JPH08148955A - 圧電振動子及びその製造方法 - Google Patents

圧電振動子及びその製造方法

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JPH08148955A
JPH08148955A JP6285652A JP28565294A JPH08148955A JP H08148955 A JPH08148955 A JP H08148955A JP 6285652 A JP6285652 A JP 6285652A JP 28565294 A JP28565294 A JP 28565294A JP H08148955 A JPH08148955 A JP H08148955A
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mask
opening
piezoelectric substrate
protrusion
piezoelectric
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JP6285652A
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English (en)
Inventor
Hidenobu Shintaku
秀信 新宅
Tsutomu Mitani
力 三谷
Shigeo Suzuki
茂夫 鈴木
Hiroshi Watanabe
拓 渡邉
Osamu Kawasaki
修 川崎
Tetsuo Ootsuchi
哲郎 大土
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電振動子における突起部形成工程におい
て、マスク剥離時に突起部等が圧電基板から剥離しない
ように形成し、製品歩留りを向上させるとともに、安定
した振動特性を有し、信頼性の高い圧電振動子を得るこ
と。 【構成】 突起部を溶射により形成する工程において、
突起部の高さhをマスク開口部における上面又は最小開
口幅のある位置までとなるように、予め溶射量を設定し
て、突起部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電セラミック、水
晶、リチュウム酸ニオブ等の圧電材料を用いた圧電振動
子とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メカニカルフィルターや発振子等に用い
られる圧電振動子は、圧電セラミック、水晶、リチュウ
ム酸ニオブ等の圧電材料により形成され、その圧電効果
により所望の周波数領域を有する励振モードで励振する
ように構成されている。圧電振動子は、その振動が拘束
されないように、振動振幅が0である振動の節(ノー
ド)の近傍において保持され、且つ外部電極に電気的に
接続されて、メカニカルフィルタや発振子等として用い
られている。振動振幅が0である振動の節は、理論的に
は一定の領域(幅)を持たない点または線である。圧電
振動子はその特性上理論的には点又は線で保持すること
が望ましい。しかし、実際には、圧電振動子を確実に保
持するために、圧電振動子は一定幅の領域を有する円形
状または帯状の突起部で保持されている。
【0003】図8は圧電セラミック等の圧電材料により
形成された長方形板型の従来の圧電振動子の斜視図であ
る。図8における圧電基板1の上面と下面の両主面には
駆動用の電極2a、2bが形成され、これらの電極間に
電界が印加されて長方形板型の圧電振動子は横振動で励
振するよう構成されている。この横振動励振型の振動子
の振動の節は、長方形板型の圧電振動子の長手方向にお
ける中央線の中央でこれと直角に交わる線上にある。図
8に示すように、圧電振動子には、前記横振動の節近傍
に帯状の突起部3a、3bが形成されており、これらの
突起部3a、3bは開口部を有するメタルマスクにより
被覆された圧電基板1に導電性材料が溶射されて形成さ
れている。図9は長方形板型の圧電振動子の保持構造を
示したものである。この圧電振動子の保持構造では、図
8に示した長方形板型の圧電振動子が、突起部3a、3
