JPH08153916A - 非線形素子の製造方法 - Google Patents

非線形素子の製造方法

Info

Publication number
JPH08153916A
JPH08153916A JP29479794A JP29479794A JPH08153916A JP H08153916 A JPH08153916 A JP H08153916A JP 29479794 A JP29479794 A JP 29479794A JP 29479794 A JP29479794 A JP 29479794A JP H08153916 A JPH08153916 A JP H08153916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zns
film
electrode
nickel
nonlinear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29479794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3214791B2 (ja
Inventor
Tomoji Yamagami
智司 山上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP29479794A priority Critical patent/JP3214791B2/ja
Priority to US08/469,912 priority patent/US5734452A/en
Priority to KR1019950016209A priority patent/KR100196776B1/ko
Priority to CN95109129.8A priority patent/CN1132255C/zh
Publication of JPH08153916A publication Critical patent/JPH08153916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3214791B2 publication Critical patent/JP3214791B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 面内再現性に優れた非線形素子の製造方法を
提供する。 【構成】 遷移金属硫化物をZnSに混合したターゲッ
トを用いたスパッタリング法により2端子型非線形素子
の非線形抵抗層を形成する。このとき、スパッタ装置の
チャンバー内において、ターゲット中に遷移金属の硫化
物で混合している状態の方が、遷移金属単体で混合して
いる状態より酸化されにくい。よって、チャンバー内の
残留ガス等による不純物の酸化の影響を防ぐことが可能
となり、非線形素子の安定性向上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば液晶表示装置
などの表示装置に利用される2端子型の非線形素子の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ等のOA
機器のダウンサイジング化に伴い、高機能フラットパネ
ルディスプレイの要求が高まっている。フラットパネル
として、液晶パネル、ELパネル、プラズマパネルの研
究開発が進められている。
【0003】特に、液晶パネルについては、時計、電卓
からパーソナルコンピュータ、テレビ等の幅広い表示装
置として商品化されている。今後マルチメディア化が進
むにつれて、高解像度、高コントラスト、フルカラー、
省電力駆動等の高機能化が要求される。これらの要求を
満たす表示装置として、個々の画素にアクティブ素子を
付加した、アクティブマトリックス型の液晶表示装置が
挙げられる。
【0004】上記アクティブ素子として、3端子素子の
薄膜トランジスター(TFT)と2端子素子の薄膜ダイ
オード(TFD)の2種類について開発が進められてい
る。特に、TFDは、TFTに比べて製造工程に必要な
マスク枚数が少ないため、低価格化が期待できる。現
在、2端子素子として、2つの電極の間に設けられる非
線形抵抗層に酸化タンタルを用いたMIM(Metal
−Insulator−Metal)素子が開発され、
この素子を利用した液晶表示装置が商品化されている
(特公昭61−32674号)。
【0005】図8(a)は、そのMIM素子を備えた液
晶表示装置の1画素分の一般的な構造図を示す平面図で
あり、図8(b)は図8(a)のE−E′線による断面
図である。このMIM素子は、ガラス基板101の上
に、タンタルからなる下部電極102、酸化タンタルか
らなる非線形抵抗層103、及びクロム等からなる上部
電極104がこの順に積層した構造を有する。このMI
M素子の上部電極104には、その端部と一部重畳し
て、透明導電性のITO等からなる画素電極105が設
けられ、両者が電気的に接続されている。上記非線形抵
抗層103は、下部電極102を陽極酸化するという陽
