JPH08151330A - フィブリノゲン製剤およびそれを用いたフィブリン糊調製用キット - Google Patents
フィブリノゲン製剤およびそれを用いたフィブリン糊調製用キットInfo
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- JPH08151330A JPH08151330A JP6294674A JP29467494A JPH08151330A JP H08151330 A JPH08151330 A JP H08151330A JP 6294674 A JP6294674 A JP 6294674A JP 29467494 A JP29467494 A JP 29467494A JP H08151330 A JPH08151330 A JP H08151330A
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- fibrinogen preparation
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶解性に優れるフィブリノゲン製剤およびそ
れを用いたフィブリン糊調製用キットを提供すること。 【構成】 本発明のフィブリノゲン製剤は、水に短時間
に1 w/v%以上となるように完全に溶解し得るものであ
る。また、界面活性剤等の溶解補助剤を含有するもので
ある。さらにまた、本発明のフィブリン糊調製用キット
は、上記フィブリノゲン製剤およびトロンビン製剤を有
するものである。
れを用いたフィブリン糊調製用キットを提供すること。 【構成】 本発明のフィブリノゲン製剤は、水に短時間
に1 w/v%以上となるように完全に溶解し得るものであ
る。また、界面活性剤等の溶解補助剤を含有するもので
ある。さらにまた、本発明のフィブリン糊調製用キット
は、上記フィブリノゲン製剤およびトロンビン製剤を有
するものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィブリノゲン製剤お
よびそれを用いたフィブリン糊調製用キットに関し、詳
しくは溶解性に優れるフィブリノゲン製剤およびそれを
用いたフィブリン糊の調製用キットに関する。
よびそれを用いたフィブリン糊調製用キットに関し、詳
しくは溶解性に優れるフィブリノゲン製剤およびそれを
用いたフィブリン糊の調製用キットに関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】フィブリ
ノゲン製剤は、低フィブリノゲン血症の治療剤やフィブ
リン糊として有用なものである。フィブリン糊は、フィ
ブリノゲンおよびトロンビンを主成分とするものであ
り、組織が創傷を受けたときにこれらが作用し合って生
じるフィブリンの組織膠着性を利用した生体接着剤であ
る。このフィブリン糊は、接着が迅速である、接着に過
度の熱や圧力を必要としない、接着部位の水分とは無関
係に接着が可能である、等の利点を有するため、出血し
ている創傷のシール、神経、腱、血管等の接着または縫
合補強、骨切片の固定等、広範な用途に有用なものであ
る。
ノゲン製剤は、低フィブリノゲン血症の治療剤やフィブ
リン糊として有用なものである。フィブリン糊は、フィ
ブリノゲンおよびトロンビンを主成分とするものであ
り、組織が創傷を受けたときにこれらが作用し合って生
じるフィブリンの組織膠着性を利用した生体接着剤であ
る。このフィブリン糊は、接着が迅速である、接着に過
度の熱や圧力を必要としない、接着部位の水分とは無関
係に接着が可能である、等の利点を有するため、出血し
ている創傷のシール、神経、腱、血管等の接着または縫
合補強、骨切片の固定等、広範な用途に有用なものであ
る。
【0003】特に上記フィブリン糊においては、フィブ
リノゲンを高濃度に溶解することによって必要な接着強
度を得るようにしているため、フィブリノゲン製剤が良
好な溶解性を有することが望まれる。
リノゲンを高濃度に溶解することによって必要な接着強
度を得るようにしているため、フィブリノゲン製剤が良
好な溶解性を有することが望まれる。
【0004】そこで本発明は、溶解性に優れるフィブリ
ノゲン製剤およびそれを用いたフィブリン糊調製用キッ
トを提供することを目的とする。
ノゲン製剤およびそれを用いたフィブリン糊調製用キッ
トを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、フィブリ
ノゲン製剤に特定の溶解補助剤を添加することによって
