JPH08151500A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents
ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその成形品Info
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- JPH08151500A JPH08151500A JP7241467A JP24146795A JPH08151500A JP H08151500 A JPH08151500 A JP H08151500A JP 7241467 A JP7241467 A JP 7241467A JP 24146795 A JP24146795 A JP 24146795A JP H08151500 A JPH08151500 A JP H08151500A
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Abstract
に優れ、かつ成形性他の物性にも優れるなど外装材、包
装材、発泡成形体に要求される性能に優れたゴム変性ス
チレン系樹脂組成物及びその成形品を提供すること。 【解決手段】下記(A)成分100重量部及び(B)成
分0.1〜10重量部を含有するゴム変性スチレン系樹
脂組成物、及びこれを用いた射出成形品、押し出し成形
品又は発泡成形品。 (A):軟質成分粒子を10〜35重量%含有し、該軟
質成分粒子の平均粒子径が0.1〜0.5μmであり、
かつ軟質成分粒子がスチレン系樹脂のみからなる単一の
連続相である核部分及び該核部分を内包(occulu
de オクルード)するゴム状重合体からなる殻部分に
より構成された単一オクルージョン構造を有するゴム変
性スチレン系樹脂 (B):溶解性パラメータ(SP)が8.45〜8.7
0であり、かつポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を
含有しないポリマー
Description
沢に優れた成形品を与えるゴム変性スチレン系樹脂組成
物及びその成形品に関するものであり、更に詳しくは特
定のゴム変性スチレン系樹脂に特定のポリマーを加える
ことにより面衝撃強度を大幅に向上させると同時に、優
れた光沢を有する成形品を与えるゴム変性スチレン系樹
脂組成物及びその成形品に関するものである。
は、成形時の加工性、加工製品の仕上がり寸法精度、引
っ張り及び曲げなどの機械的物性、耐熱性などの諸物性
のバランスが良いことが必要とされるが、特に外装材料
ということから光沢と面衝撃強度の向上が一段と求めら
れている。かかる要求は近年ますます高水準に及んでい
る。また、包装材料として用いる際も高水準の面衝撃強
度と外観が求められる。緩衝材として用いる場合には、
具備すべき必須の特性の一つとして、衝撃吸収性に優れ
ることがあげられる。ところが、ゴム変性スチレン系樹
脂組成物は、上記のすべての要求を必ずしも十分に満足
するものではなかった。ゴム変性スチレン系樹脂の耐衝
撃強度を向上させる技術としては、特公平3−4110
4号公報にあるように有機ポリシロキサン及びエチレン
−不飽和カルボン酸エステル共重合体を特定量添加する
方法が知られている。しかし、分散ゴム粒子の平均粒子
径が0.1〜2.5μmであり、面衝撃強度は不十分で
あった。
問題点を解決し、比較的少量のブレンド添加で面衝撃強
度と光沢に優れ、かつ成形性他の物性にも優れるなど、
外装材、包装材、発泡成形体に要求される性能に優れた
ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその成形品を提供す
ることにある。
題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達したもの
である。すなわち、本発明のうち一の発明は、下記
(A)成分100重量部及び(B)成分0.1〜10重
量部を含有するゴム変性スチレン系樹脂組成物に係るも
のである。 (A):軟質成分粒子を10〜35重量%含有し、該軟
質成分粒子の平均粒子径が0.1〜0.5μmであり、
かつ軟質成分粒子がスチレン系樹脂のみからなる単一の
連続相である核部分及び該核部分を内包(occulu
de オクルード)するゴム状重合体からなる殻部分に
より構成された単一オクルージョン構造を有するゴム変
性スチレン系樹脂 (B):溶解性パラメータ(SP)が8.45〜8.7
0であり、かつポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を
含有しないポリマー また、本発明のうち、他の発明は、上記のゴム変性スチ
レン系樹脂組成物を用いて得られた射出成形品、押し出
し成形品又は発泡成形品に係るものである。以下、詳細
に説明する。
性スチレン系樹脂は、ゴム状重合体の存在下、一種もし
