JPH08152740A - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

電子写真用トナーの製造方法

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JPH08152740A
JPH08152740A JP6292801A JP29280194A JPH08152740A JP H08152740 A JPH08152740 A JP H08152740A JP 6292801 A JP6292801 A JP 6292801A JP 29280194 A JP29280194 A JP 29280194A JP H08152740 A JPH08152740 A JP H08152740A
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water
particles
toner
resin
dispersed
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Application number
JP6292801A
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English (en)
Inventor
Norihisa Sakaguchi
徳久 坂口
Hitoshi Takayanagi
均 高柳
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】水性媒体除去時間を大幅に短縮し、かつ感光体
ドラムへの付着・堆積防止特性及び帯電特性にも優れ
た、球形乾式トナーの製造方法を提供する。 【構成】着色剤を内包する、自己水分散性樹脂の球形粒
子が水性媒体に分散したトナー粒子水性分散液に、平均
粒子径が当該粒子よりも小さい、水不溶性か不膨潤性の
微粒子粉末を混合し分散させた後、水性媒体を除去乾燥
するか、又は、着色剤を内包する、中和により自己水分
散しうる樹脂の球形粒子が、中和剤とそれと逆極性の中
和剤とを含む水性媒体に分散したトナー粒子水性分散液
に、平均粒子径が当該粒子よりも小さい、水不溶性か不
膨潤性の微粒子粉末を混合し分散させた後、水性媒体を
除去乾燥して、微粒子粉末が粒子表面に付着したトナー
粒子粉体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真・静電記録・
静電印刷などにおける静電潜像を現像するための乾式ト
ナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、レーザープリンター、ファック
ス等の画像形成材料として広く用いられている電子写真
用トナーにおいて、高画質・高解像化の市場要求が強ま
っており、高解像トナーに対するニーズが高まってい
る。
【0003】従来、電子写真用トナーの製造方法として
は乾式プロセス及び湿式プロセスの両方が知られてい
る。乾式トナーの製造方法としては、バインダー樹脂と
着色剤とを必須成分として溶融混練した後、機械的に粉
砕し分級する方法が広く利用されている。この方法で
は、形状が球形ではなく角張った多面体形状のトナー粒
子が得られる。
【0004】一般に、この機械的な粉砕分級法を行う乾
式プロセスにおいて、画像解像度を高めるべくトナー平
均粒子径を小さくしようとした場合、トナー粒子の粉体
流動性が著しく低下してしまい、結果としてトナーの搬
送性が不安定になり印字品質に劣る画像となり易い等の
問題を抱えている。また、粉砕分級工程における生産能
力や収率が著しく低下し、コストが比較的に高いものに
なってしまうという問題点も抱えている。
【0005】これに対し、上記欠点を克服するトナーと
してカプセルトナーあるいは重合トナー等の新しいトナ
ーが提案されている。これらは従来の乾式プロセスとは
異なり、着色剤の存在下にバインダー樹脂となるモノマ
ーを化学反応させた後、乾燥して製造したり(重合トナ
ー)、あるいは着色剤をバインダー樹脂の有機溶剤溶液
に分散させ、これを水に加えて又はこれに水を加えて転
相乳化して脱溶剤・脱水の後乾燥して製造する(カプセ
ルトナー)等の湿式プロセスによってトナー粒子が製造
される。これらの方法ではかなり真球に近い球形のトナ
ー粒子が得られる。
【0006】ここで、従来の湿式プロセスのほとんどは
トナー粒子を水中で安定して分散させる必要上、分散安
定剤の使用を不可欠としている。かかる分散安定剤の具
体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロースガム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム等の水溶性高分子化合物、界
面活性剤等が提案されている。これらの分散安定剤は、
トナー粒子の微小化および粒子径の均一化に極めて有効
な作用を与えるものの、洗浄後もトナー表面に残存して
しまい完全に除去することが困難であることから種々の
課題を抱えていた。
【0007】例えば、かかる分散安定剤を用いた湿式製
法トナーは、乾燥して粉体トナーとした後も、空気中の
水分を吸収してトナーの電気抵抗を低下させたり、トナ
ー表面の電荷を不均一にする等の問題を生じ、普通紙へ
の安定な複写を困難なものにしていた。
【0008】これに対し、分散安定剤の使用を不必要と
する湿式プロセスが特開平5−66600号公報に開示
されている。ここでは、着色剤を分散させた自己水分散
性樹脂の有機溶剤溶液を水に転相乳化することによっ
て、水中に安定分散したトナー粒子が作成される。この
水媒体を乾燥除去する事によって得られる乾式トナー
は、従来の湿式製法トナーで見られる分散安定剤による
悪影響と思われる帯電特性の不安定さが解消されるとい
う大きな特徴を有する。
【0009】しかしながら、かかる転相乳化プロセスで
製造される球形トナーにおいて、最終的に乾式トナーと
する為の乾燥工程、すなわち、分散媒体の除去工程に多
大のエネルギーと時間を必要とする問題を抱えていた。
乾燥速度を速めようとして高温での処理を行うと、トナ
ー粒子間の溶融融着が起こり、所望の粒径粒子を得難く
なり、スプレードライ法等の慣用処理法が適応できない
という問題を生じたり、一方、熱の付加が小さい凍結乾
燥法等で処理しようとすると乾燥に長時間を必要とし、
迅速処理ができないという問題を抱えていた。
【0010】さらに、かかる転相乳化プロセスで製造さ
れる球形トナーは、感光体ドラムへの付着性が大きく、
既存の電子写真複写機を用いた場合には複写枚数の増加
と供に感光体ドラム上にトナーの堆積が起こり、充分な
る画像濃度のトナー量を紙上に転写することができない
という問題点も抱えていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、球形トナーの生産性及び実用性を向上する乾式ト
ナーの製造方法を提供するもので、さらに詳しくは、従
来の水性媒体除去時間を大幅に短縮することができ、か
つ感光体ドラムへの付着・堆積防止特性及び帯電特性に
