JPH08151500A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその成形品

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JPH08151500A
JPH08151500A JP7241467A JP24146795A JPH08151500A JP H08151500 A JPH08151500 A JP H08151500A JP 7241467 A JP7241467 A JP 7241467A JP 24146795 A JP24146795 A JP 24146795A JP H08151500 A JPH08151500 A JP H08151500A
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勇人 木原
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隆博 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的少量のブレンド添加で面衝撃強度と光沢
に優れ、かつ成形性他の物性にも優れるなど外装材、包
装材、発泡成形体に要求される性能に優れたゴム変性ス
チレン系樹脂組成物及びその成形品を提供すること。 【解決手段】下記(A)成分100重量部及び(B)成
分0.1〜10重量部を含有するゴム変性スチレン系樹
脂組成物、及びこれを用いた射出成形品、押し出し成形
品又は発泡成形品。 (A):軟質成分粒子を10〜35重量%含有し、該軟
質成分粒子の平均粒子径が0.1〜0.5μmであり、
かつ軟質成分粒子がスチレン系樹脂のみからなる単一の
連続相である核部分及び該核部分を内包(occulu
de オクルード)するゴム状重合体からなる殻部分に
より構成された単一オクルージョン構造を有するゴム変
性スチレン系樹脂 (B):溶解性パラメータ(SP)が8.45〜8.7
0であり、かつポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を
含有しないポリマー

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、面衝撃強度及び光
沢に優れた成形品を与えるゴム変性スチレン系樹脂組成
物及びその成形品に関するものであり、更に詳しくは特
定のゴム変性スチレン系樹脂に特定のポリマーを加える
ことにより面衝撃強度を大幅に向上させると同時に、優
れた光沢を有する成形品を与えるゴム変性スチレン系樹
脂組成物及びその成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】OA機器、家電製品などの用途分野で
は、成形時の加工性、加工製品の仕上がり寸法精度、引
っ張り及び曲げなどの機械的物性、耐熱性などの諸物性
のバランスが良いことが必要とされるが、特に外装材料
ということから光沢と面衝撃強度の向上が一段と求めら
れている。かかる要求は近年ますます高水準に及んでい
る。また、包装材料として用いる際も高水準の面衝撃強
度と外観が求められる。緩衝材として用いる場合には、
具備すべき必須の特性の一つとして、衝撃吸収性に優れ
ることがあげられる。ところが、ゴム変性スチレン系樹
脂組成物は、上記のすべての要求を必ずしも十分に満足
するものではなかった。ゴム変性スチレン系樹脂の耐衝
撃強度を向上させる技術としては、特公平3−4110
4号公報にあるように有機ポリシロキサン及びエチレン
−不飽和カルボン酸エステル共重合体を特定量添加する
方法が知られている。しかし、分散ゴム粒子の平均粒子
径が0.1〜2.5μmであり、面衝撃強度は不十分で
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、比較的少量のブレンド添加で面衝撃強
度と光沢に優れ、かつ成形性他の物性にも優れるなど、
外装材、包装材、発泡成形体に要求される性能に優れた
ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその成形品を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達したもの
である。すなわち、本発明のうち一の発明は、下記
(A)成分100重量部及び(B)成分0.1〜10重
量部を含有するゴム変性スチレン系樹脂組成物に係るも
のである。 (A):軟質成分粒子を10〜35重量%含有し、該軟
質成分粒子の平均粒子径が0.1〜0.5μmであり、
かつ軟質成分粒子がスチレン系樹脂のみからなる単一の
連続相である核部分及び該核部分を内包(occulu
de オクルード)するゴム状重合体からなる殻部分に
より構成された単一オクルージョン構造を有するゴム変
性スチレン系樹脂 (B):溶解性パラメータ(SP)が8.45〜8.7
0であり、かつポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を
含有しないポリマー また、本発明のうち、他の発明は、上記のゴム変性スチ
レン系樹脂組成物を用いて得られた射出成形品、押し出
し成形品又は発泡成形品に係るものである。以下、詳細
