JPH08153371A - データ再生装置 - Google Patents
データ再生装置Info
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- JPH08153371A JPH08153371A JP22057995A JP22057995A JPH08153371A JP H08153371 A JPH08153371 A JP H08153371A JP 22057995 A JP22057995 A JP 22057995A JP 22057995 A JP22057995 A JP 22057995A JP H08153371 A JPH08153371 A JP H08153371A
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- Japan
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- filter
- phase
- frequency
- data
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- Digital Magnetic Recording (AREA)
- Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、磁気記録媒体から検出された再生
信号の低域の位相補正を従来の装置に比してより良くに
行うことができるデータ再生装置を提供する。 【構成】 再生ヘッド21は、磁気テープ1から再生信
号を検出し、ロータリトランス、カップリングコンデン
サを介して再生アンプ22に供給する。再生アンプ22
は、再生信号を増幅し、イコライザ23は、再生信号を
波形等化する。標本化回路25は、再生信号をサンプリ
ングし、標本系列zt をFIRフィルタ26に供給す
る。FIRフィルタ26は、連続する標本系列zt を加
重加算することにより、再生信号の低域の位相を直線的
に遅らす補正を行う。ビタビ復号27は、標本系列zt
に対してビタビ復号を施し、変調系列xt を再生する。
復調器28は、変調系列xt を復号化して元の情報系列
を再生し、この情報系列を復調系列として出力する。
信号の低域の位相補正を従来の装置に比してより良くに
行うことができるデータ再生装置を提供する。 【構成】 再生ヘッド21は、磁気テープ1から再生信
号を検出し、ロータリトランス、カップリングコンデン
サを介して再生アンプ22に供給する。再生アンプ22
は、再生信号を増幅し、イコライザ23は、再生信号を
波形等化する。標本化回路25は、再生信号をサンプリ
ングし、標本系列zt をFIRフィルタ26に供給す
る。FIRフィルタ26は、連続する標本系列zt を加
重加算することにより、再生信号の低域の位相を直線的
に遅らす補正を行う。ビタビ復号27は、標本系列zt
に対してビタビ復号を施し、変調系列xt を再生する。
復調器28は、変調系列xt を復号化して元の情報系列
を再生し、この情報系列を復調系列として出力する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、データ再生装置に関
し、特に磁気ヘッドによって磁気ディスク等の磁気記録
媒体から再生信号を検出して、データを再生するデータ
再生装置に関する。
し、特に磁気ヘッドによって磁気ディスク等の磁気記録
媒体から再生信号を検出して、データを再生するデータ
再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体、例えば磁気テープ、磁気
ディスクにデータを記録し、また、それらからデータを
再生するディジタルオーディオテープレコーダ(所謂D
AT)、磁気ディスク装置等では、記録ヘッド又は再生
ヘッドとして磁気ヘッド(所謂リングヘッド)が用いら
れている。そして、例えば磁気ディスク装置では、デー
タが記録された磁気ディスクから、磁気ヘッドにより再
生信号を検出し、この再生信号を等化器(以下、イコラ
イザという。)を用いて波形等化して、データを再生す
るようになっている。
ディスクにデータを記録し、また、それらからデータを
再生するディジタルオーディオテープレコーダ(所謂D
AT)、磁気ディスク装置等では、記録ヘッド又は再生
ヘッドとして磁気ヘッド(所謂リングヘッド)が用いら
れている。そして、例えば磁気ディスク装置では、デー
タが記録された磁気ディスクから、磁気ヘッドにより再
生信号を検出し、この再生信号を等化器(以下、イコラ
イザという。)を用いて波形等化して、データを再生す
るようになっている。
【0003】このイコライザは、通常、低域に対して積
分特性を有する積分回路と、高域に対して微分特性を有
する微分回路と、振幅を変化させずに位相を変化させる
位相等化器と、必要な帯域の信号だけを通過させるロー
パスフィルタ(以下、LPF:Low pass filter とい
う。)とから構成される。積分回路は磁気ヘッドが有す
る微分特性を補正するためのものであり、微分回路は磁
気ヘッドのギャップ等によるロスを補正するためのもの
である。また、位相等化器はLPFによる位相まわりと
帯域全体の位相を補正するために用いられる。
分特性を有する積分回路と、高域に対して微分特性を有
する微分回路と、振幅を変化させずに位相を変化させる
位相等化器と、必要な帯域の信号だけを通過させるロー
パスフィルタ(以下、LPF:Low pass filter とい
う。)とから構成される。積分回路は磁気ヘッドが有す
る微分特性を補正するためのものであり、微分回路は磁
気ヘッドのギャップ等によるロスを補正するためのもの
である。また、位相等化器はLPFによる位相まわりと
帯域全体の位相を補正するために用いられる。
【0004】そして、DATや磁気ディスク装置では、
このような回路構成のイコライザを用いて、再生信号を
波形等化し、データを再生するようになっているが、以
下のような問題点があった。
このような回路構成のイコライザを用いて、再生信号を
波形等化し、データを再生するようになっているが、以
下のような問題点があった。
【0005】イコライザをアナログ回路で構成し、低域
において十分な積分特性を得ようとすると、積分回路を
構成する抵抗の値又はコンデンサの容量値が非現実的な
値となり、すなわちアナログ回路のイコライザでは、低
域から十分な積分特性を得ることができなかった。一
方、積分回路をディジタルフィルタで構成すると、次数
が大きくなりすぎて、位相が大きくまわり、後段の位相
等化器が複雑になると共に、微分回路において、再生ヘ
ッドのギャップ等によるロスを補正をしきれなかった。
において十分な積分特性を得ようとすると、積分回路を
構成する抵抗の値又はコンデンサの容量値が非現実的な
値となり、すなわちアナログ回路のイコライザでは、低
域から十分な積分特性を得ることができなかった。一
方、積分回路をディジタルフィルタで構成すると、次数
が大きくなりすぎて、位相が大きくまわり、後段の位相
等化器が複雑になると共に、微分回路において、再生ヘ
ッドのギャップ等によるロスを補正をしきれなかった。
【0006】また、例えば再生アンプ、イコライザ等の
