JP4075369B2 - アナログフィルタ回路およびこれを用いたディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランスコンダクタンス−C(Gm−C)積分器を構成要素とするアナログフィルタ回路に関し、特に高密度磁気記録データの再生信号処理などに不可欠な高域周波数信号の選択的ゲイン強調、即ちブースト機能を持つ連続時間アナログフィルタ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気あるいは光ディスク媒体からのデジタル記録データ再生系(リードチャネル)においては、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)に代表される波形等化手法が一般的に用いられている。一般に、媒体から光ピックアップあるいは磁気ヘッドを介して再生される信号波形は、隣接ビットデータ間の信号の漏れ込み、即ちISI(Inter-Symbol Interference)が大きく、サンプル時刻の信号レベルのみによるデータ再生が困難である。PR等化手法は、隣接2〜5サンプル時刻に限りISIを許容する一方、それ以外のサンプル時刻への信号漏れを無くすことで、後段のビタビ(Viterbi)アルゴリズム等と合わせて高密度記録・再生を可能とする方法である。
【0003】
再生信号が本質的に微分系である磁気媒体を例にとると、PR等化法として、PR4(書込み符号1を隣接3サンプル列1,0,−1に等化)、EPR4(同じく1,1,−1,−1に等化)、EEPR4(同じく1,2,0,−2,−1に等化)等の微分系列が用いられる。具体的には、高域ゲイン強調したアナログローパスフィルタ回路が等化器として用いられる。
【0004】
例えば、Geert A.De VeirmanおよびRichard G.Yamasakiは、“Design of a Bipolar 10-MHz Programmable Continuous-Time 0.05°Equiripple Linear Phase Filter,” IEEE Journal of Solid-State Circuits, vol.27,no.3,March 1992において、Gm−Cバイクワッド(Biquad)フィルタを構成要素とする7-pole 2-zero フィルタ回路を提案している。このフィルタ回路は、デジタル記録系リードチャネルに要求される位相特性のリニアリティ、即ち良好な一定群遅延特性を有する構成となっており、アナログ等化フィルタ回路として従来から一般的に用いられている。
【0005】
図4に、7-pole 2-zero フィルタ回路の全体構成を示す。このフィルタ構成においては、大きく4つのブロック、即ち3つのバイクワッド回路101〜103および1つの1次ローパス回路104で構成される。全体としては結局、等リップル位相特性を持つ7次ローパスフィルタ回路である。また、伝達関数理論から明らかなように、上記4つのブロック101〜104の順序を任意に入れ替えても全体の伝達関数は不変である。
【0006】
上記ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数をfc とすると、媒体から光ピックアップあるいは磁気ヘッドを介して再生される信号波形は2fc 程度までの帯域を持つことになる。このため、2fc まで等リップル位相特性を持ち、ゲイン特性についてのみ高域ブースト可能なフィルタ回路が等化フィルタ回路として適したものとなる。
【0007】
線形位相フィルタ回路の合成法については、Zverev著“Handbook of Filter Synthesis,”John Wiley and Sons,Inc.,1967の中に、0.05°等リップル偏差をもつ線形位相フィルタ回路が紹介されており、線形位相が保持される周波数帯域はフィルタ次数によって決まり、2fc まで等リップル特性を持つのは7次以上のフィルタ回路である。
【0008】
上記Veirman/Yamasakiの等化フィルタ回路も正にこの0.05°等リップル偏差をもつ線形位相フィルタ回路であり、各フィルタ構成要素の極周波数およびそのQ値は表1に示す通りである。
【0009】
【表1】
【0010】
表1の極周波数は等化フィルタ回路のカットオフ周波数で規格化されており、例えば400Mbpsデータレートのリードチャネルでは等化フィルタ回路のカットオフ周波数は100MHz程度となる。これより等化フィルタ回路のカットオフ周波数が例えば100MHzとすると、表1より、最も高いバイクワッド3の極周波数は231.74MHzということになる。なお、一般的に高い極周波数になるほどそれを実現するバイクワッドの消費電力は増大する傾向にある。