に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる(A)ゴム変
性スチレン系樹脂は、ゴム状重合体の存在下、一種もし
くは二種以上のスチレン系単量体、又は一種もしくは二
種以上のスチレン系単量体及びこれと共重合可能な化合
物とを重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂であ
る。
【0006】本発明で用いられる(A)ゴム変性スチレ
ン系樹脂の原料として用いられるスチレン系単量体とし
ては、例えばスチレン、α−メチルスチレンなどのα−
アルキル置換スチレン、p−メチルスチレンなどの核置
換アルキルスチレンなどがあげられる。また、スチレン
系単量体と共重合可能な化合物としては、例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、メチ
ルメタクリレートなどのビニルモノマー、さらには無水
マレイン酸、マレイミド、核置換マレイミドなどがあげ
られる。また、ゴム状重合体としては、例えばポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体類、エチレン−
プロピレン−非共役ジエンの三元共重合体類等が使用さ
れるが、その中でもポリブタジエン及びスチレン−ブタ
ジエン共重合体類が好ましい。ポリブタジエンとして
は、シス含有率の高いハイシスポリブタジエン、シス含
有率の低いローシスポリブタジエン共に用いることがで
きる。
【0007】本発明で用いられる(A)ゴム変性スチレ
ン系樹脂中の軟質成分粒子の含有量は10〜35重量%
であるが、10重量%未満では面衝撃強度の改良が十分
でなく、35重量%より多くなると面衝撃強度以外の物
性、例えば剛性、耐熱性が低下するので好ましくない。
なお、本発明において(A)ゴム変性スチレン系樹脂中
の軟質成分粒子の含有量は、次の方法により測定され
る。すなわち、試料であるゴム変性スチレン系樹脂約
0.5gを秤量(重量:W1 )採取し、該試料を室温
(23℃程度)においてメチルエチルケトン/メタノー
ル混合溶媒(体積比10/1)50mlに溶解させる。
次に、該溶解時の不溶分を遠心分離により単離し、該不
溶分を乾燥してその重量(W2 )を測定する。ゴム変性
スチレン系樹脂中の軟質成分粒子の含有量は(W2 /W
1 )×100(%)により求められる。また該軟質成分
粒子の平均粒子径は0.1〜0.5μm、好ましくは
0.1〜0.3μmである。これが0.1μm未満では
成形品の面衝撃強度の改良が十分でなく、0.5μmよ
り大きいと光沢などの外観が低下して好ましくない。な
お、ここで平均粒子径とは次のように定義される。ゴム
変性スチレン系樹脂の超薄切片を作成し、その透過型電
子顕微鏡写真を取り、写真中の軟質成分粒子径を測定
し、下式によって計算する。
【0008】
【数1】平均粒子径=ΣniDi2 /ΣniDi ここでniは粒子径Diの粒子数である。
【0009】本発明において、(A)ゴム変性スチレン
系樹脂中の軟質成分粒子は、スチレン系樹脂のみからな
る単一の連続相である核部分及び該核部分を内包(oc
culude オクルード)するゴム状重合体からなる
殻部分により構成された単一オクルージョン構造(コア
/シェル構造又はカプセル構造ともいう。)を有する物
である必要がある。そうでない場合には、たとえば、ゴ
ム状重合体からなる連続相中に複数のスチレン系樹脂の
小粒子が分散して存在する、いわゆるサラミ構造等の場
合には光沢に劣る。なお、軟質成分粒子の構造の観察
は、上記の平均粒子径の測定と同様、透過型電子顕微鏡
を用いて行われる。なお、軟質成分粒子の構造が単一オ
クルージョン構造である(A)ゴム変性スチレン系樹脂
の合成方法は、例えば、Die Angewandte
Macromolekulare Chemie、5
8/59卷、175ー198(1977年)などに記述
されているように、スチレン含量15〜65%のスチレ
ンーブタジエンブロック共重合体存在下でスチレンを重
合することによって合成することができる。
【0010】次に本発明では組成物中に(B)溶解性パ
ラメータ(SP)が8.45〜8.70であり、かつ芳
香族ビニル化合物単位を含有しないポリマーを(A)ゴ
ム変性スチレン系樹脂100重量部に対して0.1〜1
0重量部含有するが、含有量が0.1重量部未満では面
衝撃強度改良の効果が十分でなく、10重量部より多い
と耐熱性等の他の物性が低下し、好ましくない。なお、
本発明の組成物中の(B)成分の含有量は、組成物の超
薄切片を作成し、その透過型電子顕微鏡写真を撮り、写
真中に占める(B)成分の面積割合から換算して求める
ことができる。その他に、NMRやIR等の分光器を用
いてその吸収ピークから求める方法、溶媒により分別す
る方法などを用いることができる。また、本発明の
(B)成分の溶解性パラメータ(SP)は8.45〜
8.70であり、8.45より小さいか又は8.70よ
り大きいと面衝撃強度改良の効果が十分でない。なお、
ここで溶解性パラメータとはHildebrand−S
catchardの理論によって分子間の引き合う力を
定義したものである。詳しい解説は高分子科学の一般的
な教科書、たとえば”ポリマーブレンド、秋本三郎ら、
(株)シーエムシー、第4刷、125〜144頁(19
