JPH08151989A - ロータリ型流体装置 - Google Patents

ロータリ型流体装置

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JPH08151989A
JPH08151989A JP29659094A JP29659094A JPH08151989A JP H08151989 A JPH08151989 A JP H08151989A JP 29659094 A JP29659094 A JP 29659094A JP 29659094 A JP29659094 A JP 29659094A JP H08151989 A JPH08151989 A JP H08151989A
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JP
Japan
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rotary
discharge
pressure space
mixed fluid
lubricating oil
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Withdrawn
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JP29659094A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yamaji
洋行 山路
Kenichi Saito
健一 斉藤
Kazuhiro Kosho
和宏 古庄
Shotaro Mishina
正太郎 三科
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍機用のロータリ型圧縮機にHFC系冷媒
及びフッ素系潤滑油が使用される場合に、冷媒ガス中に
潤滑油が混合されてなる混合流体がロータリ機構部
(2)から吐出される1次空間(4)において、潤滑油
の分離を効率よく行えるようにして油上がりが十分に抑
えられるようにする。 【構成】 ロータリ機構部(2)から吐出された混合流
体を1次空間(4)で軸心(P)の周りに旋回させる内
部吐出管(19)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷凍機用の圧縮機等
として用いられるロータリ型流体装置に関し、特に作動
ガス中に混合した潤滑油を分離する対策に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、冷凍機用のロータリ型圧縮機で
は、特開平4−128593号公報等で知られているよ
うに、一般に、密閉ケーシングの内部に、冷媒ガスを吸
入圧縮して吐出するロータリ型のロータリ機構部と、こ
のロータリ機構部の上方に配置され、該ロータリ機構部
を駆動する駆動機構部とがそれぞれ収容されている。そ
して、上記ロータリ機構部と駆動機構部との間には、該
ロータリ機構部から吐出された冷媒ガスを貯留するため
の1次空間が、また駆動機構部の上方には1次空間から
駆動機構部の隙間空間を通過して吐出された冷媒ガスを
貯留するための2次空間がそれぞれ設けられている。一
方、上記ロータリ機構部の下方には、該ロータリ機構部
や駆動機構部の各摺動部分に供給される潤滑油を溜めて
おく油溜め部が設けられている。
【0003】上記ロータリ機構部では、吸入ポート及び
吐出ポートを有するシリンダの内部にその軸心から偏心
してピストンが配置されているとともに、これらシリン
ダの内周面及びピストンの外周面間にベーンにより作用
室が区画形成されている。そして、上記ピストンの回転
に伴い、上記作用室が吸入ポートに連通したときにはそ
の容積を増大させることで該作用室内に冷媒ガスを吸入
する。一方、上記作用室が吐出ポートに連通したときに
はその容積を減少させ、このことで該作用室内の冷媒ガ
スを圧縮して吐出ポートから1次空間に吐出するように
なされている。上記冷媒ガスは1次空間に吐出された
後、駆動機構部の隙間空間を上方に通過して2次空間に
吐出され、吐出管を経てケーシングの外部に吐出され
る。
【0004】また、上記油溜め部の潤滑油は、駆動機構
部の回転駆動軸の下端部に設けられた遠心式油ポンプ等
により吸い上げられて各摺動部分に供給されるようにな
っている。特に、ロータリ機構部に供給された潤滑油
は、作用室の容積効率が高く維持されるように、シリン
ダ、ピストン及びベーン間でのシール効果を高める作用
を営む。したがって、上記冷媒ガスは、該冷媒ガス中に
潤滑油が混合された混合流体の状態で作用室内で圧縮さ
れて吐出されることとなる。
【0005】ところで、上記圧縮機から吐出される冷媒
ガス中に多量の潤滑油が混合することになる、いわゆる
油上がりが発生すると、その吐出された潤滑油が冷凍機
の熱交換器の効率を低下させる等の不具合が生じ易くな
る。のみならず、潤滑油が圧縮機から流出することで油
溜め部の潤滑油が不足するようになり、機械としての信
頼性を低下させることにもなる。
【0006】そこで、従来では、上記1次空間の下方に
油戻し通路を設ける一方、該1次空間の混合流体を駆動
機構部のロータとステータとの間の隙間空間を通過させ
るようにし、そのときに混合流体が受ける通過抵抗によ
り潤滑油を分離して上記油溜め部に戻すようにする対策
が講じられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記隙
間空間の通過抵抗による従来の対策では、潤滑油の分離
が不十分にしか行われないのが実情であり、したがっ
て、油上がりに対する有効な手立てが求められている次
第である。
【0008】この発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、冷媒ガス中に潤滑油が混合さ
れてなる混合流体がロータリ機構部から吐出される高圧
空間において、潤滑油の分離を効率よく行えるようにし
