JPH08150408A - ルーパ制御装置 - Google Patents

ルーパ制御装置

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JPH08150408A
JPH08150408A JP6291727A JP29172794A JPH08150408A JP H08150408 A JPH08150408 A JP H08150408A JP 6291727 A JP6291727 A JP 6291727A JP 29172794 A JP29172794 A JP 29172794A JP H08150408 A JPH08150408 A JP H08150408A
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JP
Japan
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looper
tension
rolling
value
control
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JP6291727A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Imanari
成 宏 幸 今
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Toshiba Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • B21B37/48Tension control; Compression control
    • B21B37/50Tension control; Compression control by looper control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タンデム圧延機のルーパの高さ制御の応答を
高速化すると共に、ルーパ高さと張力との干渉系を非干
渉化することにより、ルーパ及び圧延材張力の最適制御
を可能にするルーパ制御装置を提供する。 【構成】 ルーパが油圧装置により駆動され、ルーパの
高さの検出値及び予め定められた制御ゲインを用いて、
スタンド間の圧延材張力を張力目標値に追従させ、か
つ、ルーパ高さをルーパ高さ目標値に追従させるような
圧延主機の速度変更量指令値とルーパ油圧装置の圧力指
令値とを演算する制御演算手段を備えるとき、さらに、
ルーパ油圧装置の油圧シリンダ内の油流量あるいはその
油流量と等価な量を検出し、その検出値にゲインを掛け
て圧延主機の第1の速度変更量指令値を演算する共振周
波数変更手段と、油圧シリンダ内の圧力あるいはその圧
力と等価な量を検出し、その検出値にゲインを掛けて圧
延主機の第2の速度変更量指令値を演算する減衰定数変
更手段とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【産業上の利用分野】本発明は、タンデム圧延機の各ス
タンド間に配置された油圧駆動型のルーパの高さと、圧
延材のスタンド間張力とを制御するルーパ制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延や冷間圧延における最終製品の
評価基準には板厚及び板幅がある。このうち板厚に対し
て自動板厚制御が行われ、板幅に対して自動板幅制御が
行われる。一方、圧延中の材料にかかる張力は板厚や板
幅に影響するため、張力を目標値に保つ制御も行われて
いる。
【0003】とくに熱間圧延における圧延材料は加熱処
理されて高温となり圧延材料の変形抵抗が小さくなって
おり、張力が大きいと材料の破断を起こしやすくなる。
この破断を防止するべく張力を小さく設定すると外乱や
誤設定により無張力の状態となることがあり、その状態
が長く続くとスタンド間での大きなループの発生となっ
て事故を引き起こすことがある。そこで熱間圧延機では
とくにルーパ装置が設けられ、このルーパ装置によって
張力制御が行われ、また材料の通板性を良くする観点か
らルーパの高さ制御が行われる。
【0004】かかる圧延材張力及びルーパ高さ制御装置
において、圧延材張力からルーパ高さへの干渉とルーパ
高さから張力への干渉とがある。ルーパの駆動装置が油
圧装置の場合、従来からの張力制御には、それらの干渉
を抑えることなくPID制御により圧延材張力及びルー
パ高さを制御する方法があり、この方法が実機に適用さ
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したPID制御に
よる従来の方法では、張力制御は張力目標値を維持する
のに必要な圧力を演算し、その圧力をルーパ油圧装置の
圧力設定値としていた。この場合、張力をフィードバッ
クしないため、必ずしも張力が目標値どおりに制御され
るとは限らなかった。
【0006】また従来の方法によるルーパ高さ制御にお
いては、圧延材張力とルーパの相互干渉を抑える働きが
ないため、制御系の共振点が比較的低い周波数域に存在
し、高さ制御応答をその共振周波数の1/3程度以下に
抑える必要があり、速応性を向上させることが難しかっ
た。
【0007】この発明の目的は、上記の問題点を解決す
るためになされたものであり、タンデム圧延機の各スタ
ンド間に配置されたルーパの高さと、そのスタンド間の
圧延材張力との制御において、ルーパ高さ制御の応答を
高速化すると共に、ルーパ高さと張力との干渉系を非干
渉化することにより、ルーパ及び圧延材張力の最適制御
を可能にするルーパ制御装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のルーパ
制御装置は、タンデム圧延機の圧延スタンド間に配置さ
れたルーパが油圧装置により駆動され、ルーパの高さの
検出値及び予め定められた制御ゲインを用いて、スタン
ド間の圧延材張力を張力目標値に追従させ、かつ、ルー
パ高さをルーパ高さ目標値に追従させるような圧延主機
の速度変更量指令値とルーパ油圧装置の圧力指令値とを
演算する制御演算手段を備え、演算された圧力指令値を
ルーパ油圧装置に設定し、演算された圧延主機の速度変
更量指令値を速度指令値に加算して圧延主機速度制御装
置に設定するものであって、ルーパ油圧装置の油圧シリ
ンダ内の油流量あるいはその油流量と等価な量を検出
し、その検出値にゲインを掛けて圧延主機の第1の速度
変更量指令値を演算する共振周波数変更手段と、油圧シ
リンダ内の圧力あるいはその圧力と等価な量を検出し、
その検出値にゲインを掛けて圧延主機の第2の速度変更
量指令値を演算する減衰定数変更手段と、を備え、第1
及び第2の速度変更量指令値とを圧延主機の速度指令値
に加算して圧延主機速度制御装置に設定することを特徴
としている。
【0009】請求項2に記載のルーパ制御装置は、タン
デム圧延機の圧延スタンド間に配置されたルーパが油圧
装置により駆動され、ルーパの高さの検出値及び予め定
められた制御ゲインを用いて、スタンド間の圧延材張力
を張力目標値に追従させ、かつ、ルーパ高さをルーパ高
さ目標値に追従させるような圧延主機の速度変更量指令
値とルーパ油圧装置の圧力指令値とを演算する制御演算
手段を備え、演算された圧力指令値をルーパ油圧装置に
設定し、演算された圧延主機の速度変更量指令値を速度
指令値に加算して圧延主機速度制御装置に設定するもの
であって、制御演算手段が、ルーパ高さと圧延材張力と
