JP3141749B2 - ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその成形品

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JP3141749B2
JP3141749B2 JP07245817A JP24581795A JP3141749B2 JP 3141749 B2 JP3141749 B2 JP 3141749B2 JP 07245817 A JP07245817 A JP 07245817A JP 24581795 A JP24581795 A JP 24581795A JP 3141749 B2 JP3141749 B2 JP 3141749B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃強度および耐
油性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物に関するも
のであり、更に詳しくは衝撃強度、耐油性が向上してい
ると同時に、他の物性や成形加工性については低下して
いないゴム変性スチレン系樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】OA機器、家電製品などの用途分野で
は、成形時の加工性、加工製品の仕上がり寸法精度、引
っ張り及び曲げなどの機械的物性、耐熱性などの諸物性
のバランスが良いことが必要とされるが、特に成形加工
性や、外装材料ということから衝撃強度の向上が一段と
求められている。かかる要求は近年ますます高水準に及
んでいる。衝撃強度を向上させる方法としてゴム変性ス
チレン系樹脂にスチレン−ブタジエン共重合体などの軟
質成分を添加する方法は良く知られている。しかし、こ
れらの軟質成分はブタジエン部分が耐熱性が低いことか
ら、成形時に高温(約180℃〜250℃)で滞留する
とゲル分が生成してしまい、成形品中にぶつとして残っ
て表面を粗し、外観が低下してしまう問題点があった。
また、これらのゲル分が成形品中に入らないようにする
には多くの樹脂をパージする必要があり、時間と樹脂量
を多く必要とする問題点があった。また、包装材料とし
て用いる際も高水準の衝撃強度が求められる。特に食品
用途に用いられる際には耐油性が求められる場合があ
る。緩衝材として用いる場合には、具備すべき必須の特
性の一つとして、衝撃吸収性に優れることがあげられ
る。ところが、ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、上記
のすべての要求を十分に満足するという観点に鑑み、必
ずしも十分であるとはいい難い物であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、衝撃強度、耐油性および成形加工性に
優れ、外装材、包装材、発泡成形体に要求される性能に
優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその成形品
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達したもの
である。すなわち、本発明のうち一の発明は、下記
(A)成分100重量部に対して、(B)成分を10重
量部より多く250重量部以下含有するゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物。 (A):軟質成分粒子を5〜35重量%含有し、該軟質
成分粒子の平均粒子径が0.1〜2.5μmであり、該
軟質成分粒子の膨潤度が3〜30であるゴム変性スチレ
ン系樹脂 (B):エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチ
ルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンと2
種類以上の異なる不飽和カルボン酸エステルとから成る
共重合体から選択される1種類のポリマーであり、溶解
性パラメータ(SP)が8.45〜8.70であり、か
つポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を含有しないポ
リマーまた、本発明のうち、他の発明は、上記のゴム変
性スチレン系樹脂組成物を用いた射出成形品、押し出し