て油上がりが十分に抑えられるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、潤滑油の比重が作動ガスよ
りも大きいことと、ロータリ機構部から高圧空間に向け
て混合流体が吐出される際の勢いとを利用し、上記混合
流体を高圧空間で旋回させることにより、上記潤滑油を
遠心分離するようにした。
【0010】具体的には、この発明では、図2に示すよ
うに、吸入ポート(7a)及び吐出ポート(7b)を有
するシリンダ(7)の内部に該シリンダ(7)の軸心
(P)から偏心してピストン(8)が配置されていると
ともに、これらシリンダ(7)の内周面及びピストン
(8)の外周面間にベーン(9)により作用室(2
a),(2a)が区画形成されていて、上記ピストン
(8)の回転に伴い、上記作用室(2a)が吸入ポート
(7a)に連通したときに該作用室(2a)の容積を増
大させる一方、上記作用室(2a)が吐出ポート(7
b)に連通したときに該作用室(2a)の容積を減少さ
せるようになされたロータリ機構部(2)と、上記ピス
トン(8)を回転駆動して吸入ポート(7a)から作動
ガスを上記作用室(2a)内に吸入させる一方、上記作
動ガス中に潤滑油が混合されてなる混合流体を作用室
(2a)の内部で圧縮して吐出ポート(7b)から吐出
させる駆動機構部(3)と、これらロータリ機構部
(2)及び駆動機構部(3)を収容するとともに、上記
潤滑油を溜めるための油溜め部(6)が内部下方に設け
られている一方、上記ロータリ機構部(2)の吐出ポー
ト(7b)から吐出された混合流体を貯留しかつ上記油
溜め部(6)との間に油戻し通路を有する高圧空間
(4)が内部上方に設けられた密閉ケーシング(1)と
を備えたロータリ型流体装置が前提である。
【0011】そして、上記ロータリ機構部(2)の吐出
ポート(7b)から吐出された混合流体を上記高圧空間
(4)で旋回させる旋回手段(19)が設けられている
ものとする。
【0012】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
に係るロータリ型流体装置が冷凍機用の圧縮機であり、
かつその作動ガスにフッ化炭化水素系冷媒(HFC系冷
媒)が使用される場合に、潤滑油としてフッ素系潤滑油
を使用するようにする。
【0013】尚、上記HFC系冷媒としては、例えば、
HFC−134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)、
HFC−134(1,1,2,2-テトラフルオロエタン)、H
FC−152a(1,1-ジフルオロエタン)、HFC−1
25(ペンタフルオロエタン)、HFC−143a(1,
1,1-トリフルオロエタン)、HFC−32(ジフルオロ
メタン)等が挙げられれる。これらHFC系冷媒は、オ
ゾン層保護の観点から、塩素を含有するCFC−12や
CFC−22等の冷媒の代替品とされているものであ
る。一方、上記フッ素系潤滑油としては、例えば、FP
E油(フッ素化ペンタエリストール油)、6FIS油
(6Fトリマーイソステアリル油)、FEPM油(フッ
素化エポキシミリスチル油)等が挙げられる。
【0014】請求項3の発明では、上記請求項1の発明
において、ロータリ機構部(2)の吐出ポート(7b)
から高圧空間(4)に至る混合流体の吐出経路を該高圧
空間(4)に対して区画し、かつその内部空間を上記高
圧空間(4)に連通する吐出孔(14a)が設けられて
なるカバー部材(14)を備えている場合に、旋回手段
(19)は、一端が上記吐出孔(14a)に接続されて
いる一方、他端が高圧空間(4)の側周壁面近傍位置で
混合流体を旋回させる方向に向けて開口されてなる内部
吐出管により構成されているものとする。
【0015】請求項4の発明では、上記請求項3の発明
において、図1に示すように、カバー部材(14)は、
2つの吐出孔(14a),(14a)を有してなるマフ
ラ部材で構成されている。そして、内部吐出管(19)
は上記各吐出孔(14a)にそれぞれ設けられている。
その場合に、上記各吐出孔(14a)は、マフラ部材
(14)内の混合流体を高圧空間(4)に吐出する際の
吐出脈動が互いに干渉する位置に配置されているものと
する。
【0016】請求項5の発明では、上記請求項1の発明
において、ロータリ機構部(2)が該ロータリ機構部
(2)のシリンダ(7)の軸心(P)が上下方向に延び
るように配置されているとともに、高圧空間(4)が上
記ロータリ機構部(2)の上方に配置され、さらに、駆
動機構部(3)が上記高圧空間(4)の上方に配置され
ていて、上記軸心(P)の回りに回転可能に設けられか
つその下端側部分がロータリ機構部(2)のピストン
(8)に連結された回転駆動軸(16)と、この回転駆
動軸(16)の上端側部分に外嵌合状態で連結されたロ
ータ(17a)及び該ロータ(17a)との間に上記高
圧空間(4)の混合流体が上方に向けて通過可能な隙間
空間(18)を形成するように密閉ケーシング(1)の
内周壁面に固定されたステータ(17b)からなる電動
モータ(17)とを有するものである場合に、上記ロー
タ(17a)の外周面に、上記隙間空間(18)を通過
する混合流体に通過抵抗を与える溝(20)が設けられ
ているものとする。
【0017】請求項6の発明では、上記請求項5の発明
において、溝(20)は、ロータ(17a)の上端側か
ら下端側に亘り螺旋状に下降する螺旋溝により構成され
ているものとする。
【0018】請求項7の発明では、上記請求項6の発明
において、螺旋溝(20)は、ロータ(17a)の上端
側から下端側に亘り該ロータ(17a)の回転駆動方向
(図2に矢印で示す方向)に向けて延びるようになされ
ているものとする。
【0019】請求項8の発明では、上記請求項1の発明
において、図4に示すように、駆動機構部(3)が、ロ
ータリ機構部(2)のシリンダ(7)の軸心(P)の回
りに回転可能に設けられかつ該ロータリ機構部(2)の
ピストン(8)に連結された回転駆動軸(16)を有す