91年)”等に記載されている。しかし、この溶解性パ
ラメータは粘度法や膨潤度法等の実験により求める方法
及び分子構造から計算により求める方法等があり、方法
により値が若干異なる。そこで、Smallによって提
案された分子構造から計算により求める方法をここでは
用いた。この方法及び理論は”ジャーナル・オブ・アプ
ライド・ケミストリー(Journal of App
lied Chemistry)、3巻、71〜80頁
(1953年)”に詳しく記載されている。これにより
溶解性パラメータは次式を用いて算出した。
【0011】
【数2】 Fiは分子を構成する原子又は原子団、結合型など構成
グループのモル吸引力、Vはモル容積、ρは密度をそれ
ぞれ示す。Mは分子量を示し、高分子の場合は繰り返し
単位(つまりモノマー単位)の分子量を示す。 Fiの
値は、上記2つの文献に記載されているSmallの値
を用いた。共重合体のρ、ΣFi又はMについては、共
重合体を構成するモノマー単位の各単独重合体のρ、Σ
Fi又はMの数値にモノマー単位のモル分率を乗じたも
のの和を計算して用いた。また、本発明の(B)成分は
ポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を含有しないポリ
マーである。ポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を含
有するするものを用いた組成物は、面衝撃強度が劣る。
芳香族ビニル化合物としては、たとえばスチレン、α−
メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン、p−
メチルスチレンなどの核置換アルキルスチレンなどがあ
げられる。また、本発明で用いられる(B)成分の溶解
性パラメータ(SP)が8.45〜8.70であるポリ
マーとしては、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エ
ステル又は酢酸ビニルのうち1つ以上のビニルモノマー
とエチレンから成る共重合体があげられる。その例とし
てはエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−
不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル−
酢酸ビニル3元共重合体、エチレンと2種類以上の不飽
和カルボン酸エステルとからなる多元共重合体等があげ
られる。
【0012】不飽和カルボン酸の具体的な例としてはア
クリル酸、メタクリル酸があげられる。また、不飽和カ
ルボン酸エステルの具体的な例としてはエチルアクリレ
ート、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、ステアリルアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート等があげられる。
本発明で用いられる不飽和カルボン酸、不飽和カルボン
酸エステル又は酢酸ビニルのうち1つ以上のビニルモノ
マーとエチレンから成る共重合体の好ましい例としては
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル
酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合
体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルア
クリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレ
ート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート−グリ
シジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル
−グリシジルメタクリレート共重合体等があげられる。
共重合体中の上記ビニルモノマーとエチレンの割合は、
溶解性パラメータ(SP)8.45〜8.70の共重合
体を与える範囲で、適宜決めることができる。上記ビニ
ルモノマーの共重合体中の比率は5〜60重量%が好ま
しい。また共重合体中の上記ビニルモノマーとエチレン
の結合様式(たとえばランダム、ブロック、交互)につ
いては何等限定されない。また該共重合体のメルトフロ
ーレートは(JIS K7210に準拠、温度190
℃、荷重2.16kgfによる)特に限定されないが、
1〜500g/10分程度が好ましい。更に本発明にお
いて、(A)ゴム変性スチレン系樹脂100重量部に対
して有機ポリシロキサンを0.01〜0.5重量部含有
させると、面衝撃強度の改良が更に大きくなる。また
0.5重量部より多くても面衝撃強度の改良効果はそれ
以上向上しない。本発明における有機ポリシロキサンと
しては、一般的に下記の式で表されるものを言う。
【0013】
【化1】 ここでR1 、R2 はアルキル基、アリール基またはフェ
ニル基を示す。またnは平均重合度を示し、10〜15
00である。また、末端あるいは分子鎖中にエポキシ
基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、水酸基、フ
ッ素またはアルコキシ基を導入したものでもよい。
