JPH08149931A

JPH08149931A - 畦間用マルチング資材

Info

Publication number: JPH08149931A
Application number: JP18502795A
Authority: JP
Inventors: Shoichi Ishimoto; 正一石本
Original assignee: Mikado Chemical MFG Co
Current assignee: Mikado Chemical MFG Co
Priority date: 1994-09-28
Filing date: 1995-06-29
Publication date: 1996-06-11

Abstract

(57)【要約】【目的】植物間の地面（畦部分）の地温上昇防止しす
るために、育成する植物群の間の地面を被覆する不織布
製マルチング資材であって、マルチング資材の両端に土
かぶせをしなくても該資材が強風により吹き飛ばされる
のが防止できる畦間用マルチング資材、を提供する。【構成】育成する植物群の間の地面を被覆するために
敷設される不織布製マルチング資材であって、該マルチ
ング資材の長手方向の両端には、該マルチング資材を係
止する係止具が挿入可能な小孔が等間隔に穿たれている
畦間用マルチング資材、および不織布が、坪量が２０〜
１００ｇ／ｍ²、可視光線の反射率が６０％以上、通気
性が１０〜２００秒／１００ｃｃの熱可塑性樹脂製不織
布からなり、表面が白色で、裏面が黒色である前記畦間
用マルチング資材。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地面や畝で育成する植
物の間に敷設されて使用される畦間用マルチング資材、
に関するものである。

【０００２】

【従来技術】現在、日本では各種の熱可塑性樹脂から成
るマルチングフィルムが使用されており、フィルムは主
にポリエチレンフィルムからなり、厚みが７〜４０μ
ｍ、幅が８０〜１８０ｃｍ程度のフィルムが多く使用さ
れている。マルチ栽培の効果はフィルムで地表面をマル
チングすることにより土中水分保持，土壌膨軟性保持，
肥料流亡防止，病害抑制，そして地温の上昇及び／又は
抑制等を行わしめ、初期生育の促進、初期収量の増加、
生産の多収安定化等を達成することにある。図１に従来
のフィルムマルチング栽培の概略を示す。図１において
（５）５は畦、（１’）はマルチングフィルム、（６）
は植物である。（７）はマルチングフィルム（１’）の
両側を押さえる土である。

【０００３】ここで現在のマルチングフィルムとして例
示すると次のものがある。黒色ポリエチレンフィルム。緑色ポリエチレンフィルム。透明ポリエチレンフイルム。光を透過させる透明な部分（１ａ）と光を遮断する
黒色または銀白色の部分（１ｂ）よりなる畦の肩部の雑
草発生を抑制するマルチングフイルム（実公昭４９−７
１６４号公報）。

【０００４】アルミ粉末練込みポリエチレンフイル
ム（シルバーマルチングフイルム）；アルミ粉末を約２
重量％以上含有した，厚み２０〜３０μのものが多い。アルミ蒸着ポリエチレンフイルム（ミラーマルチン
グフイルム）；厚み２０μ程度のポリエチレンフイルム
表面にアルミニウムを数百Åのオーダーで真空蒸着した
もの。アルミ箔貼合せポリエチレンフイルム（アルミマル
チングフイルム）；アルミ箔とポリエチレンフイルムを
貼合せたフイルムで光反射性の大変優れたもの。酸化チタン粉末を練込んだ白色層とカーボンブラッ
ク粉末を練込んだ黒色層の白色，黒色２層からなる厚み
２０〜３０μの積層ポリエチレンフイルム（白黒ダブル
マルチングフイルム）。

【０００５】上記〜のマルチングフイルムは、地温
上昇を目的としたフイルムであり、比較的気温の低い時
期に栽培を開始する場合、及び高緯度寒冷地帯に多く使
用される。〜のマルチングフイルムは、地温の上昇
を抑制するのを目的としたフイルムで比較的気温の高い
時期に栽培を開始する場合や低温性作物を対象に多く使
用される。フイルムとしては太陽光を反射し、太陽光エ
ネルギーが地面に入射するのを抑えるように設計された
各種の光反射性の主にポリエチレンフィルムを基材とし
たフィルムが多い。又、フイルムに代えて熱可塑性樹脂
製不織布を用いたマルチング資材も提案されている（実
公平６−９４１号）。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
マルチングフイルム、もしくは不織布製マルチング資材
は、植物を育成する畝の地面の全面を被うために一畝当
たりのフィルムのサイズは、肉厚２０〜１５０μｍ、幅
６００〜１５００ｍｍ、長さ１０〜５０ｍと大きなもの
であり、育成する植物間に存在するフイルム、もしくは
不織布のかなりの部分や固定のために土中に埋め込まれ
る部分は本来、不要のものであり、コスト高とならざる
を得ない。