るものであり、上記ロータリ機構部(2)が、上記軸心
(P)の方向に延びるように高圧空間(4)に向けて突
設されていて上記回転駆動軸(16)を回転可能に支持
する筒状の軸受(11a)を有するものであり、さら
に、上記ロータリ機構部(2)の吐出ポート(7b)か
ら高圧空間(4)に至る混合流体の吐出経路を該高圧空
間(4)に対して区画し、かつその内部空間を高圧空間
(4)に連通する吐出部(14b)が上記軸受(11
a)の周りに円環状に形成されるようになされたカバー
部材(14)を備えている場合に、旋回手段(19)
は、上記吐出部(14b)から高圧空間(4)の側に突
出した上記軸受(11a)の部分に半径方向外方に向け
て突出するように全周に亘り設けられかつ上記吐出部
(14b)から吐出された混合流体を軸心(P)の周り
に旋回させつつ高圧空間(4)に吐出する旋回板により
構成されているものとする。
【0020】請求項9の発明では、上記請求項8の発明
において、図5に示すように、旋回板(19′)の吐出
部(14b)側の面に、該吐出部(14b)から吐出さ
れた混合流体を軸心(P)の周りに旋回させつつ高圧空
間(4)に吐出する方向に延びる複数条の旋回溝(19
a′),(19a′),…が設けられているものとす
る。
【0021】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、ロー
タリ機構部(2)により圧縮されて高圧空間(4)に吐
出される混合流体は、旋回手段(19)により上記高圧
空間(4)内で旋回するように吐出される。このとき、
上記潤滑油の比重は作動ガスよりも大きいので、上記旋
回動作に応じて潤滑油は高圧空間(4)の側周壁面側に
移動し、また自重により下降して油戻し経路を経て油溜
め部(6)に戻ることとなる。よって、高圧空間(4)
での潤滑油の分離が促進されるので、その分だけ油上が
りが抑えられる。
【0022】請求項2の発明では、上記作動ガスとして
HFC系冷媒が、また潤滑油としてフッ素系潤滑油がそ
れぞれ使用される。その際に、上記フッ素系潤滑油は、
この種の圧縮機に使用される他の潤滑油に比べて比重が
大きいので、上記請求項1の発明での作用が効果的に営
まれ、上記潤滑油が効率よく遠心分離される。
【0023】請求項3の発明では、上記ロータリ機構部
(2)の吐出ポート(7b)から吐出された混合流体
は、カバー部材(14)内の空間を経由して吐出孔(1
4a)から内部吐出管(19)を通って高圧空間(4)
に吐出される。このとき、上記内部吐出管(19)の高
圧空間(4)側の端部が、該高圧空間(4)の側周壁面
近傍位置で混合流体を旋回させる方向に向けて開口され
ているので、上記混合流体は同方向に旋回するようにな
る。これにより、上記請求項1の発明での作用が具体的
に営まれる。
【0024】請求項4の発明では、上記内部吐出管(1
9)に対しマフラ部材(14)の両吐出孔(14a),
(14a)から混合流体が吐出される際に、その吐出脈
動が互いに干渉して小さくなるので、上記混合流体が高
圧空間(4)に吐出される際の騒音が低減される。
【0025】請求項5の発明では、上記高圧空間(4)
において旋回による潤滑油の遠心分離が行われた混合流
体は、駆動機構部(3)の電動モータ(17)のロータ
(16b)とステータ(17b)との間の隙間空間(1
8)を上方に向けて通過する。その際に、上記隙間空間
(18)において混合流体に通過抵抗を与えることによ
り潤滑油の分離が図られる。このとき、上記ロータ(1
7a)の外周面の溝(20)により、混合流体に対する
通過抵抗が大きくなされるので、その分だけ上記潤滑油
の分離が促進される。よって、上記高圧空間(4)での
旋回による分離に加え、駆動機構部(3)での通過抵抗
による分離が促進されるので、全体として潤滑油の分離
がさらに効率よく行われるようになる。
【0026】請求項6の発明では、上記駆動機構部
(3)のロータ(17a)及びステータ(17b)間の
隙間空間(18)において、溝(20)による通過抵抗
を受けて分離された潤滑油は該溝(20)の内部に入り
込んで集められる。このとき、上記溝(20)により潤
滑油はロータ(17a)の上端側から下端側に亘り螺旋
状に下降して高圧空間(4)に至り、該高圧空間(4)
で遠心分離された潤滑油と共に油溜め部(6)に戻され
る。よって、上記隙間空間(18)で分離された潤滑油
は、比較的速やかに油溜め部(6)に戻されることとな
る。
【0027】請求項7の発明では、上記隙間空間(1
8)において上方に向けて通過しようとする混合流体が
螺旋溝(20)による通過抵抗を受けて該螺旋溝(2
0)に沿って上方移動する際、上記螺旋溝(20)には
その通過抵抗を与えた分だけの反力が作用する。その反
力の向きは、上記混合流体が螺旋溝(20)に沿って上
方移動する方向と逆になる。このとき、上記螺旋溝(2
0)はロータ(17a)の上端側から下端側に亘り該ロ
ータ(17a)の回転方向に向けて延びているので、上
記反力によりロータ(17a)は回転方向に回転駆動さ
れることとなる。これにより、上記潤滑油の分離に使用
された混合流体の吐出力の一部が、ロータリ機構部
(2)に対する駆動力として再使用されるので、その分
だけ駆動機構部(3)の駆動効率が高められる。
【0028】請求項8の発明では、上記ロータリ機構部
(2)の吐出ポート(7b)から吐出された混合流体
は、カバー部材(14)内の空間を経由して該カバー部
材(14)と軸受(11a)との間の円環状の吐出部
(14b)から高圧空間(4)に向けて吐出されるとき
に、上記混合流体は旋回板(19′)によりその吐出方
向が変更されて軸心(P)の周りに旋回しつつ上記高圧
空間(4)に吐出されるようになる。よって、この場合
でも、上記高圧空間(4)での旋回による潤滑油の遠心
分離が行われる。また、上記混合流体が旋回板(1
9′)により半径方向外方に向けて吐出されると、この
混合流体は高圧空間(4)の側周壁面に衝突することに
なるので、その衝突の際にも潤滑油の分離が促進され
る。
【0029】請求項9の発明では、上記混合流体は、旋
