JPH08152555A - 撮影レンズ - Google Patents

撮影レンズ

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JPH08152555A
JPH08152555A JP31907694A JP31907694A JPH08152555A JP H08152555 A JPH08152555 A JP H08152555A JP 31907694 A JP31907694 A JP 31907694A JP 31907694 A JP31907694 A JP 31907694A JP H08152555 A JPH08152555 A JP H08152555A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全体として6群6枚のレンズ構成でバックフ
ォーカスの長いリヤーフォーカス式を用いた高い光学性
能の撮影レンズを得ること。 【構成】 絞りを挟んで物体側に正の屈折力の前群と像
面側に正の屈折力の後群を有し、物体側より順に該前群
は正の第1レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状
の負の第2レンズ、少なくとも像面側に凸面を向けた正
の第3レンズの3つのレンズを有し、該後群は少なくと
も物体側に凸面を向けた正の第4レンズ、両レンズ面が
凹面の負の第5レンズ、そして両レンズ面が凸面の正の
第6レンズの3つのレンズを有し、該後群を光軸上移動
させてフォーカスを行っていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真用カメラやビデオカ
メラ等に好適なリヤーフォーカス式を用いた撮影レンズ
に関し、特にバックフォーカスが長く撮像手段として固
体撮像素子を用いた電子写真カメラやビデオカメラ等に
好適な撮影画角40°〜50°、Fナンバー2.5程度
の撮影レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラや電子写真カメラ、
所謂スチルビデオカメラ(SVカメラ)が種々と提案さ
れている。これらのカメラに使用される撮影レンズに
は、最終レンズ面と撮像手段の間にローパスフィルター
や色フィルター等の各種のガラス材を配置する為に比較
的長いバックフォーカスが要求されている。
【0003】特開昭54−151442号公報、特開昭
55−45007号公報、特開昭56−22406号公
報等には物体側から順に負,負,正,負,正,正のレン
ズ、又は負,正,正,負,正,正のレンズ、又は正,
負,正,負,正,正のレンズより成る6群6枚構成の比
較的バックフォーカスの長い撮影レンズが提案されてい
る。
【0004】撮像手段としてカラーの固体撮像素子を用
いる撮影レンズには色シェーディングの防止の為に像側
のテレセントリック性が良いことが要求されている。
【0005】特開昭64−61714号公報には負,
正,負,正,正のレンズの5群5枚のバックフォーカス
が比較的長く、像側のテレセントリック性の良い、撮影
レンズが提案されている。
【0006】最近のビデオカメラではレンズ系中の一部
のレンズ群、例えば中間レンズ群、若しくは後方レンズ
群を光軸方向に移動させて焦点合わせ(フォーカス)を
行った、所謂インナーフォーカス式やリヤーフォーカス
式の撮影レンズが多く用いられている。
【0007】一般にインナーフォーカス式やリヤーフォ
ーカス式はレンズ系全体を繰り出す方式に比べて繰り出
し時に前玉が固定されている為、より至近物体までフォ
ーカスが可能、又フォーカス用レンズ群が比較的小型軽
量となり、小さな駆動力でフォーカスを行うことができ
る為、自動焦点検出装置を有したカメラ等には好適であ
る。この他、これらのフォーカス方式はフォーカスを行
っても常にレンズ全長が一定である為、撮影装置の保持
がしやすくカメラブレを起こし難い等の利点がある。
【0008】このようなインナーフォーカス式やリヤー
フォーカス式を用いた撮影レンズが、例えば特開昭55
−147607号公報や特開昭61−140910号公
報等で提案されている。特開昭55−143517号公
報には負,正,負,正,正,正のレンズ、又は負,正,
負,正,正,負のレンズより成る6群6枚構成で像面側
の1枚又は2枚のレンズでフォーカスを行ったリヤーフ
ォーカス式を用いた撮影レンズが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般に長いバックフォ
ーカスを確保する為には、前方のレンズ群を強い負の屈
折力、後方のレンズ群を正の屈折力とした所謂逆望遠型
となるようにレンズ系を構成するのが望ましい。しかし
ながら前方のレンズ群の負の屈折力を強めるに従い、歪
曲収差、コマ収差の補正が困難になり、これらの諸収差
を良好に補正しようとするとレンズ構成が複雑になり、
撮影系が大型化する傾向がある。
【0010】本発明は、全体として6枚のレンズを有
し、各レンズの光学諸定数を適切に設定することにより
リヤーフォーカス式の利点を維持しつつ、無限遠物体か
ら近距離物体に至る物体距離全般にわたり、及び画面全
体にわたり高い光学性能を有し、かつ所定の長さのバッ
クフォーカスが容易に得られる撮像手段として固体撮像
手段等を用いた場合に好適な撮影レンズの提供を目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の撮影レンズは、