成形品又は発泡成形品に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、詳細に説明する。本発明で
用いる(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム状重合体
の存在下、一種又は二種以上のスチレン系単量体、又は
一種又は二種以上のスチレン系単量体及びこれと共重合
可能な化合物とを重合して得られるゴム変性スチレン系
樹脂である。
【0006】本発明で用いられる(A)ゴム変性スチレ
ン系樹脂の原料であるスチレン系単量体としては、例え
ばスチレン、α−メチルスチレンなどのα−アルキル置
換スチレン、p−メチルスチレンなどの核置換アルキル
スチレンなどが挙げられる。また、スチレン系単量体と
共重合可能な化合物としては、例えばアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、メチルメタク
リレートなどのビニルモノマー、さらには無水マレイン
酸、マレイミド、核置換マレイミドなどがあげられる。
また、ゴム状重合体としては、例えばポリブタジエン、
スチレン−ブタジエン共重合体類、エチレン−プロピレ
ン−非共役ジエンの三元共重合体類等が使用されるが、
その中でもポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共
重合体類が最も好ましい。ポリブタジエンとしては、シ
ス含有率の高いハイシスポリブタジエン、シス含有率の
低いローシスポリブタジエンともに用いることができ
る。
【0007】本発明で用いられる(A)ゴム変性スチレ
ン系樹脂中の軟質成分粒子の含有量は5〜35重量%で
ある。軟質成分粒子の含有量が5重量%未満であればそ
の樹脂を含む組成物は衝撃強度に劣り、35重量%より
多いと、剛性に劣る。なお、本発明において(A)ゴム
変性スチレン系樹脂中の軟質成分粒子の含有量は、次の
方法により測定される。すなわち、試料であるゴム変性
スチレン系樹脂約0.5gを秤量(重量:W1 )採取
し、該試料を室温(23℃程度)においてメチルエチル
ケトン/メタノール混合溶媒(体積比10/1)50m
lに溶解させる。次に、該溶解時の不溶分を遠心分離に
より単離し、該不溶分を乾燥してその重量(W2 )を測
定する。ゴム変性スチレン系樹脂中の軟質成分粒子の含
有量は(W2 /W1 )×100(%)により求められ
る。また、該軟質成分粒子の平均粒子径は0.1〜2.
5μm、好ましくは0.1μm〜2μmである。軟質成
分粒子の平均粒子径が0.1μm未満であればその樹脂
を含む組成物は衝撃強度に劣り、2.5μmより大であ
れば剛性や外観に劣る。なお、ここで平均粒子径とは次
のように定義される。ゴム変性スチレン系樹脂の超薄切
片を作成し、その透過型電子顕微鏡写真を撮り、写真中
の軟質成分粒子径を測定し、下式によって計算する数平
均粒子径である。
【0008】
【数1】平均粒子径=Σ(ni・Di)/Σni ここでniは粒子径Diの粒子数である。本発明におい
て、(A)ゴム変性スチレン系樹脂中の軟質成分粒子
は、例えば、スチレン系樹脂のみからなる単一の連続相
である核部分および該核部分を内包(occulude
オクルード)するゴム状重合体からなる殻部分により
構成された単一オクルージョン構造(コア/シェル構造
またはカプセル構造ともいう。)を有するもの、もしく
はゴム状重合体からなる連続相中に複数のスチレン系樹
脂の小粒子が分散して存在する、いわゆるサラミ構造を
有するもの等が挙げられるが、特にその構造を限定する
ものではない。なお、軟質成分粒子の構造の観察は、上
記の平均粒子径の測定と同様、透過型電子顕微鏡を用い
て行われる。
【0009】本発明において用いられる(A)ゴム変性
スチレン系樹脂中の軟質成分粒子の膨潤度は3〜30、
好ましくは8〜20である。膨潤度が3未満であればそ
の樹脂を含む組成物は衝撃強度に劣り、30より大であ
ると剛性に劣り、実用上好ましくない。なお、本発明の
(A)ゴム変性スチレン系樹脂の軟質成分粒子の膨潤度
は次の方法により求められる。すなわち、試料であるゴ
ム変性スチレン系樹脂約1.0gを50mlのトルエン
に室温で溶解し、一昼夜放置する。得られたトルエン溶
液を遠心分離機(10000rpm×30分間)にか
け、不溶分を分離する。上澄み液を捨て、不溶分を秤量
し、その重量をaとする。次に、該不溶分を真空乾燥機
にて乾燥(70℃×3時間)し、乾燥後の重量をbとす
る。膨潤度は(a−b)/bにより求められる。本発明
