JPH08150178A - 後輪後退機構付き車椅子 - Google Patents

後輪後退機構付き車椅子

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JPH08150178A
JPH08150178A JP6295216A JP29521694A JPH08150178A JP H08150178 A JPH08150178 A JP H08150178A JP 6295216 A JP6295216 A JP 6295216A JP 29521694 A JP29521694 A JP 29521694A JP H08150178 A JPH08150178 A JP H08150178A
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bracket
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肘掛けを座席の側方位置から退避させる機構
を設けるとともに、利用者が座部に腰掛けたまま小さな
力で大径後輪を移動させることができる後輪後退機構付
き車椅子を提供すること。 【構成】 車椅子1では、利用者が車椅子1からベッド
などに移り乗る際には、肘掛け13を回転させて後方に
押しやる。この動作は、リンク機構60を介して車軸用
ブラケット20を後退させる力として出力される。ここ
で、車軸用ブラケット20から前方に延びる連結用パイ
プ22、23は、本体側ブラケットの案内用パイプ4
1、42の内部に挿入されているため、車軸用ブラケッ
ト20は、水平に後退する。車軸511の位置は、長孔
241の形成範囲内で調節する。車軸固定板24の高さ
位置は、長孔211の形成範囲内で調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、身体の不自由な人が利
用する車椅子に関し、更に詳しくは、利用者が座部上を
横移動しながら乗り降りするのを容易にするための後輪
後退機構付き車椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】身体の不自由な人が利用する車椅子は、
背凭れ、座部、肘掛け、および小径前輪が取り付けられ
た走行車体と、その左右位置に取り付けられた大径後輪
とを有しており、大径後輪を手やモータなどで回転させ
て走行するようになっている。
【0003】かかる車椅子では、肘掛けが邪魔になって
座部の側方からは乗り降りできないので、利用者は、車
椅子の前側からのみ乗り降りしなければならないという
不便さがある。そこで、肘掛けを座部の側方位置からそ
こを開放する位置まで退避させることが可能な車椅子が
案出されている。
【0004】しかしながら、座部の側方位置には、肘掛
けだけでなく大径後輪も位置しているため、肘掛けを座
部の側方から退避させても、大径後輪が邪魔になるとい
う問題点がある。かかる問題点を解消する目的に、たと
えば、特開平6−197929号公報に開示された車椅
子では、肘掛けを備えた外部フレームを外側に倒伏でき
るようにするとともに、大径後輪を後退させるリンク機
構を設けてある。このリンク機構では、図5に示すよう
に、アーム91にスプリング92を介して接続された操
作レバー93をアーム91側の規制板94の融通孔94
1に貫通してある。そして、操作レバー93を矢印Gで
示すように下方に回動させると、アーム91は、リンク
杆95、96によって動作が規制されながら後方に揺動
し、アーム91の下端側に取り付けられた大径後輪の車
軸97を後退させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示す後輪退避機構を設けた車椅子では、一点鎖線Hで示
す複雑な車軸97の軌跡のうち、できるだけ直線的な軌
跡を描く範囲H1で車軸97を移動させているが、車軸
97がアーム91に直結されている以上、車軸97に上
下動させようとする力が加わることを避けれない。従っ
て、車軸97を後退させるときには、座部に押し上げる
力が働くので、その分だけ操作レバー93に大きな力を
かける必要がある。それ故、利用者は、座部に腰掛けた
ままでは大径後輪を自力で移動させることができないと
いう問題点がある。
【0006】かかる問題点に鑑みて、本発明の課題は、
肘掛けを座席の側方位置から退避させる機構を設けると
ともに、利用者が座部に腰掛けたまま自力で大径後輪を