bを介して外容器5a、5bの内面に形成された外部電
極4a、4bに挟着され保持されている。外部電極4
a、4bはそれぞれの通電端子である外部端子6a、6
bに電気的に接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来の長方形板型の圧電振動子において、電極上の突
起部をメタルマスクを用いるメタルマスク法により形成
する場合、図10から図12を用いて以下に説明するよ
うな問題が生ずる。図10は厚みtのメタルマスク7を
用いて高さhの突起部3aを溶射により形成した時の状
態を示した図である。金属膜であるメタルマスク7の開
口部7aのパターンは、エッチングにより形成される
が、エッチングの性質上、エッチング表面と裏面とでは
その形状が多少異なる。従って、図10に示すように、
メタルマスク7の開口部7aにはエッジ部Bが形成され
ている。このために、突起部形成工程において、エッジ
部Bを有するメタルマスク7の面が上面側となるように
電極2aの表面に載置される。開口部7aにおいて、エ
ッジ部Bが形成されている部分が最小開口幅wであり、
メタルマスク裏面側の開口幅w1が最大開口幅w1とな
っている。この最大開口幅w1を有する部分が駆動用の
電極2aに接着されている。
【0005】したがって、もしメタルマスク7の厚みt
より大きい高さhを有する突起部3aが形成されると、
突起部3aの上部は図10に示すようにメタルマスク7
の表面に乗り上げ、最小開口幅wより広い幅aを有する
オーバハング部が形成される。このような突起部3aが
形成されると、メタルマスク7を圧電基板1上の電極2
aから取除くとき、メタルマスク7のエッジ部Bがこの
オーバハング部に引掛かかる。従って、突起部3aにお
いて電極2aへの付着力が弱い場合には、突起部3aが
電極2aから剥離するという問題があり、このため製品
歩留まりを著しく低下させていた。もしオーバハング部
を有する突起部3aが電極2a上に形成された場合、こ
の突起部3aが外部電極に狭持される時、突起部3aの
オーバハング部が折れて、この突起部3aに偏った力が
掛かる。この場合、突起部3aと電極2aとの付着面に
過大なモーメントが加わるため、突起部3aが電極2a
から剥離したり、又は突起部3aとともに電極2aが圧
電基板1から剥離するという問題があった。
【0006】上記の問題は、片面エッチングにより形成
されたメタルマスクを用いた場合であるが、同様の問題
は両面エッッチングにより開口部が形成されたメタルマ
スクを用いた場合にも生じる。図11は、両面エッチン
グにより形成された厚みt1のメタルマスク8を用いて
高さhの突起部3aを溶射した時の状態を示す拡大断面
図である。メタルマスク8の開口部8aは、エッジ部B
が開口部8aの上下方向のほぼ中間である厚みtの位置
に形成されている。このため、たとえ突起部3aの高さ
hがメタルマスク8の厚みt1より低くても、それがエ
ッジ部Bの位置の厚みtより高いときには、メタルマス
ク8を取除く時、メタルマスク8のエッジ部Bが突起部
3aに引掛かり、突起部3aが電極2a等から剥離して
しまうという問題があった。
【0007】また、図12に示す有機膜のフィルム体で
あるレジストマスク9を用いて突起部を形成するレジス
トマスク法の場合、レジストマスクが有機溶剤等により
溶解されて除去される場合は上記のような問題はない。
しかし、レジストマスクがフィルムのまま電極から剥離
されるタイプにおいては次の問題がある。即ち、図12
に示すように、レジストマスク9の厚みtより大きい高
さhを有する突起部3aが溶射により形成されると、突
起部頂部の幅aがレジストマスク9の開口部9aの幅w
より大きいオーバハング部が形成される。このような場
合、レジストマスク9を取除くとき、レジストマスク9
が突起部頂部のオーバハング部に引掛かり、突起部3a
が電極2aから剥離するという問題があった。本発明
は、上記のような問題を解決するためになされたもので
あり、圧電基板の振動の節近傍に形成される突起部が、
その形成工程において圧電基板から剥離することなく、
かつ外部電極による押圧力を確実に受け止めて破壊され
ることのない圧電振動子を得ることを目的する。さらに
