JPH08154300A - 音響再生装置 - Google Patents

音響再生装置

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JPH08154300A
JPH08154300A JP6293333A JP29333394A JPH08154300A JP H08154300 A JPH08154300 A JP H08154300A JP 6293333 A JP6293333 A JP 6293333A JP 29333394 A JP29333394 A JP 29333394A JP H08154300 A JPH08154300 A JP H08154300A
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voice coil
sound
speakers
channel
speaker
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JP6293333A
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Toru Mori
徹 森
Makoto Onozawa
誠 小野澤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音場の拡がりを保ちつつ、備えるスピーカの
個数を減らし、寸法が小さく製造コストの低い音響再生
装置を提供する。また、音質の向上を図りつつ、製造コ
ストの低い音響再生装置を提供する。 【構成】 左右チャンネル出力用スピーカは、それぞ
れ、第1のボイスコイル1a,2aと、前記第1のボイ
スコイルと積層して巻回した第2のボイスコイル1b,
2bとを備える。前記第1のボイスコイル1a,2aは
それぞれ主信号(L、R)を再生し、前記第2のボイス
コイル1b,2bはそれぞれ主信号の差信号(L−R、
R−L)を再生する。このとき左右の第1のボイスコイ
ル1a,2aの再生する主信号が虚音像を形成し、左右
チャンネル出力用スピーカの外側に、それぞれ、主信号
と差信号が虚音像を形成する。結果、再生音場が拡大さ
れる。また、ローパスフィルタを省けるので製造コスト
が削減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステレオ音場で複数の
音像を形成することによって、音場の拡大を図ることが
可能な音響再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ステレオ再生装置では、図9
(A)に示すように、スピーカ52、53はディスプレ
イ装置51の左右に配置される。あるいは図9(B)に
示すように、スピーカ52、53が適当な間隔wでディ
スプレイ装置51の下側に配置される。このような場
合、ステレオ再生において得られる音場の幅(大きさ)
は、概略、左右に配置されたスピーカ52、53の間隔
wによって決まる。そのため、図9(A)(B)に示す
ようなスピーカ位置でステレオ再生を行なうと、スピー
カの間隔w以上に音場を拡げことができず、音場が狭く
臨場感が損なわれるという問題点があった。また、図9
(B)に示すディスプレイ装置においては、ディスプレ
イ装置51の下側から音声が聴こえるという欠点があっ
た。
【0003】そこで、従来、図10に示すように、電力
増幅器55,56の極性(+または−)に対して、左右
チャンネル用スピーカ52,53のどちらかの一方のス
ピーカの極性を逆に接続することによって、左右チャン
ネル用スピーカの出力信号の差信号成分(L−Rまたは
R−L)の虚音像を形成し臨場感をよくしていた。しか
し、左右いずれか一方のチャンネル用スピーカの極性を
逆に接続すると、左右チャンネル用スピーカからの再生
音が逆位相となるため、特に波長の長い低・中音域(主
に1kHz以下)では、互いに音声成分を打消し合い全
体的に低音の抜けた音質になる。
【0004】このような問題を解決する技術として、特
開 昭59−32300記載のように、図11、図13
に示すように左右それぞれに2個のスピーカ57〜60
を用いるものが知られている。すなわち、主音源となる
左右のチャネル(L:左チャネルの信号、R:右チャネ
ルの信号)用スピーカ57の外側に、それらの出力信号