【0011】
なお、以上の説明から分かるように、7次即ち7-poleのフィルタ回路を選択した根拠は、所望の等リップル帯域を確保するためであり、例えばPR等化法あるいは要求される再生ビットエラーレートに応じて、6次以下の構成で回路規模、消費電力を低減するなどの方法を採ることもあり得る。したがって、上記極周波数配置は紹介した7次の例に限定されるものではない。
【0012】
また、上記の例では、バイクワッド回路101のステージがブースト機能を併せ持っている。これについては後で詳しく述べられる。
【0013】
以上から明らかなように、等化フィルタ回路の構成要素は、バイクワッド回路と1次ローパス回路である。この等化フィルタ回路は、連続時間アナログフィルタ回路として帯域が広いことから、Gm−C(トランスコンダクタンス−C)積分器で実現されるのが一般的である。
【0014】
続いて、Gm−C積分器で実現した等化フィルタ回路の構成法について説明する。
【0015】
図5に、差動構成のバイクワッド回路の一般的な回路構成を示す。本例に係るバイクワッド回路は、Gm−Cで構成される積分器111,112を2段カスケード接続し、出力ノードからさらに別のGmセル113で負帰還ループを形成するとともに、出力ノードでGmセル114を抵抗接続した構成となっている。ちなみに、出力ノードで抵抗接続されているGmセル114は、積分器112の前段に移動しても全体の伝達関数は変わらない。
【0016】
なお、ここでは、積分器111,112の負荷容量(積分器容量)Cを差動容量Cとして表現している。ただし、一般的には、寄生容量分を考慮した容量値設定のし易さや、同相帰還ループにおける位相補償容量の機能を併せ持たせるなどの理由から、正相、逆相信号線と接地間にそれぞれ2Cの容量を接続するようにする。
【0017】
上記構成のバイクワッド回路は、等化フィルタ回路を構成するバイクワッド回路102およびバイクワッド回路103として使用される。このバイクワッド回路の伝達関数(Vlp/Vi )は、
【数1】
である。ここで、gm1は積分器111およびGmセル113の各トランスコンダクタンス値、gm2はGmセル114のトランスコンダクタンス値、gm3は積分器112のトランスコンダクタンス値、Cは積分器111,112の各積分器容量値である。
【0018】
したがって、極周波数ω0 およびQは、
【数2】
である。{ EMBED Equation.3 , }
【0019】
図6に、1次ローパス回路104の回路構成を示す。この1次ローパス回路104は、Gm−Cで構成される積分器121およびGmセル122によって構成されている。
【0020】
上記構成の1次ローパス回路104の伝達関数(Vlp/Vi )は、
【数3】
である。ここで、gmは積分器121およびGmセル122の各トランスコンダクタンス値、Cは積分器121の積分器容量値である。
【0021】
また、その極周波数ω0 は、
【数4】
である。
【0022】
したがって、表1を満たすべく、トランスコンダクタンス値gm と積分器容量値Cを適宜設定することによって等リップルフィルタ回路を実現出来る。現実には、寄生容量などの不確定要素の多い積分器容量値Cについては全体を通して一定値に設定しておき、トランスコンダクタンス値gm のみを適宜設定するのが一般的である。
【0023】
ここで、本来の目的である等化フィルタ回路を実現するには、上記で得られた線形位相特性には影響を与えず、ゲイン特性についてのみ高域ブーストが出来れば良い。これは、s平面内でjω軸に関して対称な2つの実数ゼロ(symmetrical-real-zeros)を導入することによって実現出来る。
【0024】
上記Veirman/Yamasakiは、図7に示す回路構成でこれを実現している。具体的には、フィードフォワード増幅器115により、高域ブースト量を調整可能としたイコライザ構成となっている。図7中、図5と同等部分には同一符号を付して示している。この回路は、等化フィルタ回路を構成するバイクワッド回路101に使用される。
【0025】
この回路の伝達関数(Vlp/Vi )は、
【数5】
である。ここで、Kはフィードフォワード増幅器115のゲインである。
【0026】
また、極周波数ω0 およびQ値は、
【数6】
となる。ここから分かる通り、元になったバイクワッド回路の極配置には影響を与えない。
【0027】
また、ブーストのために導入されたゼロは、
【数7】
となる。
【0028】
