JPH0814931A - ナビゲーションシステムおよびその風景画管理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ナビゲーションシステム内に記憶する風景画
の記憶容量を減少する。 【構成】 走行中の車両内に搭載された受信機４ａによ
り風景画を無線で受信しナビゲーションコントローラ８
を介してディスプレイ９に転送し、地図と風景画を合成
表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両等の移動体の位置
を検出したり、移動体が目的地に到達するための経路に
関する情報を提供するナビゲーションシステムに関し、
より詳しくは、移動体のドライバまたは搭乗者が移動体
外部の風景によって現在の位置を認識することが可能な
ナビゲーションシステムおよびその風景画管理方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から移動体の目的地到達を支援する
めに、現在位置情報や道路情報を移動体のドライバまた
は搭乗者に伝える物としてナビゲーションシステム（装
置）がある。このナビゲーション装置は小型のコンピュ
ータおよび表示装置を有し、車速センサや方位センサに
より進行距離および進行方向を検出することで、移動体
の現在位置を検出し、案内する。一般的には、道路地図
に関連させて、矢印マークなどを表示装置に表示させる
ことで車両の現在位置を案内する。

【０００３】ナビゲーションシステムは車両内に設置す
るために表示装置の表示画面はどうしても小さくなって
しまう。このため、ドライバーにとって、地図上の矢印
マークでは実際の車両位置の正確な位置がわからないこ
とがある。そこで所定の場所における風景画をナビゲー
ションシステム内の記憶装置に記憶しておき、この所定
位置に車両が接近したときに記憶装置の風景画を読み出
し、表示装置に表示させるようにした提案（特開昭６１
−９５３８６号）もなされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このようにして車両の
ドライバに現在位置を正確に知らせることができるよう
にナビゲーションシステムは改善されてきたが、以下の
点で、なお、改善の余地があった。

【０００５】１）実際の風景は道路、建物等の施設の建
設、改築により時々刻々と変化する。このため、記憶装
置、たとえば、光ディスクに風景画を記憶する場合に
は、所定期間ごとに光ディスクを最新の物と交換しなけ
ればならない。

【０００６】２）車両の走行範囲が広いときは、たとえ
ば、全国地図をナビゲーションシステムに搭載しなけれ
ばならず、光ディスクの枚数も多量となる。

【０００７】３）上記１項および２項の理由によりユー
ザにはコストの負担がかかると共にナビゲーションシス
テムの車両への搭載に制限が生じる。

【０００８】そこで、本発明は、ドライバへの風景の案
内内容を改善し、かつ、ナビゲーションシステムを大型
化する必要のないナビゲーションシステムおよびその風
景画管理方法を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項１に記載の発明は、移動体の位置を地
図に関連付けて案内する位置案内手段と、風景画を有す
る風景画情報を外部から受信する受信手段と、当該受信
した風景画情報の風景画を前記位置案内手段の案内内容
に包含する制御手段とを具えたことを特徴とする。

【００１０】請求項２に記載の発明は、請求項１の発明
に加えて、前記風景画情報には案内メッセージを含み、
前記位置案内手段は当該案内メッセージ、前記風景画、
前記地図および移動体の位置を可視表示することを特徴
とする。

【００１１】請求項３に記載の発明は、請求項１の発明
に加えて、前記風景画情報には案内メッセージをを含
み、前記位置案内手段は当該案内メッセージを音声で出
力し、前記風景画、前記地図および移動体の位置を可視
表示することを特徴とする。

【００１２】請求項４に記載の発明は、請求項１の発明
に加えて、前記制御手段は移動体の現在位置から特定距
離の範囲内で受信した風景画を案内することを特徴とす
る。

【００１３】請求項５に記載の発明は、外部から受信し
た風景画を地図に関連づけて案内表示するために記憶
し、管理するナビゲーションシステムの風景画管理方法
において、前記風景画にＩＤを付加しておき、前記ナビ
ゲーションシステムでは前記風景画を受信したときの移
動体の位置を取得し、当該取得した位置と前記風景画の
記憶位置と前記ＩＤとを対応づけて記憶し、管理するこ
とを特徴とする。

【００１４】請求項６に記載の発明は、請求項５の発明
に加えて、前記風景画とともに記憶してある位置と、移
動体の現在位置との間の距離が特定距離を超えたときに
は記憶している風景画および移動体の位置を削除するこ
とを特徴とする。