この圧電振動子に適した製造方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る圧
電振動子の製造方法は、圧電材料からなる圧電基板の対
向する両主面上に導電体からなる駆動用電極を形成する
工程と、前記駆動用電極上にマスクを載置して、当該マ
スクに形成された帯状の開口部を前記圧電基板の振動の
節近傍に配置する工程と、予め決められた量の導電性材
料を前記マスクの開口部に当該開口部の鉛直上方から溶
射し、前記駆動用電極表面から前記開口部における上面
又は最小開口幅の位置までの高さより低い突起部を前記
駆動用電極表面に形成する工程と、前記マスクを前記駆
動用電極上から剥離する工程とを有する。
【0009】また、請求項2の発明に係る圧電振動子の
製造方法は、圧電材料からなる圧電基板の対向する両主
面上に導電体からなる駆動用電極を形成する工程と、前
記駆動用電極上にスペーサマスクを載置して、当該スペ
ーサマスクに形成された帯状の開口部を前記圧電基板の
振動の節近傍に配置する工程と、前記スペーサマスク上
にマスクを載置して、前記スペーサマスクの開口部より
小さい幅の前記マスクの帯状の開口部を前記スペーサマ
スクの開口部と実質的同一の位置に配置する工程と、予
め決められた量の導電性材料を前記マスクの開口部に当
該開口部の鉛直上方から溶射し、前記駆動用電極表面か
ら前記マスクの開口部における上面又は最小開口幅の位
置までの高さより低い突起部を前記駆動用電極表面に形
成する工程と、前記マスク及び前記スペーサマスクを前
記駆動用電極上から剥離する工程とを有する。
【0010】また、請求項3の発明に係る圧電振動子の
製造方法は、圧電材料からなる圧電基板の対向する両主
面上にマスクを載置して、当該マスクに形成された帯状
の開口部を前記圧電基板の振動の節近傍に配置する工程
と、予め決められた量の導電性材料を前記マスクの開口
部に当該開口部の鉛直上方から溶射し、前記圧電基板表
面から前記開口部における上面又は最小開口幅の位置ま
での高さより低い突起部を前記圧電基板表面に形成する
工程と、前記マスクを前記圧電基板上から剥離する工程
と、前記圧電基板の前記突起部が形成された両主面上に
導電体からなる駆動用電極を形成する工程とを有する。
【0011】また、請求項4の発明に係る圧電振動子
は、平板状の圧電基板と、前記圧電基板の対向する両主
面に形成された二つの駆動用電極と、前記各駆動用電極
上における前記圧電基板の振動の節近傍に形成され、断
面形状が実質的に矩形であり、その頂部が前記圧電基板
の主面と実質的に平行な面を有する突起部と、前記突起
部の頂部に電気的に接触して、前記圧電基板を挟着し保
持する外部電極とを有する。
【0012】
【作用】請求項1の発明における圧電振動子の製造方法
では、圧電振動子の突起部を駆動用電極上に形成する工
程において、突起部の高さhを駆動用電極表面からマス
ク開口部における上面又は最小開口幅を有する位置まで
の厚みtより小さく形成することにより、マスクを突起
部に引掛けることなく駆動用電極表面から剥離できる。
また、請求項2の発明における圧電振動子の製造方法で
は、駆動用電極上にスペーサマスクが載置され、このス
ペースマスクの開口部より小さい幅のマスクの開口部を
前記スペーサマスクの開口部に重ねるように配置するこ
とにより、突起部の高さhを駆動用電極表面からマスク
の開口部における上面又は最小開口幅を有する位置まで
の厚みtより小さく形成し、マスク及びスペーサマスク
を突起部に引掛けることなく駆動用電極から剥離でき
る。また、請求項3の発明における圧電振動子の製造方
法では、圧電振動子の突起部を圧電基板上に形成する工
程において、突起部の高さhを圧電基板表面からマスク
開口部における上面又は最小開口幅を有する位置までの
厚みtより小さく形成することにより、マスクを突起部
に引掛けることなく圧電基板表面から剥離できる。さら
に、請求項4の発明における圧電振動子では、突起部の
断面形状が実質的に矩形であり、その頂部上面が圧電基
板の主面と実質的に平行な面を有しているので、外部電
極により突起部の頂部が押圧されて圧電基板が保持され
る時、突起部が破壊されることなく、外部電極は圧電基