の差信号成分(L−R、L−R)を再生する副音源とな
るスピーカ59,60をそれぞれ備えることにより、図
12中の点線63で示す両耳間クロストークが打消さ
れ、左右のチャネル用スピーカ59,60の外側に、主
音源が再生する主信号と副音源が再生すると差成分との
合成によって虚音像(L+(L−R)およびR+(R−
L))がそれぞれ形成され、臨場感が増すという効果を
生じさせる。また、左右のチャネル用スピーカにより主
信号成分は同位相で再生されるので、前述の音声成分の
打消しが生じることはない。なお、この場合には、左右
のチャネル用スピーカの中央位置に和信号(L+R)に
よる虚音像を形成する。また、特開 昭59−3230
0には、左右のチャネル用スピーカ57と59、および
58と60の間隔は、左右の耳の間隔(約16.5c
m)の1.2倍程度が望ましいことが記載されている。
【0005】さて、映画などのビデオソースを音源とし
た場合の、上記従来技術の構成による、すなわち図13
中の各スピーカ57、58、59、60により再生され
る主信号成分および差信号成分の周波数スペクトルを図
15に示す。
【0006】図14において、65は左側主音源である
スピーカ57により再生される左チャネルの主信号成分
(L),66は右側主音源であるスピーカ58により再
生される右チャンネルの主信号成分(R),67は左側
副音源であるスピーカ59により再生される差信号成分
(L−R),68は右側副音源であるスピーカ60によ
り再生される差信号成分(R−L)の、それぞれの周波
数スペクトル特性である。図14に示すように、周波数
低域から中域では、左右チャンネルの主信号成分(L、
R)に、大きさ、および位相の差があまり無いので差信
号が生じにくい。一方、周波数中域から高域では、左右
チャンネルの信号(LおよびR)に、大きさ、および位
相の差が生じてくるため、差信号成分(L−RおよびR
−L)のスペクトルに高周波成分が多く生じる。このよ
うに、高周波成分が多くなると、人間の聴覚には雑音が
多くなったように聴こえるという問題がある。
【0007】このような問題を解決する従来技術とし
て、特開 平2−277400記載のように、図15に
示すように左右の副音源となるスピーカ59,60の前
段にローパスフィルタ(LPF)71,72を挿入する
ものが知られている。すなわち、左右の副音源となるス
ピーカ59,60の前段にローパスフィルタ(LPF)
71,72を挿入することにより、差信号成分(L−R
およびR−L)の高周波成分を抑制し雑音性感覚を生じ
させなくすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、例
えばディスプレイ装置に応用した場合、主音源となる左
右チャネル用スピーカ57,58の外側に、それぞれ副
音源のスピーカ59,60を備えるため、テレビジョン
受像機51自体の横幅寸法が大きくなるという欠点があ
った(図16参照)。さらに、この場合、合計4個のス
ピーカを備えることによる製造コストの増加という問題
もある。
【0009】また、雑音性感覚を抑制するために、ロー
パスフィルタ71,72を備えることによって製造コス
トが増加するという問題があった。
【0010】そこで本発明は、音場の拡がりを保ちつ
つ、備えるスピーカの個数を減らすことにより、寸法の
小さな、製造コストの低い音響再生装置を提供すること
を一つの目的とする。
【0011】また、このような音響再生装置において、
音質の向上を図りつつ、製造コストの低減を図ることを
一つの目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明では、対応するチャネル信号に応じた音声を
再生する二つのチャネル出力用スピーカを備えた音響再
生装置であって、前記各チャネル出力用スピーカは、前
記対応するチャネル信号を入力する第一のボイスコイル
と、前記第一のボイスコイルに入力されるチャネル信号
と、他の一方のチャネル出力用スピーカの備える第一の
ボイスコイルに入力されるチャネル信号との差信号を入
力する第二のボイスコイルとをそれぞれに備え、前記第
一のボイスコイルと前記第二のボイスコイルは積層して
巻回されていることを特徴とする音響再生装置を提供す
る。
【0013】さらに、このような音響再生装置であっ
て、前記各チャネル出力用スピーカに入力されるチャネ
ル信号を入力とし、その差信号を出力する差信号出力回