【０００７】又、マルチングフイルムは、夏期および高
地温化傾向の強い砂質土壌地帯で使用するにはフイルム
自身通気性がないので、地面からの水分蒸散による放熱
を抑えてしまう。このため、フイルム下の地温が、露地
の地温以下にならず、むしろそれ以上になってしまうと
いう問題があった。また、マルチングフイルム上に降っ
た雨もしくはスプリンクラーにより供給された水分は、
フイルムにより弾かれるため畝の土中に浸透せず、有効
に利用できない欠点があった。本発明は、地温の上昇を
抑制でき、通気性のある風で吹き飛ばされにくい、マル
チング資材を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、育成する植物
群の間の地面を被覆するために敷設される不織布製マル
チング資材（１）であって、該マルチング資材の長手方
向の両端には、該マルチング資材を係止する係止具が挿
入可能な小孔（８）が等間隔に穿たれていることを特徴
とする畦間用マルチング資材、を提供する。

【０００９】

【作用】植物間の地面（畦部分）の地温上昇防止がマル
チング資材によりなされる。又、このマルチング資材の
長手方向の両端に設けられた小孔に係止具を差し込むこ
とによりマルチング資材の両端に土かぶせをしなくても
該資材が強風により吹き飛ばされるのが防止できる。植物植物としては、レタス、セロリ、大根、トマト、きゅう
り等、特に夏季に育成することができる植物が好まし
い。マルチング資材の素材マルチング資材の素材として特に好ましい不織布は、坪
量が２０〜１００ｇ／ｍ²、可視光線の反射率が６０％
以上、通気性が１０〜２００秒／１００ｃｃの熱可塑性
樹脂製不織布からなる素材である。

【００１０】上記熱可塑性樹脂としては、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン（特に高密度ポリエ
チレン）、ナイロン等およびこれらの共重合体を挙げる
ことができ、これらの樹脂は単独で、または混合して使
用することができる。価格、性能の点ではポリプロピレ
ン、高密度ポリエチレンが望ましい。坪量を２０〜１０
０ｇ／ｍ²としたのは、２０ｇ／ｍ²未満ではマルチン
グ資材としての強度が不足するととともに、反射率が低
下し、１００ｇ／ｍ²を越えると、通気性を付与するこ
とができなくなり、コスト高になるためである。好まし
い坪量は３０〜６０ｇ／ｍ²である。

【００１１】可視光線（波長４００〜８００ｎｍ）の反
射率を６０％以上としたのは、６０％未満では地温を露
地の地温以下に保持し難くなるためである。好ましい反
射率は７５〜１００％である。通気性（ＪＩＳＰ８１
１７のガーレー法による透気度）を１０〜２００秒／１
００ｃｃとしたのは、１０秒／１００ｃｃ未満では不織
布自体の強度が不足するとともに、高反射率を維持する
のが困難になり、２００秒／１００ｃｃを越えると、地
面からの水分蒸散による放熱効果が低下するためであ
る。好ましい通気性は２０〜１００、更に好ましくは２
５〜８０秒／１００ｃｃの範囲である。

【００１２】不織布の繊維の太さは、特に限定しない
が、反射率を向上させるには、できるだけ細い方が良
い。一般的には、０．１〜１０μ程度、望ましくは５μ
以下である。不織布の厚さは、特に限定しないが、作業
性等を考慮すると、０．１〜０．５ｍｍ程度が適当であ
る。このマルチング資材は、坪量が２０〜１００ｇ／ｍ
²で、１０〜２００秒／１００ｃｃの通気性を有してお
り、しかも可視光線の反射率が６０％以上で遮光性（日
陰の効果）を有するので、夏期のように暑く直射日光の
強い時期でも、地面からの水分蒸散による放熱をほどよ
く促進し、地温を露地の地温以下に保持し、藁を敷いた
ときの地温並に近づけることができる。