フィブリノゲン製剤の溶解性を向上させ得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明のフィブ
リノゲン製剤は、水に短時間に1 w/v%以上となるよう
に完全に溶解し得るものである。また、界面活性剤等の
溶解補助剤を含有するものである。また、本発明のフィ
ブリン糊調製用キットは、上記フィブリノゲン製剤およ
びトロンビン製剤を有するものである。なお本発明にお
いて、フィブリノゲン製剤の溶解時間は、25℃にて該
製剤を4 w/v%以上となるように完全に溶解するのに要
する時間のことであるとする。
ノゲン製剤に特定の溶解補助剤を添加することによって
フィブリノゲン製剤の溶解性を向上させ得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明のフィブ
リノゲン製剤は、水に短時間に1 w/v%以上となるよう
に完全に溶解し得るものである。また、界面活性剤等の
溶解補助剤を含有するものである。また、本発明のフィ
ブリン糊調製用キットは、上記フィブリノゲン製剤およ
びトロンビン製剤を有するものである。なお本発明にお
いて、フィブリノゲン製剤の溶解時間は、25℃にて該
製剤を4 w/v%以上となるように完全に溶解するのに要
する時間のことであるとする。
【0006】本発明において、フィブリノゲンとして
は、通常はヒトまたは動物の血漿から得られたものが使
用される。生体適合性の点から、ヒトを対象とする場合
はヒトの血漿から得られたフィブリノゲンを、また動物
を対象とする場合はその動物の血漿から得られたフィブ
リノゲンを原料として使用することが望ましい。このよ
うなフィブリノゲンとして、例えば厚生省薬務局監修の
生物学的製剤基準(1979年第201〜203頁)に
従って製造された医療用乾燥フィブリノゲンが挙げられ
る。
は、通常はヒトまたは動物の血漿から得られたものが使
用される。生体適合性の点から、ヒトを対象とする場合
はヒトの血漿から得られたフィブリノゲンを、また動物
を対象とする場合はその動物の血漿から得られたフィブ
リノゲンを原料として使用することが望ましい。このよ
うなフィブリノゲンとして、例えば厚生省薬務局監修の
生物学的製剤基準(1979年第201〜203頁)に
従って製造された医療用乾燥フィブリノゲンが挙げられ
る。
【0007】フィブリン糊調製用としてのフィブリノゲ
ンの溶解時の濃度は、4〜12 w/v%、好ましくは6〜
10 w/v%であることが望ましく、フィブリノゲンの溶
解時の濃度が4 w/v%以上であれば、フィブリン糊の接
着強度が十分となり、一方12 w/v%以下であれば、取
扱が容易となる。
ンの溶解時の濃度は、4〜12 w/v%、好ましくは6〜
10 w/v%であることが望ましく、フィブリノゲンの溶
解時の濃度が4 w/v%以上であれば、フィブリン糊の接
着強度が十分となり、一方12 w/v%以下であれば、取
扱が容易となる。
【0008】上記フィブリン糊調製時にフィブリノゲン
を溶解させる溶媒(溶解剤)としては、通常使用される
溶媒が使用でき、注射用蒸留水、注射用生理食塩水、pH
5〜8の緩衝液(リン酸系、クエン酸系等)等の水性溶
媒が例示される。
を溶解させる溶媒(溶解剤)としては、通常使用される
溶媒が使用でき、注射用蒸留水、注射用生理食塩水、pH
5〜8の緩衝液(リン酸系、クエン酸系等)等の水性溶
媒が例示される。
【0009】本発明のフィブリノゲン製剤は、上記のよ
うな水性溶媒に短時間に溶解し得るものであり、好まし
くは水に6分以内に1 w/v%以上となるように完全に溶
解し得るものであるが、このようなフィブリノゲン製剤
の溶解性は、例えば溶解補助剤として界面活性剤を添加
することにより得られる。
うな水性溶媒に短時間に溶解し得るものであり、好まし
くは水に6分以内に1 w/v%以上となるように完全に溶
解し得るものであるが、このようなフィブリノゲン製剤
の溶解性は、例えば溶解補助剤として界面活性剤を添加
することにより得られる。
【0010】界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
−ポリオキシプロピレン共重合体〔Pluronic(商品名)
等〕、ポリオール脂肪酸エステル〔Span(商品名)
等〕、ポリエチレングリコール縮合物〔 Tween(商品
名)等〕、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油〔HCO
