JPH08151338A - 5−置換アルキルベンゼン誘導体 - Google Patents

5−置換アルキルベンゼン誘導体

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JPH08151338A
JPH08151338A JP29458094A JP29458094A JPH08151338A JP H08151338 A JPH08151338 A JP H08151338A JP 29458094 A JP29458094 A JP 29458094A JP 29458094 A JP29458094 A JP 29458094A JP H08151338 A JPH08151338 A JP H08151338A
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Shinji Ogawa
真治 小川
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(I) (R1:C1〜16のアルキルもしくはアルコキシル、C
2〜16のアルケニル、C3〜16のアルケニルオキ
シ、C1〜10のアルコキシルで置換されたC1〜12
のアルキル、環A、環B:それぞれ独立的にF原子によ
り置換されていてもよい1,4−フェニレン、トランス
−1,4−シクロヘキシレン、トランス−1,3−ジオ
キサン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル
等、Y1、Y2:それぞれ独立的に単結合、−CH2CH2
−、−OCH2−、−CH2O−、−(CH24−又は−
C≡C−、m:0、1、2、X1:H原子、F原子、
2:C1〜12の直鎖状アルキル、C2〜12の直鎖
状アルケニル)で表わされる化合物及びこれを含有する
液晶組成物。 【効果】 母体液晶に少量添加することにより、ネマチ
ック液晶温度範囲をあまり低下させずに、組成物のしき
い値電圧を効果的に低減することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的液晶表示材料
として有用な5−置換アルキルベンゼン誘導体である新
規化合物及びそれを用いた液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩
れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲス
ト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等が知
られているが、このうち現在最もよく用いられているの
はTN型及びSTN型である。また駆動方式としても従
来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般
的になり、更に単純マトリックス方式、最近ではアクテ
ィブマトリックス方式が実用化されている。これらのう
ち、アクティブマトリックス方式によると、最も高画質
の表示が可能であり、視野角が広く、高精細化及びカラ
ー化が容易で、動画表示も可能であるので、今後の液晶
表示方式の主流になると考えられている。
【0003】このアクティブマトリックス表示方式に用
いられる液晶材料としては、通常の液晶表示と同様に、
種々の特性が要求されているが、特に、(1)比抵抗が
高く、電圧の保持率に優れること。(2)しきい値電圧
(Vth)が低いこと。(3)液晶相の温度範囲が広いこ
と。(4)適当な屈折率異方性(Δn)を有することの
4点は重要である。
【0004】通常、液晶表示におけるしきい値電圧は式
(1)
【0005】
【数1】
【0006】(式中、kは比例定数を、Kは弾性定数
を、Δεは誘電率異方性をそれぞれ表わす。)で表わさ
れるが、この式からわかるようにしきい値電圧を低減す
るためには液晶材料の弾性定数を小さくするか、あるい
は誘電率異方性を大きくする必要がある。
【0007】誘電率異方性の大きい液晶化合物は一般に
シアノ基を有することが多いが、このような化合物は、
高い比抵抗値や高い電圧保持率の液晶材料を得ることを
困難にさせる傾向を有する。
【0008】そのため、液晶組成物のしきい値電圧を低
下させる目的には、弾性定数の小さい化合物が必要であ
った。しかしながら、弾性定数の小さい化合物は一般に
2環性であり、それを添加することによって、組成物の
液晶相の上限温度を大幅に低下させてしまう傾向を有す
るものがほとんどである。一方、3環性あるいは4環性
の化合物では、それを添加することによって、液晶相の
液晶相の上限温度を低下させることは少ないけれども、
こうした化合物ではその弾性定数が一般に大きいことが
多く、その添加によってしきい値電圧は高くなってしま
う傾向にあった。
【0009】以上のように、液晶相の温度範囲が高温域
まで広く、しきい値電圧の低いアクティブマトリックス
用液晶組成物を得ることはかなり困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、化学的に安定であって、添加により高い比
抵抗と電圧保持率が容易に得ることができ、且つ液晶相
の温度範囲を狭くすることなしに、そのしきい値電圧を
効果的に低減することの可能な化合物を提供することで
ある。
【0011】また、その化合物を含有し、液晶相の温度
範囲が広く、且つしきい値電圧の低い液晶組成物を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R1は炭素原子数1〜16のアル
キル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜16の
アルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ
基、又は炭素原子数1〜10のアルコキシル基で置換さ
れた炭素原子数1〜12のアルキル基を表わし、環A及
び環Bはそれぞれ独立的にフッ素原子により置換されて
いてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−
シクロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−
2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリ
ミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル
基又はピリダジン−3,6−ジイル基を表わし、Y1