も優れた、球形乾式トナーの製造方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、上記課題を解決するに至った。
【0013】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、着色剤(A)を内包する、自己水分散性樹脂(C)
の球形粒子(D)が水性媒体に分散したトナー粒子水性
分散液に、平均粒子径が当該粒子よりも小さい、水不溶
性か不膨潤性の微粒子(E)粉末を混合し分散させた
後、水性媒体を除去乾燥することを特徴とする、微粒子
粉末(E)が粒子(D)表面に付着したトナー粒子の製
造方法を提供する。
【0014】本発明で用いることのできる平均粒径がト
ナー粒子よりも小さい水不溶性か水不膨潤性の微粒子
(E)粉末としては、疎水性有機合成樹脂微粒子又は疎
水性無機微粒子が挙げられるが、具体的には、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニル、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
クロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレ
ート、その他アクリレート系共重合体、ポリシリコン等
の有機合成樹脂微粒子粉末、及びチタン、シリカ、アル
ミナ等の金属又は金属酸化物の微粒子粉末を挙げること
ができる。これら有機微粒子と無機微粒子は、それぞれ
を単独で用いてもよいが、併用しても良い。勿論、異な
る二種以上の有機微粒子を併用しても、異なる二種以上
の無機微粒子を併用しても良い。
【0015】この微粒子(E)粉末は、最終的に転相乳
化プロセス製法トナーの最外郭を形成することから、基
本的要素として感光体表面を傷付けないこと及び現像機
内で破壊されない程度の充分な機械的強度を有すること
が好ましい特性として挙げられる。
【0016】微粒子(E)のうち、有機微粒子として
は、かたさの規格であるショアーD硬度で45以上、中
でも45〜100の値を有するものが本発明には好適に
用いることができる。又、トナー粒子が分散した水性媒
体中に微粒子(E)を分散することから、微粒子(E)
としては、水性媒体として用いる、水及びそれに必要に
応じて併用する有機溶剤に対しても、膨潤あるいは溶解
しない程度の化学的耐久性を有することが必要である。
【0017】後述するトナー粒子水性分散液から、分散
媒体である、水や必要に応じて併用される有機溶剤等を
除去乾燥する際の乾燥温度では、軟化又は融解しない微
粒子(E1)を選択して用いるのが良い。微粒子(E)
としては、軟化点又は融点が、30℃以上のものが好ま
しい。また、微粒子(E)の軟化点又は融点≧粒子
(D)を構成する樹脂の軟化点>乾燥温度とするのが良
い。
【0018】又、本発明で用いるトナー粒子は、後述す
る中和により自己水分散性しうる樹脂(B)又は自己水
分散性樹脂(C)の特性上、水との濡れ性に優れてお
り、感光体表面への付着性は感光体表面の含水量に影響
され易い為、本発明で用いる有機微粒子は、疎水性であ
るもの、中でもトナー粒子よりもより疎水度の高いもの
がより好ましい。
【0019】疎水度合いは、水に対する濡れ性で評価す
ることが出来、それは例えば表面張力値を測定すること
により、把握することが出来る。微粒子(E)の疎水度
は高ければ高いほど良い。
【0020】本発明に用いる微粒子(E)粉末の平均粒
子径は、トナー粒子の平均粒子径より小さい必要があ
り、0.01〜8μm、好ましくは、0.05〜5μm
の粒子径を有するものが好適である。又、その粒子形状
は限定されるものではないが、本発明で用いるトナー粒
子が球形粒子(D)であり、流動性に優れた特性を有す
ることから、その特性を損ねない意味で、微粒子(E)
粉末も球状のものを選択することが好ましい。
【0021】本発明に用いる微粒子(E)粉末のトナー
粒子水性分散液への添加量は、球形粒子(D)100重
量部に対し、0.01〜10重量部で用いることがで
き、より好ましくは、0.03〜3重量部の添加が好結
果を与える。この範囲内であれば、本発明の充分なる効
果も得られるし、又、球形粒子(D)からなるトナー粒
子自体の特性を損なうこともない。
【0022】上記微粒子(E)粉末は、当該球形粒子が
水性媒体に分散したトナー粒子分散液に加えられ、例え
ば攪拌あるいは超音波により、分散・混合される。かか
る処理により、微粒子(E)粉末はトナー粒子表面に吸
着され、沈降あるいは凝集等の問題の無い、良好な分散
液とすることができる。
【0023】本発明で用いるトナー粒子は、着色剤
(A)を内包する、中和により自己水分散しうる樹脂
(B)からなる球形粒子、又は着色剤(A)を内包す
る、自己水分散性樹脂(C)からなる球形粒子である。
【0024】尚、本発明において「内包」とは、着色剤
粒子が樹脂(B)又は(C)中に包まれている状態の他
に、着色剤(A)粒子が樹脂(B)又は(C)中に分散
したものも含むものとする。
【0025】本発明で用いる球形粒子(D)は、上記し
た通り、中和により自己水分散しうる樹脂(B)又は自
己水分散性樹脂(C)をトナー用バインダー樹脂とす
る。
【0026】ここで中和により自己水分散しうる樹脂
(B)とは、中和により親水性基となりうる官能基を分
子中に含有した樹脂で、それら親水性となりうる官能基
の一部又は全部が中和剤により中和しされた場合に、乳
化剤を用いることなく、安定した水性分散液を形成する
能力を有する樹脂を言う。
【0027】樹脂(B)における中和により親水基とな
りうる官能基としては、アニオン型樹脂の場合には、例
えば、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基などのい
わゆる酸性基が挙げられるし、一方、カチオン型樹脂の
場合には、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基などのいわゆる塩基性基が挙げられる。
【0028】他方、自己水分散性樹脂(C)とは、上記
中和により自己水分散しうる樹脂(B)の官能基の一部
もしくは全部が中和剤によって中和され、塩構造を有す
る樹脂を言う。
【0029】かかる中和により自己水分散しうる樹脂
(B)又は自己水分散性樹脂(C)の具体例としては、
アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、ポリアミド樹脂、アルキッド樹脂、ポリエス
テル樹脂等を挙げることができる。なかでもトナーとし
ての粉体流動性、定着性等のバランスが比較的容易に得
られ易いアクリル系樹脂とりわけスチレン/アクリレー
ト共重合体系樹脂が好適である。
【0030】スチレン系樹脂或いはアクリル系樹脂とし
ては、具体的には、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、クロロスチレン、ビニルスチレン等のスチレン類、
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモ
ノオレフィン類、ブタジエン、イソプレン等のジオレフ
ィン類、酢酸ビニル、プロピオンビニル、酪酸ビニル、
安息香酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
オクチル、アクリル酸ドデシルアクリル酸フェニル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチルメタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モ
ノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエ
ーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、ビニルプロペニルケトン等のビニルケトン類等のア
クリルモノマーと、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
モノブチル、マレイン酸モノブチル、アシッドホスホオ
キシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロ
ピルメタクリレート、3−クロロ−2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチルメ
タクリレート等の酸基含有モノマーとの共重合体あるい
は、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルアクリレート、ジブチルアミノエチルアクリレ
ート、N−エチル−N−フェニルアミノエチルアクリレ
ート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチル
アミノエチルメタクリレート、ジブチルアミノエチルメ
タクリレート、N−エチル−N−フェニルアミノエチル
メタクリレート等の塩基含有モノマーとの共重合体を例
示することができる。
【0031】さらに、アニオン型の樹脂(B)を詳述す
れば、酸基を有する重合体不飽和基含有オリゴマーを共
重合成分として使用することもでき、無水マレイン酸、
フマル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレン
テトラヒドロ無水マレイン酸、α−テルピネン無水マレ
イン酸付加物等とトリオールのモノアリルエーテル、ペ
ンタエリスリットジアリルエーテルもしくはアリルグリ
シジルエーテル等との重縮合ないしは付加縮合によって
得られるビニル変性ポリエステル類、ジメチロールプロ
ピオン酸、グリセリンモノアリルエーテル、1,2ブタ
ジエンポリオール等とジイソシアネートとの付加重合に
よって得られるビニル変性ウレタン類、カルボキシル基
含有ビニル共重合体にグリシジル基含有モノマーを付加
せしめたビニル変性エポキシ類等を挙げることができ
る。
【0032】尚、樹脂(B)を得るのに使用される重合
開始剤としては、勿論、通常のものが使用できるが、例
えば過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシド、
クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシドも
しくは2−エチルヘキサノエートの如き、各種の過酸化
物;またはアゾビスイソブチロニトリルもしくはアゾビ
スイソバレロニトリルの如き、各種のアゾ化合物などが
挙げることができる。
【0033】樹脂(B)は、有機溶剤中で溶液重合して
得ても良いし、懸濁重合しても良いし、乳化重合でもよ
いし、塊状重合で得ても良い。
【0034】ポリエステル系樹脂としては、ポリオール
と多塩基酸との縮合において、例えばフタル酸の如き二
塩基酸を過剰に用いることにより通常のポリエステル樹
脂中に容易に酸基を導入せしめることができる。
【0035】樹脂(B)の中和によりアニオン型の親水
性基となりうる官能基の含有量は、特に制限されない
が、酸価40程度以上が、転相乳化法による微粒子形成
が容易であるので好ましい。特に好ましくは酸価50〜
150である。
【0036】樹脂(B)の反応条件は、通常50〜15
0℃の温度範囲で窒素雰囲気下で行われるのが一般的で
ある。また、樹脂(B)はカプセル型微粒子となること
から、カプセル壁として十分なレベルの分子量、通常重
量平均分子量として、5000〜200000、好まし
くは、10000〜150000を有するものである。
【0037】樹脂(B)又は(C)としては、通常DS
Cによる測定において、ガラス転移温度(Tg)が、5
0〜100℃であるものが用いられ、ヒートロール定着
用では、それが60〜80℃程度のものが好ましい。ま
た軟化点で好適な樹脂(B)又は(C)を示すとすれ
ば、30〜90℃である。
【0038】また本発明の実施に当たっては、上記した
樹脂(B)に、それ以外の合成樹脂を併用しても良い。
【0039】本発明に使用する中和剤は、上記樹脂
(B)、即ちアニオン型となりうる樹脂あるいはカチオ
ン型となりうる樹脂が水媒体中で自己水分散しうる程度
の親水性を呈するものであれば、その種類に限定される
ものではなく、水媒体中で容易にカチオンイオンあるい
はアニオンイオンを生成する化合物を用いることができ
る。
【0040】アニオン型樹脂に対する効果的な中和剤の
具体例としては、例えばケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、
第二リン酸アンモニウム、第三リン酸アンモニウム、メ
タケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の
無機アルカリ剤、モノ、ジ、又はトリメチルアミン、モ
ノ、ジ、又はトリエチルアミン、モノ、又はジイソプロ
ピルアミン、n−ブチルアミン、モノ、ジ、又はトリエ
タノールアミン、モノ、ジ、又はトリイソプロパノール
アミン、エチレンイミン、エチレンジイミン等の有機ア
ミン化合物を挙げることができる。
【0041】又、カチオン型樹脂に対する効果的な中和
剤の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の有
機酸、塩酸、硫酸、スルホン酸、リン酸等の無機酸を挙
げることができる。
【0042】本発明の製法で用いる有機溶剤溶液を調製
するに当たっては、公知慣用の着色剤(A)を用いるこ
とができるが、具体的には、例えばカーボンブラック、
磁性粉、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコイル
ブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュ
ポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルー
クロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン
オキサレート、ランプブラック、ローズベンガラ、C.
