JP3698814B2 - カラー画像読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は拡大縮小または解像度を変換したときもカラー画像を精度よく読み取り、カラー画像を線順次に出力するカラー画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来のカラー画像読取装置の構成を示すブロック図である。光電変換素子21は各赤(R),青(B),緑(G)の色ごとにセンサが設けられており、原稿の同一位置をこの3つのセンサが順々に読み取る。図2は3ラインのカラーCCD概略図を示す。各色用の光電変換素子は各64μmずつ離れており、これを副走査方向のライン数に換算すると解像度が300dpi で各々8ライン分離されていることになる。このため原稿を読み取ったとき、そのずれ(読取点の違い)を補正するためR−B間で8ライン、R−G間で16ラインのライン間補正を行う。
【0003】
光電変換素子21で読み取られた3色の色信号は同時にオフセット調整部およびAGC部22に送出され、オフセット調整と自動ゲイン調整とが行われA/D変換部とシェーディング補正部23でデジタルデータに変換し、シェーディング補正が行われる。ライン間補正部および画信号合成部24では、各色信号の位置ずれを補正する。すなわち、同一位置を読み取ったR,B,Gの色信号を1ラインの信号に合成する。図2で解像度300dpi の場合、G信号を読み取ったとき、このG信号を読み取ったときより8ライン前に読み取ったB信号と16ライン前に読み取ったR信号は同一位置の読み取り信号を表しているのでこれを1ラインの信号に合成し、画像処理部25に送り、解像度を変換する線密度変換、または拡大縮小処理が行われる。制御部26は全体を制御し、モータ制御部27は原稿を搬送するモータ28を制御する。RAM29はライン間補正や画信号合成に使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の技術の構成ではA/D変換器がR,G,B各信号に対して必要となり、回路規模が大きくなる。また、原稿の搬送速度を、解像度が300dpi となるよう各色の光電変換素子間の距離64μmを8ライン分走査できる速度で移動する速度を基準速度とし、解像度または拡大縮小率を変えるため、搬送速度を基準速度から変更する場合、各色の光電変換素子間の距離64μmを整数ラインの読み取りをして搬送することができなくなる。ライン間補正は1ライン単位で行うため、小数点以下の端数のラインの補正はできず読取点の各色間のずれを補正できない。例えば基準速度に対応する解像度を300dpi とし、400dpi の解像度となるよう読み取りをする場合、各光電変換素子間の距離64μmのライン数は8×400/300=10.7ラインとなり、この値に近い整数11ラインに対し0.3ラインの誤差が出る。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、回路規模を小さくし、任意の拡大縮小率や解像度に対して各色のライン間補正を整数ラインで補正するカラー画像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラー画像処理装置おいては所望の拡大縮小率または解像度に応じて原稿搬送速度を変更すると共に各光電変換素子の出力のタイミングを調整し、各色の1ラインのデータを1ラインのデータに合成した後、A/D変換器でデジタル変換し、しかる後にライン間補正を行う。
【0007】
この本発明によれば、3色のデータを1ラインに合成した後にデジタル変換するため、A/D変換器は1つでよく回路規模が小さくなる。また原稿搬送速度の変更により発生する各色のライン間補正のライン数の端数を、各光電変換素子の出力タイミングのずれを用いて整数とすることにより、ライン間補正を整数ラインで行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1の発明では、赤、青、緑の各色に対応した光電変換素子が副走査方向に所定間隔づつ離れて配置され原稿読取りを行うCCDイメージセンサと、このCCDイメージセンサの読み取り面に原稿を搬送する搬送手段と、読取り系の基準解像度に対応する基準速度と所定の関係を有する複数の解像度に対応した定格速度より所望の拡大縮小率または解像度に基づいて前記搬送手段の搬送速度を設定する変速手段と、この搬送速度の変化に応じて各光電変換素子の出力タイミングを調整する制御手段と、この出力タイミングの順に各色の1ラインのデータを線順次に1ラインのデータに合成する合成手段と、合成した画像信号をデジタル変換するA/D変換部と、変換したデータを各色の光電変換素子が所定距離離れていることによって生じる位置ずれを設定された前記定格速度に応じて補正する補正部と、この位置ずれを補正したデータを所望の拡大縮小率または解像度に処理する拡大縮小手段とを備える。