びY2はそれぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−、−
OCH2−、−CH2O−、−(CH24−又は−C≡C
−を表わし、mは0、1又は2を表わし、X1は水素原
子又はフッ素原子を表わし、R2は炭素原子数1〜12
の直鎖状アルキル基又は炭素原子数2〜12の直鎖状ア
ルケニル基を表わす。)で表わされる5−置換アルキル
ベンゼン誘導体を提供する。
【0015】本発明に係わる一般式(I)のうち、R1
が炭素原子数1〜12の直鎖状アルキル基又は炭素原子
数2〜12の直鎖状アルケニル基を表わし、環A及び環
Bがそれぞれ独立的にフッ素原子により置換されていて
もよい1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シ
クロヘキシレン基を表わし、Y1及びY2がそれぞれ独立
的に単結合、−CH2CH2−又は−C≡C−を表わすこ
とを特徴とする前記一般式(I)で表わされる化合物が
好ましい。
【0016】この中でも、R1が炭素原子数1〜7の直
鎖状アルキル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニ
ル基を表わし、環Aがトランス−1,4−シクロヘキシ
レン基であり、Y2が単結合であることを特徴とする前
記一般式(I)で表わされる化合物が好ましい。
【0017】更には、環A及び環Bが共にトランス−
1,4−シクロヘキシレン基であり、Y1及びY2が共に
単結合であることを特徴とする前記一般式(I)で表わ
される化合物が好ましい。
【0018】更に詳細には、mが1であることが好まし
く、このとき、X1がフッ素原子であることが好まし
く、更に、R1が炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基
であることが好ましく、更には、R2が炭素原子数1〜
7の直鎖状アルキル基であることが好ましい。
【0019】一般式(I)の化合物は以下のようにして
製造することができる。即ち、一般式(II)
【0020】
【化3】
【0021】(式中、R1、Y1、Y2、X1、環A、環B
及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)
で表わされる化合物をハロゲン化して、一般式(II
I)
【0022】
【化4】
【0023】(式中、R1、Y1、Y2、X1、環A、環B
及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わし、X
2は臭素原子又はヨウ素原子を表わす。)で表わされる
化合物を得る。反応は、ブチルリチウム等のアルキル金
属化合物を反応させることにより芳香環の3位をメタル
化し、ヨウ素、臭素等を反応させるか、ヨウ素あるいは
臭素を直接反応させてもよく、もしくは、ニトロ化した
後還元してアニリン誘導体として次いでこのジアゾ分解
(Sandmeyer反応)でもよい。
【0024】
【化5】
【0025】(式中、R2は一般式(I)におけると同
じ意味を表わす。)上記で得た一般式(III)の化合
物及び一般式(IV)で表わされるアルキルグリニャー
ル反応剤を、パラジウム触媒もしくはニッケル触媒存在
下に反応させることにより、一般式(I)の5−置換ア
ルキルベンゼン誘導体を得ることができる。パラジウム
触媒としては例えばジクロロビス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(II)等のパラジウム(II)錯体ある
いはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)等のパラジウム(0)錯体が好ましく、ニッケル触媒と
しては例えばジクロロビス(ジフェニルホスフィノ)プ
ロパンニッケル(II)等のニッケル(II)錯体が好まし
い。
【0026】あるいは、一般式(I)の化合物は、次の
方法によっても合成することができる。
【0027】
【化6】
【0028】(式中、R1、Y1、Y2、X1、環A、環B
及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わし、R
3は水素原子又は炭素原子数1〜11のアルキル基を表
わす。)一般式(II)の化合物と、ブチルリチウム等
のアルキル金属化合物を反応させることにより芳香環の
3位をメタル化し、一般式(V)で表わされる脂肪族ア
ルデヒドを反応させることにより、一般式(VI)のア
ルコール誘導体を得た後、水酸基を脱水し水素添加を行
うことによって、一般式(I)の化合物を得ることがで
きる。R3が水素原子の場合は、一般式(VI)の化合
物を、トリエチルシラン等を用いて直接還元することに
よって得ることができる。
【0029】また、一般式(I)で表わされる化合物に
おいて、R2がアルケニル基である化合物は次の方法に
よって合成することができる。
【0030】
【化7】
【0031】(式中、R1、Y1、Y2、X1、環A、環B
及びmは(I)におけると同じ意味を表わし、nは0〜
11を表わし、R4は水素原子又は炭素原子数1〜11
のアルキル基を表わす。)一般式(II)の化合物と、
ブチルリチウム等のアルキル金属化合物を反応させるこ
とにより芳香環の3位をメタル化し、ジメチルホルムア
ミド(DMF)を反応させることにより一般式(VI
I)のアルデヒド誘導体を得る。これに一般式(VII
I)のウィッテッヒ反応剤を反応させ、酸で加水分解す
る反応をn回繰り返すことによって一般式(IX)の化
合物を得た後、一般式(X)のウィッテッヒ反応剤を反
応させることで、フェニレン基の5位の位置において、
n+1の位置に2重結合を持つ一般式(I)の化合物を
得ることができる。また、この化合物の2重結合を水素
添加することにより、一般式(I)で表わされる化合物
において、R2がアルキル基である化合物を得ることも
できる。
【0032】斯くして製造された一般式(I)で表わさ
れる化合物の代表例を第1表に掲げる。
【0033】
【表1】
【0034】(表中、Cは結晶相を、Iは等方性液体相
をそれぞれ表わす。)第1表からわかるように、一般式
(I)で表わされる化合物は、化合物単独では液晶相を
示さないものが多い。これは一般式(I)が、2,3−
ジ置換−1,5−フェニレン基という極めて折れ曲がっ
た構造を骨格中に有することによる。通常の液晶化合物
はその中心骨格が、1,4−フェニレン基、トランス−
1,4−シクロヘキシレン基に代表されるように、極め
て直線性に優れた環構造から構成され、一般式(I)の
ような構造を有する化合物はこれまでほとんど注目され
