JPH08151439A - 乳酸系共重合ポリエステルの製造方法及び樹脂組成物 - Google Patents
乳酸系共重合ポリエステルの製造方法及び樹脂組成物Info
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- JPH08151439A JPH08151439A JP29457794A JP29457794A JPH08151439A JP H08151439 A JPH08151439 A JP H08151439A JP 29457794 A JP29457794 A JP 29457794A JP 29457794 A JP29457794 A JP 29457794A JP H08151439 A JPH08151439 A JP H08151439A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ラクタイドとポリエステルとの共重合反応に
よって、乳酸系共重合ポリエステルを製造する際に、沸
点140℃以上の常温で液状の流動パラフィン又は飽和
炭化水素を共存せしめて重合反応を行うことを特徴とす
る乳酸系共重合ポリエステルの製造方法、及び乳酸系共
重合ポリエステルに対して、沸点140℃以上の常温で
液状の流動パラフィン又は飽和炭化水素を、重量比0.
0001〜0.3の範囲で含有する乳酸系共重合ポリエ
ステル系樹脂組成物。 【効果】 本発明は乳酸系共重合ポリエステルの製造に
際して、反応系の粘度を下げて攪拌動力を削減し、高分
子量の乳酸系共重合ポリエステルを効率よく得るととも
に、該乳酸系共重合ポリエステルの特性を損なわずに、
乾燥時や成型時におけるブロッキングを改善し、ホッパ
ー内での滑化作用を付与し、射出成型、ダイレクトブロ
ー成型、押し出し成型、ブロー成型等での離型性、巻き
取りロールへの付着防止等の特性を付与した乳酸系共重
合ポリエステル系樹脂組成物を提供できる。
よって、乳酸系共重合ポリエステルを製造する際に、沸
点140℃以上の常温で液状の流動パラフィン又は飽和
炭化水素を共存せしめて重合反応を行うことを特徴とす
る乳酸系共重合ポリエステルの製造方法、及び乳酸系共
重合ポリエステルに対して、沸点140℃以上の常温で
液状の流動パラフィン又は飽和炭化水素を、重量比0.
0001〜0.3の範囲で含有する乳酸系共重合ポリエ
ステル系樹脂組成物。 【効果】 本発明は乳酸系共重合ポリエステルの製造に
際して、反応系の粘度を下げて攪拌動力を削減し、高分
子量の乳酸系共重合ポリエステルを効率よく得るととも
に、該乳酸系共重合ポリエステルの特性を損なわずに、
乾燥時や成型時におけるブロッキングを改善し、ホッパ
ー内での滑化作用を付与し、射出成型、ダイレクトブロ
ー成型、押し出し成型、ブロー成型等での離型性、巻き
取りロールへの付着防止等の特性を付与した乳酸系共重
合ポリエステル系樹脂組成物を提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳酸系共重合ポリエステ
ルの製造の際に反応に関与しない成分を加えて反応系の
粘度を下げ、攪拌動力を低減させ、収率良く生成物を得
ると共に、得られた乳酸系共重合ポリエステルに優れた
物性を付与せしめる、優れた乳酸系共重合ポリエステル
の製造方法、及び該反応に関与しない成分を含む乳酸系
共重合ポリエステル系樹脂組成物に関するものである。
ルの製造の際に反応に関与しない成分を加えて反応系の
粘度を下げ、攪拌動力を低減させ、収率良く生成物を得
ると共に、得られた乳酸系共重合ポリエステルに優れた
物性を付与せしめる、優れた乳酸系共重合ポリエステル
の製造方法、及び該反応に関与しない成分を含む乳酸系
共重合ポリエステル系樹脂組成物に関するものである。
【0002】即ち、反応に関与しない該成分は製造後に
取り出さなくとも乳酸系共重合ポリエステルの透明性、
耐熱性を損なわずに、添加剤や可塑剤となり成型加工時
のポリエステルの安定性の向上、可塑性の向上に働くも
のである。特に成型時の離型性、ペレットの滑性、耐ブ
ロッキング性を改善できる。
取り出さなくとも乳酸系共重合ポリエステルの透明性、
耐熱性を損なわずに、添加剤や可塑剤となり成型加工時
のポリエステルの安定性の向上、可塑性の向上に働くも
のである。特に成型時の離型性、ペレットの滑性、耐ブ
ロッキング性を改善できる。
【0003】
【従来の技術】従来、ラクタイド、グリコライドを開環
重合させて乳酸系ポリエステル又はグリコライド系ポリ
エステルを製造する方法は、重合の進行と共にモノマー
が減少し極めて粘度が高くなり攪拌が困難となる。しか
し反応系の粘度を下げる目的で重合温度を上昇させる
と、着色等の問題を起こすことが知られている。
重合させて乳酸系ポリエステル又はグリコライド系ポリ
エステルを製造する方法は、重合の進行と共にモノマー
が減少し極めて粘度が高くなり攪拌が困難となる。しか
し反応系の粘度を下げる目的で重合温度を上昇させる
と、着色等の問題を起こすことが知られている。
【0004】さらに、乳酸系ポリエステルは硬質な性質
を持ち、特にポリ−L−乳酸に代表される結晶性を有す
るポリエステルは、硬く成型加工性が悪いうえ、成型温
度とポリマーの分解温度が近く、成型可能な温度範囲が
狭い。このため、可塑剤を添加し、成型加工性の改善、
並びに、柔軟な風合いを持つ乳酸系ポリエステルの製造
が検討されていた。
を持ち、特にポリ−L−乳酸に代表される結晶性を有す
るポリエステルは、硬く成型加工性が悪いうえ、成型温
度とポリマーの分解温度が近く、成型可能な温度範囲が
狭い。このため、可塑剤を添加し、成型加工性の改善、
並びに、柔軟な風合いを持つ乳酸系ポリエステルの製造
が検討されていた。
【0005】特開昭62−64823号公報にはポリグ
リコライドまたはポリラクタイドの製造時に流動パラフ
ィンを添加する製造方法が記載されている。この特許中
ではグリコール酸や乳酸を脱水縮合しポリマーを得てい
る。この際、重合の進行に従って粘度が高くなり脱水効
率は低くなる。
リコライドまたはポリラクタイドの製造時に流動パラフ
ィンを添加する製造方法が記載されている。この特許中
ではグリコール酸や乳酸を脱水縮合しポリマーを得てい
る。この際、重合の進行に従って粘度が高くなり脱水効
率は低くなる。
【0006】そこで流動パラフィンを添加し重合時の粘
度を下げ、さらに、縮合後に流動パラフィンを可塑剤と
してポリマー中に残留させ使用する。しかし、この方法
によって得られるポリグリコール酸、ポリラクタイドの
分子量は低く、実用上に必要と考えられる分子量である
10万に到達することはない欠点を有する。
度を下げ、さらに、縮合後に流動パラフィンを可塑剤と
してポリマー中に残留させ使用する。しかし、この方法
によって得られるポリグリコール酸、ポリラクタイドの
分子量は低く、実用上に必要と考えられる分子量である
10万に到達することはない欠点を有する。
【0007】ラクタイドを原料とした高分子量のポリラ
クタイドを得るための重合で、重合系の粘度を下げるた
めに添加する溶剤については、特表平4−504731
にベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ア
ニソール、エチレングリコールジエチルエステル、エチ
レングリコールジメチルエステル、ヘキサン、ヘプタ
ン、シクロヘキサン、アルキルシクロヘキサン、デカヒ
ドロナフタレンが開示されている。
クタイドを得るための重合で、重合系の粘度を下げるた
めに添加する溶剤については、特表平4−504731
にベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ア
ニソール、エチレングリコールジエチルエステル、エチ
レングリコールジメチルエステル、ヘキサン、ヘプタ
ン、シクロヘキサン、アルキルシクロヘキサン、デカヒ
ドロナフタレンが開示されている。
【0008】しかしながら、これらは重合後の製品に残
留した場合は、臭気や、場合によっては毒性の原因とも
なる。このため、重合後に溶剤を取り除く必要があっ
た。また、重合後に溶剤を除去してペレット化する際に
は、高粘度化しハンドリングが困難となる不便さがあ
る。
留した場合は、臭気や、場合によっては毒性の原因とも
なる。このため、重合後に溶剤を取り除く必要があっ
た。また、重合後に溶剤を除去してペレット化する際に
は、高粘度化しハンドリングが困難となる不便さがあ
る。
【0009】ポリグリコール酸、ポリ乳酸は高い強度を
有するが、柔軟性に乏しく、フィルム等に加工した場合
は、曲げ等の応力によってクレージングが発生し易く、
フィルム、シート等への使用には適していなかった。そ
こで一般的に、可塑剤を添加することによって柔軟性を
もたせる試みが行われて来た。
有するが、柔軟性に乏しく、フィルム等に加工した場合