【0014】本発明に使用される有機ポリシロキサンの
構造としてはホモポリマー、ランダムポリマー、ブロッ
クポリマー、グラフトポリマーのいずれでもよく、ま
た、これら有機ポリシロキサンの有機基の一部が水酸
基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基等で置換され
た有機ポリシロキサンであってもよい。更にこれらの有
機ポリシロキサンは二種以上混合して使用してもよい。
【0015】本発明で使用される有機ポリシロキサンの
具体的な例を示すと、たとえば、ポリジメチルシロキサ
ン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシ
ロキサン等があるが何等限定されない。また有機ポリシ
ロキサンの粘度は、特に限定されないが、10センチス
トークス未満では揮発性が大きく、一方100000セ
ンチストークスより大きいと組成物中に均一分散させる
ことが困難となる傾向があるので、一般的には30℃で
10〜100000センチストークス程度の範囲のもの
が扱い易く好ましい。有機ポリシロキサンを添加混合す
る方法は、特に限定されるものではないが、例えば、
(A)成分のゴム変性スチレン系樹脂を製造する各段階
で添加する方法、例えば、重合工程で予めモノマーに添
加する方法、重合工程の途中で重合系に添加する方法、
さらに後述の(A)成分と(B)成分を混合する工程で
添加する方法、成形工程で添加する方法等のいずれの方
法又はそれらの組み合わせでもよい。
【0016】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
得るには、各成分の所定量を、ヘンシェルミキサー、タ
ンブラーなどの混合装置でドライブレンドするか、一軸
又は二軸のスクリュー押し出し機、バンバリーミキサー
等の混練機を用い、180〜260℃の温度で十分に加
熱混練し、その後造粒すればよい。なお、必要に応じ
て、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電
防止剤、ミネラルオイルなどの添加剤を使用することが
できる。
【0017】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
用いた射出成形品は、一般に使用されている射出成形機
を用いて得ることができる。
【0018】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
押し出し成形品は、一般に使用されている押し出し成形
機を用いて得ることができる。本発明のゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物を押し出し成形して押し出し成形品とす
る方法としては、特に制限はないが、たとえば押し出し
機にて溶融した後、Tーダイから押し出す方法、押し出
し機よりシート状に押し出した後、テンター方式あるい
はインフレーション方式により2軸延伸する方法などを
あげることができる。
【0019】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
発泡して発泡体とする方法としては、特に制限はない
が、たとえば分解型発泡剤とゴム変性スチレン系樹脂組
成物を押し出し機で溶融混練し、発泡させる方法;ゴム
変性スチレン系樹脂組成物を押し出し機で溶融させ、蒸
発型発泡剤をシリンダーの途中から直接圧入し、混練、
発泡させる方法;ゴム変性スチレン系樹脂組成物からな
る小ペレット又はビーズを押し出し機又は水系懸濁液中
で蒸発型発泡剤を含浸させ、その含浸ペレット又はビー
ズを水蒸気で発泡させる方法;などがあげられる。
【0020】本発明のゴム変性スチレン系樹脂の用途
は、その特徴を生かした射出成形加工品分野、押し出し
シート加工品分野及び発泡成形加工品分野が適してい
る。すなわち、弱電機器、事務機器、電話機、OA機器
等の外装材や食品容器など包装材などが具体的な用途と
してあげられる。また、ガラス製品や各種の精密機器製
品に加わる外部からの衝撃を吸収し、該製品を保護する
いわゆる緩衝材として、樹脂組成物を発泡して得られる
発泡体を用いることができる。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例により何等限定をされるもの
ではない。測定及び評価方法は以下の通りである。な
お、下記以外の項目については、前記の説明の通り行っ
た。 (1)曲げ弾性率(剛性) JIS K7203に準拠して測定した。 (2)ビカット軟化点(耐熱性) JIS K7206、B法に準拠して測定した。 (3)デュポン式衝撃強度(面衝撃強度) 厚さ2mmの平板を射出成形し、23℃で、ダート先端
径1/8インチR、受け径3/16インチRの装置を用
い、50%破壊率のエネルギーを測定した。なお、成形
機は東芝IS−150Eを用い、金型温度40℃、サン
プル形状150×90×2mmとした。また、樹脂シー
トについても、23℃で、ダート先端径1/8インチ
R、受け径3/16インチRの装置を用い、50%破壊
率のエネルギーを測定した。 (4)落錘インパクト(面衝撃強度) 厚さ2mmの平板を射出成形し、東洋精機製作所の「落
錘型グラフィックインパクトテスター」を用いて、高さ