【0009】
光電変換素子間を基準の解像度(例えば300dpi )となるように移動する原稿搬送速度を基準速度とし、この基準速度の場合、各光電変換素子の間隔を整数ラインの走査で原稿が移動するようにしておく。所望の拡大縮小率または解像度に応じて、搬送速度を決めておき、この搬送速度で原稿を搬送する。この場合各光電変換素子の間隔を走査するライン数は整数でなくなり、小数点以下の端数が出る。しかし、各光電変換素子の出力をこの端数が1ラインとなるようにタイミングをずらして出力し、3色のデータを1ラインに合成する。これにより2色の光電変換素子間の位置ずれによるライン間補正を整数ラインで補正することができる。また、3色を1ラインに合成した後A/D変換器を通すので、A/D変換器は1個でよい。なお、拡大縮小率または解像度に応じた搬送速度は、必ずしもその拡大縮小率または解像度となる搬送速度ではなく、ラインの端数が3色のデータの出力タイミング調整により整数ラインとなる速度である。しかも拡大縮小率も副走査方向の変換しかできない。このため、ライン間補正を整数ラインで誤差なく行った後、所望の拡大縮小率または解像度となるように拡大縮小率の変換または線密度の変換を行う。
【0010】
請求項2の発明では、前記基準速度は前記光電変換素子の間隔に所定のライン数が丁度入る速度であり、前記定格速度は前記光電変換素子の間隔に小数点以下で表示される端数のライン数を有するライン数が入る速度に設定してあり、前記制御手段は前記定格速度の端数のライン数に加算するとほぼ1ラインとなるように出力タイミングをずらして出力する。
【0011】
変速手段は拡大縮小率または解像度に対応した定格速度とする。この定格速度で原稿が搬送されると光電変換素子間隔で走査されるライン数は端数のライン数を有するライン数となるが、各光電変換素子の出力をずらし、この端数に加算すると端数が1ラインとなるようにして出力するので、各色信号について、ライン間補正を行うライン数は整数ラインとなり、誤差の生じないライン間補正を行うことができる。
【0012】
請求項3の発明では、前記制御手段が出力する色信号の出力タイミングにより並べられた色信号の順序を所定の順序に並べ直す色順序設定手段を設ける。
【0013】
色信号の出力タイミングはライン間補正のライン数が整数ラインとなるように各色信号の出力タイミングをずらして出力する。このため例えば赤、青、緑の順に出力しようとする場合でも、赤、緑、青の順にして出力される場合が生じる。このため色順序設定手段では搬送されてきたデータを一旦メモリに格納し、所定の順で読み出しすることにより色順序を所定の順序に変更する。
【0014】
請求項4の発明では、前記定格速度を選定する際、所望の拡大縮小率または解像度に対応した速度より大きい拡大縮小率または解像度に対応した定格速度を選定し、前記拡大縮小手段で所望の拡大縮小率または解像度に縮小する。
【0015】
所望の解像度を得ようとする場合、それより大きな解像度で原稿を読み取り多くのラインを入力し、そこから間引いて所望の解像度とする方が、小さな解像度で読み取り、ライン挿入して所望の解像度に拡大するよりも鮮明な画像が得られる。これは拡大縮小率の場合も同じで、縮小する場合求める縮小率よりも大きな縮小率となるような速度で原稿を読み取りこのデータを間引いて求める縮小率とした方が鮮明な画像が得られる。
【0016】
請求項5の発明では、前記基準速度に対応する解像度を300dpi とし、前記定格速度に対応する解像度を200dpi ,400dpi ,500dpi ,700dpiの少なくとも1つを含むようにする。
【0017】
基準速度に対応する解像度を300dpi とし、この倍数より±100dpi ,+200dpi ,大きな解像度を定数速度に対応する解像度とする。一方光電変換素子間の間隔は解像度300dpi に対する原稿搬送速度で3の倍数以外のライン数が入る間隔とする。このようにすると最初の光電変換素子と2番目の光電変換素子間のライン数の端数は必ず1/3ラインか2/3ラインとなり最初の光電変換素子と3番目の光電変換素子間のライン数の端数は必ず2/3ラインか1/3ラインとなる。この場合、2番目との関係が1/3ラインのときは3番目との関係は2/3ライン,2番目との関係が2/3ラインなら3番目との関係は1/3ラインとなる。このように端数が1/3または2/3ラインとなるようにすると、補正が容易となる。
【0018】