移動させることができる後輪後退機構付き車椅子を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る車椅子では、座部、この座部の側方に
位置する左右一対の肘掛け、座部の後方に位置する背凭
れ、および左右一対の小径前輪が取り付けられた走行車
体と、この走行車体と別体で構成され、肘掛けの側方に
左右一対の大径後輪がそれぞれ位置するように車軸を支
持する左右一対の車軸用ブラケットと、走行車体側で肘
掛けを座部の側方に位置する状態と座部の側方を開放す
る位置まで退避した状態との間で切り換える肘掛け位置
切換機構と、走行車体と車軸用ブラケット側との間で車
軸用ブラケットを前後方向に水平に案内するガイド機構
と、操作部材に対する操作により回動し、車軸用ブラケ
ットをガイド機構により案内しながら前後方向に水平移
動させることによって大径後輪が座部の側方に位置する
状態と座部の側方を開放する位置まで後退した状態とに
切り換えるリンク機構とを設けたことに特徴を有する。
【0008】本発明では、利用者が身体を低く屈めなく
ても操作部材を扱えるようにするとともに、肘掛けと大
径後輪とを一つの動作で同時に退避させるという観点か
ら、肘掛け位置切換機構では、肘掛けが走行車体の後方
寄りの位置を中心に回転し、座部の側方に位置する状態
と背凭れ部の側方位置で起立して座部の側方位置を開放
する状態とに切り換え可能に構成する一方で、リンク機
構は、肘掛けを操作部材として、それを背凭れ部の側方
位置で起立させるときに車軸用ブラケットを後方に水平
移動させて大径後輪を座部の側方位置から後退させる一
方、肘掛けを座部の側方位置に出現させるときに車軸用
ブラケットを前方に水平移動させて大径後輪を座部の側
方位置に出現させることが好ましい。
【0009】本発明では、ガイド機構としては、たとえ
ば、車軸用ブラケットから前方に水平に延設された上下
2本の連結軸と、走行車体側に水平に固定され、連結軸
が挿抜可能な状態にそれぞれ差し込まれた上下2本の案
内用パイプとから構成することができる。
【0010】本発明では、車椅子の方向変換が容易な位
置に大径後輪を配置できるように、車軸用ブラケットに
は、このブラケット上における大径後輪の車軸位置を前
後方向に調節するための前後位置調節用スライド機構を
設けることが好ましい。
【0011】本発明では、座部の高さ位置を変更するこ
となく、径の異なる大径後輪に交換できるように、車軸
用ブラケットには、このブラケット上における大径後輪
の車軸位置を高さ方向に調節するための高さ位置調節用
スライド機構を設けることが好ましい。
【0012】
【作用】本発明では、利用者が車椅子から座部の上を横
移動しながらベッドなどに乗り移る際には、肘掛けや大
径後輪が邪魔になるので、肘掛けを座部の側方位置から
退避させる。また、本発明では、車軸用ブラケットを前
後方向に水平に案内するガイド機構と、車軸用ブラケッ
トを前後方向に移動させるリンク機構とを設けてあるた
め、操作部材を操作すると、リンク機構は、車軸用ブラ
ケットを上下動させずに水平に移動させる。従って、大
径後輪を後退させるときに、座部が上下動しないので、
操作部材に小さな力をかければよい。それ故、利用者
は、座部に腰掛けたまま自力で大径後輪を退避させるこ
とができる。
【0013】また、走行車体の後方寄りの位置を中心に
回転する肘掛けを操作部材とした場合には、肘掛けを背
凭れ部の側方位置で起立させると、この動作に連動し
て、車軸用ブラケットが後退する。従って、利用者が身
体を低く屈めなくても操作部材を扱えるとともに、肘掛
けと大径後輪とを一つの動作で同時に退避させることが
できる。
【0014】
【実施例】図面を参照して、本発明の一実施例を説明す
る。
【0015】図1は、本例の車椅子の右側面図、図2
は、本例の車椅子を座部や背凭れ部などを省略して示す
正面図である。なお、本例の車椅子は、左右対称になっ
ていることから、右側半分を中心に説明する。
【0016】図1において、本例の車椅子1では、略水
平に構成された座部11、その両側で起立する肘掛け1
3、および座部11の後端部から斜め上方に起立する背
凭れ部12を備える走行車体10と、肘掛け13の外側
で左右一対の空気入りタイヤを備える大径後輪51とか
ら大略構成されている。
【0017】走行車体10の各側面部では、図2に示す
ように、左右対称に構成された本体側ブラケット18が
X字形のリンクフレーム101で互いに連結された構造
になっている。リンクフレーム101を構成する各リン
ク102は、上端が本体側ブラケット18の上方部分に
支持され、下端が本体側ブラケット18の下方部分に固