は、曲げ等の応力によってクレージングが発生し易く、
フィルム、シート等への使用には適していなかった。そ
こで一般的に、可塑剤を添加することによって柔軟性を
もたせる試みが行われて来た。
【0010】例えば、特開平4−335060公報に
は、ポリラクタイドに可塑剤を添加した例、具体的には
アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジオクチルが例示
されている。乳酸系ポリエステルに可塑剤を添加した場
合、ポリラクタイドの持つ、他の物質との相溶性の悪さ
からブリードが発生し易い。
は、ポリラクタイドに可塑剤を添加した例、具体的には
アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジオクチルが例示
されている。乳酸系ポリエステルに可塑剤を添加した場
合、ポリラクタイドの持つ、他の物質との相溶性の悪さ
からブリードが発生し易い。
【0011】また、相溶して柔軟になっても、軟化温度
が下がり、ペレットやこれを加工したシートがブロッキ
ングを起こしたり、ストック時の安定性が悪くなる傾向
がある。特開平4−249527号公報にはポリラクタ
イドにステアリン酸の金属塩を添加し成型性を高める製
造方法が記載されている。この特許中ではポリラクタイ
ドにステアリン酸の金属塩を添加しているが、この際、
ポリラクタイドの成型時に金属塩の触媒作用によって、
ポリマーの加水分解、熱分解が進行する。
が下がり、ペレットやこれを加工したシートがブロッキ
ングを起こしたり、ストック時の安定性が悪くなる傾向
がある。特開平4−249527号公報にはポリラクタ
イドにステアリン酸の金属塩を添加し成型性を高める製
造方法が記載されている。この特許中ではポリラクタイ
ドにステアリン酸の金属塩を添加しているが、この際、
ポリラクタイドの成型時に金属塩の触媒作用によって、
ポリマーの加水分解、熱分解が進行する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、反応に関与しない成分を反応系に添加する
ことにより反応系の粘度を下げて攪拌効率を向上させ、
効率よい製造を可能ならしめるとともに、製造後該成分
を除去しなくとも製品の透明性、耐熱性を損なわずに、
成型時の離型性、ペレットの滑性、耐ブロッキング性を
改善できる、優れた乳酸系共重合ポリエステルの製造方
法及び樹脂組成物を提供することにある。
する課題は、反応に関与しない成分を反応系に添加する
ことにより反応系の粘度を下げて攪拌効率を向上させ、
効率よい製造を可能ならしめるとともに、製造後該成分
を除去しなくとも製品の透明性、耐熱性を損なわずに、
成型時の離型性、ペレットの滑性、耐ブロッキング性を
改善できる、優れた乳酸系共重合ポリエステルの製造方
法及び樹脂組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、乳酸系共
重合ポリエステルを製造する際に、流動パラフィン、ま
たは常温で液状の飽和炭化水素を共存せしめて重合反応
を行うことにより、反応系の粘度を低減し、高分子量の
乳酸系共重合ポリエステルを効率よく得ることが出来る
こと、かつ得られた乳酸系共重合ポリエステルのペレッ
トの乾燥時や成型時におけるブロッキングを防ぎ、成型
時の滑りを改善し、成型機のホッパー中の滑化作用を付
与でき、射出成型、ダイレクトブロー成型での成型金
型、および押し出し成型、ブロー成型での巻き取りロー
ル等への付着等を防止できる離型性等の好ましい特性が
付与されることを見いだして、本発明を完成するに至っ
た。
重合ポリエステルを製造する際に、流動パラフィン、ま
たは常温で液状の飽和炭化水素を共存せしめて重合反応
を行うことにより、反応系の粘度を低減し、高分子量の
乳酸系共重合ポリエステルを効率よく得ることが出来る
こと、かつ得られた乳酸系共重合ポリエステルのペレッ
トの乾燥時や成型時におけるブロッキングを防ぎ、成型
時の滑りを改善し、成型機のホッパー中の滑化作用を付
与でき、射出成型、ダイレクトブロー成型での成型金
型、および押し出し成型、ブロー成型での巻き取りロー
ル等への付着等を防止できる離型性等の好ましい特性が
付与されることを見いだして、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】即ち、本発明は、ラクタイドとポリエステ
ルとの共重合反応によって、乳酸系共重合ポリエステル
を製造する際に、沸点140℃以上の常温で液状の流動
パラフィン又は飽和炭化水素を共存せしめて重合反応を
行うことを特徴とする乳酸系共重合ポリエステルの製造
方法である。
ルとの共重合反応によって、乳酸系共重合ポリエステル
を製造する際に、沸点140℃以上の常温で液状の流動
パラフィン又は飽和炭化水素を共存せしめて重合反応を
行うことを特徴とする乳酸系共重合ポリエステルの製造
方法である。
【0015】更に本発明は、ラクタイドとポリエステル
との共重合反応によって、乳酸系共重合ポリエステルを
製造する際に、共存せしめる沸点140℃以上の常温で
液状の流動パラフィン又は飽和炭化水素の数平均分子量
が100〜4000であることを特徴とする乳酸系共重
合ポリエステルの製造方法である。
との共重合反応によって、乳酸系共重合ポリエステルを
製造する際に、共存せしめる沸点140℃以上の常温で
液状の流動パラフィン又は飽和炭化水素の数平均分子量
が100〜4000であることを特徴とする乳酸系共重
合ポリエステルの製造方法である。
【0016】また本発明は、沸点140℃以上の常温で
液状の流動パラフィン又は飽和炭化水素を、原料ラクタ
イドおよびポリエステルの総計に対し、重量比で0.0
1〜0.3部共存せしめることを特徴とする乳酸系共重
合ポリエステルの製造方法であり、
液状の流動パラフィン又は飽和炭化水素を、原料ラクタ
イドおよびポリエステルの総計に対し、重量比で0.0
1〜0.3部共存せしめることを特徴とする乳酸系共重
合ポリエステルの製造方法であり、
【0017】また該乳酸系共重合ポリエステルが、芳香
族ポリエステルとラクタイドの共重合ポリエステルであ
ることを特徴とする乳酸系共重合ポリエステルの製造方
法、または乳酸系共重合ポリエステルが、脂肪族ポリエ
ステルとラクタイドの共重合ポリエステルであることを
特徴とする乳酸系共重合ポリエステルの製造方法であ
る。
族ポリエステルとラクタイドの共重合ポリエステルであ
ることを特徴とする乳酸系共重合ポリエステルの製造方
法、または乳酸系共重合ポリエステルが、脂肪族ポリエ
ステルとラクタイドの共重合ポリエステルであることを
特徴とする乳酸系共重合ポリエステルの製造方法であ
る。
【0018】また本発明は、乳酸系共重合ポリエステル
に対して、沸点140℃以上の常温で液状の流動パラフ
ィン又は飽和炭化水素を重量比0.0001〜0.3の
範囲で含有することを特徴とする乳酸系共重合ポリエス
テル系樹脂組成物である。
に対して、沸点140℃以上の常温で液状の流動パラフ
ィン又は飽和炭化水素を重量比0.0001〜0.3の
範囲で含有することを特徴とする乳酸系共重合ポリエス
テル系樹脂組成物である。
【0019】更に本発明は、該乳酸系共重合ポリエステ
ルが、芳香族ポリエステルとラクタイドの共重合ポリエ
ステルであることを特徴とする乳酸系共重合ポリエステ
ル系樹脂組成物、及び該乳酸系共重合ポリエステルが、
脂肪族ポリエステルとラクタイドの共重合ポリエステル
であることを特徴とする乳酸系共重合ポリエステル系樹
脂組成物を含むものである。
ルが、芳香族ポリエステルとラクタイドの共重合ポリエ
ステルであることを特徴とする乳酸系共重合ポリエステ
ル系樹脂組成物、及び該乳酸系共重合ポリエステルが、
脂肪族ポリエステルとラクタイドの共重合ポリエステル
であることを特徴とする乳酸系共重合ポリエステル系樹
脂組成物を含むものである。
【0020】次に本発明を詳細に説明する。本発明で言
う乳酸系共重合ポリエステルとは、ラクタイド、もしく
は、ラクタイドとポリエステルの共重合により得られる
ポリエステルを言う。ここで言うラクタイドとは、乳酸
二分子が分子間で脱水環状エステル化したものである。
乳酸には立体異性体が存在するため、ラクタイドも立体
異性体をもったモノマーが存在し、2つのL−乳酸から
なるL−ラクタイド、D−乳酸からなるD−ラクタイ
ド、L−乳酸とD−乳酸からなるMESO−ラクタイド
が存在する。
う乳酸系共重合ポリエステルとは、ラクタイド、もしく
は、ラクタイドとポリエステルの共重合により得られる
ポリエステルを言う。ここで言うラクタイドとは、乳酸
二分子が分子間で脱水環状エステル化したものである。
乳酸には立体異性体が存在するため、ラクタイドも立体
異性体をもったモノマーが存在し、2つのL−乳酸から
なるL−ラクタイド、D−乳酸からなるD−ラクタイ