再生系を構成する各回路は、直流(DC)をカットする
所謂カップリングコンデンサを介して互いに接続されて
おり、これらのカップリングコンデンサは、再生信号の
低域成分を減衰させるハイパスフィルタ(以下、HP
F:High pass filterという。)として機能し、このH
PFによる位相まわりが、波形等化に悪影響を及ぼして
いた。
再生系を構成する各回路は、直流(DC)をカットする
所謂カップリングコンデンサを介して互いに接続されて
おり、これらのカップリングコンデンサは、再生信号の
低域成分を減衰させるハイパスフィルタ(以下、HP
F:High pass filterという。)として機能し、このH
PFによる位相まわりが、波形等化に悪影響を及ぼして
いた。
【0007】また、DAT等のように磁気ヘッドやロー
タリトランスからなる回転ヘッドを用いる装置では、磁
気ヘッドからの再生信号を取り出すためのロータリトラ
ンスにより、再生信号の低域の位相がまわり、波形等化
に悪影響を及ぼしていた。
タリトランスからなる回転ヘッドを用いる装置では、磁
気ヘッドからの再生信号を取り出すためのロータリトラ
ンスにより、再生信号の低域の位相がまわり、波形等化
に悪影響を及ぼしていた。
【0008】すなわち、例えば、下記式1に示す伝達関
数Hを有する1次のLPFは、下記式2に示す位相特性
θを有し、図10に示すように、ω=0でθ=0、ω=
ω0(=2πf0 、f0 はカットオフ周波数)でθ=−
π/4、ω=∞でθ=−π/2となる。一方、下記式3
に示す伝達関数Hを有する1次のHPFは、下記式4に
示す位相特性θを有し、上述の図10に示すように、ω
=0でθ=π/2、ω=ω0 でθ=π/4、ω=∞でθ
=0となり、LPF、HPFのいずれの場合でも、カッ
トオフ周波数f0 を基準にすると、それよりも低域では
位相が進むことになる。
数Hを有する1次のLPFは、下記式2に示す位相特性
θを有し、図10に示すように、ω=0でθ=0、ω=
ω0(=2πf0 、f0 はカットオフ周波数)でθ=−
π/4、ω=∞でθ=−π/2となる。一方、下記式3
に示す伝達関数Hを有する1次のHPFは、下記式4に
示す位相特性θを有し、上述の図10に示すように、ω
=0でθ=π/2、ω=ω0 でθ=π/4、ω=∞でθ
=0となり、LPF、HPFのいずれの場合でも、カッ
トオフ周波数f0 を基準にすると、それよりも低域では
位相が進むことになる。
【0009】 H=ω0/(s+ω0) ・・・ 式1 θ=−tan-1(ω/ω0) ・・・ 式2 H=s/(s+ω0) ・・・ 式3 θ=tan-1(ω0/ω) ・・・ 式4 この低域において位相が進むという位相特性は、線型回
路であれば、次数が何次になっても同じであり、上述し
たように、積分等化不良や、カップリング用のHPF、
ロータリトランス等において、再生信号の低域の位相を
一旦進めてしまうと、アナログ回路では、一般的に、例
えば下記式5、6に示す伝達関数Hと位相特性θを有
し、すなわちω=0でθ=0、ω=ω0 でθ=−π/
2、ω=∞でθ=−πである1次の位相等化器(フェイ
ズシフタ)を複数組み合わせて用いたり、高次のフェイ
ズシフタを用いて、低域の位相をさらに進めて補正する
しかなく、位相補正が困難であった。
路であれば、次数が何次になっても同じであり、上述し
たように、積分等化不良や、カップリング用のHPF、
ロータリトランス等において、再生信号の低域の位相を
一旦進めてしまうと、アナログ回路では、一般的に、例
えば下記式5、6に示す伝達関数Hと位相特性θを有
し、すなわちω=0でθ=0、ω=ω0 でθ=−π/
2、ω=∞でθ=−πである1次の位相等化器(フェイ
ズシフタ)を複数組み合わせて用いたり、高次のフェイ
ズシフタを用いて、低域の位相をさらに進めて補正する
しかなく、位相補正が困難であった。
【0010】 H=(s−ω0)/(s+ω0) ・・・ 式5 θ=tan-1((2ω−ω0)/(ω2 −ω0 2)) ・・・ 式6 具体的には、例えばDATでは、磁気テープに記録され
たデータのビットレート(周波数)をfr Hzとすると、
従来の積分回路のカットオフ周波数f0 は、fr /12
8〜fr /64とされていた。また、カップリング用の
HPFは、例えば再生アンプ、イコライザ等に4個程度
用いられており、それらのカットオフ周波数f0 は、f
r /512であった。また、ロータリトランスのカット
オフ周波数f0 は、fr /1024〜fr /512であ
った。
たデータのビットレート(周波数)をfr Hzとすると、
従来の積分回路のカットオフ周波数f0 は、fr /12
8〜fr /64とされていた。また、カップリング用の
HPFは、例えば再生アンプ、イコライザ等に4個程度
用いられており、それらのカットオフ周波数f0 は、f
r /512であった。また、ロータリトランスのカット
オフ周波数f0 は、fr /1024〜fr /512であ
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来の例
えばDAT等では、図11に示すように、低域において
再生信号の位相が大幅に進んでおり、従来のイコライザ
では、所定の周波数以上に対してのみ位相補正を行い、
それ以下では位相補正を行っていなかった。換言する
と、従来のDATや磁気ディスク装置等では、低域の位
相補償が十分でないため、エラー訂正能力が高い、すな
わち冗長度が高いエラー訂正符号が必要とされたり、磁
気ディスク等の磁気記録媒体の高密度化が困難であっ
た。
えばDAT等では、図11に示すように、低域において
再生信号の位相が大幅に進んでおり、従来のイコライザ
では、所定の周波数以上に対してのみ位相補正を行い、
それ以下では位相補正を行っていなかった。換言する
と、従来のDATや磁気ディスク装置等では、低域の位
相補償が十分でないため、エラー訂正能力が高い、すな
わち冗長度が高いエラー訂正符号が必要とされたり、磁
気ディスク等の磁気記録媒体の高密度化が困難であっ
た。
【0012】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、磁気ヘッドにより磁気記録媒体から検出
された再生信号の低域の位相補正を、従来の装置に比し
てより良くに行うことができるデータ再生装置を提供す
ることを目的とする。
たものであり、磁気ヘッドにより磁気記録媒体から検出
された再生信号の低域の位相補正を、従来の装置に比し
てより良くに行うことができるデータ再生装置を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明に係るデータ再生装置は、磁気記録媒体に
記録されたデータを再生するデータ再生装置であって、
磁気記録媒体から再生信号を検出する磁気ヘッドと、磁
気ヘッドからの再生信号を波形等化する等化器と、等化
器からの再生信号をサンプリングして、サンプル値を出
力する標本化回路と、標本化回路からのサンプル値に対
してフィルタ処理を施して、再生信号の位相を補正する
フィルタとを備える。このフィルタの位相特性は、再生
信号の位相を所定の周波数以下において直線的に遅らす
特性を有する。
めに、本発明に係るデータ再生装置は、磁気記録媒体に