I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエ
ロー97、C.I.ピグメントブルー15、四三酸化
鉄、三二酸化鉄、鉄粉、酸化亜鉛、セレン等を挙げるこ
とができ、1種又は2種以上の組み合わせで使用するこ
とができる。
【0043】本発明において、得られるトナーは、樹脂
(C)中に磁性体微粒子が分散した磁性トナー粒子であ
ってもよい。磁性体微粒子としては、通常用いられてい
る強磁性体ならば如何なるものでも使用することができ
る。
【0044】磁性体としては、具体的には、鉄、コバル
ト、ニッケル等の磁性金属、これらの合金、コバルト添
加酸化鉄、酸化クロム等の金属酸化物、Mn・Znフェ
ライト、Ni・Znフェライト等の各種のフェライト、
マグネタイト、ヘマタイト等、さらに、これらの表面を
シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、
チタンカップリング剤等の表面処理剤で処理したもの
や、ポリマーでコーティングしたもの等の粉末が使用で
きる。本発明においては、磁性体も着色剤(A)に包含
されるものとする。
【0045】着色剤(A)としては、樹脂(B)又は
(C)への親和性が水へのそれよりも相対的に高いもの
を選択して用いるのが好ましい。一例として、水不溶か
水難溶の着色剤を用いるのが良い。
【0046】当該球形粒子(D)が水性媒体に分散した
トナー粒子水性分散液を得るための方法は、特に限定さ
れるものではないが、順を追って説明するとすれば、例
えば次の様な方法が挙げられる。まず、前記着色剤
(A)が分散した、前記樹脂(C)の有機溶剤溶液を調
製する。この溶液を調製するに当たっては、前記樹脂
(B)を用いて、それに中和剤を併用して、樹脂(B)
を中和して樹脂(C)に変換してから用いることができ
る。
【0047】前記有機溶剤溶液を調製するに当たって使
用できる有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン
もしくはベンゼンの如き、各種の芳香族炭化水素;メタ
ノール、エタノール、プロパノールもしくはブタノール
の如き、各種のアルコール類;セロソルブもしくはカル
ビトールの如き、各種のエーテルアルコール類;アセト
ン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケト
ンの如き、各種のケトン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブ
チルの如き、各種のエステル類;またはブチルセロソル
ブアセテートの如き、各種のエーテルエステル類などが
挙げられる。勿論、これらは、上述する樹脂(B)その
ものを調製する際にも使用出来る。
【0048】有機溶剤溶液の調製に当たっての着色剤
(A)と、樹脂(B)又は(C)固形分の重量割合は特
に限定されるものではないが、それらの合計重量を10
0とした時、着色剤(A)を3〜30重量%なる様にす
るのが好ましい。
【0049】また転相乳化に用いる有機溶剤溶液の不揮
発分も、特に制限されないが、通常10〜70重量%で
ある。
【0050】次いで、上記で得た着色剤(A)が分散し
た、自己水分散性樹脂(C)の有機溶剤溶液を、水性媒
体中に転相乳化することによって、水性媒体中でのトナ
ー粒子の造粒が行われ、トナー粒子の水性分散液が調製
される。勿論、この場合には、当該有機溶剤溶液に水を
加えて転相乳化を行っても良いし、当該有機溶剤溶液を
水に加えて転相乳化を行っても良い。
【0051】また、着色剤(A)が分散した、中和によ
り自己水分散しうる樹脂(B)の有機溶剤溶液を、中和
剤を含む水中に加えて転相乳化する方法や、当該溶剤溶
液に当該中和剤を含む水を加えて転相乳化する方法こと
によって、同様に、水性媒体中でのトナー粒子の造粒が
行われ、トナー粒子の水性分散液が調製できる。
【0052】この様にして得られたトナー粒子の水性分
散液は、着色剤(A)が内包された樹脂(B)又は
(C)の球形粒子が水性媒体に分散したトナー粒子水性
分散液である。
【0053】上記操作によれば、トナー粒子としては実
質的に球形のものが得られる。トナー粒子は、ワーデル
の実用球形度(粒子の投影面積に等しい面積を持つ円の
直径と粒子の投影像に外接する最小円の直径との比)が
0.95〜1.00であることが好ましい。
【0054】本発明で用いるトナー粒子を得るに当たっ
ては、その製造の任意の工程において、必要に応じてワ
ックス類、帯電制御剤等の助剤を含有させることもでき
る。
【0055】助剤としては、例えばポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス等の
ワックス類、金属石鹸、ステアリン酸亜鉛の如き滑剤、
或いは酸化セリウム、炭化ケイ素の如き研磨剤、銅フタ
ロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、ア
ゾ系含金属染料、アゾクロムコンプレックス等の帯電制
御剤等が挙げられる。
【0056】本発明で用いる球形粒子(D)からなるト
ナーの粒子サイズとしては、トナーとしての実用的レベ
ル内で任意のの大きさを選定できる。現状のマシンとの
マッチング性からは、その体積平均粒子径が3〜30μ
m、好ましくは、4〜12μmの範囲のものが好適であ
る。
【0057】次いで、このトナー粒子水性分散液中へ微
粒子(E)粉末を加えて、攪拌混合あるいは超音波分散
等の手法により、微粒子(E)粉末を当該分散液に均一
分散させる。さらにこの分散液から水及び溶剤を除去
し、乾燥せしめることによって微粒子(E)粉末がトナ
ー粒子表面に付着含有した乾式トナーとすることができ
る。
【0058】尚、当該微粒子(E)として異なる2種以
上を用いる場合には、2種以上の微粒子(E)粉末の分
散液への添加順序、添加時期は特に限定されるものでは
なく、それらは同時に分散液に添加してもよいし、個別
に順にそれに添加しても良い。これは、微粒子(E)と
して有機微粒子と無機微粒子を併用する場合も同様であ
る。