(商品名)等〕等の非イオン系界面活性剤が例示され、
なかでもフィブリノゲン製剤の溶解性を特に向上させ得
るポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体
が好適である。このポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレン共重合体は、平均分子量5900〜12500
のものが好ましく、例えば、 Pluronic F-68が特に好適
なものとして挙げられる。この界面活性剤の添加量は、
フィブリノゲン100重量部に対し0.2〜5重量部、
好ましくは0.5〜2.5重量部とすることが望まし
く、界面活性剤の添加量が0.2重量部以上であれば、
フィブリノゲン製剤の溶解性が十分になり、一方5重量
部以下であれば、フィブリン糊の接着強度に対する影響
が少ない。
−ポリオキシプロピレン共重合体〔Pluronic(商品名)
等〕、ポリオール脂肪酸エステル〔Span(商品名)
等〕、ポリエチレングリコール縮合物〔 Tween(商品
名)等〕、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油〔HCO
(商品名)等〕等の非イオン系界面活性剤が例示され、
なかでもフィブリノゲン製剤の溶解性を特に向上させ得
るポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体
が好適である。このポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレン共重合体は、平均分子量5900〜12500
のものが好ましく、例えば、 Pluronic F-68が特に好適
なものとして挙げられる。この界面活性剤の添加量は、
フィブリノゲン100重量部に対し0.2〜5重量部、
好ましくは0.5〜2.5重量部とすることが望まし
く、界面活性剤の添加量が0.2重量部以上であれば、
フィブリノゲン製剤の溶解性が十分になり、一方5重量
部以下であれば、フィブリン糊の接着強度に対する影響
が少ない。
【0011】本発明においては、フィブリノゲン製剤の
溶解性をさらに向上させるため、上記界面活性剤に加
え、さらにヒト血清アルブミン(以下、HSAと称す)
を添加することが好ましい。このHSAの添加量は、フ
ィブリノゲン製剤の溶解性および安定性が良好となるよ
う、フィブリノゲン100重量部に対し1〜100重量
部、好ましくは10〜50重量部とすることが望まし
い。
溶解性をさらに向上させるため、上記界面活性剤に加
え、さらにヒト血清アルブミン(以下、HSAと称す)
を添加することが好ましい。このHSAの添加量は、フ
ィブリノゲン製剤の溶解性および安定性が良好となるよ
う、フィブリノゲン100重量部に対し1〜100重量
部、好ましくは10〜50重量部とすることが望まし
い。
【0012】また、本発明においては、上記界面活性剤
に加え、糖または糖アルコールを添加することが好まし
い。糖としては、単糖類(グルコース、ガラクトース、
フルクトース等)、二糖類(スクロース、ラクトース、
マルトース等)、多糖類(デンプン、デキストリン、セ
ルロース等)等が例示され、なかでも溶解性および溶解
後の外観の点で二糖類(特にスクロース)が好適であ
る。糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトー
ル、キシリトール等が例示され、なかでも安定性および
溶解後の外観の点でキシリトールが特に好適である。上
記糖または糖アルコールの添加量は、フィブリノゲン製
剤の溶解性、安定性および溶解後の外観が良好となるよ
う、フィブリノゲン100重量部に対し5〜200重量
部、好ましくは50〜100重量部とすることが望まし
い。
に加え、糖または糖アルコールを添加することが好まし
い。糖としては、単糖類(グルコース、ガラクトース、
フルクトース等)、二糖類(スクロース、ラクトース、
マルトース等)、多糖類(デンプン、デキストリン、セ
ルロース等)等が例示され、なかでも溶解性および溶解
後の外観の点で二糖類(特にスクロース)が好適であ
る。糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトー
ル、キシリトール等が例示され、なかでも安定性および
溶解後の外観の点でキシリトールが特に好適である。上
記糖または糖アルコールの添加量は、フィブリノゲン製
剤の溶解性、安定性および溶解後の外観が良好となるよ