の相互干渉がある多変数系を伝達関数としてモデル化し
て、相互干渉を表す伝達関数である圧延主機の速度指令
値からルーパ角度までの伝達関数を相殺する第1のクロ
スコントローラと、ルーパ油圧装置の圧力指令値から圧
延材張力までの伝達関数を相殺する第2のクロスコント
ローラと、これらのクロスコントローラにより非干渉化
されることを前提として、張力検出値を張力目標値に追
従させる張力制御器とルーパ角度検出値をルーパ角度目
標値に追従させる角度制御器と、を備え、張力制御器の
出力が第1のクロスコントローラに入力され、この第1
のクロスコントローラの出力と角度制御器の出力とを加
算してルーパ油圧装置の圧力指令値とし、角度制御器の
出力が第2のクロスコントローラに入力され、この第2
のクロスコントローラの出力と張力制御器の出力とを加
算して圧延主機の速度変更量指令値とすることを特徴と
している。
【0010】請求項3に記載のルーパ制御装置は、タン
デム圧延機の圧延スタンド間に配置されたルーパが油圧
装置により駆動され、ルーパの高さの検出値及び予め定
められた制御ゲインを用いて、スタンド間の圧延材張力
を張力目標値に追従させ、かつ、ルーパ高さをルーパ高
さ目標値に追従させるような圧延主機の速度変更量指令
値とルーパ油圧装置の圧力指令値とを演算する制御演算
手段を備え、演算された圧力指令値をルーパ油圧装置に
設定し、演算された圧延主機の速度変更量指令値を速度
指令値に加算して圧延主機速度制御装置に設定するもの
であって、ルーパ高さと圧延材張力との相互干渉がある
多変数系をモデル化したものであって、圧延主機に与え
る速度変更量指令値のみではなくルーパ油圧装置に与え
る圧力指令値によっても圧延材張力を制御するためにル
ーパ高さの制御系の出力としてルーパ高さ及び重みパラ
メータを付加した圧延材張力を出力とする制御対象プロ
セスのモデルと、制御対象プロセスのモデルを表現する
変数、圧延材張力とルーパ高さの応答を指定するための
変数、圧延材張力とルーパ高さの応答を調整するための
変数、及び、重みパラメータをそれぞれ設定する多変数
制御設定手段と、この多変数制御設定手段で設定された
設定値を所定の制御ゲイン式に代入して、制御演算手段
で用いる制御ゲインを数値として求める多変数制御ゲイ
ン演算手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】請求項4に記載のルーパ制御装置は、タン
デム圧延機の圧延スタンド間に配置されたルーパが油圧
装置により駆動され、ルーパの高さの検出値及び予め定
められた制御ゲインを用いて、スタンド間の圧延材張力
を張力目標値に追従させ、かつ、ルーパ高さをルーパ高
さ目標値に追従させるような圧延主機の速度変更量指令
値とルーパ油圧装置の圧力指令値とを演算する制御演算
手段を備え、演算された圧力指令値をルーパ油圧装置に
設定し、演算された圧延主機の速度変更量指令値を速度
指令値に加算して圧延主機速度制御装置に設定するもの
であって、ルーパ高さと圧延材張力との相互干渉がある
多変数系をモデル化したものであって、圧延主機に与え
る速度変更量指令値のみではなくルーパ油圧装置に与え
る圧力指令値によっても圧延材張力を制御するためにル
ーパ高さの制御系の出力としてルーパ高さ及び重みパラ
メータを付加した圧延材張力を出力とする制御対象プロ
セスのモデルと、圧延条件及び圧延状態に基づいて、制
御対象プロセスを構成する変数値、重みパラメータ、張
力制御系の応答とロバスト性を指定するための重み関
数、及びルーパ高さ制御系の応答とロバスト性を指定す
るための重み関数、をそれぞれ設定するロバスト制御設
定手段と、このロバスト制御設定手段で設定された設定
値を所定の制御ゲイン演算方式にしたがって演算し、制
御演算手段で用いる制御ゲインを求めるロバスト制御ゲ
イン演算手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】請求項5に記載のルーパ制御装置は、タン
デム圧延機の圧延スタンド間に配置されたルーパが油圧
装置により駆動され、ルーパ高さをルーパ高さ目標値に
追従させるような油圧位置制御装置の位置指令値を演算
するルーパ高さ制御手段と、演算された位置指令値を油
圧位置制御装置に設定し、スタンド間の圧延材張力を張
力目標値に追従させるような圧延主機の速度変更量指令
値を演算する張力制御手段とを備え、演算された圧延主
機の速度変更量指令値を速度指令値に加算して圧延主機
速度制御装置に設定するものである。
【0013】請求項6に記載のルーパ制御装置は、請求
項2乃至5のいずれかに記載のものが、ルーパに設置さ
れた張力計の信号から張力を演算する手段と、油圧シリ
ンダ内の油流量あるいは油流量と等価な値を検出し、ル
ーパ角度あるいは油圧シリンダの位置におけるルーパ自
重分とスタンド間の圧延材重量分と駆動ロス分とルーパ
の加減速による圧力を、検出される油圧シリンダ内圧力
値から減ずることにより、圧延材張力による圧力値を計
算し、その圧力値から圧延材張力値を計算する手段との
一方あるいは両方を有し、これら二つの手段の一方ある
いは両方の出力を張力検出値として使用することを特徴
としている。
【0014】
【作用】以下、本発明の原理を説明するための、概略構
成図と合わせて、本発明の作用を以下に説明する。
【0015】図1は請求項1に記載のルーパ制御装置の
概略構成を示すブロック図である。同図において、圧延
材1は第iスタンド圧延機2及び第i+1スタンド圧延
機3の順で圧延される。ここでタンデム圧延機の全スタ
ンド数をnとすると、n=5〜7が一般的である。以下
に示すルーパ等の装置は各スタンド間に設置されるが、
i〜i+1の2スタンド間の状態を考察すれば容易に他
のスタンドへも拡張できるので、ここでは2スタンド間
のみを考える。なおiは1≦i≦n−1の範囲である。
【0016】この第iスタンド2及び第i+1スタンド
3の間にルーパ4が設けられているとき、ルーパを直接
駆動するのは油圧シリンダ5であり、油圧シリンダ5の
圧力を油圧装置7によって制御する。ルーパアームの角
度に換算されるルーパの高さがルーパ高さ検出装置6で
検出される。
【0017】第iスタンド圧延主機(圧延機駆動電動
機)10の速度は圧延主機速度制御装置11によって制
御される。圧延主機速度制御装置11には、圧延材を所
望の速度で圧延するために必要な速度指令値が与えら
れ、また圧延材張力などを制御するために速度変更量指
令値が設定され、それらが加算されて最終的な速度設定
値となる。
【0018】一方各スタンドには板厚制御(AGC:Au
tomatic Gauge Control)装置8a,8bが装備されてい
るが、AGC装置が作動することにより、スタンド間の
マスフローが変動し張力変動の一因となる。
【0019】請求項1のルーパ制御装置においては、圧
延材張力を張力目標値に追従させるようなルーパ油圧装
置の圧力指令値と、ルーパ高さ検出装置6で検出したル
ーパ高さをルーパ高さ目標値に追従させるような圧延主
機10の速度変更量指令値とを演算する制御演算手段1
2を備えるいわゆるルーパ従来型PI制御装置におい
て、油圧シリンダ5内の油流量あるいはその油流量と等
価な量を検出し、共振周波数変更手段13内でその検出
値にゲインを掛けて圧延主機の速度変更量指令値ΔV1
を演算し、また油圧シリンダ5内の圧力あるいはその圧
力と等価な量を検出し、減衰定数変更手段14内でその
検出値にゲインを掛けて圧延主機の速度変更量指令値Δ
2 を演算して、ΔV1 とΔV2 とを圧延主機速度指令