において用いられる(A)ゴム変性スチレン系樹脂の製
造方法は、塊状重合法又は塊状・懸濁二段重合法が用い
られる。そして、重合反応時のゴム状重合体濃度、攪拌
速度、温度などを調整することにより、本発明で必要と
される、軟質成分粒子の含有量、該粒子の平均粒子径、
膨潤度等の条件を充足するゴム変性スチレン系樹脂を得
ることができる。
【0010】次に本発明では組成物中に(B)エチレン
−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタ
クリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
メタクリル酸共重合体、エチレンと2種類以上の異なる
不飽和カルボン酸エステルとから成る共重合体から選択
される1種類のポリマーであり、溶解性パラメータ(S
P)が8.45〜8.70であり、かつ芳香族ビニル化
合物単位を含有しないポリマーを(A)ゴム変性スチレ
ン系樹脂100重量部に対して10重量部より多く、2
50重量部以下含有するが、含有量が10重量部以下で
は衝撃強度、耐油性が十分でなく、250重量部より多
いと剛性等の他の物性が低下し、好ましくない。なお、
本発明の組成物中の(B)成分の含有量は、組成物の超
薄切片を作成し、その透過型電子顕微鏡写真を取り、写
真中に占める(B)成分の面積割合から換算して求める
ことができる。その他に、NMRやIR等の分光器を用
いてその吸収ピークから求める方法、溶媒により分別す
る方法などを用いることができる。また、本発明の
(B)成分の溶解性パラメータ(SP)は8.45〜
8.70であり、8.45より小さいか又は8.70よ
り大きいと衝撃強度改良の効果が十分でない。なお、こ
こで溶解性パラメータとはHildebrand−Sc
atchardの理論によって分子間の引き合う力を定
義したものである。詳しい解説は高分子科学の一般的な
教科書、たとえば”ポリマーブレンド、秋山三郎ら
(株)シーエムシー、第4刷、125〜144頁(19
91年)”等に記載されている。しかし、この溶解性パ
ラメータは粘度法や膨潤度法等の実験により求める方法
及び分子構造から計算により求める方法等があり、方法
により値が若干異なる。そこで、Smallによって提
案された分子構造から計算により求める方法をここでは
用いた。この方法及び理論は”ジャーナル・オブ・アプ
ライド・ケミストリー(Journal of App
lied Chemistry)、3巻、71〜80頁
(1953年)”に詳しく記載されている。これにより
溶解性パラメータは次式を用いて算出した。
【0011】
【数2】 Fiは分子を構成する原子又は原子団、結合型など構成
グループのモル吸引力、Vはモル容積、ρは密度、Mは
分子量を示し、高分子の場合は繰り返し単位(つまりモ
ノマー単位)の分子量を示す。Fiの値は、上記2つの
文献に記載されているSmallの値を用いた。共重合
体のρ、ΣFi又はMについては、共重合体を構成する
モノマー単位の各単独重合体のρ、ΣFi又はMの数値
にモノマー単位のモル分率を乗じたものの和を計算して
用いた。また、本発明の(B)成分はポリマー中に芳香
族ビニル化合物単位を含有しないポリマーである。芳香
族ビニル化合物単位を含有するポリマーを用いた組成物
は衝撃強度が劣る。芳香族ビニル化合物としては、たと
えばスチレン、α−メチルスチレンなどのα−アルキル
置換スチレン、p−メチルスチレンなどの核置換アルキ
ルスチレンなどがあげられる。
【0012】本発明で用いられる(B)成分はエチレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレ
ン−エチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチル
アクリレート共重合体、エチレンと2種類以上の異なる
不飽和カルボン酸エステルとから成る共重合体から選択
される1種類のポリマーである。共重合体中の上記ビニ
ルモノマー単位の比率は5〜60重量%が好ましい。ま
た、共重合体中の上記ビニルモノマーとエチレンの結合
様式(たとえばランダム、ブロック、交互)等について
は何等限定されない。また該共重合体のメルトフローレ
ート(JIS K7210に準拠、温度190℃、荷重
2.16kgfによる)は特に限定されないが1〜50
0g/10分程度が好ましい。また、エチレンと2種類
以上の異なる不飽和カルボン酸エステルとから成る共重
合体に用いられる不飽和カルボン酸エステルの具体的な
