JPH08149287A - カラー画像読取装置の縮小拡大処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 それぞれ異なる色を検出する複数のラインセ
ンサを副走査方向に平行に配列してなるカラー画像読取
装置において、第１のラインセンサと第２のラインセン
サとの画素ずれのない信号を得ることのできる縮小拡大
装置を簡単な構成により提供する。 【構成】 それぞれ異なる色を検出する複数のラインセ
ンサ（１、２）を副走査方向に平行に配列してなるカラ
ー画像読取装置であって、先行して読み取った第１のラ
インセンサ（１）の読み取り信号をラインメモリ（５
０）に取り込み、縮小拡大倍率に応じたタイミングで次
順の第２のラインセンサ（２）の読み取り信号と同期し
て出力する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラー複写機やカラー
プリンタまたはカラースキャナ等において使用されるカ
ラー画像読取装置の縮小拡大処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】情報のデジタル化に伴い、それを使用す
る複写機、プリンタ、ファクシミリといった情報機器も
アナログからデジタル用へと広く移り変わっている。こ
れら機器の共通する構成は先ず初めに原稿情報をデジタ
ル的に読み取り、画像をデジタル信号として処理するこ
とである。かかる読み取り素子の一つとしてＣＣＤ（固
体撮像素子）センサが広く知られている。ＣＣＤセンサ
は、小型であり且つカラーフィルタを用いることによっ
て簡単に色分解した信号を取り出すことができるため
に、白黒画像の読み取りのみならず、２色またはフルカ
ラー画像の読み取り素子として広く使用されている。

【０００３】このようなカラー画像用のＣＣＤセンサと
して、従来、(1) 直線状の画素列にそれぞれ異なる色の
分光感度を有するカラーフィルタを繰り返し順に配置し
た１列ラインセンサと、(2) それぞれ異なる色の分光感
度を有するカラーフィルタを有する複数の画素列を副走
査方向に平行に順に配列した複数ラインセンサが知られ
ており、両者とも画像読み取りにあたっては、原稿を主
走査方向に電子走査しながら副走査方向へと移動させて
いる。前者の１列ラインセンサは、電子走査することに
よって異なる色のシリアル信号が出力されるので信号を
色毎に分解することが必要であり、画像処理部が複雑に
なるという問題を有している。また、後者の複数ライン
センサは、それぞれのラインセンサにおいて各色毎に別
個に電子走査され、それぞれ別個のシリアル信号で出力
されるので、前者のような分離処理を必要とせず、また
ラインセンサ単位でカラーフィルタを用いるために製造
が容易であるという利点を有している。

【０００４】一方、複写機、プリンターといった画像形
成装置においては、原稿画像を等倍で複写しまたはプリ
ントすることのみならず、原稿画像を縮小しまたは拡大
した変倍画像を形成することが要望され、これら装置で
は画像読取装置によって読み取った原稿の画像データを
縮小しまたは拡大するための縮小拡大処理装置を備えて
いる。かかる画像データの縮小拡大は主走査方向および
副走査方向の二方向に関して処理される。主走査方向の
縮小拡大については、(イ) 原稿１枚分の容量を持つペー
ジメモリに原稿の読取画像データを取り込み原稿１枚分
を一括して縮小拡大処理する方式、(ロ) １ラインのライ
ンメモリに画像データを格納しサンプリングクロックの
周波数を変化させ縮小拡大処理を行う方式、(ハ) 間引き
により縮小を行い挿入補間により拡大を行う間引方式に
より縮小拡大処理する方式が知られる。また、副走査方
向の縮小拡大については、原稿の移動速度を増減する方
式が一般的に知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような背景におい
て、２色またはフルカラーの画像読取りが行え、しかも
縮小または拡大処理が可能なカラー画像読取装置が期待
されている。上述したようにカラー画像の読み取りに関
しては、１列ラインセンサよりも、２または複数のライ
ンセンサを平行に配列した複数ラインセンサが構造的に
簡単であるが、かかる構造にあっては画像データを変倍
処理しようとする場合、主走査方向においては上記した
方式(イ)(ロ)(ハ)を採ることができるが、副走査方向に関
しては上記のような原稿の移動速度を増減するといった
方式を容易には採択できない。即ち、複数ラインセンサ
においては複数のラインセンサが一定ギャップを隔てて
平行に固定されているために、ラインセンサ間のギャッ
プの長さに相当するライン数の補正が必要となる。