ていなかった。しかしながら、一般式(I)は、液晶性
こそ低いけれども、通常の母体液晶との相溶性には非常
に優れており、添加した場合の液晶相上限温度の低下は
それほど大きいものではない。しかも後述するように、
その添加によって組成物のしきい値電圧を極めて効果的
に低減することが可能でありる。
【0035】従って、一般式(I)で表わされる化合物
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、特
にTN型あるいはSTN型といった電界効果型表示セル
の材料として、好適に使用することができる。しかも、
一般式(I)で表わされる化合物は、その分子内にシア
ノ基やエステル結合などの強い極性基を有さないため、
その添加により得られた液晶材料は容易に大きい比抵抗
と高い電圧保持率を得ることができる。そのため、アク
ティブマトリックス駆動用液晶材料の構成成分として特
に適している。
【0036】本発明はこのように一般式(I)で表わさ
れる化合物の少なくとも1種類をその構成成分として含
有する液晶組成物をも提供するものである。本発明の液
晶組成物において、一般式(I)で表わされる化合物と
混合して使用することのできるネマチック液晶化合物の
好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息香酸4
−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4
−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸
4’−置換ビフェニリル、4−(4−置換シクロヘキサ
ンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニル、4−
(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換フェニ
ル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換
シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニル、1−(4
−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’
−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロ
ヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置
換シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)
エタン、4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換
シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−
(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフ
ェニル、4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシク
ロヘキサン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エ
チル]−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換
シクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換
ベンゼン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−
4’−置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニル
エチニル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニ
ルエチニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼ
ン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、
2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン
及び上記各化合物においてベンゼン環が側方置換基を有
する化合物等を挙げることができる。
【0037】このうちアクティブマトリックス駆動用と
しては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシ
クロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)
エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘ
キシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置
換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、
4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサ
ン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘ
キシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼ
ン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−
置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニ
ル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチ
ニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び
上記においてベンゼン環が弗素置換されている化合物が
適している。
【0038】一般式(I)の化合物の効果は、例えば以
下の例からも明らかである。ネマチック液晶材料として
好適な母体液晶(B)
【0039】
【化8】
【0040】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わし、「%」は「重量%」を表わす。)は116.