う、フィブリノゲン100重量部に対し5〜200重量
部、好ましくは50〜100重量部とすることが望まし
い。
【0013】さらにまた本発明においては、上記界面活
性剤に加え、アミノ酸をさらに添加することが好まし
い。このアミノ酸としては、アルギニン、グルタミン
酸、イソロイシン、グリシン、リジン等が例示され、な
かでも溶解性、安定性、溶解後の外観およびゲルの強度
の点でアルギニンが特に好適である。このアミノ酸の添
加量は、フィブリノゲン製剤の溶解性が良好となるよ
う、フィブリノゲン100重量部に対し5〜200重量
部、好ましくは10〜150重量部とすることが望まし
い。
性剤に加え、アミノ酸をさらに添加することが好まし
い。このアミノ酸としては、アルギニン、グルタミン
酸、イソロイシン、グリシン、リジン等が例示され、な
かでも溶解性、安定性、溶解後の外観およびゲルの強度
の点でアルギニンが特に好適である。このアミノ酸の添
加量は、フィブリノゲン製剤の溶解性が良好となるよ
う、フィブリノゲン100重量部に対し5〜200重量
部、好ましくは10〜150重量部とすることが望まし
い。
【0014】本発明のフィブリン糊調製用キットは、上
記フィブリノゲン製剤に、トロンビン製剤および必要に
応じ線溶阻害剤、溶解剤その他を添付したものである。
記フィブリノゲン製剤に、トロンビン製剤および必要に
応じ線溶阻害剤、溶解剤その他を添付したものである。
【0015】トロンビンとしては、通常トロンビンとし
ての生物活性または生理活性を有するもの、例えば血漿
蛋白を分画して得られるもの等が使用できる。即ち、例
えばヒトまたはウシの血漿から精製したプロトロンビン
にCa2+の存在下でトロンボプラスチン、ヘビ毒等を作
用させて調製したものを用いることができる。あるい
は、市販の薬局方収載品を用いてもよい。フィブリン糊
組成物におけるトロンビンの配合量は、フィブリノゲン
80mgに対し100〜700単位、好ましくは200〜
500単位とすることが望ましい。
ての生物活性または生理活性を有するもの、例えば血漿
蛋白を分画して得られるもの等が使用できる。即ち、例
えばヒトまたはウシの血漿から精製したプロトロンビン
にCa2+の存在下でトロンボプラスチン、ヘビ毒等を作
用させて調製したものを用いることができる。あるい
は、市販の薬局方収載品を用いてもよい。フィブリン糊
組成物におけるトロンビンの配合量は、フィブリノゲン
80mgに対し100〜700単位、好ましくは200〜
500単位とすることが望ましい。
【0016】線溶阻害剤としては、ε−アミノカプロン
酸、アプロチニン等が例示され、これらは二種以上を併
用してもよく、また、フィブリノゲン、トロンビン、溶
解剤その他の成分のいずれか一つに添加しておくように
してもよい。フィブリン糊組成物における線溶阻害剤の
配合量は、フィブリノゲン80mgに対し50〜5000
単位、好ましくは500〜3000単位とすることが望
ましい。
酸、アプロチニン等が例示され、これらは二種以上を併
用してもよく、また、フィブリノゲン、トロンビン、溶
解剤その他の成分のいずれか一つに添加しておくように
してもよい。フィブリン糊組成物における線溶阻害剤の
配合量は、フィブリノゲン80mgに対し50〜5000
単位、好ましくは500〜3000単位とすることが望
ましい。
【0017】溶解剤としては、前記したような、注射用
蒸留水、注射用生理食塩水、pH5〜8の緩衝液(リン酸
系、クエン酸系等)等の水性溶媒等が使用できる。な
お、キットを粉末製剤として用いる場合は、当該溶解剤
は不要である。
蒸留水、注射用生理食塩水、pH5〜8の緩衝液(リン酸
系、クエン酸系等)等の水性溶媒等が使用できる。な
お、キットを粉末製剤として用いる場合は、当該溶解剤
は不要である。
【0018】フィブリン糊調製用キットは、フィブリノ
ゲン単独または他の成分を含有する組成物(A成分)、
トロンビン単独または他の成分を含有する組成物(B成
分)、ならびに必要に応じその他の成分(C成分)のそ
れぞれ(好ましくはその乾燥粉末)を、単独に、あるい
はこれらのA〜C成分の二種または全成分の混合物とし
て提供される。キットには、通常さらに溶解剤が添付さ
れ、上記A〜C成分は用時当該溶解剤に溶解して使用さ
れるが、予め各成分を溶解しておいてもよい。
ゲン単独または他の成分を含有する組成物(A成分)、
トロンビン単独または他の成分を含有する組成物(B成
分)、ならびに必要に応じその他の成分(C成分)のそ
れぞれ(好ましくはその乾燥粉末)を、単独に、あるい
