patents

高強度細径テグス

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JPH08154548A
JPH08154548A JP32957394A JP32957394A JPH08154548A JP H08154548 A JPH08154548 A JP H08154548A JP 32957394 A JP32957394 A JP 32957394A JP 32957394 A JP32957394 A JP 32957394A JP H08154548 A JPH08154548 A JP H08154548A
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JP
Japan
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wire
tin
diameter
coating
tensile strength
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP32957394A
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English (en)
Inventor
Keiji Kamimura
啓二 上村
Atsuo Morii
惇雄 森井
Seiji Ito
正爾 伊藤
Junji Sonaka
淳司 惣中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Metal Industry Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Metal Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属撚り線からなる細径テグスであつて、外
径が0.041〜0.057mm(0.05〜0.10
号)の範囲でも引張強度が十分に高く、水中での劣化を
防止する耐食性に優れ、仕掛けを作るときにカールせず
しなやかで、直線性を有する高強度細径テグスを得る。 【構成】 0.9%以上の炭素を含む高炭素鋼からなる
鋼線をパテンチング、伸線加工を繰り返して所定の線径
を有する素線1とし、素線1を複数本撚り合せて撚り線
2とし、撚り線2に低溶融金属のコーテイング層3aを
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外径が細く高い引張強度
と高い耐食性を有し、かつ撚りぐせがなく結節強度の優
れた細径テグス(釣り糸)、特に鮎の友釣りおよび渓流
釣りに適した高強度細径テグスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在使用されているテグスには、ナイロ
ン、ポリエステル、ポリフツ化ビニリデン樹脂などの合
成樹脂線や、ピアノ線、タングステン線、Ni−Tiに
代表される超弾性線などの金属線または金属撚り線が採
用されている。
【0003】図2に示すように、例えばピアノ線を用い
たテグスBとしては、縦弾性係数が高く、強度が大なる
ものを得るために、0.6%以上の炭素を含む高炭素鋼
線1を使用し、パテンチングおよび伸線加工を繰り返し
行つた後に、撚り線加工(通常7本撚り)を施し、撚り
線2の表面にフツ素系樹脂を厚さ3〜7μmにコーテイ
ングしたものが市販されている。
【0004】上述したテグスBはコーテイング層3が厚
いことと、0.8%の炭素を含む高炭素鋼線1であるピ
アノ線を使用することから、引張強度が240〜250
kgf/mm2 程度であり、市場の要求を満していなかつた。
【0005】上述のテグスにおいて、コーテイング層の
厚さを3〜7μmにした理由は、撚り線加工またはブレ
ード編み加工により線ぐせが悪くなり、パーマ状になつ
ているのを、コーテイング層を厚くすることにより、撚
りぐせ、編みぐせを矯正し、直線状のテグスに仕上げる
ためである。しかし、撚り線に対するコーテイング層を
厚くしても、撚りぐせまたは編みぐせを完全になくする
ことはできなかつた。鮎の友釣りや渓流釣りに要求され
るテグスの基本的な特性は、水切り抵抗が小さく、当り
の感度がよく、水中での劣化が少なく、さらに直線性と
柔軟性を有することである。この現状を説明すると次の
ようである。
【0006】鮎の友釣りに細く切れにくいテグスが要求
される理由は、まず囮を誘導する際に水中に入る水切り
糸と称する部分の外径が太いと、テグスの水流による抵
抗が大きくなり、これを受けながら泳ぐ囮に大きな負担
が加わり、囮の体力、遊泳力が急速に低下する。活発な
囮と体力の弱つた囮では釣果に大きな差がでるので、囮
に負担を掛けないためには、テグスが細いことは極めて
重要な因子である。
【0007】次に、高い引張強度が要求される理由は、
囮を誘導している段階では、従来の水中糸の強度で十分
であるが、野鮎が釣り針に掛かつてから取り込む段階で
は十分とはいえない。すなわち、野鮎が釣り針に掛かつ
た場合に、水中糸に作用する負荷は囮の体重と、掛かつ
た鮎の体重と、これらが受ける水流抵抗との和になる。
【0008】特に、釣り針は野鮎の何処に掛かるかわか
らず、釣り針の掛かる部位により水中糸に作用する負荷
は大きく異なる。例えば、囮の体重が100g、掛かり
鮎の体重か100g(鮎の体長約21cm)を尾掛かり