路を備え、前記各チャネル出力用スピーカが備える第2
のボイスコイルは、直列もしくは並列に、前記出力回路
に接続することを特徴とする音響再生装置を提供する。
【0014】
【作用】本発明にかかる音響装置によれば、前記各チャ
ネル出力用スピーカそれぞれの第一のボイスコイルは、
前記対応するチャネル信号を入力とし、前記各チャネル
出力用スピーカそれぞれの第二のボイスコイルは、第一
のボイスコイルに入力されるチャネル信号と、他の一方
のチャネル出力用スピーカの備える第一のボイスコイル
に入力されるチャネル信号との差信号を入力とする。各
チャネル出力用スピーカのそれぞれにおいて、このよう
な前記第一のボイスコイルと前記第二のボイスコイル
を、積層して巻回すことにより、各チャネル出力用スピ
ーカのスピーカは見掛け上1個ずつとなるため、ディス
プレイ装置自体の横幅寸法が小さくなる。
【0015】また、前記各チャネル出力用スピーカそれ
ぞれの前記第二のボイスコイルのインダクタンスを前記
第1のボイスコイルのインダクタンスより大きくした場
合は、前記第二のボイスコイルにより変換された音響信
号の高周波成分が抑制される。したがって、例えばロー
パスフィルタような雑音性感覚を抑制する手段を特別に
備える必要がなくなり、製造コストの低減が図れる。
【0016】さらに、差信号出力回路を備えた場合は、
前記差信号出力回路は、前記各チャネル出力用スピーカ
に入力されるチャネル信号を入力とし、その差信号を出
力する。その結果、第二のボイスコイルに入力する差信
号を安定して得ることができるため、音質が向上する。
【0017】
【実施例】以下、添付した図面を参照して、本発明の実
施例について説明する。
【0018】本実施例では、音場の拡がりを保ちつつ、
備えるスピーカの個数を減らすことにより、寸法の小さ
な、製造コストの低い音響再生装置を提供する。また、
このような音響再生装置おいて、音質の向上を図りつ
つ、製造コストの低減を図る。
【0019】まず、音場の拡がりを保ちつつ、備えるス
ピーカの個数を減らすための音響再生装置の構成を、図
1及び図2を用いて説明する。
【0020】図1は本実施例に係る音響再生装置の構成
図の一例である。
【0021】図1において、1は左チャネルの信号を再
生する左チャネル用スピーカ、2は右チャネルの信号を
再生する右チャネル用スピーカである。左チャネル用ス
ピーカ1は、左チャネルの主信号成分(L)を再生する
第1のボイスコイル1aと、左チャネルの主信号成分
(L)と右チャネルの主信号成分(R)の差信号成分
(L−R)を再生する第2のボイスコイル1bとを備え
る。同様に、右チャネル用スピーカ2は、右チャネルの
主信号成分(R)を再生する第1のボイスコイル2a
と、右チャネルの主信号成分(R)と左チャネルの主信
号成分(R)の差信号成分(R−L)を再生する第2の
ボイスコイル2bとを備える。
【0022】ここで、左右のチャンネル用スピーカ1、
2が備える第1のボイスコイル1a、2aは、それぞ
れ、左右チャンネルのそれぞれの電力増幅器3、4に接
続する。このように接続することによって、各々の第1
のボイスコイルは主信号成分を、それぞれ再生する。
【0023】一方、左チャネル用スピーカ1の備える第
2のボイスコイルスピーカ1bは、入力端子+を左チャ
ネルの電力増幅器3の出力端子+に、入力端子−を右チ
ャンネルの電力増幅器4の出力端子+に接続する。同様
に、右チャンネル用スピーカ2の備える第2のボイスコ
イルスピーカ2bは、入力端子+を右チャンネルの電力
増幅器4の出力端子+に、入力端子−を左チャンネルの
電力増幅器3の出力端子+に接続する。このように接続
することによって、各々の第2のボイスコイルは、それ
ぞれ差信号成分を再生する。
【0024】このような接続により、左右チャネル信号
用スピーカの中央位置に、左右の主信号成分の合成によ
り(L−R)あるいは(R−L)を成分とする虚音像を
形成する。また、左右のチャネル用スピーカ1、2の外
側に、それぞれ、主信号成分と差信号成分との合成によ
って虚音像(L+(L−R)およびR+(R−L))を
形成する。結果、臨場感を向上させるという効果を生じ
る。このとき、第2のボイスコイルのインピーダンス値
を、第1のボイスコイルのインピーダンス値の2分の1
にすると差信号の音圧レベルが上昇し臨場感が増す。し
かし同時に差信号成分(L−RおよびR−L)のスペク