【0059】分散媒体の除去及び前記乾燥に際しては公
知慣用の手法がいずれも採用できるが、例えば水及び必
要に応じて併用される有機溶剤等の分散媒体の除去方法
としては、例えばデカンテーションやフィルター等によ
る濾過が挙げられ、乾燥方法としては、例えば熱風乾
燥、凍結乾燥等が挙げられる。勿論スプレードライヤー
等で、水のみ、又は水と有機溶剤とを含む分散液から、
直接トナー粉体を得ても良い。
【0060】前記分散液から有機溶剤と水とを同時に除
去してもよいが、通常有機溶剤が最初に除去される。前
記分散液から有機溶剤のみを除去するに際しては、例え
ば蒸留が一般的であり、低温でそれが除去でき、粒子
(D)や微粒子(E)が、溶融したり軟化したりしない
点で、減圧蒸留を行うのが好適である。
【0061】トナー粒子水性分散液から、分散媒体であ
る、水や必要に応じて併用される有機溶剤等を除去乾燥
する際の乾燥温度は、球形粒子(D)が軟化しない温度
であって、かつ、微粒子(E)が軟化又は融解しない温
度で行うのが好ましい。
【0062】即ち本発明のトナーの製造方法において
は、微粒子(E)が粒子状となって粒子(D)表面に付
着していることが必要なので、前記乾燥温度は、粒子
(D)よりも高軟化点又は高融点の微粒子(E1)を用
いて、粒子(D)の軟化点未満の温度とすることが好ま
しい。
【0063】上記操作において、前記トナー粒子水性分
散液から有機溶剤を除去した後に、転相乳化に用いた中
和剤とは逆極性の中和剤又はそれを含む水を加えて、逆
中和することにより、球形粒子(D)中の樹脂(C)を
樹脂(B)に変換してから、水を除去して乾燥すること
もできる。この様にすれば、臭気が発生したり、得られ
たトナーの電気特性の変動も少なく好ましい。
【0064】尚、上記では、着色剤(A)を内包する、
自己水分散性樹脂(C)の球形粒子(D)が水性媒体に
分散したトナー粒子水性分散液に、当該微粒子(E)粉
末を加えて水性媒体を除去乾燥する方法を中心に説明し
た。
【0065】しかしながら、前記トナー粒子水性分散液
から有機溶剤のみを除去した後に、転相乳化に用いた中
和剤とは逆極性の中和剤又はそれを含む水を加えて、逆
中和することにより、球形粒子(D)中の樹脂(C)を
樹脂(B)に変換して、分散媒体としては水のみしか含
まない、中和により自己水分散しうる樹脂(B)と、中
和剤とそれと逆極性の中和剤とを含む水のみを分散媒体
とする、トナー粒子分散液中に、微粒子(E)粉末を加
えて前記同様の操作を行っても、前記同様の結果を得る
ことができる。
【0066】この方法では、そのままでは、水のみに分
散し得ない、中和により自己水分散しうる樹脂(B)
を、中和剤とそれと逆極性の中和剤とが形成する塩類に
より、水に分散させるのである。
【0067】さらに、着色剤(A)を分散させた、中和
により自己水分散しうる樹脂(B)に中和剤を加えて得
た自己水分散性樹脂(C)の有機溶剤溶液を、水に加え
て転相乳化するか、又は当該溶液に、水を加えて転相乳
化することにより得られた、自己水分散性樹脂(C)の
球形粒子(D)が分散した媒体に、微粒子(E1)粉末
を混合し分散させた後、前記粒子(D)の軟化点未満の
温度で前記有機溶剤のみを蒸留除去して、当該樹脂
(C)が分散した分散液(分散媒体は水のみ)を得て、
これに樹脂(B)を中和したのと逆の中和剤又はその水
溶液を加えて、樹脂(B)の、異なる極性の中和剤同志
から得られる塩類を含む水の分散液とし、これに前記し
たのと異なる微粒子粉末を混合し分散させて、分散液中
の水を除去乾燥して、2種以上の前記微粒子(E1)が
前記粒子(D)表面に付着したトナー粒子を得る様にし
てもよい。
【0068】本発明の製造方法で得られる電子写真用ト
ナーは、非磁性一成分トナーあるいは磁性一成分トナー
として、又、キャリアと組み合わせることにより二成分
現像剤として使用することができ、とりわけ二成分現像
剤として良好な特性を得ることができる。
【0069】キャリアとしては、公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、
コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれ
らの合金又は酸化物、表面処理されたガラス、シリカ等
の粉末が使用できる。勿論、アクリル樹脂被覆キャリ
ア、フッ素樹脂被覆キャリア、シリコーン樹脂被覆キャ
リア等の樹脂被覆キャリアも使用できる。キャリアとし
ては、例えば20〜200ミクロン程度のものが使用さ
れる。
【0070】本発明で得られたトナーと、キャリアとか
ら二成分型静電荷像現像剤を得る場合には、例えばキャ
リア100重量部当たり、トナー1〜15重量部となる
様な割合で混合して用いればよい。
【0071】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に
具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0072】(実施例1)メチルエチルケトン200g
を反応器に入れ加熱して80℃にした。次いで、以下に
示されるような割合の混合物を約2時間に亘って滴下し
た。その間反応は窒素気流中で行った。
【0073】 メタクリル酸 45g スチレン 207g アクリル酸−2−エチルヘキシル 33g メタクリル酸メチル 15g パーブチルO〔日本触媒(株)製〕 3g メチルエチルケトン 12g
【0074】上記した混合物の滴下終了1時間後に、パ
ーブチルOを0.25g追加添加し、さらにその後2時
間にして0.25gを加えて24時間反応を続行せしめ
た。反応終了後、不揮発分が54重量%の、中和により
自己水分散しうるスチレン−アクリル系共重合体樹脂溶
液が得られた。この樹脂は、酸価100、重量平均分子
量4万であった。
【0075】この共重合体溶液200g、メチルエチル
ケトン65g、アセトン91gおよび「MA−100」
〔三菱化成工業(株)製カーボンブラック〕12.0g
を混練機「アイガーM−250VSE−EXJ」(米国
アイガー社製混練機)にて1時間混合した後、トリエチ