極酸化法によって形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
酸化タンタルを非線形抵抗層として用いたMIM素子で
は、上述したように陽極酸化法を成膜手段として用いて
いるため、非常に均一な膜が形成できる反面、電気のオ
ンオフ比がそれほど高くならないという問題点がある。
【0007】以下にその理由を説明する。酸化タンタル
を非線形抵抗層として用いたMIM素子における電気伝
導は、下記1式のプールフレンケル式に従うと考えられ
ている。
【0008】
【数1】
【0009】酸化タンタルの場合、その比誘電率は23
〜25と高い値を示すため、オンオフ比を決定する重要
なパラメータである、数1中のβの値が、低比誘電率な
膜に比べて小さくなってしまう。例えば、一般的な酸化
タンタルを非線形抵抗層として用いたMIM素子の場合
におけるβの値は3程度である。この場合において、オ
ンオフ比としては、20V印加時と5V印加時との素子
に流れる電流値の比を取ると、その値(I20V/I5V
は103程度にとどまるからである。なお、120 Vは20
V印加時の電流値であり、I5Vは5V印加時の電流値で
ある。
【0010】また、比誘電率がこのように高い場合は、
液晶に対する非線形素子の容量比を大きくしてしまい、
素子への効率的な電圧印加を妨げる要因となる。
【0011】したがって、上述の問題点を解決するため
には、比誘電率の小さい材料を非線形抵抗層に用いれば
よい。その比誘電率の小さい材料として、硫化亜鉛(Z
nS)がある。ZnSの比誘電率は、7〜9と酸化タン
タルに比べて小さいために、βの値が大きく、オンオフ
比は約105であり、酸化タンタルのそれよりも2桁程
度高く、より高品位な表示をすることが可能である。
【0012】また、このようなZnSを非線形抵抗層に
用いる場合は、ZnS膜中に不純物を入れることによっ
てI−V特性を後述のように変化させることができ、電
気光学表示媒体の特性に応じた素子設計が可能である。
なお、不純物が入ったZnS膜の形成は、不純物を混合
したZnSターゲットを用いたスパッタリング法により
形成可能である。
【0013】次に、不純物とI−V特性との関係につき
具体的に述べる。
【0014】図9は、非線形素子におけるZnS膜中の
ニッケル量とI−V特性との関係を示すグラフである。
図中の曲線10は不純物が入っていないZnS素子のI
−V特性である。また、曲線11〜曲線14は不純物と
してのニッケルが入った素子であり、曲線11は1gの
ZnSに対してニッケル10μg、曲線12は同様にニ
ッケル1mg、曲線13は同様にニッケル10mg、曲
線14は同様にニッケル50mg、入った場合である。
【0015】この図9より理解されるように、ZnS膜
中のニッケルの量が増えるに従ってオン電流が増えるも
のの、ニッケルの量が1gのZnSに対して50mgを
越えると、I−V特性の急峻性が小さくなり、非線形性
素子としての効果が失われてしまう。
【0016】図10は、不純物として鉄を用いた場合で
あって、ZnS膜中の鉄の量とI−V特性との関係を示
すグラフである。図中の曲線30は不純物が入っていな
いZnS素子のI−V特性である。また、曲線31〜曲
線34は不純物としての鉄が入った素子であり、曲線3
1は1gのZnSに対して鉄100μg、曲線32は同
様に鉄20mg、曲線33は同様に鉄50mg、入った
場合である。
【0017】この図10より理解されるように、ZnS
膜中の鉄の量が増えるに従って、I−V特性の急峻性が
高くなり非線形特性が良好になるが、更に増え100m
gになると、I−V特性の急峻性が失われるため、鉄の
量の最適の範囲がある。
【0018】更に、このような鉄が入ったZnS膜中に
更にニッケルを入れると、オン電流が増える。図11
に、ZnSに対して鉄とニッケルとが入った場合のI−
V特性を示す。図中の曲線41は1gのZnSに対して
鉄が1mg、ニッケルが100μg入った場合のI−V
特性であり、曲線42は1gのZnSに対して鉄が1m
g、ニッケルが1mg入った場合のI−V特性である。
【0019】この図11より理解されるように、鉄に加
えて、更にニッケルを加えることにより、急峻性および
電流値の向上を図ることが可能となる。また、このよう
に鉄およびニッケルを加える場合は、図11や上述した
図9および図10より理解されるように、ZnS膜中へ
の不純物の含有量の調整によりI−V特性をコントロー
ルすることが可能である。
【0020】ところで、スパッタリング法によってZn
S膜中に不純物を入れる方法としては、上述した不純物
を混合したターゲットを用いて成膜を行う方法が知られ
ている。しかし、遷移金属元素を混合したターゲットを
用いて成膜を行うと、チャンバー内の残留ガスの影響に
よりスパッタ中に一部の遷移金属元素が酸化され、遷移
金属酸化物としてZnS膜中に取り込まれてしまい、非
線形素子の重要な特性であるI−V特性に悪影響が及ぶ
こととなる。また、残留ガスの制御は困難であるため、