例としては、エチルアクリレート、メチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアク
リレート、グリシジルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、ステアリルメタクリレート、グリシジルメ
タクリレート等があげられる。
【0013】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
得るには、各成分の所定量を、ヘンシェルミキサー、タ
ンブラーなどの混合装置でドライブレンドするか、一軸
または二軸のスクリュー押し出し機、バンバリーミキサ
ー等の混練機を用い、180〜260℃の温度で十分に
加熱混練し、その後造粒すれば良い。なお、必要に応じ
て、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電
防止剤、ミネラルオイル、シリコンオイルなどの添加剤
を使用することができる。これらの添加剤は、上記ドラ
イブレンド又は混練時に添加してもよいが、ゴム変性ス
チレン系樹脂を重合により合成する際に重合工程で添加
してもよい。
【0014】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
用いた射出成形品は、一般に使用されている射出成形機
を用いて得ることができる。
【0015】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
用いた押し出し成形品は、一般に使用されている押し出
し成形機を用いて得ることができる。本発明のゴム変性
スチレン系樹脂組成物を押し出しして押し出し成形品と
する方法としては、特に制限はないが、たとえば押し出
し機にて溶融した後、Tーダイから押し出す方法、押し
出し機よりシート状に押し出した後、テンター方式ある
いはインフレーション方式により2軸延伸する方法など
をあげることができる。
【0016】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
発泡して発泡体とする方法としては、特に制限はない
が、たとえば分解型発泡剤とゴム変性スチレン系樹脂組
成物を押し出し機にて溶融混練し、発泡させる方法;ゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物を押し出し機で溶融させ、
蒸発型発泡剤をシリンダー途中から直接圧入し、混練、
発泡させる方法;ゴム変性スチレン系樹脂組成物からな
る小ペレット又はビーズを押し出し機又は水系懸濁液中
で蒸発型発泡剤を含浸させ、その含浸ペレット又はビー
ズを水蒸気で発泡させる方法;などがあげられる。ここ
で用いられる分解型発泡剤としては、アゾジカルボンア
ミド、トリヒドラジノトリアジン、ベンゼンスルホニル
セミカルバジドなどがあげられる。蒸発型発泡剤として
は、プロパン、nーブタン、iーブタン、nーペンタ
ン、iーペンタン、ヘキサン、ヘプタン、フレオンなど
があげられる。
【0017】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
用途は、その特徴を生かした射出成形加工品分野、押し
出しシート加工品分野及び発泡成形加工品分野が適して
いる。即ち、弱電機器、事務機器、電話機、OA機器等
の外装材や食品容器など包装材などが具体的な用途とし
てあげられる。また、ガラス製品や各種の精密機器製品
に加わる外部からの衝撃を吸収し、該製品を保護するい
わゆる緩衝材として、樹脂組成物を発泡して得られる発
泡体を用いることができる。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例により何等限定をされるもの
ではない。測定および評価方法は以下の通りである。 (1)成形加工性(ぶつ生成の有無) <射出成形>東芝製IS−150Eを用い、金型温度4
0℃、サンプル形状150×90×2mmの平板射出成
形を行った。その際に樹脂をシリンダー内に240℃で
1時間滞留させた後に、射出成形し、平板表面のぶつの
生成の有無を目視評価した。 <押し出し成形>65mmφのシート加工機(田辺プラ
スチック機械製、V65−S1000型)を用い、樹脂
温度240℃で押し出して厚さ0.6mmのシート加工
を行った。その際に樹脂をシリンダー内に240℃で1
時間滞留させた後にシートを押し出し、シート表面のぶ