【００１５】

【作用】請求項１の発明では、風景画を外部から受信す
るので、ナビゲーションシステム内には地図情報だけを
用意すればよい。

【００１６】請求項２、３の発明では、風景画の案内メ
ッセージを表示、音声出力することで、実際の建物など
の風景画を認識しやすくなる。

【００１７】請求項４の発明では、特定距離内の風景画
を取り込むことで、地図自体の表示範囲を広げる。

【００１８】請求項５の発明では、風景画の受信時にそ
の時の車両の位置を共に風景画をＩＤに関連づけて記憶
しておくことにより記憶データをＩＤにより検索でき
る。

【００１９】請求項６の発明では、記憶している風景画
は自己の車両位置から特定の距離内の風景画のみが常に
保持され、風景画を記憶する装置の容量が所定限度内に
収まる。

【００２０】

【実施例】以下、図面を使用して、本発明の実施例を詳
細に説明する。

【００２１】本発明の説明に先立って、本発明を適用し
たナビゲーションシステムのシステム構成を図２に示
す。図２において車輪速センサ１ａ，１ｂは車両の左右
の車輪の回転速度を検出する。ジャイロ２ａは車両の旋
回速度を検出する。ジャイロ２ａには、旋回速度を干渉
光の位相変化として読みとる光ファイバジャイロやピエ
ゾエレクトリック素子の片持ちばり振動技術を利用して
旋回角度を検出する振動ジャイロ、機械式ジャイロを用
いることができる。地磁気センサ３ａは地磁気に基づい
て車両の絶対方位を検出する。これらセンサの測定結果
がナビゲーションシステム２に入力される。

【００２２】方位推定部５は地磁気センサ３ａなどから
入力される初期方位とジャイロ２ａにより検出された方
位変化量のデータに基づいて移動体、すなわち、車両の
現在方位を推定する。この機能はマイクロコンピュータ
等が方位推定プログラムを実行することにより実現され
る。

【００２３】位置検出部６は車輪速センサ１ａ，１ｂに
より検出される車輪の回転数パルスに基づいて初期位置
（キー入力装置１０により設定された車両位置）からの
走行距離データを算出するとともに、方位推定部５から
出力される方位データを取得して初期位置を起点とする
走行軌跡を推測航法により算出する。位置検出部６もマ
イクロコンピュータが位置検出用プログラムを実行する
ことによりその機能が実現される。

【００２４】ナビゲーションコントローラ８は図形処理
用プロセッサ、画像処理用メモリおよびメモリバッファ
８１を有し、位置検出部６から転送される走行軌跡情報
および記憶装置１１に格納された地図情報に基づきディ
スプレイ９上に地図および現在位置を表示案内する。

【００２５】本発明に関わる処理としては受信機４ａに
より受信した風景画情報をメモリバッファ８１に取り込
み、上述の地図、車両の現在位置を示すマークとともに
風景画ディスプレイ９に表示させるためのを画像合成処
理を図形処理用プロセッサ（マイクロコンピュータ）に
より実行する。この画像合成のために画像処理メモリが
使用される。また、ディスプレイ９に表示する地図情報
の検索、初期位置の入力処理、スクロール表示制御も図
形処理用プロセッサにより実行される。

【００２６】メモリバッファ８１は風景画データ、関連
の音声データ、およびこれらデータのＩＤを格納する領
域と、これらデータが格納されているアドレス（記憶位
置）を、ＩＤ、車両の位置と関連させて記憶する領域
（内部テーブル８１１と称するー図３参照）を有する。

【００２７】記憶装置１１に装着する記憶媒体、たとえ
ば、カセットテープ、ＣＤ―ＲＯＭ，ＤＡＴ，半導体メ
モリ、ＩＣメモリなどの記憶媒体は地図情報や、経路案
内に用いる情報、すなわち、所定範囲の道路網、交差
点、鉄道交通網などをノードとリンクの形で格納してい
る。この記憶媒体から記憶装置１１により経路案内に用
いる情報が読み出される。

【００２８】ディスプレイ９は車両の現在位置、方位、
走行軌跡や交通情報を案内する他、処理を選択するため
のメニュー画面を表示する。ディスプレイ９には液晶表
示器や陰極線管表示器（ＣＲＴ）を用いることができ
る。キー入力装置１０はナビゲーションコントローラ８
に対する動作指示、および経路案内に関する必要情報を
入力する。

【００２９】音声発生装置５ａは現在位置の案内メッセ
ージもしくは経路案内のメッセージを音声出力する。受
信機４ａは地上各所に設けられた送信機から無線で送信
される交通情報（道路規制情報、渋滞情報、事故情
報、）、地点情報および本発明に関わる風景画情報を受
信する。

【００３０】本発明に関わる風景画情報について説明す
る。風景画情報はＩＤ、画像データ、音声データから構
成される。ＩＤは風景画に割り当てた識別番号である。
画像データは風景画像を示すイメージデータである。音
声データは風景画に関連して付加される説明などの音声
データである。