くは二種以上のスチレン系単量体、又は一種もしくは二
種以上のスチレン系単量体及びこれと共重合可能な化合
物とを重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂であ
る。
ン系樹脂の原料として用いられるスチレン系単量体とし
ては、例えばスチレン、α−メチルスチレンなどのα−
アルキル置換スチレン、p−メチルスチレンなどの核置
換アルキルスチレンなどがあげられる。また、スチレン
系単量体と共重合可能な化合物としては、例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、メチ
ルメタクリレートなどのビニルモノマー、さらには無水
マレイン酸、マレイミド、核置換マレイミドなどがあげ
られる。また、ゴム状重合体としては、例えばポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体類、エチレン−
プロピレン−非共役ジエンの三元共重合体類等が使用さ
れるが、その中でもポリブタジエン及びスチレン−ブタ
ジエン共重合体類が好ましい。ポリブタジエンとして
は、シス含有率の高いハイシスポリブタジエン、シス含
有率の低いローシスポリブタジエン共に用いることがで
きる。
ン系樹脂中の軟質成分粒子の含有量は10〜35重量%
であるが、10重量%未満では面衝撃強度の改良が十分
でなく、35重量%より多くなると面衝撃強度以外の物
性、例えば剛性、耐熱性が低下するので好ましくない。
なお、本発明において(A)ゴム変性スチレン系樹脂中
の軟質成分粒子の含有量は、次の方法により測定され
る。すなわち、試料であるゴム変性スチレン系樹脂約
0.5gを秤量(重量:W1 )採取し、該試料を室温
(23℃程度)においてメチルエチルケトン/メタノー
ル混合溶媒(体積比10/1)50mlに溶解させる。
次に、該溶解時の不溶分を遠心分離により単離し、該不
溶分を乾燥してその重量(W2 )を測定する。ゴム変性
スチレン系樹脂中の軟質成分粒子の含有量は(W2 /W
1 )×100(%)により求められる。また該軟質成分
粒子の平均粒子径は0.1〜0.5μm、好ましくは
0.1〜0.3μmである。これが0.1μm未満では
成形品の面衝撃強度の改良が十分でなく、0.5μmよ
り大きいと光沢などの外観が低下して好ましくない。な
お、ここで平均粒子径とは次のように定義される。ゴム
変性スチレン系樹脂の超薄切片を作成し、その透過型電
子顕微鏡写真を取り、写真中の軟質成分粒子径を測定
し、下式によって計算する。
系樹脂中の軟質成分粒子は、スチレン系樹脂のみからな
る単一の連続相である核部分及び該核部分を内包(oc
culude オクルード)するゴム状重合体からなる
殻部分により構成された単一オクルージョン構造(コア
/シェル構造又はカプセル構造ともいう。)を有する物
である必要がある。そうでない場合には、たとえば、ゴ
ム状重合体からなる連続相中に複数のスチレン系樹脂の
小粒子が分散して存在する、いわゆるサラミ構造等の場
合には光沢に劣る。なお、軟質成分粒子の構造の観察
は、上記の平均粒子径の測定と同様、透過型電子顕微鏡
を用いて行われる。なお、軟質成分粒子の構造が単一オ
クルージョン構造である(A)ゴム変性スチレン系樹脂
の合成方法は、例えば、Die Angewandte
Macromolekulare Chemie、5
8/59卷、175ー198(1977年)などに記述
されているように、スチレン含量15〜65%のスチレ
ンーブタジエンブロック共重合体存在下でスチレンを重
合することによって合成することができる。
ラメータ(SP)が8.45〜8.70であり、かつ芳
香族ビニル化合物単位を含有しないポリマーを(A)ゴ
ム変性スチレン系樹脂100重量部に対して0.1〜1
0重量部含有するが、含有量が0.1重量部未満では面
衝撃強度改良の効果が十分でなく、10重量部より多い
と耐熱性等の他の物性が低下し、好ましくない。なお、
本発明の組成物中の(B)成分の含有量は、組成物の超
薄切片を作成し、その透過型電子顕微鏡写真を撮り、写
真中に占める(B)成分の面積割合から換算して求める
ことができる。その他に、NMRやIR等の分光器を用
いてその吸収ピークから求める方法、溶媒により分別す
る方法などを用いることができる。また、本発明の
(B)成分の溶解性パラメータ(SP)は8.45〜
8.70であり、8.45より小さいか又は8.70よ
り大きいと面衝撃強度改良の効果が十分でない。なお、
ここで溶解性パラメータとはHildebrand−S
catchardの理論によって分子間の引き合う力を
定義したものである。詳しい解説は高分子科学の一般的
な教科書、たとえば”ポリマーブレンド、秋本三郎ら、
(株)シーエムシー、第4刷、125〜144頁(19
91年)”等に記載されている。しかし、この溶解性パ