ド、L−乳酸とD−乳酸からなるMESO−ラクタイド
が存在する。
【0021】L−ラクタイド、またはD−ラクタイドの
みを含む共重合体は結晶化し、高融点が得られる。本発
明に用いる乳酸系共重合ポリエステルには、これら3種
のラクタイドはいずれも、または任意に組み合わせて使
用することができる。得られる乳酸系共重合ポリエステ
ルが高い耐熱性を発現するためは、ラクタイドはL−ラ
クタイドを総ラクタイド中75%以上含むものが好まし
く、更に好ましくは90%以上である。
みを含む共重合体は結晶化し、高融点が得られる。本発
明に用いる乳酸系共重合ポリエステルには、これら3種
のラクタイドはいずれも、または任意に組み合わせて使
用することができる。得られる乳酸系共重合ポリエステ
ルが高い耐熱性を発現するためは、ラクタイドはL−ラ
クタイドを総ラクタイド中75%以上含むものが好まし
く、更に好ましくは90%以上である。
【0022】本発明のラクタイドと共重合させるポリエ
ステルは、多くの種類が存在し、用いるポリエステルの
特性、ラクタイドと共重合させる量を変えることによっ
て、得られる乳酸系共重合ポリエステルは硬質なものか
ら軟質なものまで多種多様なものを実現できる。また柔
軟な共重合体を得る目的では、ポリエステルの他にポリ
アルキルエーテルを使用することも好ましい。
ステルは、多くの種類が存在し、用いるポリエステルの
特性、ラクタイドと共重合させる量を変えることによっ
て、得られる乳酸系共重合ポリエステルは硬質なものか
ら軟質なものまで多種多様なものを実現できる。また柔
軟な共重合体を得る目的では、ポリエステルの他にポリ
アルキルエーテルを使用することも好ましい。
【0023】本発明にはポリエステルおよび、またはポ
リエーテルの1種以上またはこれらの混合物を特に制限
なく用いることができるが、用いるポリマーの分子量の
比較的大きなもの、具体的には重量平均分子量10,0
00〜300,000、さらに好ましくは重量平均分子
量20,000〜200,000を有し、融点または軟
化点が180℃以下であるものが好ましい。
リエーテルの1種以上またはこれらの混合物を特に制限
なく用いることができるが、用いるポリマーの分子量の
比較的大きなもの、具体的には重量平均分子量10,0
00〜300,000、さらに好ましくは重量平均分子
量20,000〜200,000を有し、融点または軟
化点が180℃以下であるものが好ましい。
【0024】高分子量のポリエステルとしては、ジカル
ボン酸成分とジオール成分のモル分率が、ほぼ1である
ことが好ましい。ポリエステル中のジカルボン酸成分と
しては、特に限定されないが、具体的にはコハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。なかでも炭
素原子数4〜14の脂肪族ジカルボン酸成分が好まし
い。
ボン酸成分とジオール成分のモル分率が、ほぼ1である
ことが好ましい。ポリエステル中のジカルボン酸成分と
しては、特に限定されないが、具体的にはコハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。なかでも炭
素原子数4〜14の脂肪族ジカルボン酸成分が好まし
い。
【0025】この他にダイマー酸等も使用することが出
来る。芳香族系ジカルボン酸成分としては、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、無水フタル酸等が挙げられる。これらのジカルボン
酸類とアルコール、およびジオールとのエステル類も原
料として使用し得る。
来る。芳香族系ジカルボン酸成分としては、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、無水フタル酸等が挙げられる。これらのジカルボン
酸類とアルコール、およびジオールとのエステル類も原
料として使用し得る。
【0026】ポリエステル中のジオール成分に関して
は、ジオールであれば特に種類を問わないが、なかでも
炭素数が2〜10のジオールが好ましく、具体的にはエ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレ
ングリコール、ペンタンジオール、ヘキサメチレングリ
コール、
は、ジオールであれば特に種類を問わないが、なかでも
炭素数が2〜10のジオールが好ましく、具体的にはエ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレ
ングリコール、ペンタンジオール、ヘキサメチレングリ
コール、
【0027】オクタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ジブタンジオール、3−ヒド
ロキシピバリルピバレート等、および、水添ビスフェノ
ールAが挙げられる。
ル、シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ジブタンジオール、3−ヒド
ロキシピバリルピバレート等、および、水添ビスフェノ
ールAが挙げられる。
【0028】本発明ではポリエーテルを使用することも
可能で、本発明で使用するポリエーテルとしては、特に
その構造は問わないが、重量平均分子量で1000〜5
00000である。ポリエーテル中のジオール成分に関
しては、ジオールであれば特に種類を問わないが、なか
でも炭素数が2〜10のジオールが好ましく、具体的に
はエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、
可能で、本発明で使用するポリエーテルとしては、特に
その構造は問わないが、重量平均分子量で1000〜5
00000である。ポリエーテル中のジオール成分に関
しては、ジオールであれば特に種類を問わないが、なか
でも炭素数が2〜10のジオールが好ましく、具体的に
はエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、
【0029】1,4−ブチレングリコール、ペンタンジ
オール、ヘキサメチレングリコール、オクタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、キシレングリコールが挙げられる。これらの単独
の成分からなるもの、または複数の成分からなるものの
いずれでも使用できる。
オール、ヘキサメチレングリコール、オクタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、キシレングリコールが挙げられる。これらの単独
の成分からなるもの、または複数の成分からなるものの
いずれでも使用できる。
【0030】高分子量のポリエーテルの原料としてはエ
ポキシの開環重合体がある。具体的にはエチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シ
クロヘキシルオキサイド、メチルシクロヘキシルオキサ
イドが挙げられる。これらの単独の成分からなるもの、
または複数の成分からなるもののいずれでも使用でき
る。
ポキシの開環重合体がある。具体的にはエチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シ
クロヘキシルオキサイド、メチルシクロヘキシルオキサ
イドが挙げられる。これらの単独の成分からなるもの、
または複数の成分からなるもののいずれでも使用でき
る。
【0031】またポリエステルとポリエーテルを合成後
に架橋反応によって更に高分子量化したものでも良い。
また、ポリエステルおよびポリエーテルは必ずしも直鎖
状である必要はなく、3官能性以上のモノマーを含んで
も良い。ポリエステルの場合は縮重合時に添加してもよ
く、また、ポリエステルを合成後に架橋反応によって分
岐、高分子量化しても良い。
に架橋反応によって更に高分子量化したものでも良い。
また、ポリエステルおよびポリエーテルは必ずしも直鎖
状である必要はなく、3官能性以上のモノマーを含んで
も良い。ポリエステルの場合は縮重合時に添加してもよ
く、また、ポリエステルを合成後に架橋反応によって分
岐、高分子量化しても良い。
【0032】加える架橋剤としての3官能性以上のモノ
マーの例としては、多官能性イソシアネート、酸無水
物、多価アルコール、多価カルボン酸、多価エポキサイ
ド、多価カルボン酸多価オール等が挙げられる。具体的
には、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニルジイ
ソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピ
ロメリット酸、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、リンゴ酸等が挙げられる。