【００３１】このようなシステム構成で実行される案内
処理を図１、図２、図４を参照しながら説明する。図１
はディスプレイ９に表示される案内画面を模式的に示
す。図４はナビゲーションコントローラ８が実行する処
理手順を示す。この処理手順は実際にはプログラム言語
の形態で記載されているため、説明の都合上、本発明に
関わる処理を機能的に表現している。

【００３２】電源が投入されると、図４の処理手順がナ
ビゲーションコントローラ８において実行される。すな
わち、ナビゲーションコントローラ８内のメモリの中に
風景画情報を格納するメモリバッファ８１をアロケート
（割り当て）する。次に、受信機４ａから転送される風
景画情報をメモリバッファ８１に取り込む（ステップＳ
１０→Ｓ２０）。ここで、ナビゲーションコントローラ
８はこれまでに取り込まれた風景画のＩＤ群と今回、取
り込まれたＩＤを一致比較する。ＩＤが一致した場合に
は今回の風景画は既に装置内に取り込まれているものと
して、今回、受信した風景画情報は放棄し、次回の風景
画情報の受信に備える（ステップＳ３０→Ｓ３１）。一
方、新規の風景画情報を受信した場合、ステップＳ３０
のＩＤ照合処理では否定判定（不一致判定）が得られ
る。そこで、ナビゲーションコントローラ８は位置検出
部６から、現在の車両の位置情報を取得し、受信の風景
画情報と共にメモリバッファ８１に登録する。

【００３３】本実施例ではリング形式の記憶形態を採用
しており、メモリバッファ８１が満杯のときには登録時
点の最も古い風景画データが破棄され、その記憶位置に
受信の風景画情報が登録される（ステップＳ４０〜Ｓ７
０）。

【００３４】一方、メモリバッファ８１に空き領域があ
る場合には、その空き領域を埋める形態で受信の風景画
情報が登録される（ステップＳ４０〜Ｓ６０→Ｓ６
１）。メモリバッファ８１に登録された風景画情報（画
像データおよび音声データ）は、ナビゲーションコント
ローラ８内の図形処理用プロセッサにより読み出され、
画像データ（表示用のメッセージの文字画像を含む）は
地図、現在位置を示すマークと、画像処理用メモリ上で
合成される。この結果、合成された案内画像がディスプ
レイ９に転送され、図１に示すように表示される。ま
た、音声データについては音声発生装置５ａから音声で
出力される（図４のステップＳ６２またはＳ８０）。以
下、上述の手順が繰り返し実行され、走行している車両
が地上から風景画情報を受信する毎に新しい風景画情報
が登録され、古い風景画情報は破棄されていく。

【００３５】ドライバはディスプレイ９の表示および音
声案内と、実際の走行中の風景を比較することにより走
行中のの位置を確実なものとすることができる。さらに
車両に搭載されたナビゲーションシステムでは記憶媒体
に風景画像を記録しておく必要はない。

【００３６】本実施例では走行中の車両の近辺の風景画
を取得するために図５の処理手順をナビゲーションコン
トローラ８が一定周期割り込みで実行する。すなわち、
位置検出部６から現在の車両位置を取り込む（ステップ
Ｓ１００）。次にナビゲーションシステム８内の内部テ
ーブル８１１に格納された各位置情報の示す位置と取得
した現在の位置との間の距離を計算する。この計算結果
が予め定めた特定距離よりも大きくなったときには計算
対象となったＩＤ．位置情報等一連のデータを内部テー
ブル８１１から削除する（ステップＳ１２０→Ｓ１３
０）。

【００３７】以上、説明したように、本実施例では内部
テーブル８１１を用意することで、風景画情報を容易に
記憶管理できる。より具体的には、内部テーブルのＩＤ
照合を行うだけで、繰り返し送信される同一の風景画情
報を重複的に取り込むことなく、新規の風景画情報を取
得することができる。また、自己の車両から特定範囲で
受信した風景画情報を保持することができる。

【００３８】本発明の主要構成と実施例の対応関係を説
明しておく。請求項１の位置案内手段は記憶装置１１、
ナビゲーションコントローラ８ディスプレイ９および音
声発生装置５ａによりその機能が実現される。受信手段
は受信装置４ａと対応する。制御手段は図４の処理手順
を実行するときのナビゲーションコントローラ８と対応
する。