式(7)から分かる通り、実軸上に位置するゼロの絶対値は元になるバイクワッド回路の極周波数ω0 に比例するため、高域ゲインブースト量を大きくするには、即ちゼロ周波数を下げるには、最も極周波数ω0 が小さいバイクワッド回路101にこの構成を適用するのが、フィードフォワード増幅器115のゲインKが相対的に最も小さくて済むという意味で有利である。
【0029】
通常のPR等化では、上記の構成においておよそK<5に設定される。実用上は、高域ノイズの強調など副作用もあることからK=4〜4.5程度に設定されるのが一般的である。現実には、この構成でブースト量を大きくとると、信号振幅が大きくなり、フィードフォワード増幅器115での信号歪みが問題となる。このため、図7の初段のGmセルのトランスコンダクタンス値(これをg′m1とする)のみを減少させ、本線信号をα=g′m1/gm1だけ減衰させる方法が採られる。
【0030】
このときのゼロは、
【数8】
となる。すなわち、K=1,α<1などとすることで信号歪みを発生させることなく選択的ブーストを実現出来る。
【0031】
さて、ここまでが従来から行われている方法であるが、図7の方式、即ちフィードフォワード増幅器115とキャパシタンスによる電圧加算(実際には減算だが、これは本質ではない。)によるブーストの実現法には回路設計上の本質的な欠点がある。それは、ブーストのために広帯域ボルテージアンプが不可欠だと言う点である。以下にこの点について説明する。
【0032】
式(2)、式(4)等から分かる通り、Gm−C積分器で構成したフィルタ回路では、カットオフ周波数はgm /Cに相当する。位相特性を理想積分器特性から逸脱させてしまう要因としては、まず低域位相特性を決める1st-Poleがある。これは通常出力コンダクタンスをg0 としてg0 /Cで決まる。また、高域位相特性を決める2nd-Poleあるいは高域Right-half-plane zeroがあり、これはGmセルを構成する回路の内部ノードによって発生する。PR等化フィルタ回路を構成する積分器要素としては、通常1st-Poleはフィルタカットオフ周波数の1/100以下、2nd-Poleあるいは高域Right-half-plane zeroはフィルタカットオフ周波数の100倍以上の周波数に設定される。
【0033】
一方、ボルテージアンプの帯域、即ち1st-Poleは負荷容量をClとして、gm/Clとなる。負荷容量Clは主に、ソース・ドレイン拡散容量、ゲート容量、配線容量などのいわゆる寄生容量である。現実素子では、積分器容量Cに対する寄生容量Clの割合は数10%に達し、回路設計上は寄生容量Clを見込んで積分器容量が所望の値になるように設定される。さもないと積分器容量自体が巨大となり、回路面積の増大、ひいては希望のカットオフ周波数を得るためには巨大なトランスコンダクタンス値が必要となって消費電力の増大を招いてしまうからである。
【0034】
ここで、先ほどの積分器との対比で言うと、ボルテージアンプの帯域はフィルタカットオフ周波数の100倍以上にする必要が有るということである。これは積分器容量Cに対して、寄生容量Clを1/100以下に保つことに相当し、上述したことから明らかなように非常に困難な課題となる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
以上から分かる通り、Gm−C積分器で構成した他のフィルタ要素に比べ、フィードフォワード増幅器115を実現するためのボルテージアンプの広帯域化が困難で、結局、等化器全体の性能を制限する結果を招いていたのが実情である。この点を鑑みて、従来、ボルテージアンプを使わないブーストの実現法として、ブーストのために導入される2つのゼロを積分器のみで構成する方法が提案されている。
【0036】
例えば、Iuri MehrおよびDavid Wellandは、“A CMOS Continuous-Time Gm−C Filter for PRML Read Channel Applictions at 150 Mb/s and Beyond,”IEEE JSSC, April 1997において、2つのゼロの配置を独立に設定し、結果として、ゼロ配置の対称性にこだわらない方式を紹介している。この方式はゼロの配置によって群遅延特性を調整できる機能を併せ持つが、反面、設定パラメータの増大を招いている。たとえば理論的には等リップル位相特性になるゼロ配置にするには10個ものトランスコンダクタンス値を設定しなければならない。
【0037】