記録されたデータを再生するデータ再生装置であって、
磁気記録媒体から再生信号を検出する磁気ヘッドと、磁
気ヘッドからの再生信号を波形等化する等化器と、等化
器からの再生信号をサンプリングして、サンプル値を出
力する標本化回路と、標本化回路からのサンプル値に対
してフィルタ処理を施して、再生信号の位相を補正する
フィルタとを備える。このフィルタの位相特性は、再生
信号の位相を所定の周波数以下において直線的に遅らす
特性を有する。
【0014】具体的には、フィルタの位相特性は、fr
をサンプリング周波数、Nをフィルタの次数、iを任意
の正の整数とするとき、周波数が0Hzから(i/N)f
r Hzまでの区間において比例特性を有する。また、周波
数が(i/N)fr Hz以上においては、フィルタの位相
特性は0度である。
をサンプリング周波数、Nをフィルタの次数、iを任意
の正の整数とするとき、周波数が0Hzから(i/N)f
r Hzまでの区間において比例特性を有する。また、周波
数が(i/N)fr Hz以上においては、フィルタの位相
特性は0度である。
【0015】一方、フィルタの振幅特性は、周波数が0
Hzから(j/N)fr Hzまでの区間において0であり、
周波数が(j/N)fr Hzから(k/N)fr Hzまでの
区間において比例特性を有し、周波数が(k/N)fr
Hz以上においては1である(ここで、i、j、kは、i
<j<kの関係を有する任意の正の整数である。)。
Hzから(j/N)fr Hzまでの区間において0であり、
周波数が(j/N)fr Hzから(k/N)fr Hzまでの
区間において比例特性を有し、周波数が(k/N)fr
Hz以上においては1である(ここで、i、j、kは、i
<j<kの関係を有する任意の正の整数である。)。
【0016】また、本発明に係るデータ再生装置は、フ
ィルタによって位相補正されたサンプル値に対して、ビ
タビ復号を施すビタビ復号器を備える。
ィルタによって位相補正されたサンプル値に対して、ビ
タビ復号を施すビタビ復号器を備える。
【0017】さらに、本発明に係るデータ再生装置で
は、磁気記録媒体に記録されているデータは、パーシャ
ルレスポンス(1,1)に対応してプリコードされてい
るデータである。また、磁気記録媒体に記録されたデー
タは、DCフリーの符号に変換されたデータである。
は、磁気記録媒体に記録されているデータは、パーシャ
ルレスポンス(1,1)に対応してプリコードされてい
るデータである。また、磁気記録媒体に記録されたデー
タは、DCフリーの符号に変換されたデータである。
【0018】上述のフィルタとしては、FIRフィルタ
を用いることができ、この場合、FIRフィルタの位相
特性は、fr をサンプリング周波数、NをFIRフィル
タの次数、iを任意の正の整数とするとき、周波数が0
Hzから(i/N)fr Hzまでの区間において比例特性を
有し、周波数が(i/N)fr Hz以上においては0度で
ある位相特性に近似した特性を有する。一方、FIRフ
ィルタの振幅特性は、周波数が0Hzから(j/N)fr
Hzまでの区間において振幅0であり、周波数が(j/
N)fr Hzから(k/N)fr Hzまでの区間において比
例特性を有し、周波数が(k/N)fr Hz以上において
は振幅1である振幅特性に近似した特性を有する。
を用いることができ、この場合、FIRフィルタの位相
特性は、fr をサンプリング周波数、NをFIRフィル
タの次数、iを任意の正の整数とするとき、周波数が0
Hzから(i/N)fr Hzまでの区間において比例特性を
有し、周波数が(i/N)fr Hz以上においては0度で
ある位相特性に近似した特性を有する。一方、FIRフ
ィルタの振幅特性は、周波数が0Hzから(j/N)fr
Hzまでの区間において振幅0であり、周波数が(j/
N)fr Hzから(k/N)fr Hzまでの区間において比
例特性を有し、周波数が(k/N)fr Hz以上において
は振幅1である振幅特性に近似した特性を有する。
【0019】上述のFIRフィルタの係数は、近似すべ
き位相特性及び振幅特性に対して逆フーリエ変換をかけ
ることによって得られる。なお、FIRフィルタのN個
の係数のうち、係数の最大値を取るサンプルの周辺のサ
ンプルであって、係数の値がゼロクロスするまでのサン
プルに対応する係数のみを用いて、FIRフィルタを構
成してもよい。
き位相特性及び振幅特性に対して逆フーリエ変換をかけ
ることによって得られる。なお、FIRフィルタのN個
の係数のうち、係数の最大値を取るサンプルの周辺のサ
ンプルであって、係数の値がゼロクロスするまでのサン
プルに対応する係数のみを用いて、FIRフィルタを構
成してもよい。
【0020】そして、本発明では、磁気ヘッドにより、
データが記録された磁気記録媒体から再生信号を検出
し、この再生信号を等化器によって波形等化する。そし
て、標本化回路により、等化器からの再生信号をサンプ
リングし、得られるサンプル値に対して、再生信号の位
相を所定の周波数以下において直線的に遅らす特性を有
するフィルタによってフィルタ処理を施し、再生信号の
位相を補正する。
データが記録された磁気記録媒体から再生信号を検出
し、この再生信号を等化器によって波形等化する。そし
て、標本化回路により、等化器からの再生信号をサンプ
リングし、得られるサンプル値に対して、再生信号の位
相を所定の周波数以下において直線的に遅らす特性を有
するフィルタによってフィルタ処理を施し、再生信号の
位相を補正する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るデータ再生装
置の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。この実施
例は、磁気記録媒体として例えば磁気テープを用い、デ
ータを磁気ヘッドからなる回転ヘッドによって磁気テー
プに記録し、また回転ヘッドによって磁気テープからデ
ータを再生するデータ記録再生装置に、本発明を適用し
たものである。
置の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。この実施
例は、磁気記録媒体として例えば磁気テープを用い、デ
ータを磁気ヘッドからなる回転ヘッドによって磁気テー
プに記録し、また回転ヘッドによって磁気テープからデ
ータを再生するデータ記録再生装置に、本発明を適用し
たものである。
【0022】この本発明を適用したデータ記録再生装置
は、その記録系として、例えば図1に示すように、デー
タに磁気テープ1への記録に適した変調を施す変調器1
1と、該変調器11からの変調系列xt をプリコードす
るプリコーダ12と、該プリコーダ12からの中間系列
yt を増幅する記録アンプ13と、該記録アンプ13で
増幅された中間系列yt を上記磁気テープ1に記録する
記録ヘッド14とを備える。また、記録ヘッド14は、
磁気ヘッド、ロータリトランス等を備える回転ヘッドか
らなる。
は、その記録系として、例えば図1に示すように、デー
タに磁気テープ1への記録に適した変調を施す変調器1
1と、該変調器11からの変調系列xt をプリコードす
るプリコーダ12と、該プリコーダ12からの中間系列
yt を増幅する記録アンプ13と、該記録アンプ13で