素子の再現性に問題がある。
【0021】図12にニッケルを混合したZnSターゲ
ットを用いて成膜して得た非線形素子のI−V特性にお
ける面内再現性を示す。ここで、面内再現性とは、アク
ティブマトリックス基板に複数設けられた画素電極の各
々に備わった非線形素子の基板平面上のI−V特性分布
をいう。
【0022】この図12より理解されるように、遷移金
属元素としてのニッケルを混合したZnSターゲットを
用いて成膜した場合は、I−V特性にばらつきが生じ
る。
【0023】このような素子を用いた表示装置において
は、素子のばらつきが表示品位の劣化をもたらすため、
図12に示すようなI−V特性のばらつきは大きな問題
となる。
【0024】本発明は、このような従来技術の課題を解
決すべくなされたものであり、面内再現性に優れた非線
形素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の非線形素子の製
造方法は、少なくとも一部が対向する第1電極と第2電
極との間に、遷移金属元素を含む硫化亜鉛からなる非線
形抵抗層が両電極に接して設けられた2端子型の非線形
素子の製造方法において、該遷移金属元素が硫化されて
なる遷移金属硫化物を混合した硫化亜鉛のターゲットを
用いたスパッタリング法により該非線形抵抗層を形成す
るので、そのことにより上記目的が達成される。
【0026】本発明の非線形素子の製造方法において、
前記遷移金属硫化物に、硫化ニッケルおよび硫化鉄のう
ちの少なくとも一方を用いることができる。
【0027】
【作用】本発明にあっては、遷移金属硫化物をZnSに
混合したターゲットを用いたスパッタリング法により2
端子型非線形素子の非線形抵抗層を形成する。このと
き、スパッタ装置のチャンバー内において、ターゲット
中に遷移金属の硫化物で混合している状態の方が、遷移
金属単体で混合している状態より酸化されにくい。よっ
て、チャンバー内の残留ガス等による不純物の酸化の影
響を防ぐことが可能となり、非線形素子の安定性向上が
図れる。
【0028】図1は、硫化ニッケルを混合したZnSタ
ーゲットを用いて成膜を行って得た非線形素子における
I−V特性の面内再現性を示す。この図より理解される
ように、本発明による場合には、ばらつきが非常に小さ
いものとなっており、従来の場合を示す図12に比べて
面内再現性の大幅な向上が認められる。よって、本発明
により安定なI−V特性の非線形素子を供給できる。
【0029】また、遷移金属硫化物としては、上述の硫
化ニッケルに限らず他のもの、たとえば硫化鉄や硫化ニ
ッケルと硫化鉄との混合物などを使用しても同様の作用
が得られる。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を具体的に説明する。
【0031】(第1実施例)第1実施例として、本発明
により得られる2端子型の非線形素子を用いた反射型ホ
ワイトテーラ型ゲストホスト液晶表示装置について説明
する。
【0032】図2(a)は、本実施例に係る非線形素子
を備える非線形素子側基板の1画素分を示す平面図であ
り、図2(b)は図2(a)のA−A’線による断面図
を示す。また、図3は、上記反射型ホワイトテーラ型ゲ
ストホスト液晶表示装置の2画素分を示す斜視図であ
る。この液晶表示装置は、素子側基板57と対向側基板
59との間にホワイトテーラ型ゲストホスト液晶62が
挟まれた構成となっている。
【0033】上記素子側基板57は、ガラス基板51上
に第1電極52aを一部とする走査電極配線52を有す
る。この第1電極52aを一部とする走査電極配線52
の上には、絶縁膜53が形成され、この絶縁膜53にお
ける第1電極52aの上にはコンタクトホール53aが
形成されている。この絶縁膜53の上及びコンタクトホ
ール53aの内部には、非線形抵抗層である、ニッケル
の入ったZnS膜54が形成され、このZnS膜54の
上には画素電極55が形成されている。前記画素電極5
5のコンタクトホール53a近傍部分は第2電極55a
を構成し、間にZnS膜54を挟んで対向する第2電極
55aと第1電極52aとで本実施例の非線形素子56
が形成されている。
【0034】一方の対向側基板59は、ガラス基板58
上にITOからなる対向電極60が形成されている。こ
の対向電極60は、前記画素電極55aと対向配設され
る。
【0035】次に、本実施例に係る非線形素子の製造方
法を、かかる構成の液晶表示装置の製造工程の一部とし
て説明する。まず、素子側基板57について述べる。
【0036】ガラス基板51上に、例えばTaをスパッ
タリング法により200nmの厚さに成膜後、所定のパ
ターニングを行い第1電極52aを一部とする走査電極
配線52を形成する。
【0037】続いて、絶縁膜53の形成を行う。本例で
は、絶縁膜としてアクリル系ポジ型感光性樹脂を用い
た。感光性樹脂を用いると、パターニング工程が簡略化
できるという利点がある。この感光性樹脂を使用し、例
えばスピンコート法によって約1.4μmの厚さに塗布
した後、露光現像工程を実施することにより、第1電極