また、Wim Dehaene、Michiel SteyaertおよびWilly Sansenは、“A 50-MHz Standard CMOS Pulse Equalizer for Hard Disk Read Channels,”IEEE JSSC, July 1997において、別のsymmetrical-real-zerosの導入方法を提案している。しかしながら、この導入方法の場合には、極周波数および極のQ値がゼロ配置に影響し、ゼロを独立に設定することが難しい。
【0038】
一方、ナレンドラ エム.ケイ.ラオらは、ブーストと群遅延調整をある程度独立に設定する方式を提案している(特開2001−77666号公報参照)。しかしながら、この方式の場合には、ブーストと群遅延調整の相互影響は完全には排除できず、また、式(8)で説明した本線信号を減衰する場合は、フィードフォワードパスの信号も同様に減衰してしまうため、ブースト調整は本線側トランスコンダクタンスを減少させると同時に、フィードフォワード側を増大させる必要が有り、調整機構を複雑化させると言う問題を含んでいる。
【0039】
さらには、ブーストのために導入する2つのゼロを独立に設定しようとする方式に共通して言えることとして、回路素子のバラツキなどに起因する群遅延特性の理想的な特性からのずれは、その原因から分かる通り現実には複雑な結果特性となり、単純なゼロ配置の調整ではそもそも修正効果が期待できないと言う問題もある。
【0040】
そこで、本発明は、等リップル位相フィルタ回路を元にした振幅ブースト機能を持つ等化フィルタ回路において、フィルタ回路の極配置に影響を与えず、広帯域化が難しいボルテージアンプを使わない簡単な機構で、即ち他のフィルタ構成要素と同じくGm−C積分器のみで、jω軸に関して対称な2つの実数ゼロ(symmetrical-real-zeros)を導入でき、しかもそれらゼロの絶対値、言い換えればブースト量を理想的には単一のトランスコンダクタ値のみによって設定可能なアナログフィルタ回路およびこれを用いたディスク装置を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明によるアナログフィルタ回路は、出力部に接続された第1の積分器容量およびこの第1の積分器容量を駆動する1つ以上のトランスコンダクタンスを有する前段回路と、出力部に接続された第2の積分器容量を有するトランスコンダクタンス−C積分器からなるバイクワッド回路を含み、前段回路に対して縦続接続された後段回路と、第1の積分器容量に流入し、当該第1の積分容量で電圧に変換される前の第1の信号電流に比例する第2の信号電流を第2の積分器容量に供給する電流供給手段とを備える構成となっている。このアナログフィルタ回路は、ディスク装置において、例えば、高密度磁気記録データの再生信号処理、即ちリードチャネルの主要素である連続時間等化フィルタとして用いられる。
【0042】
等リップル位相フィルタ回路を元にしたアナログフィルタ回路(等化フィルタ回路)またはこれを用いたディスク装置において、第1の積分器容量を駆動する信号電流の総和に比例した電流を第2の積分器容量に対して供給する。これにより、ボルテージアンプを使わなくても、他のフィルタ構成要素と同様のGm−C積分器のみで、振幅ブースト機能を持たせることが出来る。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るアナログフィルタ回路、即ち等化フィルタ回路の基本構成を示すブロック図である。
【0044】
図1において、本実施形態に係る等化フィルタ回路は、出力部に接続された第1の積分器容量C1およびこの第1の積分器容量C1を駆動する1つ以上のトランスコンダクタンスを有する前段回路11と、出力部に接続された第2の積分器容量C2を有するGm−C積分器からなり、前段回路11に対して縦続接続された後段回路12と、第1の積分器容量C1に流入する第1の信号電流に比例する第2の信号電流を第2の積分器容量C2に供給する電流供給回路13とを有する構成となっている。
【0045】
後段回路12は、ブースト(選択的ゲイン強調)のためのjω軸に関して対称な2つの実数ゼロ(symmetrical-real-zeros)を導入するバイクワッド回路からなり、図4に示す7-pole 2-zero フィルタ回路を構成する3つのバイクワッド回路101〜103のいずれでも適用可能である。ただし、式(8)の直前の説明から分かる通り、一般的には、表1における3種のバイクワッドのうち、もっとも極周波数ω0 が小さいバイクワッド回路101を適用するのが有利である。
【0046】
ここでは、バイクワッド回路の内部の具体的な構成として、図5の回路構成のものを示したが、特にこの構成に限らない。また、以下の説明では、煩雑さを避けるためにGm−C積分器についてはシングルエンドで表記するが、通常使われる差動構成でも全く同じである。差動構成の場合は、シングルエンド構成で逆相入力となっているトランスコンダクタンスを、差動構成では、入出力が反転するように読み替えるなどすれば良い。