定された金具441内で支持されている。この金具44
1は、パイプを縦半分に分割したものである。また、各
リンク102は、2本ずつ前後に重ねられた状態でピン
103で接続されている。
【0018】再び、図1において、本体側ブラケット1
8の前側下部には、キャスター16を介して左右一対の
小径前輪17が取り付けられている。また、本体側ブラ
ケット18の前方上部からは、斜め下方に向けて左右一
対の前方フレーム14が取り付けられ、これらの前方フ
レーム14の内部には、足載せ台15の連結用パイプ1
51が嵌められている。連結用パイプ151は、前方フ
レーム14にねじ止め固定されており、前方フレーム1
4への差込み長さを変えることによって足載せ台15の
高さ位置を調節可能である。
【0019】本体側ブラケット18の上面には、座部用
ベース111が水平に取り付けられ、このベースの上面
に座部用カバー112が貼られて座部11が構成されて
いる。また、座部11の前方寄りの側方位置には、大径
後輪51に対するブレーキ機構19のレバー191が配
置されている。
【0020】本体側ブラケット18には、座部11の後
端が位置する部分から斜め上方に向けて立ち上がり部1
81が形成されている。立ち上がり部181の前面側に
は、背凭れ用ベース121が取り付けられており、この
ベースの前面に背凭れカバー122が貼られて背凭れ部
12が構成されている。
【0021】立ち上がり部181の内側では、それに沿
ってハンドル連結用パイプ31が取り付けられている。
ハンドル連結用パイプ31の内部には、ハンドルパイプ
33の下端部が嵌められ、この状態でボルト34で止め
られている。ハンドルパイプ33の上端部は、後方に折
れ曲がり、そこに手押し用ハンドル32が形成されてい
る。手押し用ハンドル32の高さ位置は、ハンドルパイ
プ31のハンドル連結用パイプ31への差込み長さを変
えることにより調節可能である。
【0022】座部11の側方位置には、略五角形の側面
形状を有する左右一対の側面フレーム131が配置され
ている。側面フレーム131の各辺のうち、水平な上辺
部132に対しては、肘木134および肘掛けカバー1
33が取り付けられて肘掛け13が構成されている。側
面フレーム131の後端部に位置する角部分135は、
本体側ブラケット18の立ち上がり部181の前面(走
行車体10の後方寄りの位置)に対して連結用のピン6
3を介して取り付けられている。従って、肘掛け13
(側面フレーム131)は、矢印Aで示すように、ピン
63を中心にして座部11の側方に位置する状態から背
凭れ部12の側方位置で起立する状態にまで回転しなが
ら退避し、座部11の側方位置を開放可能である。逆
に、肘掛け13は、矢印Bで示すように、ピン63を中
心に逆方向に回転して背凭れ部12の側方位置から座部
11の側方位置に戻ることも可能である。このようにし
て、本例では、肘掛け13の位置を切り換えるための肘
掛け位置切換機構が左右一対に構成されている。なお、
図1に示す状態では、側面フレーム131の水平な下辺
部136は、本体側ブラケット18の上面部186に乗
った状態にある。また、座部11の側方位置には、側面
フレーム131の下辺部136に引っ掛かって図1に示
す状態を保持するためのロック機構130が形成されて
おり、このロック機構130を外すことによって、肘掛
け13は、矢印Aの方向への回転が可能になる。
【0023】このように構成した走行車体10に対する
大径後輪51の取付け構造を、以下に説明する。
【0024】本体側ブラケット18の後方位置には、矩
形の側面形状を有する左右一対の車軸用ブラケット20
が配置されている。車軸用ブラケット20からは、前方
に向けて水平に延設された細径の連結用パイプ22、2
3(連結軸)が上下2段にねじ止め固定されている。一
方、本体側ブラケット18の外側面には、太径の案内用
パイプ41、42が止め具43によって水平に上下2段
に取り付けられている。これらの案内用パイプ41、4
2の内部には、車軸用ブラケット20の連結用パイプ2
2、23がそれぞれ挿抜可能な状態で差し込まれて、本
体側ブラケット18を前後方向に水平に案内するガイド
機構40が構成されている。この状態で、車軸用ブラケ
ット20は、本体側ブラケット18に支持されている。
【0025】車軸用ブラケット20の外側面には、車軸
固定板24が固定されており、この車軸固定板24に対
して大径後輪51の車軸511が支持されている。車軸
固定板24には、前後方向に長孔241が形成されてお
り、この長孔241を貫通するように、車軸511を保
