JPH08150459A - 高圧鋳造装置 - Google Patents

高圧鋳造装置

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JPH08150459A
JPH08150459A JP28983594A JP28983594A JPH08150459A JP H08150459 A JPH08150459 A JP H08150459A JP 28983594 A JP28983594 A JP 28983594A JP 28983594 A JP28983594 A JP 28983594A JP H08150459 A JPH08150459 A JP H08150459A
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JP
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molten metal
hot water
water supply
injection sleeve
gas
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JP28983594A
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Kenichi Hirukawa
謙一 蛭川
Yoshiki Takebayashi
慶樹 武林
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出スリーブへの給湯過程における給湯管の
マウスピース内の溶湯面および射出スリーブの給湯口で
の酸化物の生成を抑制でき、よって酸化物の堆積による
給湯口の閉塞を防いで給湯量の安定化が図れると共に、
酸化物の混入による鋳造品の内部品質低下を防ぐことが
できる高圧鋳造装置を提供する。 【構成】 射出スリーブ(2) の給湯口(2b)に連結された
給湯管(3) のマウスピース(3a)の上端壁部に、通気性を
有する多孔質体(4a)を内端部に挿嵌したガス噴出孔(4)
を設けると共に、このガス噴出孔(4) を管路(5) を介し
て不活性ガス供給装置に接続し、該ガス噴出孔(4) から
アルゴンガス等の不活性ガス(G) を噴出して充満させ
て、該マウスピース(3a)内の溶湯面および給湯口(2b)で
の溶湯(M) 上を不活性ガス(G) で覆うことで大気から遮
蔽して、酸化物の生成を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽合金等の鋳造に用い
られる高圧鋳造装置に関し、詳細には、金型キャビテイ
に連通させた射出スリーブに対してガス圧もしくは電磁
ポンプ等の圧送手段により給湯を行う縦型の高圧鋳造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、高力で閉め切った金型の
キャビティに溶湯を高圧力で押し込むダイカスト法で
は、複雑形状品を寸法精度良く鋳造できることより、軽
合金や樹脂部材等の製造に広く適用されている。また、
各種の鋳造装置が用いられているが、Al合金等の軽合
金の鋳造では、コールドチャンバ式の鋳造装置が用いら
れ、また、形状の確保を主体として比較的高速で鋳造す
る一般的なダイカスト鋳造に対し、内部品質を確保する
ために、射出スリーブからの溶湯射出速度を低めると共
に金型キャビテイでの溶湯圧力を高めて鋳造する高圧鋳
造では、一般に縦型の鋳造装置が用いられている。一
方、その射出スリーブへの給湯方法にも種々あるが、近
年では、一連の鋳造を効率良く行えることより、給湯管
を介して、ガス圧や電磁ポンプ等による溶湯圧送手段を
有する給湯装置を射出スリーブに接続し、溶湯を給湯装
置から直接的に射出スリーブに給湯する方法が採用され
るようになっている。
【0003】この種の鋳造装置として〔図3〕に示す構
成のものがある。〔図3〕は従来の縦型鋳造装置の代表
1例の概要構成を示す図面であって、 (a)図は一部を切
り欠いて示す正面図、 (b)図は要部の断面図、 (c)図は
要部の作動説明図である。この従来の縦型鋳造装置で