トルに高周波成分が多く生じ、人間の聴覚には雑音が多
くなったように聴こえるという欠点ある。
【0025】なお、左右のチャネル用スピーカ1、2の
備えた第2のボイスコイル1b、2bは、図3に示すよ
うに接続してもよい。すなわち、左右のチャネル用スピ
ーカ1および2の第2のボイスコイル1b、2bの−端
子同士を接続する。さらに、左右のチャネル用スピーカ
1および2の第2のボイスコイル1b、2bの+端子
は、それぞれのチャネルの電力増幅器3および4の出力
端子の+に接続する。このような接続によっても、図1
に示した接続の場合と同様な効果を生じる。
【0026】図2は本実施例に係る音響再生装置に用い
た左右チャネル用スピーカの断面図である。
【0027】図2において、1a、2aは主信号を再生
する第1のボイスコイル、1b、2bは差信号を再生す
る第2のボイスコイル、1c、2cはボイスコイルボビ
ン、5は磁気回路、6は振動板、7は磁気回路5および
振動板6を支持するフレームである。
【0028】独立した入力端子を持つ第1のボイスコイ
ル1a、2aと第2のボイスコイル1b、2bとを、共
通のボイスコイルボビン1c、2cに巻回すことによっ
て、主信号成分と差信号成分を同一のスピーカで再生す
る。
【0029】このような構成により、本実施例にかかる
音響再生装置において、音場の拡がりを保ちつつ、備え
るスピーカの個数を減らすことが可能となる。その結
果、音響再生装置の横寸法の縮小と製造コストの低減と
が実現できる。
【0030】以上で音場の拡がりを保ちつつ、備えるス
ピーカの個数を減らすための音響再生装置構成について
の説明を終わる。
【0031】以下、本実施例にかかる音響再生装置にお
いて、音質の向上を図りつつ、製造コストの低減を図る
方法について説明する。
【0032】さて、前述したように、映画などのビデオ
ソースを音源とした場合、差信号成分(L−RおよびR
−L)のスペクトルに高周波成分が多く生じるため、人
間の聴覚には雑音が多くなったように聴こえるという問
題があった。
【0033】そこで、本実施例に係る音響再生装置にお
いて、このような差信号成分のスペクトルの高周波成分
を抑制する方法を、図4、図5を用いて説明する。
【0034】図4は、本実施例に係る音響再生装置の構
成図の一例である。
【0035】図4(A)(B)は、本実施例に係る音響
再生装置に用いた左右チャネル用スピーカにおいて、備
える第2のボイスコイルbのインダクタンス分を第1の
ボイスコイルaより大きくした構成である。すなわち、
図4(A)においては、第1のボイスコイルaより第2
のボイスコイルbの巻層を多くすることにより、一方、
図4(B)においては、第1のボイスコイルaより第2
のボイスコイルbの巻幅を大きくすることにより、備え
る第2のボイスコイルbのインダクタンス分を第1のボ
イスコイルaより大きくする。
【0036】図5は、図4に示したスピーカの備える第
1のボイスコイルおよび第2のボイスコイルのインピー
ダンス曲線と音圧周波数特性である。
【0037】図5において、8、9はそれぞれ第1のボ
イスコイルのインピーダンス曲線、音圧周波数特性であ
り、10、11はそれぞれ第2のボイスコイルのインピ
ーダンス曲線、音圧周波数特性である。
【0038】図5に示すように、第2のボイスコイルの
インダクタンスを大きくすると、高周波になるに従っ
て、インピーダンス曲線10が上昇し、音圧周波数特性
11が減衰する。これは、第2のボイスコイルは、イン
ダクタンスを大きくしたことにより、第2のボイスコイ
ルの再生する差信号成分の高周波成分が抑制されること
を示す。同時に、音質の良い再生音が得られることを示
す。
【0039】したがって、このような構成をとることに
より、差信号成分のスペクトルの高周波成分を抑制する
ためにローパスフィルタ等を備える必要がなく、製造コ
ストの削減を図ることができる。
【0040】以上で、本実施例にかかる音響再生装置に
おいて、音質の向上を図りつつ、製造コストの低減を図
る方法の説明を終わる。また、このような音響再生装置
において後述のような方法を用いることで、さらに音質
の向上がのぞめる。
【0041】さて、以下、本発明に係る実施例に用いた
音響再生装置の音質を向上させる方法を説明する。
【0042】図6に、本実施例にかかる音響再生装置、
すなわち図4に示した構成からなる音響再生装置にツィ