はこれらのA〜C成分の二種または全成分の混合物とし
て提供される。キットには、通常さらに溶解剤が添付さ
れ、上記A〜C成分は用時当該溶解剤に溶解して使用さ
れるが、予め各成分を溶解しておいてもよい。
【0019】上記キットを、例えばA〜Cの各成分を別
個に包装したキットとする場合には、その各包装単位に
おける各成分の割合は前記配合比に特定されていなくて
もよく、任意の割合として包装しておき、フィブリン糊
調製時に前記配合比となるように各成分を配合するよう
にしてもよい。
個に包装したキットとする場合には、その各包装単位に
おける各成分の割合は前記配合比に特定されていなくて
もよく、任意の割合として包装しておき、フィブリン糊
調製時に前記配合比となるように各成分を配合するよう
にしてもよい。
【0020】なお、A〜Cの成分を予め配合したキット
とする場合は、これらの成分の混合物のみよりなる変則
キットとなり、この場合は溶解剤を添付してもよい。
とする場合は、これらの成分の混合物のみよりなる変則
キットとなり、この場合は溶解剤を添付してもよい。
【0021】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために実施例を
挙げるが、本発明は、これらによって何ら限定されるも
のではない。
挙げるが、本発明は、これらによって何ら限定されるも
のではない。
【0022】実施例1 (フィブリノゲン溶液の調製)正常ヒト血漿からコーン
のエタノール分画法により得られた画分−Iペースト
を、クエン酸緩衝液で溶解した。リン酸−トリ−n−ブ
チル/ポリソルベート80溶液で30℃にて6時間処理
してウイルスを不活性化した後、エタノール沈殿により
フィブリノゲンの原画分を得た。この画分50gに6倍
量の緩衝液(0.15% クエン酸三ナトリウム, 0.25% NaC
l, pH 7.0±0.1)300mlを添加し、37℃にて1時間
攪拌溶解した。遠心分離(3000rpm 、10分)によ
って残渣を除去し2.5 w/v%溶液に調整した。
のエタノール分画法により得られた画分−Iペースト
を、クエン酸緩衝液で溶解した。リン酸−トリ−n−ブ
チル/ポリソルベート80溶液で30℃にて6時間処理
してウイルスを不活性化した後、エタノール沈殿により
フィブリノゲンの原画分を得た。この画分50gに6倍
量の緩衝液(0.15% クエン酸三ナトリウム, 0.25% NaC
l, pH 7.0±0.1)300mlを添加し、37℃にて1時間
攪拌溶解した。遠心分離(3000rpm 、10分)によ
って残渣を除去し2.5 w/v%溶液に調整した。
【0023】(フィブリノゲン凍結乾燥製剤の調製)上
記フィブリノゲン溶液10mlに Tween 80 およびグリシ
ンを添加して攪拌し、フィブリノゲン2 w/v%、 Tween
80 0.05 w/v%、グリシン0.5 w/v%を含有する
溶液を得、マイレクス−HVによって除菌濾過した後、
容量10mlのバイアルに4ml分注した。これを−80℃
にて急速凍結した後凍結乾燥し、減圧完了後、30℃に
て一晩放置して、フィブリノゲン凍結乾燥品を得た。さ
らに、これに60℃、24〜96時間の加熱処理を施し
て、フィブリノゲン凍結乾燥製剤を得た。
記フィブリノゲン溶液10mlに Tween 80 およびグリシ
ンを添加して攪拌し、フィブリノゲン2 w/v%、 Tween
80 0.05 w/v%、グリシン0.5 w/v%を含有する
溶液を得、マイレクス−HVによって除菌濾過した後、
容量10mlのバイアルに4ml分注した。これを−80℃
にて急速凍結した後凍結乾燥し、減圧完了後、30℃に
て一晩放置して、フィブリノゲン凍結乾燥品を得た。さ
らに、これに60℃、24〜96時間の加熱処理を施し
て、フィブリノゲン凍結乾燥製剤を得た。
【0024】比較例1 上記実施例1において、フィブリノゲン溶液に溶解補助
剤を添加しない以外は全て同様にして、フィブリノゲン
凍結乾燥製剤を調製した。
剤を添加しない以外は全て同様にして、フィブリノゲン
凍結乾燥製剤を調製した。
【0025】実施例2〜12および比較例2〜3 上記実施例1において、フィブリノゲン溶液に添加する
溶解補助剤およびその添加量を表1に示すようにかえる
以外は全て同様にして、フィブリノゲン凍結乾燥製剤を
調製した。
溶解補助剤およびその添加量を表1に示すようにかえる
以外は全て同様にして、フィブリノゲン凍結乾燥製剤を
調製した。
【0026】
【表1】
【0027】(フィブリノゲン製剤の溶解性試験)上記