ルアミン5.6gを加え、スリーワンモーターを用い
て、350rpmにて攪拌しながら水を滴下して転相乳
化を行い、着色剤が内包された、自己水分散性樹脂から
なるトナー粒子水性分散液を得た。トナー粒子を、コー
ルターカウンターで測定したところ平均粒子径が8ミク
ロンのトナー粒子であった。又、電子顕微鏡で観察した
ところ真球状のトナー粒子であることが確認された。
【0076】この水性媒体中に分散したトナー粒子に対
し、ショアーD硬度48で平均粒径3.0ミクロンの球
状ポリエチレン樹脂微粒子粉末「フロービーズ」〔住友
精化(株)製〕1.0gを加え、TKホモミキサーにて
2500rpmで10分間分散混合処理を行った。
【0077】次いでトナー粒子の樹脂及び微粒子の両軟
化温度よりも低い温度となる様、減圧蒸留により有機溶
剤を除去し、pH6になるまで0.01Nの塩酸水溶液
を加えた(ここで、自己水分散性樹脂は、中和により自
己水分散しうる樹脂に変換された。)後、このトナー粒
子水分散液(分散媒体は、トリエチルアミン・塩酸塩を
含む水のみ)を、トナー粒子の樹脂及び微粒子の両軟化
温度よりも低い、60℃の噴霧温度のスプレードライヤ
ーで乾燥せしめて乾式トナーを得た。球形粒子からなる
トナー粒子表面にポリエチレン樹脂微粒子が付着してい
ることを電子顕微鏡で確認した。このトナー粉体は流動
性に優れ、粒子の凝集は全く観察されなかった。
【0078】また、別に、上記トナー粒子水分散液(分
散媒体は、トリエチルアミン・塩酸塩を含む水のみ)を
濾過して、トナー粒子を得て、それを凍結乾燥機で約2
4時間乾燥した。得られたトナーは凝集なく、流動性も
良好で実用に耐えるものであった。
【0079】得られた各乾式トナーを、平均粒子径65
μmのフェライトキャリア100重量部に対し3重量部
の割合で混合攪拌して現像剤を調整し、市販の電子複写
機にて複写テストを行ったところ、いずれのトナーも、
感光体ドラムへの付着や堆積もほとんどなく、2000
0枚以上の原稿に忠実な鮮明な画像が得られた。
【0080】(比較例1)実施例1で用いた微粒子粉末
を使用せずに各乾式トナーを作製した。すなわち、実施
例1で得たトナー粒子水性分散液に対し、このトナー粒
子よりも小さい平均粒子径を有する微粒子粉末を加える
こと無く、減圧蒸留により有機溶剤を除去し、ついでp
H6になるまで0.01Nの塩酸水溶液を加えた(ここ
で、自己水分散性樹脂は、中和により自己水分散しうる
樹脂に変換された。)。
【0081】このトナー粒子水分散液(分散媒体は、ト
リエチルアミン・塩酸塩を含む水のみ)を、実施例1と
同様に60℃の噴霧温度のスプレードライヤーで乾燥せ
しめて乾式トナーとした。得られたトナーは局所的にト
ナー粒子が凝集しており、流動性も悪く実用に耐えない
ものであった。上記したのより低温でスプレードライヤ
ーでの乾燥を試みたが、乾燥しなかった。上記したのよ
り高温でスプレードライヤーでの乾燥を試みたが、トナ
ー粒子同志の凝集がより多くなり、流動性もより悪くな
った。
【0082】また、別に、上記トナー粒子水分散液(分
散媒体は、トリエチルアミン・塩酸塩を含む水のみ)を
濾過して、トナー粒子を得て、それを凍結乾燥機で乾燥
した。得られたトナーは凝集なく、流動性も良好で実用
に耐えるものであったが、この乾燥には、約36時間を
要した。
【0083】(実施例2)実施例1と同様にしてトナー
粒子水性分散液を調製した。次いで、平均粒子径40n
mのシリカ微粒子粉末0.5g及び平均粒子径0.4ミ
クロンの、ショアーD硬度が45〜100の範囲内にあ
る球状ポリメチルメタアクリレート樹脂微粉末0.5g
をこのトナー粒子の分散した水性媒体中に加え、超音波
をかけながら350rpmで20分間攪拌し、分散攪拌
処理を行った。
【0084】次いでトナー粒子の樹脂及び各微粒子の軟
化点・融点よりも低い温度となる様、これより減圧蒸留
により有機溶剤を除去し、pH6になるまで0.01N
の塩酸水溶液を加えた(ここで、自己水分散性樹脂は、
中和により自己水分散しうる樹脂に変換された。)後、
このトナー粒子水分散液(分散媒体は、トリエチルアミ
ン・塩酸塩を含む水のみ)を、トナー粒子の樹脂及び各
微粒子の両軟化温度よりも低い、60℃の噴霧温度のス
プレードライヤーで乾燥せしめて乾式トナーを得た。球
形粒子からなるトナー粒子表面に、シリカ微粉末とポリ
メチルメタアクリレート樹脂微粒子が付着していること
を電子顕微鏡で確認した。このトナーは流動性に優れ、
粒子の凝集は全く観察されなかった。
【0085】また、別に、上記トナー粒子水分散液(分
散媒体は、トリエチルアミン・塩酸塩を含む水のみ)を
濾過して、トナー粒子を得て、それを凍結乾燥機で約2
4時間乾燥した。得られたトナーは凝集なく、流動性も
良好で実用に耐えるものであった。
【0086】得られた各乾式トナーを、平均粒子径65
μmのフェライトキャリア100重量部に対し3重量部
の割合で混合攪拌して現像剤を調整し、市販の電子複写
機にて複写テストを行ったところ、いずれのトナーも、
感光体ドラムへの付着や堆積もほとんどなく、2000
0枚以上の原稿に忠実な鮮明な画像が得られた。
【0087】(比較例2)実施例2で用いた各微粒子粉
末を使用せずに乾式トナーを作製した。すなわち、実施
例1で得たトナー粒子水性分散液に対し、このトナー粒
子よりも小さい平均粒子径を有する微粒子粉末を加える
こと無く、減圧蒸留により有機溶剤を除去し、ついでp
H6になるまで0.01Nの塩酸水溶液を加えた(ここ
で、自己水分散性樹脂は、中和により自己水分散しうる
樹脂に変換された。)。
【0088】このトナー粒子水分散液(分散媒体は、ト
リエチルアミン・塩酸塩を含む水のみ)を、実施例1と
同様に60℃の噴霧温度のスプレードライヤーで乾燥せ
しめて乾式トナーとした。得られたトナーは局所的にト
ナー粒子が凝集しており、流動性も悪く実用に耐えない
ものであった。上記したのより低温でスプレードライヤ
ーでの乾燥を試みたが、乾燥しなかった。上記したのよ
り高温でスプレードライヤーでの乾燥を試みたが、トナ
ー粒子同志の凝集がより多くなり、流動性もより悪くな
った。
【0089】また、別に、上記トナー粒子水分散液(分
散媒体は、トリエチルアミン・塩酸塩を含む水のみ)を
濾過して、トナー粒子を得て、それを凍結乾燥機で乾燥
した。得られたトナーは凝集なく、流動性も良好で実用
に耐えるものであったが、この乾燥には、約36時間を
要した。
【0090】(実施例3)実施例1と同様にしてトナー
粒子水性分散液を調製した。次いで、平均粒子径2.0
ミクロンの、ショアーD硬度が45〜100の範囲内に
ある、球状シリコン樹脂微粉末1.0gをトナー粒子の
分散した水性媒体中に加え、TKホモミキサー〔特殊気
化(株)製混合機〕にて、2500rpmで10分間分
散混合処理を行った。
【0091】次いでトナー粒子の樹脂及び微粒子の軟化
点よりも低い温度となる様、減圧蒸留により有機溶剤を
除去し、pH6になるまで0.01Nの塩酸水溶液を加
えた(ここで、自己水分散性樹脂は、中和により自己水
分散しうる樹脂に変換された。)後、このトナー粒子水
分散液(分散媒体は、トリエチルアミン・塩酸塩を含む
水のみ)を、濾過し、凍結乾燥機で1日処理して乾式ト
ナーを得た。球形粒子からなるトナー粒子表面に、シリ
コン樹脂微粒子が付着していることを電子顕微鏡で確認
した。このトナーは流動性に優れ、粒子の凝集は全く観
察されなかった
【0092】また、別に、上記トナー粒子水分散液(分
散媒体は、トリエチルアミン・塩酸塩を含む水のみ)
を、トナー粒子の樹脂及び各微粒子の両軟化温度よりも
低い、60℃の噴霧温度のスプレードライヤーで乾燥せ
しめて乾式トナーを得たが、このトナーは流動性に優
れ、粒子の凝集は全く観察されなかった。
【0093】得られた各乾式トナーを、平均粒子径65
μmのフェライトキャリア100重量部に対し3重量部
の割合で混合攪拌して現像剤を調整し、市販の電子複写
機にて複写テストを行ったところ、いずれのトナーも、
感光体ドラムへの付着や堆積もほとんどなく、2000
0枚以上の原稿に忠実な鮮明な画像が得られた。
【0094】(比較例3)実施例3で用いた微粒子粉末
を使用せずに乾式トナーを作製した。すなわち、実施例
1のトナー粒子水性分散液に対し、このトナーよりも小
さい平均粒子径を有する微粉末を加えること無く、減圧
蒸留により有機溶剤を除去し、ついでpH6になるまで
0.01Nの塩酸水溶液を加えた(ここで、自己水分散
性樹脂は、中和により自己水分散しうる樹脂に変換され
た。)。
【0095】このトナー粒子水分散液(分散媒体はトリ
エチルアミン・塩酸塩を含む水のみ)を実施例3と同様
に濾過し、凍結乾燥機で1日処理して乾式トナーを得
た。得られたトナーは局所的にトナー粒子が凝集してお
り、流動性も悪く実用に耐えないものであった。このト
ナーを実用的な流動性にするためには、さらに半日間の
凍結乾燥処理が必要であった。
【0096】また、別に、このトナー粒子水分散液(分
散媒体はトリエチルアミン・塩酸塩を含む水のみ)を、
実施例1と同様に60℃の噴霧温度のスプレードライヤ
ーで乾燥せしめて乾式トナーとした。得られたトナーは
局所的にトナー粒子が凝集しており、流動性も悪く実用
に耐えないものであった。
【0097】(実施例4)実施例1と同様にしてトナー
粒子水性分散液を調製した。次いで、ショアーD硬度7
5で平均粒子径0.3ミクロンの球状ポリフッ化ビニリ
デン樹脂微粉末「カイナー500」〔エルフ・アトケム
・ジャパン(株)製〕0.3gを加え、TKホモミキサ
ーにて2500rpmで10分間分散混合処理を行っ
た。
【0098】次いでこのトナー粒子水性分散液(分散媒
体は水・有機溶媒)を、トナー粒子の樹脂及び微粒子の
軟化点よりも低い温度である、60℃の噴霧温度のスプ
レードライヤーで、水と有機溶剤とを同時に除去乾燥せ
しめて乾式トナーを得た。球形粒子からなるトナー粒子
表面に、ポリフッ化ビニリデン樹脂微粒子が付着してい
ることを電子顕微鏡で確認した。このトナーは流動性に
優れ、粒子の凝集は全く観察されなかった。
【0099】また、別に、このトナー粒子水性分散液
(分散媒体は水・有機溶媒)を実施例3と同様に濾過
し、凍結乾燥機で1日処理して水と有機溶剤とを除去乾
燥せしめて乾式トナーを得た。得られたトナーは流動性
に優れ、粒子の凝集は全く観察されなかった。
【0100】得られた各乾式トナーを、平均粒径65μ
mのフェライトキャリア100重量部に対し3重量部の
割合で混合攪拌して現像剤を調整し、市販の電子複写機
にて複写テストを行ったところ、いずれのトナーも、感
光体ドラムへの付着や堆積もほとんどなく、20000
枚以上の原稿に忠実な鮮明な画像が得られた。
【0101】(比較例4)実施例4で用いた微粒子粉末
を使用せずに各乾式トナーを作製した。すなわち、実施
例4で得た、微粒子を含まない、このトナー粒子水性分
散液(分散媒体は、水・有機溶剤)を、実施例1と同様
に60℃の噴霧温度のスプレードライヤーで、水と有機
溶剤とを同時に除去乾燥せしめて乾式トナーとした。
【0102】得られたトナーは局所的にトナー粒子が凝
集しており、流動性も悪く実用に耐えないものであっ
た。上記したのより低温でスプレードライヤーでの乾燥
を試みたが、乾燥しなかった。上記したのより高温でス
プレードライヤーでの乾燥を試みたが、トナー粒子同志
の凝集がより多くなり、流動性もより悪くなった。
【0103】また、別に、上記トナー粒子水性分散液
(分散媒体は水・有機溶剤)を濾過して、トナー粒子を
得て、それを凍結乾燥機で水と有機溶剤とを除去乾燥処
理してトナーを得た。得られたトナーは凝集なく、流動
性も良好で実用に耐えるものであったが、この乾燥に
は、全部で約36時間を要した。
【0104】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーの製造方法
は、着色剤を内包する、自己水分散性樹脂の球形粒子、
又は着色剤を内包する、中和により自己水分散しうる樹
脂の球形粒子と、中和剤とそれと逆極性の中和剤とが、
水性媒体中に分散したトナー粒子水性分散液に微粒子粉
末を湿式混合し、この粒子分散液から分散媒体である水
や溶剤を除去乾燥せしめて微粒子粉末がトナー粒子表面
に付着含有した乾式トナーを得るので、従来の乾燥工程
における水性媒体の除去時間よりも、それを大幅に短縮
することができ、かつ、従来トナー粒子水性分散液の乾
燥で起こり易かった、トナー粒子間の凝集を効果的に防
止できるという格別顕著な効果を奏する。
【0105】さらに、着色剤を内包する、自己水分散性
樹脂の球形粒子、又は着色剤を内包する、中和により自
己水分散しうる樹脂の球形粒子トナーの有する、帯電特
性の安定性を損なうことなく感光体ドラムへのトナー付
着力を緩和した乾式トナーを製造することが可能とな
り、既存の複写機やプリンターを用いて多数枚の印字品
質に優れる画像を得る事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 372 374

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤(A)を内包する、自己水分散性樹
    脂(C)の球形粒子(D)が水性媒体に分散したトナー
    粒子水性分散液に、平均粒子径が当該粒子よりも小さ
    い、水不溶性か不膨潤性の微粒子(E)粉末を混合し分
    散させた後、水性媒体を除去乾燥することを特徴とす
    る、微粒子粉末(E)が粒子(D)表面に付着したトナ
    ー粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】微粒子(E)が、ショアーD硬度で45以
    上の値を有する水不溶性か水不膨潤性の有機微粒子粉末
    である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】微粒子(E)が、水不溶性か水不膨潤性の
    無機微粒子粉末である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】微粒子(E)が、ショアーD硬度で45以
    上の値を有する水不溶性か水不膨潤性の有機微粒子粉末
    と、水不溶性か水不膨潤性の無機微粒子粉末とを含む微
    粒子粉末である請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】粒子(D)100重量部当たり、微粒子粉
    末(E)を0.01〜10重量部用いる請求項1記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】粒子(D)が平均粒子径4〜12μmのト
    ナー粒子であり、かつ微粒子(E)が、平均粒子径0.
    01〜8μmの水不溶性か水不膨潤性の微粒子粉末であ
    る請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】着色剤(A)を分散させた、中和により自
    己水分散となりうる樹脂(B)の有機溶剤溶液を、中和
    剤を含む水に加えて転相乳化するか、又は着色剤(A)
    を分散させた、中和により自己水分散となりうる樹脂
    (B)の有機溶剤溶液に、中和剤を含む水を加えて転相
    乳化することにより得られた、自己水分散性樹脂(C)
    の球形粒子(D)が分散した媒体に、平均粒子径が当該
    粒子よりも小さく、水不溶性か水不膨潤性かつ前記有機
    溶剤に不溶性か不膨潤性であって、粒子(D)よりも高
    軟化点又は高融点の微粒子(E1)粉末を混合分散させ
    た後、前記粒子(D)の軟化点未満の温度で前記有機溶
    剤及び水を除去乾燥することを特徴とする、前記微粒子
    (E1)が前記粒子(D)表面に付着したトナー粒子の
    製造方法。
  8. 【請求項8】着色剤(A)を分散させた、自己水分散性
    樹脂(C)の有機溶剤溶液を、水に加えて転相乳化する
    か、又は着色剤(A)を分散させた、自己水分散性樹脂
    (C)の有機溶剤溶液に、水を加えて転相乳化すること
    により得られた、自己水分散性樹脂(C)の球形粒子
    (D)が分散した媒体に、平均粒子径が当該粒子よりも
    小さく、水不溶性か水不膨潤性かつ前記有機溶剤に不溶
    性か不膨潤性であって、粒子(D)よりも高軟化点又は
    高融点の微粒子(E1)粉末を混合し分散させた後、前
    記粒子(D)の軟化点未満の温度で前記有機溶剤及び水
    を除去乾燥することを特徴とする、前記微粒子(E1)
    が前記粒子(D)表面に付着したトナー粒子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】前記有機溶剤を除去し、粒子(D)中の樹
    脂(C)を逆中和して樹脂(B)に変換した後、水を除
    去乾燥する請求項7又は8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】着色剤(A)を内包する、中和により自
    己水分散しうる樹脂(B)の球形粒子(D)が、中和剤
    とそれと逆極性の中和剤とを含む水性媒体に分散したト
    ナー粒子水性分散液に、平均粒子径が当該粒子よりも小
    さい、水不溶性か不膨潤性の微粒子(E)粉末を混合し
    分散させた後、水性媒体を除去乾燥することを特徴とす
    る、微粒子粉末(E)が粒子(D)表面に付着したトナ
    ー粒子の製造方法。
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JP (1) JPH08152740A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004226572A (ja) * 2003-01-21 2004-08-12 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー、現像剤及びトナー容器
JP2004271919A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー、現像剤及び画像形成装置

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