【００１３】マルチング資材の形状図２に本発明のマルチング資材の一例を示す。図２は、
幅が１００〜５００ｍｍのロール状不織布１の長手方向
の両端に３〜１０ｍｍの小孔（８）を、端から５〜４０
ｍｍのところ（Ｙ）に１５〜６０ｍｍの等間隔（Ｗ）に
多数穿った畦間用マルチング資材（１’）を示す。図３
は、このマルチング資材（１’）を用い、３０ｃｍ間隔
でレタス（６）を育成している平地（５）上を被覆した
状態を示す。図中、（９）は小孔（８）内に挿入された
Ｕ字状のピンである。なお、マルチング資材を地面に抑
えるピン（９）（９）・・・は、これを紐に一定間隔に
結び、マルチング資材（１’）の小孔（８）（８）・・
・の上に紐を置き、順次ピン（９）（９）・・・を差し
込むようにすれば、収穫後、この紐をひっぱればピン
（９）（９）・・・の引き抜きが容易にできる。

【００１４】

【実施例】

（実施例１）高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）を使用し
て表１の特性を有するフラッシュ紡糸法で製造された白
色の不織布の裏面に黒ベタ印刷を施して表１に示す物性
の不織布Ａを得た。これを図２に示すように、幅２００
ｍｍに断材し、長手方向の両端から１０ｍｍのところ
に、直径が４ｍｍの小孔を２５ｍｍ間隔に穿ち、マルチ
ング資材Ａを得た。

【００１５】これを３００ｍｍ間隔毎に平地上に植付け
られた背丈が約４ｃｍのレタスの間に敷設し、Ｕ字ピン
でピン止めし、１日１回、スプリンクラーで水を３０分
供給し、育成を行い、５５日後に収穫し、収穫したレタ
スの平均重量と発病（軟腐病とウィルス病）、雑草の発
生状況、を調査した。表２は、調査結果である。

【００１６】（実施例２）マルチング資材の不織布とし
て、高密度ポリエチレンを使用して表１の特性を有する
フラッシュ紡糸法で製造された白色の不織布Ｂを用いる
他は実施例１と同様にしてレタスの育成を行い、その調
査結果を表２に示した。

【００１７】（比較例１）マルチング資材として、肉厚
２０μｍ、幅１０００ｍｍのシルバーマルチングフイル
ムを用い、これで畝を覆い、その両端に土をかぶせた。
ついでこのシルバーマルチングフイルムの３００ｍｍご
とに穿孔された直径５０ｍｍの穴部分にレタスの苗を植
込み、以下実施例１同様に育成し、調査し、その結果を
表２に示した。

【００１８】

【表１】

【００１９】

【表２】

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、育成する個々の植物の
間の地面を被覆する熱可塑性樹脂からなる通気性の不織
布製マルチング資材であって、これを各育成する植物の
間の畦に被せて使用したとき、夏期のように暑く直射日
光の強いときであっても、地面からの水分蒸散による放
熱をほどよく促進して、地温の上昇を防ぎ植物の生育に
適した環境を形成する。また、マルチング資材それぞれ
は敷設が容易であり、従来のような畝全体を覆うもので
はないので、従来のマルチング資材の４〜６割の資材の
量で植物の育成ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のフィルムマルチング栽培の概略図であ
る。

【図２】本発明の不織布製マルチング資材の一例を示
す。

【図３】本発明の不織布製マルチング資材を用いて植物
を育成している図である。

【符号の説明】

１マルチング資材１’ マルチングフィルム１ａフィルムの透明部分１ｂフィルムの光遮断部分５畦、平地６植物（レタス）７押し土８小孔９Ｕ字ピン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】育成する植物群の間の地面を被覆するた
めに敷設される不織布製マルチング資材であって、該マ
ルチング資材の長手方向の両端には、該マルチング資材
を係止する係止具が挿入可能な小孔が所定の間隔をおい
て穿たれていることを特徴とする畦間用マルチング資
材。
【請求項２】不織布が、坪量が２０〜１００ｇ／
ｍ²、可視光線の反射率が６０％以上、通気性が１０〜
２００秒／１００ｃｃの熱可塑性樹脂製不織布からな
り、表面が白色で、裏面が黒色である請求項１記載の畦
間用マルチング資材。