絞りを挟んで物体側に正の屈折力の前群と像面側に正の
屈折力の後群を有し、物体側より順に該前群は正の第1
レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負の第2
レンズ、少なくとも像面側に凸面を向けた正の第3レン
ズの3つのレンズを有し、該後群は少なくとも物体側に
凸面を向けた正の第4レンズ、両レンズ面が凹面の負の
第5レンズ、そして両レンズ面が凸面の正の第6レンズ
の3つのレンズを有し、該後群を光軸上移動させてフォ
ーカスを行っていることを特徴としている。
【0012】
【実施例】図1〜図3は各々本発明の数値実施例1〜3
のレンズ断面図である。図4〜図6は各々本発明の数値
実施例1〜3の諸収差図である。収差図において(A)
は無限遠物体、(B)は撮影倍率β=−1/20を示し
ている。レンズ断面図においてLFは正の屈折力の前
群、SPは絞り、LRは正の屈折力の後群である。Gは
ローパスフィルターや色フィルター等のガラスブロッ
ク、IPは像面である。
【0013】本実施例では物体側より順に前群LFは正
の第1レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負
の第2レンズ、そして像面側に凸面を向けた正の第3レ
ンズの3つのレンズより成っている。第1レンズで主に
歪曲収差、第2レンズで非点収差、そして第3のレンズ
厚を適切に設定してレンズ全長の短縮化を図っている。
後群LRは両レンズ面が凸面の正の第4レンズ、両レン
ズ面が凹面の負の第5レンズ、そして両レンズ面が凸面
の正の第6レンズの3つのレンズより成っている。後群
の3つのレンズの形状を適切に設定して、該後群でフォ
ーカスをする際の収差変動が少なくなるようにしてい
る。
【0014】本実施例では以上のような屈折力及びレン
ズ形状の6群6枚より構成し、所定の長さのバックフォ
ーカスを確保し、かつ像側でのテレセントリック特性が
良く、又後群LRを所定の屈折力とレンズ形状の3つの
レンズより構成し、該後群LRを光軸上移動させてフォ
ーカスを行うリヤーフォーカス式を用いることにより、
無限遠物体から近距離物体の物体距離全般にわたり収差
変動が少ない高い光学性能を有した撮影画角40°〜5
0°、Fナンバー2.5程度の撮影レンズを得ている。
【0015】本発明の目的とする撮影レンズは、以上の
如く各要素を設定することにより達成されるが更に画面
全体にわたり、又物体距離全般にわたり高い光学性能を
得るには次の諸条件のうち少なくとも1つを満足させる
のが良い。
【0016】(1−1)前記前群と後群の焦点距離を各
々fF,fRとしたとき 0.6<fF/fR<20 ‥‥‥(1) なる条件を満足することである。条件式(1)は前群L
Fの焦点距離fFと後群LRの焦点距離fRとの比率を
規定したものであり、主として画面全体にわたり良好な
収差補正を得る為の条件である。
【0017】条件式(1)の下限値を越えると相対的に
前群の屈折力が強くなる為、前群で発生した諸収差を後
群で補正することが困難になる。特にコマ収差の発生が
顕著になり、これを補正しようとすると他の収差が大き
くなる。又上限値を越えると後群の合成屈折力が強くな
る為、球面収差が補正不足になるうえ、メリディオナル
像面の湾曲が大きく、画面周辺部での非点隔差が大きく
なる為、画面全域にわたって良好な光学性能を得ること
が困難になる。
【0018】(1−2)前記第2レンズと全系の焦点距
離を各々f2,fとしたとき −2.5<f2/f<−0.9 ‥‥‥(2) なる条件を満足することである。条件式(2)は前記条
件式(1)にも関連し、前群中のメニスカス状の負の第
2レンズの焦点距離と全系の焦点距離との比率を表した
ものであり、主に十分な長さのバックフォーカスの確保
と良好なる収差補正を行う為のものである。
【0019】条件式(2)の下限値を越えると、十分な
長さのバックフォーカスを得る為に第2レンズと第3レ
ンズとの間隔を大きく取ることが必要となる為、この結
果レンズ全長が長くなり、前玉径も大型化してしまうの
で良くない。又上限値を越えるとメニスカス状の負の第
2レンズの屈折力が強くなりすぎ、非点収差や負の歪曲
収差が多く発生してくるので良くない。
【0020】(1−3)前記絞りを1つの面として物体
側から数えて第i番目のレンズ面の曲率半径をRi、第
i番目のレンズ厚又は空気間隔をDiとするとき 0.1<D5/(D4+D5)<0.5 ‥‥‥(3) |R10|<|R9| ‥‥‥(4) なる条件を満足することである。
【0021】条件式(3)は第2レンズと第3レンズの
空気間隔と第3レンズの中心肉厚との関係を表すもので
あり、主に良好な光学性能を得る為の条件である。条件
式(3)の下限値を越えると、負の第2レンズで発生し
たコマ収差を良好に補正することが困難になる。又上限
値を越えると軸外収差の補正には有利であるが、十分な
長さのバックフォーカスを得る為に第2レンズの負の屈
折力を強める必要があり、この結果その他の諸収差が多
く発生してくるので良くない。
【0022】条件式(4)は第4レンズの像面側のレン
ズ面の曲率半径と第5レンズの物体側のレンズ面の曲率
半径の比に関するものである。この隣接する二つのレン
ズ面は特に球面収差の補正に有効な役割を果たしてお
り、条件式(5)を満たすことにより球面収差を良好に
補正している。
【0023】次に本発明の数値実施例を示す。数値実施