80cmより質量7.5kgの重錘を試験片平面上へ自
然落下させ、重錘下部に設けてあるストライカによって
試験片を完全破壊又は貫通させる。この際の亀裂発生に
要したエネルギー値を求めた。なお、成形機は東芝IS
−150Eを用い、金型温度40℃、サンプル形状15
0×90×2mmとした。 (5)表面光沢(表面外観) 厚さ2mmの平板を射出成形し、その中央部をJIS
K7105の45度鏡面光沢度測定法の規格に準拠して
測定した。なお、成形機は東芝IS−150Eを用い、
金型温度40℃、サンプル形状150×90×2mmと
した。また、樹脂シートについても、同様に測定した。 (6)引張り弾性率(剛性) 樹脂シートを用い、JIS K7113に準拠して測定
した。
【0022】実施例1〜10及び比較例1〜9 表1〜4に示した成分を40mmφ押出機にて220℃
で溶融させ、混練、造粒してペレットを得た。得られた
ペレットをテストピースもしくは平板に射出成形し、評
価を行った。
【0023】実施例11、12及び比較例10 表5に示した成分をドライブレンドし、65mmφのシ
ート加工機(田辺プラスチック機械製、V65−S10
00型)を用い、樹脂温度240℃で押し出し成形し、
厚さ1.2〜1.5mmの樹脂シートを得た。シート物
性を評価した。なお、用いた(A)ゴム変性スチレン系
樹脂は、連続塊状重合法により、次のようにして合成し
た。 ・実施例1〜12、及び比較例1〜6、10で用いた
(A)成分 攪拌型重合槽に、スチレン80重量%、スチレンーブタ
ジエンブロック共重合体(スチレン含量40重量%)1
2重量%、エチルベンゼン5重量%及びミネラルオイル
3重量%からなる混合液を送液し、温度140℃、攪拌
速度35rpmの条件にて転化率37.5%まで重合さ
せた。続いて、得られた混合液を満液型重合槽に移送し
そこで転化率77%まで重合させ、次いで内容物を24
0℃の脱気槽に移送しそこで揮発成分を除去し、次いで
得られた重合物を溶融押出機及びペレタイザーに通し、
ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂を得た。 ・比較例7で用いた(A)成分 攪拌型重合槽に、スチレン89.8重量%、ポリブタジ
エン5.6重量%、エチルベンゼン3.6重量%及びミ
ネラルオイル1重量%からなる混合液を送液し、温度1
40℃、攪拌速度60rpmの条件にて転化率23%ま
で重合させた。続いて、得られた混合液を満液型重合槽
に移送しそこで転化率70%まで重合させ、次いで内容
物を240℃の脱気槽に移送しそこで揮発成分を除去
し、次いで得られた重合物を溶融押出機及びペレタイザ
ーに通し、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂を得
た。 ・比較例8及び9で用いた(A)成分 攪拌型重合槽に、スチレン87.4重量%、ポリブタジ
エン5.4重量%、エチルベンゼン5重量%及びミネラ
ルオイル2.2重量%からなる混合液を送液し、温度1
40℃、攪拌速度35rpmの条件にて転化率20%ま
で重合させた。続いて、得られた混合液を満液型重合槽
に移送しそこで転化率70%まで重合させ、次いで内容
物を240℃の脱気槽に移送しそこで揮発成分を除去
し、次いで得られた重合物を溶融押出機及びペレタイザ
ーに通し、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂を得
た。また、用いた(B)成分は、それぞれ次のとおりで
ある。 B1:エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友
化学工業製、商品名アクリフトWM403、メチルメタ
クリレート含量38重量%、メルトフローレート15g
/10分)、 B2:エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友
化学工業製、商品名アクリフトWK402、メチルメタ
クリレート含量25重量%、メルトフローレート20g
/10分)、 B3:エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友
化学工業製、商品名アクリフトWH303、メチルメタ
クリレート含量18重量%、メルトフローレート7g/
10分)、 B4:エチレン−エチルアクリレート共重合体(エチル
アクリレート含量18重量%、メルトフローレート7g
/10分)、 B5:エチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業
製、商品名スミテートRB−11、酢酸ビニル含量41
重量%、メルトフローレート60g/10分)、 B6:エチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業
製、商品名スミテートHA−20、酢酸ビニル含量20
重量%、メルトフローレート20g/10分)、 B7:ポリプロピレン(住友化学工業製、商品名ノーブ
レンAD571、メルトフローレート0.2g/10
分)、 B8:ポリエチレン(住友化学工業製、商品名スミカセ
ンα FZ103−0、メルトフローレート0.9g/
10分)、 B9:ポリメチルメタクリレート(住友化学工業製、商
品名スミペックス−BMHG、メルトフローレート0.
5g/10分)、 B10:スチレン−メチルメタクリレート共重合体(新
日鐵化学工業製、商品名エスチレンMS300、メチル
メタクリレート含量30重量%、メルトフローレート
0.2g/10分)、 B11:スチレン−アクリロニトリル共重合体(三菱モ
ンサント化成製、商品名サンレックスSAN−R、アク
リロニトリル含量26重量%、メルトフローレート0.
9g/10分)、 メルトフローレートはJIS K7210に従い、温度
190℃、荷重2.16kgfで測定した。また、これ
らの(B)成分の溶解性パラメータSPを表6、7に示
した。有機ポリシロキサンとしては、東レシリコーン製
シリコンオイル、商品名SH200(ポリジメチルシロ
キサン、10000センチストークス)を用いた。
【0024】結果から次のことが分かる。本発明の条件
を満足するすべての実施例は、すべての評価項目におい
て優れた結果を示している。一方、(B)成分を含まな
い比較例1は面衝撃強度(落錘インパクト、デュポン式
衝撃強度)に大幅に劣り、光沢も若干劣る。SPが規定
範囲外のポリマーを(B)成分として含む比較例2〜4
は面衝撃強度に劣る。(B)成分が、芳香族ビニル化合
物単位を含有し、またそのSPが規定範囲外ものである
比較例5及び6は面衝撃強度に劣る。粒径が大きく、サ
ラミ構造である比較例7〜9は面衝撃強度、光沢に劣
る。(B)成分を含まない押し出し成形シートである比
較例10は面衝撃強度、光沢に劣る。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】表1〜5に共通する注の説明を以下に示
す。 *1 (A):ゴム変性スチレン系樹脂(スチレン系単
量体としてはスチレンを用いた。) *2 (B):表6及び7に示したポリマー *3 (C):有機ポリシロキサン *4 OCC:単一オクルージョン構造、SAL:サラ
ミ構造
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 51/04 23:08 83:04) (C08L 51/04 101:00) B29K 25:00 105:04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)成分100重量部及び(B)成
    分0.1〜10重量部を含有するゴム変性スチレン系樹
    脂組成物。 (A):軟質成分粒子を10〜35重量%含有し、該軟
    質成分粒子の平均粒子径が0.1〜0.5μmであり、
    かつ軟質成分粒子が、スチレン系樹脂のみからなる単一
    の連続相である核部分及び該核部分を内包(occul
    ude オクルード)するゴム状重合体からなる殻部分
    により構成された単一オクルージョン構造を有するゴム
    変性スチレン系樹脂 (B):溶解性パラメータ(SP)が8.45〜8.7
    0であり、かつポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を
    含有しないポリマー
  2. 【請求項2】(B)成分が不飽和カルボン酸、不飽和カ
    ルボン酸エステル又は酢酸ビニルのうち1つ以上のビニ
    ルモノマーとエチレンから成る共重合体である請求項1
    記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(B)成分がエチレン−不飽和カルボン酸
    エステル共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(B)成分がエチレン−メチルメタクリレ
    ート共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(B)成分がエチレン−酢酸ビニル共重合
    体である請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(A)成分100重量部に対して、有機ポ
    リシロキサン0.01〜0.5重量部を含有する請求項
    1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5又は請求項6記載のゴム変性スチレン樹脂
    組成物を用いた射出成形品。
  8. 【請求項8】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5又は請求項6記載のゴム変性スチレン樹脂
    組成物を用いた押し出し成形品。
  9. 【請求項9】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5又は請求項6記載のゴム変性スチレン樹脂
    組成物を用いた発泡成形品。
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US8387170B2 (en) 2003-06-25 2013-03-05 Design Blue Limited Energy absorbing blends

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