ラメータは粘度法や膨潤度法等の実験により求める方法
及び分子構造から計算により求める方法等があり、方法
により値が若干異なる。そこで、Smallによって提
案された分子構造から計算により求める方法をここでは
用いた。この方法及び理論は”ジャーナル・オブ・アプ
ライド・ケミストリー(Journal of App
lied Chemistry)、3巻、71〜80頁
(1953年)”に詳しく記載されている。これにより
溶解性パラメータは次式を用いて算出した。
グループのモル吸引力、Vはモル容積、ρは密度をそれ
ぞれ示す。Mは分子量を示し、高分子の場合は繰り返し
単位(つまりモノマー単位)の分子量を示す。 Fiの
値は、上記2つの文献に記載されているSmallの値
を用いた。共重合体のρ、ΣFi又はMについては、共
重合体を構成するモノマー単位の各単独重合体のρ、Σ
Fi又はMの数値にモノマー単位のモル分率を乗じたも
のの和を計算して用いた。また、本発明の(B)成分は
ポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を含有しないポリ
マーである。ポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を含
有するするものを用いた組成物は、面衝撃強度が劣る。
芳香族ビニル化合物としては、たとえばスチレン、α−
メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン、p−
メチルスチレンなどの核置換アルキルスチレンなどがあ
げられる。また、本発明で用いられる(B)成分の溶解
性パラメータ(SP)が8.45〜8.70であるポリ
マーとしては、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エ
ステル又は酢酸ビニルのうち1つ以上のビニルモノマー
とエチレンから成る共重合体があげられる。その例とし
てはエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−
不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル−
酢酸ビニル3元共重合体、エチレンと2種類以上の不飽
和カルボン酸エステルとからなる多元共重合体等があげ
られる。
クリル酸、メタクリル酸があげられる。また、不飽和カ
ルボン酸エステルの具体的な例としてはエチルアクリレ
ート、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、ステアリルアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート等があげられる。
本発明で用いられる不飽和カルボン酸、不飽和カルボン
酸エステル又は酢酸ビニルのうち1つ以上のビニルモノ
マーとエチレンから成る共重合体の好ましい例としては
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル
酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合
体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルア
クリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレ
ート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート−グリ
シジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル
−グリシジルメタクリレート共重合体等があげられる。
共重合体中の上記ビニルモノマーとエチレンの割合は、
溶解性パラメータ(SP)8.45〜8.70の共重合
体を与える範囲で、適宜決めることができる。上記ビニ
ルモノマーの共重合体中の比率は5〜60重量%が好ま
しい。また共重合体中の上記ビニルモノマーとエチレン
の結合様式(たとえばランダム、ブロック、交互)につ
いては何等限定されない。また該共重合体のメルトフロ
ーレートは(JIS K7210に準拠、温度190
℃、荷重2.16kgfによる)特に限定されないが、
1〜500g/10分程度が好ましい。更に本発明にお
いて、(A)ゴム変性スチレン系樹脂100重量部に対
して有機ポリシロキサンを0.01〜0.5重量部含有
させると、面衝撃強度の改良が更に大きくなる。また
0.5重量部より多くても面衝撃強度の改良効果はそれ
以上向上しない。本発明における有機ポリシロキサンと
しては、一般的に下記の式で表されるものを言う。
ニル基を示す。またnは平均重合度を示し、10〜15
00である。また、末端あるいは分子鎖中にエポキシ