持する軸受け(図示せず。)がねじ止め固定されてい
る。従って、車軸511の前後位置は、長孔241の形
成範囲内で調節可能である。このようにして、本例で
は、車軸511の前後位置調節機構が構成されている。
【0026】車軸固定板24は、車軸用ブラケット20
の対向する垂直部分21に対して縦方向にそれぞれ1条
ずつ形成された長孔211、および車軸固定板24自身
の両端部に縦に2つずつ形成された孔242、およびこ
れらの孔を貫通する計4本のボルト242によって固定
されている。従って、車軸用ブラケット20に対する車
軸固定板24の固定位置は、長孔211の形成範囲内に
おいて変更できるので、車軸511の高さ位置は、調節
可能である。このようにして、本例では、車軸511の
高さ位置調節機構が構成されている。
【0027】本例では、肘掛け13を操作したときに、
大径後輪51が前後方向に移動するように、車軸用ブラ
ケット20と走行車体10とは、連結用パイプ22、2
3、および案内用パイプ41、42からなるガイド機構
40と、リンク機構60とによって機構的に接続されて
いる。このリンク機構60とガイド機構40とを抜き出
して、図3に示す。
【0028】図3において、リンク機構60では、ま
ず、本体側ブラケット18の立ち上がり部181の上端
部には、ピン64を介して第1のリンク杆61の上端部
が回転可能に取り付けられ、このリンク杆61の下端部
は、ピン65を介して車軸用ブラケット20の上部26
に回転可能に取り付けられている。ピン65は、第1の
リンク杆61の下端部に形成された長孔66の内部を上
下動可能である。第1のリンク杆61の中間部分には、
ピン67を介して短い第2のリンク杆62の後端部が回
転可能に取り付けられている。第2のリンク杆62の前
端部は、ピン68を介して側方フレーム131の斜辺部
138に回転可能に取り付けられている。
【0029】ここで、肘掛け13は、前述したとおり、
ピン63を介して本体側ブラケット18に対して回転可
能に取り付けられている。
【0030】なお、車椅子1では、車軸用ブラケット2
0やリンク機構60などが左右独立して動作するように
設けてあるが、左側面も同じ構成になっているので、そ
の説明を省略する。
【0031】このように構成した車椅子1では、利用者
は、座部11に腰掛けながら手で大径後輪51を回転さ
せることにより走行することができる。この状態のと
き、肘掛け13は、図1に示すように、座部11の側方
位置にある。また、大径後輪51も、手が届くように座
部11の側方位置にある。従って、通常の走行状態のま
までは、利用者が車椅子1から座部11の上を横移動し
ながらベッドなどに移り乗ろうとしても、肘掛け13お
よび大径後輪51が邪魔になる。
【0032】そこで、本例では、利用者が車椅子1の側
方からベッドなどに移り乗る際には、まず、車椅子1を
ベッドに横付けした後、大径後輪51にブレーキを掛け
る。
【0033】次に、ロック機構130を外した後、矢印
Aで示すように、肘掛け13を上方に回転させて背凭れ
部12の側方位置で起立するまで後方に押しやる。その
結果、座部11の側方が開放される。
【0034】この動作に連動して、リンク機構60で
は、図3に示すように、第2のリンク杆62と肘け掛け
13との連結部分がピン63を中心に矢印Cで示す軌跡
を辿りながら一点鎖線で示す位置まで回転する。また、
第1のリンク杆61と第2のリンク杆62との連結部分
は、ピン64を中心に矢印Dで示す軌跡を辿りながら回
転する。従って、第1のリンク杆61は、ピン64を中
心に揺動し、その下端部に連結されている車軸用ブラケ
ット20は、矢印Eの方向に力を受ける。このとき、ガ
イド機構40では、連結用パイプ22、23が案内用パ
イプ41、42の内部を滑りながら移動する。また、第
1のリンク杆61の下端部では、そこに形成した長孔6
6の内部をピン65が滑っていく。従って、リンク機構
60は、肘掛け13に対する操作だけで車軸用ブラケッ
ト20を水平方向に後退させる。その結果、大径車輪5
1は、それを上下動するような力を受けることなく、図
4に実線で示す位置まで水平に後退し、座部11の側方
位置から退避する。それ故、利用者は、座部11を横移
動しながら簡単にベッドなどに乗り移ることができる。
【0035】逆に、利用者がベッドから車椅子1に移り
乗る際には、図4に実線で示すように、肘掛け13およ
び大径後輪51を座部11の側方から退避させておき、
利用者が車椅子1に乗り移った後に、肘掛け13を矢印
Bの方向に回転させて座部11の側方位置に戻す。この
動作に連動して、リンク機構60では、先の動作とは逆