【００３９】本実施例の他に次の例を実施できる。

【００４０】１）本実施例では地上の固定設置された送
信局については詳述しなかったが、風景画を取り込むた
めにはテレビカメラなどの撮像装置により撮影した生の
映像を送信してもよいし、予め記憶装置内に記憶してお
いた風景画を送信するようにしてもよい。前者は風景の
変化に即時に対応することができるという利点を持つ。
後者は天候に左右されず、建物など明確な映像を走行車
両に届けることができるという利点を持つ。いずれにし
ても走行車両に携帯用記憶媒体を多数用意する必要がな
いことは言うまでもない。

【００４１】２）本実施例は風景画に関するメッセージ
を表示及び音声で案内するようにしているが、風景画を
表示、メッセージを音声のみ或いは表示のみというよう
に種々の案内形態を選択することができる。

【００４２】３）風景画の示す風景が固定設置の建物な
どで地図情報にその位置が記載されて場合は、地上の送
信機から建物のＩＤ（識別情報）を風景画とともに受信
する。そして、このＩＤに基づき地図情報から建物の位
置を取得し、表示画面上の建物の位置に受信の風景画を
包含させる。加えて、その建物の地図上のＩＤ（識別番
号）を本実施例のＩＤと位置情報に兼用することができ
る。

【００４３】４）受信した風景画の画面の大きさを表示
画面の大きさに合わせ、縮小、あるいは拡大してもよい
こと勿論である。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、車両には風景画を記憶した携帯用記憶媒体を搭
載する必要がなく、また、風景画を送信する側では、た
とえば、テレビカメラを用いることで、風景の変化に対
応して最新の風景を提供できる。

【００４５】請求項２の発明では風景画にメッセージが
付されるので表示の風景を実際の風景の中から見つける
ことが容易となる。

【００４６】請求項３の発明では音声メッセージを出力
することでドライバは運転に専念しながら位置確認を行
うことができる。

【００４７】請求項４の発明では表示の風景画の枚数が
制限され、その記憶メモリの容量を節減することができ
る。

【００４８】請求項５の発明では、ＩＤに関連づけて受
信の風景画の記憶位置および受信時の車両の位置を記
憶、管理することで、記憶位置情報の風景画の検索が容
易になる。

【００４９】請求項６の発明では、自己の車両位置近傍
に位置する風景画のみが表示され、システム内のメモリ
の節減が図られる外、表示画面も地図の表示が阻害され
る部分が小さくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の案内表示画面の一例を示す説明
図である。

【図２】本発明実施例のシステム構成を示すブロック図
である。

【図３】図２のメモリバッファ８１の構成を示すブロッ
ク図である。

【図４】図２のナビゲーションコントローラ８が実行す
るフローチャートである。

【図５】図２のナビゲーションコントローラ８が実行す
るフローチャートである。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ 車輪速センサ ２ ナビゲーションシステム ２ａ ジャイロ ３ａ 地磁気センサ ４ａ 受信機 ５ 方位推定部 ５ａ 音声発生器 ６ 位置検出部 ８ ナビゲーションコントローラ ９ ディスプレイ １０ キー入力装置

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動体の位置を地図に関連付けて案内す
   る位置案内手段と、 風景画を有する風景画情報を外部から受信する受信手段
   と、 当該受信した風景画情報の風景画を前記位置案内手段の
   案内内容に包含する制御手段とを具えたことを特徴とす
   るナビゲーションシステム。
2. 【請求項２】 前記風景画情報には案内メッセージを含
   み、前記位置案内手段は当該案内メッセージ、前記風景
   画、前記地図および移動体の位置を可視表示することを
   特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
3. 【請求項３】 前記風景画情報には案内メッセージをを
   含み、前記位置案内手段は当該案内メッセージを音声で
   出力し、前記風景画、前記地図および移動体の位置を可
   視表示することを特徴とする請求項１に記載のナビゲー
   ションシステム。
4. 【請求項４】 前記制御手段は移動体の現在位置から特
   定距離の範囲内で受信した風景画を案内することを特徴
   とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
5. 【請求項５】 外部から受信した風景画を地図に関連づ
   けて案内表示するために記憶し、管理するナビゲーショ
   ンシステムの風景画管理方法において、 前記風景画にＩＤを付加しておき、 前記ナビゲーションシステムでは前記風景画を受信した
   ときの移動体の位置を取得し、 当該取得した位置と前記風景画の記憶位置と前記ＩＤと
   を対応づけて記憶し、管理することを特徴とするナビゲ
   ーションシステムの風景画管理方法。
6. 【請求項６】 前記風景画とともに記憶してある位置
   と、移動体の現在位置との間の距離が特定距離を超えた
   ときには記憶している風景画および移動体の位置を削除
   することを特徴とする請求項５に記載のナビゲーション
   システムの風景画管理方法。