基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、水酸基、フ
ッ素またはアルコキシ基を導入したものでもよい。
構造としてはホモポリマー、ランダムポリマー、ブロッ
クポリマー、グラフトポリマーのいずれでもよく、ま
た、これら有機ポリシロキサンの有機基の一部が水酸
基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基等で置換され
た有機ポリシロキサンであってもよい。更にこれらの有
機ポリシロキサンは二種以上混合して使用してもよい。
具体的な例を示すと、たとえば、ポリジメチルシロキサ
ン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシ
ロキサン等があるが何等限定されない。また有機ポリシ
ロキサンの粘度は、特に限定されないが、10センチス
トークス未満では揮発性が大きく、一方100000セ
ンチストークスより大きいと組成物中に均一分散させる
ことが困難となる傾向があるので、一般的には30℃で
10〜100000センチストークス程度の範囲のもの
が扱い易く好ましい。有機ポリシロキサンを添加混合す
る方法は、特に限定されるものではないが、例えば、
(A)成分のゴム変性スチレン系樹脂を製造する各段階
で添加する方法、例えば、重合工程で予めモノマーに添
加する方法、重合工程の途中で重合系に添加する方法、
さらに後述の(A)成分と(B)成分を混合する工程で
添加する方法、成形工程で添加する方法等のいずれの方
法又はそれらの組み合わせでもよい。
得るには、各成分の所定量を、ヘンシェルミキサー、タ
ンブラーなどの混合装置でドライブレンドするか、一軸
又は二軸のスクリュー押し出し機、バンバリーミキサー
等の混練機を用い、180〜260℃の温度で十分に加
熱混練し、その後造粒すればよい。なお、必要に応じ
て、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電
防止剤、ミネラルオイルなどの添加剤を使用することが
できる。
用いた射出成形品は、一般に使用されている射出成形機
を用いて得ることができる。
押し出し成形品は、一般に使用されている押し出し成形
機を用いて得ることができる。本発明のゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物を押し出し成形して押し出し成形品とす
る方法としては、特に制限はないが、たとえば押し出し
機にて溶融した後、Tーダイから押し出す方法、押し出
し機よりシート状に押し出した後、テンター方式あるい
はインフレーション方式により2軸延伸する方法などを
あげることができる。
発泡して発泡体とする方法としては、特に制限はない
が、たとえば分解型発泡剤とゴム変性スチレン系樹脂組
成物を押し出し機で溶融混練し、発泡させる方法;ゴム
変性スチレン系樹脂組成物を押し出し機で溶融させ、蒸
発型発泡剤をシリンダーの途中から直接圧入し、混練、
発泡させる方法;ゴム変性スチレン系樹脂組成物からな
る小ペレット又はビーズを押し出し機又は水系懸濁液中
で蒸発型発泡剤を含浸させ、その含浸ペレット又はビー
ズを水蒸気で発泡させる方法;などがあげられる。
は、その特徴を生かした射出成形加工品分野、押し出し
シート加工品分野及び発泡成形加工品分野が適してい
る。すなわち、弱電機器、事務機器、電話機、OA機器
等の外装材や食品容器など包装材などが具体的な用途と
してあげられる。また、ガラス製品や各種の精密機器製
品に加わる外部からの衝撃を吸収し、該製品を保護する
いわゆる緩衝材として、樹脂組成物を発泡して得られる
発泡体を用いることができる。
が、本発明はこれら実施例により何等限定をされるもの
ではない。測定及び評価方法は以下の通りである。な
お、下記以外の項目については、前記の説明の通り行っ
た。 (1)曲げ弾性率(剛性) JIS K7203に準拠して測定した。 (2)ビカット軟化点(耐熱性) JIS K7206、B法に準拠して測定した。 (3)デュポン式衝撃強度(面衝撃強度) 厚さ2mmの平板を射出成形し、23℃で、ダート先端
径1/8インチR、受け径3/16インチRの装置を用
い、50%破壊率のエネルギーを測定した。なお、成形
機は東芝IS−150Eを用い、金型温度40℃、サン
プル形状150×90×2mmとした。また、樹脂シー
トについても、23℃で、ダート先端径1/8インチ
R、受け径3/16インチRの装置を用い、50%破壊
率のエネルギーを測定した。 (4)落錘インパクト(面衝撃強度) 厚さ2mmの平板を射出成形し、東洋精機製作所の「落
錘型グラフィックインパクトテスター」を用いて、高さ
80cmより質量7.5kgの重錘を試験片平面上へ自
然落下させ、重錘下部に設けてあるストライカによって
試験片を完全破壊又は貫通させる。この際の亀裂発生に
要したエネルギー値を求めた。なお、成形機は東芝IS