52aとZnS膜54とを接続するためのコンタクトホ
ール53aを有する絶縁膜53を形成する。
【0038】その後、例えばRIEにより絶縁膜53の
表面を軽く処理を行い、絶縁膜53の表面に約700n
mの凹凸を付ける。この凹凸は、画素電極55の上表面
に凹凸を形成させるためのものであり、これにより凹凸
となった画素電極55での反射特性を向上させる得る。
【0039】次に、硫化ニッケルを混合したZnS焼成
ターゲットを用いて、非線形抵抗層であるZnS膜54
を、例えばスパッタリング法により100nmの厚さに
成膜する。フレームレス原子吸光法による分析によりニ
ッケルの定量を行うと、ZnS膜54中のニッケルの量
は、0.3wt%であった。
【0040】次に、例えばアルミニウム膜を約200n
mスパッタリング法によって成膜し、フォト工程の後に
エッチングを行い、続いてレジストを剥離することによ
り、一部が第2電極55aとなる画素電極55を形成す
る。これにより、素子側基板57が作製される。
【0041】次に、対向側基板59の作製手順について
説明する。ガラス基板58上にITOを約200nmス
パッタリング法により成膜した。その後、フォト工程を
施し、臭化水素酸によってエッチングを行った後、レジ
ストを剥離し、ストライプ状の対向電極60をパターニ
ング形成した。この対向側基板59は、素子側基板57
より先に作製してもよい。
【0042】次に、以上の工程で作製した素子側基板5
7と対向側基板59との非線形素子や電極などが形成さ
れている側の表面に配向膜61を塗布した後に、配向処
理を行い、続いて2枚の基板57、59を配向膜61が
内側になるように貼り合わせた。
【0043】次に、両基板57、59の間に、ホワイト
テーラ型ゲストホスト液晶62を注入し、注入口の封止
を行った。これにより、液晶表示装置の作製が完了す
る。
【0044】したがって、本実施例の製造方法による場
合は、硫化ニッケルを混合したZnSターゲットを用い
て作製する事により、図1に示したように前記面内再現
性の向上が図られ、これにより製造ロット間の素子のば
らつきが無くなり、その結果、本素子を用いた表示装置
の安定な供給が可能となる。
【0045】(第2実施例)第2実施例として、ZnS
膜中に鉄が入った非線形素子を例に挙げ、この非線形素
子を用いたホワイトテーラ型ゲストホスト液晶表示装置
について説明する。なお、本実施例の液晶表示装置は、
用いる液晶と対向側基板とは第1実施例と同様であり、
素子側基板のみ異なったものを用いている。
【0046】図4(a)は素子側基板77の1画素分の
平面図を示し、図4(b)は図4(a)のB−B′線に
よる断面図を示す。この素子側基板77は、ガラス基板
71上に第1電極72aを一部とする走査電極配線72
を有する。この第1電極72aを一部とする走査電極配
線72の上には、鉄の入ったZnS膜73が形成され、
このZnS膜73の上には絶縁膜74が形成されてい
る。絶縁膜74における第1電極72aの上にはコンタ
クトホール74aが形成されている。
【0047】上記絶縁膜74の上及びコンタクトホール
74aの内部には、画素電極75が形成されている。こ
の画素電極75のコンタクトホール74a部分は第2電
極75aを構成し、間にZnS膜73を挟んで対向する
第2電極75aと第1電極72aとにより本実施例の非
線形素子76が形成されている。
【0048】次に、このような構成の素子側基板の製造
方法を、液晶表示装置の製造工程の一部として説明す
る。まず、素子側基板77について述べる。
【0049】ガラス基板71上に、例えばTaをスパッ
タにより200nmの厚さに成膜した後、所定のパター
ニングを行い、第1電極72aを一部とする走査電極配
線72を形成する。
【0050】次に、硫化鉄を混合したZnS焼成ターゲ
ットを用いて、第1電極72aを一部とする走査電極配
線72の上に非線形抵抗層である、鉄の入ったZnS膜
73をスパッタリング法により80nmの厚さに成膜す
る。フレームレス原子吸光法による分析により鉄の定量
を行うと、ZnS膜73中の鉄の量は0.5wt%であ
った。
【0051】続いて、絶縁膜74の形成を行う。絶縁膜
74は、実施例1で用いたアクリル系ポジ型感光成樹脂
を用いた。この感光成樹脂を用い、例えばスピンコート
法によって約1.4μmの厚さに塗布した後、露光現像
工程を実施することにより、ZnS膜73と画素電極7
5とを接続するためのコンタクトホール74aを有する
絶縁膜74を形成する。
【0052】その後、RIEにより絶縁膜74の表面を
軽く処理を行い、絶縁膜74の表面に約700nmの凹
凸をつける。この凹凸は、前同様の目的のためにつけて
いる。
【0053】その後、絶縁膜74の上に、例えばアルミ
ニウム膜を約200nmの厚みにスパッタリング法によ
って成膜し、続いてフォト工程の後エッチングを行いレ
ジストを剥離することにより画素電極75を形成する。
これにより、素子側基板が完成する。
【0054】これに前後して対向側基板を第1実施例と
同様にして作製する。これ以後の工程は実施例と同じで