板面とほぼ平行に配設される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の圧電振動子の各実施例を、図
1から図7を用いて説明する。 [実施例1]本発明の圧電振動子の実施例1について、
図1及び図2を用いて説明する。図1は圧電セラミッ
ク、水晶、リチュウム酸ニオブ等の圧電材料で形成され
た圧電基板10を有する長方形板型の圧電振動子100
の斜視図である。図1において、圧電基板10の上面と
下面の両主面には駆動用電極20a、20bが形成され
ており、この駆動用電極間に電界が印加されて圧電振動
子100は横振動で励振されるよう構成されている。長
方形板型の圧電振動子100の長手方向における中央線
の中央でこれと直角に交わる線上には横振動の節があ
る。この圧電振動子100の横振動の節の上に導電性材
料、例えばMo、NiCr等の金属材料を溶射すること
により、帯状の突起部30a、30bが形成されてい
る。これらの突起部30a、30bは、金属膜、例えば
ニッケル鋼の一種であるインバー材からなるメタルマス
クを用いるメタルマスク法により形成されている。図2
は長方形板型の圧電振動子100の保持構造を示したも
のであり、図1に示した長方形板型の圧電振動子100
が2つの突起部30a、30bを介して、外容器50
a、50bの内面に形成された外部電極40a、40b
に挟着され保持されている。外部電極40a、40bは
それぞれの通電端子である外部端子60a、60bに電
気的に接続され、圧電振動子100に電圧が印加される
ように構成されている。
【0014】図3は片側エッチングにより形成された開
口部70aを有するメタルマスク70を用いて、駆動用
電極20aの上に突起部30aを形成する工程を示す図
である。図4は両側エッチングにより形成された開口部
80aを有するメタルマスク80を用いて、駆動用電極
20a上に突起部30aを形成する工程を示す図ある。
なお、圧電基板10の上面と下面に形成される二つの突
起部30a、30bの形成工程は同一であるため、以下
の説明において、上面の突起部30aの形成工程のみを
説明して、下面の突起部30bの形成工程は省略する。
図3及び図4において、前述の圧電材料により形成され
た圧電基板10上には、Ag、Au、Cu等の金属膜や
導電性材料の導電性ペイント等からなる駆動用電極20
aが蒸着あるいは印刷法等により形成されている。突起
部30aはプラズマ溶射法によりメタルマスク70、8
0を用いて駆動用電極20a上に形成されている。
【0015】図3に示す突起部30aの形成工程におい
て用いられているメタルマスク70は、片面エッチング
により開口部70aが形成されている。片面エッチング
とはメタルマスク70の片面のみからエッチングにより
所望パターンの開口部70aを形成するものである。従
って、メタルマスク70の開口部70aにおける表面と
裏面の大きさは異なっており、エッチング表面は広く、
エッチング裏面は狭くなっている。次に、図3を用いて
駆動用電極20a上に突起部30aを形成する方法につ
いて説明する。まず、図3の(a)に示すように、厚み
tのメタルマスク70が、開口部70aの最小開口幅w
を有する面を上面側に、最大開口幅w1を有する面を下
面側にして、駆動用電極20a上に配置される。この
時、開口部70aは、長方形板状の圧電基板10の長手
方向における中央線の中央でこれと直角に交わる線上に
ある横振動の節の近傍に配置される。
【0016】次に、図3の(b)に示すように、導電性
材料をメタルマスク70の開口部70aの鉛直上方から
予め決められた量を溶射して、厚みhの溶射皮膜である
突起部30aをメタルマスク70の開口部70a内に形
成する。この突起部30aの高さhはメタルマスク70
の厚みtより小さくなるように、溶射量は予め設定され
ている。上記プラズマ溶射法において、溶射皮膜の堆積
方向は指向性が強く広がりにくいため、開口部70aの
最小開口幅wの部分を通過して形成された突起部30a
は、メタルマスク70の開口部70aの内面に接触する
ことはない。その後、メタルマスク70が駆動用電極2
0a上から取除かれ、図3の(c)に示すように、突起
部30aは駆動用電極20a上に形成される。上記方法