(抵抗の大きな掛かり部位)して、荒瀬で掛けた場合
に、市販の0.3号の水中糸(引張強度約600g)で
は、引抜きで取り込むことは殆んど不可能であり、寄せ
て取り込むにも、流れの緩い所で辛うじて取り込める程
度である。しかも、通常のナイロンテグスは水中に浸漬
すると、強度が経時的に低下するので、細い水中糸の場
合は、1日に2〜3回新しい糸と交換して使用してい
る。囮の動きを活発に保つて釣果をあげるためには、益
々細い水中糸が求められているが、外径0.090〜
0.074mm(0.3〜0.2号)の範囲では、十分に
高い引張強度の水中糸はまだ開発されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
技術の問題点に鑑みなされたもので、金属撚り線からな
る細径テグスであつて、外径が0.041〜0.057
mm(0.05〜0.10号)の範囲でも引張強度が十分
に高く、水中での劣化を防止し、耐食性に優れ、仕掛け
を作るときにカールせずしなやかで、直線性を有する高
強度細径テグスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成は高強度細径テグスとして、0.9%
以上の炭素を含む高炭素鋼からなる鋼線を、パテンチン
グ、伸線加工を繰り返して所定の線径を有する素線と
し、該素線を複数本撚り合せて撚り線とし、該撚り線に
低溶融金属をコーテイングしたものである。
【0011】
【作用】金属撚り線の外周面に耐食性を有する低溶融金
属のコーテイング層を設けて高強度細径テグスを構成す
る。金属撚り線の材質は高強度を有する0.9%以上の
炭素を含むピアノ線にする。金属撚り線の撚り加工によ
る撚りぐせを除去し、直線状の細径テグスにする。
【0012】
【実施例】図1は本発明による高強度細径テグスの横断
面図である。線径が0.016mmで1%の炭素を含む高
炭素鋼線であるピアノ線を素線1とし、7本の素線1を
線径の18倍のピツチで撚り合せ、外径0.048mm、
引張強度0.7kgf の撚り線2を得る。しかし、撚り線
2は撚り加工中によじれが入り(15〜20回/m)、
甚だしいカール状になつている。
【0013】カール状の線ぐせではテグスとしての機能
を果さないので、撚り加工による線ぐせ、つまりよじれ
を解除する必要がある。よじれをなくすためには、まず
単位長さ当りのよじれ方向(右回転か左回転か)とよじ
れ回数を調べる。例えば、よじれ方向が左回転でよじれ
回数が15回/mであれば、図2に撚り線を右回り(時
計回り)に15回/mだけ回転することにより、撚り線
に内在していたよじれが解除され、直線状の線ぐせを得
ることができる。
【0014】次に、撚り線2に耐食性を有する低溶融金
属のコーテイング層3aを形成する。本発明に用いるピ
アノ線は主成分が鉄であるので錆びやすいことから、耐
食性を有するコーテイングを施す必要がある。コーテイ
ングとして一般的な樹脂コーテイングは、剥げ易く耐食
性に難点がある。特にテグスが岩などに擦れた場合にコ
ーテイングの剥離が顕著であり、当然内部のピアノ線に
錆が生じ、ピアノ線の破断に至る。また、樹脂コーテイ
ングのピンホールをなくすためには、コーテイングの厚
さを5〜6μmにする必要があり、コーテイングを厚く
すると外径は10〜12μmにもなつてしまう。コーテ
イングの厚さは引張強度に寄与せず、テグスをより細
く、より強くするという要求に逆らうものとなる。
【0015】そこで、本発明は撚り線2に耐食性を有す
る低溶融金属のコーテイングを施す。コーテイング材料
として金属、特に錫を溶融めっき法により撚り線にコー
テイングする。溶融錫めっき法を採用した理由は以下の
とおりである。
【0016】錫は大気中や水中において錆びにくく、耐
食性に優れている。溶融錫めっきした撚り線の外観は、
光沢のある錫特有の色調を保持し、鮎釣り時テグスの水
中での視認性がよく、テグスの状況がよく分る。錫の溶
融温度は232℃であるので、溶融錫めっきの処理温度
は240〜250℃でよい。1%の炭素を含むピアノ線
は処理温度240〜250℃で溶融錫めっきしても、引
張強度の低下は殆ど認められない。錫は柔らかく摺動抵
抗が小さいので、錫めっきは剥離しがたく、石擦れ、岩
擦れによりテグスの糸ぐせが悪化したり断線する機会が
少ないという特徴がある。
【0017】以上の理由により、コーテイングに溶融錫
めっき法を採用したが、コーテイング材料として錫と鉛
の合金すなわち半田合金を用い、より低い処理温度での
溶融めっきも可能である。しかし、半田合金は鉛の含有
量が多くなるに従い、光沢が減少し、灰色の色調にな
る。また、鉛は人体に有害であることから、半田合金め
っきよりも錫めっきのほうがコーテイングの光沢が良
く、テグスの視認性(線の存在が見え易いこと)に優れ
ている。
【0018】コーテイングとしての溶融錫めっき法につ
いて具体的に説明する。
【0019】1%の炭素を含む線径0.016mmのピア
ノ線を7本撚り合せて外径0.048mmの撚り線(ロー
プ)に加工した後、油脂などの付着物を除去するために
電解脱脂を行う。つまり、脱脂液として苛性ソーダ10
0 g/litの濃度で陽極および陰極電解脱脂を行う。次い
で、撚り線を水洗した後、塩酸に浸漬して活性化後フラ
ツクス(FLux)液に浸漬する。フラツクス液の組成は塩化
亜鉛240 g/lit、塩化ナトリウム60 g/lit、塩化ア
ンモニウム30 g/lit、塩酸12 mlit/lit の水溶液