は、金型(1) は移動金型(1a)と固定金型(1b)から構成さ
れると共に、その移動金型(1a)が、鋳造機本体(E) の昇
降盤(E1)にて、下方のボルスタ(E2)上に固定配置された
固定金型(1b)に対して開放および閉め切り可能とされて
いる。また、金型(1) 下方のボルスタ(E2)内には、上端
部を固定金型(1b)に連結されて該金型(1) のキャビティ
(C) に連通する射出スリーブ(2) が配設されている。ま
た、射出スリーブ(2) は、下方に配設されたシリンダ装
置(P)にて昇降させられるプランジャ(2a)を内部に配す
ると共に、 (b)図に示すように、下端寄りの側壁に給湯
口(2b)を設けており、その給湯口(2b)が、給湯管(3) を
介して鋳造機本体(E) の側方に配置された給湯装置(F)
に接続されている。一方、その給湯装置(F) は、内部の
溶湯を所定温度に加熱保持するヒータと、給湯管(3) を
通して射出スリーブ(2) に圧送するための溶湯加圧室も
しくは電磁ポンプを備えている。また、給湯管(3) は、
水平方向に配された給湯管本体(3b)と、この給湯管本体
(3b)の先端部に設けられ、 (b)図に示すように、上方へ
の立ち上がり部を形成するマウスピース(3a)とで構成さ
れており、その先端のマウスピース(3a)が射出スリーブ
(2) の給湯口(2b)に接続されている。
【0004】この縦型鋳造装置では、 (a)および (b)図
に示すように、移動金型(1a)と固定金型(1b)とを閉め切
り、射出スリーブ(2) のプランジャ(2a)を最下点に位置
させた状態で、給湯装置(F) から所定量の溶湯(M) を給
湯管(3) を通して射出スリーブ(2) に圧送する。続い
て、 (c)図に示すように、プランジャ(2a)を上昇させ
て、射出スリーブ(2) 内の溶湯(M) を金型(1) のキャビ
ティ(C) に圧入する。一方、上昇するプランジャ(2a)の
先端部が給湯口(2b)を塞いだ時点で、給湯装置(F) での
溶湯(M) の圧力を低め、 (c)図に示すように、プランジ
ャ(2a)の先端部が給湯口(2b)を越えて上昇したときに、
マウスピース(3a)内の溶湯(M) を引き戻して給湯口(2b)
よりも低い溶湯面を形成するように制御し、これにより
射出スリーブ(2) に対する迅速な湯切りを行って湯漏を
防ぐ。そして、プランジャ(2a)が圧入上限まで上昇して
射出スリーブ(2) の溶湯(M)を金型(1) のキャビティ(C)
に圧入し終わり、そのキャビティ(C) 内の溶湯(M)が凝
固して移動金型(1a)が開放されと、再びプランジャ(2a)
を設定押出点まで上昇させて鋳造品を固定金型(2b)から
引き離し、しかる後に最下点まで下降復帰させて、1サ
イクルの鋳造が終了する。
【0005】上記のように、この種の鋳造装置では、1
ショットごとにマウスピース(3a)内の溶湯(M) を引き戻
して湯切りを行うのであるが、その際に、 (C)図に示す
ように射出スリーブ(2) の給湯口(2b)に溶湯(M) の酸化
薄膜からなるバリ(B) が発生し、これが各ショットごと
に堆積・成長して給湯口(2b)の流路面積を狭め、結果と
して給湯量を不安定にするということが問題とされてい
た。そこで、このような問題を解消することのできる構
成の鋳造装置が特開平6-106330号公報に提案されてい
る。その鋳造装置の要部の構成を〔図2〕に示す。
【0006】この提案に係る鋳造装置は、全体的な構成
配置は〔図3〕に示した前記従来のものと同様の縦型装
置であるが、その要部の断面図である〔図2〕の (a)図
に示すように、金型(1) のキャビティ(C) に連通する射
出スリーブ(2) のプランジャ(2a)桿部に、そのプランジ
ャ(2a)が圧入上限位置に上昇した状態で、上端部に設け
た吹出口(10a) が給湯口(2b)を指向するガス供給管(10)
を設けると共に、このガス供給管(10)を、図示省略の外
部のアルゴンガス供給源に接続させている。そして、こ
の従来の鋳造装置では、 (a)図に示すように、移動金型
(1a)と固定金型(1b)とを閉め切り、射出スリーブ(2) の
プランジャ(2a)を最下点に位置させた状態で、所定量の