例においてRiは物体側より順に第i番目のレンズ面の
曲率半径、Diは物体側より第i番目のレンズ厚及び空
気間隔、Niとνiは各々物体側より順に第i番目のレ
ンズのガラスの屈折率とアッベ数である。数値実施例に
おいて最終の2つのレンズ面はフェースプレートやフィ
ルター等のガラスブロックである。又前述の各条件式と
数値実施例における諸数値との関係を表−1に示す。
【0024】〈数値実施例1〉 f= 6.7 FNo=2.5 2ω=48.22° i R D N ν 1 19.218 1.5 1.581 40.75 2 -210.74 0.2 1 3 11.416 0.8 1.720 50.25 4 3.222 7.0 1 5 -10.85 1.5 1.603 38.01 6 -5.192 2.0 1 7 (絞り) 2.0 1 8 6.866 1.8 1.720 50.25 9 -19.579 0.5 1 10 -9.010 1.5 1.805 25.43 11 6.619 1.0 1 12 18.046 2.0 1.697 55.53 13 -7.521 5.0 1 14 ∞ 5.0 1.516 64.15 15 ∞ 〈数値実施例2〉 f= 7.5 FNo=2.5 2ω= 43.6° i R D N ν 1 19.700 2.0 1.603 38.01 2 -4447.7 0.2 1 3 8.077 0.7 1.697 55.53 4 4.715 6.0 1 5 -5.940 5.0 1.699 30.12 6 -6.879 2.0 1 7 (絞り) 2.0 1 8 9.144 2.0 1.744 44.79 9 -9.131 0.2 1 10 -6.283 2.0 1.762 26.52 11 6.745 1.3 1 12 18.054 2.0 1.720 50.25 13 -6.415 5.0 1 14 ∞ 5.0 1.516 64.15 15 ∞ 〈数値実施例3〉 f= 7.0 FNo=2.5 2ω= 46.4° i R D N ν 1 189.95 1.8 1.532 48.91 2 -30.639 0.2 1 3 31.551 0.8 1.720 50.25 4 4.767 11.0 1 5 21.382 2.0 1.603 38.01 6 -11.7781 2.0 1 7 (絞り) 2.0 1 8 10.374 2.0 1.697 55.53 9 -12.116 0.5 1 10 -7.980 2.0 1.805 25.43 11 8.818 1.0 1 12 40.869 2.0 1.697 55.53 13 -8.612 5.0 1 14 ∞ 5.0 1.516 64.15 15 ∞
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、全体とし
て6枚のレンズを有し、各レンズの光学諸定数を適切に
設定することによりリヤーフォーカス式の利点を維持し
つつ、無限遠物体から近距離物体に至る物体距離全般に
わたり、及び画面全体にわたり高い光学性能を有し、か
つ所定の長さのバックフォーカスが容易に得られる撮像
手段として固体撮像手段等を用いた場合に好適な撮影レ
ンズを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の数値実施例1のレンズ断面図
【図2】本発明の数値実施例2のレンズ断面図
【図3】本発明の数値実施例3のレンズ断面図
【図4】本発明の数値実施例1の諸収差図
【図5】本発明の数値実施例2の諸収差図
【図6】本発明の数値実施例3の諸収差図
【符号の説明】
LF 前群 LR 後群 SP 絞り IP 像面 d d線 g g線 S サジタル像面 M メリディオナル像面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞りを挟んで物体側に正の屈折力の前群
    と像面側に正の屈折力の後群を有し、物体側より順に該
    前群は正の第1レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカ
    ス状の負の第2レンズ、少なくとも像面側に凸面を向け
    た正の第3レンズの3つのレンズを有し、該後群は少な
    くとも物体側に凸面を向けた正の第4レンズ、両レンズ
    面が凹面の負の第5レンズ、そして両レンズ面が凸面の
    正の第6レンズの3つのレンズを有し、該後群を光軸上
    移動させてフォーカスを行っていることを特徴とする撮
    影レンズ。
  2. 【請求項2】 前記前群と後群の焦点距離を各々fF,
    fRとしたとき 0.6<fF/fR<20 なる条件を満足することを特徴とする請求項1の撮影レ
    ンズ。
  3. 【請求項3】 前記第2レンズと全系の焦点距離を各々
    f2,fとしたとき −2.5<f2/f<−0.9 なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2の
    撮影レンズ。
  4. 【請求項4】 前記絞りを1つの面として物体側から数
    えて第i番目のレンズ面の曲率半径をRi、第i番目の
    レンズ厚又は空気間隔をDiとするとき 0.1<D5/(D4+D5)<0.5 |R10|<|R9| なる条件を満足することを特徴とする請求項1,2又は
    3の撮影レンズ。
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