7℃以下でネマチック相を示し、その誘電率異方性(Δ
ε)は4.7であり、これを用いて作製したセル厚6μ
mのTNセルのしきい値電圧(Vth)は2.14Vであ
る。また、その屈折率異方性(Δn)は0.090であ
った。
【0041】この母体液晶(B)85重量%及び第1表
中の(No.1)の化合物15重量%からなる液晶組成
物(M−1)を調製したところ、そのネマチック相の上
限温度は母体液晶(B)と比較して、87.7℃と低く
なり、そのΔεは4.6とやや小さくなった。しかしな
がら、この組成物を用いて同様にしてセルを作製し、そ
のVthを測定したところ、Δεが小さくなったにもかか
わらず1.72Vと、母体液晶(B)と比較して、20
%も低減することができた。また、そのΔnは0.08
3と0.007も小さくなった。更に、この組成物の比
抵抗を測定したところ1012Ωcm以上と大きく、この
セルの電圧保持率は高いものであった。
【0042】これに対し、(No.1)の化合物と類似
構造を有する式(R−1)
【0043】
【化9】
【0044】15重量%及び母体液晶(B)85重量%
からなる液晶組成物(N−1)を調製した。このネマチ
ック相の上限温度は114.1℃と(M−1)よりかな
り高くなり、そのΔεは4.2と(M−1)より小さく
なった。同様にしてセルを作製し、そのVthを測定した
ところ、2.23Vであり、母体液晶(B)より高く、
(M−1)と比較すると0.51Vも高くなった。ま
た、そのΔnは0.089と母体液晶(B)と同程度で
あり、(M−1)よりかなり大きくなってしまった。
【0045】以上の結果から、一般式(I)で表わされ
る化合物は、ネマチック液晶用材料のしきい値電圧の低
減に大きな効果を有することが明らかである。また、得
られた組成物は、電圧保持率が高いことからアクティブ
マトリックス用液晶材料として特に有用である。
【0046】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0047】なお、相転移温度の測定は温度調節ステー
ジを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を
併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR)、質量スペクトル(MS)等に
より確認した。NMRにおけるCDCl3は溶媒を表わ
し、sは1重線、dは2重線、tは3重線、mは多重線
を表わし、また例えばttは3重の3重線を表わし、J
はカップリング定数を表わす。MSにおけるM+は親ピ
ークを表わし、( )内の数値はそのピークの相対強度
を表わす。組成物中における「%」はすべて「重量%」
を表わす。 (実施例1) トランス−4−(3−n−ブチル−
4,5−ジフルオロフェニル)−トランス−4’−プロ
ピルビシクロヘキサンの合成(第1表中の(No.1)
の化合物)の合成
【0048】
【化10】
【0049】(1−a) トランス−4−[3−(1
−ブテニル)−4,5−ジフルオロフェニル]−トラン
ス−4’−プロピルビシクロヘキサンの合成 トランス−4’−プロピル−トランス−4−(3,4−
ジフルオロフェニル)ビシクロヘキサン10.0gをT
HF50mlに溶解し、−50℃に冷却した。冷却後、
窒素雰囲気下に、n−ブチルリチウム(1.71M、n
−ヘキサン溶液)22mlを20分間で滴下し、同温度
で1時間攪拌した。反応終了後、これにテトラメチルエ
チレンジアミン(TMEDA)4.31gのTHF10
ml溶液を同温度で10分間で滴下した後、ブチルアル
デヒド2.68gのTHF20ml溶液を同温度で20
分間で滴下し、−50℃で30分間攪拌した。反応終了
後、水50mlを加えた後、室温にもどし、稀塩酸を加
え中和し、有機層を分離後、水層から100mlの酢酸
エチルで抽出した。有機層を併せ、水、次いで飽和食塩
水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜
去し得られたアルコールの粗生成物をトルエン40ml
に溶解し、p−トルエンスルホン酸50mgを加え、水
を除きながら2時間還流した。放冷後、水50mlを加
え有機層を分離後、水層からトルエン20mlで抽出
し、飽和重曹水、水次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン)を用いて精製して、トランス−4−[3−(1−ブ