−150Eを用い、金型温度40℃、サンプル形状15
0×90×2mmとした。 (5)表面光沢(表面外観) 厚さ2mmの平板を射出成形し、その中央部をJIS
K7105の45度鏡面光沢度測定法の規格に準拠して
測定した。なお、成形機は東芝IS−150Eを用い、
金型温度40℃、サンプル形状150×90×2mmと
した。また、樹脂シートについても、同様に測定した。 (6)引張り弾性率(剛性) 樹脂シートを用い、JIS K7113に準拠して測定
した。
で溶融させ、混練、造粒してペレットを得た。得られた
ペレットをテストピースもしくは平板に射出成形し、評
価を行った。
ート加工機(田辺プラスチック機械製、V65−S10
00型)を用い、樹脂温度240℃で押し出し成形し、
厚さ1.2〜1.5mmの樹脂シートを得た。シート物
性を評価した。なお、用いた(A)ゴム変性スチレン系
樹脂は、連続塊状重合法により、次のようにして合成し
た。 ・実施例1〜12、及び比較例1〜6、10で用いた
(A)成分 攪拌型重合槽に、スチレン80重量%、スチレンーブタ
ジエンブロック共重合体(スチレン含量40重量%)1
2重量%、エチルベンゼン5重量%及びミネラルオイル
3重量%からなる混合液を送液し、温度140℃、攪拌
速度35rpmの条件にて転化率37.5%まで重合さ
せた。続いて、得られた混合液を満液型重合槽に移送し
そこで転化率77%まで重合させ、次いで内容物を24
0℃の脱気槽に移送しそこで揮発成分を除去し、次いで
得られた重合物を溶融押出機及びペレタイザーに通し、
ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂を得た。 ・比較例7で用いた(A)成分 攪拌型重合槽に、スチレン89.8重量%、ポリブタジ
エン5.6重量%、エチルベンゼン3.6重量%及びミ
ネラルオイル1重量%からなる混合液を送液し、温度1
40℃、攪拌速度60rpmの条件にて転化率23%ま
で重合させた。続いて、得られた混合液を満液型重合槽
に移送しそこで転化率70%まで重合させ、次いで内容
物を240℃の脱気槽に移送しそこで揮発成分を除去
し、次いで得られた重合物を溶融押出機及びペレタイザ
ーに通し、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂を得
た。 ・比較例8及び9で用いた(A)成分 攪拌型重合槽に、スチレン87.4重量%、ポリブタジ
エン5.4重量%、エチルベンゼン5重量%及びミネラ
ルオイル2.2重量%からなる混合液を送液し、温度1
40℃、攪拌速度35rpmの条件にて転化率20%ま
で重合させた。続いて、得られた混合液を満液型重合槽
に移送しそこで転化率70%まで重合させ、次いで内容
物を240℃の脱気槽に移送しそこで揮発成分を除去
し、次いで得られた重合物を溶融押出機及びペレタイザ
ーに通し、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂を得
た。また、用いた(B)成分は、それぞれ次のとおりで
ある。 B1:エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友
化学工業製、商品名アクリフトWM403、メチルメタ
クリレート含量38重量%、メルトフローレート15g
/10分)、 B2:エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友
化学工業製、商品名アクリフトWK402、メチルメタ
クリレート含量25重量%、メルトフローレート20g
/10分)、 B3:エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友
化学工業製、商品名アクリフトWH303、メチルメタ
クリレート含量18重量%、メルトフローレート7g/
10分)、 B4:エチレン−エチルアクリレート共重合体(エチル
アクリレート含量18重量%、メルトフローレート7g
/10分)、 B5:エチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業
製、商品名スミテートRB−11、酢酸ビニル含量41
重量%、メルトフローレート60g/10分)、 B6:エチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業
製、商品名スミテートHA−20、酢酸ビニル含量20
重量%、メルトフローレート20g/10分)、 B7:ポリプロピレン(住友化学工業製、商品名ノーブ
レンAD571、メルトフローレート0.2g/10
分)、 B8:ポリエチレン(住友化学工業製、商品名スミカセ
ンα FZ103−0、メルトフローレート0.9g/
10分)、 B9:ポリメチルメタクリレート(住友化学工業製、商
品名スミペックス−BMHG、メルトフローレート0.