請求項6の発明では、前記制御手段は1つ目の色信号に対する出力タイミングのずれを、2つ目の色信号に対しては1/3ライン、3つ目の色信号に対しては2/3ラインとする。
【0019】
3色を1つの色に対し第2の色を1/3ライン、第3の色を2/3ラインずらして、赤、青、緑のラインを送出する場合、このずれたラインと請求項5の端数のラインの合計が1ラインとなるようにすれば、ライン間補正を整数ラインで行うことができ、完全な補正ができる。このため、赤、青、緑の色順が変わることも生じる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成を示すブロック図である。光電変換素子1は各赤(R),青(B),緑(G)の色ごとにセンサを有している。図2は3ラインのカラーCCDの概略図を示す。各色用のセンサは副走査方向に一定間隔離れて配置されている。本実施の形態の場合各光電変換素子は64μmづつ離れており、これを副走査方向のライン数に換算すると、解像度が300dpi で各々8ライン分離れていることになる。このため原稿を読み取ったとき、そのずれ(読取点の違い)を補正するため、R−B間で8ライン、R−G間で16ラインのライン間補正を行う。なお、各光電変換素子間隔はそこに入るライン数は解像度によって異なるが、基準として設定した解像度(本実施の形態の場合は300dpi であるが、これに限定されない)で3の倍数以外のライン数が入る間隔となるようにしておく。
【0021】
光電変換素子1で読み取られた3色の色信号はオフセット調整部、画信号合成部およびAGC部2に送出され、各色信号のオフセット調整と、3ラインからなる3色の色信号を1/3ラインづつの位相差をつけて読み取り位置によるライン数の端数を補正し、整数ラインの位相差とした3色の色信号を1ラインに合成する画信号の合成と、自動ゲイン調整が行われる。このため光電変換素子1からはこの位相差をつけて3色の色信号が送出されてくる。1ラインに合成された画信号はA/D変換部とシェーディング補正部3でアナロクよりデジタル信号に変換され、シェーディング補正が行われる。
【0022】
ライン間補正部4では原稿の同一位置を読み取った3色の色信号を1ラインの信号とする。図2で説明すると、解像度300dpi でG信号を読み取ったとき、このG信号と、8ライン前のB信号と16ライン前のR信号は同一位置の読み取り信号を表しているので、これを1ラインの信号に合成する。これをライン間補正と言う。画像処理部5はライン間補正部4で合成された画信号を所望の線密度の解像度としたり、所望の拡大縮小率にする。制御部6は全体を制御し、モータ制御部7は原稿搬送用のモータ8の搬送速度を制御する。RAM9はライン間補正を行うときの作業エリアとなる。
【0023】
図3は原稿を搬送する定格速度に対応した解像度におけるライン間補正のライン数を示す。基準速度に対応する解像度を300dpi とし、300dpi またはその倍数に±100dpi ,+200dpi した値となっている。各解像度において、R−B間(これはG−B間に等しい),R−G間のライン間補正のライン数について、400dpi を例にとり説明する。基準解像度の300dpi に対し、R−B間(G−B間)はライン間補正の端数が0.67(2/3)ライン,R−G間の端数は0.33(1/3)ラインになっている。これは300dpi またはその倍数に±100dpi した解像度、つまり200dpi ,400dpi ,700dpi は同様である。また、+200dpi した500dpi ,800dpi では、この逆でR−B間の端数は0.67(2/3)ライン,R−G間の端数は0.33(1/3)ラインとなっている。そして補正ライン数は、端数が0.33ラインには後述するCCDの出力タイミング調整による0.67ラインを加算して1ラインとし、0.67ラインにはCCD出力タイミング調整による0.33ラインを加算して1ラインとし、全て整数ラインとなっている。400dpi の場合で説明するとR−B間は10.67ラインが11ライン、R−G間は21.33ラインが22ラインになっている。
【0024】