回板(19′)の旋回溝(19a′),(19a′),
…により高圧空間(4)で旋回させられるようになる。
これにより、上記請求項8の発明での作用が具体的に営
まれる。
【0030】
【実施例】以下、この発明に係る実施例を図面に基づい
て説明する。以下の実施例では、ロータリ型流体装置は
冷凍機用の圧縮機として用いられ、作動ガスとしての冷
媒ガスを圧縮して吐出するものである。また、ここで
は、HFC系冷媒(フッ化炭化水素系冷媒)を用いてお
り、潤滑油にはフッ素系潤滑油を使用している。
【0031】(実施例1)図2は、この実施例1に係る
ロータリ型圧縮機の全体構成を示し、この圧縮機2は縦
長状の密閉ケーシング(1)を有する。
【0032】上記ケーシング(1)の内部下側には、冷
媒ガスを吸入圧縮して吐出するためのロータリ機構部
(2)が、また上側には、上記ロータリ機構部(2)を
作動させるための駆動機構部(3)がそれぞれ配設され
ている。さらに、上記ロータリ機構部(2)の上方に
は、該ロータリ機構部(2)から吐出された冷媒ガスを
貯留するための高圧空間としての1次空間(4)が設け
られている。また、上記駆動機構部(3)の上方には、
上記1次空間(4)から該駆動機構部(3)の隙間空間
(18)を通過して吐出された冷媒ガスを貯留するため
の2次空間(5)が設けられている。一方、上記ロータ
リ機構部(2)の下方には、上記1次空間(4)から戻
されかつ上記ロータリ機構部(2)及び駆動機構部
(3)の各摺動箇所に供給される潤滑油を溜めるための
油溜め部(6)が設けられている。
【0033】また、上記ロータリ機構部(2)の配置さ
れている密閉ケーシング(1)の側壁部分には、冷媒ガ
スをロータリ機構部(2)に導入するための吸入管(1
a)が側方に向けて突出するように設けられている。こ
の吸入管(1a)は、図示は省略するが、冷凍機の蒸発
器に接続されている。一方、ケーシング(1)の上端壁
には、2次空間(5)の高圧冷媒ガスを外部に吐出する
ための外部吐出管(1b)が上方に向けて突出するよう
に設けられている。この外部吐出管(1b)は図外の凝
縮器に接続されている。
【0034】上記ロータリ機構部(2)は、図3に示す
ように、吸入ポート(7a)及び吐出ポート(7b)を
有するシリンダ(7)の内部に、該シリンダ(7)の上
下方向に延びる軸心(P)からピストン(8)が偏心し
て配置されている。また、これらシリンダ(7)の内周
面及びピストン(8)の外周面間には、ベーン(9)に
より2つの作用室(2a),(2a)が区画形成されて
いる。そして、上記ピストン(8)の回転に伴い、上記
作用室(2a)が吸入ポート(7a)に連通したときに
該作用室(2a)の容積を増大させる一方、上記作用室
(2a)が吐出ポート(7b)に連通したときに該作用
室(2a)の容積を減少させるようになされている。
【0035】具体的には、上記シリンダ(7)は、密閉
ケーシング(1)の内周壁面に配設固定されていて上下
が開口されたシリンダブロック(10)と、このシリン
ダブロック(10)の上面に接合されたフロントプレー
ト(11)と、シリンダブロック(10)の下面に接合
されたリヤプレート(12)とで形成されている。そし
て、上記吸入ポート(7a)及び吐出ポート(7b)は
シリンダ(7)の周方向に互いに近接した位置に配置さ
れており、吸入ポート(7a)は、シリンダブロック
(10)を半径方向に貫通するように設けられていて上
記吸入管(1a)に連通している。一方、上記吐出ポー
ト(7b)は、フロントプレート(11)に設けられて
いて、該フロントプレート(11)の上面に配置された
吐出弁(13)により冷媒ガスの逆流を防止するように
なされている。
【0036】上記シリンダブロック(10)の吸入ポー
ト(7a)及び吐出ポート(7b)間の部分には、シリ
ンダ(7)の内周面から半径方向外方に向けて穿設され
た溝(10a)が軸心(P)の方向に延びるように形成
されていて、この溝(10a)内に上記ベーン(9)が
シリンダ(7)の内周面から軸心(P)に向けて出没可
能に配置されている。このベーン(9)は、溝(10
a)の底部に配置された圧縮コイルばね(9a)により
進出方向に常に付勢されていて、このことで、該ベーン
(9)の先端を上記ピストン(8)の外周面に常に押し
付けるようになされている。また、ピストン(8)は上
下両端が開口された円筒状をなしていて、シリンダ
(7)の内周面及びベーン(9)の先端に対し外周面が
摺接可能な状態で軸心(P)の回りを回転移動するよう
になされている。そして、上記ピストン(8)が吸入ポ
ート(7a)及び吐出ポート(7b)の各々に重なる周
方向の位置に位置付けられたときに、それぞれ吸入ポー
ト(7a)及び吐出ポート(7b)を閉塞するようにな
されている。
【0037】また、上記フロントプレート(11)の中
央には、軸心(P)に沿って1次空間(4)に向けて突
出するように延びる円筒状のフロント軸受(11a)が
設けられている。一方、上記リヤプレート(12)の中
央には、軸心(P)に沿って油溜め部(6)に向けて突
出するように延びる円筒状のリヤ軸受(12a)が設け
られている。そして、上記フロントプレート(11)上
には、有底筒状のカバー部材としてのマフラ部材(1
4)がその開口を下方に向けた状態で取り付けられてい
る。
【0038】上記マフラ部材(14)の中央部には上記
フロント軸受(11a)のための貫通孔が設けられてい
て、その貫通孔の周縁部はフロント軸受(11a)の外
周面に気密状態で接合されている。また、図1に示すよ
うに、マフラ部材(14)の直径方向に相対する2箇所
が凹設されていて、これら凹設箇所においてマフラ部材
(14)は2本のボルト(15),(15)でフロント
プレート(11)に固定されている。さらに、マフラ部
材(14)の他の直径方向(同図の左右方向)の2箇所
には、該マフラ部材(14)の内部空間を1次空間
(4)に連通する2つの吐出孔(14a),(14a)
がそれぞれ設けられている。これら吐出孔(14a),