により形成された突起部30aは、メタルマスク70の
開口部70aの内面と接触していないため、メタルマス
ク70を取除く際にメタルマスク70が突起部30aに
引掛かることがなく、突起部30aは駆動用電極20a
上から剥離することがない。
【0017】[実施例2]以下、本発明の圧電振動子の
実施例2を図4を用いて説明する。なお、前述の実施例
1と同一又は同等の機能を有する構成要素には同一符号
を付して、その説明は省略する。前述の実施例1におけ
る突起部30a、30bの形成方法においては、片面エ
ッチングにより開口部70aが形成されたメタルマスク
70を用いて行ったが、両面エッッチングにより形成さ
れた開口部を有するメタルマスクの方が、エッチング時
間が短縮されるため、一般的に多く使用されている。
【0018】次に、両面エッッチングにより開口部80
aが形成されたメタルマスク80を用いて突起部30a
が形成された実施例2を説明する。図4の(a)に示す
ように、両面エッチングにより形成されたメタルマスク
80の開口部80a内にはエッジ部Bが突出している。
このため、このエッジ部Bの開口幅wはメタルマスク8
0の上下面の開口幅w1より狭く、この開口部80aの
最小開口幅となっている。図4の(a)に示すように、
このエッジ部Bは、厚み方向のほぼ中間位置にあり、駆
動用電極20a表面から厚みtの位置に形成されてい
る。従って、両面エッチングのメタルマスク80の厚み
t1を決定する場合、このメタルマスク80の開口部8
0aにおける最小開口幅wの位置から駆動用電極表面ま
での厚みtは、突起部30aの高さhより大きくなけれ
ばならない。即ち、両面エッチングのメタルマスク80
の厚みt1は、 t1>t>h の関係を有している。
【0019】上記メタルマスク80を用いて、駆動用電
極20a上に突起部30aを形成する方法は、前述の実
施例1の突起部の形成工程と実質的に同じである。すな
わち、メタルマスク80の開口部80aが圧電基板10
上の駆動用電極20aの振動の節近傍に配置されるよう
に、メタルマスク80を載置する。次に、導電性材料、
例えばMo、NiCr等の金属材料を前記開口部80a
の鉛直上方から予め決められた溶射量だけ溶射して、所
望の高さhを有する突起部30aを形成する。その後メ
タルマスク80を駆動用電極20aから取除くと、突起
部30aが圧電基板10の振動の節近傍に形成される。
【0020】両面エッチングのメタルマスク80を用い
て上記のように突起部30aを形成することにより、溶
射により形成された突起部30aはメタルマスク80の
開口部80aと接触している部分がない。このため、メ
タルマスク80が駆動用電極20aから取除かれると
き、メタルマスク80が突起部30aに引掛からず、突
起部30a等は圧電基板10から剥離することがない。
しかし、両面エッチングされたメタルマスク80を用い
て突起部30aを形成する場合、最小開口幅wを有する
部分がメタルマスク80の厚みt1の約半分の位置に形
成されているため、メタルマスク80により形成できる
突起部30aはその高さhをあまり大きくすることがで
きない。従って、大きな突起部を形成する場合には、前
述の実施例1において用いた図3の片側エッチングのメ
タルマスク70を用いる必要がある。
【0021】そこで、図4の(b)に示されているよう
に、メタルマスク80と駆動用電極20aとの間に金属
膜又は有機膜であるスペーサマスク90(図4の(b)
に示したスペーサマスク90は片面エッチングの金属膜
の場合を示す)を配置し、開口部80aにおける最小開
口幅wを有する部分の位置を、このスペーサマスク90
の厚みt2分だけ駆動用電極20aの表面から高くする
ことができる。このスペーサマスク90は、その開口部
90aの最小開口幅sがメタルマスク80の下面開口幅
w1より広く設定されている。これは、突起部30aを
スペーサマスク90の開口部90a内部と接触しないよ
うに形成するためである。なお、溶射時に一部の溶射粒
子が回り込んで駆動用電極20a上の不要な部分に付着
することがあるため、シャープな形状の突起部30aを
形成する場合には、このスペーサマスク90の最小開口
幅sをあまり広くしない方がよい。
【0022】[実施例3]以下、本発明の圧電振動子の