に、第1のリンク杆61は、ピン64を回転中心として
下端側が揺動し、車軸用ブラケット20は、水平に前進
する。従って、大径車輪51は、図4に一点鎖線で示す
ように、座部11の側方位置に戻り、通常の走行状態に
簡単に戻る。
【0036】このように、本例の車椅子1では、肘掛け
13が座部11の側方位置から退避するだけでなく、そ
の動作に連動して、大径後輪51も座部11の側方位置
から後方に退避する。従って、利用者は、座部11上を
横移動して簡単に乗り降りすることができる。
【0037】また、車軸511は、走行車輛10とは別
体の車軸用ブラケット20を介して取り付けられている
とともに、走行車輛10と車軸用ブラケット20との間
には、このブラケットを水平に案内するガイド機構40
が構成されている。しかも、第1のリンク杆61の下端
部では、長孔66の内部をピン65が滑っていく。この
ため、車軸用ブラケット20や大径車輪51は、それを
上下動するような力を受けないので、座部11が上下動
しない。従って、利用者は、座部11に腰掛けたまま、
肘掛け13を小さな力で回転させるだけで、大径後輪5
1を移動させることができる。それ故、利用者は、自力
で大径後輪51を移動させて車椅子1の側方から乗り降
りできる。
【0038】また、本例では、リンク機構60に対する
操作部材としても機能する肘掛け13は、座部11の側
方位置に出現する状態と、背凭れ部12の側方位置で起
立する状態に切り換わる。従って、利用者は、身体を屈
めずに大径後輪51を移動させることができるので、楽
であるとともに、安全である。しかも、肘掛け13と大
径後輪51とを一つの動作で退避させることができるの
で、便利である。
【0039】さらに、車軸511の位置は、長孔241
の形成範囲内であれば前後方向に調節可能である。従っ
て、図3に二点鎖線Lで示すハンドル連結用パイプ31
の下方への延長線上に近い位置に車軸511を配置する
ことができる。それ故、介護者は、手押し用ハンドル3
2をもって車椅子1を簡単に方向転換できる。この場合
には、座部11の側方が大径後輪51で完全に遮られる
状態になるが、大径後輪51は、後方に退避可能である
ので、座部11の側方からの乗り降りに支障がない。
【0040】また、車椅子は、大径後輪の径が大きい
程、早く走行できるため、外出に便利である一方、大径
後輪の径が小さい程、小回りが利くので、屋内で使用す
るのに便利である。従って、使用状況に合わせて、径の
異なる大径後輪に交換すればよいが、従来の車椅子で
は、径の異なる大径後輪に変更すると、座部の高さ位置
が変わってしまい、体形に合わなくなる。これに対し
て、本例の車椅子1では、車軸用ブラケット20に対す
る車軸固定板24の固定位置が長孔211の形成範囲内
で変更できるので、大径後輪51を径の大きなものに交
換したときには、車軸用ブラケット20の固定位置を高
くすれば、座部11の高さ位置が変わらない。
【0041】逆に、大径後輪51を径の小さなものに交
換したときには、車軸固定板24の車軸用ブラケット2
0に対する固定位置を低くすれば、座部11の高さ位置
が変わらない。このように、径の異なる大径後輪に交換
しても、座部11の高さ位置が変わらず、体形に合った
ままであるので都合がよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る後輪
後退機構付き車椅子には、車軸を走行車体とは別体の車
軸用ブラケットを介して取り付けるとともに、このブラ
ケットを水平に案内するガイド機構と、車軸用ブラケッ
トを前後方向に移動させるリンク機構とを設けたことに
特徴を有する。従って、本発明によれば、座部上を横移
動しながら乗り降りする際には、利用者は、座部を上下
動させずに大径後輪を水平に移動させることができるの
で、座部に腰掛けたまま小さな力で大径後輪を移動させ
ることができる。
【0043】肘掛けを座部の側方位置と背凭れ部の側方
位置との間で回転させるとともに、この肘掛け自身をリ
ンク機構の操作部材とした場合には、利用者は、身体を
低く屈めなくても操作部材を扱えるので、楽な姿勢で操
作できるとともに、安全である。しかも、肘掛けと大径
後輪とを一つの動作で退避させることができるので、便
利である。
【0044】大径後輪の車軸位置を前後方向に調節可能
にした場合には、小さな力で車椅子の向きを変え得るよ
うな位置に車軸位置を簡単に調節できる。また、大径後
輪の車軸位置を高さ方向に調節可能にした場合には、座
部の高さ位置を変更することなく、径の異なる大径後輪