テニル)−4,5−ジフルオロフェニル]−トランス−
4’−プロピルビシクロヘキサン4.65gを得た。 (1−b) トランス−4−(3−ブチル−4,5−
ジフルオロフェニル)−トランス−4’−プロピルビシ
クロヘキサンの合成 上記(1−a)で得たトランス−4−[3−(1−ブテ
ニル)−4,5−ジフルオロフェニル]−トランス−
4’−プロピルビシクロヘキサン4.5gを酢酸エチル
15mlに溶解し、パラジウム炭素450mgを加え、
オートクレーブ中で水素圧3Kg/cm2で6時間室温
で攪拌した。反応終了後、触媒を濾別し、溶媒を溜去し
て得られた粗生成物をエタノールから再結晶して、トラ
ンス−4−(3−ブチル−4,5−ジフルオロフェニ
ル)−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサンの白
色結晶1.7gを得た。その相転移温度を測定したとこ
ろ、結晶相からの昇温時32℃で等方性液体相に転移し
た。
【0050】NMR:δ=0.85〜1.85(m,3
3H)、δ=2.35(m,1H)、δ=2.63
(t,2H,J=7.2Hz)、δ=6.67〜7.0
5(m,2H) MS:m/e=376(M+) (実施例2) 液晶組成物の調製(1) ネマチック液晶用として汎用され、特にアクティブマト
リックス用として好適なフッ素系の母体液晶(B)
【0051】
【化11】
【0052】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わす。)を調製したところ、116.7℃以下でネ
マチック(N)相を示した。その物性値及びこれを用い
て作製したセル厚6μmのTNセルのしきい値電圧(V
th)は以下の通りであった。
【0053】 誘電率異方性(Δε) 4.7 屈折率異方性(Δn) 0.090 しきい値電圧(Vth) 2.14V この母体液晶(B)85重量%及び実施例1で得た(N
o.1)の化合物15重量%からなる液晶組成物(M−
1)を調製した。この(M−1)のN相の上限温度(T
N-I)及びその物性値は以下の通りであった。
【0054】 N相の上限温度(TN-I) 87.7℃ 誘電率異方性(Δε) 4.6 屈折率異方性(Δn) 0.083 しきい値電圧(Vth) 1.72V このように、そのネマチック相の上限温度は低くなった
が、この組成物を用いて同様にしてセルを作製し、その
thを測定したところ、0.42V(約20%)も低減
することができた。Δεはほとんど変化していないた
め、この化合物の弾性定数はかなり小さいと考えられ
る。また、そのΔnは0.083とかなり小さい値とな
った。更に、この組成物の比抵抗を測定したところ10
12Ωcm以上と大きく、このセルの電圧保持率は非常に
高かった。 (比較例1) (No.1)の化合物と類似構造を有する式(R−1)
【0055】
【化12】
【0056】の化合物15重量%及び母体液晶(B)8
5重量%からなる液晶組成物(N−1)を調製した。こ
の(N−1)のN相の上限温度(TN-I)及びその物性
値は以下の通りであった。
【0057】 N相の上限温度(TN-I) 114.1℃ 誘電率異方性(Δε) 4.2 屈折率異方性(Δn) 0.089 しきい値電圧(Vth) 2.23 このネマチック相の上限温度は(M−1)より高くなっ
たが、Δεが小さくなり、この組成物を用いて同様にし
てセルを作製し、そのVthを測定したところ、(M−
1)と比較すると0.51Vも高くなった。また、その
Δnは0.089と母体液晶(B)と同程度であった。
【0058】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表わされる化合
物は、実施例に示したように工業的にも極めて容易に製
造でき、熱、光、水等に対し、化学的に安定であり、ネ
マチック液晶として現在汎用されている母体液晶との相
溶性にも優れている。しかも、母体液晶に少量添加する
ことにより、得られた組成物のネマチック液晶温度範囲
をそれほど低下させることなく、それを用いた液晶セル
のしきい値電圧(Vth)を効果的に低減することが可能
である。また、分子内に強い極性基が存在せず、容易に
大きい比抵抗と高い電圧保持率を得ることができる。従
って、液晶相の温度範囲が広く、且つ低電圧駆動が要求
される各種液晶表示素子、特にアクティブマトリックス