マーの例としては、多官能性イソシアネート、酸無水
物、多価アルコール、多価カルボン酸、多価エポキサイ
ド、多価カルボン酸多価オール等が挙げられる。具体的
には、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニルジイ
ソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピ
ロメリット酸、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、リンゴ酸等が挙げられる。
【0033】ポリエステルとラクタイドの割合について
は、ラクタイドとポリエステル及び/又はポリエーテル
の合計100重量部に対して、ラクタイドが25〜98
重量部であり、より柔軟な樹脂を得る為には、25〜8
5重量部である。また硬質な樹脂を得る為には、ラクタ
イドとポリエステルの合計100重量部に対してラクタ
イドが60〜98重量部である。
は、ラクタイドとポリエステル及び/又はポリエーテル
の合計100重量部に対して、ラクタイドが25〜98
重量部であり、より柔軟な樹脂を得る為には、25〜8
5重量部である。また硬質な樹脂を得る為には、ラクタ
イドとポリエステルの合計100重量部に対してラクタ
イドが60〜98重量部である。
【0034】ポリエステルとラクタイドの重合反応には
開環重合触媒を使用することが望ましく、本発明で使用
する開環重合触媒としては、一般に環状エステル類の開
環重合触媒、エステル交換触媒としても知られる、錫、
亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニ
ウム等の金属およびその誘導体が挙げられ、誘導体につ
いては特に金属有機化合物、炭酸塩、酸化物、ハロゲン
化物が好ましい。
開環重合触媒を使用することが望ましく、本発明で使用
する開環重合触媒としては、一般に環状エステル類の開
環重合触媒、エステル交換触媒としても知られる、錫、
亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニ
ウム等の金属およびその誘導体が挙げられ、誘導体につ
いては特に金属有機化合物、炭酸塩、酸化物、ハロゲン
化物が好ましい。
【0035】具体的には、オクタン酸錫、塩化錫、塩化
亜鉛、酢酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、アルコ
キシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムが適
している。開環重合触媒の量は、ラクタイドとポリエス
テル及び/又はポリエーテルの合計に対して10〜2,
000ppmが好ましく、更に好ましくは20〜1,0
00ppmである。
亜鉛、酢酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、アルコ
キシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムが適
している。開環重合触媒の量は、ラクタイドとポリエス
テル及び/又はポリエーテルの合計に対して10〜2,
000ppmが好ましく、更に好ましくは20〜1,0
00ppmである。
【0036】更に本発明の乳酸系共重合ポリエステルの
他に、本発明の技術が応用可能な化合物としてはグリコ
ール酸の二分子間環状エステルであるグリコライド、ジ
エチルグリコライド、メチルグリコライド、α,α−ジ
メチルグリコライド、トリメチルグリコライド、テトラ
メチルグリコライド等のヒドロキシカルボン酸類の二分
子間環状エステルを用いたポリマーが挙げられる。本発
明の乳酸系共重合ポリエステルは、押出成形、射出成
形、インフレーション成形、積層成形、プレス成形等の
方法により成形加工を行うことが出来る。
他に、本発明の技術が応用可能な化合物としてはグリコ
ール酸の二分子間環状エステルであるグリコライド、ジ
エチルグリコライド、メチルグリコライド、α,α−ジ
メチルグリコライド、トリメチルグリコライド、テトラ
メチルグリコライド等のヒドロキシカルボン酸類の二分
子間環状エステルを用いたポリマーが挙げられる。本発
明の乳酸系共重合ポリエステルは、押出成形、射出成
形、インフレーション成形、積層成形、プレス成形等の
方法により成形加工を行うことが出来る。
【0037】本発明に用いられる沸点140℃以上の常
温で液状の流動パラフィン又は飽和炭化水素は、潤滑油
留分に属する高純度の飽和炭化水素混合物であり、比重
0.8g/ml以上のものである。アルキルナフテン系
の炭化水素が混合されることもある。また、これらの流
動パラフィン又は飽和炭化水素は、25℃での粘度が1
0ポイズ以下のものである。更に、得られた乳酸系共重
合ポリエステルを食品用等に使用する場合には、芳香族
成分が少ない流動パラフィンを用いることが好ましい。
温で液状の流動パラフィン又は飽和炭化水素は、潤滑油
留分に属する高純度の飽和炭化水素混合物であり、比重
0.8g/ml以上のものである。アルキルナフテン系
の炭化水素が混合されることもある。また、これらの流
動パラフィン又は飽和炭化水素は、25℃での粘度が1
0ポイズ以下のものである。更に、得られた乳酸系共重
合ポリエステルを食品用等に使用する場合には、芳香族
成分が少ない流動パラフィンを用いることが好ましい。
【0038】医薬品、食品、香粧品等に使用する場合に
は、それらに使用できる流動パラフィンを用いることが
好ましく、具体的には出光株式会社製のダフニーオイル
CP等が挙げられる。他の流動パラフィンとしては、プ
ロセスオイル、トランスオイル、スピンドルオイルも使
用可能である。
は、それらに使用できる流動パラフィンを用いることが
好ましく、具体的には出光株式会社製のダフニーオイル
CP等が挙げられる。他の流動パラフィンとしては、プ
ロセスオイル、トランスオイル、スピンドルオイルも使
用可能である。
【0039】常温で液状の飽和炭化水素については、反
応系内で液状であれば本発明の目的の一部である反応系
の粘度を低減して攪拌効率を改善せしめることはできる
が、反応系内に添加する炭化水素類の融点が常温(室
温)より高いものであると、重合反応終了後に得られる
乳酸系共重合ポリエステルペレット中で該添加物が固化
し、乳酸系共重合ポリエステルの透明性が損なわれ、ま
た可塑剤としての効果が十分でない。
応系内で液状であれば本発明の目的の一部である反応系
の粘度を低減して攪拌効率を改善せしめることはできる
が、反応系内に添加する炭化水素類の融点が常温(室
温)より高いものであると、重合反応終了後に得られる
乳酸系共重合ポリエステルペレット中で該添加物が固化
し、乳酸系共重合ポリエステルの透明性が損なわれ、ま
た可塑剤としての効果が十分でない。
【0040】また常温で液状の飽和炭化水素の1例とし
て、一般式1で示す化合物が挙げられる。 (一般式1) −(CH2 −CH2 )n −(CH2 −CHR)n − (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表わす。)
て、一般式1で示す化合物が挙げられる。 (一般式1) −(CH2 −CH2 )n −(CH2 −CHR)n − (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表わす。)
【0041】これらの化合物は、エチレンとα−オレフ
ィンの共重合体に代表され得る物であり、分子量は数平
均分子量で100〜4000、好ましくは150〜10
00で、沸点は極めて高い液状飽和炭化水素、またはそ
の混合物である。具体的には三井石油化学株式会社製の
ルーカント等が挙げられる。さらに、液状エチレンオリ
ゴマー、液状プロピレンオリゴマー、液状エチレンプロ
ピレン共重合体も使用可能である。
ィンの共重合体に代表され得る物であり、分子量は数平
均分子量で100〜4000、好ましくは150〜10
00で、沸点は極めて高い液状飽和炭化水素、またはそ
の混合物である。具体的には三井石油化学株式会社製の
ルーカント等が挙げられる。さらに、液状エチレンオリ
ゴマー、液状プロピレンオリゴマー、液状エチレンプロ
ピレン共重合体も使用可能である。
【0042】これらの流動パラフィン又は飽和炭化水素
は、ラクタイドやポリエステルとは反応せず、得られる
乳酸系共重合ポリエステルの透明性、耐熱性を損なわず
に、離型剤、内部潤滑剤、押し出し助剤、ブロッキング
防止剤、相溶化剤として働き、生成した乳酸系共重合ポ
リエステルの加工を容易にする。
は、ラクタイドやポリエステルとは反応せず、得られる
乳酸系共重合ポリエステルの透明性、耐熱性を損なわず
に、離型剤、内部潤滑剤、押し出し助剤、ブロッキング
防止剤、相溶化剤として働き、生成した乳酸系共重合ポ