ータを備えた場合の構成図の一例を示す。
【0043】図6において、左右チャネル用スピーカ
1、2は、図4(A)(B)のいずかの構成により、備
えた第2のボイスコイルのインダクタンス分を大きくし
たものである。また、左右チャネル用スピーカ1、2
は、それぞれ、不足した高音を再生するためのツィータ
12、13を備える。すなわち、各ツィータ12、13
は、それぞれ、ハイパスフィルタ14、15を介して第
1のボイスコイル1a、2aに並列に接続され、第1の
ボイスコイルが再生する主信号成分の高域成分を補う。
このようにツィータ12、13を併用した結果、低域か
ら高域までバランスのとれた、明瞭な再生音が得られ
る。
【0044】ところで、図1、図3および図6に示すよ
うに、第1、および第2ボイスコイルをひとつの電力増
幅器に接続すると、電力増幅器の出力インピーダンスが
低下することによって、動作状態が不安定になることが
ある。従って、電力増幅器の動作の安定性を得るため
に、それぞれスピーカ1、2が備えた第1、および第2
ボイスコイル1a、2a、1b、2bのインピーダンス
値を考慮する必要がある。例えば、本実施例において用
いた電力増幅器は、出力インピーダンスが8Ωの場合、
安定した出力が得られるが、そのためには、第1および
第2ボイスコイル1a、2a、1b、2bのインピーダ
ンスを16Ω乃至24Ωとすればよい。しかし、許容入
力を同一にするためにそれぞれのボイスコイルの線径を
同一とすると、ボイスコイルの線長が必要以上に長くな
り、その結果巻幅が大きくなり好ましくない。
【0045】そこで、図7に示すように、左右のチャネ
ル出力用スピーカにおいて、それぞれ、第1のボイスコ
イル1a、2aと第2のボイスコイル1b、2bを別個
の電力増幅器3、4、16、17により印加する。この
とき、第2のボイスコイル1b、2bが差信号成分を再
生するように、電力増幅器16、17の前段には、それ
ぞれ左右チャンネルの差分を取る減算回路18、19を
挿入する。
【0046】この結果、電力増幅器3、4および16、
17の動作が安定し、各ボイスコイルが安定した入力信
号を得ることができるので、再生音の音質が向上する。
【0047】さらに第2のボイスコイル1b、2bを駆
動する電力増幅器16、17と、前段の減算回路18、
19との間に、入力信号の特定の帯域を抽出するバンド
パスフィルタ20、21、入力信号の遅延時間τを調整
する遅延回路22、23、入力信号の位相ψを調整する
位相シフト回路24、25を挿入し、電力増幅器16、
17に印加する入力信号の周波数帯、位相を調節するこ
とにより、減算回路18、19から直接に入力信号を印
加した場合に比べ、再生音場の拡がり感と奥行き感を得
ることができる。
【0048】なお、より低周波成分を重視する場合に
は、ローパスフィルタ26、27を挿入し、入力信号の
高周波成分を遮断するようにすると雑音感のない自然な
音声になる。また、図8に示す構成とした場合、電力増
幅器の個数を減らすことができる。すなわち、左右チャ
ンネルの差分を取る減算回路29の後段の電力増幅器2
8に、左右チャネル用スピーカ1、2のそれぞれの第2
のボイスコイル1b、2bを、入力が互いに逆位相とな
るように、直列に接続する。あるいは、互い入力が逆位
相となるように並列に接続してもよい。このように、左
右チャンネルの差分を取る減算回路29の後段の電力増
幅器28に、左右チャネル用スピーカ1、2のそれぞれ
の第2のボイスコイル1b、2bの入力信号を発生する
回路を共有することによって、電力増幅器の個数を減ら
すことができる。但し、この場合には前述したように、
電圧増幅器の動作の安定性を得るように、第1、及び第
2のボイスコイルのインピーダンス値を考慮する必要が
ある。なお、第2のボイスコイル1b、2bを駆動する
電力増幅器28と、前段の減算回路29との間にバンド
パスフィルタ30、遅延回路31、位相シフト回路3
2、ローパスフィルタ33を挿入することにより、図7
に示した構成と同様の効果を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る音響再生装置によれば、主
信号成分と差信号成分を同一のスピーカで再生すること
により、音場の拡がりを保ちつつ、備えるスピーカの個
数を減らすことが可能となり、音響再生装置の寸法の縮
小と製造コストの低減が実現できる。また、このような