実施例1〜12および比較例1〜3において得られた各
フィブリノゲン凍結乾燥製剤を、25℃で注射用水1ml
に溶解し、当該製剤が溶解するまでの時間、溶状および
凝固活性を調べたところ、表1に示す結果が得られた。
実施例1〜12および比較例1〜3において得られた各
フィブリノゲン凍結乾燥製剤を、25℃で注射用水1ml
に溶解し、当該製剤が溶解するまでの時間、溶状および
凝固活性を調べたところ、表1に示す結果が得られた。
【0028】
【作用・効果】本発明のフィブリノゲン製剤は、上記の
ように特定の溶解補助剤を添加したことによって、溶解
性に優れるものとなっている。
ように特定の溶解補助剤を添加したことによって、溶解
性に優れるものとなっている。
フロントページの続き (72)発明者 西槇 秀雄 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 水に短時間に1 w/v%以上となるように
完全に溶解し得るフィブリノゲン製剤。 - 【請求項2】 水に短時間に4 w/v%以上となるように
完全に溶解し得る請求項1記載のフィブリノゲン製剤。 - 【請求項3】 水に6分以内に完全に溶解し得る請求項
2記載のフィブリノゲン製剤。 - 【請求項4】 界面活性剤を含有するフィブリノゲン製
剤。 - 【請求項5】 界面活性剤が、非イオン系界面活性剤で
ある請求項4記載のフィブリノゲン製剤。 - 【請求項6】 非イオン系界面活性剤が、ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオール脂
肪酸エステル、ポリエチレングリコール縮合物およびポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油より選ばれるものである
請求項5記載のフィブリノゲン製剤。 - 【請求項7】 ヒト血清アルブミンをさらに含有する請
求項4〜6のいずれかに記載のフィブリノゲン製剤。 - 【請求項8】 糖または糖アルコールをさらに含有する
請求項4または7記載のフィブリノゲン製剤。 - 【請求項9】 アミノ酸をさらに含有する請求項4また
は8記載のフィブリノゲン製剤。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のフィ
ブリノゲン製剤およびトロンビン製剤を有するフィブリ
ン糊調製用キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6294674A JP2894224B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | フィブリノゲン製剤およびそれを用いたフィブリン糊調製用キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6294674A JP2894224B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | フィブリノゲン製剤およびそれを用いたフィブリン糊調製用キット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08151330A true JPH08151330A (ja) | 1996-06-11 |
JP2894224B2 JP2894224B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=17810841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6294674A Expired - Lifetime JP2894224B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | フィブリノゲン製剤およびそれを用いたフィブリン糊調製用キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2894224B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001342146A (ja) * | 2000-03-28 | 2001-12-11 | Chemo Sero Therapeut Res Inst | 液状フィブリノゲン製剤 |
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