リエステルの加工を容易にする。
【0043】これら流動パラフィン又は飽和炭化水素を
乳酸系共重合ポリエステル重合時に添加することも可能
であるが、外部潤滑剤のように製造されたペレット及
び、押し出したシート等にまぶす、塗る等して添加する
ことも可能である。
乳酸系共重合ポリエステル重合時に添加することも可能
であるが、外部潤滑剤のように製造されたペレット及
び、押し出したシート等にまぶす、塗る等して添加する
ことも可能である。
【0044】次に、製造方法を順に説明する。ラクタイ
ドと必要に応じポリエステルおよびポリエーテル、また
はこれらの混合物を加温溶融させ、または溶剤によって
混合後、開環重合触媒を添加する。この際に流動パラフ
ィン又は飽和炭化水素を共存させる方法としては、あら
かじめ流動パラフィン又は飽和炭化水素を、各々、ラク
タイドに混合する方法、ポリエステルおよびポリエーテ
ルに混合する方法、ラクタイドとポリエステルおよびポ
リエーテルの混合物に混合する方法がある。
ドと必要に応じポリエステルおよびポリエーテル、また
はこれらの混合物を加温溶融させ、または溶剤によって
混合後、開環重合触媒を添加する。この際に流動パラフ
ィン又は飽和炭化水素を共存させる方法としては、あら
かじめ流動パラフィン又は飽和炭化水素を、各々、ラク
タイドに混合する方法、ポリエステルおよびポリエーテ
ルに混合する方法、ラクタイドとポリエステルおよびポ
リエーテルの混合物に混合する方法がある。
【0045】反応温度はラクタイドの融点以上である
と、反応系を均質にでき、速い重合速度が得られて望ま
しい。無溶媒系での反応温度は、ラクタイドの融点以
上、かつ180℃以下の温度が反応の平衡上望ましく、
また熱分解性がある乳酸系共重合ポリエステルの着色を
防ぐことができる。ラクタイドの融点は100℃付近で
あり、100℃以上185℃以下の温度、更に好ましく
は、145〜180℃が反応の平衡上望ましく、分解反
応にともなう乳酸系共重合ポリエステルの分子量の低下
や着色を防ぐことができる。
と、反応系を均質にでき、速い重合速度が得られて望ま
しい。無溶媒系での反応温度は、ラクタイドの融点以
上、かつ180℃以下の温度が反応の平衡上望ましく、
また熱分解性がある乳酸系共重合ポリエステルの着色を
防ぐことができる。ラクタイドの融点は100℃付近で
あり、100℃以上185℃以下の温度、更に好ましく
は、145〜180℃が反応の平衡上望ましく、分解反
応にともなう乳酸系共重合ポリエステルの分子量の低下
や着色を防ぐことができる。
【0046】即ち、ラクタイドを溶融し、更に共重合に
使用するポリエステルを、このラクタイドに溶解させて
反応させることが好ましい。ラクタイドの分解、着色を
防ぐため、反応雰囲気は乾燥した不活性ガス、特に窒
素、アルゴンガス雰囲気、または不活性ガスバブリング
状態で反応を行うことが好ましい。また原料ラクタイド
はもとより、流動パラフィン又は飽和炭化水素、ポリエ
ステル、ポリエーテル、触媒、溶剤等は水分を除去し、
乾燥させておくことが好ましい。
使用するポリエステルを、このラクタイドに溶解させて
反応させることが好ましい。ラクタイドの分解、着色を
防ぐため、反応雰囲気は乾燥した不活性ガス、特に窒
素、アルゴンガス雰囲気、または不活性ガスバブリング
状態で反応を行うことが好ましい。また原料ラクタイド
はもとより、流動パラフィン又は飽和炭化水素、ポリエ
ステル、ポリエーテル、触媒、溶剤等は水分を除去し、
乾燥させておくことが好ましい。
【0047】また、ラクタイドは溶剤に溶解できるた
め、溶剤等を使用して反応できる。使用できる溶剤の例
として、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレ
ン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、イソプロ
ピルエーテルが挙げられる。
め、溶剤等を使用して反応できる。使用できる溶剤の例
として、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレ
ン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、イソプロ
ピルエーテルが挙げられる。
【0048】本発明の乳酸系共重合ポリエステルは、通
常の反応釜を使用し製造することも可能であるが、高分
子量化に伴い高粘度化がおこる為、通常の反応槽を使用
した重合反応では混合攪拌が妨げられ、局部加熱による
部分変質が起こり易く、連続製造方法の方が効率よい製
造が可能である。
常の反応釜を使用し製造することも可能であるが、高分
子量化に伴い高粘度化がおこる為、通常の反応槽を使用
した重合反応では混合攪拌が妨げられ、局部加熱による
部分変質が起こり易く、連続製造方法の方が効率よい製
造が可能である。
【0049】一般的に連続重合法はバッチ重合法と異な
り、収率の低下の原因となる反応器の器壁、攪拌翼への
ポリマーの付着を省け、同時に、反応槽の原料の仕込工
程、取り出し工程や洗い工程を省略でき、時間的にも高
い生産性を実現できる。
り、収率の低下の原因となる反応器の器壁、攪拌翼への
ポリマーの付着を省け、同時に、反応槽の原料の仕込工
程、取り出し工程や洗い工程を省略でき、時間的にも高
い生産性を実現できる。
【0050】2槽以上の直列に配置した攪拌式反応器を
用いた連続重合法では、複数の攪拌式反応器を直列的に
配置し、最初の反応器内である程度まで重合反応を進
め、次いで反応物を次の反応槽に移送してさらに反応を
進め、さらに必要に応じ、次々に他の反応槽に移送して
反応を進めることができる。
用いた連続重合法では、複数の攪拌式反応器を直列的に
配置し、最初の反応器内である程度まで重合反応を進
め、次いで反応物を次の反応槽に移送してさらに反応を
進め、さらに必要に応じ、次々に他の反応槽に移送して
反応を進めることができる。
【0051】この方法では原料が反応せずに流出する可
能性があり、これを防ぐためには反応槽をより多くする
ことが好ましい。しかしながら、徒に反応槽数を増加さ
せても、装置の複雑化を招き、操作性、経済性から好ま
しくなく、実用上、反応槽数は3〜5槽が好ましい。
能性があり、これを防ぐためには反応槽をより多くする
ことが好ましい。しかしながら、徒に反応槽数を増加さ
せても、装置の複雑化を招き、操作性、経済性から好ま
しくなく、実用上、反応槽数は3〜5槽が好ましい。
【0052】連続反応装置の例として挙げられる潜熱冷
却式の攪拌式反応槽は、通常、反応槽の上部にモノマー
および/または溶媒を捕捉するためのコンデンサーが設
置される。原料モノマーまたは溶剤の蒸発熱を使用して
反応温度を制御できる反応槽で、反応槽に原料を入れる
と反応槽上部に空間ができ、溶液上部の液面からの蒸散
による熱の発散によって冷却が可能となる反応槽であ
る。この為、温度コントロールが容易であり、反応温度
を高く設定でき、高い生産性を実現できる特徴を有す
る。モノマー、溶剤の蒸散を促進・抑制する目的で、減
圧、加圧下にすることができる。
却式の攪拌式反応槽は、通常、反応槽の上部にモノマー
および/または溶媒を捕捉するためのコンデンサーが設
置される。原料モノマーまたは溶剤の蒸発熱を使用して
反応温度を制御できる反応槽で、反応槽に原料を入れる
と反応槽上部に空間ができ、溶液上部の液面からの蒸散
による熱の発散によって冷却が可能となる反応槽であ
る。この為、温度コントロールが容易であり、反応温度
を高く設定でき、高い生産性を実現できる特徴を有す
る。モノマー、溶剤の蒸散を促進・抑制する目的で、減
圧、加圧下にすることができる。
【0053】また満液式の攪拌式反応槽は、多槽の反応
槽を直列に配置し単一の動力機を使用して多槽の反応器
を送液できる装置である。反応槽に原料を入れる際に1
機の動力機を用いればよく、また、密閉系で反応が可能
で外部大気に接触せずに原料仕込みから、反応、脱揮、
ポリマーのペレット化までを行なうことができる。これ
は従来のバッチ式反応装置による製造では得られない利
点であり、特に本発明に用いられる熱、酸素、水分によ
り分解する分解性ポリマーの製造に極めて適した連続重
合方法である。
槽を直列に配置し単一の動力機を使用して多槽の反応器
を送液できる装置である。反応槽に原料を入れる際に1
機の動力機を用いればよく、また、密閉系で反応が可能
で外部大気に接触せずに原料仕込みから、反応、脱揮、
ポリマーのペレット化までを行なうことができる。これ
は従来のバッチ式反応装置による製造では得られない利
点であり、特に本発明に用いられる熱、酸素、水分によ
り分解する分解性ポリマーの製造に極めて適した連続重
合方法である。
【0054】また、連続操作ではチューブ状反応装置、
多槽攪拌式反応装置が使用できる。一般に、樹脂粘度が
1万ポイズを越えるような高粘度領域では、重合熱はも