この端数をCCD出力のタイミングを調整して1/3ライン、2/3ラインの位相差をつけて3色の信号を送出することにより、画信号合成部2に入力する3色の信号は整数ライン数ずれた3色の信号となる。図4は光電変換素子1において、3色のCCDセンサを駆動するタイミングを示す。(A)は400dpi ,700dpi ,100dpi の場合でGを基準とし、G−B間を1/3ライン,G−R間を2/3ラインずらして各センサより出力する。図3において、400dpi ,700dpi のR−B間(G−B間に等しい)の端数は0.67(2/3)ラインであり、これにCCDセンサの出力タイミングのずれの1/3ラインを加算すると端数は1ラインとなって整数ラインとなる。また、G−R間の端数は0.33(1/3)ラインであり、これにCCDセンサの出力タイミングのずれ2/3ラインを加算すると1ラインとなる。(B)は500dpi ,800dpi ,200dpi の場合で、Gを基準とし、G−B間を2/3ライン,G−R間を1/3ラインずらして各センサより出力する。図3の500dpi ,800dpi ,200dpi のR−B間(G−B間に等しい)の端数は0.33(1/3)ラインであり、これにCCDセンサの出力タイミングのずれの2/3ラインを加算すると端数は1ラインとなって整数ラインとなる。またG−R間の端数は0.67(2/3)ラインであり、これにCCDセンサの出力タイミングのずれの1/3ラインを加算すると端数は1ラインとなって整数ラインとなる。
【0025】
次に動作を説明する。
まず360dpi の解像度のカラー画像データを線順次のデータに変換し出力する場合について説明する。原稿は、図2に示す3ラインのカラーCCDによりまずR用の光電変換素子にて読み、次にB用、最後にG用の光電変換素子にて読むように搬送されるものとする。本実施の形態の装置は原稿搬送の基準速度を300dpi に設定しており、原稿の搬送速度は図3に示した定格速度(解像度)より選択される。速度選択に当たっては目的の解像度360dpi より大きく、かつこれに最も近いものとする。これは大きな解像度でデータ量を多く読み取り、これを間引いて目的の解像度にする方が、小さな解像度で読み取り、少ないデータを拡大して目的の解像度にするよりも鮮明画像が得られるからである。この選択基準により400dpi の速度を選択する。
【0026】
各光電変換素子間のライン間距離は400dpi の解像度に変えると、
G−Bライン間:8×400/300=10.7ライン
G−Rライン間:16×400/300=21.3ライン
に相当する。
【0027】
ここで、このように各R,B,G間で端数のライン数が生じた場合、この端数を整数に調整する必要がある。ライン間補正は整数のラインでしか補正できないからである。このため、図4の(A)に示すタイミングでCCDを駆動する。これによりGに対してBのラインを1/3ライン,Rのラインを2/3ラインずらし、G,B,Rの順で光電変換素子1より出力する。画信号合成部ではG,B,Rの順に1ラインに合成した信号を出力し、1個のA/D変換部で8ビットのデジタル信号に変換し、ライン間補正部4でライン間補正を行う。光電変換素子1から出力される各色の画像信号はタイミング調整により次のように整数ラインずれた画像信号となっている。
【0028】
G−Bライン間:10.7+0.3=11.0ライン
G−Rライン間:21.3+0.7=22.0ライン
図5は400dpi ライン間の補正を説明する図である。横軸はR,B,GのCCD間の距離を示し、各64μm離れており、300dpi のライン数で表すと各8ラインの間隔となる。縦軸は400dpi の場合のライン数を表す。G−B間は300dpi では8ラインであるが、400dpi では10.7ラインとなっていることを示し、G−R間では300dpi では16ラインであるが、400dpi では21.3ラインとなっていることを示している。破線はGに対し、B,RがGと同時に出力した場合を示し、この場合、G−B間では10.7ラインになり1/3ラインBをGに対して遅く出力すれば11.0ラインと整数になる。またG−R間では21.3ラインになり2/3ラインRをGに対して遅く出力させると22.0ラインと整数ラインになる。そこで図4(A)に示すタイミングでCCDを駆動し、Gに対し、Bは1/3ライン、Rは2/3ライン遅らせて出力している。
【0029】
ライン間補正部4では3ラインカラーCCD(光電変換素子1)により送られてきた画像信号を原稿の同一場所の3色R,B,Gのデータとする。3ラインカラーCCDから送出されるデータは、原稿の異なった場所の3色の画像信号であるので、これを同一場所の3色のデータにする。これがライン間補正である。つまりライン間補正部4では現在入力したラインのG信号と、11ライン前に入力したラインのB信号と、22ライン前に入力したR信号とを1つのラインのデータとする。この際、出力する順序は、一定の順序、例えばR,B,Gの順にして画像処理部5に出力する。これにより光電変換素子1でタイミング調整によりR,B,Gの順序を変えて送出しても、一定の順序となる。なお、このようなライン間補正はA/D変換部とシェーディング補正部3から送られてきた画像信号を3色に分けてそれぞれRAM9に格納し、これから同一場所の各色の画像信号を読み出して一定の順序で送出することにより達成される。
【0030】