溶湯(M) を給湯管(3) を通して射出スリーブ(3) に圧送
し、続いてプランジャ(2a)を上昇させて、 (b)図に示す
ように、該プランジャ(2a)が圧入上限にあって金型(1)
のキャビティ(C) 内の溶湯(M) を加圧しつつ凝固させて
いる状態において、前記ガス供給管(10)の吹出口(10a)
が給湯口(2b)の中央部に対応する高さ位置を占め、それ
と同時に、吹出口(10a) からアルゴンガスが吹き出され
て、射出スリーブ(2) の給湯口(2b)に発生したバリ(B)
を、給湯管(3)のマウスピース(3a)内に向けて吹き飛ば
して除去する。すなわち、この従来の鋳造装置では、射
出スリーブ(2) の給湯口(2b)でのバリ(B) の発生は一旦
容認するものの、1ショットごとに、アルゴンガスの吹
き出し圧力によってバリ(B) を除去し、そのバリ(B) の
堆積・成長による給湯口(2b)の詰まりを未然に防ぐこと
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、給湯装
置からの溶湯を給湯管を通して直接的に射出スリーブに
給湯する縦型鋳造装置では、各ショットごとにマウスピ
ース内の溶湯を引き戻して湯切りを行う際に、その溶湯
表面が空気に触れて酸化し、生成した酸化膜によるバリ
が給湯口内壁に堆積・成長することが原因して給湯口に
詰まりが生じる。一方、射出スリーブへの給湯時以外で
は、つまり次のショットのための給湯までの間、溶湯が
マウスピース内に引き戻されて給湯管内で待機してお
り、また、その給湯管内での待機時(通常では約50秒程
度)には、給湯口が大気開放されるので、マウスピース
内の溶湯面でも空気との接触による酸化膜が生成され
る。更にまた、内部品質の確保が必要とされるAl合金
部材などの高圧鋳造では、溶湯射出速度を 100mm〜200m
m/sec とし、通常 1.5〜2.5M/secの高速で射出する一般
的なダイカスト鋳造の約1/10の低速で鋳造されるので、
1ショット当たりの鋳造時間も、例えばストロークを30
0mm とした場合、一般的なダイカスト鋳造では 0.2秒程
度であるのに対して 3.0秒程度と長くなる。そのため、
溶湯の給湯管内待機時間も長くなり、マウスピース内で
の酸化膜の生成がより顕著となる。そして、マウスピー
ス内の溶湯面で生成された酸化物は、次のショットで溶
湯と共に金型キャビティに圧入され、これが鋳造品の内
部品質を低下させる因子となり、特に、内部品質の要求
が厳しく、高い信頼性を要求される航空機や高速車両用
のAl合金部材などの高圧鋳造では、厳に忌避すべき大
きな問題となる。
【0008】しかしながら、前記従来の鋳造装置(特開
平6-106330号)では、給湯口に堆積したバリを除去する
には十分であるものの、そのバリを除去するためのアル
ゴンガスは、射出スリーブのプランジャが圧入上限に位
置したときだけ噴出させるので、そのアルゴンガスによ
り、次のショットまでの給湯管内待機時におけるマウス
ピース内の溶湯面での酸化膜の生成を効果的に防止する
ことができない。更に、給湯口でのバリの発生は一旦容
認し、そのバリをマウスピース内に向けて吹き飛ばして
除去するので、マウスピース内に落ち込んだ酸化物から
なるバリが、次のショットで溶湯と共に金型キャビティ
に圧入され、結果として、鋳造品の内部品質低下を助長
させると言う問題もある。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点を解消す
べくなされたもので、射出スリーブへの給湯過程におけ
る給湯管のマウスピース内の溶湯面および射出スリーブ
の給湯口での酸化物の生成を抑制でき、よって酸化物の
堆積による給湯口の閉塞を防いで給湯量の安定化が図れ
ると共に、酸化物の混入による鋳造品の内部品質低下を
防ぐことができる高圧鋳造装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成とされている。すなわち、本
発明に係る高圧鋳造装置は、金型キャビテイに連通させ
た鋳造機の射出スリーブと、溶湯圧送手段を有する給湯
装置とを、先端部に前記射出スリーブの給湯口に連結さ