【０００６】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、第１のラインセンサと第２のラインセンサ間の補正
すべきライン数を縮小拡大倍率に応じて調整し、第１の
ラインセンサと第２のラインセンサとの画素ずれのない
信号を得ることのできる縮小拡大装置を簡単な構成によ
り提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明による縮小拡大処理装置は、それぞれ異なる
色を検出する複数のラインセンサを副走査方向に平行に
配列してなるカラー画像読取装置であって、先行して読
み取った第１のラインセンサの読み取り信号をラインメ
モリに取り込み、縮小拡大倍率に応じたタイミングで次
順の第２のラインセンサの読み取り信号と同期して出力
することを特徴とする。

【０００８】また第２発明においては、それぞれ異なる
色を検出する複数のラインセンサを副走査方向に平行に
配列してなるカラー画像読取装置であって、一定周期の
画素クロックを縮小拡大倍率によって決定されるカウン
ト値により分周して縮小拡大率に応じたサンプリングク
ロックを出力するカウンタと、このカウンタからの出力
信号を受け前記第１および第２のラインセンサにそれぞ
れ水平同期信号を出力する水平同期信号発生回路と、先
行して読み取る第１のラインセンサの読み取り信号をラ
イン順に取り込むラインメモリと、前記水平同期信号発
生回路からの出力を受け前記ラインメモリの書き込みお
よび読み取り制御を行い前記第１のラインセンサからの
読み取り信号を第２のラインセンサの読み取り信号と同
期して出力させるメモリ制御回路と、前記ラインメモリ
からの出力信号と前記第２のラインセンサからの読み取
り信号とを入力して画像処理を行ない出力する画像処理
回路とを含むことを特徴とする。

【０００９】

【作用】このような構成により、第１のラインセンサの
読み取り信号を、センサ間のギャップと縮小拡大倍率と
によって決定される補正ライン分、ラインメモリでタイ
ミング調整することにより、第２のラインセンサの読み
取り信号と同期した画素ズレのない縮小／拡大画像のデ
ータが得られる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面を参照と
して説明する。実施例では２色カラー用の画像読取装置
を例として説明するが、本発明はこれに限定されること
なく、３色またはフルカラー（４色）の画像読取装置に
も同様に適用することができる。

【００１１】図１は本発明による画像読取素子のライン
センサの基本配置を図式的に示し、符号１は赤データを
読み取るためのフィルタを備えた第１のラインセンサ
（ＣＣＤセンサ）、符号２は青データを読み取るための
フィルタを備えた第２のラインセンサ（ＣＣＤセンサ）
を示し、これらラインセンサ１，２は原稿３の移動方
向、即ち副走査方向に数十μmを隔てて平行に配置され
ている。ラインセンサ１，２はそれぞれ副走査方向に移
動する原稿３の画像を主走査方向に電子走査して読み取
り画素データに変換する。

【００１２】図２はかかるラインセンサ１，２により読
み取られた赤データおよび青データを縮小または拡大処
理して最終画像データとして出力するための縮小拡大処
理装置を示す。ＣＰＵ１０はオペレーションコントロー
ラからの縮小拡大信号を受け、予め格納されている対象
データに基づき当該倍率に応じたカウント値を決定しカ
ウンタ２０へと出力する。縮小拡大倍率は例えば４３〜
２００％の間で０.１％刻みで任意に設定することがで
きる。カウンタ２０にはＣＰＵ１０からの出力と並行に
一定周期の画素クロックが入力されており、ＣＰＵ１０
からのカウント値によってこの画素クロックを分周し、
縮小拡大倍率に応じたサンプリングクロック２１を水平
同期信号発生回路３０へと出力する。水平同期信号発生
回路３０にはサンプリングクロック２１と並行して上述
の画素クロックが入力されており、ラインセンサの１ラ
イン毎の読み取りの同期を行うための水平同期信号３
１，３２をそれぞれラインセンサ１，２に出力する。ラ
インセンサ１，２はこの水平同期信号３１、３２に同期
してそれぞれ１ライン順に画像データを読み取り、１ラ
イン分ずつ出力する。水平同期信号発生回路３０の出力
３１，３２はまたメモリ制御回路４０へと入力される。