とより、攪拌剪断応力により発生する攪拌熱の発生が激
しく、動的攪拌ではその攪拌部に於ける局所的発熱が著
しくなる為、剪断応力が小さく、しかも均一に作用する
スタティック・ミキサーの使用が好ましい。
多槽攪拌式反応装置が使用できる。一般に、樹脂粘度が
1万ポイズを越えるような高粘度領域では、重合熱はも
とより、攪拌剪断応力により発生する攪拌熱の発生が激
しく、動的攪拌ではその攪拌部に於ける局所的発熱が著
しくなる為、剪断応力が小さく、しかも均一に作用する
スタティック・ミキサーの使用が好ましい。
【0055】重合後期に残留したラクタイド、溶剤およ
び臭気を持った物質を取り除く目的で減圧下に脱揮を行
うことが望ましい。この脱揮工程によって、残留ラクタ
イド量を減少することができ、得られた乳酸系共重合ポ
リエステルの保存安定性を著しく増すことが出来る。
び臭気を持った物質を取り除く目的で減圧下に脱揮を行
うことが望ましい。この脱揮工程によって、残留ラクタ
イド量を減少することができ、得られた乳酸系共重合ポ
リエステルの保存安定性を著しく増すことが出来る。
【0056】残留ラクタイドは、乳酸系共重合ポリエス
テルをシート状にした場合、水分の付着等による加水分
解や熱による融着の原因となり好ましくない。また製品
化したフィルム・シートから昇華により飛散する為、包
装商品の汚染を生じ好ましくない。この為、本発明の乳
酸系共重合ポリエステル中の残留ラクタイド量は、1重
量%以下にすることが望ましい。
テルをシート状にした場合、水分の付着等による加水分
解や熱による融着の原因となり好ましくない。また製品
化したフィルム・シートから昇華により飛散する為、包
装商品の汚染を生じ好ましくない。この為、本発明の乳
酸系共重合ポリエステル中の残留ラクタイド量は、1重
量%以下にすることが望ましい。
【0057】具体的な脱揮の方法としては、重合後に減
圧下、加熱しながら取り出しを行う方法が好ましい。乳
酸系共重合ポリエステルの分子量を低下させない為に、
脱揮条件は、脱揮時間は2〜30分、温度は145〜2
30℃、減圧度は0.1〜50Torrで行なうことが
好ましい。
圧下、加熱しながら取り出しを行う方法が好ましい。乳
酸系共重合ポリエステルの分子量を低下させない為に、
脱揮条件は、脱揮時間は2〜30分、温度は145〜2
30℃、減圧度は0.1〜50Torrで行なうことが
好ましい。
【0058】その他の脱揮方法としては、重合終了後
に、乳酸系共重合ポリエステルをペレット化、または粉
砕し、減圧下、加熱しながら取り出しを行う方法があ
る。この場合も乳酸系共重合ポリエステルの分子量を低
下させない目的で、脱揮時間は15〜400分、温度は
60〜200℃、減圧度は0.1〜50Torrが好ま
しい。
に、乳酸系共重合ポリエステルをペレット化、または粉
砕し、減圧下、加熱しながら取り出しを行う方法があ
る。この場合も乳酸系共重合ポリエステルの分子量を低
下させない目的で、脱揮時間は15〜400分、温度は
60〜200℃、減圧度は0.1〜50Torrが好ま
しい。
【0059】
【実施例】以下に実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明する。なお、例中の部は特に記載の
ない限り全て重量基準である。
さらに具体的に説明する。なお、例中の部は特に記載の
ない限り全て重量基準である。
【0060】〔実施例1〕L−ラクタイド77部、L−
ラクタイド3部、流動パラフィン(出光株式会社製、ダ
フニーオイルCP−12)20部を加えて、不活性ガス
雰囲気下で、145℃で1時間、溶融・混合させ、開環
重合触媒としてオクタン酸錫を0.02部加えた。
ラクタイド3部、流動パラフィン(出光株式会社製、ダ
フニーオイルCP−12)20部を加えて、不活性ガス
雰囲気下で、145℃で1時間、溶融・混合させ、開環
重合触媒としてオクタン酸錫を0.02部加えた。
【0061】165℃、6時間の反応を行い、生成した
共重合体を取り出した。得られた乳酸系共重合ポリエス
テルは透明な樹脂であった。ゲルパーミエイションクロ
マトグラフィー(以下GPCと略す。)の結果から重量
平均分子量260,000を持つ、乳酸系共重合ポリエ
ステルが確認された。
共重合体を取り出した。得られた乳酸系共重合ポリエス
テルは透明な樹脂であった。ゲルパーミエイションクロ
マトグラフィー(以下GPCと略す。)の結果から重量
平均分子量260,000を持つ、乳酸系共重合ポリエ
ステルが確認された。
【0062】反応6時間後のGPCの結果は、乳酸系共
重合ポリエステルの画分は単一で、流動パラフィンに由
来するピークは別に現れ、ラクタイドが流動パラフィン
と反応していないことが確認され、残留ラクタイド由来
の小さな画分も別個に確認された。ラクタイドモノマー
は6.8%が残留した。この乳酸系共重合ポリエステル
の示差熱量分析(以下DSCと略す。)を行った結果、
ガラス転移点は48.2℃、融点は156.4℃であっ
た。得られた乳酸系共重合ポリエステルを粉砕し、12
0℃の乾燥機で乾燥したが、ブロッキングは見られなか
った。
重合ポリエステルの画分は単一で、流動パラフィンに由
来するピークは別に現れ、ラクタイドが流動パラフィン
と反応していないことが確認され、残留ラクタイド由来
の小さな画分も別個に確認された。ラクタイドモノマー
は6.8%が残留した。この乳酸系共重合ポリエステル
の示差熱量分析(以下DSCと略す。)を行った結果、
ガラス転移点は48.2℃、融点は156.4℃であっ
た。得られた乳酸系共重合ポリエステルを粉砕し、12
0℃の乾燥機で乾燥したが、ブロッキングは見られなか
った。
【0063】〔実施例2〕脂肪族系ポリエステル(アジ
ピン酸成分50モル%、プロピレングリコール成分50
モル%、重量平均分子量19,900、数平均分子量
9,800(ポリスチレン換算))3部に、L−ラクタ
イド92部、D−ラクタイド2部、ルーカントHC−2
0(三井石油化学株式会社製)を3部加えて、不活性ガ
ス雰囲気下で、145℃で1時間、溶融・混合させ、開
環重合触媒としてオクタン酸錫を0.02部加え、17
5℃、4時間の反応を行い、生成した共重合体を取り出
した。
ピン酸成分50モル%、プロピレングリコール成分50
モル%、重量平均分子量19,900、数平均分子量
9,800(ポリスチレン換算))3部に、L−ラクタ
イド92部、D−ラクタイド2部、ルーカントHC−2
0(三井石油化学株式会社製)を3部加えて、不活性ガ
ス雰囲気下で、145℃で1時間、溶融・混合させ、開
環重合触媒としてオクタン酸錫を0.02部加え、17
5℃、4時間の反応を行い、生成した共重合体を取り出
した。
【0064】得られた乳酸系共重合ポリエステルは透明
な樹脂であった。GPC測定の結果から重量平均分子量
112,000を持つ、乳酸系共重合ポリエステルが確
認された。ラクタイドモノマーは6.0%が残留した。
DSCを行った結果、ガラス転移点は52.4℃で、融
点は157.9℃であった。得られた乳酸系共重合ポリ
エステルを粉砕し、120℃の乾燥機で乾燥したが、ブ
ロッキングは見られなかった。
な樹脂であった。GPC測定の結果から重量平均分子量
112,000を持つ、乳酸系共重合ポリエステルが確
認された。ラクタイドモノマーは6.0%が残留した。
DSCを行った結果、ガラス転移点は52.4℃で、融
点は157.9℃であった。得られた乳酸系共重合ポリ
エステルを粉砕し、120℃の乾燥機で乾燥したが、ブ
ロッキングは見られなかった。
【0065】〔実施例3〕脂肪族系ポリエステル(セバ
シン酸成分49.7モル%、プロピレングリコール成分
49.7モル%、無水ピロメリット酸成分0.6%、重
量平均分子量43,300、数平均分子量21,000
(ポリスチレン換算))3部に、L−ラクタイド92
部、D−ラクタイド2部、ルーカントHC−20(三井
石油化学株式会社製)を3部加えて、不活性ガス雰囲気
下で、145℃で1時間、溶融・混合させ、開環重合触
媒としてオクタン酸錫を0.02部加え、175℃、4
時間の反応を行い、生成した共重合体を取り出した。
シン酸成分49.7モル%、プロピレングリコール成分
49.7モル%、無水ピロメリット酸成分0.6%、重
量平均分子量43,300、数平均分子量21,000
(ポリスチレン換算))3部に、L−ラクタイド92
部、D−ラクタイド2部、ルーカントHC−20(三井
石油化学株式会社製)を3部加えて、不活性ガス雰囲気
下で、145℃で1時間、溶融・混合させ、開環重合触
媒としてオクタン酸錫を0.02部加え、175℃、4
時間の反応を行い、生成した共重合体を取り出した。
【0066】得られた乳酸系共重合ポリエステルは透明
な樹脂であった。GPC測定の結果から重量平均分子量
125,000を持つ、乳酸系共重合ポリエステルが確
認された。ラクタイドモノマーは3.8%が残留した。