せるマウスピースを上下方向に設けた給湯管を介して接
続し、その給湯管を通して給湯装置の溶湯を射出スリー
ブ内に給湯すると共に、該射出スリーブのプランジャに
て金型キャビテイに圧入させて鋳造する高圧鋳造装置に
おいて、前記マウスピースの上端壁部に、管路を介して
外部の不活性ガス供給装置に接続され、内端部に通気性
を有する多孔質体を挿嵌したガス噴出孔を設けたことを
特徴とする。
【0011】また、上記多孔質体がセラミックス材から
なると共に、上記マウスピースの周壁部にヒータが周設
されているのが良い。
【0012】
【作用】本発明では、金型キャビテイに連通させた鋳造
機の射出スリーブと給湯装置とを接続する給湯管の先端
部に設けられ、射出スリーブの給湯口に連結されたマウ
スピースの上端壁部に、ガス噴出孔を設けると共に、こ
のガス噴出孔を管路を介して外部の不活性ガス供給装置
に接続しているので、射出スリーブの給湯口が大気開放
されて溶湯が給湯管のマウスピース内に引き戻された状
態、つまり、給湯管内に溶湯が充満する射出スリーブへ
の給湯時以外であって、次のショットのための射出スリ
ーブへの給湯まで溶湯が給湯管内で待機し、マウスピー
ス内で溶湯面が形成された状態において、不活性ガス供
給装置から送給する不活性ガスを、ガス噴出孔を通して
マウスピース内に送入して充満させることで、該マウス
ピース内の溶湯面および給湯口での溶湯を不活性ガスで
覆って大気から遮蔽し、酸化膜物の生成を防止すること
ができる。また、ガス噴出孔の内端部には通気性を有す
る多孔質体を挿嵌しているので、その多孔質体を通して
内部に不活性ガスを送入する一方で、射出スリーブへの
給湯時には、該多孔質体によって内部に充満した溶湯が
外部に流出することを防ぐことができる。
【0013】また、上記多孔質体がセラミックス材から
なる場合、悪影響を及ぼす溶湯との反応を起こさず、十
分な耐熱性を有するものを容易に得られ、また、上記マ
ウスピースの周壁部にヒータが周設することで、該マウ
スピースおよび内部の溶湯の温度低下を抑えて、溶湯が
給湯口でバリ状に固化して堆積したり、多孔質体の内面
上で固化して通気性を阻害したりすることを防止するこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る高圧鋳造装置の実施例を
図面を参照して説明する。〔図1〕は、本発明の高圧鋳
造装置の1実施例の要部の構成を示す図面であって、
(a)図は要部の断面図、 (b)図は要部の作動説明図であ
る。なお、本実施例の高圧鋳造装置は、全体的な構成配
置が〔図3〕に示した前記従来のものと同様の縦型装置
であるので、ここでは要部の構成のみを図示すると共
に、〔図3〕と等価な各部に同符号を付して詳細説明を
省略するものとする。
【0015】本実施例の高圧鋳造装置では、〔図1〕の
(a)図および (b)図に示すように、射出スリーブ(2) の
給湯口(2b)に連結された給湯管(3) のマウスピース(3a)
の上端壁部に、内外を上下方向に貫通するガス噴出孔
(4) が設けられており、また、このガス噴出孔(4) は、
ガス送給管(5) を介して、ここでは図示を省略した外部
の不活性ガス供給装置に接続されている。また、このガ
ス噴出孔(4) は、 (b)図の1部分を引出し拡大したイ部
に示すように、内端部を内逆転円錐台状に縮径する(本
実施例では主体部内径18mm、縮径部内端径12mm)と共
に、その内端部に通気性を有する逆転円錐台状の多孔質
体(4a)を挿嵌し、更に、その上部にガス送給管(5) と連
結させる中空プラグ(4b)(本実施例では内径12mmのも
の)をねじ込むことで、該多孔質体(4a)を着脱可能に固
定している。
【0016】一方、ガス噴出孔(4) の多孔質体(4a)は、
給湯対象の溶湯の温度以上の高い融点をもち、かつ溶湯
と反応を起こさないセラミックス材(本実施例ではSi02
系)からなり、ガスは通過させるが溶湯は通過させない
微細な開放間隙を有するものとされている。また、給湯
管(3) のマウスピース(3a)の周壁内には、棒状のヒータ
(6) が、円周方向に等ピッチに配列されて上下方向に設
けられており、また、このヒータ(6) は、ここでは図示
を省略した入力制御装置に接続されている。
【0017】また、本実施例では、前記図示省略の不活
性ガス供給装置は、アルゴンガスの供給源としての加圧
貯溜容器と、この加圧貯溜容器からのアルゴンガスの圧
力を減圧調整してマウスピース(3a)のガス噴出孔(4) に
送給する圧力制御装置とを備えてなると共に、その圧力
制御装置は、射出スリーブ(2) のプランジャ(2a)の昇降
を検出するストローク検出器に接続され、該プランジャ
(2a)の昇降に対応してガス噴出孔(4) へのアルゴンガス
の送給を制御するものとされおり、この構成のもとで、
給湯装置(F) 側となる鋳造機本体(E) の側方に配置され
ている。また、この不活性ガス供給装置とガス噴出孔
(4) とを接続するガス送給管(5) は、給湯装置(F) の外
皮鋼板と耐火物壁との間を経由してガス噴出孔(4) に向
けて配管されており、該給湯装置(F) の耐火物との熱交
換にて、内部を通るアルゴンガスを100℃前後の温度に
昇温させてガス噴出孔(4) に送給するものとされてい
る。
【0018】上記構成の本実施例の高圧鋳造装置では、
(a)図に示すように、移動金型(1a)と固定金型(1b)とを
閉め切り、射出スリーブ(2) のプランジャ(2a)を最下点
に位置させた状態で、所定量の溶湯(M) を給湯管(3) を
通して射出スリーブ(2) に圧送する。続いてプランジャ
(2a)を上昇させて、射出スリーブ(2) 内の溶湯(M) を金
型(1) のキャビティ(C) に圧入する。一方、上昇するプ
ランジャ(2a)の先端部が給湯口(2b)を塞いだ時点で、給
湯装置(F) での溶湯(M) の圧力を低め、 (b)図に示すよ
うに、プランジャ(2a)の先端部が給湯口(2b)を越えて上
昇し、該給湯口(2b)が大気開放されたときに、マウスピ
ース(3a)内の溶湯(M) を引き戻して給湯口(2b)よりも低
い溶湯面を形成するように制御し、射出スリーブ(2) に
対する湯切りを行う。また、給湯口(2b)が開放されると
同時に、前記図示省略の不活性ガス供給装置からアルゴ
ンガス(G) の送給を開始し、そのアルゴンガス(G) を、
ガス噴出孔(4) からマウスピース(3a)内に噴出させ、該
マウスピース(3a)内に引き戻される溶湯(M) 上の空間に
充満させて、給湯口(2b)からの大気の進入を遮断する。
そして、プランジャ(2a)が圧入上限まで上昇して射出ス
リーブ(2) の溶湯(M)を金型(1) のキャビティ(C) に圧
入し終わり、そのキャビティ(C) 内の溶湯(M)が凝固し
て移動金型(1a)が開放されと、再びプランジャ(2a)を設
定押出点まで上昇させて鋳造品を固定金型(1b)から引き
離し、しかる後に最下点まで下降復帰させて、1サイク
ルの鋳造が終了する。一方、マウスピース(3a)内へのア
ルゴンガス(G) の送入は、プランジャ(2a)が下降復帰す
るまで継続し、次のショットの溶湯(M) を射出スリーブ
(2) に給湯するときに停止させる。すなわち、一連の鋳
造において、アルゴンガス(G) の送入は、マウスピース
(3a)内に溶湯(M) が充満する射出スリーブ(2) への給湯
時だけ停止され、それ以外の工程中では継続される。従
って、次のショットの溶湯(M)を射出スリーブ(2) に給
湯するまで該溶湯(M) が給湯管(3) 内で待機し、マウス
ピース(3a)内で溶湯面が形成された状態において、その
マウスピース(3a)内の溶湯面および給湯口(2b)での溶湯
(M) は、送入されたアルゴンガス(G) で覆われて大気か
ら遮蔽される。
【0019】本実施例の高圧鋳造装置により、上記手順
のもとで、一連のAl合金部材の高圧鋳造を行った。こ
の一連の高圧鋳造では、各サイクルごとに大気連通され
る給湯管(3) のマウスピース(3a)内を、上部のガス噴出
孔(4) から噴出させたアルゴンガス(G) で置換して充満
するので、該マウスピース(3a)内および給湯口(2b)での
溶湯(M) 上を大気から遮蔽して酸化物の生成を防止で
き、これによって酸化物の混入による鋳造品の内部品質
低下を防ぐことができた。また、ガス噴出孔(4) に挿嵌
したセラミックス材からなる多孔質体(4a)により、射出