画像処理部5に入力されたR,B,Gよりなる画像信号は400dpi の解像度を360dpi の解像度に変換される。この変換は1inchにつき40本のラインを間引くことによって行われる。なお、200dpi を越え400dpi までの解像度に変換する場合は、同様に400dpi に変換してライン間補正を整数ラインにした後、目的の解像度になるよう間引処理する。これはこの装置の基準速度である300dpi の解像度を得る場合も同様である。300dpi の速度で読み取ると、読み取ったライン間は、8ライン,16ライン,と整数であるが、3色を1/3ラインづつずらして送出すると、この1/3ライン,2/3ラインのずれが出てしまうからである。しかし、1/3ラインづつずらさず3色の信号を同時に送出するようにすれば、300dpi の速度で読み取るようにしてもよい。
【0031】
次に読取解像度300dpi の読取り系で50%から200%まで拡大縮小する場合について説明する。なお、この拡大縮小は副走査方向の拡大縮小を原稿の搬送速度を変えて所定の倍率にし、その後、画像処理部5で目的の倍率になるように副走査方向のラインを間引き、次に主走査方向の画素を間引くか挿入するようにする。副走査方向の拡大縮小については解像度の変換と同じである。例えば200%に拡大する場合、300dpi を基準の解像度とすると600dpi の解像度となる原稿搬送速度で読み取り、300dpi に相当する速度でデータを送り出せば2倍に拡大されたデータとなる。
【0032】
拡大縮小の場合も、原稿は同じ位置を先ずR用の光電変換素子にて読み、次にB用、最後にG用で読むように搬送されるものとする。
【0033】
まず、50%〜67%までの縮小時について説明する。この場合、一旦200dpi 相当の解像度(200/300=0.67倍の縮小)にて読み取り、ライン間補正を行った後、画像処理部5で副走査方向を目的とする縮小率にラインを間引き、次に主走査方向を目的とする縮小率になるよう画素を間引く。
【0034】
各光電変換素子間のライン間隔は200dpi の解像度に変えることにより、
G−Bライン間:8×200/300=5.3ライン
G−Rライン間:16×200/300=10.7ライン
に相当する。
【0035】
上記ライン間の端数のラインを1ラインとするため、図4(B)に示すようにCCDの駆動タイミングをGに対して、Bのラインを2/3ライン、Rのラインを1/3ライン遅くして出力する。これにより、
G−Bライン間:5.3+0.7=6.0ライン
G−Rライン間:10.7+0.3=11.0ライン
となる。これにより整数ラインでライン間補正をすることができる。
【0036】
図6は200dpi でのライン間の補正を説明する図である。図5との相違は縦軸が200dpi でのライン数になり、G−B間では5.3ライン、G−R間では10.7ラインとなっている。このためCCD駆動のタイミング調整がG−B間では2/3ライン、G−R間で1/3ラインとなっている。
【0037】
68%から133%の拡大縮小時は、400dpi の解像度で1.33=400/300倍とした後、ライン間補正を行う。400dpi の場合のライン間端数の調整については先の360dpi の解像度を得る時の説明と同じなので省略する。
【0038】
134%から167%までの拡大時は、一旦500dpi 相当の解像度(500/300=1.67倍の拡大)で読み取り、ライン間補正を行う。各光電変換素子間のライン間距離は500dpi の解像度に変えることにより
G−Bライン間:8×500/300=13.3ライン
G−Rライン間:16×500/300=26.7ライン
に相当する。
【0039】
上記ライン間の端数のラインを1ラインとするため、図4(B)に示すCCDの駆動タイミングでGに対しBのラインを2/3ライン、Rのラインを1/3ライン遅くして出力する。これにより
G−Bライン間:13.3+0.7=14.0ライン
G−Rライン間:26.7+0.3=27.0ライン
となる。これにより整数ラインでライン間補正をすることができる。
【0040】
168%から200%までの拡大時は一旦700dpi 相当の解像度(700/300=2.33倍の拡大)で読み取り、ライン間補正を行う。各光電変換素子間のライン間距離は700dpi の解像度に変えることにより、
G−Bライン間:8×700/300=18.7ライン
G−Rライン間:16×700/300=37.3ライン
に相当する。
【0041】
上記ライン間の端数のラインを1ラインとするため、図4(A)に示すCCDの駆動タイミングで、Gに対しBのラインを1/3ライン、Rのラインを2/3ライン遅くして出力する。これにより
G−Bライン間:18.7+0.3=19.0ライン