DSCを行った結果、ガラス転移点は52.0℃で、融
点は158.7℃であった。得られた乳酸系共重合ポリ
エステルを粉砕後、120℃の乾燥機で乾燥し、165
℃に加熱したニーダーによってペレット化したが、ホッ
パー中でもブロッキングせず、滑り性もよかった。
な樹脂であった。GPC測定の結果から重量平均分子量
125,000を持つ、乳酸系共重合ポリエステルが確
認された。ラクタイドモノマーは3.8%が残留した。
DSCを行った結果、ガラス転移点は52.0℃で、融
点は158.7℃であった。得られた乳酸系共重合ポリ
エステルを粉砕後、120℃の乾燥機で乾燥し、165
℃に加熱したニーダーによってペレット化したが、ホッ
パー中でもブロッキングせず、滑り性もよかった。
【0067】〔実施例4〕芳香族・脂肪族系ポリエステ
ル(テレフタル酸成分32.5モル%、アジピン酸成分
17モル%、エチレングリコール成分23モル%、ネオ
ペンチルグリコール成分27モル%、イソホロンジイソ
シアネート0.5%、重量平均分子量98,300、数
平均分子量41,900(ポリスチレン換算))9部
に、L−ラクタイド83部、D−ラクタイド4部、流動
パラフィン(出光株式会社製、ダフニーオイルCP−6
8)を4部加えて、不活性ガス雰囲気下で、145℃で
1時間、溶融・混合させ、開環重合触媒としてオクタン
酸錫を0.02部加え、160℃、6時間の反応を行
い、生成した共重合体を取り出した。
ル(テレフタル酸成分32.5モル%、アジピン酸成分
17モル%、エチレングリコール成分23モル%、ネオ
ペンチルグリコール成分27モル%、イソホロンジイソ
シアネート0.5%、重量平均分子量98,300、数
平均分子量41,900(ポリスチレン換算))9部
に、L−ラクタイド83部、D−ラクタイド4部、流動
パラフィン(出光株式会社製、ダフニーオイルCP−6
8)を4部加えて、不活性ガス雰囲気下で、145℃で
1時間、溶融・混合させ、開環重合触媒としてオクタン
酸錫を0.02部加え、160℃、6時間の反応を行
い、生成した共重合体を取り出した。
【0068】得られた乳酸系共重合ポリエステルは、僅
かに黄色を帯びた透明な樹脂であった。GPC測定の結
果から重量平均分子量191,000を持つ、乳酸系共
重合ポリエステルが確認された。ラクタイドモノマーは
9.2%が残留した。DSCを行った結果、ガラス転移
点は49.5℃で、融点は154.2℃であった。得ら
れた乳酸系共重合ポリエステルを粉砕後、120℃の乾
燥機で乾燥し、165℃に加熱したニーダーによってペ
レット化した。ニーダーのホッパー中でもブロッキング
せず、滑り性もよかった。
かに黄色を帯びた透明な樹脂であった。GPC測定の結
果から重量平均分子量191,000を持つ、乳酸系共
重合ポリエステルが確認された。ラクタイドモノマーは
9.2%が残留した。DSCを行った結果、ガラス転移
点は49.5℃で、融点は154.2℃であった。得ら
れた乳酸系共重合ポリエステルを粉砕後、120℃の乾
燥機で乾燥し、165℃に加熱したニーダーによってペ
レット化した。ニーダーのホッパー中でもブロッキング
せず、滑り性もよかった。
【0069】〔実施例5〕本実施例では、ヘリカル型の
攪拌翼を備えた4リッターの内容量を持った満液式の攪
拌式反応槽を3槽直列に配置した反応装置と、この最終
反応槽に1/2インチのスタティック・ミキサー(ノリ
タケ製ケニックス式スタティックミキサー)を介して2
機の脱揮槽に接続した反応装置を使用した。
攪拌翼を備えた4リッターの内容量を持った満液式の攪
拌式反応槽を3槽直列に配置した反応装置と、この最終
反応槽に1/2インチのスタティック・ミキサー(ノリ
タケ製ケニックス式スタティックミキサー)を介して2
機の脱揮槽に接続した反応装置を使用した。
【0070】原料供給は窒素ガス雰囲気下、脂肪族系ポ
リエステル(セバシン酸成分49.7モル%、プロピレ
ングリコール成分49.7モル%、無水ピロメリット酸
成分0.6%、重量平均分子量43,300、数平均分
子量21,000(ポリスチレン換算))、およびルー
カントHC−20(三井石油化学株式会社製)を4部を
110℃でトルエン48%溶液としてプランジャーポン
プを使用し、原料の平均滞留時間が6時間になるように
第1反応器へ供給した。
リエステル(セバシン酸成分49.7モル%、プロピレ
ングリコール成分49.7モル%、無水ピロメリット酸
成分0.6%、重量平均分子量43,300、数平均分
子量21,000(ポリスチレン換算))、およびルー
カントHC−20(三井石油化学株式会社製)を4部を
110℃でトルエン48%溶液としてプランジャーポン
プを使用し、原料の平均滞留時間が6時間になるように
第1反応器へ供給した。
【0071】触媒はオクタン酸スズを用い、第1反応器
の前に添加した。各成分の供給量を下に示す。 原料供給流量:1.5l/時間 触媒供給流量:0.5ml/時間
の前に添加した。各成分の供給量を下に示す。 原料供給流量:1.5l/時間 触媒供給流量:0.5ml/時間
【0072】原料のラクタイド、ポリエステル成分を下
にまとめた。 L−ラクタイド:75% D−ラクタイド: 2% 脂肪族系ポリエステル:8% トルエン:11% ルーカント(三井石油化学製):4%
にまとめた。 L−ラクタイド:75% D−ラクタイド: 2% 脂肪族系ポリエステル:8% トルエン:11% ルーカント(三井石油化学製):4%
【0073】触媒としてのオクタン酸スズは400pp
mとなるように供給した。生成ポリマーの抜き出しは最
終反応槽の槽上部の排出部より、ギヤーポンプを用いて
連続的に抜き出した。使用した3槽の反応装置の制御温
度を下に示す。 第1反応槽反応温度:155℃ 第2反応槽反応温度:165℃ 第3反応槽反応温度:165℃
mとなるように供給した。生成ポリマーの抜き出しは最
終反応槽の槽上部の排出部より、ギヤーポンプを用いて
連続的に抜き出した。使用した3槽の反応装置の制御温
度を下に示す。 第1反応槽反応温度:155℃ 第2反応槽反応温度:165℃ 第3反応槽反応温度:165℃
【0074】脱揮処理の条件は、第1脱揮装置の前の熱
交換器の温度:190℃、脱揮槽の真空度:250To
rrであった。第2脱揮装置の前の熱交換器の温度:1
85℃、脱揮槽の真空度:5Torrであった。得られ
た重合物をペレット化した後、各種の性状や物性測定を
行った。得られたペレットは透明な樹脂であった。GP
Cの結果から分子量310,000を持ったラクタイド
系共重合体が確認された。ラクタイドモノマーは0.3
%が残留し、トルエンは確認されなかった。
交換器の温度:190℃、脱揮槽の真空度:250To
rrであった。第2脱揮装置の前の熱交換器の温度:1
85℃、脱揮槽の真空度:5Torrであった。得られ
た重合物をペレット化した後、各種の性状や物性測定を
行った。得られたペレットは透明な樹脂であった。GP
Cの結果から分子量310,000を持ったラクタイド
系共重合体が確認された。ラクタイドモノマーは0.3
%が残留し、トルエンは確認されなかった。
【0075】DSCの結果、融点は159.0℃、荷重
16.8kg/cm2 でのVICAT軟化点温度は53
℃であった。このペレットをキャピラリーレオメーター
を用いて粘度測定を行った。165℃、せん断速度50
s-1の条件での粘度は9000ポイズであった。
16.8kg/cm2 でのVICAT軟化点温度は53
℃であった。このペレットをキャピラリーレオメーター
を用いて粘度測定を行った。165℃、せん断速度50
s-1の条件での粘度は9000ポイズであった。
【0076】ホットプレス機で165℃、200kg/
cm2 、2分間の条件下で200μm厚のフィルムを作
成し、引っ張り弾性率を測定したところ13,000k
g/cm2 であった。165℃でプレスしたシートを、
JIS−K−7128の方法に従いエレメンドロフ引き
裂き試験機を使用し引き裂き試験を行った結果、70g
の荷重の時に引き裂かれた。
cm2 、2分間の条件下で200μm厚のフィルムを作
成し、引っ張り弾性率を測定したところ13,000k
g/cm2 であった。165℃でプレスしたシートを、
JIS−K−7128の方法に従いエレメンドロフ引き
裂き試験機を使用し引き裂き試験を行った結果、70g
の荷重の時に引き裂かれた。
【0077】同じシートを中心より折り曲げシート面が
完全に合わさるまで折り曲げ、開くことを割れるまで繰
り返す、折り曲げ試験を行った。結果、14回目の折り
曲げに耐えることができた。このペレットを1オンス射
出成型機を用いて50×50×3mmの平板を成型し
た。この際、ペレットをあらかじめ120℃で乾燥した
がペレットのブロッキングは見られなかった。また成型
機ホッパー内でのブロッキングもなく、ペレット同士の
滑りも良好でスムーズに充填された。