ある。
【0055】したがって、本実施例の製造方法による場
合も、硫化鉄を混合したZnSターゲットを用いて作製
する事により面内再現性を向上でき、製造ロット間の素
子のばらつきが無くなり、その結果、本素子を用いた表
示装置の安定な供給が可能となる。
【0056】(第3実施例)第3実施例として、非線形
素子を逆極性で2つ直列に接続したバックトゥーバック
構造のものを例に挙げ、この構造を有する液晶表示装置
について説明する。なお、本実施例の液晶表示装置は、
用いる液晶と対向側基板は第1実施例と同様であり、素
子側基板のみ異なったものを用いている。
【0057】図5(a)は素子側基板の1画素分の平面
図を示し、図5(b)のC−C′線による断面図を示
す。この素子側基板87は、ガラス基板81の上に下部
電極82を有する。この下部電極82の上にはニッケル
の入ったZnS膜83が形成され、ZnS膜83の上に
は、ZnS膜83から全周にわたってはみ出した状態で
島状の絶縁膜84が形成されている。この絶縁膜84に
は2箇所にコンタクトホール84a、84bが形成され
ている。
【0058】コンタクトホール84aの内部及びその近
傍の絶縁膜84部分の上には、電極配線86から分岐し
た分岐電極86aが形成されている。一方のコンタクト
ホール84bの内部及びその近傍の絶縁膜84部分の上
には、画素電極85から分岐した分岐電極85aが形成
されている。間にZnS膜83を挟んで対向する上記分
岐電極86aと、その下方の下部電極82部分とで第1
の非線形素子が形成され、また、間にZnS膜83を挟
んで対向する上記分岐電極85aと、その下方の下部電
極82部分とで第2の非線形素子が形成されている。両
非線形素子において、下部電極82が共通しているの
で、両非線形素子は、逆極性で直列な、いわゆるバック
トゥーバック構造となっている。
【0059】次に、このような構成の素子側基板の製造
方法を、液晶表示装置の製造工程の一部として説明す
る。まず、素子側基板87について述べる。
【0060】はじめに、ガラス基板81上に、例えばT
aを約300nmスパッタリング法によって成膜し、そ
の後フォト工程を行った後エッチングを行い、続いてフ
ォトレジストを剥離して、ストライプ状の下部電極82
を形成した。
【0061】続いて、非線形抵抗層として1gの硫化亜
鉛に対してニッケルが500μg入ったZnS薄膜83
を80nmの厚さで成膜する。成膜方法としては、硫化
ニッケルを混合したZnS焼成ターゲットを用いてスパ
ッタリング法によって行う。
【0062】続いて、表面にZnS膜83が形成された
下部電極82を、島状にパターニングした。
【0063】続いて、絶縁膜84の形成を行う。絶縁膜
として前同様に感光性樹脂を用い、スピンコート法によ
って約300nmの厚さに塗布し、その後、露光現像工
程を実施することにより、非線形抵抗層であるZnS膜
83と電極配線86又は画素電極85との間を接続する
ためのコンタクトホール84a、84bを有する島状の
絶縁膜84を形成した。
【0064】次に、例えばアルミニウム膜を約300n
mスパッタリング法により成膜し、フォト工程を行った
後、臭化水素酸を用いて、電極配線86、画素電極及び
両分岐電極85a、86aを形成した。これにより、2
つの非線形抵抗素子が逆極性で直列に、すなわちバック
トゥーバック構造で接続された液晶表示装置用の素子側
基板が作製される。
【0065】これに前後して対向側基板を第1実施例と
同様にして作製する。これ以後の工程は実施例と同じで
ある。
【0066】したがって、本実施例の製造方法による場
合も、硫化ニッケルを混合したZnSターゲットを用い
て作製する事により面内再現性を向上でき、製造ロット
間の素子のばらつきが無くなり、その結果、本素子を用
いた表示装置の安定な供給が可能となる。また、このバ
ックトゥーバック構造によって非線形素子のI−V特性
の非対称性が改善される。
【0067】なお、本実施例はバックトゥーバック構造
に適用しているが、本発明はこれに限らず、2つの非線
形抵抗層を逆極性で並列に、すなわちリング構造で接続
されたものにも適用できる。
【0068】(第4実施例)第4実施例として、別構成
の非線形素子を例に挙げ、この非線形素子を有する透過
型液晶表示装置について述べる。なお、本実施例の液晶
表示装置は、対向側基板は第1実施例と同様であり、用
いる液晶と素子側基板とは異なったものを用いている。
【0069】図6(a)は素子側基板の1画素部の平面
図を示し、図6(b)は図6(a)のD−D′線による
断面図を示す。この素子側基板は、ガラス基板91上に
第1電極92aを一部とする走査電極配線92を有す
る。この第1電極92aを一部とする走査電極配線92
の上には、絶縁膜94が形成されている。絶縁膜94に
おける第1電極92aの上にはコンタクトホール94a
が形成されている。コンタクトホール94aの近傍の絶
縁膜94部分の上およびコンタクトホール94aの内部
には、ニッケルの入ったZnS膜93が形成されてい
る。
【0070】このZnS膜93の上には第2電極96が