値に加算して圧延主機速度制御装置に設定することによ
り、共振周波数と減衰定数を所望の値に変更する。共振
周波数を高周波数領域に変更し、減衰定数を大きくする
ことにより、ルーパ高さ制御系の応答を高い周波数領域
に設定することができ、早い応答が得られる。
【0020】なお、油圧シリンダに供給する油圧を積分
すれば流量となり、流量を積分すればピストンの位置が
得られる。油流量と等価な量とは、油圧の積分値、ある
いは、ピストン位置の微分値がこれに相当する。これ
は、流量を直接検出する必要がない点で有利である。ま
た、圧力と等価な量とは流量の微分値あるいはヒストン
位置の二次微分値がこれに相当し、圧力を直接検出する
ことができない状況でこれを用いる。
【0021】図2は請求項2に記載のルーパ制御装置の
概略構成を示すブロック図である。同図において、圧延
材張力を検出するには、ルーパに取り付けた張力検出用
ロードセル9を用いる場合(例えば、特願平3−135
010号など)と、油圧シリンダ5の圧力から張力を計
算する場合の2通りがあり、張力演算手段16はその両
方あるいは一方の信号を用いて圧延材に印加される張力
を検出する。
【0022】請求項2にルーパ制御装置においては、張
力演算手段16で演算した圧延材張力を張力目標値に追
従させ、かつ、ルーパ高さ検出装置6で検出したルーパ
高さをルーパ高さ目標値に追従させるような圧延主機1
0の速度変更量指令値とルーパ油圧装置7の圧力指令値
とを演算する制御演算手段15を備えている。この制御
演算手段15は、ルーパ高さと圧延材張力との相互干渉
がある多変数系を伝達関数としてモデル化して、相互干
渉を表す伝達関数であるところの圧延主機10の速度指
令値からルーパ角度までの伝達関数を相殺する第1のク
ロスコントローラと、ルーパ油圧装置の圧力指令値から
圧延材張力までの伝達関数を相殺する第2のクロスコン
トローラとを有し、これら第1及び第2のクロスコント
ローラにより非干渉化されることを前提として、張力検
出値を張力目標値に追従させる張力制御器とルーパ角度
検出値をルーパ角度目標値に追従させる角度制御器とを
備えている。張力制御器の出力が第1のクロスコントロ
ーラに入力され、この第1のクロスコントローラの出力
と角度制御器の出力とを加算してルーパ油圧装置の圧力
指令値とし、角度制御器の出力が第2のクロスコントロ
ーラに入力され、このづい2のクロスコントローラの出
力と張力制御器の出力とを加算して圧延主機の速度変更
量指令値とする。この結果内部に相互干渉のある系を非
干渉化することができ、高さ制御の応答を抑える共振周
波数を考慮することなく張力制御応答と高さ制御応答を
設定することができる。
【0023】図3は請求項3に記載のルーパ制御装置の
概略構成を示すブロック図である。同図においては、制
御演算手段17は、張力演算手段16で演算した圧延材
張力を張力目標値に追従させ、かつ、ルーパ高さ検出装
置6で検出したルーパ高さをルーパ高さ目標値に追従さ
せるような圧延主機10の速度変更量指令値とルーパ油
圧装置7の圧力指令値とを演算する。多変数制御の対象
とする制御対象プロセスモデル19Aは、ルーパ高さと
圧延材張力との相互干渉がある多変数系をモデル化した
ものであって、圧延主機10に与える速度変更量指令値
のみではなくルーパ油圧装置7に与える圧力指令値によ
っても圧延材張力を制御するためにルーパ高さの制御系
の出力としてルーパ高さ及び重みパラメータを付加した
圧延材張力を出力とするモデルとする。多変数制御設定
手段19Bにおいてこのモデルを表現する変数、圧延材
張力とルーパ高さの応答を指定するための変数、圧延材
張力とルーパ高さの応答を調整するための変数、及び、
重みパラメータをそれぞれ設定し、多変数制御ゲイン演
算手段18においてこれらの設定値を所定の制御ゲイン
式に代入して、制御演算手段17で用いる制御ゲインを
数値として求め、制御演算手段17に与える。これによ
り圧延条件や圧延材によって種々変わる設定値に即座に
対応でき、圧延状態によって常に最適な制御性能を達成
できる。また重みパラメータを導入したことによりルー
パ高さによっても張力変動を抑制することができ、圧延
主機10と協調して張力制御を行うことができる。
【0024】図4は請求項4に記載のルーパ制御装置の
概略構成を示すブロック図である。このルーパ制御装置
においては、制御演算手段20は、張力演算手段16で
演算した圧延材張力を張力目標値に追従させ、かつ、ル
ーパ高さ検出装置6で検出したルーパ高さをルーパ高さ
目標値に追従させるような圧延主機10の速度変更量指
令値とルーパ油圧装置7の圧力指令値とを演算する。ロ
バスト制御の対象とする制御対象プロセスモデル22A
は、ルーパ高さと圧延材張力との相互干渉がある多変数
系をモデル化したものであって、圧延主機10に与える
速度変更量指令値のみではなくルーパ油圧装置7に与え
る圧力指令値によっても圧延材張力を制御するためにル
ーパ高さの制御系の出力としてルーパ高さ及び重みパラ
メータを付加した圧延材張力を出力とする制御対象プロ
セスのモデルとする。ロバスト制御設定手段22Bにお
いて、圧延条件及び圧延状態に基づいて、制御対象プロ
セスモデルを構成する変数値、重みパラメータ、張力制
御系の応答とロバスト性を指定するための重み関数、及
びルーパ高さ制御系の応答とロバスト性を指定するため
の重み関数、をそれぞれ設定する。ロバスト制御ゲイン
演算手段21において、これらの設定値を所定の制御ゲ
イン演算式にしたがって演算し、制御演算手段20で用
いる制御ゲインを求め、この制御演算手段20に与え
る。これにより圧延条件や圧延材によって変化する圧延
状態に対してロバストな(頑健性のある)制御を行うこ
とができ、常に安定な制御を行うことができる。また重
みパラメータを導入したことによりルーパ高さによって
も張力変動を抑制することができ、圧延主機10と協調
して張力制御を行うことができる。
【0025】図5は請求項5に記載のルーパ制御装置の
概略構成を示すブロック図である。同図において、ルー
パ4を駆動する油圧シリンダ5は、油圧位置制御装置2
3によって制御される。
【0026】このルーパ制御装置においては、ルーパ高
さの制御はルーパ高さ検出装置6により検出されたルー
パ高さをルーパ高さ目標値に追従させるようにルーパ高
さ制御手段24が位置指令値を演算し、これを油圧位置
制御装置に設定することにより行う。張力の制御は、張
力演算手段16により演算された圧延材張力を張力目標
値に追従させるように張力演算手段25が圧延主機10
の速度変更量指令値を演算し、これを速度指令値に加算
して圧延主機速度制御装置11に設定することにより行
う。これによりルーパ高さは目標値通りに制御され、操
業の安定に寄与する。また張力も良好に目標値に追従し
て制御される。
【0027】請求項6に記載のルーパ制御装置において
は、張力計の検出値から張力を演算するか、あるいは、
油圧シリンダ内圧力値から張力に関係しない圧力成分を
減じた値を用いて演算するようにしたので、制御系の構
成に適したものを選択することができる。
【0028】
【実施例】以下、図示した実施例に基づいて、本発明を
詳細に説明する。
【0029】図6は図1に示した制御系の詳細をブロッ
ク図で示したものである。図6において、ブロック27
〜34は制御対象プロセスであり、図1において参照符
号1〜7,9〜12を付した要素に相当する。このうち
ブロック27は圧延主機速度制御系(以後圧延主機を主
機と略記する)であり、図1における主機10と主機速