実施例3を図5から図6を用いて説明する。なお、前述
の実施例1と同一又は同等の機能を有する構成要素には
同一符号を付して、その説明を省略する。前述の各実施
例においては、メタルマスクを用いたメタルマスク法に
よる突起部30aの形成方法について説明したが、この
実施例3はメタルマスクの代りに有機物のフィルムであ
るレジストマスクを用いたレジストマスク法により突起
部を形成したものである。図5は開口部71aを有する
レジストマスク71を用いて駆動用電極20a上に突起
部30aを形成する工程を示す図であり、図5の(a)
は開口幅bの開口部71aを有する厚みtのレジストマ
スク71が駆動用電極20a上に配置された状態を示す
断面図である。
【0023】本実施例3のレジストマスク71の開口部
71aは、フォトリソグラフィー法によって非常にシャ
ープな開口部71aのパターンが形成されている。図5
の(b)は、駆動用電極20a上のレジストマスク71
の開口部71aに当該開口部71aの鉛直上方から所望
量の導電性材料が溶射され、溶射皮膜である突起部30
aが形成された状態を示す。この突起部30aの高さh
はレジストマスク71の厚みtより薄くなるように、導
電性材料の溶射量は予め設定されている。図5の(b)
に示すように、レジストマスク71は有機物の比較的柔
らかい材質によりフィルム状に形成されているため、溶
射された導電性材料はレジストマスク71の表面にはあ
まり付着せず、ほとんどの導電性材料がレジストマスク
表面から飛散する。図5の(b)において、符号Qによ
り示した部分は、一部の溶射粒子のみがまばらにレジス
トマスク71表面に付着した状態を示している。従っ
て、図5の(b)に示すように、レジストマスク71の
開口部71aのみに溶射皮膜が集中的に堆積し、この堆
積した溶射皮膜が突起部30aを形成する。
【0024】図5の(c)は、レジスト剥離液を用いて
レジストマスク71を駆動用電極20aの表面から剥離
した状態を示したものであり、突起部30aが圧電基板
10の振動の節近傍に配設されている。図5の(c)に
示すように、本実施例3の突起部30aの側面形状は、
ダレることなく直線状に形成されており、レジストマス
ク71の開口部71aの形状と実質的に同一の断面形状
を有している。上記のように突起部30aを形成するこ
とにより、突起部30aはシャープな矩形断面を有して
おり、突起部30aの頂部の上面は、圧電基板10の主
面である上面と実質的に平行に形成されている。
【0025】図6は上記のように形成された圧電振動子
の保持状態を示す部分拡大断面図であり、突起部30a
の近傍を示している。図6に示すように、突起部30a
の駆動用電極20aに付着している接着部の幅bは、外
部電極40aと接触している接続部の幅aと実質的に等
しくなっている。また、突起部30aの頂部である外部
電極40aと接触している接続部には、微細な凹凸部が
形成されており、この凹凸部が柔らかい材質(例えば銅
膜)で形成された外部電極40aにくい込むことによ
り、突起部30aは外部電極40aと確実に電気的に接
続され、固定されている。導電性材料が開口部71aの
鉛直上方から溶射されて突起部30aが形成されている
ために、突起部30aの頂部上面は圧電基板10の表面
と実質的に平行に形成され、この突起部30aは矩形断
面を有するように形成されている。従って、実施例3の
圧電振動子においては、外部電極40aによる押圧によ
り、突起部30aの一部が脱落したり、突起部30aに
偏った力が加わず、突起部30aは駆動用電極20a等
から剥離することがない。このように、実施例3の圧電
振動子は、駆動用電極20a上に固着された突起部30
aが確実に外部電極40aに電気的に接続されるため、
非常に安定した振動特性を有し、信頼性の高い装置とな
る。
【0026】なお、本実施例3で使用したレジストマス
ク71は、アルカリ性の溶剤により接着剤を溶解するア
ルカリ剥離タイプのドライフィルム(例えば、東京応化
(株)社製のオーディルAF、同BF等)を使用した。
この理由は、形成する突起部の厚みが高さ40μmであ
り、これより厚い(例えば100μm)レジストマスク
を形成することは、インクによる印刷法では難しく、ド