完全に合わさるまで折り曲げ、開くことを割れるまで繰
り返す、折り曲げ試験を行った。結果、14回目の折り
曲げに耐えることができた。このペレットを1オンス射
出成型機を用いて50×50×3mmの平板を成型し
た。この際、ペレットをあらかじめ120℃で乾燥した
がペレットのブロッキングは見られなかった。また成型
機ホッパー内でのブロッキングもなく、ペレット同士の
滑りも良好でスムーズに充填された。
【0078】〔比較例1〕脂肪族系ポリエステル(セバ
シン酸成分49.7モル%、プロピレングリコール成分
49.7モル%、無水ピロメリット酸成分0.6%、重
量平均分子量43,300、数平均分子量21,000
(ポリスチレン換算))10部に、L−ラクタイド76
部、D−ラクタイド4部を加えて、不活性ガス雰囲気下
で、145℃で1時間、溶融・混合させ、開環重合触媒
としてオクタン酸錫を0.02部加え、175℃、4時
間の反応を行い、生成した共重合体を取り出した。
シン酸成分49.7モル%、プロピレングリコール成分
49.7モル%、無水ピロメリット酸成分0.6%、重
量平均分子量43,300、数平均分子量21,000
(ポリスチレン換算))10部に、L−ラクタイド76
部、D−ラクタイド4部を加えて、不活性ガス雰囲気下
で、145℃で1時間、溶融・混合させ、開環重合触媒
としてオクタン酸錫を0.02部加え、175℃、4時
間の反応を行い、生成した共重合体を取り出した。
【0079】得られた乳酸系共重合ポリエステルは透明
な樹脂であった。GPC測定の結果から重量平均分子量
180,000を持つ、乳酸系共重合ポリエステルが確
認された。DSCを行った結果、ガラス転移点は54.
4℃で、融点は162.5℃、荷重16.8kg/cm
2 でのVICAT軟化点温度は53℃であった。
な樹脂であった。GPC測定の結果から重量平均分子量
180,000を持つ、乳酸系共重合ポリエステルが確
認された。DSCを行った結果、ガラス転移点は54.
4℃で、融点は162.5℃、荷重16.8kg/cm
2 でのVICAT軟化点温度は53℃であった。
【0080】このペレットをキャピラリーレオメーター
を用いて粘度測定を行った。165℃、せん断速度50
s-1の条件での粘度は20000ポイズであった。ホッ
トプレス機で165℃、200kg/cm2 、2分間の
条件下で200μm厚のフィルムを作成し、引っ張り弾
性率を測定したところ16,000kg/cm2 であっ
た。
を用いて粘度測定を行った。165℃、せん断速度50
s-1の条件での粘度は20000ポイズであった。ホッ
トプレス機で165℃、200kg/cm2 、2分間の
条件下で200μm厚のフィルムを作成し、引っ張り弾
性率を測定したところ16,000kg/cm2 であっ
た。
【0081】165℃でプレスしたシートを、JIS−
K−7128の方法に従いエレメンドロフ引き裂き試験
機を使用し引き裂き試験を行った結果、70gの荷重の
時に引き裂かれた。同じシートを中心より折り曲げシー
ト面が完全に合わさるまで折り曲げ、開くことを割れる
まで繰り返す、折り曲げ試験を行った。結果、10回目
の折り曲げに耐えることができた。
K−7128の方法に従いエレメンドロフ引き裂き試験
機を使用し引き裂き試験を行った結果、70gの荷重の
時に引き裂かれた。同じシートを中心より折り曲げシー
ト面が完全に合わさるまで折り曲げ、開くことを割れる
まで繰り返す、折り曲げ試験を行った。結果、10回目
の折り曲げに耐えることができた。
【0082】この比較例で得られた乳酸系共重合ポリエ
ステルを120℃の乾燥機で乾燥したところ、ブロッキ
ングが見られた。再粉砕後に165℃に加熱したニーダ
ーによってペレット化したが、同様にホッパー中でブロ
ッキングが見られた。
ステルを120℃の乾燥機で乾燥したところ、ブロッキ
ングが見られた。再粉砕後に165℃に加熱したニーダ
ーによってペレット化したが、同様にホッパー中でブロ
ッキングが見られた。
【0083】
【発明の効果】本発明は乳酸系共重合ポリエステルの製
造に際して、反応系の粘度を下げて攪拌動力を削減し、
高分子量の乳酸系共重合ポリエステルを効率よく得ると
ともに、該乳酸系共重合ポリエステルの特性を損なわず
に、乾燥時や成型時におけるブロッキングを改善し、ホ
ッパー内での滑化作用を付与し、射出成型、ダイレクト
ブロー成型、押し出し成型、ブロー成型等での離型性、
巻き取りロールへの付着防止等の特性を付与した乳酸系
共重合ポリエステル系樹脂組成物を提供できる。
造に際して、反応系の粘度を下げて攪拌動力を削減し、
高分子量の乳酸系共重合ポリエステルを効率よく得ると
ともに、該乳酸系共重合ポリエステルの特性を損なわず
に、乾燥時や成型時におけるブロッキングを改善し、ホ
ッパー内での滑化作用を付与し、射出成型、ダイレクト
ブロー成型、押し出し成型、ブロー成型等での離型性、
巻き取りロールへの付着防止等の特性を付与した乳酸系
共重合ポリエステル系樹脂組成物を提供できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ラクタイドとポリエステルとの共重合反
応によって、乳酸系共重合ポリエステルを製造する際
に、沸点140℃以上の常温で液状の流動パラフィン又
は飽和炭化水素を共存せしめて重合反応を行うことを特
徴とする乳酸系共重合ポリエステルの製造方法。 - 【請求項2】 沸点140℃以上の常温で液状の流動パ
ラフィン又は飽和炭化水素の数平均分子量が100〜4
000である請求項1記載の乳酸系共重合ポリエステル
の製造方法。 - 【請求項3】 沸点140℃以上の常温で液状の流動パ
ラフィン又は飽和炭化水素を、原料ラクタイドおよびポ
リエステルの総計に対し、重量比で0.01〜0.3部
共存せしめることを特徴とする請求項1または2記載の
乳酸系共重合ポリエステルの製造方法。 - 【請求項4】 乳酸系共重合ポリエステルが、芳香族ポ
リエステルとラクタイドの共重合ポリエステルであるこ
とを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の
乳酸系共重合ポリエステルの製造方法。 - 【請求項5】 乳酸系共重合ポリエステルが、脂肪族ポ
リエステルとラクタイドの共重合ポリエステルであるこ
とを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の
乳酸系共重合ポリエステルの製造方法。 - 【請求項6】 乳酸系共重合ポリエステルに対して、沸
点140℃以上の常温で液状の流動パラフィン又は飽和
炭化水素を、重量比0.0001〜0.3の範囲で含有
することを特徴とする乳酸系共重合ポリエステル系樹脂
組成物。 - 【請求項7】 乳酸系共重合ポリエステルが、芳香族ポ
リエステルとラクタイドの共重合ポリエステルであるこ
とを特徴とする請求項6記載の樹脂組成物。 - 【請求項8】 乳酸系共重合ポリエステルが、脂肪族ポ
リエステルとラクタイドの共重合ポリエステルであるこ
とを特徴とする請求項6記載の樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29457794A JPH08151439A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 乳酸系共重合ポリエステルの製造方法及び樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29457794A JPH08151439A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 乳酸系共重合ポリエステルの製造方法及び樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08151439A true JPH08151439A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=17809586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29457794A Pending JPH08151439A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 乳酸系共重合ポリエステルの製造方法及び樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08151439A (ja) |
-
1994
- 1994-11-29 JP JP29457794A patent/JPH08151439A/ja active Pending
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