つの生成の有無を目視評価した。
【0019】(2)耐油性 樹脂組成物を、210℃で予熱5分間、ついで50kg
/cm2 で加圧5分間の条件で150mm×150mm
×3mmのプレスシートを成形し、これから20mm×
150mm×3mmの試験片を切り出して測定に用い
た。耐油性の測定法は、治具に試験片の一端を固定し、
固定したところから100mmの場所を10mm歪ませ
た状態で試験片表面にマーガリン(雪印乳業社製 ネオ
ソフト)を塗布し、室温で24時間静置した後、試験片
に発生するストレスクラックの有無をもって評価した。
ストレスクラック無しを○、ストレスクラックの発生し
たものを×と評価した。 (3)落錘衝撃強度 厚さ2mmの平板を射出成形し、東洋精機製作所の「落
錘型グラフィックインパクトテスター」を用いて、高さ
80cmより質量7.5kgの重錘を試験片平面上へ自
然落下させ、重錘下部に設けてあるストライカによって
試験片を完全破壊または貫通させる。この際に要したエ
ネルギーを求めた。測定温度23℃とした。なお、成形
機は東芝製IS−150Eを用い、金型温度40℃、サ
ンプル形状150mm×90mm×2mmとした。
【0020】(4)アイゾット衝撃強度 射出成形により得られたテストピースをJIS K71
10に準拠して測定した。なお、試験片厚み3.0m
m、ノッチ付き、測定温度23℃とした。 (5)光沢(表面外観) 厚さ2mmの平板を射出成形し、その中央部をJIS
K7105の45度鏡面光沢度測定法の規格に準拠して
測定した。なお、成形機は東芝製IS−150Eを用
い、金型温度40℃、サンプル形状150mm×90m
m×2mmとした。 (6)曲げ弾性率(剛性) 射出成形により得られたテストピースをJIS K72
03に準拠して測定した。なお、測定温度23℃とし
た。
【0021】実施例1、2、5〜7および比較例1〜8 表1、2及び3に示した成分を40mmφ押し出し機に
て220℃で溶融させ、混練、造粒してペレットを得
た。得られたペレットをテストピースもしくは平板に射
出成形するかまたはプレス成形し、評価を行った。ま
た、表1、2及び3に示した成分をドライブレンドし、
押し出しシート加工機にて押し出し、成形加工性を評価
した。なお、用いた(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、
連続塊状重合法により、次のようにして合成し、その構
造を表4に示した。A1:攪拌型重合槽に、スチレン8
0重量%、スチレンーブタジエンブロック共重合体(ス
チレン含量40重量%)12重量%、エチルベンゼン5
重量%及びミネラルオイル3重量%からなる混合液を送
液し、温度140℃、攪拌速度35rpmの条件にて転
化率37.5%まで重合させた。続いて、得られた混合
液を満液型重合槽に移送しそこで転化率77%まで重合
させ、次いで内容物を240℃の脱気槽に移送しそこで
揮発成分を除去し、次いで得られた重合物を溶融押し出
し機及びペレタイザーに通し、ペレット状のゴム変性ス
チレン系樹脂を得た。A2:攪拌型重合槽に、スチレン
89.8重量%、ポリブタジエン5.6重量%、エチル
ベンゼン3.6重量%及びミネラルオイル1重量%から
なる混合液を送液し、温度140℃、攪拌速度60rp
mの条件にて転化率23%まで重合させた。続いて、得
られた混合液を満液型重合槽に移送しそこで転化率70
%まで重合させ、次いで内容物を240℃の脱気槽に移
送しそこで揮発成分を除去し、次いで得られた重合物を
溶融押し出し機及びペレタイザーに通し、ペレット状の
ゴム変性スチレン系樹脂を得た。A3:攪拌型重合槽
に、スチレン88.3重量%、ポリブタジエン5.4重
量%、エチルベンゼン3.9重量%及びミネラルオイル
2.41重量%からなる混合液を送液し、温度140
℃、攪拌速度45rpmの条件にて転化率17%まで重
合させた。続いて、得られた混合液を満液型重合槽に移
送しそこで転化率71%まで重合させ、次いで内容物を
240℃の脱気槽に移送しそこで揮発成分を除去し、次
いで得られた重合物を溶融押し出し機及びペレタイザー
に通し、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂を得た。
【0022】また、用いた(B)成分はそれぞれ次のと
おりである。B1:エチレン−メチルメタクリレート共
重合体(住友化学工業製、商品名アクリフトWM40
3、メチルメタクリレート含量38重量%、メルトフロ