増幅された中間系列yt を上記磁気テープ1に記録する
記録ヘッド14とを備える。また、記録ヘッド14は、
磁気ヘッド、ロータリトランス等を備える回転ヘッドか
らなる。
【0023】そして、変調器11は、磁気テープ1への
記録に適した変調器、すなわち記録ヘッド14のロータ
リトランスにおいて直流(DC)成分がカットされるこ
とから、例えば所謂8−10変換等のDCフリーの符号
則により、データを符号に変換する変調器からなり、こ
の変調器11は、端子2を介し、情報系列として入力さ
れるデータ(以下、単に情報系列という。)を変調系列
xt (t=0、1、2・・・)に変換する。
記録に適した変調器、すなわち記録ヘッド14のロータ
リトランスにおいて直流(DC)成分がカットされるこ
とから、例えば所謂8−10変換等のDCフリーの符号
則により、データを符号に変換する変調器からなり、こ
の変調器11は、端子2を介し、情報系列として入力さ
れるデータ(以下、単に情報系列という。)を変調系列
xt (t=0、1、2・・・)に変換する。
【0024】プリコーダ12は、例えばパーシャルレス
ポンス(1,1)(以下、PR(1,1)という。)に
おけるプリコーダであり、すなわち例えば排他的論理和
回路(以下、EXOR回路という。)と、このEXOR
回路の出力である中間系列yt を遅延してEXOR回路
に供給する遅延器とから構成される。そして、このプリ
コーダ12は、EXOR回路により、変調器11から供
給される変調系列xtと、遅延器で遅延された中間系列
yt-1 との排他的論理和を求める。すなわち、プリコー
ダ12は、変調系列xt を所謂mod.2(法2)の加
算することにより、中間系列yt を生成し、この中間系
列yt を記録アンプ13に供給する。
ポンス(1,1)(以下、PR(1,1)という。)に
おけるプリコーダであり、すなわち例えば排他的論理和
回路(以下、EXOR回路という。)と、このEXOR
回路の出力である中間系列yt を遅延してEXOR回路
に供給する遅延器とから構成される。そして、このプリ
コーダ12は、EXOR回路により、変調器11から供
給される変調系列xtと、遅延器で遅延された中間系列
yt-1 との排他的論理和を求める。すなわち、プリコー
ダ12は、変調系列xt を所謂mod.2(法2)の加
算することにより、中間系列yt を生成し、この中間系
列yt を記録アンプ13に供給する。
【0025】記録アンプ13は、中間系列yt を増幅し
て記録ヘッド14を駆動する。記録ヘッド14は、上述
したように回転ヘッドからなり、記録アンプ13からロ
ータリトランスを介して供給される中間系列yt に基づ
いた記録信号を磁気テープ1に記録する。
て記録ヘッド14を駆動する。記録ヘッド14は、上述
したように回転ヘッドからなり、記録アンプ13からロ
ータリトランスを介して供給される中間系列yt に基づ
いた記録信号を磁気テープ1に記録する。
【0026】かくして、端子2を介して入力されたデー
タ(情報系列)が磁気テープ1に記録される。
タ(情報系列)が磁気テープ1に記録される。
【0027】一方、このデータ記録再生装置は、その再
生系として、例えば上述の図1に示すように、上記磁気
テープ1から再生信号を検出する再生ヘッド21と、該
再生ヘッド21からの再生信号を増幅する再生アンプ2
2と、該再生アンプ22からの再生信号を波形等化する
等化器23と、該等化器23からの再生信号からクロッ
ク成分を抽出するフェイズロックドループ(以下、PL
L:Phase Locked Loop という。)24と、該PLL2
4からのクロックを用いて、上記等化器23からの再生
信号をサンプリングして、離散的なサンプル値を出力す
る標本化回路25と、該標本化回路25からのサンプル
値に対してフィルタ処理を施して、再生信号の位相を補
正するFIR(Finite Impulse Response)フィルタ26
と、該FIRフィルタ26で位相が補正されたサンプル
値に対してビタビ復号を施すビタビ復号器27と、該ビ
タビ復号器27の出力を復調する復調器28とを備え
る。
生系として、例えば上述の図1に示すように、上記磁気
テープ1から再生信号を検出する再生ヘッド21と、該
再生ヘッド21からの再生信号を増幅する再生アンプ2
2と、該再生アンプ22からの再生信号を波形等化する
等化器23と、該等化器23からの再生信号からクロッ
ク成分を抽出するフェイズロックドループ(以下、PL
L:Phase Locked Loop という。)24と、該PLL2
4からのクロックを用いて、上記等化器23からの再生
信号をサンプリングして、離散的なサンプル値を出力す
る標本化回路25と、該標本化回路25からのサンプル
値に対してフィルタ処理を施して、再生信号の位相を補
正するFIR(Finite Impulse Response)フィルタ26
と、該FIRフィルタ26で位相が補正されたサンプル
値に対してビタビ復号を施すビタビ復号器27と、該ビ
タビ復号器27の出力を復調する復調器28とを備え
る。
【0028】そして、再生ヘッド21は、回転ヘッドか
らなり、磁気テープ1から再生信号を検出し、この再生
信号を、ロータリトランス、直流(DC)カット用のカ
ップリングコンデンサを介して再生アンプ22に供給す
る。再生アンプ22は、この再生信号を増幅し、増幅し
た再生信号を、カップリングコンデンサを介して等化器
(以下、イコライザという。)23に供給する。
らなり、磁気テープ1から再生信号を検出し、この再生
信号を、ロータリトランス、直流(DC)カット用のカ
ップリングコンデンサを介して再生アンプ22に供給す
る。再生アンプ22は、この再生信号を増幅し、増幅し
た再生信号を、カップリングコンデンサを介して等化器
(以下、イコライザという。)23に供給する。
【0029】イコライザ23は、例えば従来のアナログ
回路で構成された一般のイコライザからなり、すなわち
再生ヘッド21(磁気ヘッド)が有する微分特性を補正
するための低域に対して積分特性を有する積分回路と、
再生ヘッド21のギャップ等によるロスを補正するため
の高域に対して微分特性を持つ微分回路と、必要な帯域
の信号だけを通過させるローパスフィルタ(以下、LP
F:Low pass filterという。)と、このLPFによる
位相まわりを補正するための振幅を変化させずに位相を
変化させる位相等化器とを備える。
回路で構成された一般のイコライザからなり、すなわち
再生ヘッド21(磁気ヘッド)が有する微分特性を補正
するための低域に対して積分特性を有する積分回路と、
再生ヘッド21のギャップ等によるロスを補正するため
の高域に対して微分特性を持つ微分回路と、必要な帯域
の信号だけを通過させるローパスフィルタ(以下、LP
F:Low pass filterという。)と、このLPFによる
位相まわりを補正するための振幅を変化させずに位相を
変化させる位相等化器とを備える。
【0030】そして、このイコライザ23は、再生アン
プ22から供給される再生信号を波形等化し、波形等化
された再生信号を、伝送路出力ZとしてPLL24、標
本化回路25に供給する。したがって、このイコライザ
23の出力である伝送路出力Zは、従来の技術で述べた
図11に示すように、低域で位相が大きく進んだ信号と