【0047】
前段回路11としては、上記バイクワッド回路の前段に設置される他のバイクワッド回路、あるいは図4に示す7-pole 2-zero フィルタ回路おける1次ローパス回路104の出力部が適用される。いずれの場合も、出力端子に接続されている積分器容量Cおよびそれを駆動する少なくとも一つのトランスコンダクタンスを有している。
【0048】
前段回路11として、例えば1次ローパス回路104の出力部が適用される場合は、図6から明らかなように、2つのトランスコンダクタンスで出力端子の積分器容量C1を駆動する構成となる。もちろん、これまで説明してきた等化フィルタ回路の構成要素以外であっても、システム上、上記バイクワッド回路の前段に設置でき、積分器構成を持つものであれば構わない。
【0049】
電流供給回路13は、前段回路11の出力端子に接続された積分器容量C1を駆動する第1の信号電流の総和をαiとすると、この信号電流αiに比例した第2の信号電流Kiを、第1の信号電流と逆方向電流として、ブーストを実現する後段回路12、即ちバイクワッド回路の出力端子に接続された積分器容量C2に流すようにする。
【0050】
このとき、後段回路(図5のバイクワッド回路)12において、入力から出力に向かう伝達関数(vi /vo )は、
【数9】
となる。
【0051】
極周波数ω0 およびQ値は、
【数10】
となる。
【0052】
また、導入されたゼロは、
【数11】
である。
【0053】
これらは、式(5)、式(6)、式(8)とそれぞれ同じで、元になる等リップル位相フィルタ回路の極配置に影響を与えず、jω軸に関して対称な2つの実数ゼロ(symmetrical-real-zeros)を導入できることを示している。また、式(11)から、ゼロ配置はα,Kの双方によって設定できるが、従来例での説明と同様に、K=1,α<1等とすることで信号歪みを発生させることなく選択的ブーストを実現出来る。
【0054】
なお、以上の説明では、積分器容量C1,C2は同一の容量値Cとなっているものと仮定している。Gm−Cフィルタ回路一般に言えることとして、積分器容量を適宜違う値にすることも可能であるが、そのことに本質的な利点はなく、現実素子でのバラツキ管理や設計の煩雑さを招くに過ぎない。
【0055】
本発明の本質は、前段回路11の出力端子に接続された積分器容量C1を駆動する信号電流の総和αiにより後段回路であるバイクワッド回路12の入力端子に発生する信号電圧に比例する信号電圧を、バイクワッド回路12の出力端子に接続された積分器容量C2にボルテージアンプを介して直接印加する代わりに、当該積分器容量C2に対して前記総和αiに比例した電流Kiを供給することによりバイクワッド回路12の出力端子に等価的に加算することにある。したがって、積分器容量C1,C2の個々の容量値Cを変えた構成にする場合には適宜、第1の信号電流αiと第2の信号電流Kiとの比によって積分器容量値の違いを吸収することになる。
【0056】
上記の構成によれば、等リップル位相フィルタ回路を元にした等化フィルタ回路において、ボルテージアンプを使わずに他のフィルタ構成要素と同様のGm−C積分器のみで、振幅ブースト機能を持たせることが出来る。しかも、ブースト機能のために導入されるゼロは、s平面内でjω軸に関して対称な2つの実数ゼロ(symmetrical-real-zeros )であるため、フィルタの位相特性には影響を与えない。この結果、良好な等リップル位相特性をそのままに選択的高域ゲインブーストが可能となる。
【0057】
次に、本実施形態に係るアナログフィルタ回路を実現する具体的な回路構成について説明する。
【0058】
先ず、最も簡単な回路構成としては、複数の出力端子をもつトランスコンダクタンスセル(Gmセル)を使用することである。例えば、KwanおよびMartinは、“An Adaptive Analog Continuous-Time CMOS Biquadratic Filter,”IEEE CICC 1991において、複数の出力端子を持たせられるトランスコンダクタンスセルを紹介している。この場合、出力端子の一つを本来の積分器容量の駆動に使い、他の出力端子をブーストを導入するバイクワッド回路12の出力端子に接続すれば良い。
【0059】
しかし、現実には、トランスコンダクタンスの実回路構成はフィルタ回路の全体特性に最も影響が大きく、多様な要因から選定されることから、必ずしも上記のような複数の出力端子をもつトランスコンダクタンスセル構成が好まれるとは限らない。