5g/10分)、 B10:スチレン−メチルメタクリレート共重合体(新
日鐵化学工業製、商品名エスチレンMS300、メチル
メタクリレート含量30重量%、メルトフローレート
0.2g/10分)、 B11:スチレン−アクリロニトリル共重合体(三菱モ
ンサント化成製、商品名サンレックスSAN−R、アク
リロニトリル含量26重量%、メルトフローレート0.
9g/10分)、 メルトフローレートはJIS K7210に従い、温度
190℃、荷重2.16kgfで測定した。また、これ
らの(B)成分の溶解性パラメータSPを表6、7に示
した。有機ポリシロキサンとしては、東レシリコーン製
シリコンオイル、商品名SH200(ポリジメチルシロ
キサン、10000センチストークス)を用いた。
を満足するすべての実施例は、すべての評価項目におい
て優れた結果を示している。一方、(B)成分を含まな
い比較例1は面衝撃強度(落錘インパクト、デュポン式
衝撃強度)に大幅に劣り、光沢も若干劣る。SPが規定
範囲外のポリマーを(B)成分として含む比較例2〜4
は面衝撃強度に劣る。(B)成分が、芳香族ビニル化合
物単位を含有し、またそのSPが規定範囲外ものである
比較例5及び6は面衝撃強度に劣る。粒径が大きく、サ
ラミ構造である比較例7〜9は面衝撃強度、光沢に劣
る。(B)成分を含まない押し出し成形シートである比
較例10は面衝撃強度、光沢に劣る。
す。 *1 (A):ゴム変性スチレン系樹脂(スチレン系単
量体としてはスチレンを用いた。) *2 (B):表6及び7に示したポリマー *3 (C):有機ポリシロキサン *4 OCC:単一オクルージョン構造、SAL:サラ
ミ構造
Claims (9)
- 【請求項1】下記(A)成分100重量部及び(B)成
分0.1〜10重量部を含有するゴム変性スチレン系樹
脂組成物。 (A):軟質成分粒子を10〜35重量%含有し、該軟
質成分粒子の平均粒子径が0.1〜0.5μmであり、
かつ軟質成分粒子が、スチレン系樹脂のみからなる単一
の連続相である核部分及び該核部分を内包(occul
ude オクルード)するゴム状重合体からなる殻部分
により構成された単一オクルージョン構造を有するゴム
変性スチレン系樹脂 (B):溶解性パラメータ(SP)が8.45〜8.7
0であり、かつポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を
含有しないポリマー - 【請求項2】(B)成分が不飽和カルボン酸、不飽和カ
ルボン酸エステル又は酢酸ビニルのうち1つ以上のビニ
ルモノマーとエチレンから成る共重合体である請求項1
記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】(B)成分がエチレン−不飽和カルボン酸
エステル共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】(B)成分がエチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項5】(B)成分がエチレン−酢酸ビニル共重合
体である請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項6】(A)成分100重量部に対して、有機ポ
リシロキサン0.01〜0.5重量部を含有する請求項
1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の
樹脂組成物。 - 【請求項7】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4、請求項5又は請求項6記載のゴム変性スチレン樹脂
組成物を用いた射出成形品。 - 【請求項8】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4、請求項5又は請求項6記載のゴム変性スチレン樹脂
組成物を用いた押し出し成形品。 - 【請求項9】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4、請求項5又は請求項6記載のゴム変性スチレン樹脂
組成物を用いた発泡成形品。
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