スリーブ(2) への給湯時において、内部に充満した溶湯
(M) が該ガス噴出孔(4) から流出することを防ぐことが
できた。また、アルゴンガス(G) は 100℃前後の温度に
昇温させて送給する一方、マウスピース(3a)に設けたヒ
ータ(6) による入熱にて温度低下を抑えて、その内部の
溶湯(M) の 700℃に保持することで、溶湯(M) が多孔質
体(4a)の内面上で固化して通気性を阻害することを防止
して、該多孔質体(4a)を通してのアルゴンガス(G) の送
入を安定して維持でき、かつ溶湯(M) が給湯口(2b)でバ
リ状に固化して堆積することも防止でき、その結果、該
給湯口(2b)の詰まりの発生頻度が従来装置の約 1/3まで
低下した。
【0020】なお、上記実施例では、給湯管のマウスピ
ース内に送入する不活性ガスをアルゴンガスとしたが、
これは窒素ガスに置き換えても同様の効果が得られるこ
とを確認している。また、ガス噴出孔に挿嵌した多孔質
体はセラミックス材からなるものとしたが、この多孔質
体は、給湯対象の溶湯の温度以上の高い融点をもち、か
つ溶湯と反応を起こさない特性を有し、ガスは通過させ
るが溶湯は通過させない構成のものであれば、他の種の
材料を適用されても良い。また、上記実施例では、Al
合金部材の高圧鋳造について述べたが、本発明は、給湯
過程での酸化物の生成を忌避するものであれば、Mg合
金等の他の種の軽合金の鋳造に適用されて同様な効果が
得られることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る高圧
鋳造装置では、射出スリーブへの給湯過程における給湯
管のマウスピース内の溶湯面および射出スリーブの給湯
口での酸化物の生成を効果的に抑制でき、よって酸化物
の堆積による給湯口の閉塞を防いで給湯量の安定化が図
れると共に、酸化物の混入による内部品質低下を防い
で、高品質の鋳造品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧鋳造装置の1実施例の要部の構成
を示す図面であって、 (a)図は要部の断面図、 (b)図は
要部の作動説明図である。
【図2】従来の別の鋳造装置の要部の構成を示す断面図
である。
【図3】従来の縦型鋳造装置の代表1例の概要構成を示
す図面であって、 (a)図は一部を切り欠いて示す正面
図、 (b)図は要部の断面図、 (c)図は要部の作動説明図
である。
【符号の説明】
(1) --金型 (1a)--移動金型 (1b)--固定金型 (2) --射出スリー
ブ (2a)--プランジャ (2b)--給湯口 (3) --給湯管 (3a)--マウスピー
ス (4) --ガス噴出孔 (4a)--多孔質体 (4b)--中空プラグ (5) --ガス送給管 (6) --ヒータ (C) --キャビティ (G) --アルゴンガス (M) --溶湯

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型キャビテイに連通させた鋳造機の射
    出スリーブと、溶湯圧送手段を有する給湯装置とを、先
    端部に前記射出スリーブの給湯口に連結させるマウスピ
    ースを上下方向に設けた給湯管を介して接続し、その給
    湯管を通して給湯装置の溶湯を射出スリーブ内に給湯す
    ると共に、該射出スリーブのプランジャにて金型キャビ
    テイに圧入させて鋳造する高圧鋳造装置において、前記
    マウスピースの上端壁部に、管路を介して外部の不活性
    ガス供給装置に接続され、内端部に通気性を有する多孔
    質体を挿嵌したガス噴出孔を設けたことを特徴とする高
    圧鋳造装置。
  2. 【請求項2】 前記多孔質体がセラミックス材からなる
    と共に、前記マウスピースの周壁部にヒータが周設され
    ている請求項1記載の高圧鋳造装置。
JP28983594A 1994-11-24 1994-11-24 高圧鋳造装置 Withdrawn JPH08150459A (ja)

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