【0060】
この点から、普遍的に本発明に係る等化フィルタ回路を実現出来る回路構成の一例として、図2の具体例を挙げる。図2中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。
【0061】
この具体例に係る等化フィルタ回路においては、ブースト機能を持たせるバイクワッド回路(後段回路)12の前段に、s平面左半面内に1つの実軸極を持つ1次ローパス回路(前段回路)11を設置するとともに、この1次ローパス回路11に対して並列的に別の1次ローパス回路14およびトランスコンダクタンス15を設け、1次ローパス回路14の出力部に積分器容量C3を接続した構成を採っている。
【0062】
1次ローパス回路11は、第1,第2のトランスコンダクタンス21,22および1つの積分器容量C1を有する構成となっている。第1のトランスコンダクタンス21は、その電圧入力端子が本ローパス回路11の回路入力端子となり、その電流出力端子が積分器容量C1に接続されている。第2のトランスコンダクタンス22は入出力特性が逆相になるべく、その電圧入力端子および電流出力端子が共に積分器容量C1に接続されている。これにより、第2のトランスコンダクタンス22は第1のトランスコンダクタンス21に対して、積分器容量C1と並列接続となる抵抗負荷を形成している。
【0063】
上記構成の1次ローパス回路11において、第1,第2のトランスコンダクタンス21,22の各トランスコンダクタンス値をgLPとするとき、第1のトランスコンダクタンス21のみα・gLP,α<1とし、第2のトランスコンダクタンス22に対して可変とする。これにより、1次ローパス回路11のDCゲインのみが独立に可変となる。また、トランスコンダクタンス値gLPは、式(4)の関係から、表1に示した所望の極周波数が得られるように設定される。
【0064】
1次ローパス回路11に対して並列的に設けられた1次ローパス回路14およびトランスコンダクタンス15は図1の電流供給回路13に相当する。1次ローパス回路14は、第1,第2のトランスコンダクタンス23,24および1つの積分器容量C3を有する構成となっており、基本的に、1次ローパス回路11と同一の回路構成となっている。
【0065】
第1のトランスコンダクタンス23は、その電圧入力端子が1次ローパス回路11の回路入力端子(ノード)に接続され、その電流出力端子が積分器容量C3に接続されている。第2のトランスコンダクタンス24は入出力特性が逆相になるべく、その電圧入力端子および電流出力端子が共に積分器容量C3に接続されている。ここで、第1,第2のトランスコンダクタンス23,24の各トランスコンダクタンス値は共にgLPとなっている。その結果、1次ローパス回路14のDCゲインは1である。
【0066】
トランスコンダクタンス回路15は、第1,第2のトランスコンダクタンス25,26のみによって構成されている。これらトランスコンダクタンス25,26は、1次ローパス回路14を構成するトランスコンダクタンス23,24とは入出力特性が逆相になるべく接続されている。具体的には、トランスコンダクタンス25の電圧入力端子となる逆相(−)入力端子がトランスコンダクタンス23の正相(+)入力端子に、トランスコンダクタンス26の正相入力端子がトランスコンダクタンス24の逆相入力端子にそれぞれ接続されている。
【0067】
そして、トランスコンダクタンス25,26の各電流出力端子は共に、バイクワッド回路12の出力端子に接続された積分器容量C2に接続されている。すなわち、積分器容量C2を駆動するトランスコンダクタンス回路15の2つのトランスコンダクタンス25,26は、積分器容量C2に対して本線信号経路と逆方向に駆動電流を流すべく、それぞれ逆相接続になっている。
【0068】
ここでは、シングルエンド構成で説明しているが、差動構成では入力差動対あるいは出力差動対のどちらか一方だけをクロス接続とすれば良い。また、以上の構成において、積分器容量C1,C2,C3については全て同一容量値を仮定している点については、先述した場合と同様である。
【0069】
なお、その他のフィルタ構成要素、例えば図4に示す7-pole 2-zero フィルタ回路において、バイクワッド回路101にバイクワッド回路12を適用した場合には、バイクワッド回路101,103はバイクワッド回路12の後段、あるいは1次ローパス回路11の前段に設置される。
【0070】
これまでの説明から明らかなように、上記具体例に係る等化フィルタ回路の大きな利点は、ブースト特性をαだけで設定でき、しかもα<1とすることで、如何なる周波数領域においても、ブーストをかけない元々の等リップル位相フィルタ回路のゲイン特性を上回ることなくブースト特性を得ることが可能なことである。この結果、ブースト量を上げても回路歪みが原理的に起きない、実用上扱い易い等化フィルタ回路を実現することが可能となる。