なっている。
プ22から供給される再生信号を波形等化し、波形等化
された再生信号を、伝送路出力ZとしてPLL24、標
本化回路25に供給する。したがって、このイコライザ
23の出力である伝送路出力Zは、従来の技術で述べた
図11に示すように、低域で位相が大きく進んだ信号と
なっている。
【0031】PLL24は、磁気テープ1等からなる伝
送路の出力Zからクロック成分を抽出し、すなわち再生
信号に同期したクロックを生成し、このクロックを標本
化回路25、FIRフィルタ26、ビタビ復号器27、
復調器28に供給する。
送路の出力Zからクロック成分を抽出し、すなわち再生
信号に同期したクロックを生成し、このクロックを標本
化回路25、FIRフィルタ26、ビタビ復号器27、
復調器28に供給する。
【0032】標本化回路25は、PLL24から供給さ
れるクロックによって伝送路出力Zをサンプリングし、
得られるサンプル値(データ)を標本系列zt としてF
IRフィルタ26に供給する。
れるクロックによって伝送路出力Zをサンプリングし、
得られるサンプル値(データ)を標本系列zt としてF
IRフィルタ26に供給する。
【0033】FIRフィルタ26は、N次のFIRフィ
ルタからなり、すなわち例えば図2に示すように、上記
標本化回路25から供給される標本系列zt を1サンプ
ル時間それぞれ遅延する縦続接続されたN個の遅延器D
1 、D2 ・・・DN と、該各段の遅延器Di (i=1、
2・・・N)の出力に係数Ki をそれぞれ乗算するN個
の乗算器M1 、M2 ・・・MN と、該乗算器M1 〜MN
の出力を加算する加算器26aとを備える。
ルタからなり、すなわち例えば図2に示すように、上記
標本化回路25から供給される標本系列zt を1サンプ
ル時間それぞれ遅延する縦続接続されたN個の遅延器D
1 、D2 ・・・DN と、該各段の遅延器Di (i=1、
2・・・N)の出力に係数Ki をそれぞれ乗算するN個
の乗算器M1 、M2 ・・・MN と、該乗算器M1 〜MN
の出力を加算する加算器26aとを備える。
【0034】そして、遅延器D1 は、標本化回路25か
ら端子4を介して供給される標本系列zt を1サンプル
時間遅延し、遅延器D2 は、遅延器D1 の出力を1サン
プル時間遅延する。以下、同様に、遅延器Di は、遅延
器Di-1 の出力を1サンプル時間遅延する。
ら端子4を介して供給される標本系列zt を1サンプル
時間遅延し、遅延器D2 は、遅延器D1 の出力を1サン
プル時間遅延する。以下、同様に、遅延器Di は、遅延
器Di-1 の出力を1サンプル時間遅延する。
【0035】各段の乗算器Mi は、同じ段の遅延器Di
の出力に係数Ki を乗算し、加算器26aは、全ての乗
算器M1 〜MN の出力を加算する。そして、加算器26
aの出力は、端子5を介してビタビ復号器27に供給さ
れる。
の出力に係数Ki を乗算し、加算器26aは、全ての乗
算器M1 〜MN の出力を加算する。そして、加算器26
aの出力は、端子5を介してビタビ復号器27に供給さ
れる。
【0036】具体的には、FIRフィルタ26は、所定
の周波数以下において再生信号の位相を直線的に遅ら
す、例えば図3に示すような周波数特性を有するものと
する。すなわち、磁気テープ1の記録レート(ビットレ
ート)に相当するサンプリング周波数をfr Hzとし、振
幅特性を、fr /128Hz以下において0とし、fr /
128Hz〜2fr /128Hzの範囲において0(fr /
128Hz)と1(2fr/128Hz)を直線的に結んだ
直線上の値とし、2fr /128Hz以上において1とす
る。また、位相特性を、5fr /128Hz以下において
−80度(0Hz)と0度(5fr /128Hz)を直線的
に結んだ直線上の値とし、5fr /128Hz以上におい
て0度とする。ここで、128は、FIRフィルタの段
数を表す。また、fr /フィルタ段数は、フィルタ特性
の分解能を表す。
の周波数以下において再生信号の位相を直線的に遅ら
す、例えば図3に示すような周波数特性を有するものと
する。すなわち、磁気テープ1の記録レート(ビットレ
ート)に相当するサンプリング周波数をfr Hzとし、振
幅特性を、fr /128Hz以下において0とし、fr /
128Hz〜2fr /128Hzの範囲において0(fr /
128Hz)と1(2fr/128Hz)を直線的に結んだ
直線上の値とし、2fr /128Hz以上において1とす
る。また、位相特性を、5fr /128Hz以下において
−80度(0Hz)と0度(5fr /128Hz)を直線的
に結んだ直線上の値とし、5fr /128Hz以上におい
て0度とする。ここで、128は、FIRフィルタの段
数を表す。また、fr /フィルタ段数は、フィルタ特性
の分解能を表す。
【0037】ところで、振幅特性に関しては、変調器1
1での変調によって得られる符号の低域スペクトラムが
良く抑制されていれば、すなわちDC(周波数0)から
のスペクトラムの抑圧の度合いが高ければ、その分、F
IRフィルタ26のカットオフ周波数を高くすることが
できる。
1での変調によって得られる符号の低域スペクトラムが
良く抑制されていれば、すなわちDC(周波数0)から
のスペクトラムの抑圧の度合いが高ければ、その分、F
IRフィルタ26のカットオフ周波数を高くすることが
できる。
【0038】一方、位相特性に関しては、ロータリトラ
ンス及び等化器23における積分回路の位相特性のカッ
トオフ周波数が高ければ、それに比例して、FIRフィ
ルタ26の位相特性のカットオフ周波数を高くすること
ができる。
ンス及び等化器23における積分回路の位相特性のカッ
トオフ周波数が高ければ、それに比例して、FIRフィ
ルタ26の位相特性のカットオフ周波数を高くすること
ができる。
【0039】上述のような周波数特性を得るために、F
IRフィルタ26の次数Nを例えば128とし、その係
数Ki を、例えば図4及び下記表1に示すような値とす
る。これらの係数Ki は、位相特性、振幅特性に離散逆
フーリエ変換(IDFT)をかけることにより求められ
る。
IRフィルタ26の次数Nを例えば128とし、その係
数Ki を、例えば図4及び下記表1に示すような値とす
る。これらの係数Ki は、位相特性、振幅特性に離散逆
フーリエ変換(IDFT)をかけることにより求められ
る。
【0040】
【表1】
【0041】すなわち、N次のFIRフィルタの周波数
特性を下記式7に示すHとし、周波数軸上で伝送路出力
Zをfr /NHz毎にサンプリングする。その結果、H
(0)、H(1)、・・・、H(N−1)が得られる。
特性を下記式7に示すHとし、周波数軸上で伝送路出力
Zをfr /NHz毎にサンプリングする。その結果、H
(0)、H(1)、・・・、H(N−1)が得られる。
【0042】
【数1】
【0043】k番目(k=0、1、2、・・・、N−
1)の周波数軸上のサンプル値H(k)の振幅をAk 、
位相をθk とすると、このサンプル値H(k)は、下記
式8によって表される。
1)の周波数軸上のサンプル値H(k)の振幅をAk 、
位相をθk とすると、このサンプル値H(k)は、下記
式8によって表される。
【0044】
【数2】