形成されており、この第2電極96の2箇所の上に重畳
させて画素電極95が形成されている。間にZnS膜9
3を挟んで対向する第2電極96と第1電極92aとに
より本実施例の非線形素子が形成されている。
【0071】次に、このような構成の素子側基板の製造
方法を、液晶表示装置の製造工程の一部として説明す
る。まず、素子側基板97について述べる。
【0072】ガラス基板91上に、例えばTaを約30
0nmの膜厚に成膜し、Taをパターニングして第1電
極92aを一部とする走査電極配線92を形成する。
【0073】次に、第1電極92aを一部とする走査電
極配線92の上に、実施例1用いた感光性樹脂を用いて
スピンコート法により膜厚400nmの絶縁膜94を形
成する。
【0074】次に、フォト工程を実施して絶縁膜94に
コンタクトホール94aを設ける。
【0075】次に、硫化ニッケルを混合したZnS焼成
ターゲットを用いて、非線形抵抗層であるZnS膜93
を実施例1に従って形成する。
【0076】次に、アルミニウム膜をスパッタにより約
300nm成膜し、フォト工程の後に、燐酸、あるいは
燐酸と硝酸と酢酸との混酸等でエッチングを行い、レジ
ストを剥離する事により、第2電極96を形成する。
【0077】次に、ITO膜を200nmスパッタリン
グ法により形成した後、第2電極96と2箇所で接する
ようにパターニングして画素電極95を形成する。これ
によって素子側基板が完成する。
【0078】かかる素子側基板と前後して、実施例1に
従って対向側基板を形成し、または形成しておく。
【0079】しかる後、素子側基板と対向側基板との非
線形素子や電極などが形成されている側の表面に配向膜
を塗布後配向処理を行い、貼り合わせる。
【0080】次に、両基板の間に、ツイストネマティク
液晶を注入後、注入口の封止する。続いて、両基板の一
方または両方の外側に偏光板を貼り付ける。これによ
り、液晶表示装置が完了する。
【0081】したがって、本実施例の製造方法による場
合は、硫化ニッケルを混合したZnSターゲットを用い
て作製する事により、前記面内再現性の向上が図られ、
これにより製造ロット間の素子のばらつきが無くなり、
その結果、本素子を用いた表示装置の安定な供給が可能
となる。また、本実施例の非線形素子は、オンオフ比の
高いものであり、高解像度、高コントラストの表示装置
が得られる。
【0082】(第5実施例)第5実施例として、ZnS
膜中に鉄とニッケルが入った非線形素子について説明す
る。なお、本実施例では第2実施例と同様にして液晶表
示装置を製造した。先ず、ガラス基板上に、第2実施例
に従ってTaの形成とパターニングとを行い、第1電極
を形成する。
【0083】次に、硫化ニッケルと硫化鉄とを混合した
ZnS焼成ターゲットを用い、非線形抵抗層であるZn
S膜をスパッタリング法により、例えば100nmの厚
さに成膜する。本実施例で用いたZnS膜中の鉄とニッ
ケルの量は、1gのZnS膜に対して鉄1mg、ニッケ
ル1mgであった。
【0084】次に、スルーホールを有する絶縁膜を形成
し、表面に凹凸を付ける。
【0085】続いてのアルミニウム膜の形成による、一
部を第2電極とする画素電極の作製以後は第2実施例に
従い、最終的に液晶表示装置を作製する。
【0086】図7は、本実施例により得られた非線形素
子と第2実施例で得られた非線形素子のI−V特性を示
す。図7において、112が本実施例により得られた非
線形素子のI−V特性であり、111が第2実施例の非
線形素子のI−V特性である。
【0087】図7より理解されるように、鉄に加えて、
更にニッケルを加えることにより、鉄だけの場合に急峻
性が悪くなって電流値が低下するのを抑制でき、I−V
特性の急峻性を保ったまま電流を上げることが可能であ
る。
【0088】また、ZnS膜中に含ませる鉄とニッケル
との量を調整することによって、I−V特性を変化させ
ることができるため、表示装置に用いる電気光学表示媒
体の電気的特性に応じた素子設計が可能である。
【0089】更に、本実施例においても、前記面内再現
性の向上が図られ、これにより製造ロット間の素子のば
らつきが無くなり、その結果、本素子を用いた表示装置
の安定な供給が可能となる。
【0090】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による場合
には、遷移金属元素の硫化物をZnSに混合したターゲ
ットを用いたスパッタリング法により非線形抵抗層を成
膜するので、面内再現性に優れた非線形素子を製造する
ことが可能となる。更には、非線形素子の面内再現性の
向上により表示装置の安定な供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による場合であって、硫化ニッケルを混
合したZnSターゲットを用いて作製した非線形素子の
基板面内のI−V特性の再現性を示すグラフである。
【図2】(a)は第1実施例における液晶表示装置の素
子側基板の1画素分の平面図であり、(b)は(a)の