【0071】
特に、前段回路11として1次ローパス回路を用いたことにより、当該ローパス回路は2個のトランスコンダクタンス21,22で構成でき、これに伴って電流供給回路13を4個のトランスコンダクタンス23〜26で構成でき、元になる等リップル位相フィルタ回路に対して4個のトランスコンダクタンスを追加するだけで所期の目的を達成できることになるため、回路規模の増大を抑えることが可能となる。さらに、表1から明らかなように1次ローパス回路はその極周波数、すなわち必要とされるトランスコンダクタンス値がもっとも低く、追加される4個のトランスコンダクタンス23〜26も同様にトランスコンダクタンス値が低いことから、消費電力的にも有利である。
【0072】
ただし、前段回路11としては、1次ローパス回路構成のものに限られるものではなく、使用するトランスコンダクタンス数は多くなるものの、バイクワッド回路構成とすることも可能であり、さらには1次ローパス回路構成やバイクワッド回路構成に限らず、Gm−C積分器を構成要素とし、その積分器容量の容量値がバイクワッド回路12の積分器容量C2の容量値と同じか比例する構成のものであれば良い。
【0073】
以上説明した本実施形態に係る等化フィルタ回路は、例えば、PRML方式を採用した高密度ディスク装置において、そのリードチャネルにおける再生信号処理に不可欠な高域周波数信号の選択的ゲイン強調(ブースト機能)を持つ等化フィルタ回路として用いられる。PRML方式を採用した高密度ディスク装置の構成の一例を図3に示す。
【0074】
図3において、ディスク31は、その記録情報がヘッド部32によって読み取られる。このヘッド部32から出力される再生信号は、再生アンプ33およびAGCアンプ34を経て等化フィルタ回路35に供給される。等化フィルタ回路35では、高域周波数信号の選択的ゲイン強調(ブースト)処理が行われる。この等化フィルタ回路35を経た再生信号は、A/Dコンバータ36に供給される。クロックリカバリー回路37では、A/Dコンバータ36の出力信号に基づいて当該出力信号に同期したクロックの生成が行われる。
【0075】
クロックリカバリー回路37で生成されたクロックは、A/Dコンバータ36に対しそのサンプリングクロックとして与えられる。A/Dコンバータ36は、クロックリカバリー回路37から与えられるサンプリングクロックに同期して再生信号をサンプリングすることによってデジタルデータに変換する。このA/Dコンバータ36でA/D変換されたデジタルデータは、ビタビ復号器38でビタビ復号が行われ、さらに復調回路39で復調が行われて出力される。
【0076】
一方、記録系(書き込み系)においては、データ(デジタル入力系列)は変調回路40で変調が行われ、さらに書き込み補償回路41で書き込み補償が行われた後、記録ドライバ42を通してヘッド部32に供給される。そして、このヘッド部32によってディスク31に対して情報の書き込み(記録)が行われる。
【0077】
上記構成の高密度ディスク装置において、等化フィルタ回路35として、Gm−Cバイクワッドフィルタを構成要素とする7-pole 2-zero フィルタ回路が用いられ、この7-pole 2-zero フィルタ回路として、先述した実施形態に係る等化フィルタ回路が用いられる。この等化フィルタ回路は特に良好な等リップル位相特性をそのままに選択的高域ゲインブーストが可能であることから、当該等化フィルタ回路を用いることにより、より優れた再生特性を持つディスク装置を提供できることになる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、等リップル位相フィルタ回路を元にした等化フィルタ回路において、前段回路の出力部に接続された第1の積分器容量を駆動する信号電流の総和に比例した電流を、後段回路の出力部に接続された第2の積分器容量に供給することにより、ボルテージアンプを使わなくても、他のフィルタ構成要素と同様のGm−C積分器のみで、振幅ブースト機能を持たせることができ、しかもブースト機能のために導入されるゼロがs平面内でjω軸に関して対称な2つの実数ゼロであり、フィルタの位相特性には影響を与えないため、良好な等リップル位相特性をそのままに選択的高域ゲインブーストが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るアナログフィルタ回路の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るアナログフィルタ回路を実現する具体的な回路構成を示すブロック図である。