【0045】N次のFIRフィルタの係数は、このFI
Rフィルタのインパルス応答であるから、離散逆フーリ
エ変換(IDFT)により、nTr 時間目の係数Ki =
h(nTr )(Tr=1/fr(1遅延時間))、(n=
0、1、2、・・・、N−1)は、下記式9のように表
される。
Rフィルタのインパルス応答であるから、離散逆フーリ
エ変換(IDFT)により、nTr 時間目の係数Ki =
h(nTr )(Tr=1/fr(1遅延時間))、(n=
0、1、2、・・・、N−1)は、下記式9のように表
される。
【0046】
【数3】
【0047】したがって、このFIRフィルタ26は、
連続した128個の標本系列zt に上述の係数Ki をそ
れぞれ乗算して、それらを加算することにより、再生信
号のfr /128Hz以下の成分をカット(減衰)すると
共に、再生信号の5fr /128Hz以下の成分の位相を
直線的に遅らせて、上述の磁気ヘッド、ロータリトラン
ス、カップリングコンデンサ等に起因した再生信号の低
域での位相進み(まわり)を遅らして補正する。この結
果、再生ヘッド21からFIRフィルタ26までの位相
特性は、例えば図5に示すように、上述した図11に示
す位相特性と図3に示す位相特性を合成した特性とな
る。換言すると、このデータ記録再生装置では、FIR
フィルタ26を用いることにより、低域での位相が図1
1に示す位相特性より0に近づいているので、再生信号
の低域の位相補正を、従来の装置に比してより良くに行
うことができる。
連続した128個の標本系列zt に上述の係数Ki をそ
れぞれ乗算して、それらを加算することにより、再生信
号のfr /128Hz以下の成分をカット(減衰)すると
共に、再生信号の5fr /128Hz以下の成分の位相を
直線的に遅らせて、上述の磁気ヘッド、ロータリトラン
ス、カップリングコンデンサ等に起因した再生信号の低
域での位相進み(まわり)を遅らして補正する。この結
果、再生ヘッド21からFIRフィルタ26までの位相
特性は、例えば図5に示すように、上述した図11に示
す位相特性と図3に示す位相特性を合成した特性とな
る。換言すると、このデータ記録再生装置では、FIR
フィルタ26を用いることにより、低域での位相が図1
1に示す位相特性より0に近づいているので、再生信号
の低域の位相補正を、従来の装置に比してより良くに行
うことができる。
【0048】ビタビ復号器27は、このようにして位相
補正が施された標本系列zt に対してビタビ復号を施
し、すなわち標本系列zt に基づいて、例えば所謂トレ
リス線図(Trellis diagram)における尤度が最も高いパ
スを検出することにより、記録系の変調器11の出力に
相当する変調系列xt を再生し、この変調系列xt を復
調器28に供給する。
補正が施された標本系列zt に対してビタビ復号を施
し、すなわち標本系列zt に基づいて、例えば所謂トレ
リス線図(Trellis diagram)における尤度が最も高いパ
スを検出することにより、記録系の変調器11の出力に
相当する変調系列xt を再生し、この変調系列xt を復
調器28に供給する。
【0049】具体的には、このビタビ復号器27は、例
えば図6に示すように、FIRフィルタ26から供給さ
れた標本系列zt を基に所謂分岐距離(ブランチメトリ
ック)の計算を行うブランチメトリック計算回路27a
と、該ブランチメトリック計算回路27aの計算結果か
ら生き残りパスを選択する生き残りパス選択回路27b
と、ステートメトリックの最大値を求め、オーバーフロ
ーを防止するためにステートメトリックを正規化する正
規化回路27cと、ステートメトリックを記憶するステ
ートメトリック記憶回路27dと、生き残りパスに基づ
いて復号されたデータを出力するパスメモリ27eとを
備える。また、このパスメモリ27eは、1ビットシフ
トレジスタと1ビットマルチプレクをn段配設したもの
である。
えば図6に示すように、FIRフィルタ26から供給さ
れた標本系列zt を基に所謂分岐距離(ブランチメトリ
ック)の計算を行うブランチメトリック計算回路27a
と、該ブランチメトリック計算回路27aの計算結果か
ら生き残りパスを選択する生き残りパス選択回路27b
と、ステートメトリックの最大値を求め、オーバーフロ
ーを防止するためにステートメトリックを正規化する正
規化回路27cと、ステートメトリックを記憶するステ
ートメトリック記憶回路27dと、生き残りパスに基づ
いて復号されたデータを出力するパスメモリ27eとを
備える。また、このパスメモリ27eは、1ビットシフ
トレジスタと1ビットマルチプレクをn段配設したもの
である。
【0050】ここで、ブランチメトリックとは、ある時
刻の状態から次の時刻の各状態に至るそれぞれのブラン
チの確からしさの度合いを表すものである。パスとは、
状態から状態への遷移の連なりを表している。生き残り
パス選択回路27bで求められるステートメトリック
は、過去の確からしさ、すなわちブランチメトリックの
累積を示している。このステートメトリックは、相対的
な大きさが意味を持つものである。しかしながら、ステ
ートメトリックの上述した定義により、時間の経過に応
じてそのままステートメトリックの値の累積を続けると
ステートメトリックの値が大きくなり過ぎて意味を持た
なくなってしまう。このステートメトリックを累積しな
がら、ステートメトリックの相対的な大きさに意味を持
たせるため、正規化回路27cが設けられている。
刻の状態から次の時刻の各状態に至るそれぞれのブラン
チの確からしさの度合いを表すものである。パスとは、
状態から状態への遷移の連なりを表している。生き残り
パス選択回路27bで求められるステートメトリック
は、過去の確からしさ、すなわちブランチメトリックの
累積を示している。このステートメトリックは、相対的
な大きさが意味を持つものである。しかしながら、ステ
ートメトリックの上述した定義により、時間の経過に応
じてそのままステートメトリックの値の累積を続けると
ステートメトリックの値が大きくなり過ぎて意味を持た
なくなってしまう。このステートメトリックを累積しな
がら、ステートメトリックの相対的な大きさに意味を持
たせるため、正規化回路27cが設けられている。
【0051】復調器28は、記録系の変調器11に対応
したものであり、変調系列xt を復号化して、元の情報
系列を再生し、この情報系列を復調系列とし、端子3を
介して出力する。かくして、磁気テープ1からデータが
再生される。
したものであり、変調系列xt を復号化して、元の情報
系列を再生し、この情報系列を復調系列とし、端子3を
介して出力する。かくして、磁気テープ1からデータが
再生される。
【0052】ここで、上述した再生系のエラーレート
を、FIRフィルタ26の周波数特性を変化させて測定
し、例えば図7、図8に示す結果を得ることができた。
を、FIRフィルタ26の周波数特性を変化させて測定
し、例えば図7、図8に示す結果を得ることができた。
【0053】すなわち、位相特性を0度(フラット)と
し、上述の図3に示す振幅特性が0となる周波数を振幅
のカットオフ周波数と定義して、振幅のカットオフ周波
数を、例えば0、fr /128Hz、2fr /128Hz、
3fr /128Hz、4fr /128Hz、5fr /128
Hzと変化させて、エラーレートを測定すると、このデー
タ記録再生装置では、例えば図7に示すように、振幅の
カットオフ周波数(横軸)がfr /128Hz〜2fr /
128Hzにおいて、FIRフィルタ26が無い(OFF
で表す)場合に比して、エラーレートを改善することが
できる。
し、上述の図3に示す振幅特性が0となる周波数を振幅
のカットオフ周波数と定義して、振幅のカットオフ周波
数を、例えば0、fr /128Hz、2fr /128Hz、
3fr /128Hz、4fr /128Hz、5fr /128
Hzと変化させて、エラーレートを測定すると、このデー
タ記録再生装置では、例えば図7に示すように、振幅の
カットオフ周波数(横軸)がfr /128Hz〜2fr /
128Hzにおいて、FIRフィルタ26が無い(OFF
で表す)場合に比して、エラーレートを改善することが
できる。
【0054】また、振幅のカットオフ周波数をfr /1
28Hzとし、位相が0度となる周波数を位相のカットオ
フ周波数と定義し、位相のカットオフ周波数、例えば4
fr/128Hz、6fr /128Hz、8fr /128Hz、1
0fr /128Hzをパラメータとし、上述の図3に示す
周波数が0Hzでの位相を180度、90度、0度、−9
0度、−180度と変化させて、エラーレートを測定す
ると、このデータ記録再生装置では、例えば図8に示す
ように、位相のカットオフ周波数が4fr/128Hz〜
10fr /128Hzであって、周波数が0Hzでの位相が
−80度〜−30度の範囲において、FIRフィルタ2
6で位相を補正しない(○で表す)場合(位相角が0度
のとき)に比して、エラーレートを改善することができ
る。
28Hzとし、位相が0度となる周波数を位相のカットオ
フ周波数と定義し、位相のカットオフ周波数、例えば4
fr/128Hz、6fr /128Hz、8fr /128Hz、1
0fr /128Hzをパラメータとし、上述の図3に示す
周波数が0Hzでの位相を180度、90度、0度、−9
0度、−180度と変化させて、エラーレートを測定す
ると、このデータ記録再生装置では、例えば図8に示す
ように、位相のカットオフ周波数が4fr/128Hz〜
10fr /128Hzであって、周波数が0Hzでの位相が
−80度〜−30度の範囲において、FIRフィルタ2
6で位相を補正しない(○で表す)場合(位相角が0度
のとき)に比して、エラーレートを改善することができ
る。
【0055】換言すると、上述の図3に示す周波数特性
を有するFIRフィルタ26を採用することにより、エ
ラーレートを略2桁改善することができる。
を有するFIRフィルタ26を採用することにより、エ
ラーレートを略2桁改善することができる。
【0056】ところで、上述した128次のFIRフィ
ルタ26における例えば54段〜92段以外の係数を無
視して、FIRフィルタを構成するようにしてもよい。
一般的に言うと、最大値(K65=0.968413)の周辺のサ
ンプルであって、ゼロクロスするまでのサンプルに対応
する係数のみを用いるFIRフィルタを構成することに
より、FIRフィルタの段数を少なくすることができ
る。すなわち、ゼロクロスしたサンプルの外側のサンプ
ルに対応する係数を全て無視して、FIRフィルタの次
数を、例えば下記表2に示すように39として、FIR
フィルタの段数を39段とすることもできる。
ルタ26における例えば54段〜92段以外の係数を無
視して、FIRフィルタを構成するようにしてもよい。
一般的に言うと、最大値(K65=0.968413)の周辺のサ
ンプルであって、ゼロクロスするまでのサンプルに対応
する係数のみを用いるFIRフィルタを構成することに
より、FIRフィルタの段数を少なくすることができ
る。すなわち、ゼロクロスしたサンプルの外側のサンプ
ルに対応する係数を全て無視して、FIRフィルタの次
数を、例えば下記表2に示すように39として、FIR
フィルタの段数を39段とすることもできる。
【0057】
【表2】
【0058】また、係数の絶対値が係数の最大値の近傍
のサンプルで最初に1/100以下となるサンプルの外
側のサンプルに対応する係数を無視して、FIRフィル
タを構成するようにしてもよい。この場合、表3及び図
9に示すように、FIRフィルタ26における58段〜
89段の係数でFIRフィルタが構成される(次数は3
2段)。これらのFIRフィルタでは、エラーレートを
上述の実施例に比して悪化させることなく、回路規模を
小さくすることができる。
のサンプルで最初に1/100以下となるサンプルの外
側のサンプルに対応する係数を無視して、FIRフィル
タを構成するようにしてもよい。この場合、表3及び図
9に示すように、FIRフィルタ26における58段〜
89段の係数でFIRフィルタが構成される(次数は3
2段)。これらのFIRフィルタでは、エラーレートを
上述の実施例に比して悪化させることなく、回路規模を
小さくすることができる。
【0059】
【表3】
【0060】なお、本発明は、上述の実施例に限定され
るものではなく、例えば記録媒体として磁気ディスクを
採用した磁気ディスク装置等に、本発明を適用できるこ
とは言うまでもない。
るものではなく、例えば記録媒体として磁気ディスクを
採用した磁気ディスク装置等に、本発明を適用できるこ
とは言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上の説明で明かなように、本発明で
は、磁気ヘッドにより、データが記録された磁気記録媒
体から再生信号を検出し、この再生信号を等化器によっ
て波形等化する。そして、標本化回路により、等化器か
らの再生信号をサンプリングし、得られるサンプル値に
対して、再生信号の位相を所定の周波数以下において直
線的に遅らす特性を有するフィルタにより、フィルタ処
理を施すことにより、再生信号の低域の位相補正を、従
来の装置に比してより良くに行うことができる。この結
果、本発明を適用したデータ記録再生装置では、エラー
レートを改善することができる。
は、磁気ヘッドにより、データが記録された磁気記録媒
体から再生信号を検出し、この再生信号を等化器によっ
て波形等化する。そして、標本化回路により、等化器か
らの再生信号をサンプリングし、得られるサンプル値に
対して、再生信号の位相を所定の周波数以下において直
線的に遅らす特性を有するフィルタにより、フィルタ処
理を施すことにより、再生信号の低域の位相補正を、従
来の装置に比してより良くに行うことができる。この結
果、本発明を適用したデータ記録再生装置では、エラー
レートを改善することができる。
【図1】本発明を適用したデータ記録再生装置の具体的
な構成を示すブロック図である。
な構成を示すブロック図である。
【図2】上記データ記録再生装置を構成するFIRフィ
ルタの具体的な回路構成を示すブロック図である。
ルタの具体的な回路構成を示すブロック図である。
【図3】上記FIRフィルタの周波数特性を示すグラフ
である。
である。
【図4】上記FIRフィルタの係数の値を示すグラフで
ある。
ある。
【図5】上記データ記録再生装置の再生系の位相特性を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図6】上記データ記録再生装置を構成するビタビ復号