A−A′線による断面図である。
【図3】第1実施例における液晶表示装置の数画素分を
示す斜視図である。
【図4】(a)は第2実施例における液晶表示装置の素
子側基板の1画素の平面図であり、(b)は(a)のB
−B′線による断面図である。
【図5】(a)は第3実施例における液晶表示装置の素
子側基板の1画素の平面図であり、(b)は(a)のC
−C′線による断面図である。
【図6】(a)は第4実施例における液晶表示装置の素
子側基板の1画素の平面図である、(b)は(a)のD
−D′線による断面図である。
【図7】第5実施例により得られた非線形素子のI−V
特性と第2実施例により得られた非線形素子のI−V特
性とを示すグラフである。
【図8】(a)は従来例におけるタンタルの陽極酸化膜
を用いた液晶表示装置の平面図であり、(b)は(a)
のE−E′線による断面図である。
【図9】ZnS膜中のニッケル量とI−V特性との関係
を示すグラフである。
【図10】ZnS膜中の鉄の量とI−V特性との関係を
示すグラフである。
【図11】鉄とニッケルが入ったZnS素子のI−V特
性を示すグラフである。
【図12】ニッケルを混合したZnSターゲットを用い
て作製した非線形素子の基板面内のI−V特性の再現性
を示すグラフである。
【符号の説明】
10 不純物が入っていない非線形素子のI−V特性 11 ZnS1gに対してニッケル10μg入った非
線形素子のI−V特性 12 ZnS1gに対してニッケル1mg入った非線
形素子のI−V特性 13 ZnS1gに対してニッケル10mg入った非
線形素子のI−V特性 14 ZnS1gに対してニッケル50mg入った非
線形素子のI−V特性 30 不純物が入っていない非線形素子のI−V特性 31 ZnS1gに対して鉄100μg入った非線形
素子のI−V特性 32 ZnS1gに対して鉄20mg入った非線形素
子のI−V特性 33 ZnS1gに対して鉄50mg入った非線形素
子のI−V特性 41 ZnS1gに対して鉄1mg、ニッケルが10
0μg入った非線形素子のI−V特性 42 ZnS1gに対して鉄1mg、ニッケルが1m
g入った非線形素子のI−V特性 111 第2実施例で得られた非線形素子のI−V特性 112 第5実施例で得られた非線形素子のI−V特性 51、59、71、81、91 ガラス基板 52、72、86、92 走査電極配線 52a、72a 第1電極 82 下部電極 85a、86a 分岐電極 54、73、83、93 ZnS膜 53、74、84、94 絶縁膜 55、75、85、96 画素電極 55a、75a、95 第2電極 57、77、87、97 素子側基板 58 対向側基板 61 配向膜 62 ホワイトテーラ型ゲストホスト液晶 56、76 非線形素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が対向する第1電極と第
    2電極との間に、遷移金属元素を含む硫化亜鉛からなる
    非線形抵抗層が両電極に接して設けられた2端子型の非
    線形素子の製造方法において、 該遷移金属元素が硫化されてなる遷移金属硫化物を混合
    した硫化亜鉛のターゲットを用いたスパッタリング法に
    より該非線形抵抗層を形成する非線形素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記遷移金属硫化物に、硫化ニッケルお
    よび硫化鉄のうちの少なくとも一方を用いる請求項1に
    記載の非線形素子の製造方法。
JP29479794A 1994-09-26 1994-11-29 非線形素子の製造方法 Expired - Fee Related JP3214791B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29479794A JP3214791B2 (ja) 1994-11-29 1994-11-29 非線形素子の製造方法
US08/469,912 US5734452A (en) 1994-09-26 1995-06-06 Two-terminal non-linear resistive device and a method for producing the same in which nickel or iron is an impurity in the zinc sulfide layer
KR1019950016209A KR100196776B1 (ko) 1994-09-26 1995-06-19 2단자 비선형 저항소자 및 그의 제조방법
CN95109129.8A CN1132255C (zh) 1994-09-26 1995-07-07 双端非线性电阻器件及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29479794A JP3214791B2 (ja) 1994-11-29 1994-11-29 非線形素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08153916A true JPH08153916A (ja) 1996-06-11