【図3】PRML方式を採用した本発明に係るディスク装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】7-pole 2-zeroフィルタ回路の全体構成を示すブロック図である。
【図5】差動構成のバイクワッド回路の一般的な回路構成を示すブロック図である。
【図6】1次ローパス回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】フィードフォワード増幅器を用いた従来例に係るアナログフィルタ回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
11…前段回路(1次ローパス回路)、12…後段回路(バイクワッド回路)、13…電流供給回路
Claims (8)
- 出力部に接続された第1の積分器容量およびこの第1の積分器容量を駆動する1つ以上のトランスコンダクタンスを有する前段回路と、
出力部に接続された第2の積分器容量を有するトランスコンダクタンス−C積分器からなるバイクワッド回路を含み、前記前段回路に対して縦続接続された後段回路と、
前記第1の積分器容量に流入し、当該第1の積分容量で電圧に変換される前の第1の信号電流に比例する第2の信号電流を前記第2の積分器容量に供給する電流供給手段と
を備えることを特徴とするアナログフィルタ回路。 - 前記電流供給手段は、前記第1の信号電流が前記第1の積分器容量に流入する方向に対して、前記第2の信号電流が前記第2の積分器容量に流入する方向を逆向きにした
ことを特徴とする請求項1記載のアナログフィルタ回路。 - 前記電流供給手段は、前記第1の信号電流と前記第2の信号電流との比を調整する可変トランスコンダクタンスによって構成されている
ことを特徴とする請求項1記載のアナログフィルタ回路。 - 前記電流供給手段は、前記第1の信号電流のみを調整する可変トランスコンダクタンスによって構成されている
ことを特徴とする請求項3記載のアナログフィルタ回路。 - 前記前段回路は、s平面左半面内に1つの実軸極を持つ第1の1次ローパス回路を有し、
前記電流供給手段は、前記第1の1次ローパス回路と同一回路構成で、入力端子が前記第1の1次ローパス回路の入力端子と同一ノードに接続され、出力端子が前記第1の積分器容量と同一の容量値を持つ第3の積分器容量に接続された第2の1次ローパス回路と、前記第2の1次ローパス回路を構成する各トランスコンダクタンスとは入出力特性が逆相になるべく接続されたトランスコンダクタンス群からなり、各トランスコンダクタンスの入力端子がそれぞれ対応する前記第2の1次ローパス回路を構成する各トランスコンダクタンスの入力端子と同一ノードに接続されるとともに、前記トランスコンダクタンス群のすべての出力端子が前記第2の積分器容量に接続されたトランスコンダクタンス回路とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のアナログフィルタ回路。 - 前記第1の1次ローパス回路は、そのDCゲインのみが独立に可変な構成となっている
ことを特徴とする請求項5記載のアナログフィルタ回路。 - 前記第1の1次ローパス回路は、前記第1の積分器容量と、電圧入力端子が回路入力端子となり、電流出力端子が前記第1の積分器容量に接続された第1のトランスコンダクタンスと、入出力特性が逆相になるべく、電圧入力端子および電流出力端子が共に前記第1の積分器容量に接続された第2のトランスコンダクタンスとを有し、前記第1のトランスコンダクタンスの値をその他のトランスコンダクタンスに対して可変な構成となっている
ことを特徴とする請求項6記載のアナログフィルタ回路。 - ディスクから記録情報を読み取るヘッド部と、前記ヘッド部から出力される再生信号の高域周波数成分のゲイン強調を行う等化フィルタ回路とを具備し、
前記等化フィルタ回路は、
出力部に接続された第1の積分器容量およびこの第1の積分器容量を駆動する1つ以上のトランスコンダクタンスを有する前段回路と、
出力部に接続された第2の積分器容量を有するトランスコンダクタンス−C積分器からなるバイクワッド回路を含み、前記前段回路に対して縦続接続された後段回路と、
前記第1の積分器容量に流入し、当該第1の積分容量で電圧に変換される前の第1の信号電流に比例する第2の信号電流を前記第2の積分器容量に供給する電流供給手段とを備える
ことを特徴とするディスク装置。
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