器の具体的な回路構成を示すブロック図である。
器の具体的な回路構成を示すブロック図である。
【図7】上記データ記録再生装置の振幅特性に対するエ
ラーレートを示すグラフである。
ラーレートを示すグラフである。
【図8】上記データ記録再生装置の位相特性に対するエ
ラーレートを示すグラフである。
ラーレートを示すグラフである。
【図9】32段のFIRフィルタの係数の値を示すグラ
フである。
フである。
【図10】1次のLPF、HPFの位相特性を示すグラ
フである。
フである。
【図11】従来のDAT等の再生系の位相特性を示すグ
ラフである。
ラフである。
12 プリコーダ 21 再生ヘッド 22 再生アンプ 23 イコライザ 24 PLL 25 標本化回路 26 FIRフィルタ 27 ビタビ復号器
Claims (10)
- 【請求項1】 磁気記録媒体に記録されたデータを再生
するデータ再生装置において、 前記磁気記録媒体から再生信号を検出する磁気ヘッド
と、 前記磁気ヘッドからの再生信号を波形等化する等化器
と、 前記等化器からの再生信号をサンプリングして、サンプ
ル値を出力する標本化回路と、 前記標本化回路からのサンプル値に対してフィルタ処理
を施し、前記再生信号の位相を補正するフィルタとを備
え、 前記フィルタの位相特性は、前記再生信号の位相を所定
の周波数以下において直線的に遅らす特性を有し、 前記フィルタの出力に基づいてデータを再生することを
特徴とするデータ再生装置。 - 【請求項2】 前記フィルタの位相特性は、fr をサン
プリング周波数、Nをフィルタの次数、iを任意の正の
整数とするとき、周波数が0Hzから(i/N)fr Hzま
での区間において比例特性を有することを特徴とする請
求項1に記載のデータ再生装置。 - 【請求項3】 前記周波数が(i/N)fr Hz以上にお
いては、前記フィルタの位相特性は0度であることを特
徴とする請求項2に記載のデータ再生装置。 - 【請求項4】 前記フィルタの振幅特性は、周波数が0
Hzから(j/N)frHzまでの区間において0であり、
周波数が(j/N)fr Hzから(k/N)frHzまでの
区間において比例特性を有し、周波数が(k/N)fr
Hz以上においては1である(ここで、i、j、kは、i
<j<kの関係を有する任意の正の整数である。)こと
を特徴とする請求項2に記載のデータ再生装置。 - 【請求項5】 さらに、前記フィルタによって位相補正
されたサンプル値に対して、ビタビ復号を施すビタビ復
号器を備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ
再生装置。 - 【請求項6】 前記磁気記録媒体に記録されたデータ
は、パーシャルレスポンス(1,1)に対応してプリコ
ードされているデータであることを特徴とする請求項5
に記載のデータ再生装置。 - 【請求項7】 前記磁気記録媒体に記録されたデータ
は、DCフリーの符号に変換されたデータであることを
特徴とする請求項6に記載のデータ再生装置。 - 【請求項8】 前記フィルタは、FIRフィルタであ
り、 前記FIRフィルタの位相特性は、fr をサンプリング
周波数、NをFIRフィルタの次数、iを任意の正の整
数とするとき、周波数が0Hzから(i/N)fr Hzまで
の区間において比例特性を有し、前記周波数が(i/
N)fr Hz以上においては0度である位相特性に近似し
た特性を有し、 前記FIRフィルタの振幅特性は、周波数が0Hzから
(j/N)fr Hzまでの区間において振幅0であり、周
波数が(j/N)fr Hzから(k/N)fr Hzまでの区
間において比例特性を有し、周波数が(k/N)fr Hz
以上においては振幅1である振幅特性に近似した特性を
有する(ここで、i、j、kは、i<j<kの関係を有
する任意の正の整数である。)ことを特徴とする請求項
1に記載のデータ再生装置。 - 【請求項9】 前記FIRフィルタの係数は、近似すべ
き前記位相特性及び振幅特性に対して逆フーリエ変換を
かけることによって得られることを特徴とする請求項8
に記載のデータ再生装置。 - 【請求項10】 前記FIRフィルタのN個の係数のう
ち、係数の最大値を取るサンプルの周辺のサンプルであ
って、前記係数の値がゼロクロスするまでのサンプルに
対応する係数のみを用いて、前記FIRフィルタが構成
されることを特徴とする請求項9に記載のデータ再生装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22057995A JPH08153371A (ja) | 1994-09-30 | 1995-08-29 | データ再生装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-237041 | 1994-09-30 | ||
JP23704194 | 1994-09-30 | ||
JP22057995A JPH08153371A (ja) | 1994-09-30 | 1995-08-29 | データ再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08153371A true JPH08153371A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=26523786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22057995A Withdrawn JPH08153371A (ja) | 1994-09-30 | 1995-08-29 | データ再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08153371A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004051651A1 (ja) * | 2002-11-29 | 2004-06-17 | Fujitsu Limited | 位相差補正装置及びデータ先頭検出装置を有するデータ再生装置 |
-
1995
- 1995-08-29 JP JP22057995A patent/JPH08153371A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004051651A1 (ja) * | 2002-11-29 | 2004-06-17 | Fujitsu Limited | 位相差補正装置及びデータ先頭検出装置を有するデータ再生装置 |
US7193942B2 (en) | 2002-11-29 | 2007-03-20 | Fujitsu Limited | Phase difference correction apparatus and data reproduction apparatus including data header detection apparatus |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021105 |