に交換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る後輪後退機構付き車椅子
における走行状態を示す右側面図である。
【図2】図1に示す車椅子の正面図である。
【図3】図1に示す車椅子において大径後輪を後退させ
るためのガイド機構およびリンク機構の説明図である。
【図4】図1に示す車椅子において大径後輪を前後方向
に移動させた状態を示す右側面図である。
【図5】従来の車椅子における大径後輪を後退させるた
めのリンク機構の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・車椅子 10・・・走行車体 11・・・座部 12・・・背凭れ部 13・・・肘掛け 17・・・小径前輪 18・・・本体側ブラケット 20・・・車軸用ブラケット 22、23・・・車軸用ブラケットの連結用パイプ(連
結軸) 24・・・車軸固定板 32・・・手押し用ハンドル 40・・・ガイド機構 41、42・・・本体側ブラケットの案内用パイプ 51・・・大径後輪 60・・・リンク機構 61・・・第1のリンク杆 62・・・第2のリンク杆 511・・・大径後輪の車軸
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座部、この座部の側方に位置する左右一
    対の肘掛け、前記座部の後方に位置する背凭れ、および
    左右一対の小径前輪が取り付けられた走行車体と、 この走行車体と別体で構成され、前記肘掛けの側方に左
    右一対の大径後輪がそれぞれ位置するように車軸を支持
    する左右一対の車軸用ブラケットと、 前記走行車体側で前記肘掛けを前記座部の側方に位置す
    る状態と前記座部の側方を開放する位置まで退避した状
    態との間で切り換える肘掛け位置切換機構と、 前記走行車体と前記車軸用ブラケットとの間で前記車軸
    用ブラケットを前後方向に水平に案内するガイド機構
    と、 操作部材に対する操作により回動し、前記車軸用ブラケ
    ットを前記ガイド機構により案内しながら前後方向に水
    平移動させることによって前記大径後輪が前記座部の側
    方に位置する状態と前記座部の側方を開放する位置まで
    後退した状態とに切り換えるリンク機構とを有すること
    を特徴とする後輪後退機構付き車椅子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記肘掛け位置切換
    機構は、前記肘掛けが前記走行車体の後方寄りの位置を
    中心に回転することにより、前記座部の側方に位置する
    状態と前記背凭れ部の側方位置で起立して前記座部の側
    方位置を開放する状態とに切り換えるように構成され、 前記リンク機構は、前記肘掛けを前記操作部材として、
    それを前記背凭れ部の側方位置で起立させるときに前記
    車軸用ブラケットを後方に水平移動させて前記大径後輪
    を前記座部の側方位置から後退させる一方、前記肘掛け
    を前記座部の側方位置に出現させるときに前記車軸用ブ
    ラケットを前方に水平移動させて前記大径後輪を前記座
    部の側方位置に出現させることを特徴とする後輪後退機
    構付き車椅子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記ガイド
    機構は、前記車軸用ブラケットから前方に水平に延設さ
    れた上下2本の連結軸と、前記走行車体側に水平に固定
    され、前記連結軸が挿抜可能な状態にそれぞれ差し込ま
    れた上下2本の案内用パイプとを有することを特徴とす
    る後輪後退機構付き車椅子。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか項におい
    て、前記車軸用ブラケットは、当該ブラケット上におけ
    る前記大径後輪の車軸位置を前後方向に調節するための
    前後位置調節機構を有することを特徴とする後輪後退機
    構付き車椅子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの項におい
    て、前記車軸用ブラケットは、当該ブラケット上におけ
    る前記大径後輪の車軸位置を高さ方向に調節するための
    高さ位置調節機構を有することを特徴とする後輪後退機
    構付き車椅子。
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