【００１３】一方、第１のラインセンサ１により読み取
られた赤データは１ライン分順にラインメモリ５０へと
送られてセーブされ、第２のラインセンサ２により読み
取られた青データ２は画像処理回路６０に直接に入力さ
れる。ラインメモリ５０は２以上の複数のライン分のメ
モリを有しており、このメモリ数は、第１と第２ののラ
インセンサ間のギャップの長さ、画像の解像度および最
大拡大率によって決定される。例えば、第１と第２のラ
インセンサ間のギャップが６３.５μmであり、解像度が
４００dpi、最大拡大率が２００％である場合にはメモ
リは２ライン分が必要となり、最大拡大率を大きくする
に従い大きいメモリを必要とする。ラインメモリ５０は
メモリ制御回路４０により書き込み／読み出しの切り替
えが制御され、２または複数ラインのメモリに交互に１
ライン毎の赤データを順に書き込み、縮小拡大倍率に応
じたタイミングで、即ち第１のラインセンサ１と第２の
ラインセンサ２との間の補正ライン数を調整して、画像
処理回路６０に出力する。前述したように画像処理回路
６０には第２のラインセンサ２からの青データが直接に
入力されており、ラインメモリ５０からの赤データは第
２のラインセンサ２からの青データと同期して画像処理
され、最終画像データとして出力される。

【００１４】

【発明の効果】以上、本発明によれば、比較的メモリ数
の小さなラインメモリを用いた簡単な構成により、画素
ずれのないカラー画像の読み取りを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による画像読取素子のラインセンサの
基本配列を示す図。

【図２】 本発明による２色カラー画像の読取装置の縮
小拡大処理装置を示す図。

【符号の説明】

１ 第１のラインセンサ ２ 第２のラインセンサ １０ ＣＰＵ ２０ カウンタ ３０ 水平同期信号発生回路 ４０ メモリ制御回路 ５０ ラインメモリ ６０ 画像処理回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ異なる色を検出する複数のライ
   ンセンサを副走査方向に平行に配列してなるカラー画像
   読取装置であって、先行して読み取った第１のラインセ
   ンサの読み取り信号をラインメモリに取り込み、縮小拡
   大倍率に応じたタイミングで次順の第２のラインセンサ
   の読み取り信号と同期して出力することを特徴とするカ
   ラー画像読取装置の縮小拡大処理装置。
2. 【請求項２】 それぞれ異なる色を検出する複数のライ
   ンセンサを副走査方向に平行に配列してなるカラー画像
   読取装置であって、一定周期の画素クロックを縮小拡大
   倍率によって決定されるカウント値により分周して縮小
   拡大率に応じたサンプリングクロックを出力するカウン
   タと、このカウンタからの出力信号を受け前記第１およ
   び第２のラインセンサにそれぞれ水平同期信号を出力す
   る水平同期信号発生回路と、先行して読み取る第１のラ
   インセンサの読み取り信号をライン順に取り込むライン
   メモリと、前記水平同期信号発生回路からの出力を受け
   前記ラインメモリの書き込みおよび読み取り制御を行い
   前記第１のラインセンサからの読み取り信号を第２のラ
   インセンサの読み取り信号と同期して出力させるメモリ
   制御回路と、前記ラインメモリからの出力信号と前記第
   ２のラインセンサからの読み取り信号とを入力して画像
   処理を行ない出力する画像処理回路とを含むことを特徴
   とするカラー画像読取装置の縮小拡大処理装置。