音響再生装置おいて、差信号成分の高周波成分を抑制す
る手段を提供することにより、音質の向上を図りつつ、
製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の音響再生装置の構成図の一例
である。
【図2】図1の構成の音響再生装置に用いたスピーカの
断面図である。
【図3】本発明の実施例の音響再生装置の構成図の一例
である。
【図4】図1および図3の構成の音響再生装置に用いた
スピーカの断面図である。
【図5】図4のスピーカの音圧周波数特性および電気イ
ンピーダンス曲線である。
【図6】本発明の実施例の音響再生装置の構成図の一例
である。
【図7】本発明の実施例の音響再生装置の構成図の一例
である。
【図8】本発明の実施例の音響再生装置の構成図の一例
である。
【図9】従来技術における主音源のスピーカの配置図で
ある。
【図10】従来技術におけるスピーカの接続を示す構成
図の一例である。
【図11】従来技術におけるスピーカの接続を示す構成
図の一例である。
【図12】従来技術例におけるスピーカの配置と両耳間
のクロストークを説明する図である。
【図13】従来技術例における主音源および副音源のス
ピーカの配置と、両耳間のクロストーク、該両耳間のク
ロストークを打ち消す方法を説明する図である。
【図14】主音源および副音源のスピーカにより再生さ
れる再生音のスペクトル周波数特性である。
【図15】従来技術におけるスピーカの接続を示す構成
図の一例である。
【図16】従来技術のディスプレイ装置における主音源
および副音源のスピーカの配置図である。
【符号の説明】 1および2…左右チャンネル用スピーカ、1aおよび2
a…スピーカ1、2の第1のボイスコイル、1bおよび
2b…スピーカ1、2の第2のボイスコイル、3…スピ
ーカ1を駆動する電力増幅器、4…スピーカ2を駆動す
る電力増幅器、8、10…スピーカ1および2における
電気インピーダンス曲線、9、11…スピーカ1および
2における音圧周波数特性、12、13…ツィータ、1
4、15…ハイパスフィルタ、16…スピーカ1の第2
のボイスコイルを駆動する電力増幅器、17…スピーカ
2の第2のボイスコイルを駆動する電力増幅器、18、
19…左右チャンネルの差信号(L−R)、(R−L)
を作る減算回路、20、21…バンドパスフィルタ、2
2、23…遅延回路、24、25…位相シフト回路、2
6、27…ローパスフィルタ、28…スピーカ1、2の
第2のボイスコイルを駆動する電力増幅器、29…左右
チャンネルの差信号(L−R)を作る減算回路、30…
バンドパスフィルタ、31…遅延回路、32…位相シフ
ト回路、33…ローパスフィルタ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対応するチャネル信号に応じた音声を再生
    する二つのチャネル出力用スピーカを備えた音響再生装
    置であって、 前記各チャネル出力用スピーカは、前記対応するチャネ
    ル信号を入力する第一のボイスコイルと、 前記第一のボイスコイルに入力されるチャネル信号と、
    他の一方のチャネル出力用スピーカの備える第一のボイ
    スコイルに入力されるチャネル信号との差信号を入力す
    る第二のボイスコイルとをそれぞれに備え、 前記第一のボイスコイルと前記第二のボイスコイルは積
    層して巻回されていることを特徴とする音響再生装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の音響再生装置であって、 前記各チャネル出力用スピーカがそれぞれに備える第二
    のボイスコイルのインダクタンスが第1のボイスコイル
    のインダクタンスより大きいことを特徴とする音響再生
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の音響再生装置であ
    って、 前記各チャネル出力用スピーカに入力されるチャネル信
    号を入力とし、その差信号を出力する差信号出力回路を
    備え、 前記各チャネル出力用スピーカが備える第2のボイスコ
    イルは、直列もしくは並列に、前記出力回路に接続する
    ことを特徴とする音響再生装置。
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