ーレート15g/10分)、B4:ポリプロピレン(住
友化学工業製、商品名ノーブレンAD571、メルトフ
ローレート0.2g/10分)、B5:ポリエチレン
(住友化学工業製、商品名スミカセンα FZ103−
0、メルトフローレート0.9g/10分)、B6:ス
チレン−メチルメタクリレート共重合体(新日鐵化学工
業製、商品名エスチレンMS200、メチルメタクリレ
ート含量20重量%、メルトフローレート0.2g/1
0分)、B7:エチレン−メチルメタクリレート共重合
体(住友化学工業製、商品名アクリフトWK402、メ
チルメタクリレート含量25重量%、メルトフローレー
ト20g/10分)メルトフローレートはJIS K7
210に従い、温度190℃、荷重2.16kgfで測
定した。また、これらの(B)成分の溶解性パラメータ
(SP)を表5に示した。
【0023】結果から次のことがわかる。本発明の実施
例の組成物による成形品は、衝撃強度および耐油性に優
れる。一方、(B)成分の量が少ない比較例1、5〜7
のものは、耐油性と衝撃強度に劣る。SPが規定範囲外
のポリマーを(B)成分として含む比較例2〜4のもの
は、衝撃強度に劣る。(B)成分を含有せず、(C)成
分を含有する比較例8のものは、成形加工性と耐油性に
劣る。
【0024】
【表1】 *1:(A)ゴム変性スチレン系樹脂 *2:(B)表5に示したポリマー
【0025】
【表2】 *1:(A)ゴム変性スチレン系樹脂 *2:(B)表5に示したポリマー
【0026】
【表3】 *1:(A)ゴム変性スチレン系樹脂 *2:(B)表5に示したポリマー *3:(C)スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体(C1:ブタジエン含量=60%、旭化成製、
商品名タフプレンA)
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 96:02 (56)参考文献 特開 平3−220255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/04 B29C 45/00 B29C 47/00 C08L 23/08 B29K 96:02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)成分100重量部に対して、
    (B)成分を10重量部より多く250重量部以下含有
    するゴム変性スチレン系樹脂組成物。 (A):軟質成分粒子を5〜35重量%含有し、該軟質
    成分粒子の平均粒子径が0.1〜2.5μmであり、該
    軟質成分粒子の膨潤度が3〜30であるゴム変性スチレ
    ン系樹脂 (B):エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチ
    レン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチ
    ルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重
    合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンと2
    種類以上の異なる不飽和カルボン酸エステルとから成る
    共重合体から選択される1種類のポリマーであり、溶解
    性パラメータ(SP)が8.45〜8.70であり、か
    つポリマー中に芳香族ビニル化合物単位を含有しないポ
    リマー
  2. 【請求項2】(B)成分がエチレン−メチルメタクリレ
    ート共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(B)成分がエチレンと2種類以上の異な
    る不飽和カルボン酸エステルとから成る共重合体である
    請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1、請求項2又は請求項3記載のゴ
    ム変性スチレン樹脂組成物を用いた射出成形品。
  5. 【請求項5】請求項1、請求項2又は請求項3記載のゴ
    ム変性スチレン樹脂組成物を用いた押し出し成形品。
  6. 【請求項6】請求項1、請求項2又は請求項3記載のゴ
    ム変性スチレン樹脂組成物を用いた発泡成形品。
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