G−Rライン間:37.3+0.7=38.0ライン
となる。これにより整数ラインでライン間補正をすることができる。
【0042】
以上のようにして副走査方向の拡大縮小率を、目的とする拡大縮小率に応じた定格解像度(図3に示す解像度)にし、ライン間補正をした後、画像処理部5で目的とする拡大縮小率となるようラインの間引処理を行う。このようにして副走査方向の倍率を調整した後、主走査方向を目的の拡大縮小率となるよう画素の挿入、間引きを行う。これにより副走査方向および主走査方向共目的とする拡大縮小率の画像を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明は、目的とする任意の拡大縮小率や解像度に対応した定格の解像度となるように原稿の搬送速度を設定し、読み取った画像データを各色信号間のライン数が整数となるように光電変換素子の各色信号をずらして出力するので、整数のラインでライン間補正を行うことができ、鮮明な画像が得られる。また、光電変換素子のR,B,G信号の出力を1ラインに合成できるのでA/D変換部が1個ですみ回路規模を比較的小さくすることができる。また目的とする拡大縮小率や解像度よりも大きな拡大縮小率や解像度で読み取り縮小して目的の倍率や解像度とするので、鮮明な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態に用いる3ラインのカラーCCDの配置を示す図
【図3】定格解像度における各色のCCD間のライン数のずれを示す図
【図4】RGB光電変換素子間の出力タイミング図
【図5】400dpi におけるライン間補正を説明する図
【図6】200dpi におけるライン間補正を説明する図
【図7】従来のカラー画像読取装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 光電変換素子
2 オフセット調整部、画信号合成部、AGC部
3 A/D変換部、シェーディング補正部
4 ライン間補正部
5 画像処理部
6 制御部
7 モータ制御部
8 原稿搬送モータ
9 RAM

Claims (6)

  1. 赤、青、緑の各色に対応した光電変換素子が副走査方向に所定間隔づつ離れて配置され原稿読取りを行うCCDイメージセンサと、このCCDイメージセンサの読み取り面に原稿を搬送する搬送手段と、読取り系の基準解像度に対応する基準速度と所定の関係を有する複数の解像度に対応した定格速度より所望の拡大縮小率または解像度に基づいて前記搬送手段の搬送速度を設定する変速手段と、この搬送速度の変化に応じて各光電変換素子の出力タイミングを調整する制御手段と、この出力タイミングの順に各色の1ラインのデータを線順次に1ラインのデータに合成する合成手段と、合成した画像信号をデジタル変換するA/D変換部と、変換したデータを各色の光電変換素子が所定距離離れていることによって生じる位置ずれを設定された前記定格速度に応じて補正する補正部と、この位置ずれを補正したデータを所望の拡大縮小率または解像度に処理する拡大縮小手段とを備えたカラー画像読取装置。
  2. 前記基準速度は前記光電変換素子の間隔に所定のライン数が丁度入る速度であり、前記定格速度は前記光電変換素子の間隔に小数点以下で表示される端数のライン数を有するライン数が入る速度に設定してあり、前記制御手段は前記定格速度の端数のライン数に加算するとほぼ1ラインとなるように出力タイミングをずらして出力することを特徴とする請求項1記載のカラー画像読取装置。
  3. 前記制御手段が出力する色信号の出力タイミングにより並べられた色信号の順序を所定の順序に並べ直す色順序設定手段を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のカラー画像読取装置。
  4. 前記定格速度を選定する際、所望の拡大縮小率または解像度に対応した速度より大きい拡大縮小率または解像度に対応した定格速度を選定し、前記拡大縮小手段で所望の拡大縮小率または解像度に縮小することを特徴とする請求項2記載のカラー画像読取装置。
  5. 前記基準速度に対応する解像度を300dpiとし、前記定格速度に対応する解像度を200dpi,400dpi,500dpi,700dpiの少なくとも1つを含むようにしたことを特徴とする請求項2記載のカラー画像読取装置。
  6. 前記制御手段は1つ目の色信号に対する出力タイミングのずれを、2つ目の色信号に対しては1/3ライン、3つ目の色信号に対しては2/3ラインとしたことを特徴とする請求項2記載のカラー画像読取装置。
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