ライフィルムであれば容易に形成可能であるからであ
る。しかし、必要とされるレジストマスクの厚みが印刷
法でも容易に形成できる範囲のものであれば、印刷法に
より形成したレジストマスクを採用しても良いことは言
うまでもない。この場合においても、スクリーン印刷よ
りも開口部のパターンがシャープとなるフォトリソグラ
フィー法でレジストマスクの開口部のパターンを形成す
る方が好ましい。
【0027】なお、本実施例3のレジストマスク71
は、前述のようにアルカリ剥離タイプのドライフィルム
を使用したが、レジストマスクの開口幅bや膜厚t、あ
るいは耐熱温度等により、適時選定する必要があり、前
記アルカリ剥離タイプのドライフィルムに限定するもの
ではなく、本発明の圧電振動子の突起部を形成するため
のレジストマスクは、溶射被膜が付着しにくい比較的柔
らかい有機物の材料により形成されたものであればよ
く、レジストマスクの開口幅及び膜厚を所望の値に設定
できるものであればよい。なお、上記各実施例おいて
は、駆動用電極20a上に突起部30aが形成された圧
電振動子を示した。しかしこれら各実施例とは異なっ
て、図7に示すように、前述の各実施例において示した
突起部形成方法により、圧電基板10の表面に直接に突
起部30aを形成し、その後、蒸着により突起部30a
を覆うように圧電基板10の両主面に駆動用電極20a
を形成して、圧電振動子を製造することもできる。
【0028】また、上記各実施例においては、駆動用電
極20aが蒸着あるいは印刷法により形成されている
が、これらと異なり、この駆動用電極20aを溶射法に
より形成してもよい。なお、上記各実施例においては、
突起部を形成するためにプラズマ溶射法を使用したが、
本発明はこの方法に限定するものではない。即ち、圧電
基板、メタルマスクあるいはレジストマスクにダメージ
を与えない形成方法、例えば特開平6−122956号
公報に開示されたプラズマ溶射方法を用いて、本発明の
圧電振動子を製造してもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明の圧電振動子の製造方法によれ
ば、形成するべき突起部の高さを考慮してマスク等の厚
みを選定し、圧電基板の振動の節近傍に突起部を形成す
る工程において、予め決められた量の導電性材料をマス
ク開口部の鉛直上方から溶射して、マスクの開口部にお
ける上面又は最小開口幅の位置より低い突起部を形成し
ているため、マスク剥離時において突起部等が圧電基板
から剥離するということがなく、製品歩留りを飛躍的に
向上させることができる。また、本発明によれば、突起
部が駆動用電極の表面と実質的に平行な面を有する矩形
断面を持つように形成されているため、外部電極の押圧
により突起部の一部が脱落したり、突起部が駆動用電極
から剥離することがなく、確実に突起部が駆動用電極と
外部電極とを電気的に接続する。それゆえ、安定した振
動特性を有し、信頼性の高い装置を得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の圧電振動子を示す斜視図で
ある。
【図2】図1の圧電振動子の保持構造を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例1における突起部の形成工程を
示す説明図である。
【図4】本発明の実施例2における突起部の形成工程を
示す説明図である。
【図5】本発明の実施例3における突起部の形成工程を
示す説明図である。
【図6】本発明の実施例3において形成された突起部と
外部電極との接触部を示す拡大断面図である。
【図7】本発明の別の実施例における突起部と外部電極
との接触部を示す拡大断面図である。
【図8】従来の圧電振動子を示す斜視図である。
【図9】従来の圧電振動子の保持構成を示した断面図で
ある。
【図10】従来の圧電振動子における突起部形成時の説
明図である。
【図11】従来の圧電振動子における突起部形成時の説
明図である。
【図12】従来の圧電振動子における突起部形成時の説
明図である。
【符号の説明】
10 圧電基板 20a 駆動用電極 30a 突起部 40a 外部電極 70 メタルマスク 70a 開口部 71 レジストマスク 71a 開口部 80 メタルマスク 80a 開口部 90 スペーサマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 拓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川崎 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大土 哲郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電材料からなる圧電基板の対向する両
    主面上に導電体からなる駆動用電極を形成する工程と、 前記駆動用電極上にマスクを載置して、当該マスクに形
    成された帯状の開口部を前記圧電基板の振動の節近傍に
    配置する工程と、 予め決められた量の導電性材料を前記マスクの開口部に
    当該開口部の鉛直上方から溶射し、前記駆動用電極表面
    から前記開口部における上面又は最小開口幅の位置まで
    の高さより低い突起部を前記駆動用電極表面に形成する
    工程と、 前記マスクを前記駆動用電極上から剥離する工程と、 を有する圧電振動子の製造方法。
  2. 【請求項2】 圧電材料からなる圧電基板の対向する両
    主面上に導電体からなる駆動用電極を形成する工程と、 前記駆動用電極上にスペーサマスクを載置して、当該ス
    ペーサマスクに形成された帯状の開口部を前記圧電基板
    の振動の節近傍に配置する工程と、 前記スペーサマスク上にマスクを載置して、前記スペー
    サマスクの開口部より小さい幅の前記マスクの帯状の開
    口部を前記スペーサマスクの開口部と実質的に同一の位
    置に配置する工程と、 予め決められた量の導電性材料を前記マスクの開口部に
    当該開口部の鉛直上方から溶射し、前記駆動用電極表面
    から前記マスクの開口部における上面又は最小開口幅の
    位置までの高さより低い突起部を前記駆動用電極表面に
    形成する工程と、 前記マスク及び前記スペーサマスクを前記駆動用電極上
    から剥離する工程と、を有する圧電振動子の製造方法。
  3. 【請求項3】 圧電材料からなる圧電基板の対向する両
    主面上にマスクを載置して、当該マスクに形成された帯
    状の開口部を前記圧電基板の振動の節近傍に配置する工
    程と、 予め決められた量の導電性材料を前記マスクの開口部に
    当該開口部の鉛直上方から溶射し、前記圧電基板表面か
    ら前記開口部における上面又は最小開口幅の位置までの
    高さより低い突起部を前記圧電基板表面に形成する工程
    と、 前記マスクを前記圧電基板上から剥離する工程と、 前記圧電基板の前記突起部が形成された両主面上に導電
    体からなる駆動用電極を形成する工程と、 を有する圧電振動子の製造方法。
  4. 【請求項4】 平板状の圧電基板と、 前記圧電基板の対向する両主面に形成された二つの駆動
    用電極と、 前記各駆動用電極上における前記圧電基板の振動の節近
    傍に形成され、断面形状が実質的に矩形であり、その頂
    部が前記圧電基板の主面と実質的に平行な面を有する突
    起部と、 前記突起部の頂部に電気的に接触して、前記圧電基板を
    挟着し保持する外部電極と、 を有する圧電振動子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002313898A (ja) * 2001-02-08 2002-10-25 Tokyo Electron Ltd 基板載置台およびその製造方法ならびに処理装置
KR101016582B1 (ko) * 2007-08-21 2011-02-22 주식회사 코미코 용사 돌기 형성용 마스크, 상기 마스크를 이용한 용사 돌기형성 방법 및 상기 마스크를 이용한 기판 지지대 제조방법
TWI572072B (zh) * 2015-11-09 2017-02-21 業成光電(深圳)有限公司 壓電元件的製造方法及壓電基板

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