(14a)は、マフラ部材(14)内の混合流体を1次
空間(4)に吐出する際の吐出脈動が互いに干渉する位
置に配置されるのが望ましい。この実施例では、吐出ポ
ート(7b)に近い側(図1の右側)の吐出孔(14
a)と遠い側(同図の左側)の吐出孔(14a)とでは
両吐出圧間に圧力差があって、各吐出圧の脈動周期が互
いに逆位相となる位置に配置されているので、各吐出孔
(14a)から混合流体が吐出される際の脈動音が1次
空間(4)において互いに打ち消し合うこととなる。
【0039】上記駆動機構部(3)は、軸心(P)の回
りに回転可能な回転駆動軸(16)と、この回転駆動軸
(16)を回転駆動する電動モータ(17)とからなっ
ている。上記回転駆動軸(16)は、ロータリ機構部
(2)を上下方向に貫通していて該ロータリ機構部
(2)の上下2つの軸受(11a),(12a)により
回転可能に支持されている。また、シリンダ(7)内に
位置する回転駆動軸(16)の部分は、軸心(P)から
偏心した中心(Q)を持ちかつピストン(8)の内周面
に摺接可能な断面円形状のカム面に形成されたカム部
(16a)となっていて、このことで回転駆動軸(1
6)が回転することにより上記ピストン(8)を軸心
(P)の回りに偏心状態で回転移動させることができる
ようになされている。一方、上記電動モータ(17)
は、ロータ(17a)及びステータ(17b)からなっ
ている。上記ロータ(17a)は回転駆動軸(16)の
上側部分に嵌挿されて回転一体に連結されている。ま
た、上記ステータ(17b)は、ケーシング(1)の内
壁面に円環状に配設固定されている。そして、これらロ
ータ(17a)の外周面及びステータ(17b)の内周
面間に、上記隙間空間(18)が形成されている。
【0040】上記油溜め部(6)では、該油溜め部
(6)に溜められている所定量の潤滑油に上記回転駆動
軸(16)の下端部が浸漬するようになされている。こ
の下端部には、図示は省略するが、例えば遠心式の油ポ
ンプが設けられていて、回転駆動軸(16)の回転に応
じて油溜め部(6)の潤滑油を回転駆動軸(16)内に
吸い上げるようになされている。また、上記回転駆動軸
(16)の内部には、その軸心(P)に沿って油通路が
設けられており、上記吸い上げられた潤滑油をロータリ
機構部(2)及び駆動機構部(3)の各摺動箇所に供給
するようになされている。したがって、ロータリ機構部
(2)の作用室(2a)では、冷媒ガスは該冷媒ガス中
に上記潤滑油が混合されてなる混合流体の状態で圧縮さ
れて1次空間(4)に吐出されることとなる。そして、
上記1次空間(4)の下方には、図示は省略するが、該
1次空間(4)で冷媒ガスから分離された潤滑油を上記
油溜め部(6)に戻すための油戻し通路が設けられてい
る。
【0041】尚、フッ素系潤滑油としては、具体的に
は、下記の化学式1で示される2種類の化合物の混合物
であるFPE油(フッ素化ペンタエリスリトール油)
や、化学式2で示される6FIS油(6Fトリマーイソ
ステアリル油)や、化学式3で示されるFEPM油(フ
ッ素化エポキシミリスチル油)等が使用される。また、
このようなフッ素系の潤滑油以外に鉱油や合成油を使用
する場合もある。
【0042】
【化1】
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】そして、この発明の特徴として、上記マフ
ラ部材(14)には、ロータリ機構部(2)の吐出ポー
ト(7b)から吐出された混合流体を上記1次空間
(4)で旋回させる旋回手段としての2本の内部吐出管
(19),(19)が設けられている。具体的には、上
記各内部吐出管(19)は、一端がマフラ部材(14)
の吐出孔(14a)に接続されている一方、他端が1次
空間(4)の側周壁面近傍位置で混合流体を旋回させる
方向(この実施例1では図1の反時計回り方向)に向け
て開口されてなっている。
【0046】また、上記駆動機構部(3)のロータ(1
7a)の側周面には、該ロータ(17a)とステータ
(17b)との間の隙間空間(18)を1次空間(4)
から2次空間(5)に向けて上方に通過しようとする混
合流体に通過抵抗を与える螺旋溝(20)が設けられて
いる。この螺旋溝(20)は、ロータ(17a)の上端
側から下端側に亘り該ロータ(17a)の回転方向(図
2に矢印で示す方向)に向けて延びつつ下降するように
なされている。
【0047】ここで、以上のように構成されたロータリ
型圧縮機の作動について説明する。駆動機構部(3)の
電動モータ(17)が起動すると、図3に矢印で示すよ
うに、ロータリ機構部(2)のピストン(8)がシリン
ダ(7)内で軸心(P)の回りを回転移動する。そし
て、ピストン(8)が吸入ポート(7a)を閉塞する位
置では、このピストン(8)によりベーン(9)はその
略全体がシリンダブロック(10)の溝(10a)内に
付勢力に抗して押し込められ、このことで、上記吸入ポ
ート(7a)に連通する作用室(2a)の容積は略0と
なる。この位置から上記ピストン(8)が回転移動する
と、その回転移動に伴って上記ベーン(9)がピストン
(8)との接触状態を維持しつつ溝(10a)内からシ
リンダ(7)内に向けて徐々に進出する。これにより、
上記作用室(2a)の容積が増大して上記吸入ポート
(7a)から冷凍機の蒸発器の冷媒ガスが該作用室(2
a)内に吸入される。
【0048】そして、上記ピストン(8)が略1回転し
たときに、上記作用室(2a)は容積が最大となりかつ
吐出ポート(7b)に連通するようになる。同時に、ベ
ーン(9)は再びその略全体が溝(10a)内に押し込
められる。この位置からピストン(8)が回転移動する
と、今度は、上記作用室(2a)の容積が減少するよう
になり、このことで、作用室(2a)内の冷媒ガスは潤
滑油と共に圧縮されつつ混合流体となって吐出ポート
(7b)から吐出される。一方、吸入ポート(7a)に
連通しているもう1つの作用室(2a)ではその容積が
増大するようになるので、該作用室(2a)内に冷媒ガ
スが吸入されることとなる。つまり、上記ピストン
(8)が軸心(P)の回りに1回転する毎に、一方の作
用室(2a)では吸入動作が、また他方の作用室(2
a)では吐出動作が同時に並行して行われる。
【0049】次いで、上記吐出ポート(7b)から吐出
された混合流体は、マフラ部材(14)の内部空間及び
内部吐出管(19)を経て1次空間(4)に吐出され
る。この1次空間(4)において、冷媒ガスから分離し
た潤滑油は油戻し通路を経て油溜め部(6)に戻る。こ
のとき、上記混合流体は内部吐出管(19)により1次
空間(4)で旋回するように吐出されるので、その旋回
により潤滑油が遠心分離されることになり、1次空間
(4)での潤滑油の分離が効率よく行われるようにな
る。また、上記潤滑油が一般の潤滑油よりも比重の大き
いフッ素系潤滑油であるので、上記旋回による分離はさ
らに効果的なものとなる。
【0050】上記1次空間(4)の混合流体は、駆動機
構部(3)のロータ(17a)及びステータ(17b)
間の隙間空間(18)を上方に向けて通過し、密閉ケー
シング(1)内の最上端である2次空間(5)に達す
る。そして、上記隙間空間(18)を通過するときに混
合流体が通過抵抗を受けるので、この隙間空間(18)
でも潤滑油の分離が行われる。このとき、上記ロータ
(17a)の側周面の螺旋溝(20)により上記通過抵
抗が一段と増大されるので、隙間空間(18)での潤滑
油の分離についても、さらに効率よく行われる。また、
分離された潤滑油は、上記螺旋溝(20)内を伝って下
降するので、比較的速やかに1次空間(4)に達して油
溜め部(6)に戻ることができる。その上、上記螺旋溝
(20)の螺旋の向きが、混合流体に通過抵抗を与える
際の反力によりロータ(17a)をその回転駆動方向に
回転駆動できる向きであるので、潤滑油の分離に使用さ
れた混合流体の吐出力の一部を駆動機構部(3)の駆動
力として再使用することができ、その分だけ駆動効率が
高まる。
【0051】かくして、2次空間(5)に達した混合流
体(潤滑油の混合量は支障のない程度に減少されてい
る)は、外部吐出管(1b)を経て密閉ケーシング
(1)の外部に吐出され、冷凍機の凝縮器に圧送される
こととなる。
【0052】したがって、この実施例1によれば、ロー
タリ機構部(2)で圧縮された混合流体を1次空間
(4)に吐出する際に、上記混合流体を内部吐出管(1
9),(19)により該1次空間(4)内で旋回させる
ことができるので、上記潤滑油を遠心分離して1次空間
(4)での潤滑油の分離を促進することができ、その分
だけ油上がりを抑えることができる。また、上記潤滑油
に、一般の潤滑油よりも比重の大きいフッ素系潤滑油を
使用しているので、上記遠心分離の効果を高めることが
できる。
【0053】さらに、上記1次空間(4)の混合流体が
駆動機構部(3)の隙間空間(18)を上方に向けて通
過する際に、上記混合流体に螺旋溝(20)により大き
な通過抵抗を与えることができるので、この隙間空間
(18)においても、潤滑油の分離を効率よく行うこと
ができる。しかも、上記螺旋溝(20)で分離した潤滑
油を該螺旋溝(20)内に集めつつ下降するように案内
できるので、隙間空間(18)で分離された潤滑油を比
較的速やかに油溜め部(6)に戻すことができ、油溜め
部(6)における油量の安定化を図ることができる。
【0054】その上、上記螺旋溝(20)が混合流体に
通過抵抗を与えることで受ける反力を、ロータ(16
b)の駆動力として利用することができるので、その分
だけ駆動機構部(3)の駆動効率を高めることができる
というメリットもある。
【0055】(実施例2)図4は、この実施例2に係る
ロータリ型圧縮機の要部を示し、ここでは、マフラ部材
(14)は、その内部空間を1次空間(4)に連通する
吐出部(14b)がフロント軸受(11a)の周りに円
環状に形成されるようになされている。
【0056】そして、この発明の特徴として、上記吐出
部(14b)から1次空間(4)の側に突出したフロン
ト軸受(11a)の部分に半径方向外方に向けて突出す
るように全周に亘り設けられ、かつ上記吐出部(14
b)から吐出された混合流体を軸心(P)の周りに旋回
させつつ1次空間(4)に吐出する旋回板(19′)を
備えている。具体的には、上記旋回板(19′)の吐出
部(14b)の側の面には、図5に示すように、吐出部
(14b)から吐出された混合流体を旋回させる方向
(この実施例2では同図の時計回り方向であり、図4に
矢印で示す方向である)に延びる複数条の旋回溝(19
a′),(19a′),…が設けられている。尚、この
実施例2のその他の部分は上記実施例1の場合と同じで
あるので、図面では同じ符号を付して示し、その説明に
ついては省略する。
【0057】したがって、この実施例2によっても、上
記実施例1と同じ作用効果を奏することができる。ま
た、上記混合流体は、半径方向外方に向けて吐出される
ことにより1次空間(4)の側周壁面に衝突することに
なるので、その衝突の際にも潤滑油の分離を促進するこ
とができる。
【0058】尚、上記実施例1及び2では、潤滑油にフ
ッ素系潤滑油を使用しているが、作動ガスから遠心分離
可能なものであれば潤滑油の種類は問わない。
【0059】また、上記実施例1及び2では、ロータリ
機構部(2)を駆動機構部(3)の下方に配置している
が、これとは逆に、ロータリ機構部を駆動機構部の上方
に配置するようにしてもよい。
【0060】また、上記実施例1及び2では、ロータリ
機構部(2)を1組のシリンダ(7)、ピストン(8)
及びベーン(9)からなる1段形としているが、多段形
としてもよい。
【0061】さらに、上記実施例1及び2では、冷凍機
用の圧縮機について説明したが、この発明に係るロータ
リ型流体装置は、真空ポンプや膨張機等に適用すること
もできる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、作動ガス中に潤滑油が混合されてなる混合流体
をロータリ機構部で圧縮して高圧空間に吐出する際に、
上記混合流体を旋回手段により高圧空間で旋回させて潤
滑油を遠心分離するようにしたので、上記潤滑油を効率
よく分離でき、その分だけ油上がりを効果的に抑えるこ
とができるようになる。
【0063】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明に係るロータリ型流体装置が冷凍機用の圧縮機であ
って作動ガスにHFC系冷媒を使用する場合に、塩素含
有の冷媒に使用される潤滑油に比べて比重の大きいフッ
素系潤滑油を使用するようにしたので、上記潤滑油を効
率よく遠心分離することができる。
【0064】請求項3の発明によれば、上記ロータリ機
構部の高圧空間側がカバー部材により覆われている場合
に、内部吐出管の一端を上記カバー部材の吐出口に接続
する一方、他端を高圧空間の側周壁面近傍位置で混合流
体を旋回させる方向に向けて開口するようにしたので、
上記請求項1の発明による効果を具体的に得ることがで
きる。
【0065】請求項4の発明によれば、上記カバー部材
が、2つの吐出孔を有してなるマフラ部材で構成されて
いて、上記各吐出孔に内部吐出管がそれぞれ設けられて
いる場合に、混合流体を高圧空間に吐出する際の吐出脈
動が互いに干渉する位置に上記各吐出孔を配置したの
で、上記混合流体が各内部吐出管から高圧空間に吐出さ
れる際の吐出脈動を小さくして騒音を低減することがで
きる。
【0066】請求項5の発明によれば、上記高圧空間の
混合流体を、駆動機構部の電動モータのロータ及びステ
ータ間の隙間空間を上方に向けて通過させ、その際に上
記混合流体が受ける通過抵抗により潤滑油を分離させる
場合に、上記ロータの側周面に溝を設けて上記通過抵抗
を増大させるようにしたので、上記高圧空間での旋回に
よる分離に加え、上記隙間空間での分離効率を高めるこ
とができ、よって、潤滑油をさらに効率よく分離するこ
とができる。
【0067】請求項6の発明によれば、上記溝を、ロー
タの上端側から下端側に亘り螺旋状に下降する螺旋溝に
より構成したので、分離された潤滑油を高圧空間まで比
較的速やかに案内して油溜め部に戻すことができ、油溜
め部での油量の安定化を図ることができる。
【0068】請求項7の発明によれば、上記螺旋溝を、
ロータの上端側から下端側に亘り該ロータの回転方向に
向けて延びるようにしたので、この螺旋溝が混合流体に
通過抵抗を与える際に受ける反力を駆動機構部の回転駆
動力として利用することができ、その分だけ駆動機構部
の駆動効率を高めることができる。
【0069】請求項8の発明によれば、上記駆動機構部
の回転駆動軸が、ロータリ機構部の筒状の軸受により軸
心回りに回転可能に支持されていて、上記ロータリ機構
部の高圧空間側を覆うカバー部材が、上記軸受との間に
円環状の吐出部を形成している場合に、上記カバー部材
の高圧空間側において上記軸受の周りに半径方向外方に
向けて突出する旋回板を設け、この旋回板により上記吐
出部から吐出された混合流体を旋回させつつ高圧空間に
吐出するようにしたので、この場合でも、高圧空間での
旋回による潤滑油の遠心分離を行うことができる。
【0070】請求項9の発明によれば、上記旋回板の吐
出部側の面に、カバー部材の吐出部から吐出された混合
流体を旋回させる方向に延びる複数条の旋回溝を設ける
ようにしたので、上記請求項8の発明による効果を具体
的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線断面図である。
【図2】この発明の実施例1に係るロータリ型圧縮機を
示す縱断面図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】この発明の実施例2に係るロータリ型圧縮機の
要部を示す縱断面図である。
【図5】旋回板の下面を示す平面図である。
【符号の説明】
(1) 密閉ケーシング (2) ロータリ機構部 (2a) 作用室 (3) 駆動機構部 (4) 1次空間(高圧空間) (6) 油溜め部 (7) シリンダ (7a) 吸入ポート (7b) 吐出ポート (8) ピストン (9) ベーン (11a) フロント軸受(軸受) (14) マフラ部材(カバー部材) (14a) 吐出孔 (14b) 吐出部 (16) 回転駆動軸 (17) 電動モータ (17a) ロータ (17b) ステータ (18) 隙間空間 (19) 内部吐出管(旋回手段) (19′) 旋回板(旋回手段) (19a′) 旋回溝 (20) 螺旋溝(溝) (P) 軸心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古庄 和宏 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 三科 正太郎 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入ポート(7a)及び吐出ポート(7
    b)を有するシリンダ(7)の内部に該シリンダ(7)
    の軸心(P)から偏心してピストン(8)が配置されて
    いるとともに、これらシリンダ(7)の内周面及びピス
    トン(8)の外周面間にベーン(9)により作用室(2
    a),(2a)が区画形成され、上記ピストン(8)の
    回転に伴い、上記作用室(2a)が吸入ポート(7a)
    に連通したときに該作用室(2a)の容積を増大させる
    一方、上記作用室(2a)が吐出ポート(7b)に連通
    したときに該作用室(2a)の容積を減少させるように
    なされたロータリ機構部(2)と、 上記ピストン(8)を回転駆動して吸入ポート(7a)
    から作動ガスを上記作用室(2a)内に吸入させる一
    方、上記作動ガス中に潤滑油が混合されてなる混合流体
    を作用室(2a)内で圧縮して吐出ポート(7b)から
    吐出させる駆動機構部(3)と、 上記ロータリ機構部(2)及び駆動機構部(3)を収容
    するとともに、上記潤滑油を溜めるための油溜め部
    (6)が内部下方に設けられている一方、上記ロータリ
    機構部(2)の吐出ポート(7b)から吐出された混合
    流体を貯留しかつ上記油溜め部(6)との間に油戻し通
    路を有する高圧空間(4)が内部上方に設けられた密閉
    ケーシング(1)とを備えたロータリ型流体装置におい
    て、 上記ロータリ機構部(2)の吐出ポート(7b)から吐
    出された混合流体を上記高圧空間(4)で旋回させる旋
    回手段(19)が設けられていることを特徴とするロー
    タリ型流体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のロータリ型流体装置にお
    いて、 作動ガスはフッ化炭化水素系冷媒であり、 潤滑油はフッ素系潤滑油であることを特徴とするロータ
    リ型流体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のロータリ型流体装置にお
    いて、 ロータリ機構部(2)の吐出ポート(7b)から高圧空
    間(4)に至る混合流体の吐出経路を該高圧空間(4)
    に対して区画し、かつその内部空間を上記高圧空間
    (4)に連通する吐出孔(14a)が設けられてなるカ
    バー部材(14)を備え、 旋回手段(19)は、一端が上記吐出孔(14a)に接
    続されている一方、他端が高圧空間(4)の側周壁面近
    傍位置で混合流体を旋回させる方向に向けて開口されて
    なる内部吐出管により構成されていることを特徴とする
    ロータリ型流体装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のロータリ型流体装置にお
    いて、 カバー部材(14)は、2つの吐出孔(14a),(1
    4a)を有してなるマフラ部材であり、 内部吐出管(19)は上記各吐出孔(14a)にそれぞ
    れ設けられ、 上記各吐出孔(14a)は、マフラ部材(14)内の混
    合流体を高圧空間(4)に吐出する際の吐出脈動が互い
    に干渉する位置に配置されていることを特徴とするロー
    タリ型流体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のロータリ型流体装置にお
    いて、 ロータリ機構部(2)は、該ロータリ機構部(2)のシ
    リンダ(7)の軸心(P)が上下方向に延びるように配
    置され、 高圧空間(4)は上記ロータリ機構部(2)の上方に配
    置され、 駆動機構部(3)は上記高圧空間(4)の上方に配置さ
    れていて、上記軸心(P)の回りに回転可能に設けられ
    かつその下端側部分がロータリ機構部(2)のピストン
    (8)に連結された回転駆動軸(16)と、この回転駆
    動軸(16)の上端側部分に外嵌合状態で連結されたロ
    ータ(17a)及び該ロータ(17a)との間に上記高
    圧空間(4)の混合流体が上方に向けて通過可能な隙間
    空間(18)を形成するように密閉ケーシング(1)の
    内周壁面に固定されたステータ(17b)からなる電動
    モータ(17)とを有し、 上記ロータ(17a)の外周面に、上記隙間空間(1
    8)を通過する混合流体に通過抵抗を与える溝(20)
    が設けられていることを特徴とするロータリ型流体装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のロータリ型流体装置にお
    いて、 溝(20)は、ロータ(17a)の上端側から下端側に
    亘り螺旋状に下降する螺旋溝により構成されていること
    を特徴とするロータリ型流体装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のロータリ型流体装置にお
    いて、 螺旋溝(20)は、ロータ(17a)の上端側から下端
    側に亘り該ロータ(17b)の回転駆動方向に向けて延
    びるようになされていることを特徴とするロータリ型流
    体装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のロータリ型流体装置にお
    いて、 駆動機構部(3)は、ロータリ機構部(2)のシリンダ
    (7)の軸心(P)の回りに回転可能に設けられかつ該
    ロータリ機構部(2)のピストン(8)に連結された回
    転駆動軸(16)を有し、 上記ロータリ機構部(2)は、上記軸心(P)の方向に
    延びるように高圧空間(4)に向けて突設されていて上
    記回転駆動軸(16)を回転可能に支持する筒状の軸受
    (11a)を有し、 上記ロータリ機構部(2)の吐出ポート(7b)から高
    圧空間(4)に至る混合流体の吐出経路を該高圧空間
    (4)に対して区画し、かつその内部空間を高圧空間
    (4)に連通する吐出部(14b)が上記軸受(11
    a)の周りに円環状に形成されるようになされたカバー
    部材(14)を備え、 旋回手段(19)は、上記吐出部(14b)から高圧空
    間(4)の側に突出した上記軸受(11a)の部分に半
    径方向外方に向けて突出するように全周に亘り設けられ
    かつ上記吐出部(14b)から吐出された混合流体を軸
    心(P)の周りに旋回させつつ高圧空間(4)に吐出す
    る旋回板で構成されていることを特徴とするロータリ型
    流体装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のロータリ型流体装置にお
    いて、 旋回板(19′)の吐出部(14b)側の面に、該吐出
    部(14b)から吐出された混合流体を軸心(P)の周
    りに旋回させつつ高圧空間(4)に吐出する方向に延び
    る複数条の旋回溝(19a′),(19a′),…が設
    けられていることを特徴とするロータリ型流体装置。
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