(都合により litは容量単位リツトルを表す)とし、撚
り線を前記水溶液に浸漬した後、溶融錫の中に浸漬して
錫めっきを行いテグスを得る。テグスは溶融錫の中から
巻取機で連続的に巻き取る。巻き取られたテグスは錫特
有の光沢のある色調を示し、しなやかでほぼ直線状をな
す。
【0020】本発明による細径テグスAは、図1に示す
ように錫めっきされており、錫めっき層3aは厚さ0.
5〜0.7μmである。したがつて、7本撚りの外径
0.048mmの撚り線は、錫めっき後に外径0.049
〜0.0494mmになる。
【0021】コーテイング層が薄いことはテグスの特性
に重要である。すなわち、1%の炭素を含む線径0.0
16mmのピアノ線を7本撚り合せてなる撚り線は、外径
0.048mm、引張強度0.7 kgf(引張強さ=390
kgf/mm2 )であるが、錫めっき後のテグスは外径0.1
49mm、引張強度0.7kgf 、引張強さ370kgf/mm2
である。したがつて、撚り線の錫めっき後の引張強さの
低下は20kgf/mm2 である。
【0022】一方、従来の0.8%の炭素を含む線径
0.016mmのピアノ線を7本撚り合せてなる外径0.
048mmの撚り線に、厚さ5μmのフツ素系樹脂をコー
テイングしたテグスは、外径0.058mm、引張強度
0.6kgf 、引張強さ230 kgf/mm2であつた。
【0023】本発明による細径テグスAと従来の金属テ
グスBを、外径と引張強度について比較すると次の通り
である。
【0024】
【表1】 表1から解るように、本発明による細径テグスAは号数
×10の引張強度を有し、この強度は他に類を見ない。
そして、本発明による細径テグスは線ぐせがよく、耐食
性に富み、光沢が錫の色調のため視認性がよく、結節強
度比は60%以上あり、よい仕掛けを作ることが容易で
ある。
【0025】
【発明の効果】本発明は上述のように、0.9%以上の
炭素を含む高炭素鋼からなる鋼線をパテンチング、伸線
加工を繰り返して所定の線径を有する素線とし、該素線
を複数本撚り合せて撚り線とし、該撚り線に低溶融金属
をコーテイングしたものであるから、次のような効果が
得られる。 (1) 0.9%の炭素を含むピアノ線を使用したこと
により引張強さが約20%向上し、溶融錫めっきによる
錫めっき層の厚さを0.5〜0.7μmにしたことによ
り引張強さが約30%向上し、引張強さを都合約50%
高めることができた。 (2) 錫めっき層の厚さを1μm以下にしても、テグ
スの線ぐせが良好であるのは、7本撚りの撚り加工(ロ
ープ加工)をした撚り線を、よじれ方向と逆に回転し
て、撚り加工時生じたよじれぐせを除去したことによ
る。 (3) 錫めっき層が薄いにもかかわらず、錫めっき層
にピンホールがないのは、錫めっき前の電解脱脂などの
前処理で、付着物を完全に除去し洗浄しているため、溶
融錫と地鉄の間に薄い合金(FeSn2)層が生じ、密着性が
極めて優れた光沢のある錫めっき層が形成されることに
よる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る細径テグスの断面図である。
【図2】従来のテグス断面図である。
【符号の説明】
A:細径テグス 1:素線 2:撚り線 3a:コーテ
イング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 惣中 淳司 東京都千代田区丸の内1−8−2 鈴木金 属工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.9%以上の炭素を含む高炭素鋼からな
    る鋼線をパテンチング、伸線加工を繰り返して所定の線
    径を有する素線とし、該素線を複数本撚り合せて撚り線
    とし、該撚り線に低溶融金属をコーテイングしたことを
    特徴とする高強度細径テグス。
JP32957394A 1994-12-02 1994-12-02 高強度細径テグス Withdrawn JPH08154548A (ja)

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JP32957394A JPH08154548A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 高強度細径テグス

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JPH08154548A true JPH08154548A (ja) 1996-06-18

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113003355A (zh) * 2021-03-03 2021-06-22 江苏兴华胶带股份有限公司 一种电梯钢绳专用裹塑碳纤维绳芯

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113003355A (zh) * 2021-03-03 2021-06-22 江苏兴华胶带股份有限公司 一种电梯钢绳专用裹塑碳纤维绳芯
CN113003355B (zh) * 2021-03-03 2022-03-01 江苏兴华胶带股份有限公司 一种电梯钢绳专用裹塑碳纤维绳芯

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Effective date: 20020205