JP3214791B2 JP3214791B2 (ja) 2001-10-02

Family

ID=17812401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29479794A Expired - Fee Related JP3214791B2 (ja) 1994-09-26 1994-11-29 非線形素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3214791B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007013193A (ja) * 2006-07-31 2007-01-18 Ricoh Co Ltd 薄膜ダイオード
CN113265707A (zh) * 2021-04-12 2021-08-17 同济大学 一种硫酸铵镧非线性光学晶体材料及其制备和应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007013193A (ja) * 2006-07-31 2007-01-18 Ricoh Co Ltd 薄膜ダイオード
CN113265707A (zh) * 2021-04-12 2021-08-17 同济大学 一种硫酸铵镧非线性光学晶体材料及其制备和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3214791B2 (ja) 2001-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7061565B2 (en) Array substrate having double-layered metal patterns and method of fabricating the same
US5168074A (en) Active matrix liquid crystal display fabrication for grayscale
US7671931B2 (en) Liquid crystal display device and method of fabricating the same
US8514340B2 (en) Method of fabricating array substrate having double-layered patterns
JP3051627B2 (ja) 表示装置およびその製造方法
US20040109119A1 (en) In-plane switching liquid crystal display with high aperture ratio
JPH06313899A (ja) 液晶表示装置
JPH07152049A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
CN102227678A (zh) 液晶显示装置和液晶显示装置的tft基板的制造方法
US20070111418A1 (en) Method of manufacturing pixel structure
US5734452A (en) Two-terminal non-linear resistive device and a method for producing the same in which nickel or iron is an impurity in the zinc sulfide layer
JP3214791B2 (ja) 非線形素子の製造方法
US6271050B1 (en) Method of manufacturing thin film diode
JP3102835B2 (ja) 表示装置
US5866301A (en) Method of manufacturing thin film diode
JP3169319B2 (ja) 非線形素子の製造方法
JP3097948B2 (ja) 非線形素子の製造方法
JP2008108807A (ja) 非線形素子、非線形素子の製造方法、および電気光学装置
JP3092903B2 (ja) 表示装置
JPH01144022A (ja) アクティブマトリクス型液晶表示装置
JP2684835B2 (ja) 液晶表示素子およびその製造方法
JPH10148845A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JPH03174123A (ja) 電気光学装置およびその製造方法
JP3193844B2 (ja) 表示装置
JPH08286199A (ja) 非線形素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010716

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees