JPH0815183A - 試料加熱装置 - Google Patents

試料加熱装置

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Publication number
JPH0815183A
JPH0815183A JP6144301A JP14430194A JPH0815183A JP H0815183 A JPH0815183 A JP H0815183A JP 6144301 A JP6144301 A JP 6144301A JP 14430194 A JP14430194 A JP 14430194A JP H0815183 A JPH0815183 A JP H0815183A
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JP
Japan
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sample
heating
heating container
chamber
vessel
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JP6144301A
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Inventor
Yukihiro Shimura
幸宏 志村
Yoshinao Matsuzaki
義尚 松崎
Takeshi Sugiyama
毅 杉山
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MAC SCI KK
Original Assignee
MAC SCI KK
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  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料を加熱する際に加熱容器にクラックが発
生するのを少なくすると共に、熱伝導による加熱容器か
らの逃げを少なくし、加熱される試料の温度分布を良好
な状態に保持することで、X線分析等の高精度な熱分析
を低コストで行うこと。 【構成】 試料チャンバー31の天井面にX線透過膜3
3bが設けられた窓部33が形成されている。試料チャ
ンバー31の内部には、窓部33に面して平らな試料載
置面が形成された加熱容器35が設けられている。加熱
容器35はアルミナ製の底板42の内側に形成された凹
部42aに発熱体37を装着した状態で、上部に平らな
アルミナ製の表面板41が固着されることで構成され
る。この加熱容器35は試料チャンバー31内の所定の
位置に複数の支持部38で支持されている。支持部38
は加熱容器35の内部に形成される空間部36を試料チ
ャンバー31の外側に連通させるパイプ材で構成され、
このパイプ材を用いて空間部36に還元性ガスの供給
や、発熱体へのリード線の配線を行なえるようになって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、1700℃
程度の高温領域でX線分析や熱分析等を行う際に、試料
を大気中で容易に加熱制御することのできる試料加熱装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な試料加熱装置としては、
図3に示すような熱分析装置が知られている。この熱分
析装置1はアルミナ製の炉芯管2の外周面に発熱体を埋
め込むための螺旋状の溝を設け、この溝に沿ってモリブ
デン材のヒータ線3を巻き付けて炉芯部2aを構成し、
この炉芯部2aの炉芯管内の試料室2bに試料ホルダー
4を挿入し、この試料ホルダー4の先端に取り付けた試
料5を所定の温度領域まで加熱して熱分析を行うように
したものである。炉芯部2aの外側は円筒形のチャンバ
ー6で覆われており、チャンバー6内の空間部6aには
ヒータ線3の外側を覆って、ヒータ線3からの輻射熱を
遮蔽する遮蔽板7が3重に設けられている。またチャン
バー6の壁部8は二重壁とされ、この二重壁の隙間8a
にはノズル9a,9bを介して冷却水が供給され、この
冷却水によってチャンバー6の外部に熱が伝わるのを防
止している。さらにチャンバー6の壁部8には隙間8a
を貫通して空間部6aに連通されるガス入口ノズル10
aとガス出口ノズル10bとが設けらており、このガス
入口ノズル10aからは空間部6a内にHeーH2 混合
ガス等の還元性ガスが供給され、これによって加熱され
たヒータ線3が酸化するのを防止するようになってい
る。
【0003】そして熱分析装置では、多くの場合、試料
5を大気中あるいはその他ガス中で昇温させるため、試
料室2bをヒータ線3が設けられる還元性雰囲気の部屋
(空間部6a)と分離することが必要であることから、
上記のようにアルミナ製の炉芯管2を隔壁として使用す
るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上述した炉芯
管2を用いた熱分析装置にあっては、X線分析の加熱装
置には適していなかった。すなわちX線分析の測定を行
う場合には、図4に示すように、X線源から発散したX
線を入射角αで試料5に照射し、この試料5から反射角
βで反射する回折X線を検出器11で検出して測定を行
うため、上記の炉芯管2の内部に試料5を挿入する構造
の熱分析装置では、試料5からの回折X線を検出するこ
とができないという問題点があった。
【0005】上記の問題を解決する装置としては、図
5、図6に示す試料加熱装置が知られている。このX線
分析の測定が可能な試料加熱装置15は、矩形の試料チ
ャンバー16の内部にアルミナ等のセラミックで製作し
た加熱容器17を設け、この加熱容器17の上部に加熱
する試料5を載置し、この試料5に試料チャンバー16
の天井面に設けられた窓部18からX線を入射させると
共に回折X線を出射して検出器11で検出測定するよう
にしたものである。
【0006】上記加熱容器17は底部が開放された箱状
体からなり、上部両側には、図6に示すように、1軸方
向に延びる平行な2つの凸部19が形成されることで、
この凸部19の間には凹部20が形成され、両側の凸部
19で凹部20内に載置加熱される試料5の温度分布を
改善するようにしている。また加熱容器17の底部には
両側にフランジ部17aが形成され、このフランジ部1
7aを試料チャンバー16の底面に固定することで、こ
の加熱容器17の内側と試料チャンバー16の底板とで
還元雰囲気のヒータ室21を形成している。ヒータ室2
1の上部には前記凹部20及び凸部19を内側から加熱
する発熱体22が設けられており、この発熱体22はア
ルミナ製の板材にモリブデン材のヒータ線3を巻き付け
ることで構成されている。さらに試料チャンバー16の
内部には前記発熱体22からの輻射熱を遮蔽する遮蔽板
23が設けられ、また試料チャンバー16の底板には、
ヒータ室21内に還元性ガスを供給する入口ノズル23
aと出口ノズル23bとが設けられている。そして、こ
の熱分析装置15では窓部18から入射したX線が試料
5に照射され、この試料5からの回折X線が再び窓18
から外へ出射されて検出器11で検出されるようにして
いる(図6参照)。
【0007】しかし、上記の試料加熱装置15では、加
熱容器17がアルミナ等のセラミックで製作されている
ため、加熱容器17を昇温する際に前記凸部19及び凹
部20付近において熱応力が発生し、加熱容器17にク
ラックが発生したり、また加熱容器17の底部がフラン
ジ面で直接試料チャンバー16の底面に接触しているた
め、このフランジ部17aからの熱伝導による熱の逃げ
が大きく、試料5の温度分布状態が悪くなってしまうと
いう問題点があった。
【0008】この発明は、上述した問題点を解決するた
めになされたものであり、試料を加熱する際に加熱容器
にクラックが発生するのを少なくすると共に、熱伝導に
よる加熱容器からの逃げを少なくし、加熱される試料の
温度分布を良好な状態に保持することで、高精度の高温
X線分析や熱分析等を低コストで行うことのできる試料
加熱装置を提供することを目的としいる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の試料加熱装置では、天井面にX線を
透過する窓部が形成された試料チャンバーと、この試料
チャンバー内に設けられて、前記窓部に面して平らな試
料載置面が形成された加熱容器と、この加熱容器の内部
に形成された空間部に装着されてこの加熱容器を所定の
温度領域まで加熱昇温させる発熱体と、前記加熱容器を
前記試料チャンバー内の所定の位置に支持する複数の支
持部とを備えたことを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明は、前記加熱容器が前
記試料載置面を構成するアルミナ製の平らな表面板と、
この表面板の裏面に固定されるアルミナ製の底板とでテ
ーブル状に形成されてなり、前記底板の内部には前記表
面板で覆われることで前記空間部を構成する凹部が形成
されていることを特徴としている。
【0011】請求項3記載の発明は、前記支持部が前記
加熱容器の空間部を前記試料チャンバーの外側に連通さ
せるパイプ材で構成され、このパイプ材を前記試料チャ
ンバーの壁部に弾性材を介して支持させたことを特徴と
している。
【0012】請求項4記載の発明は、前記加熱容器の上
部に、前記試料の表面と重ならない位置に、前記試料表
面からの輻射熱を遮蔽する補助ヒータを設けたことを特
徴としている。
【0013】
【作用】請求項1の試料加熱装置では、加熱容器の試料
載置面が平らに形成されているため熱応力が発生し難
く、加熱時にクラックが発生することが少ない。また加
熱容器が複数の支持部で試料チャンバーに支持されてい
るため、この支持部を細長くすることで加熱容器の熱伸
縮が吸収され熱応力の発生が抑制されると共に、支持部
を通じて加熱容器から試料チャンバーへの熱伝達が小さ
くなり、試料載置面で加熱される試料の温度分布が均一
に保たれる。そして試料載置面に載置された試料が、加
熱容器で高温領域まで加熱昇温される間に、試料チャン
バーの窓部を通してX線等の照射が行われると共に、試
料からの回折X線が同様に前記窓部から出射されて検出
器で検出されることでX線分析が行われる。
【0014】請求項2記載の発明は、加熱容器がアルミ
ナ製の表面板と底板とでテーブル状に形成されているた
め、加熱容器は耐熱性に優れ、熱応力が発生し難く、か
つコンパクトな形状となる。また底板の内側に形成され
た凹部に発熱体を装着した後に、この上部に前記表面板
を接着固定することで、前記加熱容器内に空間部が形成
されると共に、この空間部内に発熱体が埋設されたコン
パクトな加熱容器が作製される。したがって熱容量は小
さな加熱容器となる。
【0015】請求項3の発明は、複数のパイプ材で加熱
容器の空間部と試料チャンバーの外側とを連通させるた
め、このパイプ材の一部が前記空間部へ還元性ガスを供
給する導入管や排出管として、また他の一部が発熱体の
ヒータ線のリード線を通す配線管として使用される。
【0016】請求項4の発明では、加熱容器の上部に補
助ヒータを設けたので、試料表面からの輻射熱が補助ヒ
ータで遮蔽されることで試料表面からの熱の逃げが防止
され、均一な温度分布が保持されると共に、補助ヒータ
が試料表面と重ならない位置に設けらているため、X線
分析の障害とはならない。
【0017】
【実施例】次に、図を用いてこの発明を詳細に説明す
る。図1はこの発明の一実施例を示すものであり、符号
31は1700℃程度までの温度領域における試料のX
線分析等を行う際に用いる試料加熱装置である。この試
料加熱装置31は、箱状に形成された試料チャンバー3
2の天井面にX線を透過する窓部33が形成され、この
試料チャンバー32の室内32aには、窓部33に面し
てテーブル状の加熱容器35が配置されている。加熱容
器35の上部にはX線分析を行う試料34を載置する平
らな試料載置面が形成され、また加熱容器35の内部に
は空間部36が形成され、この空間部36には加熱容器
35を加熱昇温させる発熱体37が設けられている。そ
して加熱容器35は4本の支持部38で試料チャンバー
32の底部に支持されいる。
【0018】試料チャンバー32は外壁32bと内壁3
2cとで二重壁が構成され、この外壁32bと内壁32
cとの間に形成される隙間32dには、外壁32bの底
部付近に設けられた入口ノズル32eから冷却水が供給
される。冷却水は試料チャンバー32の隙間32d内を
下から上へ上昇しながら流れ、外壁32bの天井付近に
設けられた出口ノズル32fから流出する。これによっ
て、試料チャンバー32内の熱が外へ伝わるのを防止し
ている。
【0019】窓部33は、試料チャンバー32の一軸方
向(この実施例では図1の紙面に直交する方向)に沿っ
て形成された細長の開口部33aに、耐熱性に優れかつ
X線吸収係数の小さなX線透過膜33b、例えばベリリ
ウム箔やアルミニウム箔等の薄板を配設することで構成
される。なお、この窓部33にはX線透過膜33bの強
度を補強するために補強材を設けるようにしてもよい。
【0020】加熱容器35は、試料載置面を構成する平
らなアルミナ製の表面板41を、内側に凹部42aが形
成されたアルミナ製の底板42の上に接着固定してテー
ブル状に形成したものである。したがって加熱容器35
は、耐熱性に優れ、単純な構造で、かつコンパクトな形
状となり、内部には発熱体37を設けるためのコンパク
トな空間部36が形成される。底板42の四隅には支持
部38を挿入するための挿入孔42aが空間部36に連
通して形成されている。そして加熱容器35は、表面板
41が窓部33から所定の隙間を隔てた位置に、天井面
及びX線透過膜33bと平行となるように配置されてい
る。窓部33と表面板41との間の隙間は、窓部33の
形状(すなわち試料チャンバー32の窓部33から表面
板41上に載置された試料34に向かって所定の角度α
で照射されたX線が試料34の表面で反射され、回折X
線として再び窓部33から外の検出装置11に向かって
所定の角度βで出ていくことが可能な形状)、加熱容器
35で加熱される試料34の好適な温度分布状態、及び
試料チャンバー32が加熱容器35から受ける熱的影
響、等を考慮して決定されるのが好ましい。
【0021】発熱体37は、アルミナ製の薄板43の表
面に沿って所定の間隔でモリブデン材のヒータ線44を
巻き付けることで製作される。ヒータ線44の間隔は、
発熱量に応じて適宜設定されれば良い。
【0022】そして、上記の加熱容器35は、アルミナ
製の表面板41と底板42とを乾燥させた後、底板42
の凹部42aに発熱体37を組み込むと共に、この底板
42の上部を表面板41で覆い、これら底板42と表面
板41との接合部を接着用のセメントで接着した後、こ
の加熱容器35を数百℃まで加熱して大気中で乾燥さ
せ、さらに還元雰囲気中で焼成することで一体に形成さ
れる。また、最後の焼成する工程は、加熱容器35に組
み込んだヒータ線44に電流を流して発熱体37を発熱
させて、自己加熱することで焼成させるようにしてもよ
い。
【0023】支持部38は、この実施例ではアルミナ製
のパイプ材で形成されている。支持部38は、上述した
加熱容器の接着方法と同様に、パイプ材を乾燥させた
後、その上端を上記底板42に形成された挿入孔42a
に挿通させて接着焼成することで加熱容器35に取り付
られる一方、下端部を試料チャンバー32を貫通させて
外側へ突出させと共に、内壁32cと外壁32bの間に
配設されたOリング(弾性材)45を介して試料チャン
バー32に支持されることで、試料チャンバー32に対
して移動可能(特に、パイプ材の長手方向に)に取り付
けられている。このように支持部38を取り付けること
で加熱容器35内の空間部36が試料チャンバー32の
外側に連通される。したがって支持部38は、加熱容器
35の底板42の対角線上に位置する2本のパイプ材が
加熱容器35の空間部36へ還元性ガスを供給する導入
管38a及び排出管38bとして使用され、他の2本の
対角線上のパイプ材がヒータ線44に接続するリード線
39の配線管38c,38dとして使用される。
【0024】なお、支持部38をパイプ材の長さや径に
応じて4本以上設け、その支柱としての機能を補強する
ようにしてもよい。例えば、支持部38を長くしたり、
また径を細くしたりすることで、加熱容器35の水平方
向の熱伸縮に対する影響を吸収することができるが、こ
の場合支柱としての強度も小さくなる。また、還元性ガ
スを空間部36に均一に供給するために、導入管38a
としての支持部を複数本設けるようにしても良い。
【0025】前記加熱容器35の表面板41と窓部33
との間には、試料34が窓部33に面する位置、さらに
詳細には試料に照射されかつ反射するX線の通過の障害
とならない位置に補助ヒータ46が設けられている。こ
の補助ヒータ46は、この実施例では大気中においても
使用可能な白金叉は白金の合金材等を細長い板状に形成
したものであるが、例えば、細長い板状に形成したアル
ミナ材中にモリブデンヒータ材を埋設したものであって
もよい。この補助ヒータ46は1500℃程度まで昇温
されることが好ましい。そして、この補助ヒータ46
は、図2に示すように試料34の表面にヒータ表面が向
き合うように傾けられ、かつ表面板41に沿って相互に
平行に配置されている。これによって、加熱容器35の
上面に載置される試料34からの輻射熱を遮蔽し、試料
34の温度分布を均一に維持するようにしている。なお
補助ヒータ46は、試料チャンバー31の側壁面叉は天
井壁面に、上記加熱容器35の支持部38と同様にアル
ミナ製のパイプ材等(図示せず)で支持されることが好
ましく、パイプ材をリード線の配線管とするこのもでき
る。
【0026】そして上記の試料加熱装置31では、加熱
容器35の温度を検出し、これを制御することで試料3
4の温度制御を行っている。また試料34の近傍に熱電
対等の計測部を配置して、試料34の温度を直接検出す
るようにしてもよい。
【0027】上述したこの実施例の試料加熱装置では、
加熱容器35が底板42の凹部42aに、薄板43にヒ
ータ線44を巻き付けて構成した発熱体37を装着し、
その上にアルミナ製の表面板41を接着固定することで
テーブル状に形成し、この表面板41の上部を試料載置
面としたので、耐熱性に優れ、熱応力が発生し難く、か
つコンパクトな形状となり、昇温時の加熱容器35にク
ラックが発生するのを少なくすることができる。また、
加熱容器35が空間部36を試料チャンバー32の外と
連通させるパイプ材38で試料チャンバー32に支持さ
れているため、パイプ材の長さや径を適宜設定すること
で加熱容器35の熱伸縮量を吸収し、熱応力の発生を少
なくすることができると共に、前記パイプ材がOリング
を介して試料チャンバー32の壁部に支持されているた
め、この部分においても熱応力の発生を吸収することが
できる。特にパイプ材の長手方向に対しては有効に作用
する。
【0028】また支持部38の熱伝導が小さいため、こ
の支持部38を介して加熱容器35から試料チャンバー
32への熱の逃げを少なくすることができ、試料34の
温度分布を良好に保持することができる、かつ消費電力
を低減できる。加熱容器35は、コンパクトで熱容量が
小さいため急速加熱を行うことができると共に、支持部
38を用いて空間部36へ還元性ガス(HeーH2 混合
ガス等)を供給することで、加熱時のヒータ線44の酸
化を防止できる。また支持部38内にリード線29を配
線できるので、別途リード線用の配管やガス導入管を設
置する必要がなくなり、試料チャンバー32の構造が簡
単かつコスト削減を実現できる。
【0029】さらに、この試料加熱装置31では、補助
ヒータ46で試料34の表面からの輻射熱を遮蔽して熱
の逃げを少なくすることで、試料34を均一な温度分布
に保持することができると共に、補助ヒータ46が試料
34へのX線の照射の障害となることがなく、高精度な
X線分析を行うことができる。
【0030】そして、この実施例の試料加熱装置31を
ゴニオメータ等のX線分析装置と組み合わせることで、
図2に示されるようにX線源からのX線入射角αや試料
からの回折X線出射角βを0゜から90゜まで適宜変化
させて測定したり、或いは入射角αは一定に保持し、出
射角βを0゜から180゜まで適宜変化させて測定した
りする測定法に用いることができる。
【0031】なお、上記実施例では、支持部を試料チャ
ンバーの底部に支持したが、天井から吊り下げるように
してもよく、補助ヒータの形状は、上述した実施例の形
状に限定されることなく、試料の表面を遮ることなくか
つ試料からの輻射熱を遮蔽できるような構造であればよ
い。さらに上述した実施例では、試料加熱装置をX線分
析を行う際の試料の加熱装置として用いたが、上記加熱
容器から検出した温度と、試料付近に配置した熱電対で
計測した温度とを比較することで、示差熱分析等に使用
することもできる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の試料加
熱装置によれば、加熱容器を熱応力が発生し難い単純な
形状とすることができ、加熱時にクラックが発生するの
を少なくすることができる。また支持部を細長くした
り、支持部を弾性材を介して試料チャンバーに支持する
ことで、さらに加熱容器に熱応力が発生するのを防止す
ることができると共に支持部を介して加熱容器から試料
チャンバーへの熱の逃げを少なくすることができ、試料
載置面で加熱される試料の温度分布を均一に保持でき
る。その結果、この試料加熱装置では、試料載置面に載