駆動用の液晶材料として非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 237/14 239/26 239/34 241/12 241/18 C09K 19/08 9279−4H 19/30 9279−4H 19/34 9279−4H // G02F 1/13 500

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜16のアルキル基もしく
    はアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル
    基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、又は炭
    素原子数1〜10のアルコキシル基で置換された炭素原
    子数1〜12のアルキル基を表わし、環A及び環Bはそ
    れぞれ独立的にフッ素原子により置換されていてもよい
    1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキ
    シレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジ
    イル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−
    2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基又はピ
    リダジン−3,6−ジイル基を表わし、Y1及びY2はそ
    れぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−、−OCH
    2−、−CH2O−、−(CH24−又は−C≡C−を表
    わし、mは0、1又は2を表わし、X1は水素原子又は
    フッ素原子を表わし、R2は炭素原子数1〜12の直鎖
    状アルキル基又は炭素原子数2〜12の直鎖状アルケニ
    ル基を表わす。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 R1が炭素原子数1〜12の直鎖状アル
    キル基又は炭素原子数2〜12の直鎖状アルケニル基を
    表わし、環A及び環Bがそれぞれ独立的にフッ素原子に
    より置換されていてもよい1,4−フェニレン基又はト
    ランス−1,4−シクロヘキシレン基を表わし、Y1
    びY2はそれぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−又は
    −C≡C−を表わすことを特徴とする請求項1記載の一
    般式(I)で表わされる化合物。
  3. 【請求項3】 R1が炭素原子数1〜7の直鎖状アルキ
    ル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基を表わ
    し、環Aがトランス−1,4−シクロヘキシレン基であ
    り、Y2が単結合であることを特徴とする請求項2記載
    の一般式(I)で表わされる化合物。
  4. 【請求項4】 環Bがトランス−1,4−シクロヘキシ
    レン基であり、Y1が単結合であることを特徴とする請
    求項3記載の一般式(I)で表わされる化合物。
  5. 【請求項5】 mが1であることを特徴とする請求項3
    又は4記載の一般式(I)で表わされる化合物。
  6. 【請求項6】 X1がフッ素原子であることを特徴とす
    る請求項3、4又は5記載の一般式(I)で表わされる
    化合物。
  7. 【請求項7】 R1が炭素原子数1〜7の直鎖状アルキ
    ル基であることを特徴とする請求項4、5又は6記載の
    一般式(I)で表わされる化合物。
  8. 【請求項8】 R2が炭素原子数1〜7の直鎖状アルキ
    ル基であることを特徴する請求項2乃至7記載の一般式
    (I)で表わされる化合物。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8記載の一般式(I)で表
    わされる化合物を含有する液晶組成物。
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