度制御装置11で構成される速度制御系を1つのブロッ
クとして表したものである。ブロック27は主機の速度
応答を1次遅れ時定数TS を用いて表したものであり、
ロール周速VR REF の変更量ΔVR REF からロール周速
変化分ΔVR までの伝達関数としている。ブロック28
は主機速度から圧延材料速度への影響係数であり、fは
先進率を表す。ブロック29は張力発生プロセスをモデ
ル化したものであり、材料ヤング率E,スタンド間距離
Lを用いて張力発生ゲインを表し、張力発生プロセスに
おける積分器、張力フィードバック係数K10を用いて表
される。
【0030】発生した張力は関数F3 (θ)のブロック
30を通ってルーパ油圧装置に印加される圧力に変換さ
れる。油圧装置に印加された圧力pは、ブロック31に
て積分され変数変換されて流量QL となり、さらにブロ
ック32でシリンダ位置yに変換されて、最終的にブロ
ック33でルーパ角度θに変換されて検出される。ブロ
ック34はルーパ角度が変化することにより、材料の重
量やルーパ自重分により印加される圧力が変化すること
を示す関数F1 (θ)である。ブロック25はルーパ角
度θからスタンド間の材料ループ長へ変換する関数F2
(θ)であり、これはルーパ高さ制御系においてもルー
パ角度からループ長への変換関数として使用している。
【0031】ルーパ高さ制御は、ブロック26に示すよ
うにPI制御(比例積分制御)が一般に用いられてい
る。
【0032】張力制御は、張力を張力目標値tf REF
追従させるような圧力指令値pL RE F をブロック35の
関数F0 (θ)で演算する。ブロック36は油圧装置の
圧力制御部である。一般に油圧装置は圧力制御と位置制
御を選択するが、請求項1乃至請求項4に記載のルーパ
制御装置では油圧装置の圧力制御を用いる。
【0033】上述したF0 (θ),F1 (θ),F
2 (θ),F3 (θ)について以下に詳述する。
【0034】関数F0 (θ)は、圧力指令値pL REF
計算するために使用され、(1) 式で表される。
【0035】
【数1】 この(1) ,(2) ,(3A),(3B) 式中の変数は、ルーパの
幾何学的な関係を示す図7と対応し、下記の意味を有し
ている。
【0036】g :重力加速度 R1 :ルーパの回転中心からルーパロールの中心までの
距離 R2 :ルーパロールの半径 R3 :ルーパの回転中心からルーパの重心までの距離 AS :圧延材の断面積(板厚と板幅の積) A :油圧シリンダの断面積 α :パスラインと圧延材とのなす角度 β :パスラインと圧延材のなす角度 γ :油圧シリンダピボットとルーパ回転中心との水平
線との角度 WS :スタンド間の圧延材の質量(材料長、材料の断面
積、比重から求められる) WL :ルーパ質量 L1 :ルーパピボットと上流スタンドとの距離 H1 :ルーパピボットとパスラインとの距離 (1) ,(2) ,(3A),(3B) 式によりルーパ角度θと張力
指令値tfREFが設定されれば、圧力指令値pL REF を計
算することができる。
【0037】関数F1 (θ)は、圧延材張力から圧力ま
での変換関数で(4) 式で表される。
【0038】
【数2】 後の便宜のため次の微分式も示す。
【0039】
【数3】 一般に制御すべきルーパ角度と操作量である主機速度と
は非線形の関係にあり、主機速度と線形の関係にあるス
タンド間の圧延材ループ量lに変換し、ループ量を用い
てルーパ高さ制御系を構成する。ルーパ角度θをループ
量lに変換する非線形の関数F2 (θ)は(6) 式で表さ
れる。
【0040】
【数4】 後の便宜のため次の微分式も示す。
【0041】
【数5】 ループ量lは l=F2 (θ) (8) ここで、 L1 :ルーパ回転中心から第iスタンドまでの距離 張力tf はルーパ油圧シリンダにかかる張力分圧力pT
として現れる。ブロック30はこれを線形表現するもの
で、F3 (θ)は(9) 式で表される。
【0042】
【数6】 さて請求項1に記載のルーパ制御装置に係わるブロック
13は、油圧シリンダ内部の流量を検出してゲインK1
を掛けて主機速度変更量ΔV1 とし、ブロック14は油
圧シリンダ内部の圧力を検出しゲインK2 を掛けて主機
速度変更量ΔV2 とするものである。但し、シリンダ内
部の流量は検出しない場合が多いので、シリンダ位置の
微分値あるいは圧力の積分値で代用することができる。
【0043】ここでΔV1 とΔV2 をフィードバックす
ることによりどのような効果が現れるかを説明する。
【0044】図6の制御系のうち張力制御は理想的に行
われているものとしてこの張力制御を無視して、ΔVR
REF からθまでを伝達関数で表した場合、つぎの2次共
振系の伝達関数G(S)を含む。
【0045】
【数7】 ここで
【0046】
【数8】 (11)式において、共振周波数を変更するには(11)式の右
辺のパラメータE,L,kq ,F2 ,F3 を変更できれ
ばよいことがわかる。しかし以下に示すようにF2 が間
接的に変更できる以外はルーパの制御系に固有の値をも
つものであり、その値を直接変更することはできない。
【0047】図8に(11)式の右辺中のF2 (θ)を等価
的に変更する手段を示す。図8においてブロック37は
(7) 式を示しており、ブロック37aは入力信号を角度
θから流量QL へ変更した時の変換係数である。
【0048】図7のブロック13におけるK1 はルーパ
制御系に固有の値を持つブロック37のF2 (θ)と並
列に入れた定数制御ゲインであり、K1 を入れることで
等価的にF2 (θ)を変更することができる。
【0049】このとき共振周波数は次のように変化す
る。
【0050】
【数9】 上記のようにF2 (θ)を等価的に変更することが共振
周波数の変更に対して有効であるが、材料速度VS を直
接的に変更することは不可能であり、ロール周速VR
介して材料速度VS を変更することとし、図6に示すよ
うにΔV1 を主機速度変更量としてフィードバックす
る。
【0051】ただし油圧シリンダ内の油の流量QL を測
定するためのセンサーが取り付けられていない場合があ
り、このときは圧力pを積分した値で代用したり、シリ
ンダ位置yを微分して用いる方法がある。
【0052】一般に共振周波数ωは大きい方が、ルー
パ高さ制御系の応答を速くできるため、望ましい。とこ
ろが(12)式からωを大きくすると、減衰定数ζは小さ
くなり、ルーパ高さ制御系は振動的になる。このため共
振周波数ωを大きくする場合は、減衰定数ζも大きく
する方策を講じた方がルーパ制御にとってより安定性が
増すことになる。そこで図6に示す減衰定数変更手段1
4の具体的な構成方法を以下に示す。
【0053】減衰定数を大きくする方法の1つとして、
特公平3−10406号公報に「電動ルーパの制御装
置」として示された方法がある。これは図4のブロック
41と42に示すように、ルーパ回転速度を微分して、
定数K2 を乗じるものである。この特公平3−1040
6号公報の発明によれば減衰定数ζを大きくすることが
できる。油圧ルーパの場合は、電動ルーパの回転速度に
当たるものが流量であり、その微分値は圧力に相当す
る。このため圧力pにゲインK2 を掛けてΔV2 を主機
速度変更量としてフィードバックする。
【0054】次に請求項2に記載のルーパ制御装置につ
いて説明するが、請求項1乃至5のルーパ制御装置では
共通の制御対象プロセスのモデルを使用しているため、
ここで制御対象プロセスのモデルを説明する。なお油圧
装置において圧力制御を行うが、圧力制御の応答は十分
速いものとして応答を無視し、圧力指令値通りの圧力が
出るものとしている。
【0055】制御対象プロセスモデルを状態方程式に書
くと(14),(15)式のようになる。
【0056】
【数10】 ここで、添字REFはその記号の指令値を表す。またF
1 ′=F1 ′(θ)は(5) 式に示したものであり、
2 ′=F2 ′(θ)は(7) 式で示したものある。
【0057】
【数11】 ここで各記号の前に付加したΔは、その記号の微小変化
を表す。また各記号の上に付加した「・」は、時間微分
を表す。したがってtを時間として、例えば
【0058】
【数12】 各行列の次元は、Aは4×4,Bは4×2,Cは2×4
であり、(14),(15)式に示される。ここで簡単のため以
下のように変数の置換を行う。
【0059】
【数13】 入力ベクトルu=[ΔVR REF ΔpL REF T から出
力ベクトルy=[Δtf Δθ]T への伝達関数行列に
よって表現すると以下のようになる。
【0060】
【数14】 11=W11N/W11Dとして、 W11N=a14・a44・(a23・a32−S2 ) (19) W11D=a11・a23・a32・a44+(a11・a23・a32 +a13・a31・a44+a23・a32・a44)S +(a11・a44−a13・a31−a23・a32)S2 −(a11+a44)・S3 +S4 (20) W12=W12N/W12Dとして、 W12N=a13・b32・S (21) W12D=a11・a23・a32−(a13・a31+a23・a32)S −a11・S2 +S3 (22) W21=W21N/W21Dとして、 W21N=a14・a23・a31・a44 (23) W21D=a11・a23・a32・a44−(a11・a23・a32 −a13・a31・a44−a23・a32・a44)S +(−a11・a44+a13・a31+a23・a32)S2 +(a11+a44)S3 −S4 (24) W22=W22N/W22Dとして、 W22N=−a23・b32・(a11−S) (25) W22D=a11・a23・a32−(a13・a31+a23・a32)S −a11・S2 +S3 (26) 図9は請求項2に記載のルーパ制御装置の詳細な構成を
示したブロック図である。図9においてブロック38は
図8におけるブロック34のF1 (θ)を線形化して表
したもので、(4) 式のF1 (θ)を微分した(5) 式のF
1 ′(θ)で表される。
【0061】図2における制御演算手段15を構成する
ものは、図9における39,40,41,42の各ブロ
ックであり、その内容を以下に説明する。
【0062】張力制御器39は設定される張力目標値t
f REF に張力検出値tf を近づけるような操作量を出力
し、角度制御器40は設定される角度目標値θREF に角
度検出値θを近づけるような操作量を出力する。張力制
御器と角度制御器の中のパラメータは、次のクロスコン
トローラにより完全に非干渉化されていることを前提と
すれば、1入力1出力系に対する制御器として決定する
ことができる。
【0063】クロスコントローラ41と42は、制御対
象の相互干渉を相殺するように設計され、次のように設
計される。
【0064】 クロスコントローラ41:H21=−W12/W11 (27) クロスコントローラ42:H12=−W21/W22 (28) これにより、制御対象プロセスの中に存在する相互干渉
を取り除き、従来型のPI制御で制約されていた制御系
の応答を向上させることができる。
【0065】次に請求項3に記載のルーパ制御装置につ
いて説明する。図10は請求項3に対応する図3の制御
系の詳細を示したブロック図であり、図10においてブ
ロック43から57までは図3の制御演算手段17に相
当する部分である。
【0066】(14)式、(15)式の制御対象プロセスのモデ
ルにおいて、ルーパ高さ制御系においてルーパ高さと圧
延材張力の両方を制御するべく、ルーパ高さ検出値に図
10におけるブロック57に示す重みパラメータC1
付けた張力検出値を加え、積分器45及び46へのフィ
ードバック量とする。またルーパ高さ指令値に対しても
ブロック57の重みパラメータC1 を付けた張力指令値
を加える。
【0067】ルーパ高さ制御系においてルーパ高さと張
力の両方を制御するために、(15)式を以下のように変更
する。
【0068】
【数15】 ここで、(15)式における制御量Δθは、(29)式により(3
0)式のΔy2 に変更される。
【0069】 Δy2 =C1 Δtf +Δθ (30) 重みC1 を大きくすれば圧延材張力tf の比重が大きく
なり、圧延材張力自体は良好に制御されるがルーパ高さ
θは変動が大きくなる。また重みC1 を小さくすれば圧
延材張力tf の比重が小さくなり、ルーパ高さθは一定
に制御される方向である。重みC1 を0とすれば、従来
のプロセスモデルである(15)式となる。
【0070】図10におけるブロック43から56の制
御ゲインの決定方法は以下の通りとする。基本的にはI
LQ法を用いて決定する。ILQ法とはLQ制御問題を
逆問題の観点から解いたもので、文献「ILQ最適サー
ボ系設計法の一般化」:藤井隆雄、下村卓、システム制
御情報学会論文誌、Vol.1,NO.6,1988に
記述されている。
【0071】上記(14)及び(29)式を用いた制御対象プロ
セスのモデルを用いることによって、Δtf とΔy2
を非干渉化することを前提にしてブロック43からブロ
ック56の制御ゲインは次のように数式で表すことがで
きる。 43:K1011=−4ωTC 2 ・TS (C1 ・E・F2 ′・A+K1θ・L) /(K1θ(1+f)・E) (31) 44:K1021=−4C1 ・ωTC 2 ・A/(K1θ・kq ) (32) 45:K1012=4A・F2 ′・ωHC 2 ・TS /(K1θ(1+f)) (33) 46:K1022=4A・ωHC 2 /(K1θ・kq ) (34) 47:KFO11=TS ・{4C1 ・E・F2 ′・A・(ωHC−ωTC) +E・K10・K1θ−4L・K1θ・ωTC} /(K1θ(1+f)・E) (35) 48:KFO12=4A・F2 ・TS ・ωHC/(K1θ(1+f)) (36) 49:KFO13=0 (37) 50:KFO14=TS (38) 51:KFO21=4C1 ・A・(ωHC−ωTC)/(K1θ・kq ) (39) 52:KFO22=4A・ωHC/(K1θ・kq ) (40) 53:KFO23=1/kq (41) 54:KFO24=0 (42) ここで、ωTC:張力制御系の指定応答の遮断周波数
(rad/s) ωHC:ルーパ高さ制御系の指定応答の遮断周波数 (r
ad/s) であり、それぞれ所望の値を指定する。またKFOijは状
態ベクトルxのj番目の要素x(j)から入力ベクトル
uのi番目の要素u(i)へのフィードバックゲインを
表し、K10ikは指令値と出力ベクトルの各要素との偏
差(k=1ならΔtfREF−Δtf 、k=2ならΔθREF
+C1 ・ΔtfREF−Δθ−C1 ・Δtf )から入力ベク
トルuのi番目の要素u(i)への積分ゲインを表す。
なおKFO15,KFO25は0となり、記載を省略した。
【0072】(21)式から(42)式までの制御ゲインは対象
プロセスモデルの変数と指定する応答の変数の数式表現
で構成されている。
【0073】調整係数であるσ1 は張力制御系の応答が
所望の応答になるように、またσ2はルーパ高さ制御系
が所望の応答になるように決める。一般にσ1 ,σ2
大きな値に設定すると速い応答が得られるが、現実には
操作量である主機速度指令値や圧力指令値も大きくなる
ので、あまり大きな値は実現できない。
【0074】上記(31)〜(42)式における変数TS ,E,
2 ′,A,K10,L,f,K1θ,kq が制御対象プ
ロセスのモデルを表現する変数として、ωTC及びωHC
張力とルーパ高さの応答を指定するための変数として、
1 が重みパラメータとして、さらに図10中のσ1
びσ2 が張力とルーパ高さの応答を調整するための変数
として、図3中の多変数制御設定手段19Bから多変数
制御ゲイン演算手段18に設定される。多変数制御ゲイ
ン演算手段18はこれら設定値を(31)〜(42)式に代入し
てブロック43〜54の制御ゲインを演算し、設定値σ
1 及びσ2 とあわせて数値として制御演算手段17に渡
す。
【0075】これにより、ルーパ高さによっても製品々
質に重要な影響を及ぼす張力を適正に制御することが可
能となる。また圧延状態により変化する制御対象プロセ
スのパラメータを制御ゲインに簡単に反映することがで
きる。さらに圧延状態によってパラメータを逐次変更し
て適応的に制御することも可能である。
【0076】次に請求項4に記載のルーパ制御装置につ
いて説明する。図11は請求項4に対応する図4の制御
系の詳細を示したブロック図であり、図11においてブ
ロック57から69までは図4の制御演算手段20に相
当する部分である。
【0077】制御対象プロセスのモデルは、上述の(14)
式及び(29)式とし、図3を用いて説明した制御対象プロ
セスのモデルと同一とする。
【0078】図11におけるブロック58から69のコ
ントローラの決定方法は以下の通りとする。基本的には
H∞制御を用いて決定する。目標値から制御偏差(目標
値と制御量との偏差)までの伝達関数を感度関数とい
い、目標値から制御量までの伝達関数を相補感度関数と
いう。H∞制御による設計では、感度関数と相補感度関
数の応答を所望の応答とするように問題を定式化し、そ
れを満たすコントローラを求めることが目的となる。
【0079】図12と図13は図11における感度関数
と相補感度関数の決め方の1例である。図12は張力制
御系の感度関数GSTC とルーパ高さ制御系の感度関数G
SHC、ルーパ高さ制御系の感度関数に対応する重み関数
12の逆数W12 -1を示している。図13は張力制御系の
相補感度関数GTTC とルーパ高さ制御系の相補感度関数
THC 、ルーパ高さ制御系の相補感度関数に対応する重
み関数W22の逆数W22 -1を示している。コントローラを
設計する場合、重み関数W11,W12を設定することによ
り、感度関が決定され、重み関数W21,W22を設定する
ことにより、相補感度関が決定される。
【0080】図12、図13に示すように感度関数は低
周波数領域でゲインを小さくし、相補感度関数は高周波
数領域でゲインを小さくするようにそれぞれの重み関数
を設定するのが一般的である。この理由は以下のとおり
である。
【0081】まず感度関数と相補感度関数を加えると必
ず1となる。すなわちGSTC +GTT C =1,GSHC +G
THC =1である。この制約により、全周波数帯域に亘っ
て感度関数と相補感度関数を共に小さくすることはでき
ず、ある周波数帯域で感度関数を小さくし、別の周波数
帯域で相補感度関数を小さくすることが必要になる。
【0082】また一般的に感度関数は主に制御系の速応
性に関係し、相補感度関数は主に制御系のロバスト性に
関係するため、高い速応性を達成するためには、全周波
数帯域にわたって感度関数のゲインを小さくすればよ
い。高いロバスト性を達成するためには、全周波数帯域
にわたって相補感度関数のゲインを小さくすればよいこ
とは明らかであるが、制約条件として上記のことがある
が、この2つを同時に全周波数帯域にわたって満たすこ
とは不可能である。したがって、目標値に制御量を追従
させるのは低周波数領域において達成できればよく、こ
のため感度関数のゲインを低周波数領域で小さくする。
また対雑音性などの観点から高周波数領域では目標値か
ら制御量までのゲインを小さくして、ロバスト性を向上
させるため、高周波数領域で相補感度関数のゲインを小
さくする。
【0083】具体的には、感度関数GSTC は張力制御の
速応性、GSHC はルーパ高さ制御の速応性、相補感度関
数GTTC は張力制御のロバスト性、GTHC はルーパ高さ
制御のロバスト性を表す指標となる。
【0084】上記のように感度関数及び相補感度関数
は、重み関数を設定しコントローラを演算した後の閉ル
ープ系の応答であり、張力制御に関係する感度関数G
STC 及び相補感度関数GTTC は、重み関数W11,W21
よって決められ、ルーパ高さ制御に関係する感度関数G
SHC 及び相補感度関数GTHC は、重み関数W12,W22
よって決められる。
【0085】また速応性の指標は感度関数が0dbライ
ンを切る近辺の周波数であり、図12においては張力制
御の応答は交差角周波数にしてほぼ7rad/sとな
る。ロバスト性の指標は相補感度関数と重み関数の逆数
とのゲイン差となり、図13におけるルーパ高さ制御系
のロバスト性の指標は、W22 -1とGTHC との差である約
20dbとなる。この意味はたとえば実際のプロセスと
モデルとの誤差が約20db(=10倍)あったとして
も安定性は保たれるということである。
【0086】図11における制御対象プロセスモデルを
表す変数TS ,E,F1 ′,F2 ′,F3 ,A,K10
L,f,K1θ,kq のそれぞれの値、重みパラメータ
としてC1 、張力制御系の応答とロバスト性を指定する
ための重み関数としてW11,W21、ルーパ高さ制御系の
応答とロバスト性を指定するための重み関数として
12,W22のそれぞれが、図4中のロバスト制御設定手
段22からロバスト制御ゲイン演算手段21に設定され
る。ロバスト制御ゲイン演算手段21はこれら設定値を
用いて、ブロック58から69の各制御ゲインを演算
し、数値として制御演算手段20に渡す。
【0087】ロバスト性を大きく設計することにより、
制御対象プロセスが広範囲に変化しても制御系としては
安定を保つということであり、1つのコントローラゲイ
ンによって広範囲の圧延状態に対応できることになる。
このため圧延状態によってコントローラゲインを多種類
持つ必要はなくなる。
【0088】次に請求項5に記載のルーパ制御装置につ
いて説明する。図14は請求項5に対応する図5の制御
系の詳細を示したブロック図であ。上述した請求項1か
ら請求高までの各ルーパ制御装置では、ルーパ油圧装置
の制御方法は、圧力制御としているが、この請求項5の
ルーパ制御装置ではルーパ油圧装置の制御は、位置制御
とする。図5におけるルーパ高さ制御手段24は、角度
目標値を油圧シリンダ位置指令値に変換し(ブロック7
5におけるKθy)、油圧位置制御装置76に与える。
【0089】油圧位置制御は一般に非常に高速応答が達
成できるため、張力系からの外乱は図14では無視して
いる。
【0090】一方張力制御系は、張力制御器74におい
て張力実績値を張力目標値に一致させるような主機速度
変更量指令値ΔVR REF を計算する。張力制御器74は
PI制御で構成するが、PID制御等でも構成すること
ができる。
【0091】これにより張力系からの外乱によらずルー
パ高さはほぼ一定に制御されるため、張力系からルーパ
高さ系への非干渉化と、またルーパ高さが変動しなくな
るためルーパ高さから張力系への非干渉化が達成され
る。
【0092】上述した請求項2から請求項5までの各ル
ーパ制御装置では、張力の実績値を使用している。張力
実績値はルーパに取り付けた張力計から演算することも
可能であるが、ルーパ油圧装置7で検出する圧力からも
演算することができる。その方法を以下に説明する。
【0093】検出した圧力pL は、張力により印加され
る圧力pLT、ルーパ自重分により印加される圧力pLL
材料重量分により印加される圧力pLS、ルーパ駆動時の
ロス分(静止摩擦、動摩擦)を補償するのに必要な圧力
LLOS、ルーパが加減速する場合に必要な圧力pLAとい
う要素を含んでいる。
【0094】すなわち pL =pLT+pLL+pLS+pLLOS+pLA (43) このうち、ルーパ自重分により印加される圧力pLLとル
ーパ駆動時のロス分の圧力pLLOSは、圧延材がない状態
で、ルーパ角度をパラメータとして圧力を測定すること
により、各ルーパ角度におけるpLL+pLLOSを予め関数
として求めることができる。
【0095】材料重量分による圧力は、(4) 式から次の
ように求められる。
【0096】 pLS=sinγ・R1 ・g・WS cosθ/(A・l1 ) (44) ここでWS は材料重量である。
【0097】加減速分の圧力pLAは、油圧シリンダの加
速度を計算すれば次の式で計算できる。
【0098】
【数16】 ここでyは油圧シリンダ位置であり、Mはルーパ自重と
材料自重の和、Aはシリンダ断面積である。
【0099】一般に加速度の演算はディジタル計算機で
行うため、張力演算周期TS 、検出した油圧シリンダ位
置y(iTS )として、
【0100】
【数17】 で計算できる。
【0101】もちろん油圧シリンダに速度計を設置し、
その速度の1階微分値を加速度として用いたり、油圧シ
リンダに加速度計を設置し、その出力を用いることも可
能である。
【0102】さて張力分による圧力pLTは、(43)式か
ら、 pLT=pL −(pLL+pLS+pLLOS+pLA) (48) 一方圧力と張力関係は、(9) 式により与えられており、
張力tf は次式で計算できる。
【0103】 tf =pLT/F3 (θ) (49) これにより、特に張力計を設置しなくても、油圧装置に
より検出される圧力とシリンダ位置を検出することによ
り圧延材に印加される張力を演算することができる。
【0104】以上本発明の具体的な実施例を説明した。
上記例では圧延機は4重圧延機の例で説明したが、他の
態様でも実施が可能である。
【0105】
【発明の効果】請求項1に記載のルーパ制御装置によれ
ば、熱間圧延におけるルーパと張力の制御を従来PI制
御で行う場合において、制御系の共振周波数を高域に変
更できるため、ルーパ高さ制御系の応答を速くすること
ができる。また減衰定数を大きくすることができるた
め、制御系が振動的にならず、安定した制御を行うこと
ができる。
【0106】請求項2に記載のルーパ制御装置によれ
ば、熱間圧延におけるルーパと張力の制御を行う場合に
おいて、制御対象プロセスの中に存在する張力とルーパ
高さの相互干渉を取り除き、従来PI制御を実施する場
合において制約されていた制御系の応答を向上させるこ
とができ、また減衰定数の大小も考慮する必要もなく、
安定した制御を達成することができる。
【0107】請求項3に記載のルーパ制御装置によれ
ば、熱間圧延におけるルーパと張力の制御を行う場合、
コントローラゲインをプロセスの変数や指定応答を表す
変数を用いて表記することにより、圧延材料の状態や操
業条件に対して最適なルーパ・張力制御を行うことが可
能となり、安定な操業に寄与することとなる。また本発
明によれば、従来の方式による数値テーブルを持つ必要
がないため、そのテーブルの維持・管理に要する労力も
低減される。さらにルーパ高さを圧延材張力の制御にも
用いることにより、より良好な圧延材張力の制御性能を
実現することができ、安定な操業に寄与する。
【0108】請求項4に記載のルーパ制御装置によれ
ば、熱間圧延におけるルーパと張力の制御を行う場合、
ロバスト性を大きく設定することにより、制御対象プロ
セスのパラメータが大きく変化しても制御系として安定
を保つため、1つのコントローラゲインによって広範囲
の圧延状態に対応できることになる。このため圧延状態
によってコントローラゲインを多種類持つ必要はなくな
る。さらにルーパ高さを圧延材張力の制御にも用いるこ
とにより、より良好な圧延材張力の制御性能を実現する
ことができ、安定な操業に寄与する。
【0109】請求項5に記載のルーパ制御装置によれ
ば、熱間圧延におけるルーパと張力の制御を行う場合、
張力系とルーパ高さ系との非干渉化が達成され、安定な
操業に寄与する。
【0110】請求項6に記載のルーパ制御装置によれ
ば、張力計の検出値から張力を演算するか、あるいは、
油圧シリンダ内圧力値から張力に関係しない圧力成分を
減じた値を用いて計算するようにしたので、制御系の構
成に的したものを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載のルーパ制御装置の原理と併せ
て作用を説明するための概略構成図。
【図2】請求項2に記載のルーパ制御装置の原理と併せ
て作用を説明するための概略構成図。
【図3】請求項3に記載のルーパ制御装置の原理と併せ
て作用を説明するための概略構成図。
【図4】請求項4に記載のルーパ制御装置の原理と併せ
て作用を説明するための概略構成図。
【図5】請求項5に記載のルーパ制御装置の原理と併せ
て作用を説明するための概略構成図
【図6】請求項1に記載のルーパ制御装置の実施例の構
成を詳細に示すブロック図。
【図7】図6に示した実施例の動作を説明するために、
ルーパとスタンド間の幾何学的関係を示した図。
【図8】図6に示した実施例の動作を説明するために、
その一部を除去して示したブロック図。
【図9】請求項2に記載のルーパ制御装置の実施例の構
成を詳細に示すブロック図。
【図10】請求項3に記載のルーパ制御装置の実施例の
構成を詳細に示すブロック図。
【図11】請求項4に記載のルーパ制御装置の実施例の
構成を詳細に示すブロック図。
【図12】図11に示した制御系の設計方法を説明する
ために、周波数とゲインとの関係を示す線図。
【図13】図11に示した制御系の設計方法を説明する
ために、周波数とゲインとの関係を示す線図。
【図14】請求項5に記載のルーパ制御装置の実施例の
構成を詳細に示すブロック図。
【符号の説明】
1 圧延材 2 第iスタンド圧延機 3 第i+1スタンド圧延機 4 ルーパ 5 油圧シリンダ 6 ルーパ高さ検出装置 7 ルーパ油圧装置 8 板厚制御装置 9 張力検出用ロードセル 10 圧延主機 11 主機速度制御装置 12 制御演算手段 13 共振周波数変更手段 14 減衰定数変更手段 15,17,20 制御演算手段 16 張力演算手段 18 多変数制御ゲイン演算手段 19A,22A 制御対象プロセスのモデル 19B 多変数制御設定手段 21 ロバスト制御ゲイン演算手段 22Bロバスト制御設定手段 23 油圧位置制御手段 24 ルーパ高さ制御手段 25 張力制御手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンデム圧延機の圧延スタンド間に配置さ
    れたルーパが油圧装置により駆動され、前記ルーパの高
    さの検出値及び予め定められた制御ゲインを用いて、ス
    タンド間の圧延材張力を張力目標値に追従させ、かつ、
    ルーパ高さをルーパ高さ目標値に追従させるような圧延
    主機の速度変更量指令値とルーパ油圧装置の圧力指令値
    とを演算する制御演算手段を備え、演算された前記圧力
    指令値をルーパ油圧装置に設定し、演算された前記圧延
    主機の速度変更量指令値を速度指令値に加算して圧延主
    機速度制御装置に設定するルーパ制御装置において、 前記ルーパ油圧装置の油圧シリンダ内の油流量あるいは
    その油流量と等価な量を検出し、その検出値にゲインを
    掛けて圧延主機の第1の速度変更量指令値を演算する共
    振周波数変更手段と、 前記油圧シリンダ内の圧力あるいはその圧力と等価な量
    を検出し、その検出値にゲインを掛けて圧延主機の第2
    の速度変更量指令値を演算する減衰定数変更手段と、 を備え、前記第1及び第2の速度変更量指令値とを圧延
    主機の速度指令値に加算して前記圧延主機速度制御装置
    に設定することを特徴とするルーパ制御装置。
  2. 【請求項2】タンデム圧延機の圧延スタンド間に配置さ
    れたルーパが油圧装置により駆動され、前記ルーパの高
    さの検出値及び予め定められた制御ゲインを用いて、ス
    タンド間の圧延材張力を張力目標値に追従させ、かつ、
    ルーパ高さをルーパ高さ目標値に追従させるような圧延
    主機の速度変更量指令値とルーパ油圧装置の圧力指令値
    とを演算する制御演算手段を備え、演算された前記圧力
    指令値をルーパ油圧装置に設定し、演算された前記圧延
    主機の速度変更量指令値を速度指令値に加算して圧延主
    機速度制御装置に設定するルーパ制御装置において、 前記制御演算手段が、前記ルーパ高さと圧延材張力との
    相互干渉がある多変数系を伝達関数としてモデル化し
    て、相互干渉を表す伝達関数である圧延主機の速度指令
    値からルーパ角度までの伝達関数を相殺する第1のクロ
    スコントローラと、 ルーパ油圧装置の圧力指令値から圧延材張力までの伝達
    関数を相殺する第2のクロスコントローラと、 これらのクロスコントローラにより非干渉化されること
    を前提として、張力検出値を張力目標値に追従させる張
    力制御器とルーパ角度検出値をルーパ角度目標値に追従
    させる角度制御器と、 を備え、前記張力制御器の出力が前記第1のクロスコン
    トローラに入力され、この第1のクロスコントローラの
    出力と前記角度制御器の出力とを加算してルーパ油圧装
    置の圧力指令値とし、前記角度制御器の出力が前記第2
    のクロスコントローラに入力され、この第2のクロスコ
    ントローラの出力と前記張力制御器の出力とを加算して
    圧延主機の速度変更量指令値とすることを特徴とするル
    ーパ制御装置。
  3. 【請求項3】タンデム圧延機の圧延スタンド間に配置さ
    れたルーパが油圧装置により駆動され、前記ルーパの高
    さの検出値及び予め定められた制御ゲインを用いて、ス
    タンド間の圧延材張力を張力目標値に追従させ、かつ、
    ルーパ高さをルーパ高さ目標値に追従させるような圧延
    主機の速度変更量指令値とルーパ油圧装置の圧力指令値
    とを演算する制御演算手段を備え、演算された前記圧力
    指令値をルーパ油圧装置に設定し、演算された前記圧延
    主機の速度変更量指令値を速度指令値に加算して圧延主
    機速度制御装置に設定するルーパ制御装置において、 前記ルーパ高さと圧延材張力との相互干渉がある多変数
    系をモデル化したものであって、圧延主機に与える速度
    変更量指令値のみではなくルーパ油圧装置に与える圧力
    指令値によっても圧延材張力を制御するためにルーパ高
    さの制御系の出力としてルーパ高さ及び重みパラメータ
    を付加した圧延材張力を出力とする制御対象プロセスの
    モデルと、 前記制御対象プロセスのモデルを表現する変数、前記圧
    延材張力と前記ルーパ高さの応答を指定するための変
    数、前記圧延材張力と前記ルーパ高さの応答を調整する
    ための変数、及び、前記重みパラメータをそれぞれ設定
    する多変数制御設定手段と、 この多変数制御設定手段で設定された設定値を所定の制
    御ゲイン式に代入して、前記制御演算手段で用いる制御
    ゲインを数値として求める多変数制御ゲイン演算手段
    と、 を備えたことを特徴とするルーパ制御装置。
  4. 【請求項4】タンデム圧延機の圧延スタンド間に配置さ
    れたルーパが油圧装置により駆動され、前記ルーパの高
    さの検出値及び予め定められた制御ゲインを用いて、ス
    タンド間の圧延材張力を張力目標値に追従させ、かつ、
    ルーパ高さをルーパ高さ目標値に追従させるような圧延
    主機の速度変更量指令値とルーパ油圧装置の圧力指令値
    とを演算する制御演算手段を備え、演算された前記圧力
    指令値をルーパ油圧装置に設定し、演算された前記圧延
    主機の速度変更量指令値を速度指令値に加算して圧延主
    機速度制御装置に設定するルーパ制御装置において、 前記ルーパ高さと圧延材張力との相互干渉がある多変数
    系をモデル化したものであって、圧延主機に与える速度
    変更量指令値のみではなくルーパ油圧装置に与える圧力
    指令値によっても圧延材張力を制御するためにルーパ高
    さの制御系の出力としてルーパ高さ及び重みパラメータ
    を付加した圧延材張力を出力とする制御対象プロセスの
    モデルと、 圧延条件及び圧延状態に基づいて、前記制御対象プロセ
    スを構成する変数値、前記重みパラメータ、張力制御系
    の応答とロバスト性を指定するための重み関数、及びル
    ーパ高さ制御系の応答とロバスト性を指定するための重
    み関数、をそれぞれ設定するロバスト制御設定手段と、 このロバスト制御設定手段で設定された設定値を所定の
    制御ゲイン演算方式にしたがって演算し、前記制御演算
    手段で用いる制御ゲインを求めるロバスト制御ゲイン演
    算手段と、 を備えたことを特徴とするルーパ制御装置。
  5. 【請求項5】タンデム圧延機の圧延スタンド間に配置さ
    れたルーパが油圧装置により駆動され、ルーパ高さをル
    ーパ高さ目標値に追従させるような油圧位置制御装置の
    位置指令値を演算するルーパ高さ制御手段と、演算され
    た前記位置指令値を油圧位置制御装置に設定し、スタン
    ド間の圧延材張力を張力目標値に追従させるような圧延
    主機の速度変更量指令値を演算する張力制御手段とを備
    え、演算された前記圧延主機の速度変更量指令値を速度
    指令値に加算して圧延主機速度制御装置に設定するルー
    パ制御装置。
  6. 【請求項6】ルーパに設置された張力計の信号から張力
    を演算する手段、及び、油圧シリンダ内の油流量あるい
    は油流量と等価な値を検出し、ルーパ角度あるいは油圧
    シリンダの位置におけるルーパ自重分とスタンド間の圧
    延材重量分と駆動ロス分とルーパの加減速による圧力
    を、検出される油圧シリンダ内圧力値から減ずることに
    より、圧延材張力による圧力値を計算し、その圧力値か
    ら圧延材張力値を計算する手段のいずれか一方を張力検
    出値として使用することを特徴とする請求項2乃至5の
    いずれかに記載のルーパ制御装置。
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