置された試料が加熱容器で高温領域まで加熱昇温される
間に高精度のX線分析を行うことができる。
【0033】さらに、アルミナ製の底板の凹部に発熱体
を装着し、この上にアルミナ製の平らな表面板を固着す
ることで、耐熱性が高く、単純かつコンパクトな形状
で、したがってクラックの発生が少なく、かつ熱容量が
小さく急速加熱ができる熱容器を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の試料加熱装置の正面断面
図である。
【図2】図1の加熱容器と支持部のパイプ材とを説明す
る斜視図である。
【図3】従来の炉芯管を用いた熱分析装置の正面断面図
である。
【図4】X線分析を行う際にX線が所定の角度で試料に
入射しかつ反射する状態の説明図である。
【図5】従来のX線分析が可能な試料加熱装置の正面断
面図である。
【図6】図5の加熱容器の斜視図である。
【符号の説明】
31 試料加熱装置 32 試料チャンバー 33 窓部 34 試料 35 加熱容器 36 空間部 37 発熱体 38 支持部(パイプ材) 41 表面板(試料載置面) 42 底板 42a 凹部 45 Oリング(弾性材) 46 補助ヒータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井面にX線を透過する窓部が形成され
    た試料チャンバーと、この試料チャンバー内に設けられ
    て、前記窓部に面して平らな試料載置面が形成された加
    熱容器と、この加熱容器の内部に形成された空間部に装
    着されてこの加熱容器を所定の温度領域まで加熱昇温さ
    せる発熱体と、前記加熱容器を前記試料チャンバー内の
    所定の位置に支持する複数の支持部とを備えたことを特
    徴とする試料加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱容器が前記試料載置面を構成す
    るアルミナ製の平らな表面板と、この表面板の裏面に固
    定されるアルミナ製の底板とでテーブル状に形成されて
    なり、前記底板の内部には前記表面板で覆われることで
    前記空間部を構成する凹部が形成されていることを特徴
    とする請求項1記載の試料加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記支持部が前記加熱容器の空間部を前
    記試料チャンバーの外側に連通させるパイプ材で構成さ
    れ、このパイプ材を前記試料チャンバーの壁部に弾性材
    を介して支持させたことを特徴とする請求項1叉は2記
    載の試料加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱容器の上部に、前記試料の表面
    と重ならない位置に、前記試料表面からの輻射熱を遮蔽
    する補助ヒータを設けたことを特徴とする請求項1、2
    叉は3記載の試料加熱装置。
JP6144301A 1994-06-27 1994-06-27 試料加熱装置 Pending JPH0815183A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101274290B1 (ko) * 2011-05-03 2013-06-13 영남대학교 산학협력단 샘플홀더, 상기 샘플홀더를 이용한 ht―xrd 시스템 및 상기 ht―xrd 시스템을 이용한 cigss 전구체의 셀렌화 및 설퍼화 반응의 실시간 ht―xrd 측정방법
CN116698255A (zh) * 2023-08-01 2023-09-05 江苏欣战江纤维科技股份有限公司 一种全自动长丝热应力测试设备

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101274290B1 (ko) * 2011-05-03 2013-06-13 영남대학교 산학협력단 샘플홀더, 상기 샘플홀더를 이용한 ht―xrd 시스템 및 상기 ht―xrd 시스템을 이용한 cigss 전구체의 셀렌화 및 설퍼화 반응의 실시간 ht―xrd 측정방법
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